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漢語拼音(ピンイン)
< 中国語 青山華湖 拼音(ピンイン)とは、中華人民共和国の定めた、発音の表記法である。 1955~1957年、「中国文字改革委員会」が、「漢語拼音方案委員会」を設立し、研究に乗り出した。 1958年2月11日,全国人民代表大会がこれを公布した。 1982年、国際標準化機構がピンインを中国語の国際的な表記法に定めた。 Vは外来語・少数民族の言語・方言を書くときにしか使われない。字母の書き方はラディ字母の一般な書き方の通りである。 韻母は母音である。中国語の母音はa o e i u üの六つがある。 声調記号は主要な母音の上につく。軽声は表記しない。 例えば: 漢字の読音を表わす時、省略のために、zh、ch、shはẑ、ĉ、ŝにしてもよい。[いま稀な] (1)“知、蚩、詩、日、資、雌、思”(zh、ch、sh、r、z、c、s)の韻母は i [ɻ̩][ɹ̩]、zhi、chi、shi、ri、zi、ci、si を書きます。 (2)韻母ㄦは er と書く、韻の尾を使う時は r 。例えば:“兒童“ értóng、“花兒” huār。 (3)韻母ㄝ独立用は ê 。 (4) i 段の韻母の前に声母がいないならyi(衣)、ya(呀),ye(耶)、yao(腰)、you(憂)、yan(烟)、yin(因)、yang(央)、ying(英)、yong(雍)になる。 u 段の韻母の前に声母がいないなら wu(烏)、wa(蛙)、wo(窩)、wai(歪)、wei(威)、wan(弯)、wen(温)、wang(汪)、weng(翁)になる。 ü 段の韻母の前に声母がいないなら yu(迂)、yue(約)、yuan(冤)、yun(暈)(ü の上の点が省略) ü 段の韻母と声母 j,q,x つくなら ju(居)、qu(区)、xu(虚)、ü の上の点が省略;でもと声母 n,l つくなら、nü(女),lü(呂)でつく。 (5) iou、uei、uen の前に声母がある時は、 iu、ui、un に省略し。例えば:niu(牛)、gui(帰)、lun(論)。 (6)注音の時,スペルを短くするために,ng は ŋ とつく。[いま稀な] a、o、e 開始の音節は他の音節の後ろに接続されている、音節の限界が混同されている場合は、音分離記号(')で区切ります。例えば pí'ǎo(皮襖)。 中華人民共和国《漢語拼音方案》1958年2月11日(昭和33年)
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "< 中国語", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "青山華湖", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "拼音(ピンイン)とは、中華人民共和国の定めた、発音の表記法である。", "title": "拼音の制定" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "1955~1957年、「中国文字改革委員会」が、「漢語拼音方案委員会」を設立し、研究に乗り出した。", "title": "拼音の制定" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "1958年2月11日,全国人民代表大会がこれを公布した。", "title": "拼音の制定" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "1982年、国際標準化機構がピンインを中国語の国際的な表記法に定めた。", "title": "拼音の制定" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "Vは外来語・少数民族の言語・方言を書くときにしか使われない。字母の書き方はラディ字母の一般な書き方の通りである。", "title": "アルファベット" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "韻母は母音である。中国語の母音はa o e i u üの六つがある。", "title": "韻母" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "声調記号は主要な母音の上につく。軽声は表記しない。 例えば:", "title": "声調記号" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "漢字の読音を表わす時、省略のために、zh、ch、shはẑ、ĉ、ŝにしてもよい。[いま稀な]", "title": "声母表" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "(1)“知、蚩、詩、日、資、雌、思”(zh、ch、sh、r、z、c、s)の韻母は i [ɻ̩][ɹ̩]、zhi、chi、shi、ri、zi、ci、si を書きます。", "title": "漢語拼音方案" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "(2)韻母ㄦは er と書く、韻の尾を使う時は r 。例えば:“兒童“ értóng、“花兒” huār。", "title": "漢語拼音方案" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "(3)韻母ㄝ独立用は ê 。", "title": "漢語拼音方案" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "(4) i 段の韻母の前に声母がいないならyi(衣)、ya(呀),ye(耶)、yao(腰)、you(憂)、yan(烟)、yin(因)、yang(央)、ying(英)、yong(雍)になる。 u 段の韻母の前に声母がいないなら wu(烏)、wa(蛙)、wo(窩)、wai(歪)、wei(威)、wan(弯)、wen(温)、wang(汪)、weng(翁)になる。 ü 段の韻母の前に声母がいないなら yu(迂)、yue(約)、yuan(冤)、yun(暈)(ü の上の点が省略) ü 段の韻母と声母 j,q,x つくなら ju(居)、qu(区)、xu(虚)、ü の上の点が省略;でもと声母 n,l つくなら、nü(女),lü(呂)でつく。", "title": "漢語拼音方案" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "(5) iou、uei、uen の前に声母がある時は、 iu、ui、un に省略し。例えば:niu(牛)、gui(帰)、lun(論)。", "title": "漢語拼音方案" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "(6)注音の時,スペルを短くするために,ng は ŋ とつく。[いま稀な]", "title": "漢語拼音方案" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "a、o、e 開始の音節は他の音節の後ろに接続されている、音節の限界が混同されている場合は、音分離記号(')で区切ります。例えば pí'ǎo(皮襖)。", "title": "音分離記号" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "中華人民共和国《漢語拼音方案》1958年2月11日(昭和33年)", "title": "参照" } ]
< 中国語 青山華湖
< [[中国語]] {{wikipedia|ピン音|拼音}}青山華湖 == 拼音の制定 == '''拼音'''(ピンイン)とは、[[w:中華人民共和国|中華人民共和国]]の定めた、発音の表記法である。 1955~1957年、「中国文字改革委員会」が、「漢語拼音方案委員会」を設立し、研究に乗り出した。 1958年2月11日,全国人民代表大会がこれを公布した。 1982年、国際標準化機構がピンインを中国語の国際的な表記法に定めた。 == アルファベット == {| class="wikitable" |- ! 字母 !! 名稱 !! 字母 !! 名稱 !! 字母 !! 名稱 !! 字母 !! 名稱 !! 字母 !! 名稱 !! 字母 !! 名稱 !! 字母 !! 名稱 |- | Aa || ㄚ || Bb || ㄅㄝ || Cc || ㄘㄝ || Dd || ㄉㄝ || Ee || ㄜ || Ff || ㄝㄈ || Gg || ㄍㄝ |- | Hh || ㄏㄚ || Ii || ㄧ || Jj || ㄐㄧㄝ || Kk || ㄎㄝ || Ll || ㄝㄌ || Mm || ㄝㄇ || Nn || ㄋㄝ |- | Oo || ㄛ || Pp || ㄆㄝ || Qq || ㄑㄧㄡ || || || Rr || ㄚㄦ || Ss || ㄝㄙ || Tt || ㄊㄝ |- | Uu || ㄨ || Vv || ㄪㄝ || Ww || ㄨㄚ || || || Xx || ㄒㄧ || Yy || ㄧㄚ || Zz || ㄗㄝ |} Vは外来語・少数民族の言語・方言を書くときにしか使われない。字母の書き方はラディ字母の一般な書き方の通りである。 == 韻母 == 韻母は母音である。中国語の母音はa o e i u üの六つがある。 == 声調記号 == {| class="wikitable" |- ! 阴平 !! 阳平 !! 上(shǎng)声 !! 去声 |- | - || / || ∨ || ﹨ |} 声調記号は主要な母音の上につく。軽声は表記しない。 例えば: {| class="wikitable" |- ! 阴平 !! 阳平 !! 上声 !! 去声 !! 轻声 |- | 媽 mā || 麻 má || 馬 mǎ || 罵 mà || 嗎 ma |} == 声母表 == {| class="wikitable" |- ! 字母 !! 名稱 !! 字母 !! 名稱 !! 字母 !! 名稱 !! 字母 !! 名稱 !! 字母 !! 名稱 !! 字母 !! 名稱 !! 字母 !! 名稱 !! 字母 !! 名稱 |- | b || ㄅ(玻) || p || ㄆ(坡) || m || ㄇ(摸) || f || ㄈ(佛) || d || ㄉ(得) || t || ㄊ(特) || n || ㄋ(訥) || l || ㄌ(勒) |- | g || ㄍ(哥) || k || ㄎ(科) || h || ㄏ(喝) || || || j || ㄐ(基) || q || ㄑ(欺) || x || ㄒ(希) | | |- | zh || ㄓ(知) || ch || ㄔ(蚩) || sh || ㄕ(詩) || r || ㄖ(日) || z || ㄗ(資) || c || ㄘ(雌) || s || ㄙ(思) | | |} 漢字の読音を表わす時、省略のために、zh、ch、shはẑ、ĉ、ŝにしてもよい。[いま稀な] == 韻母組合表 == {| class="wikitable" |- ! 各行 !! i 段 !! u 段 !! ü 段 |- | || i ㄧ(衣) || u ㄨ(烏) || ü ㄩ(迂) |- | a ㄚ(啊) || ia ㄧㄚ(呀) || ua ㄨㄚ(蛙) |- | o ㄛ(喔) || || uo ㄨㄛ(窩) |- | e ㄜ(鵝) || ie ㄧㄝ(耶) || || üe ㄩㄝ(約) |- | ai ㄞ(哀) || || uai ㄨㄞ(歪) |- | ei ㄟ(誒) || || uei ㄨㄟ(威) |- | ao ㄠ(熬) || iao ㄧㄠ(腰) || |- | ou ㄡ(欧) || iou ㄡ(憂) || |- | an ㄢ(安) || ian ㄧㄢ(烟) || uan ㄨㄢ(弯) || üan ㄩㄢ(冤) |- | en ㄣ(恩) || in ㄧㄣ(因) || uen ㄨㄣ(温) || ün ㄩㄣ(暈) |- | ang ㄤ(昂) || iang ㄧㄤ(央) || uang ㄨㄤ(汪) |- | eng ㄥ(亨の韵母) || ing ㄧㄥ(英) || ueng ㄨㄥ(翁) |- | ong ㄨㄙ(轟の韵母) || iong ㄩㄥ(雍) || |} == 漢語拼音方案 == ⑴“知、蚩、詩、日、資、雌、思”(zh、ch、sh、r、z、c、s)の韻母は i [ɻ̩][ɹ̩]、zhi、chi、shi、ri、zi、ci、si を書きます。 ⑵韻母ㄦは er と書く、韻の尾を使う時は r 。例えば:“兒童“ értóng、“花兒” huār。 ⑶韻母ㄝ独立用は ê 。 ⑷ i 段の韻母の前に声母がいないならyi(衣)、ya(呀),ye(耶)、yao(腰)、you(憂)、yan(烟)、yin(因)、yang(央)、ying(英)、yong(雍)になる。<br /> u 段の韻母の前に声母がいないなら wu(烏)、wa(蛙)、wo(窩)、wai(歪)、wei(威)、wan(弯)、wen(温)、wang(汪)、weng(翁)になる。<br /> ü 段の韻母の前に声母がいないなら yu(迂)、yue(約)、yuan(冤)、yun(暈)(ü の上の点が省略)<br /> ü 段の韻母と声母 j,q,x つくなら ju(居)、qu(区)、xu(虚)、ü の上の点が省略;でもと声母 n,l つくなら、nü(女),lü(呂)でつく。 ⑸ iou、uei、uen の前に声母がある時は、 iu、ui、un に省略し。例えば:niu(牛)、gui(帰)、lun(論)。 ⑹注音の時,スペルを短くするために,ng は ŋ とつく。[いま稀な] == 音分離記号 == a、o、e 開始の音節は他の音節の後ろに接続されている、音節の限界が混同されている場合は、音分離記号(')で区切ります。例えば pí'ǎo(皮襖)。 == 参照 == 中華人民共和国《漢語拼音方案》1958年2月11日(昭和33年) {{stub}} [[カテゴリ:アジアの言語]] [[category:中国語|ひんいん]]
2012-01-16T06:39:04Z
2023-08-26T21:46:54Z
[ "テンプレート:Wikipedia", "テンプレート:Stub" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E6%BC%A2%E8%AA%9E%E6%8B%BC%E9%9F%B3%EF%BC%88%E3%83%94%E3%83%B3%E3%82%A4%E3%83%B3%EF%BC%89
16,678
今天星期几(今日は何曜日ですか)
<中国語 読本 入門編A 日本語の助詞「た」を使いので過去時を表す。 (また未完成)
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "<中国語 読本 入門編A", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "日本語の助詞「た」を使いので過去時を表す。 (また未完成)", "title": "文法" } ]
<中国語 読本 入門編A
<[[中国語 読本 入門編A]] ==本文== ===简体=== :现在是早上六点。 :小张起床。 :小张早上六点起床 :现在是中午十二点。 :小张正在上课。 :现在是下午五点。 :小张回到家。 :现在是晚上六点。 :小张写作业。 :现在是半夜十二点。 :小张在睡觉。 :现在是凌晨一点。 :今天是星期几? :今天是星期一。 :小张要上学。 :因为今天是星期一,所以小张要上学。 :今天是几号? :今天是十二月十九号。 ===繁体=== :現在是早上六點。 :小張起床。 :小張早上六點起床 :現在是中午十二點。 :小張正在上課。 :現在是下午五點。 :小張回到家。 :現在是晚上六點。 :小張寫作業。 :現在是半夜十二點。 :小張在睡覺。 :現在是凌晨一點。 :今天是星期幾? :今天是星期一。 :小張要上學。 :因為今天是星期一,所以小張要上學。 :今天是幾號? :今天是十二月十九號。 ご注意 第四課の内容がとても多いですから,よく時間をお掛けてください。 ==単語== ==文法== ===時間の問うと答え=== *中国語での常用な時間の単位: **年,月,日,星期(曜日,礼拜),时(点) *時間の問い方は: **现在是几几年/几月/几日/几点/星期几(今は何年・何月・何日・何時・何曜日ですか) *ことに,「年」の問うときは,ふたつの「几」を使い。この例を見てください,今年は2012年(平成24年)だ,この二つの「几」は,その「12」を問うためだ。でも習慣によって,全部のよっつの数字(例えば2012)を答える。 *この「现在」は。日本語の「今」と同じだ。 ===数字=== ===動詞=== *基本的な動詞句は: *''甲'' ''做'' (''某事'') *のようだ *例えば **小张起床(張さんは起きます)(「張さん」はその「甲」,「起きます」はその「做」,目的語の「某事」はここに必要ない) *または **小张写作业(張さんは宿題をします)(「張さん」はその「甲」,「します」はその「做」,宿題はその「某事」) *気がしなさい:中国語の動詞句は「主語+動詞+目的語」の結構である。これは日本語と違いである。 *でもそんな簡単な動詞句は不常用である。そうして: ====動詞の現在時==== *日本語では,動詞の現在時は助詞の「て」を使い,同時に動詞を活用する。例えば「する→して」「やる→やって」 *でも,中国語の動詞はこういった活用できない。 *中国語の現在時は副詞の「在」を動詞の前につける,一般に: *''甲'' 在(正在) ''做''(''某事'') *例えば *小张在上课(張さんは授業を受けています) ===動詞の過去時=== 日本語の助詞「た」を使いので過去時を表す。 (また未完成) {{stub}} [[Category:中国語|とくほんA4]] [[Category:中国語_読本_入門編A|4]]
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2015-10-25T02:19:48Z
[ "テンプレート:Stub" ]
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16,686
統語論
統語論は文を対象とし 直接構成素分析(Immediate Constituent Analysis)は文を、それを直接構成する要素に順次わけていき、それを文を構成する最小要素である語・形態素にたどり着くまで続け、最小要素が文を構成するステップを示します。 例を見てみましょう。 はまず
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "統語論は文を対象とし", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "直接構成素分析(Immediate Constituent Analysis)は文を、それを直接構成する要素に順次わけていき、それを文を構成する最小要素である語・形態素にたどり着くまで続け、最小要素が文を構成するステップを示します。 例を見てみましょう。", "title": "直接構成素分析" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "はまず", "title": "直接構成素分析" } ]
統語論は文を対象とし 語と形態素を結びつけてさらにそれを再配置し、それによって音声解釈と意味解釈がどのように対応させられるかを研究する分野です。〈解釈の機能〉 さらに、幼児の言語獲得、第二言語獲得の基礎理論ともなります。〈げん(原・言)語獲得〉 …
{{Pathnav|人文科学|言語学|frame=1}} {{Substub}} 統語論は文を対象とし #語と形態素を結びつけてさらにそれを再配置し、それによって音声解釈と意味解釈がどのように対応させられるかを研究する分野です。〈解釈の機能〉 #さらに、幼児の言語獲得、第二言語獲得の基礎理論ともなります。〈げん(原・言)語獲得〉 #… ==直接構成素分析== 直接構成素分析(Immediate Constituent Analysis)は文を、それを直接構成する要素に順次わけていき、それを文を構成する最小要素である語・形態素にたどり着くまで続け、最小要素が文を構成するステップを示します。 例を見てみましょう。 :;The girl kissed the boy suddenly はまず :;The girl+kissed the boy suddenly ==不連続構成素== [[Category:言語学|とうころん]]
2012-01-24T02:56:50Z
2023-09-25T06:57:38Z
[ "テンプレート:Pathnav", "テンプレート:Substub" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E7%B5%B1%E8%AA%9E%E8%AB%96
16,687
Scheme/syntax-rules
syntax-rulesは、R5RSで導入された衛生的マクロ(hygienic macro)である。衛生的なsyntax-rulesを使うことで、文脈に依存せず正しく動作するマクロを書くことができる。また、現実の問題として、R5RSで規格化されたマクロはsyntax-rulesしかないので、実装に依存しないマクロを書くためにsyntax-rulesを使う必要があるかもしれない。 純粋な衛生的なマクロは、伝統的なS式の変換によるマクロと比較して表現力が劣るが、それでも数多くのマクロを表現することができる。たとえば、伝統的マクロとして実装されているS式のパターンマッチマクロ match (Andrew Wrightのmatch) も、syntax-rulesのみを使った別実装がされている(Alex Shinnによる。) let-syntaxはその内部で使用されるマクロを定義する構文である。let-syntaxを使うことで、グローバル名前空間を汚染しない、その場限りのマクロを定義することができる。また、マクロの引数を利用して、新たなマクロを定義する場合にも使われる。 マクロの展開や特殊形式の認識は外側の式から順に行われるため、マクロ定義に、他のマクロの返り値(他のマクロによって展開されたプログラム)を直接埋め込むことはできない。 たとえば、以下のコードは(lambda (x y) (+ x y))に展開することを意図したものだが、(lambda (get-vars (x 'number) (y 'number)) (+ x y)) で展開が終了してしまい正しく動かない。 マクロの展開を次々と連鎖させるためには、マクロの展開形も(マクロ 引数 ...)という形になっていなければならない。 そこで、マクロを継続渡しスタイルで定義する。まず注意すべき点は、マクロの展開型として許されるのは構文だけであり、継続としてマクロ自身を直接扱うことはできないことである。したがって、マクロの引数とbodyを継続として扱い、その情報をもとにcpsマクロの内部で継続マクロを組み立てる必要がある。 以下が、cpsで書かれたマクロである。一見ややこしく見えるが、マクロの組み立てと適用の部分が煩雑なだけであり、本質は機械的なCPS変換である。 これによって、展開自体は適切に行われる。 マクロの入力と、マクロの出力(マクロ展開形)に適当なマッピング(対応付け)を施すと、チューリング機械をエミュレートできる。これは、入力と出力の仔細にこだわらなければ、ありとあらゆるプログラム変換をマクロによってできるということを意味する。入力されるプログラムによってはマクロの展開が停止しない場合があるような変換も表現することができる。 この能力はマクロの再帰的呼び出しによってもたらされている。 一方で、衛生的マクロであることから、(構文的)環境を変える変換を行うことができない。チューリングマシンの万能性からして制限があることを奇妙に思われるかも知れないが、これはチューリングマシンでテープアルファベット以外の文字を出力できないのと同じ道理である。 let-syntaxによるマクロのその場定義を利用して、構文要素の型を判定することもできる。Olegのアイディアによる。 型の不明な構文 symbol-or-literal を新しく定義するマクロ test のパターン中に埋め込み、そのマクロの挙動をみてもとの構文を判断するという仕組みである。構文がシンボルなら、パターン中の構文は変数として作用するため、match-meのような任意のシンボルにマッチするという性質を使っている。 R5RSではこのように技巧的な手段が必要であるが、R6RSの衛生的マクロでは自然に定義できる。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "syntax-rulesは、R5RSで導入された衛生的マクロ(hygienic macro)である。衛生的なsyntax-rulesを使うことで、文脈に依存せず正しく動作するマクロを書くことができる。また、現実の問題として、R5RSで規格化されたマクロはsyntax-rulesしかないので、実装に依存しないマクロを書くためにsyntax-rulesを使う必要があるかもしれない。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "純粋な衛生的なマクロは、伝統的なS式の変換によるマクロと比較して表現力が劣るが、それでも数多くのマクロを表現することができる。たとえば、伝統的マクロとして実装されているS式のパターンマッチマクロ match (Andrew Wrightのmatch) も、syntax-rulesのみを使った別実装がされている(Alex Shinnによる。)", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "let-syntaxはその内部で使用されるマクロを定義する構文である。let-syntaxを使うことで、グローバル名前空間を汚染しない、その場限りのマクロを定義することができる。また、マクロの引数を利用して、新たなマクロを定義する場合にも使われる。", "title": "let-syntax" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "マクロの展開や特殊形式の認識は外側の式から順に行われるため、マクロ定義に、他のマクロの返り値(他のマクロによって展開されたプログラム)を直接埋め込むことはできない。", "title": "継続渡し" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "たとえば、以下のコードは(lambda (x y) (+ x y))に展開することを意図したものだが、(lambda (get-vars (x 'number) (y 'number)) (+ x y)) で展開が終了してしまい正しく動かない。", "title": "継続渡し" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "マクロの展開を次々と連鎖させるためには、マクロの展開形も(マクロ 引数 ...)という形になっていなければならない。 そこで、マクロを継続渡しスタイルで定義する。まず注意すべき点は、マクロの展開型として許されるのは構文だけであり、継続としてマクロ自身を直接扱うことはできないことである。したがって、マクロの引数とbodyを継続として扱い、その情報をもとにcpsマクロの内部で継続マクロを組み立てる必要がある。", "title": "継続渡し" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "以下が、cpsで書かれたマクロである。一見ややこしく見えるが、マクロの組み立てと適用の部分が煩雑なだけであり、本質は機械的なCPS変換である。", "title": "継続渡し" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "これによって、展開自体は適切に行われる。", "title": "継続渡し" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "マクロの入力と、マクロの出力(マクロ展開形)に適当なマッピング(対応付け)を施すと、チューリング機械をエミュレートできる。これは、入力と出力の仔細にこだわらなければ、ありとあらゆるプログラム変換をマクロによってできるということを意味する。入力されるプログラムによってはマクロの展開が停止しない場合があるような変換も表現することができる。", "title": "チューリング完全性" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "この能力はマクロの再帰的呼び出しによってもたらされている。", "title": "チューリング完全性" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "一方で、衛生的マクロであることから、(構文的)環境を変える変換を行うことができない。チューリングマシンの万能性からして制限があることを奇妙に思われるかも知れないが、これはチューリングマシンでテープアルファベット以外の文字を出力できないのと同じ道理である。", "title": "チューリング完全性" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "let-syntaxによるマクロのその場定義を利用して、構文要素の型を判定することもできる。Olegのアイディアによる。", "title": "let-syntaxによる構文要素(型)の判定" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "型の不明な構文 symbol-or-literal を新しく定義するマクロ test のパターン中に埋め込み、そのマクロの挙動をみてもとの構文を判断するという仕組みである。構文がシンボルなら、パターン中の構文は変数として作用するため、match-meのような任意のシンボルにマッチするという性質を使っている。", "title": "let-syntaxによる構文要素(型)の判定" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "R5RSではこのように技巧的な手段が必要であるが、R6RSの衛生的マクロでは自然に定義できる。", "title": "let-syntaxによる構文要素(型)の判定" } ]
syntax-rulesは、R5RSで導入された衛生的マクロ(hygienic macro)である。衛生的なsyntax-rulesを使うことで、文脈に依存せず正しく動作するマクロを書くことができる。また、現実の問題として、R5RSで規格化されたマクロはsyntax-rulesしかないので、実装に依存しないマクロを書くためにsyntax-rulesを使う必要があるかもしれない。 純粋な衛生的なマクロは、伝統的なS式の変換によるマクロと比較して表現力が劣るが、それでも数多くのマクロを表現することができる。たとえば、伝統的マクロとして実装されているS式のパターンマッチマクロ match も、syntax-rulesのみを使った別実装がされている(Alex Shinnによる。)
'''syntax-rules'''は、R5RSで導入された'''衛生的マクロ'''('''hygienic macro''')である。衛生的なsyntax-rulesを使うことで、文脈に依存せず正しく動作するマクロを書くことができる。また、現実の問題として、R5RSで規格化されたマクロはsyntax-rulesしかないので、実装に依存しないマクロを書くためにsyntax-rulesを使う必要があるかもしれない。 純粋な衛生的なマクロは、伝統的なS式の変換によるマクロと比較して表現力が劣るが、それでも数多くのマクロを表現することができる。たとえば、伝統的マクロとして実装されているS式のパターンマッチマクロ match (Andrew Wrightのmatch) も、syntax-rulesのみを使った別実装がされている(Alex Shinn<ref>[http://synthcode.com synthcode] (accessdate=2012-01-24)</ref>による。) ==衛生的マクロとは== ==パターン変数== ==キーワード== ==省略 (...)== ==再帰的マクロ== ==let-syntax== let-syntaxはその内部で使用されるマクロを定義する構文である。let-syntaxを使うことで、グローバル名前空間を汚染しない、その場限りのマクロを定義することができる。また、マクロの引数を利用して、新たなマクロを定義する場合にも使われる。 ==継続渡し== マクロの展開や特殊形式の認識は外側の式から順に行われるため、マクロ定義に、他のマクロの返り値(他のマクロによって展開されたプログラム)を直接埋め込むことはできない。 たとえば、以下のコードは(lambda (x y) (+ x y))に展開することを意図したものだが、(lambda (get-vars (x 'number) (y 'number)) (+ x y)) で展開が終了してしまい正しく動かない。 <syntaxhighlight lang="scheme"> (define-syntax get-vars (syntax-rules () ((_ (var type) ...) (var ...)))) (define-syntax my-macro (syntax-rules () ((_ body args ...) (lambda (get-vars args ...) body)))) (my-macro (+ x y) (x 'number) (y 'number)) </syntaxhighlight> マクロの展開を次々と連鎖させるためには、マクロの展開形も(マクロ 引数 ...)という形になっていなければならない。 そこで、マクロを継続渡しスタイルで定義する。まず注意すべき点は、マクロの展開型として許されるのは構文だけであり、継続としてマクロ自身を直接扱うことはできないことである。したがって、マクロの引数とbodyを継続として扱い、その情報をもとにcpsマクロの内部で継続マクロを組み立てる必要がある。 以下が、cpsで書かれたマクロである。一見ややこしく見えるが、マクロの組み立てと適用の部分が煩雑なだけであり、本質は機械的なCPS変換である。 <syntaxhighlight lang="scheme"> (define-syntax get-vars-cps (syntax-rules (syntax-lambda) ((_ (syntax-lambda cont-args cont-body) (var type) ...) (let-syntax ((cont-syntax (syntax-rules () ((_ cont-args) cont-body)))) (cont-syntax (var ...)))))) (define-syntax my-macro-cps (syntax-rules (syntax-lambda) ((_ (syntax-lambda cont-args cont-body) body args ...) (get-vars-cps (syntax-lambda it (let-syntax ((cont-syntax (syntax-rules () ((_ cont-args) cont-body)))) (cont-syntax ((lambda it body))))) args ...)))) (define-syntax my-macro-2 (syntax-rules () ((_ body args ...) (my-macro-cps (syntax-lambda (it) it) body args ...)))) </syntaxhighlight> これによって、展開自体は適切に行われる。 <!--しかし、環境が合致しないので意図したとおりには動きませんよ! その辺はまた ... --> ==チューリング完全性== マクロの入力と、マクロの出力(マクロ展開形)に適当なマッピング(対応付け)を施すと、チューリング機械をエミュレートできる。これは、入力と出力の仔細にこだわらなければ、ありとあらゆるプログラム変換をマクロによってできるということを意味する。入力されるプログラムによってはマクロの展開が停止しない場合があるような変換も表現することができる。 この能力はマクロの再帰的呼び出しによってもたらされている。 ===制限=== 一方で、衛生的マクロであることから、(構文的)環境を変える変換を行うことができない。チューリングマシンの万能性からして制限があることを奇妙に思われるかも知れないが、これはチューリングマシンでテープアルファベット以外の文字を出力できないのと同じ道理である。 ==let-syntaxによる構文要素(型)の判定== let-syntaxによるマクロのその場定義を利用して、構文要素の型を判定することもできる。Oleg<ref>[http://okmij.org/ftp/Scheme/macros.html http://okmij.org/ftp/Scheme/macros.html] (accessdate=2012-01-24)</ref>のアイディアによる。 <syntaxhighlight lang="scheme"> (define-syntax type-of (syntax-rules () ((_ ()) 'null) ((_ (expr ...)) 'pair) ((_ #(expr ...)) 'vector) ((_ symbol-or-literal) (let-syntax ((test (syntax-rules () ((_ symbol-or-literal) 'symbol) ((_ _) 'literal) ; 数値・真偽値・文字・文字列のどれか ))) (test match-me))))) </syntaxhighlight> 型の不明な構文 symbol-or-literal を新しく定義するマクロ test のパターン中に埋め込み、そのマクロの挙動をみてもとの構文を判断するという仕組みである。構文がシンボルなら、パターン中の構文は変数として作用するため、match-meのような任意のシンボルにマッチするという性質を使っている。 R5RSではこのように技巧的な手段が必要であるが、R6RSの衛生的マクロでは自然に定義できる。 <references/> {{stub}}
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2020-05-27T00:05:07Z
[ "テンプレート:Stub" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/Scheme/syntax-rules
16,694
公文書等の管理に関する法律第5条
コンメンタール公文書等の管理に関する法律(前)(次) (整理)
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "コンメンタール公文書等の管理に関する法律(前)(次)", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "(整理)", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "", "title": "判例" } ]
コンメンタール公文書等の管理に関する法律(前)(次)
[[コンメンタール公文書等の管理に関する法律]]([[公文書等の管理に関する法律第4条|前]])([[公文書等の管理に関する法律第6条|次]]) ==条文== (整理) ;第5条   #行政機関の職員が行政文書を作成し、又は取得したときは、当該行政機関の長は、政令で定めるところにより、当該行政文書について分類し、名称を付するとともに、保存期間及び保存期間の満了する日を設定しなければならない。 #行政機関の長は、能率的な事務又は事業の処理及び行政文書の適切な保存に資するよう、単独で管理することが適当であると認める行政文書を除き、適時に、相互に密接な関連を有する行政文書(保存期間を同じくすることが適当であるものに限る。)を一の集合物(以下「行政文書ファイル」という。)にまとめなければならない。 #前項の場合において、行政機関の長は、政令で定めるところにより、当該行政文書ファイルについて分類し、名称を付するとともに、保存期間及び保存期間の満了する日を設定しなければならない。 #行政機関の長は、第一項及び前項の規定により設定した保存期間及び保存期間の満了する日を、政令で定めるところにより、延長することができる。 #行政機関の長は、行政文書ファイル及び単独で管理している行政文書(以下「行政文書ファイル等」という。)について、保存期間(延長された場合にあっては、延長後の保存期間。以下同じ。)の満了前のできる限り早い時期に、保存期間が満了したときの措置として、歴史公文書等に該当するものにあっては政令で定めるところにより国立公文書館等への移管の措置を、それ以外のものにあっては廃棄の措置をとるべきことを定めなければならない。 ==解説== ==参照条文== ==判例== {{stub}} [[category:公文書等の管理に関する法律|05]]
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2012-01-28T05:03:00Z
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16,695
公文書等の管理に関する法律第4条
コンメンタール公文書等の管理に関する法律(前)(次)
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "コンメンタール公文書等の管理に関する法律(前)(次)", "title": "" } ]
コンメンタール公文書等の管理に関する法律(前)(次)
[[コンメンタール公文書等の管理に関する法律]]([[公文書等の管理に関する法律第3条|前]])([[公文書等の管理に関する法律第5条|次]]) ==条文== ;第4条   :行政機関の職員は、第一条の目的の達成に資するため、当該行政機関における経緯も含めた意思決定に至る過程並びに当該行政機関の事務及び事業の実績を合理的に跡付け、又は検証することができるよう、処理に係る事案が軽微なものである場合を除き、次に掲げる事項その他の事項について、文書を作成しなければならない。 :一  法令の制定又は改廃及びその経緯 :二  前号に定めるもののほか、閣議、関係行政機関の長で構成される会議又は省議(これらに準ずるものを含む。)の決定又は了解及びその経緯 :三  複数の行政機関による申合せ又は他の行政機関若しくは地方公共団体に対して示す基準の設定及びその経緯 :四  個人又は法人の権利義務の得喪及びその経緯 :五  職員の人事に関する事項 ==解説== ==参照条文== ==判例== {{stub}} [[category:公文書等の管理に関する法律|04]]
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2012-01-28T05:04:34Z
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16,696
消費税法第3条
(人格のない社団等に対するこの法律の適用) 本条は、人格のない社団等(法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものをいう。)に消費税法の規定の適用があることを定めている。 また、一定の要件を備えた人格のない社団等は、課税仕入れ等の税額の計算の特例、帳簿の記載事項の特例、事業年度(課税期間)の特例の適用がある。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "(人格のない社団等に対するこの法律の適用)", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "本条は、人格のない社団等(法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものをいう。)に消費税法の規定の適用があることを定めている。", "title": "解説" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "また、一定の要件を備えた人格のない社団等は、課税仕入れ等の税額の計算の特例、帳簿の記載事項の特例、事業年度(課税期間)の特例の適用がある。", "title": "解説" } ]
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{{Pathnav|法学|租税法|コンメンタール|消費税法|frame=1}} == 条文 == (人格のない社団等に対するこの法律の適用) ; 第3条 : 人格のない社団等は、法人とみなして、この法律(第12条の2及び第46条の2並びに別表第三を除く。)の規定を適用する。 : <small>(平成6年12月2日法律第109号、平成30年3月31日法律第7号改正)</small> == 解説 == 本条は、人格のない社団等(法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものをいう。)に[[w:消費税法|消費税法]]の規定の適用があることを定めている。 また、一定の要件を備えた人格のない社団等は、課税仕入れ等の税額の計算の特例、帳簿の記載事項の特例、事業年度(課税期間)の特例の適用がある。 == 参照条文 == * [[消費税法第2条]](定義) * [[消費税法第12条の2]](新設法人の納税義務の免除の特例) * [[消費税法第46条の2]](電子情報処理組織による申告の特例) * [[消費税法第60条]](国、地方公共団体等に対する特例) * [[消費税法別表第三]](第三条、第六十条、附則第十九条の三関係) * [[消費税法施行令第3条]](公共法人等の事業年度) * [[消費税法施行令第75条]](国、地方公共団体等の仕入れに係る消費税額の特例) * [[消費税法施行令第77条]](国、地方公共団体等の帳簿の記載事項の特例) == 脚注 == {{reflist}} == 参考文献 == * {{Cite book |和書 |author=松本正春 |date=2019-07-01 |title=消費税法 ―理論と計算― 〔8訂版〕 |publisher=税務経理協会 |isbn=9784419066277}} * {{Cite book |和書 |author=池本征男 |date=2019-08-17 |title=2訂版 裁判例からみる消費税法 |publisher=大蔵財務協会 |isbn=9784754726904}} * {{Cite book |和書 |author=熊王征秀 |date=2020-12-10 |title=消費税法講義録〔第2版〕 |publisher=中央経済社 |isbn=9784502370717}} {{stub}} {{前後 |[[消費税法]] |第1章 総則 |[[消費税法第2条]]<br />(定義) |[[消費税法第4条]]<br />(課税の対象) }} [[category:消費税法|03]]
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2021-06-06T18:04:07Z
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16,697
消費税法第6条
(非課税) 消費税は、国内において事業者が行った資産の譲渡等および特定仕入れが課税の対象となるが、これらの取引であっても、消費に負担を求める税としての性格から課税の対象としてなじまないものや、社会政策的配慮から、別表第1・第2に掲げる取引については消費税を課さない。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "(非課税)", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "消費税は、国内において事業者が行った資産の譲渡等および特定仕入れが課税の対象となるが、これらの取引であっても、消費に負担を求める税としての性格から課税の対象としてなじまないものや、社会政策的配慮から、別表第1・第2に掲げる取引については消費税を課さない。", "title": "解説" } ]
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{{Pathnav|法学|租税法|コンメンタール|消費税法|frame=1}} == 条文 == (非課税) ; 第6条   # 国内において行われる資産の譲渡等のうち、別表第一に掲げるものには、消費税を課さない。 # 保税地域から引き取られる外国貨物のうち、別表第二に掲げるものには、消費税を課さない。 == 解説 == 消費税は、国内において事業者が行った資産の譲渡等および特定仕入れが課税の対象となるが、これらの取引であっても、消費に負担を求める税としての性格から課税の対象としてなじまないものや、社会政策的配慮から、別表第1・第2に掲げる取引については消費税を課さない。 == 参照条文 == == 判例 == * [[消費税法別表第1]](第6条、第12条の2、第12条の3、第30条、第35条の2関係) * [[消費税法別表第2]](第6条関係) == 脚注 == {{reflist}} == 参考文献 == * {{Cite book |和書 |author=松本正春 |date=2019-07-01 |title=消費税法 ―理論と計算― 〔8訂版〕 |publisher=税務経理協会 |isbn=9784419066277}} * {{Cite book |和書 |author=池本征男 |date=2019-08-17 |title=2訂版 裁判例からみる消費税法 |publisher=大蔵財務協会 |isbn=9784754726904}} * {{Cite book |和書 |author=熊王征秀 |date=2020-12-10 |title=消費税法講義録〔第2版〕 |publisher=中央経済社 |isbn=9784502370717}} * [https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6201.htm No.6201 非課税となる取引|国税庁] {{stub}} {{前後 |[[消費税法]] |第1章 総則 |[[消費税法第5条]]<br />(納税義務者) |[[消費税法第7条]]<br />(輸出免税等) }} [[category:消費税法|06]]
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2021-06-06T18:03:40Z
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16,718
労働者災害補償保険法第38条
労働者災害補償保険法 (前)(次)
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "労働者災害補償保険法 (前)(次)", "title": "" } ]
労働者災害補償保険法 (前)(次)
[[労働者災害補償保険法]] ([[労働者災害補償保険法第37条|前]])([[労働者災害補償保険法第39条|次]]) ==条文== ;第38条   #保険給付に関する決定に不服のある者は、労働者災害補償保険審査官に対して審査請求をし、その決定に不服のある者は、労働保険審査会に対して再審査請求をすることができる。 #前項の審査請求をしている者は、審査請求をした日から三箇月を経過しても審査請求についての決定がないときは、当該審査請求に係る処分について、決定を経ないで、労働保険審査会に対して再審査請求をすることができる。 #第1項の審査請求及び前2項の再審査請求は、時効の中断に関しては、これを裁判上の請求とみなす。 ==解説== ==参照条文== ==判例== *[http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=55873&hanreiKbn=02  休業補償給付等不支給処分取消](最高裁判例  平成7年07月06日)旧 労働者災害補償保険法35条1項,旧労働者災害補償保険法37条,[[行政事件訴訟法第8条]]1項,行政事件訴訟法8条2項1号 {{stub}} [[category:労働者災害補償保険法|38]]
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2012-02-05T02:14:27Z
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16,719
地方公務員災害補償法第31条
コンメンタール地方公務員災害補償法 (前)(次) (遺族補償)
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "コンメンタール地方公務員災害補償法 (前)(次)", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "(遺族補償)", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "", "title": "判例" } ]
コンメンタール地方公務員災害補償法 (前)(次)
[[コンメンタール地方公務員災害補償法]] ([[地方公務員災害補償法第30条|前]])([[地方公務員災害補償法第32条|次]]) ==条文== (遺族補償) ;第31条   :職員が公務上死亡し、又は通勤により死亡した場合においては、遺族補償として、職員の遺族に対して、遺族補償年金又は遺族補償一時金を支給する。 ==解説== ==参照条文== ==判例== *[http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=73167&hanreiKbn=02  公務外認定処分取消](最高裁判例 平成8年01月23日)[[地方公務員災害補償法第45条]]1項 {{stub}} [[category:地方公務員災害補償法|31]]
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2012-02-05T02:30:13Z
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16,720
地方公務員災害補償法第45条
コンメンタール地方公務員災害補償法 (前)(次) (補償の手続)
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "コンメンタール地方公務員災害補償法 (前)(次)", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "(補償の手続)", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "", "title": "判例" } ]
コンメンタール地方公務員災害補償法 (前)(次)
[[コンメンタール地方公務員災害補償法]] ([[地方公務員災害補償法第44条|前]])([[地方公務員災害補償法第46条|次]]) ==条文== (補償の手続) ;第45条   #基金は、この章の規定による補償(傷病補償年金を除く。以下この項において同じ。)を受けようとする者から補償の請求を受けたときは、その補償の請求の原因である災害が公務又は通勤により生じたものであるかどうかを速やかに認定し、その結果を当該請求をした者及び当該災害を受けた職員の任命権者に通知しなければならない。 #基金は、前項の規定による認定をするに当たつては、災害を受けた職員の任命権者の意見をきかなければならない。 #基金は、傷病補償年金を支給する旨の決定をしたときは、その旨を傷病補償年金を受けるべき者及び当該傷病補償年金に係る職員の任命権者に通知しなければならない。 ==解説== ==参照条文== ==判例== *[http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=73167&hanreiKbn=02  公務外認定処分取消](最高裁判例 平成8年01月23日)[[地方公務員災害補償法第31条]] {{stub}} [[category:地方公務員災害補償法|45]]
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2012-02-05T02:32:02Z
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16,721
囲碁における根拠
まず、「根拠を持つ」ということはどういうことであろうか。単に生きることとはまた少し違う。 どちらかと言えば、それは「生きる」ということと「逃げる」ということを見合いにしたような石の状態である。相手が、下方からやってきて根拠を脅かそうとすれば逃げれば良いし、上方からやってきて封鎖する手(逃げられないようにする手)を打ってきたならば生きれば良い。石は、生きるか逃げるかすれば死なないのであるから、根拠を持った段階で一段落とすることが出来る。 ただし、どの程度を持って見合いが成立しているのかと判断するのは、ある程度の経験を要するであろう。もし、逃げつく先がはるか遠くで、逃げ切るまでに多くの手数がかかるのが避けられないと判断すれば、さっさと生きておくのが良い場合もあるだろう。 下図は、辺において最も一般な、根拠を持つ手段であるところの2間ビラキ(白の形)である。
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まず、「根拠を持つ」ということはどういうことであろうか。単に生きることとはまた少し違う。 どちらかと言えば、それは「生きる」ということと「逃げる」ということを見合いにしたような石の状態である。相手が、下方からやってきて根拠を脅かそうとすれば逃げれば良いし、上方からやってきて封鎖する手(逃げられないようにする手)を打ってきたならば生きれば良い。石は、生きるか逃げるかすれば死なないのであるから、根拠を持った段階で一段落とすることが出来る。 ただし、どの程度を持って見合いが成立しているのかと判断するのは、ある程度の経験を要するであろう。もし、逃げつく先がはるか遠くで、逃げ切るまでに多くの手数がかかるのが避けられないと判断すれば、さっさと生きておくのが良い場合もあるだろう。 下図は、辺において最も一般な、根拠を持つ手段であるところの2間ビラキ(白の形)である。
まず、「根拠を持つ」ということはどういうことであろうか。単に生きることとはまた少し違う。 どちらかと言えば、それは「生きる」ということと「逃げる」ということを'''見合い'''にしたような石の状態である。相手が、下方からやってきて根拠を脅かそうとすれば逃げれば良いし、上方からやってきて'''封鎖'''する手(逃げられないようにする手)を打ってきたならば生きれば良い。石は、生きるか逃げるかすれば死なないのであるから、根拠を持った段階で一段落とすることが出来る。 ただし、どの程度を持って見合いが成立しているのかと判断するのは、ある程度の経験を要するであろう。もし、逃げつく先がはるか遠くで、逃げ切るまでに多くの手数がかかるのが避けられないと判断すれば、さっさと生きておくのが良い場合もあるだろう。 下図は、辺において最も一般な、根拠を持つ手段であるところの2間ビラキ(白の形)である。 {{碁盤 9x9|= a b c d e f g h i 9| | | | | | | | | |= 8| | | | | | | | | |= 7| | | | | | | w| | |= 6| | | | | | | | | |= 5| | | | | | | | | |= 4| | | | | | | w| | |= 3| | | | | | | | | |= 2| | | | | b| | b| | |= 1| | | | | | | | | |= a b c d e f g h i|= |24|r=r}} [[Category:囲碁|いこにおけるこんきよ]]
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2012-02-25T14:28:46Z
[ "テンプレート:碁盤 9x9" ]
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16,722
失業保険法及び労働者災害補償保険法の一部を改正する法律及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令第17条
失業保険法及び労働者災害補償保険法の一部を改正する法律及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令 (前)(次) (労災保険暫定任意適用事業)
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "失業保険法及び労働者災害補償保険法の一部を改正する法律及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令 (前)(次)", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "(労災保険暫定任意適用事業)", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "", "title": "判例" } ]
失業保険法及び労働者災害補償保険法の一部を改正する法律及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令 (前)(次)
[[失業保険法及び労働者災害補償保険法の一部を改正する法律及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令]] ([[失業保険法及び労働者災害補償保険法の一部を改正する法律及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令第16条|前]])([[失業保険法及び労働者災害補償保険法の一部を改正する法律及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令第18条|次]]) ==条文== (労災保険暫定任意適用事業) ;第17条   :[[失業保険法及び労働者災害補償保険法の一部を改正する法律附則第12条]]第1項の政令で定める事業は、次の各号に掲げる事業(都道府県、市町村その他これらに準ずるものの事業、法人である事業主の事業、[[船員法第1条|船員法(昭和二十二年法律第百号)第1条]]に規定する船員を使用して行う船舶所有者([[船員保険法第3条|船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)第3条]]に規定する場合にあつては、同条の規定により船舶所有者とされる者)の事業及び[[労働者災害補償保険法第7条|労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)第7条]]第1項第一号に規定する業務災害の発生のおそれが多いものとして厚生労働大臣が定める事業を除く。)のうち、常時五人以上の労働者を使用する事業以外の事業とする。 :一  土地の耕作若しくは開墾又は植物の栽植、栽培、採取若しくは伐採の事業その他農林の事業 :二  動物の飼育又は水産動植物の採捕若しくは養殖の事業その他畜産、養蚕又は水産の事業 ==解説== *失業保険法及び労働者災害補償保険法の一部を改正する法律附則第12条 *船員法(昭和二十二年法律第百号)第1条 *船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)第3条 *労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)第7条 ==参照条文== ==判例== {{stub}} [[category:地方公務員災害補償法|17]]
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2012-02-05T03:19:05Z
[ "テンプレート:Stub" ]
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16,723
独立行政法人通則法第59条
コンメンタール独立行政法人通則法 (前)(次) (職員に係る他の法律の適用除外等)
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "コンメンタール独立行政法人通則法 (前)(次)", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "(職員に係る他の法律の適用除外等)", "title": "条文" } ]
コンメンタール独立行政法人通則法 (前)(次)
[[コンメンタール独立行政法人通則法]] ([[独立行政法人通則法第58条|前]])([[独立行政法人通則法第60条|次]]) ==条文== (職員に係る他の法律の適用除外等) ;第59条   #次に掲げる法律の規定は、特定独立行政法人の職員(以下この条において単に「職員」という。)には適用しない。 #:一  労働者災害補償保険法 の規定 #:二  国家公務員法第十八条 、第二十八条(第一項前段を除く。)、第六十二条から第七十条まで、第七十条の三第二項及び第七十条の四第二項、第七十五条第二項並びに第百六条の規定 #:三  国家公務員の寒冷地手当に関する法律 (昭和二十四年法律第二百号)の規定 #:四  一般職の職員の給与に関する法律 の規定 #:五  削除 #:六  国家公務員の育児休業等に関する法律 (平成三年法律第百九号)第五条第二項 、第八条、第九条、第十六条から第十九条まで及び第二十四条から第二十六条までの規定 #:七  一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律 の規定 #:八  一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する法律 (平成十二年法律第百二十五号)第七条 から第九条 までの規定 #:九  国家公務員の自己啓発等休業に関する法律 (平成十九年法律第四十五号)第五条第二項 及び第七条 の規定 #職員に関する国家公務員法 の適用については、同法第二条第六項 中「政府」とあるのは「独立行政法人通則法第二条第二項に規定する特定独立行政法人(以下「特定独立行政法人」という。)」と、同条第七項中「政府又はその機関」とあるのは「特定独立行政法人」と、同法第三十四条第一項第五号中「内閣総理大臣」とあるのは「特定独立行政法人」と、同条第二項中「政令で定める」とあるのは「特定独立行政法人が定めて公表する」と、同法第六十条第一項中「場合には、人事院の承認を得て」とあるのは「場合には」と、「により人事院の承認を得て」とあるのは「により」と、同法第七十条の三第一項中「その所轄庁の長」とあるのは「当該職員の勤務する特定独立行政法人の長」と、同法第七十条の四第一項中「所轄庁の長」とあるのは「職員の勤務する特定独立行政法人の長」と、同法第七十八条第四号中「官制」とあるのは「組織」と、同法第八十条第四項中「給与に関する法律」とあるのは「独立行政法人通則法第五十七条第二項に規定する給与の支給の基準」と、同法第八十一条の二第二項各号中「人事院規則で」とあるのは「特定独立行政法人の長が」と、同法第八十一条の三第二項中「ときは、人事院の承認を得て」とあるのは「ときは」と、同法第百条第二項中 「、所轄庁の長」とあるのは 「、当該職員の勤務する特定独立行政法人の長」と、「の所轄庁の長」とあるのは「の属する特定独立行政法人の長」と、同法第百一条第一項中「政府」とあるのは「当該職員の勤務する特定独立行政法人」と、同条第二項中「官庁」とあるのは「特定独立行政法人」と、同法第百三条第二項中「所轄庁の長」とあるのは「当該職員の勤務する特定独立行政法人の長」と、同法第百四条中「内閣総理大臣及びその職員の所轄庁の長」とあるのは「当該職員の勤務する特定独立行政法人の長」とする。 #職員に関する国際機関等に派遣される一般職の国家公務員の処遇等に関する法律 (昭和四十五年法律第百十七号)第五条 及び第六条第三項 の規定の適用については、同法第五条第一項 中「俸給、扶養手当、地域手当、広域異動手当、研究員調整手当、住居手当及び期末手当のそれぞれ百分の百以内」とあるのは「給与」と、同条第二項 中「人事院規則(派遣職員が検察官の俸給等に関する法律 (昭和二十三年法律第七十六号)の適用を受ける職員である場合にあつては、同法第三条第一項 に規定する準則)」とあるのは「独立行政法人通則法第五十七条第二項に規定する給与の支給の基準」と、同法第六条第三項中「国は」とあるのは「独立行政法人通則法第二条第二項に規定する特定独立行政法人は」とする。 #職員に関する国家公務員の育児休業等に関する法律第三条第一項 、第十二条第一項、第十五条及び第二十二条の規定の適用については、同法第三条第一項 ただし書中「勤務時間法第十九条 に規定する特別休暇のうち出産により職員が勤務しないことが相当である場合として人事院規則で定める場合における休暇」とあるのは「独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第五十八条第一項の規定に基づく規程で定める休暇のうち職員が出産した場合における休暇」と、「同条の規定により人事院規則で定める期間」とあるのは「規程で定める期間」と、「人事院規則で定める期間内」とあるのは「規程で定める期間内」と、「当該休暇又はこれに相当するものとして勤務時間法第二十三条の規定により人事院規則で定める休暇」とあるのは「当該休暇」と、同法第十二条第一項中「次の各号に掲げるいずれかの勤務の形態(勤務時間法第七条第一項の規定の適用を受ける職員にあっては、第五号に掲げる勤務の形態)」とあるのは「五分の一勤務時間(当該職員の一週間当たりの通常の勤務時間(以下この項において「週間勤務時間」という。)に五分の一を乗じて得た時間に端数処理(五分を最小の単位とし、これに満たない端数を切り上げることをいう。以下この項において同じ。)を行って得た時間をいう。第十五条において同じ。)に二を乗じて得た時間に十分の一勤務時間(週間勤務時間に十分の一を乗じて得た時間に端数処理を行って得た時間をいう。同条において同じ。)を加えた時間から八分の一勤務時間(週間勤務時間に八分の一を乗じて得た時間に端数処理を行って得た時間をいう。)に五を乗じて得た時間までの範囲内の時間となるように独立行政法人通則法第二条第二項に規定する特定独立行政法人の長が定める勤務の形態」と、同法第十五条中「十九時間二十五分から十九時間三十五分」とあるのは「五分の一勤務時間に二を乗じて得た時間に十分の一勤務時間を加えた時間から十分の一勤務時間に五を乗じて得た時間」と、同法第二十二条中「第十五条から前条まで」とあるのは「第十五条及び前二条」とする。 #職員に関する[[労働基準法第12条|労働基準法 (昭和二十二年法律第四十九号)第12条]]第3項第四号 及び[[労働基準法第39条|第39条]]第8項 の規定の適用については、同法第十二条第三項第四号 中「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律 (平成三年法律第七十六号)第二条第一号 」とあるのは「国家公務員の育児休業等に関する法律 (平成三年法律第百九号)第三条第一項 」と、「同条第二号 」とあるのは「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律 (平成三年法律第七十六号)第二条第二号 」と、同法第三十九条第八項 中「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律第二条第一号 」とあるのは「国家公務員の育児休業等に関する法律第三条第一項 」と、「同条第二号 」とあるのは「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律第二条第二号 」とする。 #職員に関する船員法 (昭和二十二年法律第百号)第七十四条第四項 の規定の適用については、同項 中「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律 (平成三年法律第七十六号)第二条第一号 」とあるのは「国家公務員の育児休業等に関する法律 (平成三年法律第百九号)第三条第一項 」と、「同条第二号 」とあるのは「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律 (平成三年法律第七十六号)第二条第二号 」とする。 ==解説== *労働基準法 (昭和二十二年法律第四十九号)第12条(平均賃金) *第39条(年次有給休暇) ==参照条文== {{stub}} [[category:独立行政法人通則法|59]]
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2012-02-05T03:36:48Z
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16,724
労働者災害補償保険法施行規則第18条の4
労働者災害補償保険法施行規則 (前)(次) (通勤による疾病の範囲)
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "労働者災害補償保険法施行規則 (前)(次)", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "(通勤による疾病の範囲)", "title": "条文" } ]
労働者災害補償保険法施行規則 (前)(次)
[[労働者災害補償保険法施行規則]] ([[労働者災害補償保険法施行規則第18条の3の5|前]])([[労働者災害補償保険法施行規則第18条の5|次]]) ==条文== (通勤による疾病の範囲) ;第18条の4   :[[労働者災害補償保険法第22条|法第22条]]第1項 の厚生労働省令で定める疾病は、通勤による負傷に起因する疾病その他通勤に起因することの明らかな疾病とする。 ==解説== ==参照条文== {{stub}} [[category:労働者災害補償保険法施行規則|18の4]]
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2012-02-05T03:43:16Z
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16,725
労働者災害補償保険法第22条
コンメンタール>コンメンタール労働>労働者災害補償保険法 (前)(次)
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "コンメンタール>コンメンタール労働>労働者災害補償保険法 (前)(次)", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "", "title": "判例" } ]
コンメンタール>コンメンタール労働>労働者災害補償保険法 (前)(次)
[[コンメンタール]]>[[コンメンタール労働]]>[[労働者災害補償保険法]] ([[労働者災害補償保険法第19条の2|前]])([[労働者災害補償保険法第21条|次]]) ==条文== ;第22条   #療養給付は、労働者が通勤([[労働者災害補償保険法第7条|第7条]]第1項第二号の通勤をいう。以下同じ。)により負傷し、又は疾病(厚生労働省令で定めるものに限る。以下この節において同じ。)にかかつた場合に、当該労働者に対し、その請求に基づいて行なう。 #[[労働者災害補償保険法第13条|第13条]]の規定は、療養給付について準用する。 ==解説== *第7条 *第13条 ==参照条文== *[[労働者災害補償保険法施行規則第18条の4]](通勤による疾病の範囲) ==判例== *[](最高裁判例 )[[]],[[]] {{stub}} [[category:労働者災害補償保険法|22]]
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2012-02-05T03:48:39Z
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16,726
労働者災害補償保険法第13条
労働者災害補償保険法 (前)(次)
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "労働者災害補償保険法 (前)(次)", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "", "title": "判例" } ]
労働者災害補償保険法 (前)(次)
[[労働者災害補償保険法]] ([[労働者災害補償保険法第12条の8|前]])([[労働者災害補償保険法第14条|次]]) ==条文== ;第13条   #療養補償給付は、療養の給付とする。 #前項の療養の給付の範囲は、次の各号(政府が必要と認めるものに限る。)による。 #:一  診察 #:二  薬剤又は治療材料の支給 #:三  処置、手術その他の治療 #:四  居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護 #:五  病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護 #:六  移送 #政府は、第1項の療養の給付をすることが困難な場合その他厚生労働省令で定める場合には、療養の給付に代えて療養の費用を支給することができる ==解説== ==参照条文== ==判例== {{stub}} [[category:労働者災害補償保険法|13]]
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2012-02-05T03:51:57Z
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16,727
労働者災害補償保険法施行規則第6条
労働者災害補償保険法施行規則 (前)(次) (法第7条第2項第二号 の厚生労働省令で定める就業の場所)
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "労働者災害補償保険法施行規則 (前)(次)", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "(法第7条第2項第二号 の厚生労働省令で定める就業の場所)", "title": "条文" } ]
労働者災害補償保険法施行規則 (前)(次)
[[労働者災害補償保険法施行規則]] ([[労働者災害補償保険法施行規則第5条|前]])([[労働者災害補償保険法施行規則第7条|次]]) ==条文== ([[労働者災害補償保険法第7条|法第7条]]第2項第二号 の厚生労働省令で定める就業の場所) ;第6条   :法第7条第2項第二号 の厚生労働省令で定める就業の場所は、次のとおりとする。 :一  [[労働者災害補償保険法第3条|法第3条]]第1項 の適用事業及び[[失業保険法及び労働者災害補償保険法の一部を改正する法律及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第5条|整備法第5条]]第1項 の規定により労災保険に係る保険関係が成立している同項 の労災保険暫定任意適用事業に係る就業の場所 :二  [[労働者災害補償保険法第34条|法第34条]]第1項第一号 、第35条第1項第三号又は第36条第1項第一号の規定により労働者とみなされる者(第46条の22の2に規定する者を除く。)に係る就業の場所 :三  その他前二号に類する就業の場所 ==解説== *整備法第5条(労災保険に係る保険関係の成立に関する経過措置) ==参照条文== {{stub}} [[category:労働者災害補償保険法施行規則|06]]
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2012-02-05T04:02:20Z
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16,728
失業保険法及び労働者災害補償保険法の一部を改正する法律及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第5条
失業保険法及び労働者災害補償保険法の一部を改正する法律及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律 (前)(次) (労災保険に係る保険関係の成立に関する経過措置)
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "失業保険法及び労働者災害補償保険法の一部を改正する法律及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律 (前)(次)", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "(労災保険に係る保険関係の成立に関する経過措置)", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "", "title": "参照条文" } ]
失業保険法及び労働者災害補償保険法の一部を改正する法律及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律 (前)(次)
[[失業保険法及び労働者災害補償保険法の一部を改正する法律及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律]] ([[失業保険法及び労働者災害補償保険法の一部を改正する法律及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第4条|前]])([[失業保険法及び労働者災害補償保険法の一部を改正する法律及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第6条|次]]) ==条文== (労災保険に係る保険関係の成立に関する経過措置) ;第5条   #失業保険法等の一部改正法附則第12条第1項に規定する事業(以下「労災保険暫定任意適用事業」という。)の事業主については、その者が労働者災害補償保険(以下「労災保険」という。)の加入の申請をし、厚生労働大臣の認可があつた日に、その事業につき徴収法第3条に規定する労災保険に係る労働保険の保険関係(以下「労災保険に係る保険関係」という。)が成立する。 #労災保険暫定任意適用事業の事業主は、その事業に使用される労働者(船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)第17条の規定による船員保険の被保険者を除く。以下同じ。)の過半数が希望するときは、前項の申請をしなければならない。 #第2条の規定による改正後の労災保険法(以下「新労災保険法」という。)第3条第1項の適用事業に該当する事業が労災保険暫定任意適用事業に該当するに至つたときは、その翌日に、その事業につき第一項の認可があつたものとみなす。 #第1項の認可については、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第2章の規定は、適用しない。 ==解説== ==参照条文== *[[労働者災害補償保険法施行規則第6条]](法第7条第2項第二号 の厚生労働省令で定める就業の場所) {{stub}} [[category:失業保険法及び労働者災害補償保険法の一部を改正する法律及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律|05]]
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2012-02-05T04:08:27Z
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16,729
職業安定法第4条
職業安定法 (前)(次) (定義)
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "職業安定法 (前)(次)", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "(定義)", "title": "条文" } ]
職業安定法 (前)(次)
[[職業安定法]] ([[職業安定法第3条|前]])([[職業安定法第5条|次]]) ==条文== (定義) ;第4条 # この法律において「職業紹介」とは、求人及び求職の申込みを受け、求人者と求職者との間における雇用関係の成立をあっせんすることをいう。 # この法律において「無料の職業紹介」とは、職業紹介に関し、いかなる名義でも、その手数料又は報酬を受けないで行う職業紹介をいう。 # この法律において「有料の職業紹介」とは、無料の職業紹介以外の職業紹介をいう。 # この法律において「職業指導」とは、職業に就こうとする者に対し、実習、講習、指示、助言、情報の提供その他の方法により、その者の能力に適合する職業の選択を容易にさせ、及びその職業に対する適応性を増大させるために行う指導をいう。 # この法律において「労働者の募集」とは、労働者を雇用しようとする者が、自ら又は他人に委託して、労働者となろうとする者に対し、その被用者となることを勧誘することをいう。 # この法律において「労働者供給」とは、供給契約に基づいて労働者を他人の指揮命令を受けて労働に従事させることをいい、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和60年法律第88号。以下「労働者派遣法」という。)第2条第1号に規定する労働者派遣に該当するものを含まないものとする。 # この法律において「職業紹介事業者」とは、第30条第1項若しくは第33条第1項の許可を受けて、又は第33条の2第1項、第33条の3第1項若しくは第33条の4第1項の規定による届出をして職業紹介事業を行う者をいう。 # この法律において「労働者供給事業者」とは、第45条の規定により労働者供給事業を行う労働組合等(労働組合法による労働組合その他これに準ずるものであって厚生労働省令で定めるものをいう。以下同じ。)をいう。 # この法律において「個人情報」とは、個人に関する情報であって、特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいう。 ==解説== ==参照条文== * 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律第2条 * 職業安定法第30条(有料職業紹介事業の許可) * 職業安定法第33条(無料職業紹介事業) * 職業安定法第33条の2(学校等の行う無料職業紹介事業) * 職業安定法第33条の3(特別の法人の行う無料職業紹介事業) * 職業安定法第33条の4(地方公共団体の行う無料職業紹介事業) * 職業安定法第45条(労働者供給事業の許可) * [[雇用保険法第10条の4]](返還命令等) ==判例== * [http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=54707&hanreiKbn=02 住居侵入](最高裁判例  昭和28年05月21日)  [[w:日本国憲法第28条|憲法28条]] *[http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=38281&hanreiKbn=02 地位確認等請求事件](最高裁判例  平成21年12月18日)労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律第2条1号,[[民法第623条]],[[民法第632条]] ==外部リンク== * [http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/haken-shoukai/index.html 厚生労働省] * [https://www.hellowork.go.jp ハローワークインターネットサービス] {{Stub}} [[Category:職業安定法|04]]
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2016-01-22T11:19:19Z
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16,738
破産法第18条
法学>民事法>コンメンタール>コンメンタール破産法 (破産手続開始の申立て)
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "法学>民事法>コンメンタール>コンメンタール破産法", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "(破産手続開始の申立て)", "title": "条文" } ]
法学>民事法>コンメンタール>コンメンタール破産法
[[法学]]>[[民事法]]>[[コンメンタール]]>[[コンメンタール破産法]] ==条文== (破産手続開始の申立て) ;第18条 # 債権者又は債務者は、破産手続開始の申立てをすることができる。 # 債権者が破産手続開始の申立てをするときは、その有する債権の存在及び破産手続開始の原因となる事実を疎明しなければならない。 ==解説== ==参照条文== ==判例== ---- {{前後 |[[コンメンタール破産法|破産法]] |[[コンメンタール破産法#2|第2章 破産手続の開始]]<br> [[コンメンタール破産法#s2-1|第1節 破産手続開始の申立て]] |[[破産法第17条]]<br>(破産手続開始の原因の推定) |[[破産法第19条]]<br>(法人の破産手続開始の申立て) }} {{stub}} [[category:破産法|18]]
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2012-02-07T22:51:46Z
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16,739
破産法第15条
法学>民事法>コンメンタール>コンメンタール破産法 (破産手続開始の原因)
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "法学>民事法>コンメンタール>コンメンタール破産法", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "(破産手続開始の原因)", "title": "条文" } ]
法学>民事法>コンメンタール>コンメンタール破産法
[[法学]]>[[民事法]]>[[コンメンタール]]>[[コンメンタール破産法]] ==条文== (破産手続開始の原因) ;第15条 # 債務者が支払不能にあるときは、裁判所は、[[破産法第30条|第30条]]第1項の規定に基づき、申立てにより、決定で、破産手続を開始する。 # 債務者が支払を停止したときは、支払不能にあるものと推定する。 ==解説== ==参照条文== ==判例== ---- {{前後 |[[コンメンタール破産法|破産法]] |[[コンメンタール破産法#2|第2章 破産手続の開始]]<br> [[コンメンタール破産法#s2-1|第1節 破産手続開始の申立て]] |[[破産法第14条]]<br>(最高裁判所規則) |[[破産法第16条]]<br>(法人の破産手続開始の原因) }} {{stub}} [[category:破産法|15]]
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2012-02-07T23:02:02Z
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16,740
破産法第34条
法学>民事法>コンメンタール>コンメンタール破産法 (破産手続開始の原因)
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "法学>民事法>コンメンタール>コンメンタール破産法", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "(破産手続開始の原因)", "title": "条文" } ]
法学>民事法>コンメンタール>コンメンタール破産法
[[法学]]>[[民事法]]>[[コンメンタール]]>[[コンメンタール破産法]] ==条文== (破産手続開始の原因) ;第34条 # 破産者が破産手続開始の時において有する一切の財産(日本国内にあるかどうかを問わない。)は、破産財団とする。 # 破産者が破産手続開始前に生じた原因に基づいて行うことがある将来の請求権は、破産財団に属する。 # 第一項の規定にかかわらず、次に掲げる財産は、破産財団に属しない。 #:一 民事執行法(昭和54年法律第4号)第131条第三号 に規定する額に二分の三を乗じた額の金銭 #:二 差し押さえることができない財産(民事執行法第131条第三号 に規定する金銭を除く。)。ただし、同法第132条第一項 (同法第192条 において準用する場合を含む。)の規定により差押えが許されたもの及び破産手続開始後に差し押さえることができるようになったものは、この限りでない。 # 裁判所は、破産手続開始の決定があった時から当該決定が確定した日以後一月を経過する日までの間、破産者の申立てにより又は職権で、決定で、破産者の生活の状況、破産手続開始の時において破産者が有していた前項各号に掲げる財産の種類及び額、破産者が収入を得る見込みその他の事情を考慮して、破産財団に属しない財産の範囲を拡張することができる。 # 裁判所は、前項の決定をするに当たっては、破産管財人の意見を聴かなければならない。 # 第4項の申立てを却下する決定に対しては、破産者は、即時抗告をすることができる。 # 第4項の決定又は前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を破産者及び破産管財人に送達しなければならない。この場合においては、第10条第3項本文の規定は、適用しない。 ==解説== ==参照条文== ==判例== ---- {{前後 |[[コンメンタール破産法|破産法]] |[[コンメンタール破産法#2|第2章 破産手続の開始]]<br> [[コンメンタール破産法#s2-3|第3節 破産手続開始の効果]] [[コンメンタール破産法#s2-3-1|第1款 通則]] |[[破産法第33条]]<br>(抗告) |[[破産法第35条]]<br>(法人の存続の擬制) }} {{stub}} [[category:破産法|34]]
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2012-02-07T23:09:50Z
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16,741
破産法第184条
法学>民事法>コンメンタール>コンメンタール破産法 (換価の方法)
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "法学>民事法>コンメンタール>コンメンタール破産法", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "(換価の方法)", "title": "条文" } ]
法学>民事法>コンメンタール>コンメンタール破産法
[[法学]]>[[民事法]]>[[コンメンタール]]>[[コンメンタール破産法]] ==条文== (換価の方法) ;第184条 # [[破産法第78条|第78条]]第2項第一号及び第二号に掲げる財産の換価は、これらの規定により任意売却をする場合を除き、民事執行法その他強制執行の手続に関する法令の規定によってする。 # 破産管財人は、民事執行法 その他強制執行の手続に関する法令の規定により、別除権の目的である財産の換価をすることができる。この場合においては、別除権者は、その換価を拒むことができない。 # 前二項の場合には、民事執行法第63条 及び第129条 (これらの規定を同法 その他強制執行の手続に関する法令において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。 # 第2項の場合において、別除権者が受けるべき金額がまだ確定していないときは、破産管財人は、代金を別に寄託しなければならない。この場合においては、別除権は、寄託された代金につき存する。 ==解説== ==参照条文== ==判例== ---- {{前後 |[[コンメンタール破産法|破産法]] |[[コンメンタール破産法#s7|第7章 破産財団の換価]]<br> [[コンメンタール破産法#s7-1|第1節 通則]] |[[破産法第183条]]<br>(匿名組合員の出資責任) |[[破産法第185条]]<br>(別除権者が処分をすべき期間の指定) }} {{stub}} [[category:破産法|184]]
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2012-02-07T23:15:32Z
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16,744
グラフ理論
グラフ理論(Graph theory)とは、グラフの持つ様々な性質を解明し、日常の様々な場面で利用することを目的とする数学分野の1つである。 グラフ理論におけるグラフ (Graph)とは、頂点(node)と辺(edge)により構成された図形のことである。グラフは主に、有向グラフ (directed graph)と無向グラフ (undirected graph)の2つに分類される。有向グラフとは、頂点と向きを持つ辺(矢印)により構成されたグラフであり、無向グラフとは、頂点と辺により構成されたグラフである。有向グラフの辺を有向辺、無向グラフの辺を無向辺という。また、ある2頂点が辺で結ばれている場合、その2頂点は隣接するという。この教科書では、特に利用分野の多い無向グラフについて説明する。そのため、この教科書では、無向グラフを単にグラフと記述することとする。 グラフは頂点の集合と辺の集合の2つの順序対で構成される。グラフ G {\displaystyle G} を構成する頂点の集合を V {\displaystyle V} 、辺の集合を E {\displaystyle E} とし、 G = ( V , E ) {\displaystyle G=(V,E)} と表記する。頂点を u {\displaystyle u} や v {\displaystyle v} で表すことが多く、頂点 u , v {\displaystyle u,v} を結ぶ辺を { u , v } {\displaystyle \{u,v\}} または、 u v {\displaystyle uv} と表す。しかし、紛らわしい表記であるため、この教科書では、 { u , v } {\displaystyle \{u,v\}} と表記することとする。ただし、 { u , v } {\displaystyle \{u,v\}} と { v , u } {\displaystyle \{v,u\}} はどちらでも構わない。 「グラフの定義」で説明したとおり、グラフは頂点と辺により構成される。とは言うものの、実際にどのように作図すればいいのかわからないだろう。この節では、グラフの作図について説明する。まず、頂点を丸で表し、辺を直線または、曲線で表す。そのとき、マルの大きさや直線の長さ、曲線の曲がり具合はグラフの本質には関係ないので、厳密に作図する必要はない。以下にグラフの作図例を紹介する。 頂点の周囲に u {\displaystyle u} や v {\displaystyle v} などと記すと、グラフを表記するとき、便利である。頂点の中にラベル(重み)を記す場合があるが、まず、グラフの基本から説明する必要があるため、この節で紹介するのはやめておく。 (1) 以下のグラフ G 1 {\displaystyle G_{1}} を G 1 = ( V 1 , E 1 ) {\displaystyle G_{1}=(V_{1},E_{1})} の形式で表せ。 V 1 = { v 1 , v 2 , v 3 , v 4 } {\displaystyle V_{1}=\{v_{1},v_{2},v_{3},v_{4}\}} , E 1 = { { v 1 , v 3 } , { v 1 , v 4 } , { v 2 , v 3 } , { v 2 , v 4 } } {\displaystyle E_{1}=\{\{v_{1},v_{3}\},\{v_{1},v_{4}\},\{v_{2},v_{3}\},\{v_{2},v_{4}\}\}} であるから、 G 1 = ( { v 1 , v 2 , v 3 , v 4 } , { { v 1 , v 3 } , { v 1 , v 4 } , { v 2 , v 3 } , { v 2 , v 4 } } ) {\displaystyle G_{1}=(\{v_{1},v_{2},v_{3},v_{4}\},\{\{v_{1},v_{3}\},\{v_{1},v_{4}\},\{v_{2},v_{3}\},\{v_{2},v_{4}\}\})} (2) グラフ G 2 = ( { v 1 , v 2 , v 3 , v 4 } , { { v 1 , v 2 } , { v 1 , v 3 } , { v 1 , v 4 } , { v 2 , v 3 } , { v 3 , v 4 } } ) {\displaystyle G_{2}=(\{v_{1},v_{2},v_{3},v_{4}\},\{\{v_{1},v_{2}\},\{v_{1},v_{3}\},\{v_{1},v_{4}\},\{v_{2},v_{3}\},\{v_{3},v_{4}\}\})} を作図せよ。 (1) 以下のグラフ G 3 {\displaystyle G_{3}} を G 3 = ( V 3 , E 3 ) {\displaystyle G_{3}=(V_{3},E_{3})} の形式で表せ。 (2) グラフ G 4 = ( { v 1 , v 2 , v 3 , v 4 , v 5 } , { { v 1 , v 3 } , { v 2 , v 3 } , { v 2 , v 5 } , { v 3 , v 4 } , { v 3 , v 5 } , { v 4 , v 5 } } ) {\displaystyle G_{4}=(\{v_{1},v_{2},v_{3},v_{4},v_{5}\},\{\{v_{1},v_{3}\},\{v_{2},v_{3}\},\{v_{2},v_{5}\},\{v_{3},v_{4}\},\{v_{3},v_{5}\},\{v_{4},v_{5}\}\})} を作図せよ。 頂点の数を位数(order)、辺の数をサイズという。 グラフにおける次数(degree)とは、ある頂点に結ばれている辺の数である。 あるグラフにおいて、 { v 0 , v 1 } , { v 1 , v 2 } , ⋯ , { v n − 1 , v n } {\displaystyle \{v_{0},v_{1}\},\{v_{1},v_{2}\},\cdots ,\{v_{n-1},v_{n}\}} がすべて辺であるとき、それぞれの辺の集合を頂点 v 0 {\displaystyle v_{0}} と頂点 v n {\displaystyle v_{n}} を結ぶ道(path)と言う。 ある2つのグラフが同型(isomorphism)であるということは、それぞれのグラフを構成する頂点と辺の結びつきが同じであるということである。 連結(connected)なグラフとは、任意の2頂点間に道が存在するグラフのことである。 完全グラフ(complete graph)とは、すべての頂点同士が辺で結ばれているグラフのことである。頂点数 n {\displaystyle n} の完全グラフを K n {\displaystyle K_{n}} と表す。 オイラーグラフ: オイラー閉トレイルが存在するグラフをオイラーグラフと呼ぶ。 オイラー閉トレイル: グラフのすべての辺とすべての点を含む閉トレイルをオイラー閉トレイルと呼ぶ。 オイラートレイル: グラフのすべての辺とすべての点を含むトレイルをオイラートレイルと呼ぶ。 ハミルトングラフ: ハミルトン閉路を含むグラフをハミルトングラフと呼ぶ。 ハミルトン閉路: グラフのすべての頂点を含む閉路をハミルトン閉路と呼ぶ。 根(root)という頂点を持ち、 問題の解答を記載しておく。 (1) G 3 = ( { v 1 , v 2 , v 3 , v 4 , v 5 } , { { v 1 , v 3 } , { v 1 , v 5 } , { v 2 , v 3 } , { v 2 , v 4 } , { v 2 , v 5 } , { v 3 , v 5 } } ) {\displaystyle G_{3}=(\{v_{1},v_{2},v_{3},v_{4},v_{5}\},\{\{v_{1},v_{3}\},\{v_{1},v_{5}\},\{v_{2},v_{3}\},\{v_{2},v_{4}\},\{v_{2},v_{5}\},\{v_{3},v_{5}\}\})} (2) 以下のURLにアクセスするとファイルをダウンロードすることができる。もちろん、自由に利用して構わない。 https://skydrive.live.com/redir.aspx?cid=322baa2fe886dd76&resid=322BAA2FE886DD76!230&parid=root (リンク切れ) この教科書に利用されているファイルWikibooks graph theory*.pngはgraph*.svgやgraph*.png,graph*.epsの3種類の形式で保存されている。そのため、様々な用途に利用できる。フォルダとして一括でダウンロードすることも可能である。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "グラフ理論(Graph theory)とは、グラフの持つ様々な性質を解明し、日常の様々な場面で利用することを目的とする数学分野の1つである。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "グラフ理論におけるグラフ (Graph)とは、頂点(node)と辺(edge)により構成された図形のことである。グラフは主に、有向グラフ (directed graph)と無向グラフ (undirected graph)の2つに分類される。有向グラフとは、頂点と向きを持つ辺(矢印)により構成されたグラフであり、無向グラフとは、頂点と辺により構成されたグラフである。有向グラフの辺を有向辺、無向グラフの辺を無向辺という。また、ある2頂点が辺で結ばれている場合、その2頂点は隣接するという。この教科書では、特に利用分野の多い無向グラフについて説明する。そのため、この教科書では、無向グラフを単にグラフと記述することとする。", "title": "グラフとは" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "グラフは頂点の集合と辺の集合の2つの順序対で構成される。グラフ G {\\displaystyle G} を構成する頂点の集合を V {\\displaystyle V} 、辺の集合を E {\\displaystyle E} とし、 G = ( V , E ) {\\displaystyle G=(V,E)} と表記する。頂点を u {\\displaystyle u} や v {\\displaystyle v} で表すことが多く、頂点 u , v {\\displaystyle u,v} を結ぶ辺を { u , v } {\\displaystyle \\{u,v\\}} または、 u v {\\displaystyle uv} と表す。しかし、紛らわしい表記であるため、この教科書では、 { u , v } {\\displaystyle \\{u,v\\}} と表記することとする。ただし、 { u , v } {\\displaystyle \\{u,v\\}} と { v , u 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v 2 , v 5 } , { v 3 , v 5 } } ) {\\displaystyle G_{3}=(\\{v_{1},v_{2},v_{3},v_{4},v_{5}\\},\\{\\{v_{1},v_{3}\\},\\{v_{1},v_{5}\\},\\{v_{2},v_{3}\\},\\{v_{2},v_{4}\\},\\{v_{2},v_{5}\\},\\{v_{3},v_{5}\\}\\})} (2)", "title": "問題の解答" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "以下のURLにアクセスするとファイルをダウンロードすることができる。もちろん、自由に利用して構わない。 https://skydrive.live.com/redir.aspx?cid=322baa2fe886dd76&resid=322BAA2FE886DD76!230&parid=root (リンク切れ) この教科書に利用されているファイルWikibooks graph theory*.pngはgraph*.svgやgraph*.png,graph*.epsの3種類の形式で保存されている。そのため、様々な用途に利用できる。フォルダとして一括でダウンロードすることも可能である。", "title": "ファイルのダウンロード" } ]
 グラフ理論とは、グラフの持つ様々な性質を解明し、日常の様々な場面で利用することを目的とする数学分野の1つである。
{{pathnav|数学|frame=1}}  グラフ理論(Graph theory)とは、グラフの持つ様々な性質を解明し、日常の様々な場面で利用することを目的とする数学分野の1つである。 == グラフとは ==  グラフ理論における'''グラフ''' (Graph)とは、'''頂点'''(node)と'''辺'''(edge)により構成された図形のことである。グラフは主に、'''有向グラフ''' (directed graph)と'''無向グラフ''' (undirected graph)の2つに分類される。有向グラフとは、頂点と向きを持つ辺(矢印)により構成されたグラフであり、無向グラフとは、頂点と辺により構成されたグラフである。有向グラフの辺を有向辺、無向グラフの辺を無向辺という。また、ある2頂点が辺で結ばれている場合、その2頂点は隣接するという。この教科書では、特に利用分野の多い無向グラフについて説明する。そのため、この教科書では、無向グラフを単にグラフと記述することとする。 === グラフの表記 ===  グラフは頂点の集合と辺の集合の2つの順序対で構成される。グラフ<math>G</math>を構成する頂点の集合を<math>V</math>、辺の集合を<math>E</math>とし、<math>G=(V,E)</math>と表記する。頂点を<math>u</math>や<math>v</math>で表すことが多く、頂点<math>u,v</math>を結ぶ辺を<math>\{u,v\}</math>または、<math>uv</math>と表す。しかし、紛らわしい表記であるため、この教科書では、<math>\{u,v\}</math>と表記することとする。ただし、<math>\{u,v\}</math>と<math>\{v,u\}</math>はどちらでも構わない。 === グラフの作図 ===  「グラフの定義」で説明したとおり、グラフは頂点と辺により構成される。とは言うものの、実際にどのように作図すればいいのかわからないだろう。この節では、グラフの作図について説明する。まず、頂点を丸で表し、辺を直線または、曲線で表す。そのとき、マルの大きさや直線の長さ、曲線の曲がり具合はグラフの本質には関係ないので、厳密に作図する必要はない。以下にグラフの作図例を紹介する。 <gallery widths="200px"> ファイル:Wikibooks graph theory.png|作図例 </gallery> 頂点の周囲に<math>u</math>や<math>v</math>などと記すと、グラフを表記するとき、便利である。頂点の中にラベル(重み)を記す場合があるが、まず、グラフの基本から説明する必要があるため、この節で紹介するのはやめておく。 === 例題1 === (1) 以下のグラフ<math>G_1</math>を<math>G_1=(V_1,E_1)</math>の形式で表せ。 <gallery widths="200px"> ファイル:Wikibooks graph theory2.png|<math>G_1</math> </gallery> <math>V_1=\{v_1,v_2,v_3,v_4\}</math>, <math>E_1=\{\{v_1,v_3\},\{v_1,v_4\},\{v_2,v_3\},\{v_2,v_4\}\}</math>であるから、<br /> <math>G_1=(\{v_1,v_2,v_3,v_4\},\{\{v_1,v_3\},\{v_1,v_4\},\{v_2,v_3\},\{v_2,v_4\}\})</math><br /><br /> (2) グラフ<math>G_2=(\{v_1,v_2,v_3,v_4\},\{\{v_1,v_2\},\{v_1,v_3\},\{v_1,v_4\},\{v_2,v_3\},\{v_3,v_4\}\})</math>を作図せよ。 <gallery widths="200px"> ファイル:Wikibooks graph theory3.png|<math>G_2</math> </gallery> === 問題1 === (1) 以下のグラフ<math>G_3</math>を<math>G_3=(V_3,E_3)</math>の形式で表せ。 <gallery widths="200px"> ファイル:Wikibooks graph theory4.png|<math>G_3</math> </gallery> (2) グラフ<math>G_4=(\{v_1,v_2,v_3,v_4,v_5\},\{\{v_1,v_3\},\{v_2,v_3\},\{v_2,v_5\},\{v_3,v_4\},\{v_3,v_5\},\{v_4,v_5\}\})</math>を作図せよ。 == 位数とサイズ ==  頂点の数を位数(order)、辺の数をサイズという。 == 次数 ==  グラフにおける次数(degree)とは、ある頂点に結ばれている辺の数である。 == 道と閉路 ==  あるグラフにおいて、<math>\{v_0,v_1\},\{v_1,v_2\},\cdots,\{v_{n-1},v_n\}</math>がすべて辺であるとき、それぞれの辺の集合を頂点<math>v_0</math> と頂点<math>v_n</math>を結ぶ'''道'''(path)と言う。 == 同型のグラフ ==  ある2つのグラフが同型(isomorphism)であるということは、それぞれのグラフを構成する頂点と辺の結びつきが同じであるということである。 == 連結なグラフ ==  連結(connected)なグラフとは、任意の2頂点間に道が存在するグラフのことである。 == 完全グラフ ==  完全グラフ(complete graph)とは、すべての頂点同士が辺で結ばれているグラフのことである。頂点数<math> n </math>の完全グラフを<math> K_n </math>と表す。 == 特殊なグラフとその構成 == オイラーグラフ: オイラー閉トレイルが存在するグラフをオイラーグラフと呼ぶ。 オイラー閉トレイル: グラフのすべての辺とすべての点を含む閉トレイルをオイラー閉トレイルと呼ぶ。 オイラートレイル: グラフのすべての辺とすべての点を含むトレイルをオイラートレイルと呼ぶ。 ハミルトングラフ: ハミルトン閉路を含むグラフをハミルトングラフと呼ぶ。 ハミルトン閉路: グラフのすべての頂点を含む閉路をハミルトン閉路と呼ぶ。 == 木 == 根(root)という頂点を持ち、 === 順序木 === == 問題の解答 ==  問題の解答を記載しておく。 === 問題1 === (1)<br /> <math>G_3=(\{v_1,v_2,v_3,v_4,v_5\},\{\{v_1,v_3\},\{v_1,v_5\},\{v_2,v_3\},\{v_2,v_4\},\{v_2,v_5\},\{v_3,v_5\}\})</math><br /> (2) <gallery widths="200px"> ファイル:Wikibooks graph theory5.png|<math>G_4</math> </gallery> == ファイルのダウンロード == 以下のURLにアクセスするとファイルをダウンロードすることができる。もちろん、自由に利用して構わない。<br /> https://skydrive.live.com/redir.aspx?cid=322baa2fe886dd76&resid=322BAA2FE886DD76!230&parid=root (リンク切れ)<br /> この教科書に利用されているファイルWikibooks graph theory*.pngはgraph*.svgやgraph*.png,graph*.epsの3種類の形式で保存されている。そのため、様々な用途に利用できる。フォルダとして一括でダウンロードすることも可能である。 [[Category:数学|くらふりろん]]
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2021-11-23T13:31:06Z
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関数解析学
この項では関数解析学について解説する。 関数解析学では、ある性質を持つ関数の集合の性質を調べるということがしばしば行われる。その対象となる関数の集合は、しばしば線型空間としての構造と位相空間としての構造をともに持つ。そこで、まずは一般のこのような空間 -線型位相空間- について解説する。 Kを複素数体 C {\displaystyle \mathbb {C} } または実数体 R {\displaystyle \mathbb {R} } とする。K 上の線型空間が位相空間でもあり、和とスカラー倍が連続写像のとき、線型位相空間という。 K 線型空間 V があり、写像 | | ⋅ | | : V → R {\displaystyle ||\cdot ||:V\to \mathbb {R} } が次を満たすとき、この写像をノルムという。 任意の u , v ∈ V {\displaystyle u,v\in V} と a ∈ K {\displaystyle a\in K} に対して ノルムをもつ線型空間をノルム空間という。 ( V , ‖ ⋅ ‖ ) {\displaystyle (V,\|\cdot \|)} と書く。 命題 ノルム空間は距離空間である。 ノルム空間はこの距離から定まる位相によって線型位相空間となる。ノルム空間のうち完備な空間を特にBanach空間という。 K 線型空間 V があり、写像 ( ⋅ , ⋅ ) : V × V → K {\displaystyle (\cdot ,\cdot ):V\times V\to K} が次を満たすとき、この写像を内積という。 任意の u , v , u 1 , u 2 ∈ V {\displaystyle u,v,u_{1},u_{2}\in V} と a ∈ K {\displaystyle a\in K} に対して 内積を持つ線型空間を内積空間という。 ( V , ( ⋅ , ⋅ ) ) {\displaystyle (V,(\cdot ,\cdot ))} と書く。 注意 ( u , a v ) = ( a v , u ) ̄ = a ̄ ( v , u ) ̄ = a ̄ ( u , v ) {\displaystyle (u,av)={\overline {(av,u)}}={\bar {a}}{\overline {(v,u)}}={\bar {a}}(u,v)} が成り立つ。 内積については、次に挙げるCauchy-Schwarzの不等式が重要である。 定理(Cauchy-Schwarz) Cauchy-Schwarzの不等式から、次の事実が導かれる。 命題 内積空間はノルム空間である。 完備なノルム空間 ( V , ‖ ⋅ ‖ ) {\displaystyle (V,\|\cdot \|)} をバナッハ空間という。 内積空間 ( V , ( ⋅ , ⋅ ) ) {\displaystyle (V,(\cdot ,\cdot ))} がバナッハ空間のとき、すなわち内積から導かれるノルムが完備なとき、特にヒルベルト空間という。 このように抽象的に定義される内積空間であるが、一般の(内積を持たない)線型空間と比べると幾何的な性質を持ち合わせている。たとえば、 はCauchy-Schwarzの不等式により定まるので、これによって2つのベクトルの「なす角」の概念を定義することができる。 また、初等幾何における中線定理の類似も成り立つ。初等的な幾何ベクトルにおいて O A → = u → + v → , O B → = u → − v → {\displaystyle {\overrightarrow {OA}}={\vec {u}}+{\vec {v}},{\overrightarrow {OB}}={\vec {u}}-{\vec {v}}} とし、△OABに中線定理を適用すると | u → + v → | 2 + | u → − v → | 2 = 2 ( | u → | 2 + | v → | 2 ) {\displaystyle |{\vec {u}}+{\vec {v}}|^{2}+|{\vec {u}}-{\vec {v}}|^{2}=2(|{\vec {u}}|^{2}+|{\vec {v}}|^{2})} となるが、これと全く同じ形の式が一般の内積空間でも成り立つ。 定理(中線定理)
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "この項では関数解析学について解説する。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "関数解析学では、ある性質を持つ関数の集合の性質を調べるということがしばしば行われる。その対象となる関数の集合は、しばしば線型空間としての構造と位相空間としての構造をともに持つ。そこで、まずは一般のこのような空間 -線型位相空間- について解説する。", "title": "線型位相空間" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "Kを複素数体 C {\\displaystyle \\mathbb {C} } または実数体 R {\\displaystyle \\mathbb {R} } とする。K 上の線型空間が位相空間でもあり、和とスカラー倍が連続写像のとき、線型位相空間という。", "title": "線型位相空間" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "K 線型空間 V があり、写像 | | ⋅ | | : V → R {\\displaystyle ||\\cdot ||:V\\to \\mathbb {R} } が次を満たすとき、この写像をノルムという。", "title": "線型位相空間" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "任意の u , v ∈ V {\\displaystyle u,v\\in V} と a ∈ K {\\displaystyle a\\in K} に対して", "title": "線型位相空間" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "ノルムをもつ線型空間をノルム空間という。 ( V , ‖ ⋅ ‖ ) {\\displaystyle (V,\\|\\cdot \\|)} と書く。", "title": "線型位相空間" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "命題 ノルム空間は距離空間である。", "title": "線型位相空間" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "ノルム空間はこの距離から定まる位相によって線型位相空間となる。ノルム空間のうち完備な空間を特にBanach空間という。", "title": "線型位相空間" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "K 線型空間 V があり、写像 ( ⋅ , ⋅ ) : V × V → K {\\displaystyle (\\cdot ,\\cdot ):V\\times V\\to K} が次を満たすとき、この写像を内積という。", "title": "線型位相空間" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "任意の u , v , u 1 , u 2 ∈ V {\\displaystyle u,v,u_{1},u_{2}\\in V} と a ∈ K {\\displaystyle a\\in K} に対して", "title": "線型位相空間" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "内積を持つ線型空間を内積空間という。 ( V , ( ⋅ , ⋅ ) ) {\\displaystyle (V,(\\cdot ,\\cdot ))} と書く。", "title": "線型位相空間" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "注意 ( u , a v ) = ( a v , u ) ̄ = a ̄ ( v , u ) ̄ = a ̄ ( u , v ) {\\displaystyle (u,av)={\\overline {(av,u)}}={\\bar {a}}{\\overline {(v,u)}}={\\bar {a}}(u,v)} が成り立つ。", "title": "線型位相空間" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "内積については、次に挙げるCauchy-Schwarzの不等式が重要である。", "title": "線型位相空間" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "定理(Cauchy-Schwarz)", "title": "線型位相空間" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "Cauchy-Schwarzの不等式から、次の事実が導かれる。", "title": "線型位相空間" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "命題 内積空間はノルム空間である。", "title": "線型位相空間" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "完備なノルム空間 ( V , ‖ ⋅ ‖ ) {\\displaystyle (V,\\|\\cdot \\|)} をバナッハ空間という。", "title": "線型位相空間" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "内積空間 ( V , ( ⋅ , ⋅ ) ) {\\displaystyle (V,(\\cdot ,\\cdot ))} がバナッハ空間のとき、すなわち内積から導かれるノルムが完備なとき、特にヒルベルト空間という。", "title": "線型位相空間" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "このように抽象的に定義される内積空間であるが、一般の(内積を持たない)線型空間と比べると幾何的な性質を持ち合わせている。たとえば、", "title": "線型位相空間" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "はCauchy-Schwarzの不等式により定まるので、これによって2つのベクトルの「なす角」の概念を定義することができる。", "title": "線型位相空間" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "また、初等幾何における中線定理の類似も成り立つ。初等的な幾何ベクトルにおいて O A → = u → + v → , O B → = u → − v → {\\displaystyle {\\overrightarrow {OA}}={\\vec {u}}+{\\vec {v}},{\\overrightarrow {OB}}={\\vec {u}}-{\\vec {v}}} とし、△OABに中線定理を適用すると | u → + v → | 2 + | u → − v → | 2 = 2 ( | u → | 2 + | v → | 2 ) {\\displaystyle |{\\vec {u}}+{\\vec {v}}|^{2}+|{\\vec {u}}-{\\vec {v}}|^{2}=2(|{\\vec {u}}|^{2}+|{\\vec {v}}|^{2})} となるが、これと全く同じ形の式が一般の内積空間でも成り立つ。", "title": "線型位相空間" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "定理(中線定理)", "title": "線型位相空間" } ]
この項では関数解析学について解説する。
この項では'''関数解析学'''について解説する。 == 線型位相空間 == 関数解析学では、ある性質を持つ関数の集合の性質を調べるということがしばしば行われる。その対象となる関数の集合は、しばしば線型空間としての構造と位相空間としての構造をともに持つ。そこで、まずは一般のこのような空間 -線型位相空間- について解説する。 ''K''を複素数体<math>\mathbb{C}</math>または実数体<math>\mathbb{R}</math>とする。''K'' 上の線型空間が位相空間でもあり、和とスカラー倍が連続写像のとき、'''線型位相空間'''という。 === ノルム空間 === ''K'' 線型空間 ''V'' があり、写像<math>||\cdot||:V \to \mathbb{R}</math>が次を満たすとき、この写像を'''ノルム'''という。 任意の<math>u,v\in V</math>と<math>a\in K</math>に対して #<math>||v|| \ge 0 </math> #<math>||v||=0 \Leftrightarrow v=0</math> #<math>||av||=|a| \cdot ||v||</math> #<math>||u+v|| \le ||u||+||v||</math> ノルムをもつ線型空間を'''ノルム空間'''という。 <math>(V,\|\cdot\|)</math>と書く。 '''命題''' ノルム空間は距離空間である。 :(証明) :<math>d(u,v):=||u-v||</math>とする。これが距離の公理([[位相空間論]]を参照)を満たすことを確認する。距離の公理1・2はノルムの公理1・2から直ちに従う。また、 :<math>||v-u||=||-(u-v)||=|-1|||u-v|=||u-v||</math>なので、<math>d(u,v)=d(v,u)</math>(公理3) :<math>d(u,w) =||u-w||=||(u-v)+(v-w)|| \le ||u-v||+||v-w||=d(u,v)+d(v,w)</math>(公理4)□ ノルム空間はこの距離から定まる位相によって線型位相空間となる。ノルム空間のうち完備な空間を特に'''Banach空間'''という。 === 内積空間 === ''K'' 線型空間 ''V'' があり、写像<math>(\cdot,\cdot):V \times V \to K</math>が次を満たすとき、この写像を'''内積'''という。 任意の<math>u,v,u_1,u_2\in V</math>と<math>a\in K</math>に対して #<math>(v,v) \ge 0</math> #<math>(v,v)=0 \Leftrightarrow v=0</math> #<math>(u,v)=\overline{(v,u)}</math> #<math>(au,v)=a(u,v),(u_1+u_2,v)=(u_1,v)+(u_2,v)</math> 内積を持つ線型空間を'''内積空間'''という。 <math>(V,(\cdot,\cdot))</math>と書く。 '''注意''' <math>(u,av)=\overline{(av,u)}=\bar{a}\overline{(v,u)}=\bar{a}(u,v)</math>が成り立つ。 内積については、次に挙げるCauchy-Schwarzの不等式が重要である。 '''定理'''(Cauchy-Schwarz) :<math>|(u,v)|^2 \le (u,u)(v,v)</math> :(証明) :内積<math>((v,v)u-(u,v)v,(v,v)u-(u,v)v)</math>を計算してみると、 ::<math>((v,v)u-(u,v)v,(v,v)u-(u,v)v)=(v,v)^2(u,u)-(v,v)(u,v)^2-(v,v)(u,v)(v,u)+(v,v)(u,v)^2=(v,v)((v,v)(u,u)-(u,v)(v,u))=(v,v)((v,v)(u,u)-|(u,v)|^2)</math> :であり、<math>((v,v)u-(u,v)v,(v,v)u-(u,v)v) \ge 0,(v,v) \ge 0</math>に注意すると<math>(v,v)(u,u)-|(u,v)|^2 \ge 0</math>すなわち<math>|(u,v)|^2 \le (u,u)(v,v)</math>である。□ Cauchy-Schwarzの不等式から、次の事実が導かれる。 '''命題''' 内積空間はノルム空間である。 :(証明) :<math>||v||:=\sqrt{(v,v)}</math>とする。これがノルムの公理を満たすことを確認する。ノルムの公理1は明らか。ノルムの公理2は内積の公理2より従う。また、 :<math>||av||=\sqrt{(av,av)}=\sqrt{a\bar{a}(v,v)}=\sqrt{|a|^2(v,v)}=|a|\sqrt{(v,v)}=|a| ||v||</math>(公理3) :ノルムの公理4については :<math>\begin{align} ||u+v||^2&=(u,u)+2Re(u,v)+(v,v) \\ &\le (u,u)+2|(u,v)|+(v,v) \\ &\le (u,u)+2\sqrt{(u,u)(v,v)}+(v,v)\\ &=\left(\sqrt{(u,u)}+\sqrt{(v,v)}\right)^2=(||u||+||v||)^2 \ \square \end{align}</math> === バナッハ空間 === 完備なノルム空間<math>(V,\|\cdot\|)</math>を'''バナッハ空間'''という。 === ヒルベルト空間 === 内積空間<math>(V,(\cdot,\cdot))</math>がバナッハ空間のとき、すなわち内積から導かれるノルムが完備なとき、特に'''ヒルベルト空間'''という。 このように抽象的に定義される内積空間であるが、一般の(内積を持たない)線型空間と比べると幾何的な性質を持ち合わせている。たとえば、 :<math>\theta:=\arccos \left(\frac{(u,v)}{||u||||v||}\right)</math> はCauchy-Schwarzの不等式により定まるので、これによって2つのベクトルの「なす角」の概念を定義することができる。 また、初等幾何における中線定理の類似も成り立つ。初等的な幾何ベクトルにおいて<math>\overrightarrow{OA}=\vec{u}+\vec{v},\overrightarrow{OB}=\vec{u}-\vec{v}</math>とし、△OABに中線定理を適用すると<math>|\vec{u}+\vec{v}|^2+|\vec{u}-\vec{v}|^2=2(|\vec{u}|^2+|\vec{v}|^2)</math>となるが、これと全く同じ形の式が一般の内積空間でも成り立つ。 '''定理'''(中線定理) :<math>||u+v||^2+||u-v||^2=2(||u||^2+||v||^2)</math> :(証明)<math>||u+v||^2+||u-v||^2=(u,u)+(u,v)+(v,u)+(v,v)+(u,u)-(u,v)-(v,u)+(v,v)=2((u,u)+(v,v))=(2(||u||^2+||v||^2) \ \square</math> [[Category:解析学|かんすうかいせきかく]]
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2021-01-13T00:12:16Z
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Wikijunior:生物学
Wikijunior:メインページ > Wikijunior:生物学 『生物学』(せいぶつがく)とは、動物(どうぶつ)や樹木(じゅもく)、ほかの草花(くさばな)など、すべての生き物(いきもの)の学問(がくもん)です。 このプロジェクトで作業をするときは、子ども向けに作るということを忘れないでください。すべての項目を詳述することよりも、理解されるように書くことのほうが重要です。必要であれば専門用語を使うことは構いませんが、なるべく簡単に書いてください。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "Wikijunior:メインページ > Wikijunior:生物学", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "『生物学』(せいぶつがく)とは、動物(どうぶつ)や樹木(じゅもく)、ほかの草花(くさばな)など、すべての生き物(いきもの)の学問(がくもん)です。", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "このプロジェクトで作業をするときは、子ども向けに作るということを忘れないでください。すべての項目を詳述することよりも、理解されるように書くことのほうが重要です。必要であれば専門用語を使うことは構いませんが、なるべく簡単に書いてください。", "title": "" } ]
Wikijunior:メインページ > Wikijunior:生物学 『生物学』(せいぶつがく)とは、動物(どうぶつ)や樹木(じゅもく)、ほかの草花(くさばな)など、すべての生き物(いきもの)の学問(がくもん)です。 はじめに (2013-10-07) 生命の起源(せいめいのきげん) (2013-10-07) 細胞(さいぼう) (2013-10-07) 組織(そしき) (2013-10-07) 臓器(ぞうき) 解剖学(かいぼうがく) 循環系(じゅんかんけい) (2013-10-07) 呼吸器系(こきゅきけい) (2013-10-07) 消化器系(しょうかきけい) (2013-10-07) 内分泌器系(ないぶんぴつけい) (2013-10-07) 生殖器系(せいしょくきけい) (2013-10-07) 泌尿器系(ひにょうきけい) (2013-10-07) 免疫系(めんえきけい) 筋系(きんけい) (2013-10-07) 骨格系(こっかくけい) (2013-10-07) 外皮系(がいひけい) 神経系(しんけいけい) (2013-10-07) 生態系(せいたいけい) 古細菌(こさいきん) (2013-10-07) 真正細菌(しんせいさいきん) 原生生物(げんせいせいぶつ) (2013-10-07) 菌類(きんるい) (2013-10-07) 植物(しょくぶつ) (2013-10-07) 動物(どうぶつ) (2013-10-07) ウイルス (2013-10-07) おわりに このプロジェクトで作業をするときは、子ども向けに作るということを忘れないでください。すべての項目を詳述することよりも、理解されるように書くことのほうが重要です。必要であれば専門用語を使うことは構いませんが、なるべく簡単に書いてください。
{{ウィキジュニアのスタブ}} {{wikipedia|生物学}} {{pathnav|Wikijunior:メインページ}} [[Image:Muir Wood11.JPG|right|250px|]] <div style="text-align:center;font-size:large;font-weight:bold;color:green;">生物学(せいぶつがく)</div> 『生物学』(せいぶつがく)とは、動物(どうぶつ)や樹木(じゅもく)、ほかの草花(くさばな)など、すべての生き物(いきもの)の学問(がくもん)です。 {{進捗状況}} #[[/はじめに|はじめに]] {{進捗|25%|2013-10-07}} ##[[/生命の起源|生命の起源]](せいめいのきげん) {{進捗|25%|2013-10-07}} #[[/細胞|細胞]](さいぼう) {{進捗|25%|2013-10-07}} #[[/組織|組織]](そしき) {{進捗|25%|2013-10-07}} #[[/臓器|臓器]](ぞうき) #[[/解剖学|解剖学]](かいぼうがく) ##[[/解剖学/循環系|循環系]](じゅんかんけい) {{進捗|25%|2013-10-07}} ##[[/解剖学/呼吸器系|呼吸器系]](こきゅきけい) {{進捗|25%|2013-10-07}} ##[[/解剖学/消化器系|消化器系]](しょうかきけい) {{進捗|25%|2013-10-07}} ##[[/解剖学/内分泌器系|内分泌器系]](ないぶんぴつけい) {{進捗|25%|2013-10-07}} ##[[/解剖学/生殖器系|生殖器系]](せいしょくきけい) {{進捗|25%|2013-10-07}} ##[[/解剖学/泌尿器系|泌尿器系]](ひにょうきけい) {{進捗|25%|2013-10-07}} ##[[/解剖学/免疫系|免疫系]](めんえきけい) ##[[/解剖学/筋系|筋系]](きんけい) {{進捗|25%|2013-10-07}} ##[[/解剖学/骨格系|骨格系]](こっかくけい) {{進捗|25%|2013-10-07}} ##[[/解剖学/外皮系|外皮系]](がいひけい) ##[[/解剖学/神経系|神経系]](しんけいけい) {{進捗|25%|2013-10-07}} #[[/生態系|生態系]](せいたいけい) ##[[/生態系/古細菌|古細菌]](こさいきん) {{進捗|25%|2013-10-07}} ##[[/生態系/真正細菌|真正細菌]](しんせいさいきん) ##[[/生態系/原生生物|原生生物]](げんせいせいぶつ) {{進捗|25%|2013-10-07}} ##[[/生態系/菌類|菌類]](きんるい) {{進捗|25%|2013-10-07}} ##[[/生態系/植物|植物]](しょくぶつ) {{進捗|25%|2013-10-07}} ##[[/生態系/動物|動物]](どうぶつ) {{進捗|25%|2013-10-07}} #[[/ウイルス|ウイルス]] {{進捗|25%|2013-10-07}} #[[/おわりに|おわりに]] ---- ;編集者へ このプロジェクトで作業をするときは、子ども向けに作るということを忘れないでください。すべての項目を詳述することよりも、理解されるように書くことのほうが重要です。必要であれば専門用語を使うことは構いませんが、なるべく簡単に書いてください。 [[Category:生物学 (ウィキジュニア)|*]] [[Category:ウィキジュニア|せいふつかく]] [[Category:生物学 (ウィキジュニア・ジャンル)|せいふつかく]]
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2019-07-20T13:54:35Z
[ "テンプレート:ウィキジュニアのスタブ", "テンプレート:Wikipedia", "テンプレート:進捗状況" ]
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Wikijunior:生物学/はじめに
生物学(せいぶつがく)は生き物(いきもの)の学問(がくもん)で、わたしたちの体の動く仕組みや構造(こうぞう)、体温調節(たいおんちょうせつ)などを理解(りかい)するのにとても大切です。生物学のいくつかの分野に 遺伝学(いでんがく)や生態学(せいたいがく)、動物学(どうぶつがく)や植物学(しょくぶつがく)などがあります。 生き物は大小の違いが大きいです。1つの生物は有機体(ゆうきたい)と呼ばれ、以下に(いかに)、その構成要素(こうせいようそ)を示します。 これらの一覧(いちらん)は、上のほうが基(もと)になり、下のほうを形成しています。例えば、群衆(ぐんしゅう)は多くの集団(しゅうだん)により構成(こうせい)され、多くの群集(ぐんしゅう)が構成されることにより生態系(せいたいけい)ができます。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "生物学(せいぶつがく)は生き物(いきもの)の学問(がくもん)で、わたしたちの体の動く仕組みや構造(こうぞう)、体温調節(たいおんちょうせつ)などを理解(りかい)するのにとても大切です。生物学のいくつかの分野に 遺伝学(いでんがく)や生態学(せいたいがく)、動物学(どうぶつがく)や植物学(しょくぶつがく)などがあります。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "生き物は大小の違いが大きいです。1つの生物は有機体(ゆうきたい)と呼ばれ、以下に(いかに)、その構成要素(こうせいようそ)を示します。", "title": "生き物の段階" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "これらの一覧(いちらん)は、上のほうが基(もと)になり、下のほうを形成しています。例えば、群衆(ぐんしゅう)は多くの集団(しゅうだん)により構成(こうせい)され、多くの群集(ぐんしゅう)が構成されることにより生態系(せいたいけい)ができます。", "title": "生き物の段階" } ]
生物学(せいぶつがく)は生き物(いきもの)の学問(がくもん)で、わたしたちの体の動く仕組みや構造(こうぞう)、体温調節(たいおんちょうせつ)などを理解(りかい)するのにとても大切です。生物学のいくつかの分野に 遺伝学(いでんがく)や生態学(せいたいがく)、動物学(どうぶつがく)や植物学(しょくぶつがく)などがあります。
生物学(せいぶつがく)は生き物(いきもの)の学問(がくもん)で、わたしたちの体の動く仕組みや構造(こうぞう)、体温調節(たいおんちょうせつ)などを理解(りかい)するのにとても大切です。生物学のいくつかの分野に 遺伝学(いでんがく)や生態学(せいたいがく)、動物学(どうぶつがく)や植物学(しょくぶつがく)などがあります。 == そもそも、「生き物」って、なに? == * 生き物は活動的(かつどうてき)です。 * 生き物は以下のような特徴を持っています。 ** 変化(へんか)し成長(せいちょう)ができる。 ** 栄養(えいよう)が必要(ひつよう)で、飲み食い(のみくい)します。 ** うごくことができます。 *** 太陽光(たいようこう)や水(みず)が十分(じゅうぶん)にあれば植物(しょくぶつ)が そだち、うごいていることを見ることができます。たとえば ヒマワリは 昼(ひる)には いつも太陽のほうを むいています。 ** 繁殖(はんしょく)できます。 ** 刺激(しげき)に、反応(はんのう)します。 ** 排出(はいしゅつ)できます。 ** 呼吸(こきゅう)できます。 * 動物(どうぶつ)や植物(しょくぶつ)は生き物です。 *クルマやテーブルなどは上記の生物の条件(じょうけん)を 満たしていない(みたしていない)ので、生き物ではありません。 ==生き物の段階== 生き物は大小の違いが大きいです。1つの生物は有機体(ゆうきたい)と呼ばれ、以下に(いかに)、その構成要素(こうせいようそ)を示します。 * 細胞(さいぼう) * 組織(そしき) * 臓器(ぞうき) * 器官系(きかんけい) * 有機体(ゆうきたい) * 集団(しゅうだん) * 群集(ぐんしゅう) * 生態系(せいたいけい) * 生物群系(せいぶつぐんけい) * 生物圏(せいぶつけん) これらの一覧(いちらん)は、上のほうが基(もと)になり、下のほうを形成しています。例えば、群衆(ぐんしゅう)は多くの集団(しゅうだん)により構成(こうせい)され、多くの群集(ぐんしゅう)が構成されることにより生態系(せいたいけい)ができます。 [[Category:生物学 (ウィキジュニア)|はじめに]]
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2015-08-30T02:13:49Z
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Wikijunior:大型ネコ
Wikijunior:メインページ > Wikijunior:大型ネコ このプロジェクトで作業をするときは、子ども向けに作るということを忘れないでください。すべての項目を詳述することよりも、理解されるように書くことのほうが重要です。必要であれば専門用語を使うことは構いませんが、なるべく簡単に書いてください。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "Wikijunior:メインページ > Wikijunior:大型ネコ", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "このプロジェクトで作業をするときは、子ども向けに作るということを忘れないでください。すべての項目を詳述することよりも、理解されるように書くことのほうが重要です。必要であれば専門用語を使うことは構いませんが、なるべく簡単に書いてください。", "title": "" } ]
Wikijunior:メインページ > Wikijunior:大型ネコ このプロジェクトで作業をするときは、子ども向けに作るということを忘れないでください。すべての項目を詳述することよりも、理解されるように書くことのほうが重要です。必要であれば専門用語を使うことは構いませんが、なるべく簡単に書いてください。
{{ウィキジュニアのスタブ}} {{pathnav|Wikijunior:メインページ}} このプロジェクトで作業をするときは、子ども向けに作るということを忘れないでください。すべての項目を詳述することよりも、理解されるように書くことのほうが重要です。必要であれば専門用語を使うことは構いませんが、なるべく簡単に<span lang="ja" dir="ltr">書い</span>てください。 == はじめに == * [[/猫について知ろう|猫について知ろう]] == 主なネコ科{{Ruby|生物|せいぶつ}} == * [[/ライオン|ライオン]] * [[/ネコ|ネコ]] * [[/トラ|トラ]] * [[/ヒョウ|ヒョウ]] * [[/ジャガー|ジャガー]] * [[/ユキヒョウ|ユキヒョウ]] * [[/ウンピョウ|ウンピョウ]] * [[/マーブルキャット|マーブルキャット]] * [[/チーター|チーター]] * [[/ピューマ|ピューマ]] * [[/オオヤマネコとボブキャット|オオヤマネコとボブキャット]] * [[/オセロット|オセロット]] * [[/マーゲイ|マーゲイ]] * [[/ジャガランディ|ジャガランディ]] * [[/サビイロネコ|サビイロネコ]] * [[/カラカル|カラカル]] * [[/サーバル|サーバル]] * [[/マヌルネコ|マヌルネコ]] * [[/ヤマネコ|ヤマネコ]] * [[/スナネコ|スナネコ]] * [[/ライガーとタイゴン|ライガーとタイゴン]] * [[/レオポン|レオポン]] == その他 == * [[/どのように子育てするの?|どのように子育てするの?]] * [[/化石の歴史|化石の歴史]] * [[/絶滅の危機|絶滅の危機]] * [[/猫の飼い方|猫の飼い方]] * [[/分類方法|分類方法]] * [[/用語集|用語集]] [[Category:ウィキジュニア|おおかたねこ]] [[Category:生物学 (ウィキジュニア・ジャンル)|おおかたねこ]] [[カテゴリ:大型ネコ(ウィキジュニア)|*]]
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2022-03-13T11:53:53Z
[ "テンプレート:ウィキジュニアのスタブ", "テンプレート:Ruby" ]
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歯学
メインページ > 歯学 生物学と関連する項目がほとんどである。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "メインページ > 歯学", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "生物学と関連する項目がほとんどである。", "title": "一般用教科書" } ]
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2012-02-14T12:40:34Z
2023-09-29T11:07:44Z
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16,767
理学
メインページ > 理学は理学に関する文書等が収められている書庫である。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "メインページ > 理学は理学に関する文書等が収められている書庫である。", "title": "" } ]
メインページ > 理学は理学に関する文書等が収められている書庫である。
[[メインページ]] > '''理学'''は理学に関する文書等が収められている書庫である。 {| style="float:right" |- |{{Wikipedia|理学|理学}} |- |{{Wikinews|理学|Category:理学|カテゴリ}} |- |{{蔵書一覧}} |- |{{進捗状況}} |} == [[高等学校の学習|高等学校の教科書]] == * [[高等学校数学]] ** [[高等学校数学基礎|数学基礎]] ** [[高等学校数学I|数学I]] ** [[高等学校数学II|数学II]] ** [[高等学校数学III|数学III]] ** [[高等学校数学A|数学A]] ** [[高等学校数学B|数学B]] ** [[高等学校数学C|数学C]] * [[高等学校理科]] ** [[高等学校理科基礎|理科基礎]] ** [[高等学校理科総合A|理科総合A]] ** [[高等学校理科総合B|理科総合B]] ** [[高等学校物理]] ** [[高等学校化学]] ** [[高等学校生物]] ** [[高等学校地学]] * [[高等学校理数]] == [[大学の学習|大学の教科書]] == * [[数学]] * [[物理学]] * [[化学]] * [[生物学]] * [[地球科学]] * [[天文学]] [[Category:理学|*]]
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2012-02-15T14:32:13Z
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16,769
薬学
メインページ > 薬学 生物学と関連する項目がほとんどである。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "メインページ > 薬学", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "生物学と関連する項目がほとんどである。", "title": "一般用教科書" } ]
メインページ > 薬学
[[メインページ]] > 薬学 {{NDC|499}} {| style="float:right" |- |{{Wikipedia|薬学|薬学}} |- |{{Wikiquote|Category:薬剤師|薬剤師}} |- |{{Wikinews|薬学|Category:薬学|カテゴリ}} |- |{{Commons|Category:Pharmacy}} |- |{{蔵書一覧}} |- |{{進捗状況}} |} == 初等・中等教育用教科書 == * [[中学校理科]] * [[中学校保健]] * [[高等学校化学]] * [[高等学校生物]] * [[高等学校保健体育保健|高等学校保健]] * [[高等学校看護]] (専門高校での専門科目) == 一般用教科書 == === 一般教養課目 === [[生物学]]と関連する項目がほとんどである。 *[[発生学]] *[[遺伝学]] *[[進化学]] === 基礎薬学 === *[[有機化学]] *[[物理化学]] *[[分析化学]] *[[放射化学]] *[[医薬品化学]] *[[天然物化学]] *[[生物有機化学]] *[[生薬学]] *[[栄養学]] *[[農薬学]] *[[火薬学]] *[[創薬学]] *[[工業薬学]] *[[解剖学]] *[[生理学]] *[[免疫学]] *[[生化学]] *[[細胞生物学]] *[[分子生物学]] *[[微生物学]] *[[寄生虫学]] *[[組織学]] === 医療薬学 === ==== 薬剤学・臨床薬学 ==== *[[病理学]] *[[薬理学]] *[[物理薬剤学]] *[[化学薬剤学]] *[[生物薬剤学]] *[[薬物動態学]] *[[調剤学]] *[[製剤学]] *[[医療薬剤学]] *[[内科学]] *[[外科学]] *[[看護学]] *[[予防医学]] *[[病態生理学]] *[[薬物治療学]] *[[医薬品情報学]] *[[日本薬局方]] *[[薬物学]] *[[漢方薬学]] *[[歯科薬理学]] *[[家畜薬理学]] *[[臨床化学]] *[[神経化学]] *[[粉体工学]] ==== 衛生薬学 ==== *[[衛生化学]] *[[栄養化学]] *[[環境科学]] *[[疫学]] *[[公衆衛生学]] *[[口腔衛生学]] *[[家畜衛生学]] *[[病態生化学]] *[[毒性学]] *[[生態学]] === 社会薬学 === *[[薬と社会]] *[[薬をめぐる行動とその関係および相互作用]] *[[薬害の社会学]] *[[薬の社会学]] *[[薬剤経済学]] *[[薬史学]] *[[レギュラトリーサイエンス]] *[[薬物乱用]] === 応用的な関連項目 === * [[OsiriX オンライン解説文書]] {{DEFAULTSORT:やくかく}} [[Category:自然科学|やくかく]] [[Category:薬学|! やくかく]] [[Category:書庫|やくかく]]
2012-02-15T14:55:24Z
2023-09-29T11:08:03Z
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16,790
囲碁用語について
囲碁における世界初のプロ制度であるところの、日本の囲碁の家元制度が出来たのが今から400年前。そして、日本に囲碁が伝わるのは、さらに1000年ほどの時間をさかのぼる。囲碁の発祥地が中国であることには異論の余地がないが、日本にも長い歴史が息づいている。そのような中で、囲碁に関する言葉も当然ながら長い歴史を持って受け継がれていると考えるべきであろう。 しかしながら、これらの言葉には地域差などが多分に含まれる。時代々々によっても違うであろう。これらの違いを違ったままにしておくのは不便である。その最も妥当な解決策は、日本棋院の周辺の言語環境を基準とすることであろう。具体的にはその出版物であるところの書籍や囲碁新聞、あるいはTVの囲碁番組に出演している棋士のコメントなどが参考になる。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "囲碁における世界初のプロ制度であるところの、日本の囲碁の家元制度が出来たのが今から400年前。そして、日本に囲碁が伝わるのは、さらに1000年ほどの時間をさかのぼる。囲碁の発祥地が中国であることには異論の余地がないが、日本にも長い歴史が息づいている。そのような中で、囲碁に関する言葉も当然ながら長い歴史を持って受け継がれていると考えるべきであろう。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "しかしながら、これらの言葉には地域差などが多分に含まれる。時代々々によっても違うであろう。これらの違いを違ったままにしておくのは不便である。その最も妥当な解決策は、日本棋院の周辺の言語環境を基準とすることであろう。具体的にはその出版物であるところの書籍や囲碁新聞、あるいはTVの囲碁番組に出演している棋士のコメントなどが参考になる。", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "", "title": "囲碁用語" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "", "title": "囲碁用語" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "", "title": "囲碁用語" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "", "title": "囲碁用語" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "", "title": "囲碁用語" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "", "title": "囲碁用語" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "", "title": "囲碁用語" } ]
囲碁における世界初のプロ制度であるところの、日本の囲碁の家元制度が出来たのが今から400年前。そして、日本に囲碁が伝わるのは、さらに1000年ほどの時間をさかのぼる。囲碁の発祥地が中国であることには異論の余地がないが、日本にも長い歴史が息づいている。そのような中で、囲碁に関する言葉も当然ながら長い歴史を持って受け継がれていると考えるべきであろう。 しかしながら、これらの言葉には地域差などが多分に含まれる。時代々々によっても違うであろう。これらの違いを違ったままにしておくのは不便である。その最も妥当な解決策は、日本棋院の周辺の言語環境を基準とすることであろう。具体的にはその出版物であるところの書籍や囲碁新聞、あるいはTVの囲碁番組に出演している棋士のコメントなどが参考になる。
囲碁における世界初のプロ制度であるところの、日本の囲碁の家元制度が出来たのが今から400年前。そして、日本に囲碁が伝わるのは、さらに1000年ほどの時間をさかのぼる。囲碁の発祥地が中国であることには異論の余地がないが、日本にも長い歴史が息づいている。そのような中で、'''囲碁に関する言葉'''も当然ながら長い歴史を持って受け継がれていると考えるべきであろう。 しかしながら、これらの言葉には'''地域差'''などが多分に含まれる。時代々々によっても違うであろう。これらの違いを違ったままにしておくのは不便である。その最も妥当な解決策は、'''日本棋院'''の周辺の言語環境を基準とすることであろう。具体的にはその出版物であるところの書籍や囲碁新聞、あるいはTVの囲碁番組に出演している棋士のコメントなどが参考になる。 == 囲碁用語 == ; 見合い : 着手として今すぐ一手打たなくとも、局所的な意味が保たれている状態を指す。具体的な例として、下図の黒の死活において、aもしくはbに黒は一手いれることによってルール的な2眼を確保することが出来る。しかしこの場合、白が2回連続着手しないかぎり黒はどちらかに必ず打てるのですぐに打つ必要がなく、貴重な一手を他に使うことが出来る。このようにどちらかに打てばいい状態を「見合い」という。 {{碁盤 7x8|= a b c d e f g 8| | b| w| | | | |= 7| A| b| w| | | | |= 6| B| b| w| | | | |= 5| | b| w| | | | |= 4| b| b| w| | | | |= 3| w| w| w| | | | |= 2| | | | | | | |= 1| | | | | | | |= a b c d e f g|= |24|r=r|d=d}} ; コスミ : 下図のように自分の石に対してナナメに打つ手をコスミという。aとbが見合いであり、ナナメでありながら、絶対に切られない。しかしながら局面によっては切らせて打つ選択肢もありうる。 {{Goban 5x5|= | | | | | |= | | | b| A| |= | | | B|bT| |= | | | | | |= | | | | | |= |24}} ; アキ三角 : 下図のような石の形をアキ三角と呼ぶ。aに黒石もしくは白石がある場合は、アキ三角とは呼ばない。この形は効率の悪い形として'''愚形'''の代表的な形とされるが、aに黒石があるほうがより愚形である。四角の形は初心者にも効率の悪い形として理解しやすいが、この三角の形は初心者には効率が悪いように見えない場合も多い。「もう一手打つと四角になるのがアキ三角」である。 : 一方で、アキ三角を含むような定石([[ツケオサエ定石]])もあるなど、絶対に打ってはいけないものでもなく、大きな目的を達するためのアキ三角であれば、'''グズむ'''手としてプロの碁にも現れる。 {{Goban 5x5|= | | | | | |= | | | b| A| |= | | | b| b| |= | | | | | |= | | | | | |= |24}} ; 手数 # ある石の一団のまわりの空点の数を'''手数'''(てかず、てすう)と呼ぶ。 # 手数は、'''攻め合い'''のときなどに非常に重要で、狭義には攻め合い時の取られ切るまでの着手数のことを指す。 # もしくは単にもっと一般的な局所的な着手数「手の数」ことも手数と呼ぶ。 : 詳しくは[[手数 (囲碁)]]を参照。 ; ノビ : 下図の白の手が「ノビ」である。連絡する手をのぞけば、ノビは1手で2手'''手数'''が伸びる'''唯一'''の手であり、相手と石がくっついている局面で効力を発揮する。(この図では、白の手数が4手から6手に増えている) 逆に、手数が2手増えない手は、ノビのように見えてもノビとは呼ばれない。(下図の黒の手はノビではない。) {{Goban 5x5|= | | | | | |= | |wT| w| w| |= | | | b| b| b|= | | | | | |= | | | | | |= |24}} {{Goban 5x5|= | | | | | |= | | |bT| | |= | | | b| b| |= | | | w| w| w|= | | | | | |= |24}} {{Goban 5x5|= | | | | | |= | | | | | |= | |bT| b| b| |= | | w| w| w| w|= | | | | | |= |24}} ; ワタリ : 図のように盤端から連絡する手を'''ワタリ'''もしくはワタる手と呼ぶ。一般に、相手の下をくぐるような1線の連絡および2線の連絡をワタる手というが、3線の連絡も場合によってはワタると表現する場合があるかもしれない。 {{碁盤 7x8|= a b c d e f g 8| | b| | | | | |= 7| b| | b| w| | | |= 6| | b| w| | w| | |= 5|bT| w| w| | | | |= 4| | b| | | | | |= 3| | | w| | | | |= 2| | b| | | | | |= 1| | | | | | | |= a b c d e f g|= |24|r=r|d=d}} ; オシツブシ : 下図のような黒の手をオシツブシと呼ぶ。1の1の点が、白からは着手禁止の点であるため、3目ナカデにすることが出来ず、黒生きである。同様に4目ナカデや5目ナカデを阻止する手もオシツブシと呼ばれる。 {{Goban 5x5|= | | | | | |= | | | w| w| |= | w| w| w| b| b|= | w| b| b| b| w|= | | |bT| w| |= |24|r=r|d=d}} [[Category:囲碁|いこようこについて]]
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2012-04-07T00:50:01Z
[ "テンプレート:碁盤 7x8", "テンプレート:Goban 5x5" ]
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16,795
Wikijunior:生物学/生態系/古細菌
古細菌(こさいきん)は単細胞生物(たんさいぼうせいぶつ)で、長いあいだ、地球に生きつづけています。 古細菌は細胞核(さいぼうかく)を持ちません。古細菌を人類が発見したばかりのころは、「これは細菌(さいきん)だろう」とされていましたが、特徴があまりにも、ふつうの細菌と異なることから、古細菌(こさいきん)という新しい種類とされました。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "古細菌(こさいきん)は単細胞生物(たんさいぼうせいぶつ)で、長いあいだ、地球に生きつづけています。", "title": "古細菌" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "古細菌は細胞核(さいぼうかく)を持ちません。古細菌を人類が発見したばかりのころは、「これは細菌(さいきん)だろう」とされていましたが、特徴があまりにも、ふつうの細菌と異なることから、古細菌(こさいきん)という新しい種類とされました。", "title": "古細菌" } ]
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==古細菌== [[Image:Colourful_Thermophilic_Archaebacteria_Stain_in_Midway_Geyser_Basin.jpg|thumb|right|400px|色鮮やかな古細菌]] 古細菌(こさいきん)は単細胞生物(たんさいぼうせいぶつ)で、長いあいだ、地球に生きつづけています。 古細菌は細胞核(さいぼうかく)を持ちません。古細菌を人類が発見したばかりのころは、「これは細菌(さいきん)だろう」とされていましたが、特徴があまりにも、ふつうの細菌と異なることから、古細菌(こさいきん)という新しい種類とされました。 {{wikipedia|古細菌|古細菌}} [[en:Wikijunior:Biology/Kingdoms/Archaea]] [[Category:生物学 (ウィキジュニア)|こさいきん]]
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2015-08-30T02:14:50Z
[ "テンプレート:Wikipedia" ]
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16,796
Wikijunior:生物学/生態系/原生生物
ほとんどの原生生物(げんせいせいぶつ)は単細胞(たんさいぼう)でできていて、古細菌(こさいきん)や細菌(さいきん)よりも大きな核(かく)を持っています。 原生生物は多くの異なった種があり、ほとんどは水中に生息しますが、土中や動物体内に住んでいるのもあり、さらに病原体(びょうげんたい)となる種もあります。
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==原生生物== [[Image:Protist_collage.jpg|thumb|300px|right|原生生物]] ほとんどの原生生物(げんせいせいぶつ)は単細胞(たんさいぼう)でできていて、古細菌(こさいきん)や細菌(さいきん)よりも大きな核(かく)を持っています。 原生生物は多くの異なった種があり、ほとんどは水中に生息しますが、土中や動物体内に住んでいるのもあり、さらに病原体(びょうげんたい)となる種もあります。 {{wikipedia|原生生物|原生生物}} [[en:Wikijunior:Biology/Kingdoms/Protists]] [[Category:生物学 (ウィキジュニア)|せいたいけい けんせいせいふつ]]
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2015-08-30T02:14:41Z
[ "テンプレート:Wikipedia" ]
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Wikijunior:生物学/生態系/菌類
菌類のほとんどは多細胞生物です。例外として多細胞ではない単細胞の菌類としては、酵母がいます。菌類は動植物と同じく真核生物です。ヒトは真核生物です。なので原核生物よりか真核生物のほうがヒトに近い種です。 菌類の「菌」の漢字の訓読みは、じつは「きのこ」なのです。多くの人は菌類の代表的なものとしてキノコを類推しますが、ほかにも菌類には多くのことなった種があります。 菌類はゴミを分解する重要な役割もはたしています。菌類がいなければ森の地面はうずたかくなってしまいます。 菌類はキノコのような直接的な食べ物や、酵母菌を使ったワインやビール、パンなどの間接的な食料源としても重要です。しかしカビのように有害なものもあります。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "菌類のほとんどは多細胞生物です。例外として多細胞ではない単細胞の菌類としては、酵母がいます。菌類は動植物と同じく真核生物です。ヒトは真核生物です。なので原核生物よりか真核生物のほうがヒトに近い種です。", "title": "菌類" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "菌類の「菌」の漢字の訓読みは、じつは「きのこ」なのです。多くの人は菌類の代表的なものとしてキノコを類推しますが、ほかにも菌類には多くのことなった種があります。", "title": "菌類" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "菌類はゴミを分解する重要な役割もはたしています。菌類がいなければ森の地面はうずたかくなってしまいます。", "title": "菌類" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "菌類はキノコのような直接的な食べ物や、酵母菌を使ったワインやビール、パンなどの間接的な食料源としても重要です。しかしカビのように有害なものもあります。", "title": "菌類" } ]
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== 菌類 == [[ファイル:Shiitake_mushroom.jpg|thumb|right|200px|椎茸(しいたけ)]] {{Ruby|菌類|きんるい}}のほとんどは{{Ruby|多細胞生物|たさいぼうせいぶつ}}です。例外として多細胞ではない{{Ruby|単細胞|たんさいぼう}}の菌類としては、{{Ruby|酵母|こうぼ}}がいます。菌類は動植物と同じく{{Ruby|真核生物|しんかくせいぶつ}}です。ヒトは真核生物です。なので原核生物よりか真核生物のほうがヒトに近い{{Ruby|種|しゅ}}です。 菌類の「菌」の漢字の訓読みは、じつは「きのこ」なのです。多くの人は菌類の代表的なものとしてキノコを類推しますが、ほかにも菌類には多くのことなった種があります。 菌類はゴミを分解する重要な役割もはたしています。菌類がいなければ森の地面はうずたかくなってしまいます。 菌類はキノコのような直接的な食べ物や、{{Ruby|酵母菌|こうぼきん}}を使ったワインやビール、パンなどの間接的な食料源としても重要です。しかしカビのように有害なものもあります。 {{コラム|酵母と酵母菌| このページでは、酵母と酵母菌とを使い分けています。 ; 酵母 : 単細胞の真核生物 : 運動性はない : 細胞壁を持つ : 光合成を行わない : 栄養は外部の有機物を分解吸収することによる :; 形態 : 特徴の少ない円形か楕円形 :: 概ね、このような性質の微生物が酵母とされ、多くの種は子嚢菌門に属していますが多系です。 ; 酵母菌 : 食品などに用いられる出芽酵母の一種 : ''Saccharomyces cerevisiae'' }} {{wikipedia|菌類|菌類}} [[en:Wikijunior:Biology/Kingdoms/Fungi]] [[Category:生物学 (ウィキジュニア)|せいたいけい さいきん]]
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2021-10-16T23:31:05Z
[ "テンプレート:コラム", "テンプレート:Wikipedia", "テンプレート:Ruby" ]
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16,798
Wikijunior:生物学/生態系/植物
植物(しょくぶつ)は多細胞生物(たさいぼうせいぶつ)で、ほとんどは緑色(みどりいろ)です。太陽によりエネルギーが作られ、光や二酸化炭素、そして水を使ってグルコース(糖、「とう」)を生産します。植物は動物の食料(しょくりょう)となります。動物以外にも、菌類(きんるい)、細菌(さいきん)のいっしゅや原生生物(げんせいせいぶつ)のいっしゅが植物を食料とします。 植物は光合成により動物が吸う(すう) 酸素(さんそ)をつくり、動物が吐く(はく) 二酸化炭素(にさんかたんそ)を取り込み、二酸化炭素から栄養を得ます。ほかにも、植物は動物にとって木陰となるほか、衣食住の原料にもなるので、植物なしには動物は生きられません。 光合成(こうごうせい)は、太陽からの光エネルギーをつかって、二酸化炭素を原料(げんりょう)にして、植物がいきるのにひつようなデンプンや炭水化物(たんすいかぶつ)などの栄養をつくることです。 植物は、緑色の葉緑体(ようりょくたい)というぶっしつを持っているので植物の色は緑色です。 葉緑体が、太陽の光から赤色の光と青色の光を吸収するので、のこった光の緑色に見えます。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "植物(しょくぶつ)は多細胞生物(たさいぼうせいぶつ)で、ほとんどは緑色(みどりいろ)です。太陽によりエネルギーが作られ、光や二酸化炭素、そして水を使ってグルコース(糖、「とう」)を生産します。植物は動物の食料(しょくりょう)となります。動物以外にも、菌類(きんるい)、細菌(さいきん)のいっしゅや原生生物(げんせいせいぶつ)のいっしゅが植物を食料とします。", "title": "植物" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "植物は光合成により動物が吸う(すう) 酸素(さんそ)をつくり、動物が吐く(はく) 二酸化炭素(にさんかたんそ)を取り込み、二酸化炭素から栄養を得ます。ほかにも、植物は動物にとって木陰となるほか、衣食住の原料にもなるので、植物なしには動物は生きられません。", "title": "植物" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "光合成(こうごうせい)は、太陽からの光エネルギーをつかって、二酸化炭素を原料(げんりょう)にして、植物がいきるのにひつようなデンプンや炭水化物(たんすいかぶつ)などの栄養をつくることです。", "title": "光合成" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "植物は、緑色の葉緑体(ようりょくたい)というぶっしつを持っているので植物の色は緑色です。", "title": "光合成" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "葉緑体が、太陽の光から赤色の光と青色の光を吸収するので、のこった光の緑色に見えます。", "title": "光合成" } ]
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==植物== [[Image:Musa JPG01.jpg|thumb|right|250px|バナナの樹]] 植物(しょくぶつ)は多細胞生物(たさいぼうせいぶつ)で、ほとんどは緑色(みどりいろ)です。太陽によりエネルギーが作られ、光や二酸化炭素、そして水を使ってグルコース(糖、「とう」)を生産します。植物は動物の食料(しょくりょう)となります。動物以外にも、菌類(きんるい)、細菌(さいきん)のいっしゅや原生生物(げんせいせいぶつ)のいっしゅが植物を食料とします。 植物は光合成により動物が吸う(すう) 酸素(さんそ)をつくり、動物が吐く(はく) 二酸化炭素(にさんかたんそ)を取り込み、二酸化炭素から栄養を得ます。ほかにも、植物は動物にとって木陰となるほか、衣食住の原料にもなるので、植物なしには動物は生きられません。 ==光合成== 光合成(こうごうせい)は、太陽からの光エネルギーをつかって、二酸化炭素を原料(げんりょう)にして、植物がいきるのにひつようなデンプンや炭水化物(たんすいかぶつ)などの栄養をつくることです。 ===体が緑色の理由=== 植物は、緑色の葉緑体(ようりょくたい)というぶっしつを持っているので植物の色は緑色です。 葉緑体が、太陽の光から赤色の光と青色の光を吸収するので、のこった光の緑色に見えます。 <gallery widths=300px heights=300px> ファイル:Leaf 1 web.jpg|光合成は植物のはっぱで、おこなわれることが多い。 ファイル:Plagiomnium affine laminazellen.jpeg|植物の細胞内に見える葉緑体 </gallery> {{wikipedia|植物|植物}} [[en:Wikijunior:Biology/Kingdoms/Plants]] [[Category:生物学 (ウィキジュニア)|せいたいけい しよくふつ]]
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2015-08-30T02:15:30Z
[ "テンプレート:Wikipedia" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/Wikijunior:%E7%94%9F%E7%89%A9%E5%AD%A6/%E7%94%9F%E6%85%8B%E7%B3%BB/%E6%A4%8D%E7%89%A9
16,799
Wikijunior:生物学/生態系/動物
動物(どうぶつ)は多細胞生物(たさいぼうせいぶつ)で、食べ物を直接とり込み消化(しょうか)します。ほとんどの動物は動けて、動物だけ(クラゲのような例外はあります)が脳を持っています。 動物は地球上のどこにもいて、種類によっては地中を掘り進んだり海中を泳いだり空中を飛んだりと、いろいろなものがいます。 動物とは、たとえば犬(イヌ)や猫(ネコ)、牛(ウシ)、馬(ウマ)、蛙(カエル)、魚(サカナ)などなどが動物であり、人間も動物です。 動物は、草ばかりを食べて生きる草食動物と、他の動物の肉ばかりを食べて生きる肉食動物との、二種類があり、草食動物は哺乳類(ほにゅうるい)、魚類(ぎょるい)、鳥類(ちょうるい)、爬虫類(はちゅうるい)、両生類(りょうせいるい)で、肉食動物は節足動物(こん虫やクモ、カニなど)、軟体動物(なんたいどうぶつ)、海綿動物(かいめんどうぶつ)、いくつかの異なる虫やクラゲ、その他多くのものがいます。草食動物が5種類に対し、肉食動物は最低30種類はいます。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "動物(どうぶつ)は多細胞生物(たさいぼうせいぶつ)で、食べ物を直接とり込み消化(しょうか)します。ほとんどの動物は動けて、動物だけ(クラゲのような例外はあります)が脳を持っています。", "title": "動物" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "動物は地球上のどこにもいて、種類によっては地中を掘り進んだり海中を泳いだり空中を飛んだりと、いろいろなものがいます。", "title": "動物" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "動物とは、たとえば犬(イヌ)や猫(ネコ)、牛(ウシ)、馬(ウマ)、蛙(カエル)、魚(サカナ)などなどが動物であり、人間も動物です。", "title": "動物" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "動物は、草ばかりを食べて生きる草食動物と、他の動物の肉ばかりを食べて生きる肉食動物との、二種類があり、草食動物は哺乳類(ほにゅうるい)、魚類(ぎょるい)、鳥類(ちょうるい)、爬虫類(はちゅうるい)、両生類(りょうせいるい)で、肉食動物は節足動物(こん虫やクモ、カニなど)、軟体動物(なんたいどうぶつ)、海綿動物(かいめんどうぶつ)、いくつかの異なる虫やクラゲ、その他多くのものがいます。草食動物が5種類に対し、肉食動物は最低30種類はいます。", "title": "動物" } ]
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==動物== [[Image:Ocelot.jpg|thumb|right|300px|猫科のオセロット]] 動物(どうぶつ)は多細胞生物(たさいぼうせいぶつ)で、食べ物を直接とり込み消化(しょうか)します。ほとんどの動物は動けて、動物だけ(クラゲのような例外はあります)が脳を持っています。 動物は地球上のどこにもいて、種類によっては地中を掘り進んだり海中を泳いだり空中を飛んだりと、いろいろなものがいます。 動物とは、たとえば犬(イヌ)や猫(ネコ)、牛(ウシ)、馬(ウマ)、蛙(カエル)、魚(サカナ)などなどが動物であり、人間も動物です。 動物は、草ばかりを食べて生きる草食動物と、他の動物の肉ばかりを食べて生きる肉食動物との、二種類があり、草食動物は哺乳類(ほにゅうるい)、魚類(ぎょるい)、鳥類(ちょうるい)、爬虫類(はちゅうるい)、両生類(りょうせいるい)で、肉食動物は節足動物(こん虫やクモ、カニなど)、軟体動物(なんたいどうぶつ)、海綿動物(かいめんどうぶつ)、いくつかの異なる虫やクラゲ、その他多くのものがいます。草食動物が5種類に対し、肉食動物は最低30種類はいます。 {{wikipedia|動物|動物}} [[en:Wikijunior:Biology/Kingdoms/Animals]] [[Category:生物学 (ウィキジュニア)|せいたいけい とうふつ]] [[カテゴリ:動物]]
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2022-12-10T16:37:07Z
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16,800
Wikijunior:生物学/ウイルス
真正細菌のような他の生物よりもはるかに小さく、正確には生きてはいません。『はじめに』で挙げたような生物の特徴は一切なく、ただ生物の細胞内にいるときにウイルス自身の複製を作ります。 ウイルスは度々細胞を殺し、病気の原因になります。病気の多くがウイルスによるもので、最も有名なのはインフルエンザや風邪です。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "真正細菌のような他の生物よりもはるかに小さく、正確には生きてはいません。『はじめに』で挙げたような生物の特徴は一切なく、ただ生物の細胞内にいるときにウイルス自身の複製を作ります。", "title": "ウイルスとは何か?" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "ウイルスは度々細胞を殺し、病気の原因になります。病気の多くがウイルスによるもので、最も有名なのはインフルエンザや風邪です。", "title": "ウイルスとは何か?" } ]
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==ウイルスとは何か?== [[File:Rotavirus Reconstruction.jpg|thumb|right|下痢の原因であるロタウイルス]] 真正細菌のような他の生物よりもはるかに小さく、正確には生きてはいません。『はじめに』で挙げたような生物の特徴は一切なく、ただ生物の細胞内にいるときにウイルス自身の複製を作ります。 ウイルスは度々細胞を殺し、病気の原因になります。病気の多くがウイルスによるもので、最も有名なのはインフルエンザや風邪です。 {{wikipedia|ウイルス|ウイルス}} [[en:Wikijunior:Biology/Viruses]] [[Category:生物学 (ウィキジュニア)|ういるす]]
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2015-08-30T02:14:12Z
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16,801
Wikijunior:生物学/解剖学/生殖器系
人間には、生物学的に考えると、男と女の2つの性があります。赤ん坊は男性の作る精子(せいし)が女性の作る卵(らん)(卵子とも言う。)と結合する過程を経て作られます。細胞が結合すると接合子(せつごうし)と呼ばれる新しい細胞を形成します。接合子は赤ん坊の基であり、父母に似た赤ん坊に成長します。 赤ん坊は母親から生まれます。赤ん坊を作るために、父親は母体に精子(せいし)を注入する必要があります。そして、精子を、注入すると、吐き出された精子細胞(せいしさいぼう)が母体を泳いでいきます。接合子は母親の子宮(しきゅう)の中で成長し、赤ん坊となります。妊娠後から266日の、約9ヶ月ほどが経つと膣内から赤ん坊が出てきて出産(しゅっさん)となります。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "人間には、生物学的に考えると、男と女の2つの性があります。赤ん坊は男性の作る精子(せいし)が女性の作る卵(らん)(卵子とも言う。)と結合する過程を経て作られます。細胞が結合すると接合子(せつごうし)と呼ばれる新しい細胞を形成します。接合子は赤ん坊の基であり、父母に似た赤ん坊に成長します。", "title": "赤ん坊の作り方" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "赤ん坊は母親から生まれます。赤ん坊を作るために、父親は母体に精子(せいし)を注入する必要があります。そして、精子を、注入すると、吐き出された精子細胞(せいしさいぼう)が母体を泳いでいきます。接合子は母親の子宮(しきゅう)の中で成長し、赤ん坊となります。妊娠後から266日の、約9ヶ月ほどが経つと膣内から赤ん坊が出てきて出産(しゅっさん)となります。", "title": "赤ん坊の生まれ方" } ]
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==赤ん坊の作り方== 人間には、生物学的に考えると、男と女の2つの性があります。赤ん坊は男性の作る精子(せいし)が女性の作る卵(らん)(卵子とも言う。)と結合する過程を経て作られます。細胞が結合すると接合子(せつごうし)と呼ばれる新しい細胞を形成します。接合子は赤ん坊の基であり、父母に似た赤ん坊に成長します。 ==赤ん坊の生まれ方== [[Image:Month_6.svg‎ |thumb|right|母体で成長する赤ん坊]] 赤ん坊は母親から生まれます。赤ん坊を作るために、父親は母体に精子(せいし)を注入する必要があります。そして、精子を、注入すると、吐き出された精子細胞(せいしさいぼう)が母体を泳いでいきます。接合子は母親の子宮(しきゅう)の中で成長し、赤ん坊となります。妊娠後から266日の、約9ヶ月ほどが経つと膣内から赤ん坊が出てきて出産(しゅっさん)となります。 ===単語=== * 子宮(しきゅう):体内で赤ん坊が育つ場所で、Woman(女性)の語源は子宮(Womb)を持つ男性(man)によります。 * 接合子(せつごうし):精子と卵子が結合し後に赤ん坊になる細胞。 * 精子(せいし):男性の性細胞 * 卵子(らんし):女性の性細胞 * 妊娠(にんしん):母体に接合子ができた状態 {{wikipedia|生殖器|生殖器}} [[en:Wikijunior:Biology/Systems/Reproductive System]] [[Category:解剖学 (ウィキジュニア)|せいしよくきけい]]
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2019-06-01T21:41:13Z
[ "テンプレート:Wikipedia" ]
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16,802
Wikijunior:生物学/解剖学/内分泌器系
人体は たくさんの数の細胞で できていて、人体が各細胞を はたらかかせるために、細胞に指示を送るホルモンという物質を 血液を通じて おくりだします。 内分泌系(ないぶんぴつけい)は ホルモンを作る臓器でできています。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "人体は たくさんの数の細胞で できていて、人体が各細胞を はたらかかせるために、細胞に指示を送るホルモンという物質を 血液を通じて おくりだします。", "title": "内分泌系" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "内分泌系(ないぶんぴつけい)は ホルモンを作る臓器でできています。", "title": "内分泌系" } ]
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==内分泌系== 人体は たくさんの数の細胞で できていて、人体が各細胞を はたらかかせるために、細胞に指示を送る'''ホルモン'''という物質を 血液を通じて おくりだします。 '''内分泌系'''(ないぶんぴつけい)は '''ホルモン'''を作る臓器でできています。 [[Image:Illu_endocrine_system.png|right|thumb|内分泌系(ないぶんぴつけい)。<br>読者から見て左側の画像が男の内分泌系。右側は女の内分泌系。]] # 間脳(かんのう)の上面にある松果体(しょうかたい) # 脳下垂体(のうかすいたい) # 甲状腺(こうじょうせん) # 胸腺(きょうせん) # 副腎(ふくじん) # 膵臓(すいぞう) # 卵巣(らんそう) # 睾丸(こうがん) {{wikipedia|内分泌系|内分泌系}} [[en:Wikijunior:Biology/Systems/Endocrine System]] [[Category:解剖学 (ウィキジュニア)|ないふんひつけい]]
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2015-09-13T02:38:40Z
[ "テンプレート:Wikipedia" ]
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16,803
Wikijunior:生物学/解剖学/消化器系
消化器系(しょうかきけい)は食事のときに使う器官(きかん)で、 口のなかで 歯でかんだり だ液などで 咀嚼(「そしゃく」。かんだりして消化しやすくすること。)された食べ物が、 のみこまれたあとは 食道(しょくどう)という くだ を通って、 つぎに胃(い)に降りてきて 胃で消化液(しょうかえき)によって こまかく分解(ぶんかい)され、 つぎにある腸(ちょう)で栄養(えいよう)を吸収され、 さいごに 肛門(こうもん)で 大便(「だいべん」。ウンチのこと)として 排出されます。 消化器系は 多くの臓器(ぞうき)が 連携(れんけい)しています。 この文の下に 消化器系の それぞれの器官などの、名前と役割(やくわり)を書きつらねます。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "消化器系(しょうかきけい)は食事のときに使う器官(きかん)で、 口のなかで 歯でかんだり だ液などで 咀嚼(「そしゃく」。かんだりして消化しやすくすること。)された食べ物が、 のみこまれたあとは 食道(しょくどう)という くだ を通って、 つぎに胃(い)に降りてきて 胃で消化液(しょうかえき)によって こまかく分解(ぶんかい)され、 つぎにある腸(ちょう)で栄養(えいよう)を吸収され、 さいごに 肛門(こうもん)で 大便(「だいべん」。ウンチのこと)として 排出されます。", "title": "消化器系" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "消化器系は 多くの臓器(ぞうき)が 連携(れんけい)しています。", "title": "消化器系" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "この文の下に 消化器系の それぞれの器官などの、名前と役割(やくわり)を書きつらねます。", "title": "消化器系" } ]
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==消化器系== [[Image:Digestive_system_diagram_en.svg|thumb|300px|right|消化器系(しょうかきけい)。]] '''消化器系'''(しょうかきけい)は食事のときに使う器官(きかん)で、<br> 口のなかで 歯でかんだり だ液などで '''咀嚼'''(「そしゃく」。かんだりして消化しやすくすること。)された食べ物が、<br> のみこまれたあとは 食道(しょくどう)という くだ を通って、<br> <br>つぎに'''胃'''(い)に降りてきて 胃で消化液(しょうかえき)によって こまかく分解(ぶんかい)され、<br> つぎにある'''腸'''(ちょう)で'''栄養'''(えいよう)を吸収され、<br> さいごに '''肛門'''(こうもん)で 大便(「だいべん」。ウンチのこと)として 排出されます。 消化器系は 多くの臓器(ぞうき)が 連携(れんけい)しています。 この文の下に 消化器系の それぞれの器官などの、名前と役割(やくわり)を書きつらねます。 * 食道(しょくどう):胃に食べ物を送ります。 * 胃(い):酸によって食べ物を分解します。 * 肝臓(かんぞう):脂肪分を分解する胆汁を作ります。 * やがて二股に分かれる気管支にぶつかり、共に肺へと通じています。 * 膵臓(すいぞう):食べ物を分解する化学物質を作ります。 * 小腸(しょうちょう):食べ物の栄養素を吸収します。 * 大腸(だいちょう):水や塩分を吸収します。 * 直腸(ちょくちょう):糞便を蓄える器官。 * 盲腸(もうちょう):体内で役割のない痕跡器官。 {{wikipedia|消化器|消化器}} [[en:Wikijunior:Biology/Systems/Digestive System]] [[Category:解剖学 (ウィキジュニア)|しようかきけい]]
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2015-09-13T02:42:16Z
[ "テンプレート:Wikipedia" ]
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16,804
Wikijunior:生物学/解剖学/呼吸器系
呼吸器系(こきゅうきけい)は空気(くうき)を取り込みます。私たちは肺(はい)を使って呼吸し、体内の細胞に必要な空気中の酸素(さんそ)を取り込みます。細胞は体には有害な二酸化炭素(にさんかたんそ)を生み出すので肺をつかって二酸化炭素を体外へ排出(はいしゅつ)します。 呼吸器系は循環器系(じゅんかんきけい)といっしょにはたらいて、酸素を体内の細胞にとどけます。 他の呼吸器とは、鼻や咽頭(いんとう)、喉頭(こうとう)、気管(きかん)、気管支(きかんし)、気管支梢(きかんししょう)、肺胞(はいほう)です。 このようにして酸素(さんそ)を取り込み二酸化炭素(にさんかたんそ)を排出します。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "呼吸器系(こきゅうきけい)は空気(くうき)を取り込みます。私たちは肺(はい)を使って呼吸し、体内の細胞に必要な空気中の酸素(さんそ)を取り込みます。細胞は体には有害な二酸化炭素(にさんかたんそ)を生み出すので肺をつかって二酸化炭素を体外へ排出(はいしゅつ)します。", "title": "呼吸器系" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "呼吸器系は循環器系(じゅんかんきけい)といっしょにはたらいて、酸素を体内の細胞にとどけます。", "title": "呼吸器系" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "他の呼吸器とは、鼻や咽頭(いんとう)、喉頭(こうとう)、気管(きかん)、気管支(きかんし)、気管支梢(きかんししょう)、肺胞(はいほう)です。", "title": "呼吸器系" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "このようにして酸素(さんそ)を取り込み二酸化炭素(にさんかたんそ)を排出します。", "title": "呼吸器系" } ]
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== 呼吸器系 == [[Image:Lungs_diagram_simple.svg|thumb|right|300px|肺(はい)。]] '''呼吸器系'''(こきゅうきけい)は'''空気'''(くうき)を取り込みます。私たちは'''肺'''(はい)を使って呼吸し、体内の細胞に必要な空気中の酸素(さんそ)を取り込みます。細胞は体には有害な二酸化炭素(にさんかたんそ)を生み出すので肺をつかって二酸化炭素を体外へ排出(はいしゅつ)します。 呼吸器系は循環器系(じゅんかんきけい)といっしょにはたらいて、酸素を体内の細胞にとどけます。 他の呼吸器とは、鼻や咽頭(いんとう)、喉頭(こうとう)、気管(きかん)、'''気管支'''(きかんし)、気管支梢(きかんししょう)、'''肺胞'''(はいほう)です。 * 鼻や口から空気を取り込みます。 * ホコリは鼻毛(はなげ)によって邪魔され体内に入りません。 * 空気は口の裏側にある咽頭(いんとう)を通じて喉頭(こうとう)を通り、気管(きかん)を下っていきます。 * やがて二股に分かれる気管支(きかんし)にぶつかり、ともに肺へと通じています。 * 肺の中にはより小さな気管支があり、気管支梢(きかんししょう)と呼ばれる小さな管を通じて肺胞(はいほう)にたどりつきます。 このようにして酸素(さんそ)を取り込み二酸化炭素(にさんかたんそ)を排出します。 {{wikipedia|呼吸器|呼吸器}} [[en:Wikijunior:Biology/Systems/RespiratorySystem]] [[カテゴリ:解剖学 (ウィキジュニア)|こきゆうきけい]]
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2022-12-08T05:28:52Z
[ "テンプレート:Wikipedia" ]
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16,805
Wikijunior:生物学/解剖学/循環系
循環系(じゅんかんけい)では体中に血を送り出し、体内のすべての細胞(さいぼう)に酸素(さんそ)とともに体の働きを良くするホルモンを運びます。 循環系の代表的な臓器(ぞうき)は心臓(しんぞう)で、血液(けつえき)を送り出す役割です。血液は動脈(どうみゃく)を通って出発し、静脈(じょうみゃく)を通って帰ってきます。最も細い血管は毛細血管(もうさいけっかん)といいます。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "循環系(じゅんかんけい)では体中に血を送り出し、体内のすべての細胞(さいぼう)に酸素(さんそ)とともに体の働きを良くするホルモンを運びます。", "title": "循環系" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "循環系の代表的な臓器(ぞうき)は心臓(しんぞう)で、血液(けつえき)を送り出す役割です。血液は動脈(どうみゃく)を通って出発し、静脈(じょうみゃく)を通って帰ってきます。最も細い血管は毛細血管(もうさいけっかん)といいます。", "title": "循環系" } ]
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==循環系== [[Image:Grafik_blutkreislauf.jpg|thumb|right|200px|循環系(じゅんかんけい)。]] '''循環系'''(じゅんかんけい)では体中に血を送り出し、体内のすべての細胞(さいぼう)に'''酸素'''(さんそ)とともに体の働きを良くする'''ホルモン'''を運びます。 循環系の代表的な臓器(ぞうき)は'''心臓'''(しんぞう)で、'''血液'''(けつえき)を送り出す役割です。血液は'''動脈'''(どうみゃく)を通って出発し、'''静脈'''(じょうみゃく)を通って帰ってきます。最も細い血管は'''毛細血管'''(もうさいけっかん)といいます。 {{wikipedia|循環系|循環系}} [[en:Wikijunior:Biology/Systems/Circulatory System]] [[Category:解剖学 (ウィキジュニア)|しゆんかんけい]]
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2015-09-13T02:41:49Z
[ "テンプレート:Wikipedia" ]
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16,806
Wikijunior:生物学/解剖学/泌尿器系
泌尿器系(ひにょうきけい)は 血液(けつえき)の中の有害物質(ゆうがいぶっしつ)を 体外に尿(「にょう」、オシッコのこと)として 排出します。 ひにょう器がなければ 血液が汚染(おせん)されて やがて死にます。 腎臓(じんぞう)は血液を濾過(ろか)して有害物質を取り除きます。 尿(にょう)は膀胱(ぼうこう)と呼ばれる袋に蓄えられ、尿道(にょうどう)を通じて排尿(はいにょう)されます。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "泌尿器系(ひにょうきけい)は 血液(けつえき)の中の有害物質(ゆうがいぶっしつ)を 体外に尿(「にょう」、オシッコのこと)として 排出します。 ひにょう器がなければ 血液が汚染(おせん)されて やがて死にます。", "title": "泌尿器系" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "腎臓(じんぞう)は血液を濾過(ろか)して有害物質を取り除きます。 尿(にょう)は膀胱(ぼうこう)と呼ばれる袋に蓄えられ、尿道(にょうどう)を通じて排尿(はいにょう)されます。", "title": "泌尿器系" } ]
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==泌尿器系== [[Image:Adrenal_gland_%28PSF%29.jpg|thumb|right|280px|ひにょう器系。<br>KIDNEYが腎臓(じんぞう)のこと。<br>BLADDERが ぼうこう のこと。]] '''泌尿器系'''('''ひにょうきけい''')は 血液(けつえき)の中の有害物質(ゆうがいぶっしつ)を 体外に'''尿'''(「'''にょう'''」、オシッコのこと)として 排出します。<br> ひにょう器がなければ 血液が汚染(おせん)されて やがて死にます。<br> '''腎臓'''(じんぞう)は血液を濾過(ろか)して有害物質を取り除きます。<br> 尿(にょう)は'''膀胱'''(ぼうこう)と呼ばれる袋に蓄えられ、'''尿道'''(にょうどう)を通じて排尿(はいにょう)されます。 {{wikipedia|泌尿器|泌尿器}} [[en:Wikijunior:Biology/Systems/Urinary System]] [[Category:解剖学 (ウィキジュニア)|ひにようきけい]]
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2015-09-13T02:42:04Z
[ "テンプレート:Wikipedia" ]
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16,807
Wikijunior:生物学/解剖学/筋系
体内の筋肉(きんにく)は体を動かすのに使われ、筋肉細胞(きんにくさいぼう)でできています。 体内の全筋肉の集まりを筋系(きんけい)といいます。 神経系(しんけいけい)からの信号により筋肉が動き、筋肉を固定するのに骨(ほね)がついています。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "体内の筋肉(きんにく)は体を動かすのに使われ、筋肉細胞(きんにくさいぼう)でできています。", "title": "筋系" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "体内の全筋肉の集まりを筋系(きんけい)といいます。", "title": "筋系" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "神経系(しんけいけい)からの信号により筋肉が動き、筋肉を固定するのに骨(ほね)がついています。", "title": "筋系" } ]
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==筋系== [[Image:Illu head neck muscle.jpg|thumb|350px|頭部の筋肉]] 体内の'''筋肉'''(きんにく)は体を動かすのに使われ、筋肉細胞(きんにくさいぼう)でできています。 体内の全筋肉の集まりを'''筋系'''(きんけい)といいます。 神経系(しんけいけい)からの信号により筋肉が動き、筋肉を固定するのに骨(ほね)がついています。 [[en:Wikijunior:Biology/Systems/Muscular System]] [[Category:解剖学 (ウィキジュニア)|きんけい]]
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2015-09-13T02:42:56Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/Wikijunior:%E7%94%9F%E7%89%A9%E5%AD%A6/%E8%A7%A3%E5%89%96%E5%AD%A6/%E7%AD%8B%E7%B3%BB
16,808
Wikijunior:生物学/解剖学/骨格系
骨系(こつけい)は体内の骨(ほね)のすべてによりできていて、筋肉(きんにく)についており、また骨系は生殖器(せいしょくき)を まもっています。骨は 体内で たいせつな役割を にない、骨がなければ 私たちは傷つきやすくなり 姿勢(しせい)が不安定になります。骨は こわれにくく、体内の組織(そしき)や筋肉(きんにく)を ささえています。 骨の内部は骨髄(こつづい)と呼ばれ、血球(けっきゅう)を つくっています。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "骨系(こつけい)は体内の骨(ほね)のすべてによりできていて、筋肉(きんにく)についており、また骨系は生殖器(せいしょくき)を まもっています。骨は 体内で たいせつな役割を にない、骨がなければ 私たちは傷つきやすくなり 姿勢(しせい)が不安定になります。骨は こわれにくく、体内の組織(そしき)や筋肉(きんにく)を ささえています。", "title": "骨系" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "骨の内部は骨髄(こつづい)と呼ばれ、血球(けっきゅう)を つくっています。", "title": "骨系" } ]
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==骨系== [[Image:Human_skeleton_front.svg|thumb|right|人間の骨格]] '''骨系'''(こつけい)は体内の'''骨'''(ほね)のすべてによりできていて、筋肉(きんにく)についており、また骨系は生殖器(せいしょくき)を まもっています。<br>骨は 体内で たいせつな役割を にない、骨がなければ 私たちは傷つきやすくなり 姿勢(しせい)が不安定になります。<br>骨は こわれにくく、体内の組織(そしき)や筋肉(きんにく)を ささえています。 骨の内部は'''骨髄'''(こつづい)と呼ばれ、'''血球'''(けっきゅう)を つくっています。 [[en:Wikijunior:Biology/Systems/Skeletal System]] [[Category:解剖学 (ウィキジュニア)|こつかくけい]]
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2015-09-13T02:43:34Z
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16,809
Wikijunior:生物学/解剖学/神経系
神経系(しんけいけい)は、まわりの世界を認識(にんしき)する役割(やくわり)があり、脳(のう)や神経(しんけい)や五感(視覚「しかく」、聴覚「ちょうかく」、触覚「しょっかく」、味覚「みかく」、嗅覚「きゅうかく」)が、はたらいています。 神経系は 受容体(じゅようたい)と呼ばれる特殊な細胞をもち、この受容体により 体内や体外の変化を認識し、変化に対して 微量の電気をだして 神経系にしらべさせ反応させます。これらの反応にむけての神経系への応答(おうとう)として、ちいさいですが電流がながれ、腺(「せん」。ぶんぴつする場所)や筋肉(きんにく)などの、てきせつな器官(きかん)に、すぐに応答が送られます。 五感(ごかん)は、鼻(はな)による嗅覚(きゅうかく)、舌(した)による味覚(みかく)、指(ゆび)などによる触覚(しょっかく)、目(め)による視覚(しかく)、耳(みみ)による聴覚(ちょうかく)があります。 嗅覚(きゅうかく)が はたらかないと 食べ物の悪臭がわからず、味覚(みかく)が はたらかないと 食べ物の好みがなくなり 食欲がなくなります。 視覚(しかく)が はたらかないと 道(みち)がわからなくなります。 聴覚(しょっかく)が はたらかないと 簡単(かんたん)な会話(かいわ)もできません。
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==神経系== [[Image:Nervous system diagram-en.svg|thumb|upright=1.3|神経系]] 神経系(しんけいけい)は、まわりの世界を認識(にんしき)する役割(やくわり)があり、脳(のう)や神経(しんけい)や五感(視覚「しかく」、聴覚「ちょうかく」、触覚「しょっかく」、味覚「みかく」、嗅覚「きゅうかく」)が、はたらいています。 神経系は '''受容体'''(じゅようたい)と呼ばれる特殊な細胞をもち、この受容体により 体内や体外の変化を認識し、変化に対して 微量の電気をだして 神経系にしらべさせ反応させます。これらの反応にむけての神経系への応答(おうとう)として、ちいさいですが電流がながれ、腺(「せん」。ぶんぴつする場所)や筋肉(きんにく)などの、てきせつな器官(きかん)に、すぐに応答が送られます。 ==五感== '''五感'''(ごかん)は、'''鼻'''(はな)による'''嗅覚'''(きゅうかく)、'''舌'''(した)による'''味覚'''(みかく)、'''指'''(ゆび)などによる'''触覚'''(しょっかく)、'''目'''(め)による'''視覚'''(しかく)、'''耳'''(みみ)による'''聴覚'''(ちょうかく)があります。 嗅覚(きゅうかく)が はたらかないと 食べ物の悪臭がわからず、味覚(みかく)が はたらかないと 食べ物の好みがなくなり 食欲がなくなります。<br> 視覚(しかく)が はたらかないと 道(みち)がわからなくなります。<br> 聴覚(しょっかく)が はたらかないと 簡単(かんたん)な会話(かいわ)もできません。 {{wikipedia|神経系|神経系}} [[en:Wikijunior:Biology/Systems/Nervous System]] [[Category:解剖学 (ウィキジュニア)|しんけいけい]]
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2015-09-13T02:42:48Z
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Wikijunior:生物学/組織
心臓(しんぞう)や肝臓(かんぞう)といった臓器(ぞうき)は組織(そしき)でできていて、組織は細胞の集団がともに機能しています。 たとえば 植物(しょうぶつ)の葉(は)は 光(ひかり)をとり込み、栄養(えいよう)をつくる光合成(こうごうせい)という しごとをするための組織を持ちます。 また、ほとんどの動物(どうぶつ)は動くための筋肉組織(きんにくそしき)があります。 2つ以上の組織が1つの動きをする場合には器官(きかん)となります。 植物には二種類の組織があります。
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==組織とは何か?== [[Image:Illu_muscle_tissues.jpg|thumb|right|400px|動物(どうぶつ)の筋肉組織(きんにく そしき)。<br>skeletal muscle :骨格筋(こっかくきん)。 骨をうごかす筋肉。<br>smooth muscle :平滑筋(へいかつきん)。<br>cardiac muscle :心筋(しんきん)。 心臓の筋肉。]] 心臓(しんぞう)や肝臓(かんぞう)といった'''臓器'''(ぞうき)は'''組織'''(そしき)でできていて、'''組織'''は細胞の集団がともに機能しています。<br> たとえば 植物(しょうぶつ)の葉(は)は 光(ひかり)をとり込み、栄養(えいよう)をつくる光合成(こうごうせい)という しごとをするための組織を持ちます。<br> また、ほとんどの動物(どうぶつ)は動くための'''筋肉組織'''(きんにくそしき)があります。 2つ以上の組織が1つの動きをする場合には'''器官'''(きかん)となります。 植物には二種類の組織があります。 {{wikipedia|組織|組織}} [[en:Wikijunior:Biology/Tissues]] [[Category:生物学 (ウィキジュニア)|そしき]]
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2015-08-30T02:16:07Z
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Wikijunior:生物学/細胞
細胞(さいぼう)は命の材料が入った液状の袋で、すべての生命体は細胞でできています。 細胞は生物体を構成する最小の単位で、顕微鏡(けんびきょう)で生物を見ると小さな球状や四角いものが見えます。イギリスの生物学者ロバート・フックがコルク栓を顕微鏡で観察し、それが部屋のように見えたことから小さな部屋という意味の細胞(さいぼう、Cell、「セル」)と名づけました。 細胞には種類が、真核生物(しんかくせいぶつ)と原核生物(げんかくせいぶつ)との二種類があります。細胞核(さいぼうかく)と呼ばれる球状の物質の有無によって違います。 原核生物の殆どはとても小さく、真正細菌(しんせいさいきん)と古細菌(こさいきん)との二種類があります。その他の生物は真核生物で、動植物や原生生物(げんせいせいぶつ)、菌類(きんるい)です。 細胞膜(さいぼうまく)という薄い油の層に囲まれていて、細胞の内側と外側を隔てています。いくつかの細胞には細胞壁(さいぼうへき)という固い箱状の層があり衝撃(しょうげき)から細胞を守っています。細胞内には液体がはいっており、この液体を細胞質(さいぼうしつ)といいます。細胞の中にある染色体(せんしょくたい)と呼ばれる物質が、細胞に指示をだして細胞に仕事を伝えています。 真核生物には細胞核と呼ばれる染色体を持つ構造があり、独自の細胞膜に包まれています。細胞内には細胞小器官(さいぼうしょうきかん)と呼ばれる多くの物質があり、その中にはリボソーム、ミトコンドリア、液泡(えきほう)、葉緑体(ようりょくたい)があります。 細胞は各々形や性能が異なっており、例えば植物の葉の細胞は葉緑体という細胞小器官が光を取り込み糖化し、液泡と呼ばれる水の泡が多くの光を細胞質に取り込みます。 人間の精子(せいし)は赤ん坊を作るために細胞核内にある染色体を卵子(らんし)まで運びます。精子には鞭毛(べんもう)と呼ばれる泳ぐための長い尾があり、車にとってのガソリンのようなミトコンドリアという細胞小器官の動力源もあります。
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==細胞とは何か?== [[Image:Chloroplasten.jpg|thumb|right|植物細胞]] 細胞(さいぼう)は命の材料が入った液状の袋で、すべての生命体は細胞でできています。 細胞は生物体を構成する最小の単位で、顕微鏡(けんびきょう)で生物を見ると小さな球状や四角いものが見えます。イギリスの生物学者ロバート・フックがコルク栓を顕微鏡で観察し、それが部屋のように見えたことから小さな部屋という意味の'''細胞'''(さいぼう、Cell、「セル」)と名づけました。 ==細胞の種類は?== 細胞には種類が、'''真核生物'''(しんかくせいぶつ)と'''原核生物'''(げんかくせいぶつ)との二種類があります。'''細胞核'''(さいぼうかく)と呼ばれる球状の物質の有無によって違います。 原核生物の殆どはとても小さく、真正細菌(しんせいさいきん)と古細菌(こさいきん)との二種類があります。その他の生物は真核生物で、動植物や原生生物(げんせいせいぶつ)、菌類(きんるい)です。 ==細胞の外見は?== '''細胞膜'''(さいぼうまく)という薄い油の層に囲まれていて、細胞の内側と外側を隔てています。いくつかの細胞には'''細胞壁'''(さいぼうへき)という固い箱状の層があり衝撃(しょうげき)から細胞を守っています。細胞内には液体がはいっており、この液体を'''細胞質'''(さいぼうしつ)といいます。細胞の中にある'''染色体'''(せんしょくたい)と呼ばれる物質が、細胞に指示をだして細胞に仕事を伝えています。 真核生物には細胞核と呼ばれる染色体を持つ構造があり、独自の細胞膜に包まれています。細胞内には'''細胞小器官'''(さいぼうしょうきかん)と呼ばれる多くの物質があり、その中には'''リボソーム'''、'''ミトコンドリア'''、'''液泡'''(えきほう)、'''葉緑体'''(ようりょくたい)があります。 [[Image:Human spermatozoa.png|left|600px|人の精子細胞]] 細胞は各々形や性能が異なっており、例えば植物の葉の細胞は葉緑体という細胞小器官が光を取り込み糖化し、液泡と呼ばれる水の泡が多くの光を細胞質に取り込みます。 人間の'''精子'''(せいし)は赤ん坊を作るために細胞核内にある染色体を'''卵子'''(らんし)まで運びます。精子には'''鞭毛'''(べんもう)と呼ばれる泳ぐための長い尾があり、車にとってのガソリンのような'''ミトコンドリア'''という細胞小器官の動力源もあります。 {{clear}} ===用語=== * 細胞核(さいぼうかく) :細胞の中心にある球状の器官で染色体を持つ。 * 染色体(せんしょくたい) :細胞の知識を持つ器官。 * 原核生物(げんかくせいぶつ) :細胞核がない細胞。 * 真核生物(しんかくせいぶつ) :細胞核がある細胞。 * 細胞小器官(さいぼうしょうきかん) :細胞内の器官。 * 細胞質(さいぼうしつ) :細胞内の水分。 * 細胞膜(さいぼうまく) :細胞内の水分を維持する袋。 * 液泡(えきほう) :細胞内の水分の器官。 * ミトコンドリア :細胞の動力源の器官。 * 葉緑体(ようりょくたい):植物や原生生物に見られる糖化器官。 * 鞭毛(べんもう) :細胞が泳ぐための尾。 * ゴルジ体(ゴルジたい) :分泌器官。 * リボソーム :タンパク質の調整器官。 {{wikipedia|細胞|細胞}} [[en:Wikijunior:Biology/Cells]] [[Category:生物学 (ウィキジュニア)|さいほう]]
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2015-08-30T02:15:59Z
[ "テンプレート:Clear", "テンプレート:Wikipedia" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/Wikijunior:%E7%94%9F%E7%89%A9%E5%AD%A6/%E7%B4%B0%E8%83%9E
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Wikijunior:生物学/生命の起源
すべての生物(せいぶつ)は、いきるための水(みず)や食料(しょくりょう)、住み家(すみか)などの資源(しげん)を得る(える)ために、環境(かんきょう)を共有(きょうゆう)して 生きています。 これらの資源には 限り(かぎり)があることから、1匹以上の生物が同じ資源を利用するとなると 資源をめぐっての競争(きょうそう)が起こります。2匹が争うと1匹が勝利(しょうり)し、勝ったほうの1匹が 資源を消費(しょうひ)します。 いきものの生まれつきの特徴のうち、資源を得ようとする争いで有利な点があると、適応(てきおう)と呼ばれます。適応(てきおう)は親から子へ受けつがれ、次第(しだい)にその個体(こたい)がいる集団(しゅうだん)や近くにいる別の集団に広まっていきます。これを自然淘汰(しぜんとうた)、あるいは進化(しんか)といいます。 大きな群集(ぐんしゅう)から小集団が別れてしまった場合、元にいた場所とは違う環境を探す(たとえば山川を越えたり、あるいは島に移住したりするなど)ことがよくあります。そうした際には資源や敵対者が違うことから、以前の環境とは異なる適応が必要となります。大集団の方は環境がそのままなので適応の種類は変わりません。時がたつと別れた集団は元の集団と似なくなり、数千年以上も経てば違いが多すぎて同じ種(しゅ)だとは思えなくなります。この過程は種形成(しゅけいせい)といい、進化の重要な点でありどんな種でも避けることはできません。 地球は45億年前に生まれ、そのときには岩石と水だけが地球にあって、まだ生き物はいませんでした。 38億年前には海中に初めての生物が誕生しました。それはちっぽけな単細胞生物(たんさいぼうせいぶつ)ですが、分裂することで数を増やし、数十億年後にはより複雑に進化を遂げました。 そして10億年前に初めて多細胞生物(たさいぼうせいぶつ)が誕生(たんじょう)しました。より すぐれた新しい種により 古い種は絶滅(ぜつめつ)に追いやられたことから、古代種の多くは現代に生息してはいませんが、それらは地下の深くに埋もれた化石(かせき)となって発見されています。
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すべての生物(せいぶつ)は、いきるための水(みず)や食料(しょくりょう)、住み家(すみか)などの資源(しげん)を得る(える)ために、環境(かんきょう)を共有(きょうゆう)して 生きています。 これらの資源には 限り(かぎり)があることから、1匹以上の生物が同じ資源を利用するとなると 資源をめぐっての競争(きょうそう)が起こります。2匹が争うと1匹が勝利(しょうり)し、勝ったほうの1匹が 資源を消費(しょうひ)します。 いきものの生まれつきの特徴のうち、資源を得ようとする争いで有利な点があると、適応(てきおう)と呼ばれます。適応(てきおう)は親から子へ受けつがれ、次第(しだい)にその個体(こたい)がいる集団(しゅうだん)や近くにいる別の集団に広まっていきます。これを自然淘汰(しぜんとうた)、あるいは進化(しんか)といいます。 大きな群集(ぐんしゅう)から小集団が別れてしまった場合、元にいた場所とは違う環境を探す(たとえば山川を越えたり、あるいは島に移住したりするなど)ことがよくあります。そうした際には資源や敵対者が違うことから、以前の環境とは異なる適応が必要となります。大集団の方は環境がそのままなので適応の種類は変わりません。時がたつと別れた集団は元の集団と似なくなり、数千年以上も経てば違いが多すぎて同じ種(しゅ)だとは思えなくなります。この過程は種形成(しゅけいせい)といい、進化の重要な点でありどんな種でも避けることはできません。 地球は45億年前に生まれ、そのときには岩石と水だけが地球にあって、まだ生き物はいませんでした。 38億年前には海中に初めての生物が誕生しました。それはちっぽけな単細胞生物(たんさいぼうせいぶつ)ですが、分裂することで数を増やし、数十億年後にはより複雑に進化を遂げました。 そして10億年前に初めて多細胞生物(たさいぼうせいぶつ)が誕生(たんじょう)しました。より すぐれた新しい種により 古い種は絶滅(ぜつめつ)に追いやられたことから、古代種の多くは現代に生息してはいませんが、それらは地下の深くに埋もれた化石(かせき)となって発見されています。
すべての'''生物'''(せいぶつ)は、いきるための'''水'''(みず)や'''食料'''(しょくりょう)、住み家(すみか)などの'''資源'''(しげん)を得る(える)ために、環境(かんきょう)を共有(きょうゆう)して 生きています。<br> これらの資源には 限り(かぎり)があることから、1匹以上の生物が同じ資源を利用するとなると 資源をめぐっての'''競争'''(きょうそう)が起こります。2匹が争うと1匹が勝利(しょうり)し、勝ったほうの1匹が 資源を'''消費'''(しょうひ)します。<br> いきものの生まれつきの特徴のうち、資源を得ようとする争いで有利な点があると、'''適応'''(てきおう)と呼ばれます。適応(てきおう)は親から子へ受けつがれ、次第(しだい)にその個体(こたい)がいる集団(しゅうだん)や近くにいる別の集団に広まっていきます。これを'''自然淘汰'''(しぜんとうた)、あるいは'''進化'''(しんか)といいます。 大きな群集(ぐんしゅう)から小集団が別れてしまった場合、元にいた場所とは違う環境を探す(たとえば山川を越えたり、あるいは島に移住したりするなど)ことがよくあります。そうした際には資源や敵対者が違うことから、以前の環境とは異なる適応が必要となります。大集団の方は環境がそのままなので適応の種類は変わりません。時がたつと別れた集団は元の集団と似なくなり、数千年以上も経てば違いが多すぎて同じ種(しゅ)だとは思えなくなります。この過程は'''種形成'''(しゅけいせい)といい、進化の重要な点でありどんな種でも避けることはできません。 地球は45億年前に生まれ、そのときには岩石と水だけが地球にあって、まだ生き物はいませんでした。<br> 38億年前には海中に初めての生物が誕生しました。それはちっぽけな'''単細胞生物'''(たんさいぼうせいぶつ)ですが、分裂することで数を増やし、数十億年後にはより複雑に進化を遂げました。<br> そして10億年前に初めて多細胞生物(たさいぼうせいぶつ)が誕生(たんじょう)しました。より すぐれた新しい種により 古い種は絶滅(ぜつめつ)に追いやられたことから、古代種の多くは現代に生息してはいませんが、それらは地下の深くに埋もれた'''化石'''(かせき)となって発見されています。 {{wikipedia|生命の起源|生命の起源}} [[en:Wikijunior:Biology/Origin of Life]] [[Category:生物学 (ウィキジュニア)|せいめいのきけん]]
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2015-08-30T02:14:22Z
[ "テンプレート:Wikipedia" ]
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Wikijunior:大型ネコ/ライオン
ライオンはアフリカの野生動物の象徴であり、その強さと美しさから原住民からあがめられてきました。ライオンはネコ科の動物のなかで、唯一大きな群れで生活します。ライオンはネコ科のなかで、最もうなり声が大きく8km以上もひびきわたります。 「ジャングルの王者」と称されていますが、密林地帯にいるわけではなくサバンナと呼ばれる平たんな草原の土地に住んでいます。はるか昔はライオンのうなり声はほぼ全大陸で聞こえていました。現在では一般的にアフリカの中央から南部にかけて生息しているほか、アジア大陸のジル国立公園にも少しながらも生息しています。 黄かっ色(黒みがかった黄色)の毛皮を持ち、大人のライオンは全長は約3m、肩高は約1.2メートルにも成長し、オスはメスよりも大きくなっています。オスの体重は約250キログラムと、ヒトの成人男性の5人に相当し、メスの体重は約180キログラムです。 成熟した雄ライオンは頭頂から頸部までたてがみでおおわれ、腹部まで達している個体も見られます。ここまで印象的な性別の差はほかの大型のネコ科には見られません。 しっぽの端には、ほかのネコ科動物には見られないふさがついており、骨があります。ライオンは戦闘前にそのふさで自分をむち打ち、狂乱状態に追いこんでいたようです。 ネコ科動物でライオンは最も社会的であり、一頭から三頭のオスと最大13頭ほどのメスや子による「プライド」と呼ばれる大きな群れで生活します。その内、メスはほとんどは血がつながっているライオンにより構成されています。犬や狼(おおかみ)の集団と習性や獲物(えもの)にとっての脅威(きょうい)が似ています。 オスはメスよりもとっても強く、メスによる狩りや子がハイエナなどの{{ruby|敵|にねらわれるなど危険な際に守ります。ときには敵が別のライオンであっても、オスのライオンは筋肉や戦術を用いて敵を撃退してなわばりを守ります。 プライドでは血縁に関係なく児は育てられ、オスライオンが狩りに出る間、1匹か2匹のメスが子守り(こもり)をしています。孤児になった場合は叔母などの血縁が近いメスが子育てを引き継ぎます。 sciencedirect.comの調査によると、『雄ライオンは優れた狩人で、縄張りを持たない水牛を主に狩る一方、雌はヌーのような個体数の多い中型の有蹄類(ゆうているい)を狩る。』このサイトではオスやメスの狩りの写真を掲載しています。http://www.laocomics.com/blog/category/animals/. 児が1歳になると、生活していたプライドのオスライオンから追い出されます。プライド内の長が老いていると、若いオスが単独ないしは兄弟と共に長の座をめぐって戦います。プライドを追われたはみ出し者は、風来坊(ふうらいぼう)となるか同じ境遇(きょうぐう)のオスと徒党(「ととう」。なかまのこと。)を組み、プライドを継承(けいしょう)するまでハイエナやジャッカルのように残飯漁り(ざんぱんあさり)をします。 ガゼルやレイヨウ、シマウマ、ヌー、キリン、水牛(すいぎゅう)のような大きな獲物をくらいます。プライド内の成熟したライオンが総出(そうで)で狩りに参加するので、象(ぞう)も恐れて近寄りません。エサの個体数が少なくなると他の小さな獲物などを狩ります。 これらの獲物となる動物のほとんどは平均的なライオンよりも逃げ足が速いです。そのためライオンたちは集団で獲物に忍び寄り(しのびより)、自分の体色に似た背丈の高い草に隠れる迷彩(めいさい)をして取り囲みます。 メスたちはふつうは集団で狩りをしますが、必要に応じてひとりで狩りをすることもあります。オスはメスよりも狩りがじょうずですが、ふつうはプライドの護衛を務めています。狩りは潜入に数時間をかけ、闘い(たたかい)は数分で終わります。獲物をしとめ終えるとメスが低いうなり声を上げ、プライドのオスたちを呼んで食事が始まります。食事の順番はオス、メス、児の順に食べます。 日中の猛暑(もうしょ)を防ぐため、ライオンは、ほとんど薄暗い夜間に狩りをします。ライオンのような夜間に活動的な動物は夜行性動物(やこうせいどうぶつ)とよばれ、夜目(よめ)がききます。
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ライオンはアフリカの野生動物の象徴(しょうちょう)であり、その強さと美しさから原住民(げんじゅうみん)からあがめられてきました。ライオンはネコ科の動物のなかで、唯一(ゆいいつ)大きな群(む)れで生活します。ライオンはネコ科のなかで、最もうなり声が大きく8km以上(いじょう)もひびきわたります。
{{Pathnav|Wikijunior:メインページ|Wikijunior:大型ネコ|frame=1}} ライオンはアフリカの野生動物の{{Ruby|象徴|しょうちょう}}であり、その強さと美しさから{{Ruby|原住民|げんじゅうみん}}からあがめられてきました。ライオンはネコ科の動物のなかで、{{Ruby|唯一|ゆいいつ}}大きな{{Ruby|群|む}}れで生活します。ライオンはネコ科のなかで、最もうなり声が大きく8km{{ruby|以上|いじょう}}もひびきわたります。 == 生息地 == [[ファイル:Lion_distribution.svg|thumb|right|ライオンの生息。アフリカ大陸です。]] 「ジャングルの王者」と称されていますが、{{ruby|密林地帯|みつりんちたい}}にいるわけではなくサバンナと{{ruby|呼|よ}}ばれる平たんな草原の土地に住んでいます。はるか昔はライオンのうなり声はほぼ全大陸で聞こえていました。現在では一般的にアフリカの中央から南部にかけて生息しているほか、アジア{{Ruby|大陸|たいりく}}のジル国立公園にも少しながらも生息しています。 == 外見 == [[ファイル:Female lion.jpg|thumb|right|メスのライオン]] 黄かっ色(黒みがかった黄色)の毛皮を持ち、大人のライオンは全長は約3m、肩高は約1.2メートルにも成長し、オスはメスよりも大きくなっています。オスの体重は{{Ruby|約|やく}}250キログラムと、ヒトの{{Ruby|成人|せいじん}}男性の5人に相当し、メスの体重は約180キログラムです。 成熟した雄ライオンは頭頂から{{Ruby|頸|けい}}部までたてがみでおおわれ、{{Ruby|腹部|ふくぶ}}まで達している{{Ruby|個体|こたい}}も見られます。ここまで{{Ruby|印象的|いんしょうてき}}な{{ruby|性別|せいべつ}}の{{Ruby|差|さ}}はほかの{{Ruby|大型|おおがた}}のネコ科には見られません。 しっぽの{{ruby|端|はし}}には、ほかのネコ科動物には見られないふさがついており、{{Ruby|骨|ほね}}があります。ライオンは{{Ruby|戦闘|せんとう}}前にそのふさで自分をむち打ち、{{Ruby|狂乱状態|きょうらんじょうたい}}に追いこんでいたようです。 == {{Ruby|群|む}}れ == ネコ科動物でライオンは最も社会的であり、一頭から三頭のオスと最大13頭ほどのメスや子による「プライド」と{{ruby|呼|よ}}ばれる大きな{{Ruby|群|む}}れで生活します。その内、メスはほとんどは血がつながっているライオンにより構成されています。犬や狼(おおかみ)の集団と習性や獲物(えもの)にとっての脅威(きょうい)が似ています。 オスはメスよりもとっても強く、メスによる{{ruby|狩|か}}りや子がハイエナなどの{{ruby|敵|にねらわれるなど{{Ruby|危険|きけん}}な{{ruby|際|さい}}に守ります。ときには敵が別のライオンであっても、オスのライオンは{{Ruby|筋肉|きんにく}}や{{Ruby|戦術|せんじゅつ}}を用いて敵を{{Ruby|撃退|げきたい}}してなわばりを守ります。 プライドでは{{Ruby|血縁|けつえん}}に{{Ruby|関係|かんけい}}なく児は育てられ、オスライオンが狩りに出る間、1匹か2匹のメスが子守り(こもり)をしています。孤児になった場合は叔母などの血縁が近いメスが子育てを引き継ぎます。 sciencedirect.comの調査によると、『雄ライオンは優れた狩人で、縄張りを持たない水牛を主に狩る一方、雌はヌーのような個体数の多い中型の有蹄類(ゆうているい)を狩る。』このサイトではオスやメスの狩りの写真を掲載しています。http://www.laocomics.com/blog/category/animals/. 児が1歳になると、生活していたプライドのオスライオンから追い出されます。プライド内の長が老いていると、若いオスが単独ないしは兄弟と共に長の座をめぐって戦います。プライドを追われたはみ出し者は、風来坊(ふうらいぼう)となるか同じ境遇(きょうぐう)のオスと徒党(「ととう」。なかまのこと。)を組み、プライドを継承(けいしょう)するまでハイエナやジャッカルのように残飯漁り(ざんぱんあさり)をします。 == 獲物の種類とつかまえ方 == [[ファイル:Lion with buffalo cropped.jpg|thumb|right|水牛を狩るメスライオン]] ガゼルやレイヨウ、シマウマ、ヌー、キリン、水牛(すいぎゅう)のような大きな獲物をくらいます。プライド内の成熟したライオンが総出(そうで)で狩りに参加するので、象(ぞう)も恐れて近寄りません。エサの個体数が少なくなると他の小さな獲物などを狩ります。 これらの獲物となる動物のほとんどは平均的なライオンよりも逃げ足が速いです。そのためライオンたちは集団で獲物に忍び寄り(しのびより)、自分の体色に似た背丈の高い草に隠れる迷彩(めいさい)をして取り囲みます。 メスたちはふつうは集団で狩りをしますが、必要に応じてひとりで狩りをすることもあります。オスはメスよりも狩りがじょうずですが、ふつうはプライドの護衛を務めています。狩りは潜入に数時間をかけ、闘い(たたかい)は数分で終わります。獲物をしとめ終えるとメスが低いうなり声を上げ、プライドのオスたちを呼んで食事が始まります。食事の順番はオス、メス、児の順に食べます。 日中の猛暑(もうしょ)を防ぐため、ライオンは、ほとんど薄暗い夜間に狩りをします。ライオンのような夜間に活動的な動物は夜行性動物(やこうせいどうぶつ)とよばれ、夜目(よめ)がききます。 == おどろきの事実 == * 雄ライオンのうなり声は5マイル(およそ8キロメートル)以上も、ひびき渡ります。 * 1つのプライドによる狩りの範囲は8平方マイル(約20 720 000 m<sup>2</sup>)から150平方マイル(388 500 000 m<sup>2</sup>)にわたります。 * 公式記録によると最大のライオンは、全長が約330センチメートルで体重が約325キログラムです。 * ライオンは獲物を食べ散らかし、ハイエナやハゲタカが残飯処理をします。 * 30フィート以上の距離を飛び越え、短距離では時速35マイル(時速56キロメートル)に達します。 * 今では生息数が減り、40年前の4分の1しか生息していません。 * 人間の5倍の視力を持ち、1マイル(1.6キロメートル。1600メートル。)以上も離れた獲物もにらみます。 * プライドのライオンたちが食事を済ませるのに4時間かかります。 * メスが獲物をとらえてもオスが先に食べます。 * 食後のプライドのライオンたちは、のどのかわきをうるおすために4時間かけて水を飲むこともあります。 * 神秘的な生き物として考えられ、神としてあがめられた時代もありました。しかし、危険なライオンよりも猫のほうがあつかいやすく安全であることから、エジプトではその位置を取って代わられました。 * プライドの最大個体数は40頭ほどで、その半数が子供(幼児や若者)です。 * 若いオスがプライドを去る一方で、メスは通常は生涯のあいだプライドにとどまります。 * ライオンは1頭当たり1日に36キログラムのエサを食べます。 * オスのライオンのたてがみは、老いると下がります。 * ライオンは大型ネコ科のなかで唯一の、社会的肉食動物です。 {{wikipedia|ライオン|ライオン}} [[ca:Viquijúnior:Grans felins/Lleó]] [[de:Wikijunior Großkatzen/ Löwe]] [[en:Wikijunior:Big Cats/Lion]] [[es:Wikichicos/Grandes felinos/León]] [[fr:Wikijunior:Les félins/Les lions]] [[it:Wikijunior Grandi felini/Leone]] [[zh:Wikijunior:大猫/狮]] [[カテゴリ:大型ネコ(ウィキジュニア)|らいおん]]
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2020-11-18T13:10:43Z
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Wikijunior:大型ネコ/トラ
Wikijunior:メインページ > Wikijunior:大型ネコ > Wikijunior:大型ネコ/トラ ハイイログマより小さいものの敏捷(すばやい、という意味)であることから、肉食獣の王者としての称号を得ています。トラはネコ科の中でもっとも剛力であり、人間の5倍の引く力を持ち、また長距離を走れて、泳げて、(得意ではありませんが)登れます。トラはヒョウ属です。ライオンや豹、ジャガーと同じヒョウ属です。トラの唸り声はライオンの大音声とは違い、どなり声に近いです。 トラは西アジアおよび南西アジアの森や草原に生息し、バングラデシュやブータン、中国、インド、ネパール、カンボジア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、タイ、ベトナム、インドネシアのスマトラ島、ロシア極東部などにいます。 生まれたばかりのトラはネコのような体格ですが、次第に大きくなります。他の大型ネコ科も、生まれたばかりのころは、ネコのような体格です。 トラの体色は、ふつうは橙色に黒縞で、足の裏や首から腹にかけては体色が白くなっています。このシマは個体により異なり、密林での灌木に紛れる迷彩として役立ちます。 全長は、鼻先から尾端までを全長とすると、全長は大抵は 約6フィート(約180 センチメートル) から 9フィート(約270 センチメートル) で、最大級となると 全長3m にもなります。尾は約91cmです。体重は160kgから250kgです。 トラの口の力はとても強く、柔らかい足裏には鋭い爪が隠れ、短く厚い毛皮をまとい長い髭(ひげ)を生やしています。 ホワイトタイガーはアルビノとは違い、ある遺伝子欠損により皮膚や眼、毛皮の色素がなく、白地に薄い縞か縞がない体色で蒼い瞳です。 色素が無いので迷彩に役立たず、希少価値があることから動物園や興行の見世物として長く使うために、強制的に近親者と交配させられています。 これらの悪影響としては、近親婚の遺伝子による病の発症、不活発な精子や未熟児による妊娠の失敗、潜在精巣や心不全、口蓋裂や顔面の歪みなどの先天的欠陥の増加、出生時の体重の減少、免疫機能の不活性、寿命の低下、収縮した体長、精神後退、乳児死亡率の上昇などがあります。 トラの獲物は、ヘラジカ(ヘラ鹿)や野ブタ、水牛(すいぎゅう)などの草食動物です。トラは、草食動物を捕まえて食べます。トラは、ひとりで狩りをします。ちなみに、ほかのネコ科動物も、狩りは、ひとりで します。 トラは、獲物をみつけると、近くに隠れて、とびかかるチャンスを待ちます。獲物がいなければ、クジャクのオスですら捕食します。 トラのいる地域に住む人達は、後頭部に顔の面を被ることで、トラに おそわれないようにしています。虎は獲物の後方から接近し、襲う前に二回ほど様子を伺います。Jim Corbettはインドで多くの人喰い虎を殺した自然保護論者かつ狩猟家として有名です。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "Wikijunior:メインページ > Wikijunior:大型ネコ > Wikijunior:大型ネコ/トラ", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "ハイイログマより小さいものの敏捷(すばやい、という意味)であることから、肉食獣の王者としての称号を得ています。トラはネコ科の中でもっとも剛力であり、人間の5倍の引く力を持ち、また長距離を走れて、泳げて、(得意ではありませんが)登れます。トラはヒョウ属です。ライオンや豹、ジャガーと同じヒョウ属です。トラの唸り声はライオンの大音声とは違い、どなり声に近いです。", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "トラは西アジアおよび南西アジアの森や草原に生息し、バングラデシュやブータン、中国、インド、ネパール、カンボジア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、タイ、ベトナム、インドネシアのスマトラ島、ロシア極東部などにいます。", "title": "生息地" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "生まれたばかりのトラはネコのような体格ですが、次第に大きくなります。他の大型ネコ科も、生まれたばかりのころは、ネコのような体格です。", "title": "外見" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "トラの体色は、ふつうは橙色に黒縞で、足の裏や首から腹にかけては体色が白くなっています。このシマは個体により異なり、密林での灌木に紛れる迷彩として役立ちます。", "title": "外見" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "全長は、鼻先から尾端までを全長とすると、全長は大抵は 約6フィート(約180 センチメートル) から 9フィート(約270 センチメートル) で、最大級となると 全長3m にもなります。尾は約91cmです。体重は160kgから250kgです。", "title": "外見" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "トラの口の力はとても強く、柔らかい足裏には鋭い爪が隠れ、短く厚い毛皮をまとい長い髭(ひげ)を生やしています。", "title": "外見" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "ホワイトタイガーはアルビノとは違い、ある遺伝子欠損により皮膚や眼、毛皮の色素がなく、白地に薄い縞か縞がない体色で蒼い瞳です。", "title": "外見" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "色素が無いので迷彩に役立たず、希少価値があることから動物園や興行の見世物として長く使うために、強制的に近親者と交配させられています。", "title": "外見" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "これらの悪影響としては、近親婚の遺伝子による病の発症、不活発な精子や未熟児による妊娠の失敗、潜在精巣や心不全、口蓋裂や顔面の歪みなどの先天的欠陥の増加、出生時の体重の減少、免疫機能の不活性、寿命の低下、収縮した体長、精神後退、乳児死亡率の上昇などがあります。", "title": "外見" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "", "title": "外見" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "トラの獲物は、ヘラジカ(ヘラ鹿)や野ブタ、水牛(すいぎゅう)などの草食動物です。トラは、草食動物を捕まえて食べます。トラは、ひとりで狩りをします。ちなみに、ほかのネコ科動物も、狩りは、ひとりで します。", "title": "獲物の種類と、つかまえかた" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "トラは、獲物をみつけると、近くに隠れて、とびかかるチャンスを待ちます。獲物がいなければ、クジャクのオスですら捕食します。", "title": "獲物の種類と、つかまえかた" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "トラのいる地域に住む人達は、後頭部に顔の面を被ることで、トラに おそわれないようにしています。虎は獲物の後方から接近し、襲う前に二回ほど様子を伺います。Jim Corbettはインドで多くの人喰い虎を殺した自然保護論者かつ狩猟家として有名です。", "title": "獲物の種類と、つかまえかた" } ]
Wikijunior:メインページ > Wikijunior:大型ネコ > Wikijunior:大型ネコ/トラ ハイイログマより小さいものの敏捷(びんしょう)(すばやい、という意味)であることから、肉食獣の王者としての称号を得ています。トラはネコ科の中でもっとも剛力(ごうりき)であり、人間の5倍の引く力を持ち、また長距離を走れて、泳げて、(得意ではありませんが)登れます。トラはヒョウ属です。ライオンや豹(ひょう)、ジャガーと同じヒョウ属です。トラの唸り声はライオンの大音声(だいおんじょう)とは違い、どなり声に近いです。
{{Pathnav|Wikijunior:メインページ|Wikijunior:大型ネコ}} [[Image:Panthera tigris tigris.jpg|thumb|right|ベンガル虎]] ハイイログマより小さいものの{{Ruby|敏捷|びんしょう}}(すばやい、という意味)であることから、肉食獣の王者としての称号を得ています。トラはネコ科の中でもっとも{{Ruby|剛力|ごうりき}}であり、人間の5倍の引く力を持ち、また長距離を走れて、泳げて、(得意ではありませんが)登れます。トラはヒョウ属です。ライオンや{{Ruby|豹|ひょう}}、ジャガーと同じヒョウ属です。トラの唸り声はライオンの{{Ruby|大音声|だいおんじょう}}とは違い、どなり声に近いです。 == 生息地 == [[Image:Tigers.png|thumb|right|虎の生息地]] トラは西アジアおよび南西アジアの森や草原に生息し、バングラデシュやブータン、中国、インド、ネパール、カンボジア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、タイ、ベトナム、インドネシアのスマトラ島、ロシア極東部などにいます。 == 外見 == [[Image:White_tigers_drinking.jpg|thumb|right|ホワイトタイガー]] 生まれたばかりのトラはネコのような体格ですが、次第に大きくなります。他の大型ネコ科も、生まれたばかりのころは、ネコのような体格です。 トラの体色は、ふつうは{{Ruby|橙色|だいだいい}}に{{Ruby|黒縞|くろしま}}で、足の{{Ruby|裏|うら}}や首から{{Ruby|腹|はら}}にかけては{{Ruby|体色|たいしょく}}が白くなっています。このシマは{{Ruby|個体|こたい}}により異なり、{{Ruby|密林|みつりん}}での{{Ruby|灌木|かんぼく}}に{{Ruby|紛|まぎ}}れる{{Ruby|[[迷彩]]|めいさい}}として役立ちます。 全長は、鼻先から尾端までを全長とすると、全長は大抵は 約6フィート(約180 センチメートル) から 9フィート(約270 センチメートル) で、最大級となると 全長3m にもなります。尾は約91cmです。体重は160kgから250kgです。 トラの口の力はとても強く、柔らかい足裏には鋭い爪が隠れ、短く厚い毛皮をまとい長い髭(ひげ)を生やしています。 ホワイトタイガーはアルビノとは違い、ある遺伝子欠損により皮膚や眼、毛皮の色素がなく、白地に薄い縞か縞がない体色で蒼い瞳です。 色素が無いので迷彩に役立たず、希少価値があることから動物園や興行の見世物として長く使うために、強制的に近親者と交配させられています。 これらの悪影響としては、近親婚の遺伝子による病の発症、不活発な精子や未熟児による妊娠の失敗、潜在精巣や心不全、口蓋裂や顔面の歪みなどの先天的欠陥の増加、出生時の体重の減少、免疫機能の不活性、寿命の低下、収縮した体長、精神後退、乳児死亡率の上昇などがあります。 == 獲物の種類と、つかまえかた == [[Image:Tigergebiss.jpg|thumb|right|虎の丈夫な顎]] トラの獲物は、ヘラジカ(ヘラ鹿)や野ブタ、水牛(すいぎゅう)などの草食動物です。トラは、草食動物を捕まえて食べます。トラは、ひとりで狩りをします。ちなみに、ほかのネコ科動物も、狩りは、ひとりで します。 トラは、獲物をみつけると、近くに隠れて、とびかかるチャンスを待ちます。獲物がいなければ、クジャクのオスですら捕食します。 トラのいる地域に住む人達は、後頭部に顔の面を被ることで、トラに おそわれないようにしています。虎は獲物の後方から接近し、襲う前に二回ほど様子を伺います。Jim Corbettはインドで多くの人喰い虎を殺した自然保護論者かつ狩猟家として有名です。 == 驚きの事実 == {{wikipedia|トラ|トラ}} * トラの縞は毛だけでなく皮膚にもあります。 * 泳ぎが上手く、大抵は体温を冷ますために泳ぎます。 * 同じ縞模様の虎はいません。 * トラの亜種の[[w:アムールトラ|アムールトラ]]は現存する最大の猫科動物です。 [[カテゴリ:大型ネコ(ウィキジュニア)|とら]]
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2022-08-10T10:54:31Z
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Wikijunior:大型ネコ/ヒョウ
ヒョウはネコ科の動物の中でも強健で、多くのものが人間に比べ5倍以上の重さのものを引けますが、ネコは7倍のものを引くことが可能で、その力でウシ科の動物をくわえて木によじ登ります。 「ヒョウ」という名前は, 古代ギリシャ語のライオン(Leon)とはん点(Pard)をかけた、斑点をもったライオン(Leopard)であることに由来しています。 アジアやアフリカなどに生息し、他の大型ネコ科より広い範囲にわたっています。主に太い木の枝で寝て過ごし、獲物を丸ごとくわえて寝床で食事を済ませます。 全長は2mから3mで、しっぽの長さは約60cmから110cm、体重は30kgから70kgで人間や大型犬と同じくらいであり、メスの大きさはオスの 2 3 {\displaystyle {\frac {2}{3}}} ほどです。 毛は短くなめらかで、色は品種によってことなり、生息地により あわい黄色 や灰色、黄土色や黒など異なります。共通して黒いはん点を持ちます。 クロヒョウは別の種であると考えられたことからピューマとも呼ばれ、黒い体の上に黒いはん点を持ちます。 ウシ科の動物やなどの草食動物を狩り、ライオンのように群れで狩らねばならない水牛のような大型動物はさけます。齧歯類やウサギ、大型のこん虫など小型動物も狩り、どうもうなは虫類 のナイルワニも捕食します。 犬を捕食することでも知られ、現地では飼い犬が喰われないようおりに入れています。
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ヒョウはネコ科の動物の中でも強健(きょうけん)で、多くのものが人間に比べ5倍以上の重さのものを引けますが、ネコは7倍のものを引くことが可能(かのう)で、その力でウシ科の動物をくわえて木によじ登ります。 「ヒョウ」という名前は, 古代ギリシャ語のライオン(Leon)とはん点(Pard)をかけた、斑点をもったライオン(Leopard)であることに由来(ゆらい)しています。
{{Pathnav|Wikijunior:メインページ|Wikijunior:大型ネコ|frame=1}} [[Image:Leopard on the tree.jpg|right|thumb|木の上で休むヒョウ]] ヒョウはネコ科の動物の中でも{{Ruby|強健|きょうけん}}で、多くのものが人間に比べ5倍以上の重さのものを引けますが、ネコは7倍のものを引くことが{{ruby|可能|かのう}}で、その力でウシ科の動物をくわえて木によじ登ります。 「ヒョウ」という名前は, 古代ギリシャ語のライオン(Leon)とはん点(Pard)をかけた、斑点をもったライオン(Leopard)であることに{{ruby|由来|ゆらい}}しています。 ==生息地== [[Image:Leopard prevalence.png|right|thumb|200px|生息地]] アジアやアフリカなどに生息し、他の大型ネコ科より広い{{ruby|範囲|はんい}}にわたっています。主に太い木の{{ruby|枝|えだ}}で{{Ruby|寝|ね}}て{{Ruby|過|す}}ごし、{{ruby|獲物|えもの}}を丸ごとくわえて{{ruby|寝床|ねどこ}}で食事を{{Ruby|済|す}}ませます。 ==外見== [[Image:Baby spotted leopard.jpg|right|thumb|豹柄の児]] 全長は2mから3mで、しっぽの長さは約60cmから110cm、体重は30kgから70kgで人間や大型犬と同じくらいであり、メスの大きさはオスの<math>\frac{2}{3}</math>ほどです。 毛は短くなめらかで、色は品種によってことなり、生息地により あわい黄色 や{{Ruby|灰色|はいいろ}}、黄土色や黒など{{Ruby|異|こと}}なります。共通して黒いはん点を持ちます。 クロヒョウは別の種であると考えられたことからピューマとも呼ばれ、黒い体の上に黒いはん点を持ちます。 ==獲物の種類と捕まえ方== ウシ科の動物やなどの草食動物を狩り、ライオンのように{{Ruby|群|む}}れで{{Ruby|狩|か}}らねばならない水牛のような大型動物はさけます。{{Ruby|齧歯類|げっしるい}}やウサギ、大型のこん虫など小型動物も{{Ruby|狩|か}}り、どうもうなは虫{{Ruby|類 |るい}}のナイルワニも{{ruby|捕食|ほしょく}}します。 犬を捕食することでも知られ、現地では飼い犬が喰われないようおりに入れています。 ==おどろきの事実== * 大型ネコ科動物の中でも{{Ruby|最|もっと}}も{{Ruby|神経質|しんけいしつ}}なのであつかいにくいです。 * {{ruby|攻撃|こうげき}}されたときの攻撃の度合いを{{Ruby|除|のぞ}}けば、{{Ruby|飼|か}}いネコと外見や動作がよくにています。 {{Wikipedia|ヒョウ|ヒョウ}} [[ca:Viquijúnior:Grans felins/Lleopard]] [[de:Wikijunior Großkatzen/ Leopard]] [[en:Wikijunior:Big Cats/Leopard]] [[zh:Wikijunior:大猫/豹]] [[カテゴリ:大型ネコ(ウィキジュニア)|ひやう]]
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2020-06-20T11:50:43Z
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Wikijunior:大型ネコ/ジャガー
Wikijunior:メインページ > Wikijunior:大型ネコ > Wikijunior:大型ネコ/ジャガー ジャガー(Jaguar)という名前は遥か昔、南米インディアンによる“ヤガー”(一撃必殺の猫)という恐怖と崇敬が混交した呼称に由来しています。たとえとして、黒バラが鏤められた金の毛皮は夜空の星にも例えられ、マヤ語族では太陽が夜間に受肉化した生物と伝えられています。ライオンや虎、豹(ヒョウ)に近い系統で、特に豹は斑紋以外は、ほとんど同じです。 中央から南アメリカの熱帯雨林や田園地帯に大部分が生息し、泳ぎや登山が得意なことから川ぞいや湿地帯を好みます。 アメリカの北から南西部にかけて生息していましたが、1960年前後にアメリカ国内での絶滅が確認されました。 外見はヒョウに似ており、しぐさは虎に似ています。ネコ科の動物の中でも、ジャガーの顔(かお)は、アゴの骨格がとても強く、発達した頬筋肉や顎下により、豹よりも丸顔です。他のネコ科動物に比べると、ジャガーは短足で、速度よりも脚力が発達しています。 大抵は橙黄色の毛衣に、輪状の黒斑が無数に点在しています。ジャガーは輪の中央に点がある一方で豹にはありません。複数の科学的根拠から、豹は欧州大陸に土着で、ジャガーはアメリカ大陸に土着という違いがあるものの、ジャガーと豹(ひょう)は種がとても近いことがわかっています。ジャガー達のうち、全身が黒い個体は「黒ヒョウ」と呼ばれることもありますが、実際はジャガーであり、一見してわからないものの斑点がついています。 主にヘラ鹿(ヘラジカ)や ヘソイノシシなどの大型動物を狙いますが、便宜的に蛙や鼠(ねずみ)、鳥、魚、家畜(かちく)まで何でも食べます。健脚な一方で辛抱が足りず、獲物を追い続けるのは稀(まれ)です。発達した頬(ほほ)は厚い骨や甲羅さえも簡単に砕き(くだき)、多くのネコ科動物と異なり、首を抑えて窒息させるのではなく、獲物の頭蓋を割り、しとめます。ジャガーのように夜目が利き夜間に狩りをする動物を 夜行性動物(やこうせい どうぶつ) といいます。
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Wikijunior:メインページ > Wikijunior:大型ネコ > Wikijunior:大型ネコ/ジャガー ジャガー(Jaguar)という名前は遥か昔、南米インディアンによる“ヤガー”(一撃必殺の猫)という恐怖と崇敬が混交した呼称に由来しています。たとえとして、黒バラが鏤められた金の毛皮は夜空の星にも例えられ、マヤ語族では太陽が夜間に受肉化した生物と伝えられています。ライオンや虎、豹(ヒョウ)に近い系統で、特に豹は斑紋以外は、ほとんど同じです。
{{Pathnav|Wikijunior:メインページ|Wikijunior:大型ネコ}} [[Image:Panthera onca.jpg|thumb|right|斑模様のジャガー]] ジャガー(Jaguar)という名前は遥か昔、南米インディアンによる“ヤガー”(一撃必殺の猫)という恐怖と崇敬が混交した呼称に由来しています。たとえとして、黒バラが鏤められた金の毛皮は夜空の星にも例えられ、マヤ語族では太陽が夜間に受肉化した生物と伝えられています。ライオンや虎、豹(ヒョウ)に近い系統で、特に豹は斑紋以外は、ほとんど同じです。 == 生息地 == [[Image:jaguar range.png|thumb|right|生息地]] 中央から南アメリカの熱帯雨林や田園地帯に大部分が生息し、泳ぎや登山が得意なことから川ぞいや湿地帯を好みます。 アメリカの北から南西部にかけて生息していましたが、1960年前後にアメリカ国内での絶滅が確認されました。 == 外見 == [[Image:Black jaguar.jpg|thumb|right|黒い皮膚にも斑模様があります。]] 外見はヒョウに似ており、しぐさは虎に似ています。ネコ科の動物の中でも、ジャガーの顔(かお)は、アゴの骨格がとても強く、発達した頬筋肉や顎下により、豹よりも丸顔です。他のネコ科動物に比べると、ジャガーは短足で、速度よりも脚力が発達しています。 大抵は橙黄色の毛衣に、輪状の黒斑が無数に点在しています。ジャガーは輪の中央に点がある一方で豹にはありません。複数の科学的根拠から、豹は欧州大陸に土着で、ジャガーはアメリカ大陸に土着という違いがあるものの、ジャガーと豹(ひょう)は種がとても近いことがわかっています。ジャガー達のうち、全身が黒い個体は「黒ヒョウ」と呼ばれることもありますが、実際はジャガーであり、一見してわからないものの斑点がついています。 == 獲物(えもの)の種類と、つかまえかた == 主にヘラ鹿(ヘラジカ)や ヘソイノシシなどの大型動物を狙いますが、便宜的に蛙や鼠(ねずみ)、鳥、魚、家畜(かちく)まで何でも食べます。健脚な一方で辛抱が足りず、獲物を追い続けるのは稀(まれ)です。発達した頬(ほほ)は厚い骨や甲羅さえも簡単に砕き(くだき)、多くのネコ科動物と異なり、首を抑えて窒息させるのではなく、獲物の頭蓋を割り、しとめます。ジャガーのように夜目が利き夜間に狩りをする動物を '''夜行性動物'''(やこうせい どうぶつ) といいます。 == 驚きの事実 == * 水辺で尾で波紋を起こし、寄って来た魚を前足で捕まえることもあります。 {{wikipedia|ジャガー|ジャガー}} [[カテゴリ:大型ネコ(ウィキジュニア)|しやかあ]]
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2019-10-10T10:27:06Z
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Wikijunior:大型ネコ/ユキヒョウ
人間をたちまち凍てつかせるくらいに、とても寒い地にユキヒョウは生息し、氷原(ひょうげん)に順応し繁殖しています。近年まで野生のユキヒョウは撮影されておらず、プラネット・アースの少人数による取材により初めて記録されました。毛皮には、彼らの生息地の露出した地層のような黒色や灰色をした まだら模様(もよう) があり、迷彩(めいさい)に役立っています。 中国や中央アジアの高山部、特にヒマラヤ中に生息します。獲物(えもの)が少ないことから彼らの典型的な縄張り(なわばり)は 100平方km から 260平方km に及びます。 灰白色の毛皮にジャガーのように頭から首、脇腹にかけて薔薇(ばら)状の斑点(はんてん)があり、この体の色は獲物に忍び寄る際の迷彩に役だっています。厚い毛皮の縞状の著しく長い尾を持ち、猛吹雪になるとマフラーのように巻きつけ温まります。足の爪は毛皮に覆われ樏(かんじき)のように働き、緑色から灰色に変わる丸い目を持ちます。体重は、雄(オス)は40kgから52kgで、雌(メス)は34kgから40kgです。 捕まえられるものは何でも食べ、3倍以上の大きさの獲物すら狩ります。主な獲物はヒツジ、ヤギ、ナキウサギ、ノウサギ、鳥(とり)などで、夏にはリスなど小さな獲物を主に捕食し、その他の季節はイノシシ、羚羊(レイヨウ)、マーコール、bobakマーモット、タール、野ヤギ、バーラル、ねずみ、シカなどを捕食します。狩りの仕方として、獲物に忍びより間合いが6mから15mまで近づくと襲いかかります。 足の爪は樏(かんじき)のように踏ん張りが効き、氷上や雪上でも全力で獲物を追えます。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "人間をたちまち凍てつかせるくらいに、とても寒い地にユキヒョウは生息し、氷原(ひょうげん)に順応し繁殖しています。近年まで野生のユキヒョウは撮影されておらず、プラネット・アースの少人数による取材により初めて記録されました。毛皮には、彼らの生息地の露出した地層のような黒色や灰色をした まだら模様(もよう) があり、迷彩(めいさい)に役立っています。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "中国や中央アジアの高山部、特にヒマラヤ中に生息します。獲物(えもの)が少ないことから彼らの典型的な縄張り(なわばり)は 100平方km から 260平方km に及びます。", "title": "生息地" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "灰白色の毛皮にジャガーのように頭から首、脇腹にかけて薔薇(ばら)状の斑点(はんてん)があり、この体の色は獲物に忍び寄る際の迷彩に役だっています。厚い毛皮の縞状の著しく長い尾を持ち、猛吹雪になるとマフラーのように巻きつけ温まります。足の爪は毛皮に覆われ樏(かんじき)のように働き、緑色から灰色に変わる丸い目を持ちます。体重は、雄(オス)は40kgから52kgで、雌(メス)は34kgから40kgです。", "title": "外見" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "捕まえられるものは何でも食べ、3倍以上の大きさの獲物すら狩ります。主な獲物はヒツジ、ヤギ、ナキウサギ、ノウサギ、鳥(とり)などで、夏にはリスなど小さな獲物を主に捕食し、その他の季節はイノシシ、羚羊(レイヨウ)、マーコール、bobakマーモット、タール、野ヤギ、バーラル、ねずみ、シカなどを捕食します。狩りの仕方として、獲物に忍びより間合いが6mから15mまで近づくと襲いかかります。", "title": "獲物の種類と捕まえ方" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "足の爪は樏(かんじき)のように踏ん張りが効き、氷上や雪上でも全力で獲物を追えます。", "title": "獲物の種類と捕まえ方" } ]
人間をたちまち凍てつかせるくらいに、とても寒い地にユキヒョウは生息し、氷原(ひょうげん)に順応し繁殖しています。近年まで野生のユキヒョウは撮影されておらず、プラネット・アースの少人数による取材により初めて記録されました。毛皮には、彼らの生息地の露出した地層のような黒色や灰色をした まだら模様(もよう) があり、迷彩(めいさい)に役立っています。
{{Pathnav|Wikijunior:メインページ|Wikijunior:大型ネコ|frame=1}} [[Image:Lightmatter snowleopard.jpg|thumb|right|200px|毛皮は防寒具としても機能します。]] 人間をたちまち凍てつかせるくらいに、とても寒い地にユキヒョウは生息し、氷原(ひょうげん)に順応し繁殖しています。近年まで野生のユキヒョウは撮影されておらず、プラネット・アースの少人数による取材により初めて記録されました。毛皮には、彼らの生息地の露出した地層のような黒色や灰色をした まだら模様(もよう) があり、[[w:迷彩|迷彩]](めいさい)に役立っています。 == 生息地 == [[Image:snow leopard range.png|thumb|180px|right|生息地]] 中国や中央アジアの高山部、特にヒマラヤ中に生息します。獲物(えもの)が少ないことから彼らの典型的な縄張り(なわばり)は 100平方km から 260平方km に及びます。 == 外見 == [[Image:Uncia uncia.jpg|thumb|right|200px|鋭い睨み(にらみ)]] 灰白色の毛皮にジャガーのように頭から首、脇腹にかけて薔薇(ばら)状の斑点(はんてん)があり、この体の色は獲物に忍び寄る際の迷彩に役だっています。厚い毛皮の縞状の著しく長い尾を持ち、猛吹雪になるとマフラーのように巻きつけ温まります。足の爪は毛皮に覆われ[[w:かんじき|樏]](かんじき)のように働き、緑色から灰色に変わる丸い目を持ちます。体重は、雄(オス)は40kgから52kgで、雌(メス)は34kgから40kgです。 == 獲物の種類と捕まえ方 == [[Image:Uncia uncia 2.jpg|thumb|right|垂直な土地をモノともしません。]] 捕まえられるものは何でも食べ、3倍以上の大きさの獲物すら狩ります。主な獲物はヒツジ、ヤギ、ナキウサギ、ノウサギ、鳥(とり)などで、夏にはリスなど小さな獲物を主に捕食し、その他の季節はイノシシ、羚羊(レイヨウ)、マーコール、bobakマーモット、タール、野ヤギ、バーラル、ねずみ、シカなどを捕食します。狩りの仕方として、獲物に忍びより間合いが6mから15mまで近づくと襲いかかります。 足の爪は樏(かんじき)のように踏ん張りが効き、氷上や雪上でも全力で獲物を追えます。 == 驚きの事実 == * ネコ科の動物の中で最長の尾と分厚い毛皮を持ちます。 * 自分の体重の4倍もの獲物も狩ります。 * 爪(つめ)は、厚い毛皮に覆われ、樏(かんじき)を付けているようです。 * ライオンのような他の大型ネコ科とは異なり、ユキヒョウは吠えることができません。 {{wikipedia|ユキヒョウ|ユキヒョウ}} [[カテゴリ:大型ネコ(ウィキジュニア)|ゆきひよう]]
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2020-06-06T04:03:54Z
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16,819
行政書士法第20条
法学>コンメンタール>行政法>行政書士法 (帳簿の備付及び保存) 総務省令は、s:行政書士法施行規則である。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "法学>コンメンタール>行政法>行政書士法", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "(帳簿の備付及び保存)", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "総務省令は、s:行政書士法施行規則である。", "title": "解説" } ]
法学>コンメンタール>行政法>行政書士法
[[法学]]>[[コンメンタール]]>[[行政法]]>[[行政書士法]] ==条文== (帳簿の備付及び保存) ;第20条 : この法律に定めるもののほか、行政書士又は行政書士法人の業務執行、行政書士会及び日本行政書士会連合会に関し必要な事項は、総務省令で定める。 ==解説== 総務省令は、[[s:行政書士法施行規則]]である。 ==参照条文== ---- {{前後 |[[行政書士法]] |[[行政書士法#s8|第8章 雑則]]<br> |[[行政書士法第19条の4]]<br>(資質向上のための援助) |[[行政書士法第20条の2]]<br>(罰則) }} {{stub}} [[category:行政書士法|20]]
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2012-02-27T22:52:25Z
[ "テンプレート:前後", "テンプレート:Stub" ]
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16,820
大阪弁/勧誘
勧誘の表現は 例文: ほな行こか。 HL HHH そろそろ寝よか。 HLLL HHL また一緒に来よか。 HL LLH LHL また、共通語と同じく否定の形で勧誘の表現を作ることもできる。この時、語尾は上がる。 今度一緒に奈良行かへん? LHL LLH HL HLLH 観覧車乗らへん? HHHLL HLLH
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "勧誘の表現は", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "例文: ほな行こか。 HL HHH", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "そろそろ寝よか。 HLLL HHL", "title": "" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "また一緒に来よか。 HL LLH LHL", "title": "" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "また、共通語と同じく否定の形で勧誘の表現を作ることもできる。この時、語尾は上がる。", "title": "" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "今度一緒に奈良行かへん? LHL LLH HL HLLH", "title": "" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "観覧車乗らへん? HHHLL HLLH", "title": "" } ]
勧誘の表現は X行五段活用: 語幹+X行オ段+か 例: 行こか、飲もか 上一段活用・下一段活用: 活用で変化しない部分+よ+か 例:起きよか、出よか、見よか する: しよか 来る: 来(こ)よか 例文: ほな行こか。 HL HHH そろそろ寝よか。 HLLL HHL また一緒に来よか。 HL LLH LHL また、共通語と同じく否定の形で勧誘の表現を作ることもできる。この時、語尾は上がる。 今度一緒に奈良行かへん? LHL LLH HL HLLH 観覧車乗らへん? HHHLL HLLH
勧誘の表現は *X行五段活用: 語幹+X行オ段+か 例: 行こか、飲もか *上一段活用・下一段活用: 活用で変化しない部分+よ+か 例:起きよか、出よか、見よか *する: しよか *来る: <ruby><rb>来</rb><rp>(</rp><rt>こ</rt><rp>)</rp></ruby>よか 例文:</br> ほな行こか。 HL HHH :それでは行こうか。 そろそろ寝よか。 HLLL HHL :そろそろ寝ようか。 また一緒に来よか。 HL LLH LHL :また一緒に来ようか。 ---- また、共通語と同じく否定の形で勧誘の表現を作ることもできる。この時、語尾は上がる。 今度一緒に奈良行かへん? LHL LLH HL HLLH :今度一緒に奈良に行かない? 観覧車乗らへん? HHHLL HLLH :観覧車に乗らない? [[Category:大阪弁|かんゆう]]
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2022-12-04T01:22:28Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/%E5%A4%A7%E9%98%AA%E5%BC%81/%E5%8B%A7%E8%AA%98
16,821
大阪弁/不可能
不可能を表すには 例文: 明日は用事あって行かれへんわ。 HHHH HHH LH HHHLLL これ以上登れへん。 HH HLL HHLLL もう食べられへん。 HH LHHLLL よう+否定の形で不可能を表すこともできる。 こちらは「~する勇気がない」「~する能力がない」などのニュアンスで使われることが多い。 例文: そんなことよう言わんわ。 HHH HL HH HHHL こんなぎょうさん課題ようせんわ。 HHH HLLL LHH HHHHL
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "不可能を表すには", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "例文: 明日は用事あって行かれへんわ。 HHHH HHH LH HHHLLL", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "これ以上登れへん。 HH HLL HHLLL", "title": "" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "もう食べられへん。 HH LHHLLL", "title": "" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "よう+否定の形で不可能を表すこともできる。 こちらは「~する勇気がない」「~する能力がない」などのニュアンスで使われることが多い。", "title": "よう~" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "例文: そんなことよう言わんわ。 HHH HL HH HHHL", "title": "よう~" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "こんなぎょうさん課題ようせんわ。 HHH HLLL LHH HHHHL", "title": "よう~" } ]
不可能を表すには X行五段活用: 語幹+X行ア段+れへん or 語幹+X行エ段+へん(後者は単なる否定も表せるので紛らわしい場合は前者を使った方が良い) 上一段活用、下一段活用: 活用で変化しない部分+(ら)れへん する: でけへん 来る: 来(こ)(ら)れへん 例文: 明日は用事あって行かれへんわ。 HHHH HHH LH HHHLLL これ以上登れへん。 HH HLL HHLLL もう食べられへん。 HH LHHLLL
不可能を表すには *X行五段活用: 語幹+X行ア段+れへん or 語幹+X行エ段+へん(後者は単なる否定も表せるので紛らわしい場合は前者を使った方が良い) *上一段活用、下一段活用: 活用で変化しない部分+(ら)れへん *する: でけへん *来る: <ruby><rb>来</rb><rp>(</rp><rt>こ</rt><rp>)</rp></ruby>(ら)れへん 例文:</br> 明日は用事あって行かれへんわ。 HHHH HHH LH HHHLLL :明日は用事があって行けないよ。 これ以上登れへん。 HH HLL HHLLL :これ以上登れない。 もう食べられへん。 HH LHHLLL :もう食べられない。 ==よう~== '''よう+否定の形'''で不可能を表すこともできる。 こちらは「~する勇気がない」「~する能力がない」などのニュアンスで使われることが多い。 例文:</br> そんなことよう<ruby><rb>言</rb><rp>(</rp><rt>ゆ</rt><rp>)</rp></ruby>わんわ。 HHH HL HH HHHL :そんなこと言えないよ。 こんなぎょうさん課題ようせんわ。 HHH HLLL LHH HHHHL :こんな沢山の課題できないよ。 [[Category:大阪弁|ふかのう]]
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2022-12-04T01:22:29Z
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不動産登記規則附則第15条
法学>民事法>コンメンタール不動産登記法>不動産登記令>不動産登記規則 (法附則第六条の指定前の登記手続)
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "法学>民事法>コンメンタール不動産登記法>不動産登記令>不動産登記規則", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "(法附則第六条の指定前の登記手続)", "title": "条文" } ]
法学>民事法>コンメンタール不動産登記法>不動産登記令>不動産登記規則
[[法学]]>[[民事法]]>[[コンメンタール不動産登記法]]>[[不動産登記令]]>[[不動産登記規則]] ==条文== (法附則第六条の指定前の登記手続) ;第15条 # 新規則中電子申請に関する規定は、[[不動産登記法附則第6条|法附則第6条]]の指定(以下「第六条指定」という。)の日からその第六条指定に係る登記手続について適用する。 # 第六条指定を受けていない登記所の登記手続に係る登記の申請をするときは、登記原因を証する情報を記載した書面であって不動産所在事項、登記の目的及び登記原因その他の申請に係る登記を特定することができる事項を記載したもの又は申請書と同一の内容を記載した書面を提出するものとする。 # 法附則第6条第3項の規定により読み替えて適用される法第21条本文又は法附則第6条第3項の規定により読み替えて適用される法第117条の登記済証その他の登記権利者に係る登記済証の作成及び交付については、なお従前の例による。この場合においては、前項の規定により提出された書面を旧法第60条第1項に規定する登記原因を証する書面又は申請書の副本とみなす。 # 法附則第6条第3項の規定により読み替えて適用される法第21条ただし書の法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。 #:一 法附則第6条第3項の規定により読み替えて適用される法第21条本文の規定により登記済証の交付を受けるべき者があらかじめ登記済証の交付を希望しない旨の申出をした場合(官庁又は公署が登記権利者のために登記の嘱託をした場合において、当該官庁又は公署が当該登記権利者の申出に基づいて登記済証の交付を希望しない旨の申出をしたときを含む。) #:二 法附則第6条第3項の規定により読み替えて適用される法第21条本文の規定により登記済証の交付を受けるべき者が、登記完了の時から三月以内に登記済証を受領しない場合 #:三 法附則第6条第3項の規定により読み替えて適用される法第21条本文の規定により登記済証の交付を受けるべき者が官庁又は公署である場合(当該官庁又は公署があらかじめ登記済証の交付を希望する旨の申出をした場合を除く。) #:四 申請人が第2項に規定する書面を提出しなかった場合 # 新規則第64条第2項の規定は、前項第一号及び第三号の申出をするときについて準用する。 # 第六条指定を受けていない登記手続において登記を完了した場合における登記済証(第3項の登記済証を除く。)の作成及び交付については、なお従前の例による。この場合においては、第2項の規定により提出された書面又は法附則第6条第3項の規定により読み替えて適用される法第22条の規定により提出された登記済証を旧法第60条第1項に規定する登記原因を証する書面若しくは申請書の副本又は同条第二項に規定する登記済証若しくは書面とみなす。 # 第4項及び第五項の規定は、前項の場合について準用する。 # 第6条指定がされるまでの間における第6条指定を受けていない登記手続についての新規則第70条の適用については、同条中「法第22条」とあるのは、「法附則第6条第3項の規定により読み替えて適用される法第22条」とする。 # 旧細則第44条ノ17の規定は、第六条指定がされるまでの間、第六条指定を受けていない登記手続について、なおその効力を有する。 ==解説== ==参照条文== ---- {{前後 |[[不動産登記規則]] |[[不動産登記規則#附則|附則]]<br> |[[不動産登記規則附則第14条]]<br>(共同担保目録等の改製) |[[不動産登記規則附則第16条]]<br>(法附則第7条の登記手続) }} {{stub}} [[category:不動産登記規則|附則15]]
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2012-09-20T20:50:48Z
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不動産登記法附則第6条
法学>民事法>コンメンタール不動産登記法>不動産登記令>不動産登記規則
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法学>民事法>コンメンタール不動産登記法>不動産登記令>不動産登記規則
[[法学]]>[[民事法]]>[[コンメンタール不動産登記法]]>[[不動産登記令]]>[[不動産登記規則]] ==条文== ;附則第六条 # [[不動産登記法第18条|新法第18条]]第一号の規定は、登記所ごとに同号に規定する方法による登記の申請をすることができる登記手続として法務大臣が指定した登記手続について、その指定の日から適用する。 # 前項の規定による指定は、告示してしなければならない。 # 第1項の規定による指定がされるまでの間、各登記所の登記手続についての新法の規定の適用については、次の表の上欄に掲げる新法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。<BR> <TABLE BORDER> <TR VALIGN="top"> <TD>読み替える規定</TD> <TD>読み替えられる字句</TD> <TD>読み替える字句</TD> </TR> <TR VALIGN="top"> <TD>[[不動産登記法第21条|第21条]]の見出し</TD> <TD>登記識別情報の通知</TD> <TD>登記済証の交付</TD> </TR> <TR VALIGN="top"> <TD>第21条</TD> <TD>登記識別情報を通知しなければ</TD> <TD>登記済証を交付しなければ</TD> </TR> <TR VALIGN="top"> <TD>第21条ただし書</TD> <TD>登記識別情報の通知</TD> <TD>登記済証の交付</TD> </TR> <TR VALIGN="top"> <TD>[[不動産登記法第21条|第22条]]の見出し</TD> <TD>登記識別情報の提供</TD> <TD>登記済証の提出</TD> </TR> <TR VALIGN="top"> <TD>第22条</TD> <TD>登記識別情報を提供しなければ</TD> <TD>旧法第60条第1項若しくは第61条の規定により還付され、若しくは交付された登記済証(附則第八条の規定によりなお従前の例によることとされた登記の申請について旧法第60条第1項又は第61条の規定により還付され、又は交付された登記済証を含む。)又は附則第6条第3項の規定により読み替えて適用される第21条若しくは[[不動産登記法第1171条|第117条第2項の規定により交付された登記済証を提出しなければ</TD> </TR> <TR VALIGN="top"> <TD ROWSPAN="2"> 第22条ただし書</TD> <TD>登記識別情報が通知されなかった</TD> <TD>登記済証が交付されなかった</TD> </TR> <TR VALIGN="top"> <TD>登記識別情報を提供する</TD> <TD>旧法第60条第1項若しくは第61条の規定により還付され、若しくは交付された登記済証(附則第八条の規定によりなお従前の例によることとされた登記の申請について旧法第60条第1項又は第61条の規定により還付され、又は交付された登記済証を含む。)又は附則第6条第3項の規定により読み替えて適用される第21条若しくは第117条第2項の規定により交付された登記済証を提出する</TD> </TR> <TR VALIGN="top"> <TD>[[不動産登記法第21条|第23条]]第1項</TD> <TD>登記識別情報を提供する</TD> <TD>登記済証を提出する</TD> </TR> <TR VALIGN="top"> <TD>[[不動産登記法第117条|第117条]]の見出し</TD> <TD>官庁又は公署の嘱託による登記の登記識別情報</TD> <TD>官庁又は公署の嘱託による登記の登記済証</TD> </TR> <TR VALIGN="top"> <TD ROWSPAN="2"> 第117条第1項</TD> <TD>登記識別情報</TD> <TD>登記済証</TD> </TR> <TR VALIGN="top"> <TD>通知しなければ</TD> <TD>交付しなければ</TD> </TR> <TR VALIGN="top"> <TD ROWSPAN="2"> 第117条第2項</TD> <TD>登記識別情報の通知</TD> <TD>登記済証の交付</TD> </TR> <TR VALIGN="top"> <TD>通知しなければ</TD> <TD>交付しなければ</TD> </TR> </TABLE> <BR> ==解説== ==参照条文== ---- {{前後 |[[コンメンタール不動産登記法|不動産登記法]] |[[コンメンタール不動産登記法#附則|附則]]<br> |[[不動産登記法附則第5条]]<br>(判決による登記等) |[[不動産登記法附則第7条]]<br>(共有物分割禁止の定めの登記) }} {{stub}} [[category:不動産登記法|附則6]]
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2020-04-26T11:02:37Z
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日本大対策
本項は、日本大学の入学試験対策に関する事項である。 日本大学は、東京都千代田区をはじめとして関東に拠点を置く私立の総合大学である。歴史は古く皇典講究所に創設された日本法律学校を起源とする。学生数は日本一である。 入試問題は文系学部、理系学部ともに基礎レベルの知識を問うものが中心となって出題されている。つまり、受験生の勉強量の差があらわれやすい作りの問題になっている。医学部は他学部とは違う出題傾向である。一般入試と言っても、日大では学部ごとに複数の方式が準備されているため、自分の得意科目に合わせた方式を選ぶこと。また、一般入試以外にも、センター試験利用入試やAO入試、推薦入試といった様々な入試形態を準備し、多様な学生を集めているのも日大の特徴である。 一般入試の実質倍率を見ると、ほとんどの学部学科は3~4倍程度である。しかし、医学部、生物資源科学部獣医学科は実質倍率が10倍を超えるので、これらの学部学科を目指す受験生はしっかりとした対策が必要である。 日大では、外部から入学する場合、「一般入試」、「センター試験利用入試」、「一般推薦入試(いわゆる指定校推薦と公募推薦)」、「AO入試」、「自己推薦入試」、「社会人入試」など様々な入試方式が用意されている。もちろん学部ごとによっては、利用できない方式もあるため、最終的には日大の公式ホームページで確認してほしい。自分の力が一番発揮できる入試方式を選ぼう。 本項では、特に「一般入試」の科目別対策に触れる。 英語 全学部(理系学部含む)を通して、語彙・文法問題が多い。基礎的な問題ばかりであるが、合格を確実にするためには、きちんと赤本の対策をする必要があるといえる。 法学部の問題では、読解力ももちろん必要であるが、それ以上に語彙力が物を言う。日頃から単語・熟語を学ぶ際、単に日本語-英語を意味で1:1対応させるだけなく、似たような表現、同義語、同じ意味で違う言い回し、前置詞などを意識して学んでいこう。 文法の理解度を問う問題が少なからず出るので長文読解での得点だけに頼るのは危険である。 国語 現代文2題と古文1題が基本。現代文はほとんどが評論文である。現代文よりも古文の方が点数が安定するので、古文の学習をしっかりやること。 文理学部は学科の種類によって出題が異なり、人文系学科(史学科・哲学科・国文学科・中国語中国文化学科・英文学科・ドイツ文学科)では現代文2題・古文1題・選択問題1題の計4問、社会系学科(社会学科・教育学科・体育学科・心理学科)では現代文2題・選択問題1題の計3問が出題される。また、法学部では現代文の問題の一部に記述式が導入されており、漢字の書き取りや短い抜き出し記述の問題が出題される。 世界史 教科書レベルの基礎知識を問う問題が多い。正誤問題の出題が目立つ。 日本史 教科書レベルの基礎知識を問う問題が多いが、資料を見て解く問題の出題も目立つため、しっかりと資料問題対策はしておくと良い。 2013年度の文理学部入試においては大問1で平城京、平安京の地図を問う問題がでた事により、大きく傾向が変わった。 教科書で時代の流れを正確に把握することも重要だが、未見史料対策、資料集をみて遺跡や寺院、都の日本地図上の位置関係やその地域の地図の把握が必要になった。 地理 教科書レベルの基礎知識を問う問題が多い。教科書の細かな知識を覚える必要はないが、重要用語は漏らすことなく暗記しよう。 政治・経済 世界史、日本史、地理に比べると難しい問題も多い。そのため、政治経済選択者は十分に対策する必要がある。過去問だけでなくセンター試験の政治・経済もやろう。 数学(文系) 本学においては一部の学部を除き、文系学部でも数学受験が可能である。教科書レベルの基礎的な問題が出題されるため、教科書をもとにしっかりと勉強すること。章末問題もやるとよい。また、数学で高得点を目指したい者は白チャートをやるとよい。 どの学部も基礎的な問題が目立つ。生物資源学部獣医学科は医学部に次ぐ倍率で、合格するのは医学部に次いで難しい。そのため、生物資源学部獣医学科受験生は高得点を目指すこと。 英語 文系学部の英語を参照。 数学 理系学部でもIIBまでの学部とIIIまでの学部に分かれる。歯学部、松戸歯学部において、IIBまでが出題される。基礎的な問題が多いため、教科書や白チャートで勉強し、しっかりと過去問対策をすれば問題ないだろう。工学部、生産工学部ではIIIまでが出題されるが数学でもIIBまでの内容が中心のものがほとんどで、IIIから出題される問題も基礎問題が多いので教科書や白チャートで問題ないだろう。薬学部、生物資源学部ではIIBまで出題されるが、試験時間に対して問題量が多く、特に生物資源学部獣医学科や薬学部では高得点が要求されるので速く正確に解く必要がある。黄チャートの重要例題レベルの問題を瞬時に解答できるようにしよう。理工学部は数IIIまで出題され、試験時間に対して問題量が多いのが特徴である。したがって数IIIの微積分計算を速く正確にできるようにしよう。黄チャートレベルの参考書(ニューアクションβなど)で勉強し、過去問対策にとりかかろう。余裕があれば難易度、形式が似ている法政大学の理工学部、情報科学部の問題を時間を計って解くとよい。 理科 物理、化学、生物の中から1科目選択。すべて教科書レベルの問題が多い。しっかりと教科書を勉強すること。日大特有の問題もあるため、過去問対策がカギとなる。 医学部受験生用の問題が用意される。問題は他学部よりも難易度が高いものが多く、教科書レベルの学習では十分に対応できないので、しっかりと科目別に対策すること。倍率は非常に高い。理科は、物理・化学・生物より2科目選択。 英語 大問8題。読解問題は「医療系の英文」が使われる。医学的な知識が有るか無いかで、問題の解きやすさは大きく変わる。新聞や雑誌を読んで知識を蓄えるとともに、医療系の単語も覚えることを意識すること。また、自由英作文(30~40字)が必ず出題される。自由英作文としては難易度が高い問題であるため、十分に対策しておくこと。しっかりと問題集や過去問で対策しておく必要がある。 数学 大問4題で75分。例年、1~2題は教科書レベルの基礎的な問題であるが、残り2~3題は発展問題が出題される。これらの発展問題は医学部受験生にとっては標準的と感じる問題であるが、75分という時間の中で解くには高い計算力が求められる。そのため、基礎を固めたら、過去問や同レベルの大学の医学部数学を時間を意識して解くこと。 物理 原子を除く分野から、幅広く出題される。中でも、熱力学であれば「気体の状態変化」、波動であれば「光波」に関する問題が頻出である。問題のレベルは基礎~標準程度であるため、医学部受験生なら8割以上取れないと、逆に周囲に差をつけられてしまう。 化学 センター試験のようなマークシートの小問集合形式で理論、有機、無機の分野からバランスよく出題される。難易度はそこまで高くないため、医学部受験生なら8割以上取れないと、逆に周囲に差をつけられてしまう。 生物 出題形式は多岐に渡る。語句選択の問題、遺伝に関する計算問題、誤りを選ぶ問題、実験から判断する問題など、さまざまなパターンがある。そのため、基礎をしっかり固めないで試験に臨むと、見たこともない形式に狼狽えることになる。また、基礎問題の多い化学に比べ、ややひねった問題も出題されるため、発展問題も解けるようにしておこう。 日本大学では、積極的に日本全国の進学相談会に進学アドバイザーのを派遣している。学校の先生とは違った観点から親身になって相談に応じてくれるので、受験生にはぜひとも足を運んでほしい。 全国進学相談会一覧
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日本の大学受験ガイド > 日本大対策 本項は、日本大学の入学試験対策に関する事項である。 日本大学は、東京都千代田区をはじめとして関東に拠点を置く私立の総合大学である。歴史は古く皇典講究所に創設された日本法律学校を起源とする。学生数は日本一である。 入試問題は文系学部、理系学部ともに基礎レベルの知識を問うものが中心となって出題されている。つまり、受験生の勉強量の差があらわれやすい作りの問題になっている。医学部は他学部とは違う出題傾向である。一般入試と言っても、日大では学部ごとに複数の方式が準備されているため、自分の得意科目に合わせた方式を選ぶこと。また、一般入試以外にも、センター試験利用入試やAO入試、推薦入試といった様々な入試形態を準備し、多様な学生を集めているのも日大の特徴である。 一般入試の実質倍率を見ると、ほとんどの学部学科は3~4倍程度である。しかし、医学部、生物資源科学部獣医学科は実質倍率が10倍を超えるので、これらの学部学科を目指す受験生はしっかりとした対策が必要である。
{{半保護}} {{wikipedia|日本大学}} *[[日本の大学受験ガイド]] > [[日本大対策]] 本項は、[[w:日本大学|日本大学]]の入学試験対策に関する事項である。 日本大学は、東京都千代田区をはじめとして関東に拠点を置く私立の総合大学である。歴史は古く皇典講究所に創設された日本法律学校を起源とする。学生数は日本一である。 入試問題は文系学部、理系学部ともに基礎レベルの知識を問うものが中心となって出題されている。つまり、受験生の勉強量の差があらわれやすい作りの問題になっている。医学部は他学部とは違う出題傾向である。一般入試と言っても、日大では学部ごとに複数の方式が準備されているため、自分の得意科目に合わせた方式を選ぶこと。また、一般入試以外にも、センター試験利用入試やAO入試、推薦入試といった様々な入試形態を準備し、多様な学生を集めているのも日大の特徴である。 一般入試の実質倍率を見ると、ほとんどの学部学科は3~4倍程度である。しかし、医学部、生物資源科学部獣医学科は実質倍率が10倍を超えるので、これらの学部学科を目指す受験生はしっかりとした対策が必要である。 ==全体== 日大では、外部から入学する場合、「一般入試」、「センター試験利用入試」、「一般推薦入試(いわゆる指定校推薦と公募推薦)」、「AO入試」、「自己推薦入試」、「社会人入試」など様々な入試方式が用意されている。もちろん学部ごとによっては、利用できない方式もあるため、最終的には日大の公式ホームページで確認してほしい。自分の力が一番発揮できる入試方式を選ぼう。 '''本項では、特に「一般入試」の科目別対策に触れる。''' ==文系学部== '''英語'''<br /> 全学部(理系学部含む)を通して、語彙・文法問題が多い。基礎的な問題ばかりであるが、合格を確実にするためには、きちんと赤本の対策をする必要があるといえる。 法学部の問題では、読解力ももちろん必要であるが、それ以上に語彙力が物を言う。日頃から単語・熟語を学ぶ際、単に日本語-英語を意味で1:1対応させるだけなく、似たような表現、同義語、同じ意味で違う言い回し、前置詞などを意識して学んでいこう。 文法の理解度を問う問題が少なからず出るので長文読解での得点だけに頼るのは危険である。 '''国語'''<br /> 現代文2題と古文1題が基本。現代文はほとんどが評論文である。現代文よりも古文の方が点数が安定するので、古文の学習をしっかりやること。 文理学部は学科の種類によって出題が異なり、人文系学科(史学科・哲学科・国文学科・中国語中国文化学科・英文学科・ドイツ文学科)では現代文2題・古文1題・選択問題1題の計4問、社会系学科(社会学科・教育学科・体育学科・心理学科)では現代文2題・選択問題1題の計3問が出題される。また、法学部では現代文の問題の一部に記述式が導入されており、漢字の書き取りや短い抜き出し記述の問題が出題される。 '''世界史'''<br /> 教科書レベルの基礎知識を問う問題が多い。正誤問題の出題が目立つ。 '''日本史'''<br /> 教科書レベルの基礎知識を問う問題が多いが、資料を見て解く問題の出題も目立つため、しっかりと資料問題対策はしておくと良い。 2013年度の文理学部入試においては大問1で平城京、平安京の地図を問う問題がでた事により、大きく傾向が変わった。 教科書で時代の流れを正確に把握することも重要だが、未見史料対策、資料集をみて遺跡や寺院、都の日本地図上の位置関係やその地域の地図の把握が必要になった。 '''地理'''<br /> 教科書レベルの基礎知識を問う問題が多い。教科書の細かな知識を覚える必要はないが、重要用語は漏らすことなく暗記しよう。 '''政治・経済''' 世界史、日本史、地理に比べると難しい問題も多い。そのため、政治経済選択者は十分に対策する必要がある。過去問だけでなくセンター試験の政治・経済もやろう。 '''数学(文系)'''<br /> 本学においては一部の学部を除き、文系学部でも数学受験が可能である。教科書レベルの基礎的な問題が出題されるため、教科書をもとにしっかりと勉強すること。章末問題もやるとよい。また、数学で高得点を目指したい者は白チャートをやるとよい。 ==理系学部== どの学部も基礎的な問題が目立つ。生物資源学部獣医学科は医学部に次ぐ倍率で、合格するのは医学部に次いで難しい。そのため、生物資源学部獣医学科受験生は高得点を目指すこと。 '''英語'''<br /> 文系学部の英語を参照。 '''数学'''<br /> 理系学部でもⅡBまでの学部とⅢまでの学部に分かれる。歯学部、松戸歯学部において、ⅡBまでが出題される。基礎的な問題が多いため、教科書や白チャートで勉強し、しっかりと過去問対策をすれば問題ないだろう。工学部、生産工学部ではⅢまでが出題されるが数学でもⅡBまでの内容が中心のものがほとんどで、Ⅲから出題される問題も基礎問題が多いので教科書や白チャートで問題ないだろう。薬学部、生物資源学部ではⅡBまで出題されるが、試験時間に対して問題量が多く、特に生物資源学部獣医学科や薬学部では高得点が要求されるので速く正確に解く必要がある。黄チャートの重要例題レベルの問題を瞬時に解答できるようにしよう。理工学部は数Ⅲまで出題され、試験時間に対して問題量が多いのが特徴である。したがって数Ⅲの微積分計算を速く正確にできるようにしよう。黄チャートレベルの参考書(ニューアクションβなど)で勉強し、過去問対策にとりかかろう。余裕があれば難易度、形式が似ている法政大学の理工学部、情報科学部の問題を時間を計って解くとよい。 '''理科'''<br /> 物理、化学、生物の中から1科目選択。すべて教科書レベルの問題が多い。しっかりと教科書を勉強すること。日大特有の問題もあるため、過去問対策がカギとなる。 ==医学部== 医学部受験生用の問題が用意される。問題は他学部よりも難易度が高いものが多く、教科書レベルの学習では十分に対応できないので、しっかりと科目別に対策すること。倍率は非常に高い。理科は、物理・化学・生物より'''2科目'''選択。 '''英語'''<br /> 大問8題。読解問題は「医療系の英文」が使われる。医学的な知識が有るか無いかで、問題の解きやすさは大きく変わる。新聞や雑誌を読んで知識を蓄えるとともに、医療系の単語も覚えることを意識すること。また、自由英作文(30~40字)が必ず出題される。自由英作文としては難易度が高い問題であるため、十分に対策しておくこと。しっかりと問題集や過去問で対策しておく必要がある。 '''数学'''<br /> 大問4題で75分。例年、1~2題は教科書レベルの基礎的な問題であるが、残り2~3題は発展問題が出題される。これらの発展問題は医学部受験生にとっては標準的と感じる問題であるが、75分という時間の中で解くには高い計算力が求められる。そのため、基礎を固めたら、過去問や同レベルの大学の医学部数学を時間を意識して解くこと。 '''物理'''<br /> 原子を除く分野から、幅広く出題される。中でも、熱力学であれば「気体の状態変化」、波動であれば「光波」に関する問題が頻出である。問題のレベルは基礎~標準程度であるため、医学部受験生なら8割以上取れないと、逆に周囲に差をつけられてしまう。 '''化学'''<br /> センター試験のようなマークシートの小問集合形式で理論、有機、無機の分野からバランスよく出題される。難易度はそこまで高くないため、医学部受験生なら8割以上取れないと、逆に周囲に差をつけられてしまう。 '''生物'''<br /> 出題形式は多岐に渡る。語句選択の問題、遺伝に関する計算問題、誤りを選ぶ問題、実験から判断する問題など、さまざまなパターンがある。そのため、基礎をしっかり固めないで試験に臨むと、見たこともない形式に狼狽えることになる。また、基礎問題の多い化学に比べ、ややひねった問題も出題されるため、発展問題も解けるようにしておこう。 ==その他== 日本大学では、積極的に日本全国の進学相談会に進学アドバイザーのを派遣している。学校の先生とは違った観点から親身になって相談に応じてくれるので、受験生にはぜひとも足を運んでほしい。<br /> [http://www.nihon-u.ac.jp/admission_info/event/consultation/ 全国進学相談会一覧] ==外部サイト== *[http://www.nihon-u.ac.jp/admission_info/ 入試ガイド(日本大学公式HP)] [[Category:大学入試|にほん]]
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2017-08-26T02:00:26Z
[ "テンプレート:半保護", "テンプレート:Wikipedia" ]
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専修大対策
本項は、専修大学の入学試験対策に関する事項である。 専修大学は、東京都千代田区と神奈川県川崎市にキャンパスがある日本の私立大学である。歴史は古く、1880年に創立された専修学校が前身で、2020年に創立140周年となった。受験生は東京都、神奈川県を中心に全都道府県から集う。 専修大学の入学試験は、1986年度の経営学部入学試験で私立大学の一般的な3科目による入学試験とは別に、英語と小論文による入学試験を導入するなど、入学試験の方式を複数導入する動きなどが見られるが、基本的には3教科による入学試験を行っている。その後、一般入試の場合は入学試験日が同じであれば基本的に同じ入学試験問題であることを利用して(一部の学部・学科で見られる入試方式を除けば学部独自の入試問題の出題を取りやめたこともあり)、一定の条件下で併願ができるようになっている。 また、2000年代前後よりセンター試験方式およびセンター試験併用方式の導入が行われたり、2000年代前後より一部の科目以外は基本的に客観式(マークセンス方式)を採用している。 試験会場は専修大学の各キャンパス(神田・生田)のほか、全国数か所の学外会場(予備校など)である。受験生には願書に第一希望と第二希望の会場をマークして出願することが求められる。ただし、各会場の受け入れ人数を超えた場合や一部の科目を選択する場合、一部の入試方式については、会場が専修大学のいずれかのキャンパスが指定される。 なお、専修大学各キャンパスを含め、どの会場を選択した場合でも、試験開始時と終了時はチャイムはなく(試験監督によるアナウンスのみである)、また大学会場では教室内に時計がないために、時計の持参が必要である(携帯電話の時計は時計代わりに使うことを認めていない)。遅刻は各科目の開始20分後まで認められる。 大まかには「センター試験利用の入学試験」と「大学独自の入学試験」の二つに分けられるが、「センター試験」と「大学独自の入学試験」を併用している方式をとる学部・学科もある。以下、主として2014年度の入学試験を参照に記す(センター試験のみ利用の入学試験と、「センター試験」と「大学独自の入学試験」を併用した入学試験については省略)。 大学当局から、試験区分としては「スカラシップ・全国入学試験」と紹介されるが、試験日が同一なだけで、「スカラシップ入学試験」と「全国入学試験」という、別々の方式のものである。 「スカラシップ入学試験」は、試験科目こそ、英語・国語・選択科目という、私立大学文科系学部そのものの入学試験であるが、願書とともに志望理由書の提出が必要であり、また、基準点が設けられる(例年、300点満点で約220点)。例年、募集人員=合格者は、一部の全学部・全学科で100名となっており、学部や学科によっては合格者を出さないこともある。各学部・学科間の併願は不可。 「全国入学試験」は、英語・国語・選択科目という、私立大学文科系学部そのものの入学試験で、文学部英語英米文学科のみ350点満点、その他の学部・学科は300点満点となっている。「スカラシップ入学試験」とは異なり、各学部・学科間の併願は可能。 なお、上述の二つの入学試験は、専修大学(神田・生田)を含む全国17会場で実施される。 「スカラシップ・全国入学試験」とともに二月の前半に行われる入学試験であり、「全学部統一入学試験」と「学部個別入学試験」からなる。 「全学部統一入学試験」は、英語・国語・選択科目という、私立大学文科系学部そのものの入学試験で、全学部・全学科が300点満点の入学試験である。全国7会場にて行われる。 「学部個別入学試験」は、3教科同一配点(合計300点満点)のA方式、出願時に申請した1科目を150点(合計350点満点)とするB方式、英語150点と他教科・科目100点(合計350点満点)とするC方式、国語150点と他教科・科目100点(合計350点満点)とするD方式、英語100点と数学200(合計300点満点)によるF方式などがある。 これらのうち、A、B、C、D方式は、各教科・各科目の配点こそ異なるものの同一問題である。E方式とF方式においても、英語のみは、他の入試方式と同一のものである。 E方式とF方式にわたる併願はできないが、他の方式は併願が可能(ただし、「倫理」は文学部、人間科学部のみ選択可)。 かつては、一部の学部・学科の受験者を対象として、選択科目に「情報」や「簿記・会計」も含まれていたが、近年、選択できなくなった。 なお、会場は、専修大学(神田・生田)を含む全国7会場から選択できる。 ネットワーク情報学部においては、2021年度入試より大学独自試験(一般選抜の前期入学試験(A方式)、全学部統一入学試験、後期入学試験)に、大学入学共通テストの数学I・A受験が必須となる。また、これに基準点が設けられる(ただし、合計点には含まない)。 例年、2月28日に実施される。 英語・国語・選択科目という、私立大学文科系学部そのものの入学試験で、全学部・全学科が300点満点の入学試験。会場は専修大学(神田・生田)のみである。 神田キャンパスにて開講される、二部(夜間部)の一般入学試験(二部には、このほかにも入学試験制度があるが、ここでは、この入学試験に絞って紹介する)。 毎年3月に行われ、必須科目は国語100点、選択科目として外国語(英語)・地理歴史・公民・数学から1科目100点の200点満点である。 国語は古文・漢文が試験から除かれている。 試験会場は専修大学神田キャンパスのみである。 その後、二部は2020年度入学試験をもって募集停止となった。 外国語は英語のみ選択できる(センター試験利用入試を除く)。大きく分けて読解問題と文法・語彙問題が出題される。かつては会話の空所補充問題や短文に単語を補充して文を完成させる問題が出題されることもあったが、減少傾向にある。また、文法・語彙問題には和文対照英文の整序問題が必ず含まれる。 現代文、国語常識、古典が出題される(センター試験利用入試を除く)。 日本史B 時代順の出題でも、政治史のみの出題でもない。時代の偏りはあまりない。2000年代初頭には、難問ではないにせよ、専修大学の歴史と関わる事象を問うものなどが出題されたこともあったが、その後は、難問、奇問、悪問の類が出題されることはほとんどない。 世界史B 地理歴史の中で唯一記述式である。 地理B 8割程度、基礎的な内容が問われる。地形図の読図は毎年出題されているため、日ごろの勉強で練習しておきたい。また、位置関係も重要。地図帳で確認すること。 政治・経済 倫理 文学部と人間科学部のみ選択可。マークセンス方式で解答をする問題の他に、約60字の論述問題が一題出題されることが特徴。文学部哲学科の常勤教員が総出で作問しており、東洋思想も含めて出題に偏りはない。 文系 数学I・数学II・数学Aを範囲として出題される。全問記述式である。2021年度入学試験から数学B(数列・ベクトル)が範囲として追加される。 理系 ネットワーク情報学部のF方式(英語と数学のみ)の数学として出題される。数学I・数学II・数学III・数学A・数学Bが出題の範囲。全問記述式である。 簿記・会計 選択科目として出題されていたことがあるが、2020年現在においては出題されていない。 日商簿記2級レベルから日商簿記1級程度の会計基準・会計制度の問題が出題されていた。仕訳問題、総合問題(P/L・B/S・W/S・S/Sの作成)は必ず出題され、会計基準・会計制度の穴埋め問題、用語補充問題のいずれか1題が出題された。年度によって難易度は異なるが、過去に日商簿記1級程度の試験レベルの問題が出題されていることもあった。基礎の重視と問題演習を徹底することが対策になり得た。 平成18年度から平成21年度の経営学部一般前期入試A方式、B方式の選択科目のひとつとして、平成11年3月に告示された高等学校学習指導要領による普通教科「情報」を導入していたことがある。
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日本の大学受験ガイド > 専修大対策 本項は、専修大学の入学試験対策に関する事項である。 専修大学は、東京都千代田区と神奈川県川崎市にキャンパスがある日本の私立大学である。歴史は古く、1880年に創立された専修学校が前身で、2020年に創立140周年となった。受験生は東京都、神奈川県を中心に全都道府県から集う。
{{wikipedia|専修大学}} *[[日本の大学受験ガイド]] > [[専修大対策]] 本項は、[[w:専修大学|専修大学]]の入学試験対策に関する事項である。 専修大学は、東京都千代田区と神奈川県川崎市にキャンパスがある日本の私立大学である。歴史は古く、1880年に創立された専修学校が前身で、2020年に創立140周年となった。受験生は東京都、神奈川県を中心に全都道府県から集う。 == 全体 == 専修大学の入学試験は、1986年度の経営学部入学試験で私立大学の一般的な3科目による入学試験とは別に、英語と小論文による入学試験を導入するなど、入学試験の方式を複数導入する動きなどが見られるが、基本的には3教科による入学試験を行っている。その後、一般入試の場合は入学試験日が同じであれば基本的に同じ入学試験問題であることを利用して(一部の学部・学科で見られる入試方式を除けば学部独自の入試問題の出題を取りやめたこともあり)、一定の条件下で併願ができるようになっている。 また、2000年代前後よりセンター試験方式およびセンター試験併用方式の導入が行われたり、2000年代前後より一部の科目以外は基本的に客観式(マークセンス方式)を採用している。 試験会場は専修大学の各キャンパス(神田・生田)のほか、全国数か所の学外会場(予備校など)である。受験生には願書に第一希望と第二希望の会場をマークして出願することが求められる。ただし、各会場の受け入れ人数を超えた場合や一部の科目を選択する場合、一部の入試方式については、会場が専修大学のいずれかのキャンパスが指定される。 なお、専修大学各キャンパスを含め、どの会場を選択した場合でも、試験開始時と終了時はチャイムはなく(試験監督によるアナウンスのみである)、また大学会場では教室内に時計がないために、時計の持参が必要である(携帯電話の時計は時計代わりに使うことを認めていない)。遅刻は各科目の開始20分後まで認められる。 = 試験方式 = == 概要 == 大まかには「センター試験利用の入学試験」と「大学独自の入学試験」の二つに分けられるが、「センター試験」と「大学独自の入学試験」を併用している方式をとる学部・学科もある。以下、主として2014年度の入学試験を参照に記す(センター試験のみ利用の入学試験と、「センター試験」と「大学独自の入学試験」を併用した入学試験については省略)。 === 「スカラシップ・全国入学試験」 === 大学当局から、試験区分としては「スカラシップ・全国入学試験」と紹介されるが、試験日が同一なだけで、「スカラシップ入学試験」と「全国入学試験」という、別々の方式のものである。 「スカラシップ入学試験」は、試験科目こそ、英語・国語・選択科目という、私立大学文科系学部そのものの入学試験であるが、願書とともに志望理由書の提出が必要であり、また、基準点が設けられる(例年、300点満点で約220点)。例年、募集人員=合格者は、一部の全学部・全学科で100名となっており、学部や学科によっては合格者を出さないこともある。各学部・学科間の併願は不可。 「全国入学試験」は、英語・国語・選択科目という、私立大学文科系学部そのものの入学試験で、文学部英語英米文学科のみ350点満点、その他の学部・学科は300点満点となっている。「スカラシップ入学試験」とは異なり、各学部・学科間の併願は可能。 なお、上述の二つの入学試験は、専修大学(神田・生田)を含む全国17会場で実施される。 === 前期入学試験 === 「スカラシップ・全国入学試験」とともに二月の前半に行われる入学試験であり、「全学部統一入学試験」と「学部個別入学試験」からなる。 「全学部統一入学試験」は、英語・国語・選択科目という、私立大学文科系学部そのものの入学試験で、全学部・全学科が300点満点の入学試験である。全国7会場にて行われる。 「学部個別入学試験」は、3教科同一配点(合計300点満点)のA方式、出願時に申請した1科目を150点(合計350点満点)とするB方式、英語150点と他教科・科目100点(合計350点満点)とするC方式、国語150点と他教科・科目100点(合計350点満点)とするD方式、英語100点と数学200(合計300点満点)によるF方式などがある。 これらのうち、A、B、C、D方式は、各教科・各科目の配点こそ異なるものの同一問題である。E方式とF方式においても、英語のみは、他の入試方式と同一のものである。 E方式とF方式にわたる併願はできないが、他の方式は併願が可能(ただし、「倫理」は文学部、人間科学部のみ選択可)。 かつては、一部の学部・学科の受験者を対象として、選択科目に「情報」や「簿記・会計」も含まれていたが、近年、選択できなくなった。 なお、会場は、専修大学(神田・生田)を含む全国7会場から選択できる。 ネットワーク情報学部においては、2021年度入試より大学独自試験(一般選抜の前期入学試験(A方式)、全学部統一入学試験、後期入学試験)に、大学入学共通テストの数学I・A受験が必須となる。また、これに基準点が設けられる(ただし、合計点には含まない)。 ===後期入学試験=== 例年、2月28日に実施される。 英語・国語・選択科目という、私立大学文科系学部そのものの入学試験で、全学部・全学科が300点満点の入学試験。会場は専修大学(神田・生田)のみである。 ===二部一般入試=== 神田キャンパスにて開講される、二部(夜間部)の一般入学試験(二部には、このほかにも入学試験制度があるが、ここでは、この入学試験に絞って紹介する)。 毎年3月に行われ、必須科目は国語100点、選択科目として外国語(英語)・地理歴史・公民・数学から1科目100点の200点満点である。 国語は古文・漢文が試験から除かれている。 試験会場は専修大学神田キャンパスのみである。 その後、二部は2020年度入学試験をもって募集停止となった。 == 各教科・科目 == === 外国語 === 外国語は英語のみ選択できる(センター試験利用入試を除く)。大きく分けて読解問題と文法・語彙問題が出題される。かつては会話の空所補充問題や短文に単語を補充して文を完成させる問題が出題されることもあったが、減少傾向にある。また、文法・語彙問題には和文対照英文の整序問題が必ず含まれる。 === 国語 === 現代文、国語常識、古典が出題される(センター試験利用入試を除く)。 *現代文:漢字は、高校の授業で扱うような簡単なものが出題される。いきなり文章を読み始めるのではなく設問で傍線部の何を聞かれているのかチェックしてから読むことが重要。専修大学の現代文は、根拠が明確に書いてあり、斜め読み・読み飛ばしは厳禁。 *国語常識:ことわざや慣用句の間違い探し、意味との接続、現代文法(中学内容)、最初に示した文章の漢字と同一のものの選択などからなる。5問中3問は取れるようにしたい。2020年に2021年度入学試験からは独立した大問としては出題されなくなることが発表された。 *古典:古文は、主に読解がメイン。だれが、だれに、どこで、何をしたのかを読めるようにしたい。ネットワーク情報学部、二部一般入学試験では出題されまない(試験範囲としては「現代文」となっている)。 === 地理歴史 === '''日本史B'''<br /> 時代順の出題でも、政治史のみの出題でもない。時代の偏りはあまりない。2000年代初頭には、難問ではないにせよ、専修大学の歴史と関わる事象を問うものなどが出題されたこともあったが、その後は、難問、奇問、悪問の類が出題されることはほとんどない。 '''世界史B'''<br /> 地理歴史の中で唯一記述式である。 '''地理B'''<br /> 8割程度、基礎的な内容が問われる。地形図の読図は毎年出題されているため、日ごろの勉強で練習しておきたい。また、位置関係も重要。地図帳で確認すること。 === 公民 === '''政治・経済'''<br /> '''倫理'''<br /> 文学部と人間科学部のみ選択可。マークセンス方式で解答をする問題の他に、約60字の論述問題が一題出題されることが特徴。文学部哲学科の常勤教員が総出で作問しており、東洋思想も含めて出題に偏りはない。 === 数学 === '''文系''' 数学I・数学II・数学Aを範囲として出題される。全問記述式である。2021年度入学試験から数学B(数列・ベクトル)が範囲として追加される。 '''理系''' ネットワーク情報学部のF方式(英語と数学のみ)の数学として出題される。数学I・数学II・数学III・数学A・数学Bが出題の範囲。全問記述式である。 === 商業 === '''簿記・会計''' 選択科目として出題されていたことがあるが、2020年現在においては出題されていない。 [[日商簿記]]2級レベルから[[日商簿記]]1級程度の会計基準・会計制度の問題が出題されていた。仕訳問題、総合問題(P/L・B/S・W/S・S/Sの作成)は必ず出題され、会計基準・会計制度の穴埋め問題、用語補充問題のいずれか1題が出題された。年度によって難易度は異なるが、過去に[[日商簿記]]1級程度の試験レベルの問題が出題されていることもあった。基礎の重視と問題演習を徹底することが対策になり得た。 === 情報 === 平成18年度から平成21年度の経営学部一般前期入試A方式、B方式の選択科目のひとつとして、平成11年3月に告示された高等学校学習指導要領による普通教科「情報」を導入していたことがある。 == 備考 == =外部サイト= *[http://www.senshu-u.ac.jp/admiss_info.html 専修大学公式HP(学部入試情報)] [[Category:大学入試|せんしゅうだいたいさく]]
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2021-09-14T04:31:55Z
[ "テンプレート:Wikipedia" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E5%B0%82%E4%BF%AE%E5%A4%A7%E5%AF%BE%E7%AD%96
16,863
尾道市立大対策
本項は、尾道市立大学の入学試験対策に関する事項である。 公立大学法人尾道市立大学には、経済情報学部と芸術文化学部が設置されている。 推薦入試 (選抜方法)小論文、面接、調査書。小論文では経済情報学科で学ぶにあたって必要な読解力、文章表現能力、論理性や独創性、経済・社会問題に対する関心度などが総合的に評価される。面接では志望動機、将来の目標、社会的関心、高校生活、課外活動などについて質問され、資質や学習意欲が評価される。 一般入試(前期入試) 過去問は赤本が市販されている。大学に電話すると過去一年分のみ取り寄せ可能。科目は英語と数学IAII(Bは範囲外)。 【英語】 英語は基本的な問題が出題される。250~300字程度の中文が3つ、語句並び変え、前置詞などの穴埋め問題が出題される。センター試験の演習を十分にしていれば特に困らない。センター試験をただ単に答えを選ぶだけでなく、「なぜ答えがこのようになるのか?」ということを考えながら解くと、良い2次対策にもなるであろう。なお試験は記述式である。 【数学】 数学はIAIIが範囲である。内容は教科書の章末問題レベルである。大問で3題出題され、大問2(数A分野の問題)の[A]、[B]の2題からどちらか1題を選択して解答する。記述式であるが、難しい問題には誘導問題があるので全く解けないということはないであろう。対策としては、標準的な問題が載った薄い問題集を何度も繰り返しやることをお勧めする。 推薦入試(日本文学科) (選抜方法)小論文、面接、調査書。小論文では読解力、論理的思考力、ならびに文章表現力などが総合的に評価される。面接では、志望の理由や専門分野に対する興味・関心のありかたとその理解度、および学習意欲の程度などが総合的に評価される。 推薦入試(美術学科) (選抜方法)実技検査、面接、調査書。実技検査(デッサン)は、空間の中の物の形が線・面・量などによって明確に描出されているか、かつ感性豊かに空間構成されているかという観点に基づき、潜在的可能性を含めて評価される。
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日本の大学受験ガイド > 尾道市立大対策 本項は、尾道市立大学の入学試験対策に関する事項である。 公立大学法人尾道市立大学には、経済情報学部と芸術文化学部が設置されている。
*[[日本の大学受験ガイド]] > [[尾道市立大対策]] 本項は、[[w:尾道市立大学|尾道市立大学]]の入学試験対策に関する事項である。 公立大学法人尾道市立大学には、経済情報学部と芸術文化学部が設置されている。 == 経済情報学部 == '''推薦入試''' (選抜方法)小論文、面接、調査書。小論文では経済情報学科で学ぶにあたって必要な読解力、文章表現能力、論理性や独創性、経済・社会問題に対する関心度などが総合的に評価される。面接では志望動機、将来の目標、社会的関心、高校生活、課外活動などについて質問され、資質や学習意欲が評価される。 '''一般入試(前期入試)''' 過去問は赤本が市販されている。大学に電話すると過去一年分のみ取り寄せ可能。科目は英語と数学IAII(Bは範囲外)。 '''【英語】''' 英語は基本的な問題が出題される。250~300字程度の中文が3つ、語句並び変え、前置詞などの穴埋め問題が出題される。センター試験の演習を十分にしていれば特に困らない。センター試験をただ単に答えを選ぶだけでなく、「なぜ答えがこのようになるのか?」ということを考えながら解くと、良い2次対策にもなるであろう。なお試験は記述式である。 '''【数学】''' 数学はIAIIが範囲である。内容は教科書の章末問題レベルである。大問で3題出題され、大問2(数A分野の問題)の[A]、[B]の2題からどちらか1題を選択して解答する。記述式であるが、難しい問題には誘導問題があるので全く解けないということはないであろう。対策としては、標準的な問題が載った薄い問題集を何度も繰り返しやることをお勧めする。  == 芸術文化学部 == '''推薦入試(日本文学科)''' (選抜方法)小論文、面接、調査書。小論文では読解力、論理的思考力、ならびに文章表現力などが総合的に評価される。面接では、志望の理由や専門分野に対する興味・関心のありかたとその理解度、および学習意欲の程度などが総合的に評価される。 '''推薦入試(美術学科)''' (選抜方法)実技検査、面接、調査書。実技検査(デッサン)は、空間の中の物の形が線・面・量などによって明確に描出されているか、かつ感性豊かに空間構成されているかという観点に基づき、潜在的可能性を含めて評価される。 [[Category:大学入試|おのみちたいたいさく]]
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2020-08-29T16:37:29Z
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16,864
一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第330条
法学>民事法>一般社団法人及び一般財団法人に関する法律 (商業登記法 の準用)
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法学>民事法>一般社団法人及び一般財団法人に関する法律
[[法学]]>[[民事法]]>[[一般社団法人及び一般財団法人に関する法律]] ==条文== (商業登記法 の準用) ;第330条 : [[商業登記法第1条の3|商業登記法(昭和38年法律第125号)第1条の3]]から[[商業登記法第5条|第5条]]まで、[[商業登記法第7条|第7条]]から[[商業登記法第15条|第15条]]まで、[[商業登記法第17条|第17条]]から[[商業登記法第27条|第27条]]まで、[[商業登記法第33条|第33条]]、[[商業登記法第49条|第49条]]から[[商業登記法第52条|第52条]]まで、[[商業登記法第72条|第72条]]、[[商業登記法第82条|第82条]]、[[商業登記法第83条|第83条]]及び[[商業登記法第132条|第132条]]から[[商業登記法第148条|第148条]]までの規定は、1般社団法人等に関する登記について準用する。この場合において、これらの規定(同法第27条 及び第33条第1項 中「本店」とある部分を除く。)中「商号」とあるのは「名称」と、「本店」とあるのは「主たる事務所」と、「支店」とあるのは「従たる事務所」と、同法第1条の3 及び第24条第1号 中「営業所」とあるのは「事務所」と、同法第27条 及び第33条第1項 中「営業所(会社にあつては、本店。以下この条において同じ。)の」とあり、並びに同法第27条 並びに第33条第1項第4号 及び第2項 中「営業所の」とあるのは「主たる事務所の」と、同条第1項第4号 中「営業所を」とあるのは「主たる事務所を」と、同法第72条 中「会社法第472条第1項 本文」とあるのは「1般社団法人及び1般財団法人に関する法律(平成18年法律第48号)第149条第1項本文又は第203条第1項本文」と読み替えるものとする。 ==解説== ==参照条文== ---- {{前後 |[[一般社団法人及び一般財団法人に関する法律|一般社団・財団法人法]] |[[一般社団法人及び一般財団法人に関する法律#6|第6章 雑則]]<br> [[一般社団法人及び一般財団法人に関する法律#6-4|第4節 登記]]<br> [[一般社団法人及び一般財団法人に関する法律#6-4-5|第5款 登記の手続等]] |[[一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第329条|第229条]]<br>(従たる事務所の所在地における登記の申請) |[[一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第331条|第331条]]<br>(公告方法) }} {{stub}} [[category:一般社団法人及び一般財団法人に関する法律|330]]
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2012-04-01T08:58:03Z
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16,882
労働基準法施行規則第19条
労働基準法施行規則(前)(次)
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労働基準法施行規則(前)(次)
[[労働基準法施行規則]]([[労働基準法施行規則第18条|前]])([[労働基準法施行規則第19条の2|次]]) ==条文== ;第19条   #[[労働基準法第37条|法第37条]]第1項 の規定による通常の労働時間又は通常の労働日の賃金の計算額は、次の各号の金額に[[労働基準法第33条|法第33条]] 若しくは[[労働基準法第36条|法第36条]]第1項 の規定によつて延長した労働時間数若しくは休日の労働時間数又は午後十時から午前五時(厚生労働大臣が必要であると認める場合には、その定める地域又は期間については午後十一時から午前六時)までの労働時間数を乗じた金額とする。 #:一  時間によつて定められた賃金については、その金額 #:二  日によつて定められた賃金については、その金額を一日の所定労働時間数(日によつて所定労働時間数が異る場合には、一週間における一日平均所定労働時間数)で除した金額 #:三  週によつて定められた賃金については、その金額を週における所定労働時間数(週によつて所定労働時間数が異る場合には、四週間における一週平均所定労働時間数)で除した金額 #:四  月によつて定められた賃金については、その金額を月における所定労働時間数(月によつて所定労働時間数が異る場合には、一年間における一月平均所定労働時間数)で除した金額 #:五  月、週以外の一定の期間によつて定められた賃金については、前各号に準じて算定した金額 #:六  出来高払制その他の請負制によつて定められた賃金については、その賃金算定期間(賃金締切日がある場合には、賃金締切期間、以下同じ)において出来高払制その他の請負制によつて計算された賃金の総額を当該賃金算定期間における、総労働時間数で除した金額 #:七  労働者の受ける賃金が前各号の二以上の賃金よりなる場合には、その部分について各号によつてそれぞれ算定した金額の合計額 #休日手当その他前項各号に含まれない賃金は、前項の計算においては、これを月によつて定められた賃金とみなす。 ==解説== *法第37条(時間外、休日及び深夜の割増賃金) *法第33条(災害等による臨時の必要がある場合の時間外労働等) *法第36条(時間外及び休日の労働) ==参照条文== ==判例== {{stub}} [[category:労働基準法施行規則|19]]
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2022-12-18T06:57:49Z
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16,883
労働基準法施行規則第25条
労働基準法施行規則(前)(次) (有給休暇の期間に支払われる賃金の算定)
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労働基準法施行規則(前)(次)
[[労働基準法施行規則]]([[労働基準法施行規則第24条の4|前]])([[労働基準法施行規則第25条の2|次]]) ==条文== (有給休暇の期間に支払われる賃金の算定) ;第25条   #[[労働基準法第39条|法第39条]]第7項 の規定による所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金は、次の各号に定める方法によつて算定した金額とする。 #:一  時間によつて定められた賃金については、その金額にその日の所定労働時間数を乗じた金額 #:二  日によつて定められた賃金については、その金額 #:三  週によつて定められた賃金については、その金額をその週の所定労働日数で除した金額 #:四  月によつて定められた賃金については、その金額をその月の所定労働日数で除した金額 #:五  月、週以外の一定の期間によつて定められた賃金については、前各号に準じて算定した金額 #:六  出来高払制その他の請負制によつて定められた賃金については、その賃金算定期間(当該期間に出来高払制その他の請負制によつて計算された賃金がない場合においては、当該期間前において出来高払制その他の請負制によつて計算された賃金が支払われた最後の賃金算定期間。以下同じ。)において出来高払制その他の請負制によつて計算された賃金の総額を当該賃金算定期間における総労働時間数で除した金額に、当該賃金算定期間における一日平均所定労働時間数を乗じた金額 #:七  労働者の受ける賃金が前各号の二以上の賃金よりなる場合には、その部分について各号によつてそれぞれ算定した金額の合計額 #法第39条第7項 本文の厚生労働省令で定めるところにより算定した額の賃金は、平均賃金若しくは前項の規定により算定した金額をその日の所定労働時間数で除して得た額の賃金とする。 #法第39条第7項 ただし書の厚生労働省令で定めるところにより算定した金額は、[[健康保険法第99条|健康保険法 (大正十一年法律第七十号)第99条]]第1項 に定める標準報酬日額に相当する金額をその日の所定労働時間数で除して得た金額とする。 ==解説== *法第39条(年次有給休暇) *健康保険法(大正十一年法律第七十号)第99条(傷病手当金) ==参照条文== ==判例== {{stub}} [[category:労働基準法施行規則|25]]
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2012-05-06T02:26:27Z
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16,884
労働基準法施行規則第31条
労働基準法施行規則(前)(次) 使用者にはその使用する労働者に対し、当該労働者の労働時間が6時間を超える場合においては少なくとも45分、8時間を超える場合においては少なくとも1時間の休憩を、労働時間の途中に付与しなければならない(労働基準法34条)。この休憩時間は一斉に与えなければならない(同条2項)が、則31条の規定により、一部業種に限りその義務が排除されている。 具体的には、以下の業種が一斉付与義務を排除されている。 運輸交通業、商業、金融広告業、映画演劇業、通信業、保健衛生業、接客娯楽業、官公署
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "労働基準法施行規則(前)(次)", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "使用者にはその使用する労働者に対し、当該労働者の労働時間が6時間を超える場合においては少なくとも45分、8時間を超える場合においては少なくとも1時間の休憩を、労働時間の途中に付与しなければならない(労働基準法34条)。この休憩時間は一斉に与えなければならない(同条2項)が、則31条の規定により、一部業種に限りその義務が排除されている。 具体的には、以下の業種が一斉付与義務を排除されている。", "title": "解説" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "運輸交通業、商業、金融広告業、映画演劇業、通信業、保健衛生業、接客娯楽業、官公署", "title": "解説" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "", "title": "判例" } ]
労働基準法施行規則(前)(次)
[[労働基準法施行規則]]([[労働基準法施行規則第2条|前]])([[労働基準法施行規則第32条|次]]) ==条文== ;第31条   :[[労働基準法別表第1|法別表第一]]第四号、第八号、第九号、第十号、第十一号、第十三号及び第十四号に掲げる事業並びに官公署の事業(同表に掲げる事業を除く。)については、[[労働基準法第34条|法第34条]]第2項 の規定は、適用しない。 ==解説== 使用者にはその使用する労働者に対し、当該労働者の労働時間が6時間を超える場合においては少なくとも45分、8時間を超える場合においては少なくとも1時間の休憩を、労働時間の途中に付与しなければならない(労働基準法34条)。この休憩時間は一斉に与えなければならない(同条2項)が、則31条の規定により、一部業種に限りその義務が排除されている。 具体的には、以下の業種が一斉付与義務を排除されている。 運輸交通業、商業、金融広告業、映画演劇業、通信業、保健衛生業、接客娯楽業、官公署 ==参照条文== ==判例== {{stub}} [[category:労働基準法施行規則|34]]
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2022-12-30T10:01:23Z
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16,894
労働基準法施行規則第24条
労働基準法施行規則(前)(次)
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "労働基準法施行規則(前)(次)", "title": "" } ]
労働基準法施行規則(前)(次)
[[労働基準法施行規則]]([[労働基準法施行規則第23条|前]])([[労働基準法施行規則第24条の2|次]]) ==条文== ;第24条   :使用者が一団として入坑及び出坑する労働者に関し、その入坑開始から入坑終了までの時間について様式第十一号によつて所轄労働基準監督署長の許可を受けた場合には、[[労働基準法第38条|法第38条]]第2項 の規定の適用については、入坑終了から出坑終了までの時間を、その団に属する労働者の労働時間とみなす。 ==解説== *法第38条(時間計算) ==参照条文== {{stub}} [[category:労働基準法施行規則|24]]
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2012-04-21T03:52:15Z
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16,895
労働基準法施行規則第15条
労働基準法施行規則(前)(次)
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "労働基準法施行規則(前)(次)", "title": "" } ]
労働基準法施行規則(前)(次)
[[労働基準法施行規則]]([[労働基準法施行規則第16条|前]])([[労働基準法施行規則第16条|次]]) ==条文== ;第15条   #使用者は、[[労働基準法第34条|法第34条]]第2項 ただし書の協定をする場合には、一斉に休憩を与えない労働者の範囲及び当該労働者に対する休憩の与え方について、協定しなければならない。 #前項の規定は、労使委員会の決議及び労働時間等設定改善委員会の決議について準用する。 ==解説== *法第34条(休憩) ==参照条文== {{stub}} [[category:労働基準法施行規則|15]]
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2012-04-21T04:04:21Z
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16,896
職業安定法第18条
職業安定法 (求人又は求職の開拓等)
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "職業安定法", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "(求人又は求職の開拓等)", "title": "条文" } ]
職業安定法
[[職業安定法]] ==条文== (求人又は求職の開拓等) ;第18条   #公共職業安定所は、他の法律の規定に基づいて行うもののほか、厚生労働省令で定めるところにより、求職者に対しその能力に適合する職業に就く機会を与えるため、及び求人者に対しその必要とする労働力を確保することができるようにするために、必要な求人又は求職の開拓を行うものとする。 #公共職業安定所は、前項の規定による求人又は求職の開拓に関し、地方公共団体、事業主の団体、労働組合その他の関係者に対し、情報の提供その他必要な連絡又は協力を求めることができる。 ==解説== ==参照条文== ==判例== #[http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=19557&hanreiKbn=06 八洲測量賃金請求](東京地方裁判所判決 昭和54年10月29日)[[労働基準法第15条]] #:→[[労働基準法第15条#判例]]参照 ---- {{前後 |[[職業安定法]] |[[職業安定法#第2章 職業安定機関の行う職業紹介及び職業指導|第2章 職業安定機関の行う職業紹介及び職業指導]]<br />[[職業安定法#第2節 職業紹介 (第17条~第21条)|第2節 職業紹介]] |[[職業安定法第17条]]<br />(職業紹介の地域) |[[職業安定法第19条]]<br />(公共職業訓練のあつせん) }} {{stub|law}} [[category:職業安定法|18]]
2012-04-21T04:15:59Z
2023-12-10T13:17:45Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/%E8%81%B7%E6%A5%AD%E5%AE%89%E5%AE%9A%E6%B3%95%E7%AC%AC18%E6%9D%A1
16,898
不動産登記規則第178条
法学>民事法>コンメンタール不動産登記法>不動産登記令>コンメンタール不動産登記規則 (法第105条第一号 の仮登記の要件)
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "法学>民事法>コンメンタール不動産登記法>不動産登記令>コンメンタール不動産登記規則", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "(法第105条第一号 の仮登記の要件)", "title": "条文" } ]
法学>民事法>コンメンタール不動産登記法>不動産登記令>コンメンタール不動産登記規則
[[法学]]>[[民事法]]>[[コンメンタール不動産登記法]]>[[不動産登記令]]>[[コンメンタール不動産登記規則]] ==条文== (法第105条第一号 の仮登記の要件) ;第178条 # [[不動産登記法第105条|法第105条]]第一号に規定する法務省令で定める情報は、登記識別情報又は第三者の許可、同意若しくは承諾を証する情報とする。 ==解説== ==参照条文== ---- {{前後 |[[コンメンタール不動産登記規則|不動産登記規則]] |[[コンメンタール不動産登記規則#s3|第3章 登記手続]]<br> [[コンメンタール不動産登記規則#s3-1|第3節 権利に関する登記]]<br> [[コンメンタール不動産登記規則#s3-3-6|第6款 仮登記]]<br> |[[不動産登記規則第177条]]<br>(託目録) |[[不動産登記規則第179条]]<br>(仮登記及び本登記の方法) }} {{stub}} [[category:不動産登記規則|178]]
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2012-04-22T10:52:44Z
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Haskell/Denotational semantics
この章ではHaskellプログラムの意味がどのように形式化されるかという表示的意味論(denotational semantics)を説明します。「square x = x*x というプログラムの意味は、数をその平方数に写す数学の平方関数だ」ということを形式的に規定することはつまらないことにみえるかもしれませんが、それでは f x = f (x+1) のような無限ループするプログラムの意味はどうでしょうか? 以下ではまずこの疑問に対するScottとStracheyのアプローチを例示し、概して関数プログラムの、特に再帰的な定義の正しさについて論じる基盤を得ることにしましょう。もちろん、これらのトピックではHaskellプログラムを理解するために必要なものに集中します。 この章の他の狙いは、ある関数がその引数を評価する必要があるかどうかというアイディアを捉えた正格と遅延の概念を説明することです。 興味深いことに、これらの概念は実行モデルを参照する必要なく、表示的意味論のみで簡明に定式化することができます。これらは、グラフ簡約でも利用されています。しかし、この章では表示的な定義と⊥ ("Bottom")のような関連する概念に慣れていきましょう。正格性に興味がある読者は、#ボトムと部分関数と#正格と非正格の意味のセクションを見てください。 Haskellプログラムは何を意味するでしょうか? この質問はHaskellの表示的意味論によって答えることが出来ます。一般的にプログラミング言語の表示的意味論はプログラムをそれぞれプログラムの「意味」を表す対応する数学的対象 (denotation : 表示) へ写します。例を挙げると、Haskellプログラム10、 9+1、 2*5 そしてsum [1..4]に対応する数学的対象は、整数10と表現できます。このとき、これらのプログラムは整数10を表示(denote)すると言います。プログラムに対応する数学的対象の集まりは意味領域(semantic domain)と呼ばれます。 プログラムコードから意味領域への写像は、通例、プログラムコードの周りに二重の四角いブラケット(Oxford brackets)で書かれます。例えば、 表示は合成的、すなわち、1+9のようなプログラムの意味は、その成分の意味にのみ依存します。 同じ表記が、型にも使われます。すなわち、 しかし説明を簡単にするため、後の章ではこれらの式を意味対象と暗黙に同一視し、区別を明確にする必要がある場合に限り、この表記法を使うことにします。 Haskellのような純粋関数型言語の、一つのキーとなる性質は、「1+9 は 10 を表示する」のような数学の直接的な解釈がそのまま関数にも引き継がれることです。本質的には、 Integer -> Integer 型のプログラムは、整数間の数学的な関数 Z → Z {\displaystyle \mathbb {Z} \to \mathbb {Z} } を表示します。この式も非停止性を含めるために一般に修正が要るのですが、命令型言語の場合の状況はより悪いです。その型を持つ手続きは、機械の状態をひょっとしたら意図しない方法で変更するような何かを表示します。命令型言語はその言語を機械で実行する方法の記述である操作的意味論に密接に関連しています。 命令型プログラムの表示的意味論を定義し、そのようなプログラムに使用して論じることは可能ですが、そうして定義した意味はしばしば操作的な性質を持っていて、時には関数型言語のための表示的意味論よりも拡張する必要があります。 対照的に、純粋関数型言語の意味はデフォルトで実行の方法から完全に独立しています。 Haskell98の言語仕様でさえ、Haskellの非正格な表示的意味論だけで規定されており、実装方法については規定されていません。 それぞれのHaskellプログラムの適切な数学的対象を探ってみることにしましょう。 例として 10, 2*5 と sum [1..4] の場合、これら全ての式は明確に整数10を表示するでしょう。 一般化すると、任意のInteger型の値 x は集合 Z {\displaystyle \mathbb {Z} } の元であるようです。 同じ事は、Bool 型でも行うことができます。 f :: Integer -> Integer のような関数は、(引数、値)の組の集合として「関数」を数学的に定義することができ、これは一種のグラフ (graph)です。 しかし、関数をただグラフだ、と解釈するのは早計です。なぜなら、それは再帰的な定義では上手くいかないからです。以下の定義について考えてみます。 このコードを 「0、1、2 は長い髭の男性とします。誰が誰の髭を剃っているでしょうか?」 という問題だと考えてみましょう。1の人物は彼自身で、しかし2 の髭は床屋である 0が剃っています。なぜなら 3番目の等式により 0 `shaves` 2 == True だからです。一般に、3行目が言っているのは、「床屋 0 は自分自身ではひげを剃らない、全ての人のひげを剃る」ということです。 では床屋 0 彼自身についてはどうでしょう? 0 `shaves` 0 は True と False どちらでしょうか? もし、この式がTrueだとすると、3行目の等式はFalseであり、Falseであるなら3行目の等式はTrueだと言っています。わけがわかりませんが、私たちは単に「0 `shaves` 0 はTrue、またはFalseである」と言うことはできないということだけはわかります。 グラフを用いて関数 shaves を解釈するには、空の点が絶対に必要です。私たちは、いくつかの引数で値が定義されていない 部分関数 (partial functions) を意味対象に組み込めなければなりません。 しかも、この有名な例では集合論の根幹に関わる重大な問題を引き起こしました。これは定義の中でそれ自身を定義に使っていて、論理が循環している非叙述的(impredicative)な定義の例です。残念なことに、再帰的な定義では循環は「問題」ではなく「特徴」です。 部分関数を定義するために、ボトム (bottom) と名付けられた特殊な値「⊥」を導入します(これはASCIIコードで_|_とも書かれます)。私たちは⊥を完全に未定義の値もしくは未定義の関数と言います。 Integer や () のような基本的なそれぞれのデータ型は、通常の要素に加えて⊥を含んでいます。つまり、 Integer 型が取り得る値は、 のようになります。値の集合に⊥を追加することを 持ち上げ (lifting)と呼びます。これは、しばしば Z ⊥ {\displaystyle \mathbb {Z} _{\bot }} のように添え字で示されます。これは数学的な集合「持ち上げられた整数」の正しい表記ですが、私たちは「Integer 型の値」のように話すことを好みます。これは、 Z ⊥ {\displaystyle \mathbb {Z} _{\bot }} という表示は他に「真の」整数 Z {\displaystyle \mathbb {Z} } が存在することを示唆しますが、Haskellでは整数といえば型 Integer のことを指すからです。 他の例として、 () 型はただ一つの要素しかないように思えますが、実際には二つの要素が属しています。 今のところ、私たちは Integer 型だけでのプログラミングに留まります。正格、非正格な言語で⊥を含んだ任意の代数的データ型がどのように発散するかは、セクション代数的データ型で扱われています。 Haskellでは、式 undefined は⊥を表示します。この助けを借りて、実際のHaskellプログラムのいくつかの意味的性質を確認することが出来ます。undefined はもちろんundefined :: Integer, undefined :: (), undefined :: Integer -> Integer などのようにどのような型にでも特化することができる多相型 forall a . a を持ちます。 これは Haskell の Preludeでは、 と定義されています。余談ですが、Curry-Howard同型に従って、多相型forall a . a の任意の値の表示は⊥でなければなりません。 ⊥ {\displaystyle \bot } (ボトム型) を使って部分関数を表すことができます。 ここで、 f ( n ) {\displaystyle f(n)} は n = 0 {\displaystyle n=0} と n = 1 {\displaystyle n=1} で定義された値を返しますが、他の全ての n {\displaystyle n} には ⊥ {\displaystyle \bot } を返します。 ⊥ {\displaystyle \bot } 型が値を持たないように、 ⊥ {\displaystyle \bot } は普遍的であることに注意してください。関数 ⊥ {\displaystyle \bot } :: Integer -> Integer は と定義されます。ここで、 右辺にある ⊥ {\displaystyle \bot } はInteger型の値を表します。 形式的には、Integer -> Integer という型を持つ 部分関数 とは、少なくとも持ち上げられた整数集合 Z ⊥ = { ⊥ , 0 , ± 1 , ± 2 , ± 3 , ... } {\displaystyle \mathbb {Z} _{\bot }=\{\bot ,0,\pm 1,\pm 2,\pm 3,\dots \}} から持ち上げられた整数集合への数学的な写像のことをいいます。しかし、 ⊥ {\displaystyle \bot } の特別な役割を認識していないので、それだけでは不十分です。例えば、つぎの定義 は直感に反するように見えますし、事実これは間違っています。 g ( 1 ) {\displaystyle g(1)} は未定義な一方、なぜ g ( ⊥ ) {\displaystyle g(\bot )} は値が定義されているのでしょうか? 直感では全ての部分関数 g {\displaystyle g} は、定義された引数が多いほど定義された結果が得られるべきです。 形式的には、全ての具体的な数は ⊥ {\displaystyle \bot } より更に定義されている(more defined)と言えます。 ここで、 a ⊏ b {\displaystyle a\sqsubset b} は b {\displaystyle b} が a {\displaystyle a} より更に定義されていることを表します。 同様に、 a ⊑ b {\displaystyle a\sqsubseteq b} は b {\displaystyle b} は a {\displaystyle a} より更に定義されているか、等しい(そのため同じだけの定義度)です。 ⊏ {\displaystyle \sqsubset } は意味近似順序(semantic approximation order)と呼ばれます。なぜなら、定義された値をより定義されていない値によって近似できるので、「更に定義されている」とは「よりよい近似である」だと解釈できるからです。もちろん、 ⊥ {\displaystyle \bot } はデータ型の最小元となるよう設計されており、 x が ⊥ {\displaystyle \bot } を表していた場合を除けば、全ての x {\displaystyle x} は ⊥ ⊏ x {\displaystyle \bot \sqsubset x} を常に満たすといつでも言えます: 他の数より "更に定義されている" ような数は存在しないので、任意の数の組における数学的な関係 ⊏ {\displaystyle \sqsubset } は偽になります。 これは、普通の順序述語 ≤ {\displaystyle \leq } では任意の二つの数を比較できるのとは対照的です。手っ取り早く覚える方法は次の文として考えるといいでしょう。「 1 {\displaystyle 1} と 2 {\displaystyle 2} は『情報の内容』としては異なるが、『情報の量』としては同じである。」。 それが、私たちが ≤ {\displaystyle \leq } と異なる記号 ⊑ {\displaystyle \sqsubseteq } を使うもうひとつの理由です。 ⊑ {\displaystyle \sqsubseteq } は半順序(partial order)を規定し、Integer型の値は半順序集合 (partially ordered set、poset)をなすと言います。半順序は次の三つの法則で特徴付けられます。 次のグラフによって、 Integer型の値における順序 ⊑ {\displaystyle \sqsubseteq } を表現することができます。 ここで、全ての二つのノード間のリンクは、上にある方が下にある方に比べて、更に定義されされているとします。( ⊥ {\displaystyle \bot } を除いて)階層は1レベルだけであるため、 Integer は平坦領域(flat domain)であるといいます。図で見ると ⊥ {\displaystyle \bot } が何故ボトムと呼ばれるのかがわかるでしょう。常に一番下に居座っているからです。 私達が部分関数に対して抱いた直感は、これで以下のように定式化することが出来ます。 特に、 h ( ⊥ ) = 1 {\displaystyle h(\bot )=1} である関数 h {\displaystyle h} は定数関数: h ( n ) = 1 {\displaystyle h(n)=1} for all n {\displaystyle n} です。ここでは、 1 ⊑ 2 {\displaystyle 1\sqsubseteq 2} 等が成立しないことが重要なことに注意してください。 Haskellに翻訳すると、単調性の意味は ⊥ {\displaystyle \bot } は条件式で使えない、すなわち、 ⊥ {\displaystyle \bot } や、それと等価なundefinedをパターンマッチ出来ないということです。そうでないと、上記の例 g {\displaystyle g} がHaskellのプログラムとして表現できてしまいます。後で見るように、 ⊥ {\displaystyle \bot } はまた非停止プログラム(non-terminating program)をも表すので、Haskell内部から ⊥ {\displaystyle \bot } を観測することが出来ないことは、停止性問題と関連しているのです。 もちろん、より更に定義されているという概念は、任意の可能な引数について関数がもう一方より更に定義されていることを言うことで、部分関数に拡張可能です: したがって、部分関数もまた半順序集合をなし、未定義の関数 ⊥ ( x ) = ⊥ {\displaystyle \bot (x)=\bot } を最小元として持ちます。 これで私たちは部分関数を記述する手段を手に入れたので、再帰的定義の解釈を与えることができます。再帰関数の例としてよく知られている階乗関数 f ( n ) = n ! {\displaystyle f(n)=n!} を見てみましょう。 ここまでで見てきたように、この再帰関数を集合を記述したものとして直接解釈すると問題を引き起こしかねないのですが、与えられた全ての n {\displaystyle n} について f ( n ) {\displaystyle f(n)} を計算するためには右辺を繰り返していかなければならないことは直感的にわかります。この繰り返しは次のように形式化できます。一つ前の関数に次の定義を適用したもので右辺が構成されているような関数の列 f k {\displaystyle f_{k}} を計算するのです。 未定義の関数 f 0 ( n ) = ⊥ {\displaystyle f_{0}(n)=\bot } から始めると、部分関数の列は次のような結果になります。 などなど。明らかに、 となり、関数の列は階乗関数に収束するでしょう。 この反復は、不動点反復(fixed point iteration)としてよく知られる図式に沿っています。 ここでの場合、 x 0 {\displaystyle x_{0}} は関数、 g {\displaystyle g} は関数から関数への写像である汎関数です。 g ( x ) = n ↦ if n == 0 then 1 else n ∗ x ( n − 1 ) {\displaystyle g(x)=n\mapsto {\mbox{ if }}n==0{\mbox{ then }}1{\mbox{ else }}n*x(n-1)\,} もし x 0 = ⊥ {\displaystyle x_{0}=\bot } から始めると、反復によって増加的に定義されてゆく、階乗関数の近似関数列が得られます。 (この関数列が増加的であることの証明:まず、最初の不等式 ⊥ ⊑ g ( ⊥ ) {\displaystyle \bot \sqsubseteq g(\bot )} は、 ⊥ {\displaystyle \bot } がいかなるものより更に定義されてるということがないことから言えます。2番目の不等式は、最初の不等式の両辺にgを適用し g {\displaystyle g} が単調であることから言えます。3番目以降も同様です。) この反復の図式は、Haskellで記述してみると分かりやすいでしょう。汎関数は普通の高階関数ですので、次のように書けます。 これで、関数 f0,f1,...にサンプルの引数を与えて評価し、 undefined を返すかどうか見ることができます。 もちろん、f4が本当に全ての引数について未定義なのかを確認するのにこの方法は使えません。 数学者にとっては、この近似関数の列は収束するのかという問題が残っています。これに答えるために、有向完備半順序(directed complete partial order、dcpo)という概念を導入します。ある半順序集合について、全ての単調なシーケンス x 0 ⊑ x 1 ⊑ ... {\displaystyle x_{0}\sqsubseteq x_{1}\sqsubseteq \dots } (連鎖 (chain)とも呼ばれます) が上限(least upper bound、supremum) を持つとき、かつそのときに限って、その半順序集合は有向完備半順序であると言います。 明らかに、意味近似順序については高階関数を近似する階乗関数の単調な列が極限を持つことを確かめることが出来ます。私たちの表示的意味論については、最小元 ⊥ {\displaystyle \bot } を持つdcpoだけを取り扱います。そのようなdcpoは完備半順序(complete partial order、cpo)と呼ばれています。 明らかに Integer は(d)cpoです。なぜなら複数の要素からなる単調な列は以下の形式でなければならないからです。 ここで、 n {\displaystyle n} は普通の数です。それゆえ n {\displaystyle n} はすでに上限です。 関数Integer -> Integer については、単調なシーケンスは無限の長さかもしれないので、同じ論証が成立しません。しかしIntegerが(d)cpoであるため、全ての点 n {\displaystyle n} について、上限 が存在します。意味近似順序は各点ごとに定義されるので、この関数 f {\displaystyle f} が私たちが求めていた上限です。 これらは、階乗関数の非叙述的な定義をwell definedに構成されたものに変換するという私たちの目標のために最後にふれました。もちろん、全ての n {\displaystyle n} について実際に f ( n ) {\displaystyle f(n)} に値が定義されていることがまだ示されていません。しかし、これは難しくありませんし、不明確な定義(ill-formed definition)よりはるかに合理的です。 新しく得られた再帰的な定義についての洞察を停止しない例に試してみるのは有益です。 この関数の近似列を書き下せば となり、 ⊥ {\displaystyle \bot } だけで構成されています。明らかに、結果の極限もまた ⊥ {\displaystyle \bot } になります。操作的な観点からは、このプログラムを実行した機械は永久にループします。よって、非停止(non-terminating)な関数や値もまた ⊥ {\displaystyle \bot } で表せることが解ります。ゆえに、停止性問題の決定不能性を考えれば、Haskellの中で ⊥ {\displaystyle \bot } にパターンマッチさせることは不可能なのです。 以前、近似意味をよく知られた"不動点反復"の例と言いました。そしてもちろん、階乗関数 f {\displaystyle f} の定義は汎関数 g {\displaystyle g} の不動点の仕様としても考えることが出来ます。 しかしながら、不動点にも色々あるかもしれません。具体的には、仕様を満たす次のようないくつかの f {\displaystyle f} が存在します。 もちろん、このようなプログラムを実行するとき、 f ( 1 ) {\displaystyle f(1)} か f ( 2 ) {\displaystyle f(2)} なら機械は永久にループし f ( 1 ) {\displaystyle f(1)} の値について有用な情報を生成しません。これは意味対象 f {\displaystyle f} となるものとして最小に定義された不動点に対応し、これは確かに自然な選択(a canonical choice)です。したがって、 と言うとき、 g {\displaystyle g} の最小不動点 f {\displaystyle f} と定義します。明確に、最小は意味近似順序 ⊑ {\displaystyle \sqsubseteq } を基準にしています。 g {\displaystyle g} の条件に連続性(continuous、"chain continuous"とも呼ばれます)を加えたとき、私たちの反復構成は最小不動点の存在が保証されます。 g {\displaystyle g} が連続であるとは、単に g {\displaystyle g} が単調なシーケンスの上限を保つ、つまり であることです。次に、 を議論することができますので、 かつ繰り返しの極限は g {\displaystyle g} の不動点であることが確かめられます。また、不動点反復によって実際に最小の不動点が得られることも確かめたいと思うかもしれません。 ところで、私たちの書いたそれぞれのHaskell関数が確かに連続であることはどのように確認すれば良いのでしょうか?単調性と同様に、プログラミング言語によって強制されているはずです。確かに、これらの性質は少しだけ強制したり、破ったりすることができるので、質問には少し無意味さを感じます。 しかし直感的には、単調性は ⊥ {\displaystyle \bot } をパターンマッチさせることが不可能であることから保証されます。連続性については、任意の型aに対して、全ての単純な関数 a -> Integer は Integerの単調なシーケンスは有限の長さであることから自動的に連続であることが言えます。 全ての型aの値の無限の連鎖は、Integerの有限の連鎖に移され、上限を保つことは単調性から言えます。 g {\displaystyle g} ::(Integer -> Integer) -> (Integer -> Integer)のような高階関数の場合、連続性はカリー化のために具現化します。つまりカリー化によって問題の型は ::((Integer -> Integer), Integer) -> Integer と同型な型なので、a=((Integer -> Integer), Integer)とすることができます。 Haskellにおいて、高階関数の不動点解釈は、不動点コンビネータ の助けを得て、 のようにコーディングすることができます。 不動点コンビネータは、 によって定義することができ、これは階乗関数を展開するときに少し戸惑いを残しますが、結果は最初の方法でHaskellの階乗関数を定義したときと異なると言うことはありません。しかしもちろん、このセクション全体で行った構成は、現実のHaskellプログラムを走らせたときには常に起こるわけではありません。この構成はHaskellプログラムの数学的解釈を確かなものにするための手段にすぎません。しかしそれでも、undefinedの助けによって、Haskellだけを使ってこれらの意味論を探究することができるのはとても素晴らしいことです。 一引数の関数fが、 を満たすとき、かつそのときに限って、その関数は正格(strict)であると呼ばれます。 次の関数は例は全て正格関数です。 これらについて、特に予期しないことは何もありません。しかし何故これらの関数は正格なのでしょうか?それは、これらの関数を実際に正格であることを証明してみるのが有益でしょう。idの場合、これは定義からそのまま成り立ちます。succの場合、⊥ + 1は⊥になるか、またはそうでないかを熟慮する必要があります。もし、⊥にならないのならば、⊥ + 1 = 2もしくはより一般的に具体的なある数 kで⊥ + 1 = kと表せるでしょう。しかし全ての関数は単調であることを思い出すと、⊥ ⊑ 4 であることから のようにならなければなりません。しかし、2 ⊑ 5、2 = 5、2 ⊒ 5のいずれも成り立たないので、kは2ではありません。一般に、 は矛盾します。したがって唯一可能な選択肢は で、succは正格です。 非正格(non-strict)な関数を探してみましょう。Integer -> Integer型の非正格関数のプロトタイプが起こすことは一つだけです。 全ての具体的な数をk とすると constk x = k はその亜種です。何故これらが唯一可能なものなのでしょうか? one n は one ⊥より少なく定義されてはいけないことを思い出してください。Integerは平坦領域であるため、両者は等しくなければなりません。 なぜ one は非正格なのでしょうか?そのことを確認するために、Haskellのインタプリタを使って試してみると、 ⊥ではありません。oneはその引数を完全に無視するので、これは合理的です。 ⊥を"非停止"などの意味で解釈するとき、ある人はoneの非正格性とは、その引数を強制的に評価する際に無限ループは避けられないということを意味する、と言うかもしれません。しかし、またある人は、全ての関数は結果を計算する前にその引数を評価しなければならず、one ⊥ は⊥を意味しなければならない、と言うかもしれません。つまり、もし引数を計算するプログラムが停止しない場合、oneも同様に停止すべきではない、と。 これらの主張の違いは、関数型プログラミング言語の場合、使う人が自由に選ぶことができるか、または他の設計がなされているかに現れます。ある人は、言語の正格、非正格は、関数の評価が正格、非正格のどちらがデフォルトなのかに依存すると言います。Haskellの選択は非正格です。対照的に、MLとLispは正格な意味論を選択しています。 正格性の概念を多変数関数に拡張しましょう。例えば、二引数の関数 f が全ての x について を満たすとき、かつそのときに限って関数fは第二引数について正格であると言います。しかし多引数の場合、他の引数で与えた値に依存する混合形式の正格性がはるかに一般的です。例えば、条件式 におけるyの正格性は、bがTrueかFalseかどうかに依存することがわかります: xも同様です。どうやら、condはxとyが両方とも⊥なら確実に⊥になるようですが、どちらか一方の引数が少なくとも定義されているとは限りません。この振る舞いは正格性連結(joint strictness)と呼ばれています。 明らかにcondは、then節とelse節の両方を評価しない事が重要なif-then-else文のように振る舞います。 ここでは、条件が満たされたときelseの部分は⊥です。したがって、非正格言語では、if-then-elseのようなプリミティブな制御文をcondのような関数でラップすることができます。このように、自分の制御オペレータを自分で定義することができます。 正格言語では、これは非正格性は正格な場合に比べ、コードの再利用のためのより多くの柔軟性を提供する一般的な観察を垣間見ることがあります。この主題に関する詳細は、遅延性の章を見るといいでしょう。 このセクションは間違いであることが指摘されています(原文の議論を参照) 正格性や非正格性は、正格な言語でさえも注意することが重要で、全ての関数が正格ではありません。正格性と非正格性のどちらをデフォルトで選択したかは、特定の引数のデータ型に適用されます。Integer、(Bool,Integer)やEither String [Integer]のようなデータが含まれている引数の型は正格性を課しますが、Integer -> Boolのような関数型は必ずしも正格である必要はありません。Haskellライクな構文の正格言語を仮定して、インタープリタとセッションしてみます。 なぜ正格言語の関数型の引数は正格ではないのでしょうか?もし正格だった場合は、不動点反復は塵のように崩れ去るでしょう! g {\displaystyle g} ::(Integer -> Integer) -> (Integer -> Integer)の不動点反復を覚えていますか? もし g {\displaystyle g} が正格なら、シーケンスは以下のようになります。 明らかに無駄な ⊥ {\displaystyle \bot } に収束しています。 g {\displaystyle g} が引数の関数より更に定義されて作られているのが重要です。これは g {\displaystyle g} が有益な不動点を得るためには、その引数が正格であってはならないことを意味します。 補足ですが、この関数型は非正格でなければならないという事実は、正格な言語でいくつかの非正格な振る舞いを回復するために使用することが出来ます。一つは、()は単一の要素だけをもつよく知られた型を表す()型を引数にとる関数() -> Integerと、Integerのようなデータ型を単純に置き換えます。そのような関数は全て(⊥のほかに)唯一()だけが引数の値であり、単独の整数に対応します。しかし、() -> Integer型の引数の場合のその操作は非正格かもしれません。 動機付けとしてInteger型間の部分関数の場合を処理した後に、現在のHaskellにおける任意の代数的データ型の表示的意味論に範囲を拡張したいと思います。 用語について一言:特定の型の意味対象の集まりは通常、領域(domain)と呼ばれます。この用語は、"特定の定義"より一般的な名前で、私たちの領域がcpo(完全半順序)であると判断し、値の集合と一緒に不動点反復を可能にするためにいくつかの条件に従った更に定義(more defined)に関係します。通常、領域の値がコンピューター上でいくつかの有限の方法で表現でき、非可算無限集合のねじれた方法を熟慮するのを回避するために、cpoに条件を追加して確認します。しかし、私たちは一般の領域理論の定理を証明しようとしているわけではないため、条件を維持するだけの構成が生じます。 次の例を見てみましょう。 ここで、True、False、Nothing は引数の無いデータ構築子で、Justは一引数のデータ構築子です。 ⊥はTrueとFalseの値からなる集合に加えられた最小元であることを思い出すと、この型は持ち上げられていると言えます。半順序集合の図が1レベルのみから構成されている領域を平坦領域と呼ぶのでした。私たちはすでに I n t e g e r {\displaystyle Integer} が平坦領域で、⊥の上のレベルには無限の数があることよく知っています。 Maybe Boolの住人にはどのようなものがあるでしょうか? したがって、一般的なルールは一つ以上の引数を持つデータ構築子に全ての可能な値を挿入することです。⊥のことも忘れずに。半順序については、任意の他の関数が単調でなければならないように、データ構築子も単調でなければなりません。したがって、半順序は次のようになります。 しかし、考慮すべき事があります:なぜJust ⊥ = ⊥ではないのでしょうか?"Just undefined"は"undefined"と同様に未定義を意味するでしょうに!答えは言語が正格であるか非正格であるかに依存します。正格言語の場合、全てのデータ構築子はデフォルトで正格です。すなわち、Just ⊥ = ⊥で、図は次のように減ります。 結果として、正格言語の領域は全て平坦です。 しかし、Haskellのような非正格言語の場合、データ構築子はデフォルトで非正格で、Just ⊥は⊥とは異なる新しい要素です。なぜなら、私たちはこれらに対して異なる反応を示す関数を書くことができるからです: fはデータ構築子Justの中身を無視するので、f (Just ⊥)は4です。しかし、f ⊥は⊥です(直感的には、fが⊥を渡された場合、Justに分岐するかNothingに分岐するか判断することはできず、⊥を返すでしょう)。 これは、元のグラフが示すように非平坦領域を生じさせます。これらの扱いはどうあるべきでしょうか?グラフ簡約の文脈では、⊥は未評価の式とも考えられるかもしれません。したがって、x = Just ⊥という値は、(例えばルックアップなどの)計算は成功しておりNothingではなく、しかし、真の値はまだ評価されていないことを伝えています。もしxが成功したか失敗したかだけに興味があるなら、これは平坦領域での場合のようにxがJust TrueかJust Falseかを実際に計算する不要な作業から私たちを救います。非平坦領域の完全な影響は遅延性の章で見つけることができますが、一つの著名な例である無限リストを#再帰的データ型と無限リストのセクションで扱います。 正格関数のセクションでは、いくつかの関数が異なる入力に異なる結果を返し、単調性を主張することを検査することによって証明しました。しかしながら、代数的データ型の観点からは、現実のHaskellライフにも正格性の一つの源が存在する場合もあります。パターンマッチ、すなわちcase式です。data構文のデータ構築子をパターンマッチする際の一般的なルールは関数が正格になるように強制されます。すなわち、データ構築子に対して⊥を与えると常に⊥になります。説明のために、次のコードを考えてみます。 最初の関数const1は非正格ですが、一方const1'は正格です。なぜなら、関数の結果は引数に依存しないものの、TrueかFalseかを判断しているからです。関数引数のパターンマッチはcase式と等価で、 というコードと同様に正格性を課します。もしcaseで囲まれた引数の表示が⊥ならcase式の表示も⊥です。しかしながら、case式の引数は以下のようにもっと関与している可能性があります。 これが、fooの正格性のために何を意味するのかを追跡するのは難しいことがあります。 等式スタイルのマルチパターンマッチの例の論理or: 等式は上から下にマッチされていくことに注意します。最初の等式は orの最初の引数に対してTrueかどうかマッチします。よって、orは最初の引数において正格です。この等式はor True xがxにおいて非正格であることも教えてくれます。もし最初の引数がFalseの場合、二番目の引数に対してTrueかマッチするので、or False xがxにおいて正格です。ワイルドカードの場合は一般に非正格のサインであることに注意すると、関数の正格性はデータ構築子に対するパターンマッチに関してこれらの位置に依存します。 パターンマッチの別の形式として、チルダを~付けた反駁不可パターン(irrefutable patterns)と名付けられたものがあります。これは次のように使います。 反駁不可パターンはf ⊥ = 1でも、常に成功して結果を返します(これが名前の由来です)。しかし、fの定義を変更した時、 次のようになります。 もし引数がパターンにマッチしたら、対応する値をxに束縛します。そうでなければ、任意の変数xのように⊥を束縛します。 デフォルトでは、letとwhereも非正格に束縛します。 は、次と等価です。 再帰的データ型の場合も基本から大きく異なるということはありません。ユニット型のリストを考えてみます。 これは単純な型に思えますが、 ⊥ {\displaystyle \bot } を適合させる方法は驚くほど沢山あり、対応するグラフも複雑になっています。このグラフのボトムが下に表示されています。省略記号はグラフがこの方向に沿って続くことを示します。赤い楕円の要素は、これが連鎖の最後であることを示しています。リストの要素は通常の形式になっています。 しかしここで、連鎖の長さもまた無限になっています。 収束のセクションで全ての単調なシーケンスは上限を持たなければならないと注意したように、これはいくつかの問題を引き起こします。このことが可能になるのは無限リストが許可されている場合のみです。無限リスト(時にはストリーム(stream)とも呼ばれる)は非常に有用で、これらの多様な使い道を遅延性の章でかなり詳細に扱っています。ここでは、これらの表示的意味論がどのように理由づけられるかを示します。なお、以降の議論はリストのみに制限しますが、木のような任意の再帰的データ構造に容易に一般化できます。 以下では、Haskellにおける無限リストの実用的なプログラミングとの構文上のギャップを埋めるために、標準的なリスト型に戻ります。 無限リストを使って計算する最良の例を示します。そのためには、まず無限リストが必要です。 この再帰的な定義に不動点反復を適用するとき、onesの上限が存在すべき事を確認します。 これは1の無限リストです。take 2 onesはどうあるべきかを考えてみましょう。takeの定義は次の通りです。 onesの近似シーケンスの要素をtakeに適用できます: 1:1:[]は完全に定義されているので、take 2 (1:1:1:⊥)などはtake 2 (1:1:⊥) = 1:1:[] と同じでなければならないことがわかります。入力のリストのシーケンスと出力リストのシーケンスの結果の両方を上限に取って、 を結論づけることができます。したがって、まさに予想したとおりonesの先頭から二つの要素を取り出すように振る舞います。 この例を一般化すると、無限リストの推論について、近似シーケンスとその上限を渡すことを考慮しなければならないことがわかります。まさに無限リストです。まだ、私たちはそれにしっかりとした地面を与えていません。解決策は、連鎖自体の全体を無限リストと認識し、正式に私達の領域の新しい要素として追加することです:無限リストとはこれら近似のシーケンスです。もちろん、onesのような任意の無限リストは、 のようにコンパクトに書くことができ、単純に次のことを意味します。 what simply means that ナゾナゾです。コンピュータで無限リストを計算する方法は何でしょうか?無限の時間のあとに全ての結果を表示する?ええっと、これはその通り。引っかけは、無限リストの有限な一部分だけを考慮した場合にコンピュータは有限の時間で終了するかもしれない、ということです。なので、無限リストは「潜在的に無限リスト」のように考えるべきでしょう。一般に、中間結果は無限リストの形式をとるのに対し、最終的な値は有限です。中間では無限のデータ構造のような、真の無限を扱うときにプログラムの正しさを推論できるのが表示的意味論の利点の一つです。 最後に注意点として、再帰的な領域の構造は関数の再帰的な定義に類似した不動点反復によって行うことができます。しかし、無限連鎖の問題に明示的に取り組まなければなりません。形式的な構成での解説は外部リンクを参照してください。 Haskellは正格性注釈(strictness annotations)によってデータ構築子のデフォルトの非正格性動作を変更する方法を提供しています。データ型宣言で次のように エクスクラメーションマーク "!"をデータ構築子の引数の前に指定することで、この引数は正格になります。それ故、先の例はJust' ⊥ = ⊥となります。より進んだ情報は正格性の章で見つけることができるでしょう。 あるケースで、次のようにデータ型をリネームしたいことがあります。 しかしながら、Couldbe aは⊥とCouldbe ⊥の要素を両方含んでいます。newtypeの助けを借りて次のように定義します。 このアレンジはCouldbe aはMaybe aと意味的に等価ですが、型検査では別の型として扱われます。特に、構築子Couldbeは正格です。しかし、次の定義とはまた微妙に異なるのです。 この説明のために、次の二つの関数を考えます。 ここで、f' ⊥は構築子Couldbe'のパターンマッチが失敗しf' ⊥ = ⊥の原因となります。しかし、newtypeバージョンの方は、Couldbeにマッチして失敗することはありません。f ⊥ = 42になります。ある意味では、この違いは次のように記述できます: ⊥でのパターンマッチの失敗と、Constructor ⊥でのパターンマッチの失敗は一致しません。 newtypeは再帰型の定義にも使うかもしれません。リスト型[a]の代替となる次のような型を例にあげます。 再び、ポイントはIn構築子が&prep;を持ち上げて追加されたIn &prep;を導入しないということです。 表示的意味論についてのオンライン書籍 テンプレート:Haskell navigation
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "この章ではHaskellプログラムの意味がどのように形式化されるかという表示的意味論(denotational semantics)を説明します。「square x = x*x というプログラムの意味は、数をその平方数に写す数学の平方関数だ」ということを形式的に規定することはつまらないことにみえるかもしれませんが、それでは f x = f (x+1) のような無限ループするプログラムの意味はどうでしょうか? 以下ではまずこの疑問に対するScottとStracheyのアプローチを例示し、概して関数プログラムの、特に再帰的な定義の正しさについて論じる基盤を得ることにしましょう。もちろん、これらのトピックではHaskellプログラムを理解するために必要なものに集中します。", "title": "導入" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "この章の他の狙いは、ある関数がその引数を評価する必要があるかどうかというアイディアを捉えた正格と遅延の概念を説明することです。 興味深いことに、これらの概念は実行モデルを参照する必要なく、表示的意味論のみで簡明に定式化することができます。これらは、グラフ簡約でも利用されています。しかし、この章では表示的な定義と⊥ (\"Bottom\")のような関連する概念に慣れていきましょう。正格性に興味がある読者は、#ボトムと部分関数と#正格と非正格の意味のセクションを見てください。", "title": "導入" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "Haskellプログラムは何を意味するでしょうか? この質問はHaskellの表示的意味論によって答えることが出来ます。一般的にプログラミング言語の表示的意味論はプログラムをそれぞれプログラムの「意味」を表す対応する数学的対象 (denotation : 表示) へ写します。例を挙げると、Haskellプログラム10、 9+1、 2*5 そしてsum [1..4]に対応する数学的対象は、整数10と表現できます。このとき、これらのプログラムは整数10を表示(denote)すると言います。プログラムに対応する数学的対象の集まりは意味領域(semantic domain)と呼ばれます。", "title": "導入" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "プログラムコードから意味領域への写像は、通例、プログラムコードの周りに二重の四角いブラケット(Oxford brackets)で書かれます。例えば、", "title": "導入" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "表示は合成的、すなわち、1+9のようなプログラムの意味は、その成分の意味にのみ依存します。", "title": "導入" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "同じ表記が、型にも使われます。すなわち、", "title": "導入" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "しかし説明を簡単にするため、後の章ではこれらの式を意味対象と暗黙に同一視し、区別を明確にする必要がある場合に限り、この表記法を使うことにします。", "title": "導入" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "Haskellのような純粋関数型言語の、一つのキーとなる性質は、「1+9 は 10 を表示する」のような数学の直接的な解釈がそのまま関数にも引き継がれることです。本質的には、 Integer -> Integer 型のプログラムは、整数間の数学的な関数 Z → Z {\\displaystyle \\mathbb {Z} \\to \\mathbb {Z} } を表示します。この式も非停止性を含めるために一般に修正が要るのですが、命令型言語の場合の状況はより悪いです。その型を持つ手続きは、機械の状態をひょっとしたら意図しない方法で変更するような何かを表示します。命令型言語はその言語を機械で実行する方法の記述である操作的意味論に密接に関連しています。 命令型プログラムの表示的意味論を定義し、そのようなプログラムに使用して論じることは可能ですが、そうして定義した意味はしばしば操作的な性質を持っていて、時には関数型言語のための表示的意味論よりも拡張する必要があります。", "title": "導入" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "対照的に、純粋関数型言語の意味はデフォルトで実行の方法から完全に独立しています。 Haskell98の言語仕様でさえ、Haskellの非正格な表示的意味論だけで規定されており、実装方法については規定されていません。", "title": "導入" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "それぞれのHaskellプログラムの適切な数学的対象を探ってみることにしましょう。 例として 10, 2*5 と sum [1..4] の場合、これら全ての式は明確に整数10を表示するでしょう。 一般化すると、任意のInteger型の値 x は集合 Z {\\displaystyle \\mathbb {Z} } の元であるようです。 同じ事は、Bool 型でも行うことができます。 f :: Integer -> Integer のような関数は、(引数、値)の組の集合として「関数」を数学的に定義することができ、これは一種のグラフ (graph)です。", "title": "導入" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "しかし、関数をただグラフだ、と解釈するのは早計です。なぜなら、それは再帰的な定義では上手くいかないからです。以下の定義について考えてみます。", "title": "導入" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "このコードを 「0、1、2 は長い髭の男性とします。誰が誰の髭を剃っているでしょうか?」 という問題だと考えてみましょう。1の人物は彼自身で、しかし2 の髭は床屋である 0が剃っています。なぜなら 3番目の等式により 0 `shaves` 2 == True だからです。一般に、3行目が言っているのは、「床屋 0 は自分自身ではひげを剃らない、全ての人のひげを剃る」ということです。", "title": "導入" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "では床屋 0 彼自身についてはどうでしょう? 0 `shaves` 0 は True と False どちらでしょうか? もし、この式がTrueだとすると、3行目の等式はFalseであり、Falseであるなら3行目の等式はTrueだと言っています。わけがわかりませんが、私たちは単に「0 `shaves` 0 はTrue、またはFalseである」と言うことはできないということだけはわかります。", "title": "導入" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "グラフを用いて関数 shaves を解釈するには、空の点が絶対に必要です。私たちは、いくつかの引数で値が定義されていない 部分関数 (partial functions) を意味対象に組み込めなければなりません。", "title": "導入" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "しかも、この有名な例では集合論の根幹に関わる重大な問題を引き起こしました。これは定義の中でそれ自身を定義に使っていて、論理が循環している非叙述的(impredicative)な定義の例です。残念なことに、再帰的な定義では循環は「問題」ではなく「特徴」です。", "title": "導入" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "部分関数を定義するために、ボトム (bottom) と名付けられた特殊な値「⊥」を導入します(これはASCIIコードで_|_とも書かれます)。私たちは⊥を完全に未定義の値もしくは未定義の関数と言います。 Integer や () のような基本的なそれぞれのデータ型は、通常の要素に加えて⊥を含んでいます。つまり、 Integer 型が取り得る値は、", "title": "ボトムと部分関数" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "のようになります。値の集合に⊥を追加することを 持ち上げ (lifting)と呼びます。これは、しばしば Z ⊥ {\\displaystyle \\mathbb {Z} _{\\bot }} のように添え字で示されます。これは数学的な集合「持ち上げられた整数」の正しい表記ですが、私たちは「Integer 型の値」のように話すことを好みます。これは、 Z ⊥ {\\displaystyle \\mathbb {Z} _{\\bot }} という表示は他に「真の」整数 Z {\\displaystyle \\mathbb {Z} } が存在することを示唆しますが、Haskellでは整数といえば型 Integer のことを指すからです。", "title": "ボトムと部分関数" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "他の例として、 () 型はただ一つの要素しかないように思えますが、実際には二つの要素が属しています。", "title": "ボトムと部分関数" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "今のところ、私たちは Integer 型だけでのプログラミングに留まります。正格、非正格な言語で⊥を含んだ任意の代数的データ型がどのように発散するかは、セクション代数的データ型で扱われています。", "title": "ボトムと部分関数" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "Haskellでは、式 undefined は⊥を表示します。この助けを借りて、実際のHaskellプログラムのいくつかの意味的性質を確認することが出来ます。undefined はもちろんundefined :: Integer, undefined :: (), undefined :: Integer -> Integer などのようにどのような型にでも特化することができる多相型 forall a . a を持ちます。 これは Haskell の Preludeでは、", "title": "ボトムと部分関数" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "と定義されています。余談ですが、Curry-Howard同型に従って、多相型forall a . a の任意の値の表示は⊥でなければなりません。", "title": "ボトムと部分関数" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "⊥ {\\displaystyle \\bot } (ボトム型) を使って部分関数を表すことができます。", "title": "ボトムと部分関数" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "ここで、 f ( n ) {\\displaystyle f(n)} は n = 0 {\\displaystyle n=0} と n = 1 {\\displaystyle n=1} で定義された値を返しますが、他の全ての n {\\displaystyle n} には ⊥ {\\displaystyle \\bot } を返します。 ⊥ {\\displaystyle \\bot } 型が値を持たないように、 ⊥ {\\displaystyle \\bot } は普遍的であることに注意してください。関数 ⊥ {\\displaystyle \\bot } :: Integer -> Integer は", "title": "ボトムと部分関数" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "と定義されます。ここで、 右辺にある ⊥ {\\displaystyle \\bot } はInteger型の値を表します。", "title": "ボトムと部分関数" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "形式的には、Integer -> Integer という型を持つ 部分関数 とは、少なくとも持ち上げられた整数集合 Z ⊥ = { ⊥ , 0 , ± 1 , ± 2 , ± 3 , ... } {\\displaystyle \\mathbb {Z} _{\\bot }=\\{\\bot ,0,\\pm 1,\\pm 2,\\pm 3,\\dots \\}} から持ち上げられた整数集合への数学的な写像のことをいいます。しかし、 ⊥ {\\displaystyle \\bot } の特別な役割を認識していないので、それだけでは不十分です。例えば、つぎの定義", "title": "ボトムと部分関数" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "は直感に反するように見えますし、事実これは間違っています。 g ( 1 ) {\\displaystyle g(1)} は未定義な一方、なぜ g ( ⊥ ) {\\displaystyle g(\\bot )} は値が定義されているのでしょうか? 直感では全ての部分関数 g {\\displaystyle g} は、定義された引数が多いほど定義された結果が得られるべきです。 形式的には、全ての具体的な数は ⊥ {\\displaystyle \\bot } より更に定義されている(more defined)と言えます。", "title": "ボトムと部分関数" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "ここで、 a ⊏ b {\\displaystyle a\\sqsubset b} は b {\\displaystyle b} が a {\\displaystyle a} より更に定義されていることを表します。 同様に、 a ⊑ b {\\displaystyle a\\sqsubseteq b} は b {\\displaystyle b} は a {\\displaystyle a} より更に定義されているか、等しい(そのため同じだけの定義度)です。 ⊏ {\\displaystyle \\sqsubset } は意味近似順序(semantic approximation order)と呼ばれます。なぜなら、定義された値をより定義されていない値によって近似できるので、「更に定義されている」とは「よりよい近似である」だと解釈できるからです。もちろん、 ⊥ {\\displaystyle \\bot } はデータ型の最小元となるよう設計されており、 x が ⊥ {\\displaystyle \\bot } を表していた場合を除けば、全ての x {\\displaystyle x} は ⊥ ⊏ x {\\displaystyle \\bot \\sqsubset x} を常に満たすといつでも言えます:", "title": "ボトムと部分関数" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "他の数より \"更に定義されている\" ような数は存在しないので、任意の数の組における数学的な関係 ⊏ {\\displaystyle \\sqsubset } は偽になります。", "title": "ボトムと部分関数" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "これは、普通の順序述語 ≤ {\\displaystyle \\leq } では任意の二つの数を比較できるのとは対照的です。手っ取り早く覚える方法は次の文として考えるといいでしょう。「 1 {\\displaystyle 1} と 2 {\\displaystyle 2} は『情報の内容』としては異なるが、『情報の量』としては同じである。」。 それが、私たちが ≤ {\\displaystyle \\leq } と異なる記号 ⊑ {\\displaystyle \\sqsubseteq } を使うもうひとつの理由です。", "title": "ボトムと部分関数" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "⊑ {\\displaystyle \\sqsubseteq } は半順序(partial order)を規定し、Integer型の値は半順序集合 (partially ordered set、poset)をなすと言います。半順序は次の三つの法則で特徴付けられます。", "title": "ボトムと部分関数" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "次のグラフによって、 Integer型の値における順序 ⊑ {\\displaystyle \\sqsubseteq } を表現することができます。", "title": "ボトムと部分関数" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "", "title": "ボトムと部分関数" }, { "paragraph_id": 32, "tag": "p", "text": "ここで、全ての二つのノード間のリンクは、上にある方が下にある方に比べて、更に定義されされているとします。( ⊥ {\\displaystyle \\bot } を除いて)階層は1レベルだけであるため、 Integer は平坦領域(flat domain)であるといいます。図で見ると ⊥ {\\displaystyle \\bot } が何故ボトムと呼ばれるのかがわかるでしょう。常に一番下に居座っているからです。", "title": "ボトムと部分関数" }, { "paragraph_id": 33, "tag": "p", "text": "私達が部分関数に対して抱いた直感は、これで以下のように定式化することが出来ます。", "title": "ボトムと部分関数" }, { "paragraph_id": 34, "tag": "p", "text": "特に、 h ( ⊥ ) = 1 {\\displaystyle h(\\bot )=1} である関数 h {\\displaystyle h} は定数関数: h ( n ) = 1 {\\displaystyle h(n)=1} for all n {\\displaystyle n} です。ここでは、 1 ⊑ 2 {\\displaystyle 1\\sqsubseteq 2} 等が成立しないことが重要なことに注意してください。", "title": "ボトムと部分関数" }, { "paragraph_id": 35, "tag": "p", "text": "Haskellに翻訳すると、単調性の意味は ⊥ {\\displaystyle \\bot } は条件式で使えない、すなわち、 ⊥ {\\displaystyle \\bot } や、それと等価なundefinedをパターンマッチ出来ないということです。そうでないと、上記の例 g {\\displaystyle g} がHaskellのプログラムとして表現できてしまいます。後で見るように、 ⊥ {\\displaystyle \\bot } はまた非停止プログラム(non-terminating program)をも表すので、Haskell内部から ⊥ {\\displaystyle \\bot } を観測することが出来ないことは、停止性問題と関連しているのです。", "title": "ボトムと部分関数" }, { "paragraph_id": 36, "tag": "p", "text": "もちろん、より更に定義されているという概念は、任意の可能な引数について関数がもう一方より更に定義されていることを言うことで、部分関数に拡張可能です:", "title": "ボトムと部分関数" }, { "paragraph_id": 37, "tag": "p", "text": "したがって、部分関数もまた半順序集合をなし、未定義の関数 ⊥ ( x ) = ⊥ {\\displaystyle \\bot (x)=\\bot } を最小元として持ちます。", "title": "ボトムと部分関数" }, { "paragraph_id": 38, "tag": "p", "text": "これで私たちは部分関数を記述する手段を手に入れたので、再帰的定義の解釈を与えることができます。再帰関数の例としてよく知られている階乗関数 f ( n ) = n ! {\\displaystyle f(n)=n!} を見てみましょう。", "title": "不動点反復としての再帰的定義" }, { "paragraph_id": 39, "tag": "p", "text": "ここまでで見てきたように、この再帰関数を集合を記述したものとして直接解釈すると問題を引き起こしかねないのですが、与えられた全ての n {\\displaystyle n} について f ( n ) {\\displaystyle f(n)} を計算するためには右辺を繰り返していかなければならないことは直感的にわかります。この繰り返しは次のように形式化できます。一つ前の関数に次の定義を適用したもので右辺が構成されているような関数の列 f k {\\displaystyle f_{k}} を計算するのです。", "title": "不動点反復としての再帰的定義" }, { "paragraph_id": 40, "tag": "p", "text": "未定義の関数 f 0 ( n ) = ⊥ {\\displaystyle f_{0}(n)=\\bot } から始めると、部分関数の列は次のような結果になります。", "title": "不動点反復としての再帰的定義" }, { "paragraph_id": 41, "tag": "p", "text": "などなど。明らかに、", "title": "不動点反復としての再帰的定義" }, { "paragraph_id": 42, "tag": "p", "text": "となり、関数の列は階乗関数に収束するでしょう。", "title": "不動点反復としての再帰的定義" }, { "paragraph_id": 43, "tag": "p", "text": "この反復は、不動点反復(fixed point iteration)としてよく知られる図式に沿っています。", "title": "不動点反復としての再帰的定義" }, { "paragraph_id": 44, "tag": "p", "text": "ここでの場合、 x 0 {\\displaystyle x_{0}} は関数、 g {\\displaystyle g} は関数から関数への写像である汎関数です。", "title": "不動点反復としての再帰的定義" }, { "paragraph_id": 45, "tag": "p", "text": "g ( x ) = n ↦ if n == 0 then 1 else n ∗ x ( n − 1 ) {\\displaystyle g(x)=n\\mapsto {\\mbox{ if }}n==0{\\mbox{ then }}1{\\mbox{ else }}n*x(n-1)\\,}", "title": "不動点反復としての再帰的定義" }, { "paragraph_id": 46, "tag": "p", "text": "もし x 0 = ⊥ {\\displaystyle x_{0}=\\bot } から始めると、反復によって増加的に定義されてゆく、階乗関数の近似関数列が得られます。", "title": "不動点反復としての再帰的定義" }, { "paragraph_id": 47, "tag": "p", "text": "(この関数列が増加的であることの証明:まず、最初の不等式 ⊥ ⊑ g ( ⊥ ) {\\displaystyle \\bot \\sqsubseteq g(\\bot )} は、 ⊥ {\\displaystyle \\bot } がいかなるものより更に定義されてるということがないことから言えます。2番目の不等式は、最初の不等式の両辺にgを適用し g {\\displaystyle g} が単調であることから言えます。3番目以降も同様です。)", "title": "不動点反復としての再帰的定義" }, { "paragraph_id": 48, "tag": "p", "text": "この反復の図式は、Haskellで記述してみると分かりやすいでしょう。汎関数は普通の高階関数ですので、次のように書けます。", "title": "不動点反復としての再帰的定義" }, { "paragraph_id": 49, "tag": "p", "text": "これで、関数 f0,f1,...にサンプルの引数を与えて評価し、 undefined を返すかどうか見ることができます。", "title": "不動点反復としての再帰的定義" }, { "paragraph_id": 50, "tag": "p", "text": "もちろん、f4が本当に全ての引数について未定義なのかを確認するのにこの方法は使えません。", "title": "不動点反復としての再帰的定義" }, { "paragraph_id": 51, "tag": "p", "text": "数学者にとっては、この近似関数の列は収束するのかという問題が残っています。これに答えるために、有向完備半順序(directed complete partial order、dcpo)という概念を導入します。ある半順序集合について、全ての単調なシーケンス x 0 ⊑ x 1 ⊑ ... {\\displaystyle x_{0}\\sqsubseteq x_{1}\\sqsubseteq \\dots } (連鎖 (chain)とも呼ばれます) が上限(least upper bound、supremum)", "title": "不動点反復としての再帰的定義" }, { "paragraph_id": 52, "tag": "p", "text": "を持つとき、かつそのときに限って、その半順序集合は有向完備半順序であると言います。", "title": "不動点反復としての再帰的定義" }, { "paragraph_id": 53, "tag": "p", "text": "明らかに、意味近似順序については高階関数を近似する階乗関数の単調な列が極限を持つことを確かめることが出来ます。私たちの表示的意味論については、最小元 ⊥ {\\displaystyle \\bot } を持つdcpoだけを取り扱います。そのようなdcpoは完備半順序(complete partial order、cpo)と呼ばれています。", "title": "不動点反復としての再帰的定義" }, { "paragraph_id": 54, "tag": "p", "text": "明らかに Integer は(d)cpoです。なぜなら複数の要素からなる単調な列は以下の形式でなければならないからです。", "title": "不動点反復としての再帰的定義" }, { "paragraph_id": 55, "tag": "p", "text": "ここで、 n {\\displaystyle n} は普通の数です。それゆえ n {\\displaystyle n} はすでに上限です。", "title": "不動点反復としての再帰的定義" }, { "paragraph_id": 56, "tag": "p", "text": "関数Integer -> Integer については、単調なシーケンスは無限の長さかもしれないので、同じ論証が成立しません。しかしIntegerが(d)cpoであるため、全ての点 n {\\displaystyle n} について、上限", "title": "不動点反復としての再帰的定義" }, { "paragraph_id": 57, "tag": "p", "text": "が存在します。意味近似順序は各点ごとに定義されるので、この関数 f {\\displaystyle f} が私たちが求めていた上限です。", "title": "不動点反復としての再帰的定義" }, { "paragraph_id": 58, "tag": "p", "text": "これらは、階乗関数の非叙述的な定義をwell definedに構成されたものに変換するという私たちの目標のために最後にふれました。もちろん、全ての n {\\displaystyle n} について実際に f ( n ) {\\displaystyle f(n)} に値が定義されていることがまだ示されていません。しかし、これは難しくありませんし、不明確な定義(ill-formed definition)よりはるかに合理的です。", "title": "不動点反復としての再帰的定義" }, { "paragraph_id": 59, "tag": "p", "text": "新しく得られた再帰的な定義についての洞察を停止しない例に試してみるのは有益です。", "title": "不動点反復としての再帰的定義" }, { "paragraph_id": 60, "tag": "p", "text": "この関数の近似列を書き下せば", "title": "不動点反復としての再帰的定義" }, { "paragraph_id": 61, "tag": "p", "text": "となり、 ⊥ {\\displaystyle \\bot } だけで構成されています。明らかに、結果の極限もまた ⊥ {\\displaystyle \\bot } になります。操作的な観点からは、このプログラムを実行した機械は永久にループします。よって、非停止(non-terminating)な関数や値もまた ⊥ {\\displaystyle \\bot } で表せることが解ります。ゆえに、停止性問題の決定不能性を考えれば、Haskellの中で ⊥ {\\displaystyle \\bot } にパターンマッチさせることは不可能なのです。", "title": "不動点反復としての再帰的定義" }, { "paragraph_id": 62, "tag": "p", "text": "以前、近似意味をよく知られた\"不動点反復\"の例と言いました。そしてもちろん、階乗関数 f {\\displaystyle f} の定義は汎関数 g {\\displaystyle g} の不動点の仕様としても考えることが出来ます。", "title": "不動点反復としての再帰的定義" }, { "paragraph_id": 63, "tag": "p", "text": "しかしながら、不動点にも色々あるかもしれません。具体的には、仕様を満たす次のようないくつかの f {\\displaystyle f} が存在します。", "title": "不動点反復としての再帰的定義" }, { "paragraph_id": 64, "tag": "p", "text": "もちろん、このようなプログラムを実行するとき、 f ( 1 ) {\\displaystyle f(1)} か f ( 2 ) {\\displaystyle f(2)} なら機械は永久にループし f ( 1 ) {\\displaystyle f(1)} の値について有用な情報を生成しません。これは意味対象 f {\\displaystyle f} となるものとして最小に定義された不動点に対応し、これは確かに自然な選択(a canonical choice)です。したがって、", "title": "不動点反復としての再帰的定義" }, { "paragraph_id": 65, "tag": "p", "text": "と言うとき、 g {\\displaystyle g} の最小不動点 f {\\displaystyle f} と定義します。明確に、最小は意味近似順序 ⊑ {\\displaystyle \\sqsubseteq } を基準にしています。", "title": "不動点反復としての再帰的定義" }, { "paragraph_id": 66, "tag": "p", "text": "g {\\displaystyle g} の条件に連続性(continuous、\"chain continuous\"とも呼ばれます)を加えたとき、私たちの反復構成は最小不動点の存在が保証されます。 g {\\displaystyle g} が連続であるとは、単に g {\\displaystyle g} が単調なシーケンスの上限を保つ、つまり", "title": "不動点反復としての再帰的定義" }, { "paragraph_id": 67, "tag": "p", "text": "であることです。次に、", "title": "不動点反復としての再帰的定義" }, { "paragraph_id": 68, "tag": "p", "text": "を議論することができますので、", "title": "不動点反復としての再帰的定義" }, { "paragraph_id": 69, "tag": "p", "text": "かつ繰り返しの極限は g {\\displaystyle g} の不動点であることが確かめられます。また、不動点反復によって実際に最小の不動点が得られることも確かめたいと思うかもしれません。", "title": "不動点反復としての再帰的定義" }, { "paragraph_id": 70, "tag": "p", "text": "ところで、私たちの書いたそれぞれのHaskell関数が確かに連続であることはどのように確認すれば良いのでしょうか?単調性と同様に、プログラミング言語によって強制されているはずです。確かに、これらの性質は少しだけ強制したり、破ったりすることができるので、質問には少し無意味さを感じます。 しかし直感的には、単調性は ⊥ {\\displaystyle \\bot } をパターンマッチさせることが不可能であることから保証されます。連続性については、任意の型aに対して、全ての単純な関数 a -> Integer は Integerの単調なシーケンスは有限の長さであることから自動的に連続であることが言えます。 全ての型aの値の無限の連鎖は、Integerの有限の連鎖に移され、上限を保つことは単調性から言えます。 g {\\displaystyle g} ::(Integer -> Integer) -> (Integer -> Integer)のような高階関数の場合、連続性はカリー化のために具現化します。つまりカリー化によって問題の型は ::((Integer -> Integer), Integer) -> Integer と同型な型なので、a=((Integer -> Integer), Integer)とすることができます。", "title": "不動点反復としての再帰的定義" }, { "paragraph_id": 71, "tag": "p", "text": "Haskellにおいて、高階関数の不動点解釈は、不動点コンビネータ", "title": "不動点反復としての再帰的定義" }, { "paragraph_id": 72, "tag": "p", "text": "の助けを得て、", "title": "不動点反復としての再帰的定義" }, { "paragraph_id": 73, "tag": "p", "text": "のようにコーディングすることができます。", "title": "不動点反復としての再帰的定義" }, { "paragraph_id": 74, "tag": "p", "text": "不動点コンビネータは、", "title": "不動点反復としての再帰的定義" }, { "paragraph_id": 75, "tag": "p", "text": "によって定義することができ、これは階乗関数を展開するときに少し戸惑いを残しますが、結果は最初の方法でHaskellの階乗関数を定義したときと異なると言うことはありません。しかしもちろん、このセクション全体で行った構成は、現実のHaskellプログラムを走らせたときには常に起こるわけではありません。この構成はHaskellプログラムの数学的解釈を確かなものにするための手段にすぎません。しかしそれでも、undefinedの助けによって、Haskellだけを使ってこれらの意味論を探究することができるのはとても素晴らしいことです。", "title": "不動点反復としての再帰的定義" }, { "paragraph_id": 76, "tag": "p", "text": "一引数の関数fが、", "title": "正格と非正格の意味" }, { "paragraph_id": 77, "tag": "p", "text": "を満たすとき、かつそのときに限って、その関数は正格(strict)であると呼ばれます。", "title": "正格と非正格の意味" }, { "paragraph_id": 78, "tag": "p", "text": "次の関数は例は全て正格関数です。", "title": "正格と非正格の意味" }, { "paragraph_id": 79, "tag": "p", "text": "これらについて、特に予期しないことは何もありません。しかし何故これらの関数は正格なのでしょうか?それは、これらの関数を実際に正格であることを証明してみるのが有益でしょう。idの場合、これは定義からそのまま成り立ちます。succの場合、⊥ + 1は⊥になるか、またはそうでないかを熟慮する必要があります。もし、⊥にならないのならば、⊥ + 1 = 2もしくはより一般的に具体的なある数 kで⊥ + 1 = kと表せるでしょう。しかし全ての関数は単調であることを思い出すと、⊥ ⊑ 4 であることから", "title": "正格と非正格の意味" }, { "paragraph_id": 80, "tag": "p", "text": "のようにならなければなりません。しかし、2 ⊑ 5、2 = 5、2 ⊒ 5のいずれも成り立たないので、kは2ではありません。一般に、", "title": "正格と非正格の意味" }, { "paragraph_id": 81, "tag": "p", "text": "は矛盾します。したがって唯一可能な選択肢は", "title": "正格と非正格の意味" }, { "paragraph_id": 82, "tag": "p", "text": "で、succは正格です。", "title": "正格と非正格の意味" }, { "paragraph_id": 83, "tag": "p", "text": "非正格(non-strict)な関数を探してみましょう。Integer -> Integer型の非正格関数のプロトタイプが起こすことは一つだけです。", "title": "正格と非正格の意味" }, { "paragraph_id": 84, "tag": "p", "text": "全ての具体的な数をk とすると constk x = k はその亜種です。何故これらが唯一可能なものなのでしょうか? one n は one ⊥より少なく定義されてはいけないことを思い出してください。Integerは平坦領域であるため、両者は等しくなければなりません。", "title": "正格と非正格の意味" }, { "paragraph_id": 85, "tag": "p", "text": "なぜ one は非正格なのでしょうか?そのことを確認するために、Haskellのインタプリタを使って試してみると、", "title": "正格と非正格の意味" }, { "paragraph_id": 86, "tag": "p", "text": "⊥ではありません。oneはその引数を完全に無視するので、これは合理的です。", "title": "正格と非正格の意味" }, { "paragraph_id": 87, "tag": "p", "text": "⊥を\"非停止\"などの意味で解釈するとき、ある人はoneの非正格性とは、その引数を強制的に評価する際に無限ループは避けられないということを意味する、と言うかもしれません。しかし、またある人は、全ての関数は結果を計算する前にその引数を評価しなければならず、one ⊥ は⊥を意味しなければならない、と言うかもしれません。つまり、もし引数を計算するプログラムが停止しない場合、oneも同様に停止すべきではない、と。", "title": "正格と非正格の意味" }, { "paragraph_id": 88, "tag": "p", "text": "これらの主張の違いは、関数型プログラミング言語の場合、使う人が自由に選ぶことができるか、または他の設計がなされているかに現れます。ある人は、言語の正格、非正格は、関数の評価が正格、非正格のどちらがデフォルトなのかに依存すると言います。Haskellの選択は非正格です。対照的に、MLとLispは正格な意味論を選択しています。", "title": "正格と非正格の意味" }, { "paragraph_id": 89, "tag": "p", "text": "正格性の概念を多変数関数に拡張しましょう。例えば、二引数の関数 f が全ての x について", "title": "正格と非正格の意味" }, { "paragraph_id": 90, "tag": "p", "text": "を満たすとき、かつそのときに限って関数fは第二引数について正格であると言います。しかし多引数の場合、他の引数で与えた値に依存する混合形式の正格性がはるかに一般的です。例えば、条件式", "title": "正格と非正格の意味" }, { "paragraph_id": 91, "tag": "p", "text": "におけるyの正格性は、bがTrueかFalseかどうかに依存することがわかります:", "title": "正格と非正格の意味" }, { "paragraph_id": 92, "tag": "p", "text": "xも同様です。どうやら、condはxとyが両方とも⊥なら確実に⊥になるようですが、どちらか一方の引数が少なくとも定義されているとは限りません。この振る舞いは正格性連結(joint strictness)と呼ばれています。", "title": "正格と非正格の意味" }, { "paragraph_id": 93, "tag": "p", "text": "明らかにcondは、then節とelse節の両方を評価しない事が重要なif-then-else文のように振る舞います。", "title": "正格と非正格の意味" }, { "paragraph_id": 94, "tag": "p", "text": "ここでは、条件が満たされたときelseの部分は⊥です。したがって、非正格言語では、if-then-elseのようなプリミティブな制御文をcondのような関数でラップすることができます。このように、自分の制御オペレータを自分で定義することができます。", "title": "正格と非正格の意味" }, { "paragraph_id": 95, "tag": "p", "text": "正格言語では、これは非正格性は正格な場合に比べ、コードの再利用のためのより多くの柔軟性を提供する一般的な観察を垣間見ることがあります。この主題に関する詳細は、遅延性の章を見るといいでしょう。", "title": "正格と非正格の意味" }, { "paragraph_id": 96, "tag": "p", "text": "このセクションは間違いであることが指摘されています(原文の議論を参照)", "title": "正格と非正格の意味" }, { "paragraph_id": 97, "tag": "p", "text": "正格性や非正格性は、正格な言語でさえも注意することが重要で、全ての関数が正格ではありません。正格性と非正格性のどちらをデフォルトで選択したかは、特定の引数のデータ型に適用されます。Integer、(Bool,Integer)やEither String [Integer]のようなデータが含まれている引数の型は正格性を課しますが、Integer -> Boolのような関数型は必ずしも正格である必要はありません。Haskellライクな構文の正格言語を仮定して、インタープリタとセッションしてみます。", "title": "正格と非正格の意味" }, { "paragraph_id": 98, "tag": "p", "text": "なぜ正格言語の関数型の引数は正格ではないのでしょうか?もし正格だった場合は、不動点反復は塵のように崩れ去るでしょう! g {\\displaystyle g} ::(Integer -> Integer) -> (Integer -> Integer)の不動点反復を覚えていますか?", "title": "正格と非正格の意味" }, { "paragraph_id": 99, "tag": "p", "text": "もし g {\\displaystyle g} が正格なら、シーケンスは以下のようになります。", "title": "正格と非正格の意味" }, { "paragraph_id": 100, "tag": "p", "text": "明らかに無駄な ⊥ {\\displaystyle \\bot } に収束しています。 g {\\displaystyle g} が引数の関数より更に定義されて作られているのが重要です。これは g {\\displaystyle g} が有益な不動点を得るためには、その引数が正格であってはならないことを意味します。", "title": "正格と非正格の意味" }, { "paragraph_id": 101, "tag": "p", "text": "補足ですが、この関数型は非正格でなければならないという事実は、正格な言語でいくつかの非正格な振る舞いを回復するために使用することが出来ます。一つは、()は単一の要素だけをもつよく知られた型を表す()型を引数にとる関数() -> Integerと、Integerのようなデータ型を単純に置き換えます。そのような関数は全て(⊥のほかに)唯一()だけが引数の値であり、単独の整数に対応します。しかし、() -> Integer型の引数の場合のその操作は非正格かもしれません。", "title": "正格と非正格の意味" }, { "paragraph_id": 102, "tag": "p", "text": "動機付けとしてInteger型間の部分関数の場合を処理した後に、現在のHaskellにおける任意の代数的データ型の表示的意味論に範囲を拡張したいと思います。", "title": "代数的データ型" }, { "paragraph_id": 103, "tag": "p", "text": "用語について一言:特定の型の意味対象の集まりは通常、領域(domain)と呼ばれます。この用語は、\"特定の定義\"より一般的な名前で、私たちの領域がcpo(完全半順序)であると判断し、値の集合と一緒に不動点反復を可能にするためにいくつかの条件に従った更に定義(more defined)に関係します。通常、領域の値がコンピューター上でいくつかの有限の方法で表現でき、非可算無限集合のねじれた方法を熟慮するのを回避するために、cpoに条件を追加して確認します。しかし、私たちは一般の領域理論の定理を証明しようとしているわけではないため、条件を維持するだけの構成が生じます。", "title": "代数的データ型" }, { "paragraph_id": 104, "tag": "p", "text": "次の例を見てみましょう。", "title": "代数的データ型" }, { "paragraph_id": 105, "tag": "p", "text": "ここで、True、False、Nothing は引数の無いデータ構築子で、Justは一引数のデータ構築子です。", "title": "代数的データ型" }, { "paragraph_id": 106, "tag": "p", "text": "", "title": "代数的データ型" }, { "paragraph_id": 107, "tag": "p", "text": "⊥はTrueとFalseの値からなる集合に加えられた最小元であることを思い出すと、この型は持ち上げられていると言えます。半順序集合の図が1レベルのみから構成されている領域を平坦領域と呼ぶのでした。私たちはすでに I n t e g e r {\\displaystyle Integer} が平坦領域で、⊥の上のレベルには無限の数があることよく知っています。", "title": "代数的データ型" }, { "paragraph_id": 108, "tag": "p", "text": "Maybe Boolの住人にはどのようなものがあるでしょうか?", "title": "代数的データ型" }, { "paragraph_id": 109, "tag": "p", "text": "したがって、一般的なルールは一つ以上の引数を持つデータ構築子に全ての可能な値を挿入することです。⊥のことも忘れずに。半順序については、任意の他の関数が単調でなければならないように、データ構築子も単調でなければなりません。したがって、半順序は次のようになります。", "title": "代数的データ型" }, { "paragraph_id": 110, "tag": "p", "text": "", "title": "代数的データ型" }, { "paragraph_id": 111, "tag": "p", "text": "しかし、考慮すべき事があります:なぜJust ⊥ = ⊥ではないのでしょうか?\"Just undefined\"は\"undefined\"と同様に未定義を意味するでしょうに!答えは言語が正格であるか非正格であるかに依存します。正格言語の場合、全てのデータ構築子はデフォルトで正格です。すなわち、Just ⊥ = ⊥で、図は次のように減ります。", "title": "代数的データ型" }, { "paragraph_id": 112, "tag": "p", "text": "", "title": "代数的データ型" }, { "paragraph_id": 113, "tag": "p", "text": "結果として、正格言語の領域は全て平坦です。", "title": "代数的データ型" }, { "paragraph_id": 114, "tag": "p", "text": "しかし、Haskellのような非正格言語の場合、データ構築子はデフォルトで非正格で、Just ⊥は⊥とは異なる新しい要素です。なぜなら、私たちはこれらに対して異なる反応を示す関数を書くことができるからです:", "title": "代数的データ型" }, { "paragraph_id": 115, "tag": "p", "text": "fはデータ構築子Justの中身を無視するので、f (Just ⊥)は4です。しかし、f ⊥は⊥です(直感的には、fが⊥を渡された場合、Justに分岐するかNothingに分岐するか判断することはできず、⊥を返すでしょう)。", "title": "代数的データ型" }, { "paragraph_id": 116, "tag": "p", "text": "これは、元のグラフが示すように非平坦領域を生じさせます。これらの扱いはどうあるべきでしょうか?グラフ簡約の文脈では、⊥は未評価の式とも考えられるかもしれません。したがって、x = Just ⊥という値は、(例えばルックアップなどの)計算は成功しておりNothingではなく、しかし、真の値はまだ評価されていないことを伝えています。もしxが成功したか失敗したかだけに興味があるなら、これは平坦領域での場合のようにxがJust TrueかJust Falseかを実際に計算する不要な作業から私たちを救います。非平坦領域の完全な影響は遅延性の章で見つけることができますが、一つの著名な例である無限リストを#再帰的データ型と無限リストのセクションで扱います。", "title": "代数的データ型" }, { "paragraph_id": 117, "tag": "p", "text": "正格関数のセクションでは、いくつかの関数が異なる入力に異なる結果を返し、単調性を主張することを検査することによって証明しました。しかしながら、代数的データ型の観点からは、現実のHaskellライフにも正格性の一つの源が存在する場合もあります。パターンマッチ、すなわちcase式です。data構文のデータ構築子をパターンマッチする際の一般的なルールは関数が正格になるように強制されます。すなわち、データ構築子に対して⊥を与えると常に⊥になります。説明のために、次のコードを考えてみます。", "title": "代数的データ型" }, { "paragraph_id": 118, "tag": "p", "text": "最初の関数const1は非正格ですが、一方const1'は正格です。なぜなら、関数の結果は引数に依存しないものの、TrueかFalseかを判断しているからです。関数引数のパターンマッチはcase式と等価で、", "title": "代数的データ型" }, { "paragraph_id": 119, "tag": "p", "text": "というコードと同様に正格性を課します。もしcaseで囲まれた引数の表示が⊥ならcase式の表示も⊥です。しかしながら、case式の引数は以下のようにもっと関与している可能性があります。", "title": "代数的データ型" }, { "paragraph_id": 120, "tag": "p", "text": "これが、fooの正格性のために何を意味するのかを追跡するのは難しいことがあります。", "title": "代数的データ型" }, { "paragraph_id": 121, "tag": "p", "text": "等式スタイルのマルチパターンマッチの例の論理or:", "title": "代数的データ型" }, { "paragraph_id": 122, "tag": "p", "text": "等式は上から下にマッチされていくことに注意します。最初の等式は orの最初の引数に対してTrueかどうかマッチします。よって、orは最初の引数において正格です。この等式はor True xがxにおいて非正格であることも教えてくれます。もし最初の引数がFalseの場合、二番目の引数に対してTrueかマッチするので、or False xがxにおいて正格です。ワイルドカードの場合は一般に非正格のサインであることに注意すると、関数の正格性はデータ構築子に対するパターンマッチに関してこれらの位置に依存します。", "title": "代数的データ型" }, { "paragraph_id": 123, "tag": "p", "text": "", "title": "代数的データ型" }, { "paragraph_id": 124, "tag": "p", "text": "パターンマッチの別の形式として、チルダを~付けた反駁不可パターン(irrefutable patterns)と名付けられたものがあります。これは次のように使います。", "title": "代数的データ型" }, { "paragraph_id": 125, "tag": "p", "text": "反駁不可パターンはf ⊥ = 1でも、常に成功して結果を返します(これが名前の由来です)。しかし、fの定義を変更した時、", "title": "代数的データ型" }, { "paragraph_id": 126, "tag": "p", "text": "次のようになります。", "title": "代数的データ型" }, { "paragraph_id": 127, "tag": "p", "text": "もし引数がパターンにマッチしたら、対応する値をxに束縛します。そうでなければ、任意の変数xのように⊥を束縛します。", "title": "代数的データ型" }, { "paragraph_id": 128, "tag": "p", "text": "デフォルトでは、letとwhereも非正格に束縛します。", "title": "代数的データ型" }, { "paragraph_id": 129, "tag": "p", "text": "は、次と等価です。", "title": "代数的データ型" }, { "paragraph_id": 130, "tag": "p", "text": "再帰的データ型の場合も基本から大きく異なるということはありません。ユニット型のリストを考えてみます。", "title": "代数的データ型" }, { "paragraph_id": 131, "tag": "p", "text": "これは単純な型に思えますが、 ⊥ {\\displaystyle \\bot } を適合させる方法は驚くほど沢山あり、対応するグラフも複雑になっています。このグラフのボトムが下に表示されています。省略記号はグラフがこの方向に沿って続くことを示します。赤い楕円の要素は、これが連鎖の最後であることを示しています。リストの要素は通常の形式になっています。", "title": "代数的データ型" }, { "paragraph_id": 132, "tag": "p", "text": "", "title": "代数的データ型" }, { "paragraph_id": 133, "tag": "p", "text": "しかしここで、連鎖の長さもまた無限になっています。", "title": "代数的データ型" }, { "paragraph_id": 134, "tag": "p", "text": "収束のセクションで全ての単調なシーケンスは上限を持たなければならないと注意したように、これはいくつかの問題を引き起こします。このことが可能になるのは無限リストが許可されている場合のみです。無限リスト(時にはストリーム(stream)とも呼ばれる)は非常に有用で、これらの多様な使い道を遅延性の章でかなり詳細に扱っています。ここでは、これらの表示的意味論がどのように理由づけられるかを示します。なお、以降の議論はリストのみに制限しますが、木のような任意の再帰的データ構造に容易に一般化できます。", "title": "代数的データ型" }, { "paragraph_id": 135, "tag": "p", "text": "以下では、Haskellにおける無限リストの実用的なプログラミングとの構文上のギャップを埋めるために、標準的なリスト型に戻ります。", "title": "代数的データ型" }, { "paragraph_id": 136, "tag": "p", "text": "無限リストを使って計算する最良の例を示します。そのためには、まず無限リストが必要です。", "title": "代数的データ型" }, { "paragraph_id": 137, "tag": "p", "text": "この再帰的な定義に不動点反復を適用するとき、onesの上限が存在すべき事を確認します。", "title": "代数的データ型" }, { "paragraph_id": 138, "tag": "p", "text": "これは1の無限リストです。take 2 onesはどうあるべきかを考えてみましょう。takeの定義は次の通りです。", "title": "代数的データ型" }, { "paragraph_id": 139, "tag": "p", "text": "onesの近似シーケンスの要素をtakeに適用できます:", "title": "代数的データ型" }, { "paragraph_id": 140, "tag": "p", "text": "1:1:[]は完全に定義されているので、take 2 (1:1:1:⊥)などはtake 2 (1:1:⊥) = 1:1:[] と同じでなければならないことがわかります。入力のリストのシーケンスと出力リストのシーケンスの結果の両方を上限に取って、", "title": "代数的データ型" }, { "paragraph_id": 141, "tag": "p", "text": "を結論づけることができます。したがって、まさに予想したとおりonesの先頭から二つの要素を取り出すように振る舞います。", "title": "代数的データ型" }, { "paragraph_id": 142, "tag": "p", "text": "この例を一般化すると、無限リストの推論について、近似シーケンスとその上限を渡すことを考慮しなければならないことがわかります。まさに無限リストです。まだ、私たちはそれにしっかりとした地面を与えていません。解決策は、連鎖自体の全体を無限リストと認識し、正式に私達の領域の新しい要素として追加することです:無限リストとはこれら近似のシーケンスです。もちろん、onesのような任意の無限リストは、", "title": "代数的データ型" }, { "paragraph_id": 143, "tag": "p", "text": "のようにコンパクトに書くことができ、単純に次のことを意味します。", "title": "代数的データ型" }, { "paragraph_id": 144, "tag": "p", "text": "what simply means that", "title": "代数的データ型" }, { "paragraph_id": 145, "tag": "p", "text": "ナゾナゾです。コンピュータで無限リストを計算する方法は何でしょうか?無限の時間のあとに全ての結果を表示する?ええっと、これはその通り。引っかけは、無限リストの有限な一部分だけを考慮した場合にコンピュータは有限の時間で終了するかもしれない、ということです。なので、無限リストは「潜在的に無限リスト」のように考えるべきでしょう。一般に、中間結果は無限リストの形式をとるのに対し、最終的な値は有限です。中間では無限のデータ構造のような、真の無限を扱うときにプログラムの正しさを推論できるのが表示的意味論の利点の一つです。", "title": "代数的データ型" }, { "paragraph_id": 146, "tag": "p", "text": "最後に注意点として、再帰的な領域の構造は関数の再帰的な定義に類似した不動点反復によって行うことができます。しかし、無限連鎖の問題に明示的に取り組まなければなりません。形式的な構成での解説は外部リンクを参照してください。", "title": "代数的データ型" }, { "paragraph_id": 147, "tag": "p", "text": "Haskellは正格性注釈(strictness annotations)によってデータ構築子のデフォルトの非正格性動作を変更する方法を提供しています。データ型宣言で次のように", "title": "代数的データ型" }, { "paragraph_id": 148, "tag": "p", "text": "エクスクラメーションマーク \"!\"をデータ構築子の引数の前に指定することで、この引数は正格になります。それ故、先の例はJust' ⊥ = ⊥となります。より進んだ情報は正格性の章で見つけることができるでしょう。", "title": "代数的データ型" }, { "paragraph_id": 149, "tag": "p", "text": "あるケースで、次のようにデータ型をリネームしたいことがあります。", "title": "代数的データ型" }, { "paragraph_id": 150, "tag": "p", "text": "しかしながら、Couldbe aは⊥とCouldbe ⊥の要素を両方含んでいます。newtypeの助けを借りて次のように定義します。", "title": "代数的データ型" }, { "paragraph_id": 151, "tag": "p", "text": "このアレンジはCouldbe aはMaybe aと意味的に等価ですが、型検査では別の型として扱われます。特に、構築子Couldbeは正格です。しかし、次の定義とはまた微妙に異なるのです。", "title": "代数的データ型" }, { "paragraph_id": 152, "tag": "p", "text": "この説明のために、次の二つの関数を考えます。", "title": "代数的データ型" }, { "paragraph_id": 153, "tag": "p", "text": "ここで、f' ⊥は構築子Couldbe'のパターンマッチが失敗しf' ⊥ = ⊥の原因となります。しかし、newtypeバージョンの方は、Couldbeにマッチして失敗することはありません。f ⊥ = 42になります。ある意味では、この違いは次のように記述できます:", "title": "代数的データ型" }, { "paragraph_id": 154, "tag": "p", "text": "⊥でのパターンマッチの失敗と、Constructor ⊥でのパターンマッチの失敗は一致しません。", "title": "代数的データ型" }, { "paragraph_id": 155, "tag": "p", "text": "newtypeは再帰型の定義にも使うかもしれません。リスト型[a]の代替となる次のような型を例にあげます。", "title": "代数的データ型" }, { "paragraph_id": 156, "tag": "p", "text": "再び、ポイントはIn構築子が&prep;を持ち上げて追加されたIn &prep;を導入しないということです。", "title": "代数的データ型" }, { "paragraph_id": 157, "tag": "p", "text": "", "title": "Other Selected Topics" }, { "paragraph_id": 158, "tag": "p", "text": "表示的意味論についてのオンライン書籍", "title": "External Links" }, { "paragraph_id": 159, "tag": "p", "text": "テンプレート:Haskell navigation", "title": "External Links" } ]
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{{Haskell minitoc|chapter=Wider Theory}} == 導入 == この章ではHaskellプログラムの意味がどのように形式化されるかという'''表示的意味論'''(denotational semantics)を説明します。「<code>square x = x*x</code> というプログラムの意味は、数をその平方数に写す数学の平方関数だ」ということを形式的に規定することはつまらないことにみえるかもしれませんが、それでは <code>f x = f (x+1)</code> のような無限ループするプログラムの意味はどうでしょうか? 以下ではまずこの疑問に対するScottとStracheyのアプローチを例示し、概して関数プログラムの、特に再帰的な定義の正しさについて論じる基盤を得ることにしましょう。もちろん、これらのトピックではHaskellプログラムを理解するために必要なものに集中します。<ref>実際、Haskellの完全な表示的意味論は書かれていません。</ref> この章の他の狙いは、ある関数がその引数を評価する必要があるかどうかというアイディアを捉えた'''正格'''と'''遅延'''の概念を説明することです。 興味深いことに、これらの概念は実行モデルを参照する必要なく、表示的意味論のみで簡明に定式化することができます。これらは、[[Haskell/Graph reduction|グラフ簡約]]でも利用されています。しかし、この章では表示的な定義と&perp; ("Bottom")のような関連する概念に慣れていきましょう。正格性に興味がある読者は、[[#ボトムと部分関数]]と[[#正格と非正格の意味]]のセクションを見てください。 === 表示的意味論って?何のためにあるの? === Haskellプログラムは何を意味するでしょうか? この質問はHaskellの'''表示的意味論'''によって答えることが出来ます。一般的にプログラミング言語の表示的意味論はプログラムをそれぞれプログラムの「意味」を表す対応する数学的対象 (denotation : 表示) へ写します。例を挙げると、Haskellプログラム<code>10</code>、 <code>9+1</code>、 <code>2*5</code> そして<code>sum [1..4]</code>に対応する数学的対象は、整数''10''と表現できます。このとき、これらのプログラムは整数''10''を'''表示'''(denote)すると言います。プログラムに対応する数学的対象の集まりは'''意味領域'''(semantic domain)と呼ばれます。 プログラムコードから意味領域への写像は、通例、プログラムコードの周りに二重の四角いブラケット(Oxford brackets)で書かれます。例えば、 <center><math>[\![\texttt{2*5}]\!] = 10.</math></center> 表示は''合成的''、すなわち、<code>1+9</code>のようなプログラムの意味は、その成分の意味にのみ依存します。 <center><math>[\![\texttt{a+b}]\!] = [\![\texttt{a}]\!]+[\![\texttt{b}]\!].</math></center> 同じ表記が、型にも使われます。すなわち、 <center><math>[\![\texttt{Integer}]\!]=\mathbb{Z}.</math></center> しかし説明を簡単にするため、後の章ではこれらの式を意味対象と暗黙に同一視し、区別を明確にする必要がある場合に限り、この表記法を使うことにします。 Haskellのような''純粋関数型''言語の、一つのキーとなる性質は、「<code>1+9</code> は ''10'' を表示する」のような数学の直接的な解釈がそのまま関数にも引き継がれることです。本質的には、 <code>Integer -> Integer</code> 型のプログラムは、整数間の数学的な関数<math>\mathbb{Z}\to\mathbb{Z}</math>を表示します。この式も非停止性を含めるために一般に修正が要るのですが、''命令型言語''の場合の状況はより悪いです。その型を持つ手続きは、機械の状態をひょっとしたら意図しない方法で変更するような何かを表示します。命令型言語はその言語を機械で実行する方法の記述である'''操作的意味論'''に密接に関連しています。 命令型プログラムの表示的意味論を定義し、そのようなプログラムに使用して論じることは可能ですが、そうして定義した意味はしばしば操作的な性質を持っていて、時には関数型言語のための表示的意味論よりも拡張する必要があります。<ref>モナドは、命令形言語に表示的意味論を与える方法として、もっとも成功したものの一つでしょう。[[Haskell/Advanced monads]].</ref> 対照的に、純粋関数型言語の意味は''デフォルトで''実行の方法から完全に独立しています。 Haskell98の言語仕様でさえ、Haskellの非正格な表示的意味論だけで規定されており、実装方法については規定されていません。 === 意味領域として何を選ぶか? === それぞれのHaskellプログラムの適切な数学的対象を探ってみることにしましょう。 例として <code>10</code>, <code>2*5</code> と <code>sum [1..4]</code> の場合、これら全ての式は明確に整数''10''を表示するでしょう。 一般化すると、任意の<code>Integer</code>型の値 <code>x</code> は集合 <math>\mathbb{Z}</math> の元であるようです。 同じ事は、<code>Bool</code> 型でも行うことができます。 <code>f :: Integer -> Integer</code> のような関数は、(引数、値)の組の集合として「関数」を数学的に定義することができ、これは一種の''グラフ'' (graph)です。 しかし、関数をただグラフだ、と解釈するのは早計です。なぜなら、それは再帰的な定義では上手くいかないからです。以下の定義について考えてみます。 shaves :: Integer -> Integer -> Bool 1 `shaves` 1 = True 2 `shaves` 2 = False 0 `shaves` x = not (x `shaves` x) _ `shaves` _ = False このコードを 「<code>0</code>、<code>1</code>、<code>2</code> は長い髭の男性とします。誰が誰の髭を剃っているでしょうか?」 という問題だと考えてみましょう。<code>1</code>の人物は彼自身で、しかし<code>2</code> の髭は床屋である <code>0</code>が剃っています。なぜなら 3番目の等式により <code>0 `shaves` 2 == True</code> だからです。一般に、3行目が言っているのは、「床屋 <code>0</code> は自分自身ではひげを剃らない、全ての人のひげを剃る」ということです。 では床屋 <code>0</code> 彼自身についてはどうでしょう? <code>0 `shaves` 0</code> は True と False どちらでしょうか? もし、この式がTrueだとすると、3行目の等式はFalseであり、Falseであるなら3行目の等式はTrueだと言っています。わけがわかりませんが、私たちは単に「<code>0 `shaves` 0</code> はTrue、またはFalseである」と言うことはできないということだけはわかります。 グラフを用いて関数 <code>shaves</code> を解釈するには、空の点が絶対に必要です。私たちは、いくつかの引数で値が定義されていない '''部分関数''' (partial functions) を意味対象に組み込めなければなりません。 しかも、この有名な例では集合論の根幹に関わる重大な問題を引き起こしました。これは定義の中でそれ自身を定義に使っていて、論理が循環している'''非叙述的'''(impredicative)な定義の例です。残念なことに、再帰的な定義では循環は「問題」ではなく「特徴」です。 == ボトムと部分関数 == === &perp; ボトム(Bottom) === 部分関数を定義するために、'''ボトム''' (bottom) と名付けられた特殊な値「⊥」を導入します(これはASCIIコードで<code>_|_</code>とも書かれます)。私たちは⊥を完全に'''未定義の値'''もしくは未定義の関数と言います。 <code>Integer</code> や <code>()</code> のような基本的なそれぞれのデータ型は、通常の要素に加えて⊥を含んでいます。つまり、 <code>Integer</code> 型が取り得る値は、 <center><math>\bot, 0, \pm 1, \pm 2, \pm 3, \dots</math></center> のようになります。値の集合に⊥を追加することを '''持ち上げ''' (lifting)と呼びます。これは、しばしば <math>\mathbb{Z}_\bot</math> のように添え字で示されます。これは数学的な集合「持ち上げられた整数」の正しい表記ですが、私たちは「<code>Integer</code> 型の値」のように話すことを好みます。これは、<math>\mathbb{Z}_\bot</math> という表示は他に「真の」整数 <math>\mathbb{Z}</math> が存在することを示唆しますが、Haskellでは整数といえば型 <code>Integer</code> のことを指すからです。 他の例として、 <code>()</code> 型はただ一つの要素しかないように思えますが、実際には二つの要素が属しています。 <center><math>\bot, ()</math></center> 今のところ、私たちは <code>Integer</code> 型だけでのプログラミングに留まります。正格、非正格な言語で⊥を含んだ任意の代数的データ型がどのように発散するかは、セクション[[#代数的データ型|代数的データ型]]で扱われています。 Haskellでは、式 <code>undefined</code> は⊥を表示します。この助けを借りて、実際のHaskellプログラムのいくつかの意味的性質を確認することが出来ます。<code>undefined</code> はもちろん<code>undefined :: Integer</code>, <code>undefined :: ()</code>, <code>undefined :: Integer -> Integer</code> などのようにどのような型にでも特化することができる多相型 <code>forall a . a</code> を持ちます。 これは Haskell の Preludeでは、 <center><code>undefined = error "Prelude.undefined"</code></center> と定義されています。余談ですが、[[Haskell/The Curry-Howard isomorphism|Curry-Howard同型]]に従って、多相型<code>forall a . a</code> の任意の値の表示は⊥でなければなりません。 === 部分関数と意味近似順序 === <math>\bot</math> (''ボトム型'') を使って部分関数を表すことができます。 <center><math>f(n) = \begin{cases} 1 & \mbox{ if } n \mbox{ is } 0 \\ -2 & \mbox{ if } n \mbox{ is } 1 \\ \bot & \mbox{ else } \end{cases} </math></center> ここで、 <math>f(n)</math> は <math>n=0</math> と <math>n=1</math> で定義された値を返しますが、他の全ての <math>n</math>には <math>\bot</math> を返します。 <math>\bot</math> 型が値を持たないように、<math>\bot</math>は普遍的であることに注意してください。関数<math>\bot</math><code>:: Integer -> Integer</code> は <center><math>\bot(n) = \bot</math> for all <math>n</math></center> と定義されます。ここで、 右辺にある<math>\bot</math>は<code>Integer</code>型の値を表します。 形式的には、<code>Integer -> Integer</code> という型を持つ '''部分関数''' とは、少なくとも持ち上げられた整数集合 <math>\mathbb{Z}_\bot=\{\bot, 0, \pm 1, \pm 2, \pm 3, \dots\}</math> から持ち上げられた整数集合への数学的な写像のことをいいます。しかし、<math>\bot</math>の特別な役割を認識していないので、それだけでは不十分です。例えば、つぎの定義 <center><math>g(n) = \begin{cases} 1 & \mbox{ if } n \mbox{ is } \bot \\ \bot & \mbox{ else } \end{cases} </math></center> は直感に反するように見えますし、事実これは間違っています。 <math>g(1)</math> は未定義な一方、なぜ <math>g(\bot)</math> は値が定義されているのでしょうか? 直感では全ての部分関数 <math>g</math> は、定義された引数が多いほど定義された結果が得られるべきです。 形式的には、全ての具体的な数は <math>\bot</math> より'''更に定義されている'''(more defined)と言えます。 <center><math>\bot\sqsubset 1\ ,\ \bot\sqsubset 2\ , \dots</math></center> ここで、<math>a\sqsubset b</math> は <math>b</math> が <math>a</math> より更に定義されていることを表します。 同様に、<math>a\sqsubseteq b</math> は <math>b</math> は <math>a</math> より更に定義されているか、等しい(そのため同じだけの定義度)です。 <math>\sqsubset</math> は'''意味近似順序'''(semantic approximation order)と呼ばれます。なぜなら、定義された値をより定義されていない値によって近似できるので、「更に定義されている」とは「よりよい近似である」だと解釈できるからです。もちろん、<math> \bot </math>はデータ型の最小元となるよう設計されており、 x が <math>\bot</math> を表していた場合を除けば、全ての<math>x</math>は<math>\bot\sqsubset x</math>を常に満たすといつでも言えます: <center><math>\forall x\neq\bot\ \ \ \bot\sqsubset x </math></center> 他の数より "更に定義されている" ような数は存在しないので、任意の数の組における数学的な関係 <math>\sqsubset</math> は偽になります。 <center><math> 1 \sqsubset 1 </math> は成立しない。</center> <center><math>1 \sqsubset 2</math> も <math>2 \sqsubset 1</math> も成立しない。</center> これは、普通の順序述語 <math>\le</math> では任意の二つの数を比較できるのとは対照的です。手っ取り早く覚える方法は次の文として考えるといいでしょう。「<math>1</math> と <math>2</math>は『情報の内容』としては異なるが、『情報の量』としては同じである。」。 それが、私たちが <math>\le</math>と異なる記号<math>\sqsubseteq</math>を使うもうひとつの理由です。 <center><math>1 \sqsubseteq 2</math> も <math>2 \sqsubseteq 1</math> も成立しない。</center> <center>が、 <math>1 \sqsubseteq 1</math> が成立する。</center> <math>\sqsubseteq</math>は'''半順序'''(partial order)を規定し、<code>Integer</code>型の値は'''半順序集合''' (partially ordered set、poset)をなすと言います。半順序は次の三つの法則で特徴付けられます。 * ''反射率'' : 全ての自分自身との半順序は自分自身である。<math>x \sqsubseteq x</math> for all <math>x</math> * ''推移律'' :<math>x \sqsubseteq y</math> かつ <math>y \sqsubseteq z</math>なら、<math>x \sqsubseteq z</math> * ''反対称律'' : <math>x \sqsubseteq y</math> かつ <math>y \sqsubseteq x</math> が成立するなら、<math>x</math> と <math>y</math>は等しい。 <math>x=y</math>。 {{Exercises|1=順序<math>\le</math>について整数は半順序集合をなしているでしょうか?}} 次のグラフによって、 <code>Integer</code>型の値における順序<math>\sqsubseteq</math>を表現することができます。 [[Image:Int-graph.png]] ここで、全ての二つのノード間のリンクは、上にある方が下にある方に比べて、更に定義されされているとします。(<math>\bot</math>を除いて)階層は1レベルだけであるため、 <code>Integer</code> は''平坦領域''(flat domain)であるといいます。図で見ると <math>\bot</math>が何故''ボトム''と呼ばれるのかがわかるでしょう。常に一番下に居座っているからです。 === 単調性(Monotonicity) === 私達が部分関数に対して抱いた直感は、これで以下のように定式化することが出来ます。 :半順序集合どうしを対応付ける全ての部分関数 <math>f</math> は '''単調''' 写像である。 :引数が更に定義されると、更に定義された値を返す。 <center><math> x\sqsubseteq y \Longrightarrow f(x)\sqsubseteq f(y) </math></center> 特に、<math>h(\bot)=1</math> である関数 <math>h</math> は定数関数: <math>h(n)=1</math> for all <math>n</math> です。ここでは、 <math>1 \sqsubseteq 2</math> 等が成立しないことが重要なことに注意してください。 Haskellに翻訳すると、単調性の意味は <math>\bot</math> は条件式で使えない、すなわち、<math>\bot</math>や、それと等価な<code>undefined</code>をパターンマッチ出来ないということです。そうでないと、上記の例 <math>g</math> がHaskellのプログラムとして表現できてしまいます。後で見るように、<math>\bot</math>はまた非停止プログラム(non-terminating program)をも表すので、Haskell内部から <math>\bot</math> を観測することが出来ないことは、停止性問題と関連しているのです。 もちろん、''より更に定義されている''という概念は、任意の可能な引数について関数がもう一方より更に定義されていることを言うことで、部分関数に拡張可能です: <center><math>f \sqsubseteq g \mbox{ if } \forall x. f(x) \sqsubseteq g(x)</math></center> したがって、部分関数もまた半順序集合をなし、未定義の関数<math>\bot(x)=\bot</math>を最小元として持ちます。 == 不動点反復としての再帰的定義 == === 階乗関数の近似 === これで私たちは部分関数を記述する手段を手に入れたので、再帰的定義の解釈を与えることができます。再帰関数の例としてよく知られている階乗関数 <math>f(n)=n!</math> を見てみましょう。 <center><math>f(n) = \mbox{ if } n == 0 \mbox{ then } 1 \mbox{ else } n \cdot f(n-1)</math></center> ここまでで見てきたように、この再帰関数を集合を記述したものとして直接解釈すると問題を引き起こしかねないのですが、与えられた全ての<math>n</math>について <math>f(n)</math>を計算するためには右辺を繰り返していかなければならないことは直感的にわかります。この繰り返しは次のように形式化できます。一つ前の関数に次の定義を適用したもので右辺が構成されているような関数の列 <math>f_k</math> を計算するのです。 <center><math>f_{k+1}(n) = \mbox{ if } n == 0 \mbox{ then } 1 \mbox{ else } n \cdot f_k(n-1)</math></center> 未定義の関数 <math>f_0(n) = \bot</math> から始めると、部分関数の列は次のような結果になります。 <center><math>f_1(n) = \begin{cases} 1 & \mbox{ if } n \mbox{ is } 0 \\ \bot & \mbox{ else } \end{cases} \ ,\ f_2(n) = \begin{cases} 1 & \mbox{ if } n \mbox{ is } 0 \\ 1 & \mbox{ if } n \mbox{ is } 1 \\ \bot & \mbox{ else } \end{cases} \ ,\ f_3(n) = \begin{cases} 1 & \mbox{ if } n \mbox{ is } 0 \\ 1 & \mbox{ if } n \mbox{ is } 1 \\ 2 & \mbox{ if } n \mbox{ is } 2 \\ \bot & \mbox{ else } \end{cases} </math></center> などなど。明らかに、 <center><math>\bot=f_0 \sqsubseteq f_1 \sqsubseteq f_2 \sqsubseteq \dots </math></center> となり、関数の列は階乗関数に収束するでしょう。 この反復は、不動点反復(fixed point iteration)としてよく知られる図式に沿っています。 <center><math> x_0, g(x_0), g(g(x_0)), g(g(g(x_0))), \dots </math></center> ここでの場合、 <math>x_0</math> は関数、<math>g</math> は関数から関数への写像である''汎関数''です。 <center><math> x_0 = \bot</math> and <math> g(x) = n\mapsto\mbox{ if } n == 0 \mbox{ then } 1 \mbox{ else } n*x(n-1) \,</math> </center> もし<math>x_0 = \bot</math>から始めると、反復によって増加的に定義されてゆく、階乗関数の近似関数列が得られます。 <center><math> \bot\sqsubseteq g(\bot)\sqsubseteq g(g(\bot))\sqsubseteq g(g(g(\bot)))\sqsubseteq \dots </math></center> (この関数列が増加的であることの証明:まず、最初の不等式<math>\bot\sqsubseteq g(\bot)</math>は、<math>\bot</math> がいかなるものより更に定義されてるということがないことから言えます。2番目の不等式は、最初の不等式の両辺にgを適用し <math>g</math> が単調であることから言えます。3番目以降も同様です。) この反復の図式は、Haskellで記述してみると分かりやすいでしょう。汎関数は普通の高階関数ですので、次のように書けます。 g :: (Integer -> Integer) -> (Integer -> Integer) g x = \n -> if n == 0 then 1 else n * x (n-1) x0 :: Integer -> Integer x0 = undefined (f0:f1:f2:f3:f4:fs) = iterate g x0 これで、関数 <code>f0,f1,...</code>にサンプルの引数を与えて評価し、 <code>undefined</code> を返すかどうか見ることができます。 > f3 0 1 > f3 1 1 > f3 2 2 > f3 5 *** Exception: Prelude.undefined > map f3 [0..] [1,1,2,*** Exception: Prelude.undefined > map f4 [0..] [1,1,2,6,*** Exception: Prelude.undefined > map f1 [0..] [1,*** Exception: Prelude.undefined もちろん、f4が本当に全ての引数について未定義なのかを確認するのにこの方法は使えません。 === 収束 === 数学者にとっては、この近似関数の列は収束するのかという問題が残っています。これに答えるために、'''有向完備半順序'''(directed complete partial order、'''dcpo''')という概念を導入します。ある半順序集合について、全ての単調なシーケンス<math>x_0\sqsubseteq x_1\sqsubseteq \dots</math> (''連鎖'' (chain)とも呼ばれます) が上限(least upper bound、supremum) <center><math>\sup_{\sqsubseteq} \{x_0\sqsubseteq x_1\sqsubseteq \dots\} = x</math></center> を持つとき、かつそのときに限って、その半順序集合は有向完備半順序であると言います。 明らかに、意味近似順序については高階関数を近似する階乗関数の単調な列が極限を持つことを確かめることが出来ます。私たちの表示的意味論については、最小元 <math>\bot</math>を持つdcpoだけを取り扱います。そのようなdcpoは'''完備半順序'''(complete partial order、'''cpo''')と呼ばれています。 明らかに <code>Integer</code> は(d)cpoです。なぜなら複数の要素からなる単調な列は以下の形式でなければならないからです。 <center><math>\bot\sqsubseteq\dots\sqsubseteq\ \bot\sqsubseteq n\sqsubseteq n\sqsubseteq \dots\sqsubseteq n</math></center> ここで、 <math>n</math> は普通の数です。それゆえ<math>n</math>はすでに上限です。 関数<code>Integer -> Integer</code> については、単調なシーケンスは無限の長さかもしれないので、同じ論証が成立しません。しかし<code>Integer</code>が(d)cpoであるため、全ての点<math>n</math>について、上限 <center><math>\sup_{\sqsubseteq} \{\bot=f_0(n) \sqsubseteq f_1(n) \sqsubseteq f_2(n) \sqsubseteq \dots\} =: f(n)</math></center> が存在します。意味近似順序は各点ごとに定義されるので、この関数<math>f</math>が私たちが求めていた上限です。 これらは、階乗関数の非叙述的な定義をwell definedに構成されたものに変換するという私たちの目標のために最後にふれました。もちろん、全ての<math>n</math>について実際に<math>f(n)</math>に値が定義されていることがまだ示されていません。しかし、これは難しくありませんし、不明確な定義(ill-formed definition)よりはるかに合理的です。 === ボトムは非停止性を含む === 新しく得られた再帰的な定義についての洞察を停止しない例に試してみるのは有益です。 <center><math>f(n) = f(n+1)</math></center> この関数の近似列を書き下せば <center><math>f_0 = \bot, f_1 = \bot, \dots</math></center> となり、 <math>\bot</math>だけで構成されています。明らかに、結果の極限もまた <math>\bot</math> になります。操作的な観点からは、このプログラムを実行した機械は永久にループします。よって、'''非停止'''(non-terminating)な関数や値もまた <math>\bot</math> で表せることが解ります。ゆえに、停止性問題の決定不能性を考えれば、Haskellの中で<math>\bot</math>にパターンマッチさせることは不可能なのです。 === 最小不動点としての解釈 === 以前、近似意味をよく知られた"不動点反復"の例と言いました。そしてもちろん、階乗関数 <math>f</math> の定義は汎関数<math>g</math>の不動点の仕様としても考えることが出来ます。 <center><math>f = g(f) = n\mapsto\mbox{ if } n == 0 \mbox{ then } 1 \mbox{ else } n\cdot f(n-1)</math></center> しかしながら、不動点にも色々あるかもしれません。具体的には、仕様を満たす次のようないくつかの<math>f</math>が存在します。 <center><math>f = n\mapsto\mbox{ if } n == 0 \mbox{ then } 1 \mbox{ else } f(n+1)</math></center> もちろん、このようなプログラムを実行するとき、<math>f(1)</math>か<math>f(2)</math>なら機械は永久にループし<math>f(1)</math>の値について有用な情報を生成しません。これは意味対象<math>f</math>となるものとして''最小に定義された''不動点に対応し、これは確かに自然な選択(a canonical choice)です。したがって、 <center><math>f=g(f)</math></center> と言うとき、<math>g</math>の'''最小不動点'''<math>f</math>と定義します。明確に、''最小''は意味近似順序 <math>\sqsubseteq</math>を基準にしています。 <math>g</math>の条件に'''連続性'''(continuous、"chain continuous"とも呼ばれます)を加えたとき、私たちの反復構成は最小不動点の存在が保証されます。<math>g</math>が連続であるとは、単に<math>g</math>が単調なシーケンスの上限を保つ、つまり <center><math>\sup_{\sqsubseteq}\{g(x_0)\sqsubseteq g(x_1) \sqsubseteq\dots\} = g\left(\sup_{\sqsubseteq}\{x_0\sqsubseteq x_1\sqsubseteq\dots\}\right)</math></center> であることです。次に、 <center><math>f=\sup_{\sqsubseteq}\{x_0\sqsubseteq g(x_0)\sqsubseteq g(g(x_0))\sqsubseteq\dots\}</math></center> を議論することができますので、 <center><math>\begin{array}{lcl} g(f) &=& g\left(\sup_{\sqsubseteq}\{x_0\sqsubseteq g(x_0)\sqsubseteq g(g(x_0))\sqsubseteq\dots\}\right)\\ &=& \sup_{\sqsubseteq}\{g(x_0)\sqsubseteq g(g(x_0))\sqsubseteq\dots\}\\ &=& \sup_{\sqsubseteq}\{x_0 \sqsubseteq g(x_0)\sqsubseteq g(g(x_0))\sqsubseteq\dots\}\\ &=& f \end{array}</math></center> かつ繰り返しの極限は<math>g</math>の不動点であることが確かめられます。また、不動点反復によって実際に最小の不動点が得られることも確かめたいと思うかもしれません。 {{Exercises|1= <math>x_0=\bot</math> で始まる不動点の繰り返しによって得られる不動点が最小不動点でもある、つまり他のどの不動点よりも小さいことを証明せよ。(ヒント:<math>\bot</math>はcpoの最小元で、gは単調である)}} ところで、私たちの書いたそれぞれのHaskell関数が確かに連続であることはどのように確認すれば良いのでしょうか?単調性と同様に、プログラミング言語によって強制されているはずです。確かに、これらの性質は少しだけ強制したり、破ったりすることができるので、質問には少し無意味さを感じます。 しかし直感的には、単調性は<math>\bot</math>をパターンマッチさせることが不可能であることから保証されます。連続性については、任意の型<code>a</code>に対して、全ての単純な関数 <code>a -> Integer</code> は <code>Integer</code>の単調なシーケンスは有限の長さであることから自動的に連続であることが言えます。 全ての型<code>a</code>の値の無限の連鎖は、<code>Integer</code>の有限の連鎖に移され、上限を保つことは単調性から言えます。<math>g</math><code>::(Integer -> Integer) -> (Integer -> Integer)</code>のような高階関数の場合、連続性はカリー化のために具現化します。つまりカリー化によって問題の型は <code>::((Integer -> Integer), Integer) -> Integer</code> と同型な型なので、<code>a=((Integer -> Integer), Integer)</code>とすることができます。 Haskellにおいて、高階関数の不動点解釈は、不動点コンビネータ <center><code>fix :: (a -> a) -> a</code>.</center> の助けを得て、 <center><code>factorial = fix g</code></center> のようにコーディングすることができます。 不動点コンビネータは、 <center><code>fix f = let x = f x in x</code></center> によって定義することができ、これは階乗関数を展開するときに少し戸惑いを残しますが、結果は最初の方法でHaskellの階乗関数を定義したときと異なると言うことはありません。しかしもちろん、このセクション全体で行った構成は、現実のHaskellプログラムを走らせたときには常に起こるわけではありません<!-- is not at all present の訳--->。この構成はHaskellプログラムの数学的解釈を確かなものにするための手段にすぎません。しかしそれでも、<code>undefined</code>の助けによって、Haskellだけを使って<!--- Haskell itselfの訳 --->これらの意味論を探究することができるのはとても素晴らしいことです。 == 正格と非正格の意味 == === 正格関数 === 一引数の関数<code>f</code>が、 <center><code>f &perp; = &perp;</code>.</center> を満たすとき、かつそのときに限って、その関数は'''正格'''(strict)であると呼ばれます。 次の関数は例は全て正格関数です。 id x = x succ x = x + 1 power2 0 = 1 power2 n = 2 * power2 (n-1) これらについて、特に予期しないことは何もありません。しかし何故これらの関数は正格なのでしょうか?それは、これらの関数を実際に正格であることを証明してみるのが有益でしょう。<code>id</code>の場合、これは定義からそのまま成り立ちます。<code>succ</code>の場合、<code>&perp; + 1</code>は<code>&perp;</code>になるか、またはそうでないかを熟慮する必要があります。もし、<code>&perp;</code>にならないのならば、<code>&perp; + 1 = 2</code>もしくはより一般的に具体的なある数 ''k''で<code>&perp; + 1 = ''k''</code>と表せるでしょう。しかし全ての関数は''単調''であることを思い出すと、<code>&perp; ⊑ 4</code> であることから <center><code>2 = &perp; + 1 ⊑ 4 + 1 = 5</code></center> のようにならなければなりません。しかし、<code>2 ⊑ 5</code>、<code>2 = 5</code>、<code>2 ⊒ 5</code>のいずれも成り立たないので、''k''は2ではありません。一般に、 <center><code>''k'' = &perp; + 1 ⊑ ''k'' + 1 = ''k'' + 1</code></center> は矛盾します。したがって唯一可能な選択肢は <center><code>succ &perp; = &perp; + 1 = &perp;</code></center> で、<code>succ</code>は正格です。 {{Exercises|1=<code>power2</code> が正格であることを証明せよ。一つは<code>power2 ''n''</code>は<math>2^n</math>であるという"明白な"事実を基にすることができ、後者は不動点繰り返しを使って証明するといいだろう。}} === 非正格言語と正格言語 === '''非正格'''(non-strict)な関数を探してみましょう。<code>Integer -> Integer</code>型の非正格関数のプロトタイプが起こすことは一つだけです。 one x = 1 全ての具体的な数を<code>''k''</code> とすると <code>constk x = ''k''</code> はその亜種です。何故これらが唯一可能なものなのでしょうか? <code>one ''n''</code> は <code>one &perp;</code>より少なく定義されてはいけないことを思い出してください。<code>Integer</code>は平坦領域であるため、両者は等しくなければなりません。 なぜ <code>one</code> は非正格なのでしょうか?そのことを確認するために、Haskellのインタプリタを使って試してみると、 > one (undefined :: Integer) 1 &perp;ではありません。<code>one</code>はその引数を完全に無視するので、これは合理的です。 &perp;を"非停止"などの意味で解釈するとき、ある人は<code>one</code>の非正格性とは、その引数を強制的に評価する際に無限ループは避けられないということを意味する、と言うかもしれません。しかし、またある人は、全ての関数は結果を計算する前にその引数を評価しなければならず、<code>one &perp;</code> は&perp;を意味しなければならない、と言うかもしれません。つまり、もし引数を計算するプログラムが停止しない場合、<code>one</code>も同様に停止すべきではない、と。<ref> 関数の先行評価の正格性などは、[[Haskell/Graph Reduction|Graph Reduction]]の章に詳述されています。</ref> これらの主張の違いは、関数型プログラミング言語の場合、使う人が''自由に選ぶ''ことができるか、または他の設計がなされているかに現れます。ある人は、言語の''正格''、''非正格''は、関数の評価が正格、非正格のどちらがデフォルトなのかに依存すると言います。Haskellの選択は非正格です。対照的に、MLとLispは正格な意味論を選択しています。 === 多引数の関数 === 正格性の概念を多変数関数に拡張しましょう。例えば、二引数の関数 <code>f</code> が全ての <code>x</code> について <center><code> f x &perp; = &perp;</code></center> を満たすとき、かつそのときに限って関数<code>f</code>は''第二引数について正格''であると言います。しかし多引数の場合、他の引数で与えた値に依存する混合形式の正格性がはるかに一般的です。例えば、条件式 cond b x y = if b then x else y における<code>y</code>の正格性は、<code>b</code>が<code>True</code>か<code>False</code>かどうかに依存することがわかります: cond True x &perp; = x cond False x &perp; = &perp; <code>x</code>も同様です。どうやら、<code>cond</code>は<code>x</code>と<code>y</code>が両方とも&perp;なら確実に&perp;になるようですが、どちらか一方の引数が少なくとも定義されているとは限りません。この振る舞いは'''正格性連結'''(joint strictness)と呼ばれています。 明らかに<code>cond</code>は、<code>then</code>節と<code>else</code>節の両方を評価しない事が重要なif-then-else文のように振る舞います。 if null xs then 'a' else head xs if n == 0 then 1 else 5 / n ここでは、条件が満たされたときelseの部分は&perp;です。したがって、非正格言語では、if-then-elseのようなプリミティブな制御文を<code>cond</code>のような関数でラップすることができます。このように、自分の制御オペレータを自分で定義することができます。 正格言語では、これは非正格性は正格な場合に比べ、コードの再利用のためのより多くの柔軟性を提供する一般的な観察を垣間見ることがあります。この主題に関する詳細は、[[Haskell/Laziness|遅延性]]<ref>''遅延性''(Laziness)という用語は非正格言語のよくある実装技術が''遅延評価''(lazy evaluation)と呼ばれる事からきています。</ref>の章を見るといいでしょう。 === 正格言語の全ての関数は正格ではない === ''このセクションは間違いであることが指摘されています''(原文の[[:en:Talk:Haskell/Denotational semantics#Not all Functions in Strict Languages are Strict|議論]]を参照) 正格性や非正格性は、正格な言語でさえも注意することが重要で、全ての関数が正格ではありません。正格性と非正格性のどちらをデフォルトで選択したかは、特定の引数のデータ型に適用されます。<code>Integer</code>、<code>(Bool,Integer)</code>や<code>Either String [Integer]</code>のようなデータが含まれている引数の型は正格性を課しますが、<code>Integer -> Bool</code>のような''関数型''は必ずしも正格である必要はありません。Haskellライクな構文の正格言語を仮定して、インタープリタとセッションしてみます。 !> let const1 _ = 1 !> const1 (undefined :: Integer) !!! Exception: Prelude.undefined !> const1 (undefined :: Integer -> Bool) 1 なぜ正格言語の関数型の引数は正格ではないのでしょうか?もし正格だった場合は、不動点反復は塵のように崩れ去るでしょう! <math>g</math><code>::(Integer -> Integer) -> (Integer -> Integer)</code>の不動点反復を覚えていますか? <center><math> \bot\sqsubseteq g(\bot)\sqsubseteq g(g(\bot)) \dots </math></center> もし <math>g</math> が正格なら、シーケンスは以下のようになります。 <center><math> \bot\sqsubseteq\bot\sqsubseteq\bot\sqsubseteq \dots </math></center> 明らかに無駄な<math>\bot</math>に収束しています。<math>g</math> が引数の関数より更に定義されて作られているのが重要です。これは <math>g</math> が有益な不動点を得るためには、その引数が正格であってはならないことを意味します。 補足ですが、この関数型は非正格でなければならないという事実は、正格な言語でいくつかの非正格な振る舞いを回復するために使用することが出来ます。一つは、<code>()</code>は単一の要素だけをもつよく知られた型を表す<code>()</code>型を引数にとる関数<code>() -> Integer</code>と、<code>Integer</code>のようなデータ型を単純に置き換えます。そのような関数は全て(&perp;のほかに)唯一<code>()</code>だけが引数の値であり、単独の整数に対応します。しかし、<code>() -> Integer</code>型の引数の場合のその操作は非正格かもしれません。 {{Exercises|1=正格言語で<code>Integer</code>を非正格な振る舞いの<code>() -> Integer</code>に持ち上げるのは面倒です。このことを行う関数 <center><code>lift :: Integer -> (() -> Integer)</code></center> を描く事は出来るでしょうか?どこに罠が潜んでいるでしょうか? }} == 代数的データ型 == 動機付けとして<code>Integer</code>型間の部分関数の場合を処理した後に、現在のHaskellにおける任意の代数的データ型の表示的意味論に範囲を拡張したいと思います。 用語について一言:特定の型の意味対象の集まりは通常、'''領域'''(domain)と呼ばれます。この用語は、"特定の定義"より一般的な名前で、私たちの領域がcpo(完全半順序)であると判断し、値の集合と一緒に不動点反復を可能にするためにいくつかの条件に従った''更に定義(more defined)''に関係します。通常、領域の値がコンピューター上でいくつかの有限の方法で表現でき、非可算無限集合のねじれた方法を熟慮するのを回避するために、cpoに条件を追加して確認します。しかし、私たちは一般の領域理論の定理を証明しようとしているわけではないため、条件を維持するだけの構成が生じます。 === データ構築子 === 次の例を見てみましょう。 data Bool = True | False data Maybe a = Just a | Nothing ここで、<code>True</code>、<code>False</code>、<code>Nothing</code> は引数の無いデータ構築子で、<code>Just</code>は一引数のデータ構築子です。 [[Image:Bool-graph.png]] &perp;は<code>True</code>と<code>False</code>の値からなる集合に加えられた最小元であることを思い出すと、この型は'''持ち上げ'''られていると言えます。<ref>持ち上げる''lifted''という用語は若干多重定義されています。[[#アンボックス型]]も参照してください。</ref>半順序集合の図が1レベルのみから構成されている領域を'''平坦領域'''と呼ぶのでした。私たちはすでに<math>Integer</math>が平坦領域で、&perp;の上のレベルには無限の数があることよく知っています。 <code>Maybe Bool</code>の住人にはどのようなものがあるでしょうか? &perp;, Nothing, Just &perp;, Just True, Just False したがって、一般的なルールは一つ以上の引数を持つデータ構築子に全ての可能な値を挿入することです。&perp;のことも忘れずに。半順序については、任意の他の関数が単調でなければならないように、データ構築子も単調でなければなりません。したがって、半順序は次のようになります。 [[Image:Maybe-graph.png]] しかし、考慮すべき事があります:なぜ<code>Just &perp; = &perp;</code>ではないのでしょうか?"Just undefined"は"undefined"と同様に未定義を意味するでしょうに!答えは言語が正格であるか非正格であるかに依存します。正格言語の場合、全てのデータ構築子はデフォルトで正格です。すなわち、<code>Just &perp; = &perp;</code>で、図は次のように減ります。 [[Image:Maybe-graph-strict.png]] 結果として、正格言語の領域は全て平坦です。 しかし、Haskellのような非正格言語の場合、データ構築子はデフォルトで非正格で、<code>Just &perp;</code>は&perp;とは異なる新しい要素です。なぜなら、私たちはこれらに対して異なる反応を示す関数を書くことができるからです: f (Just _) = 4 f Nothing = 7 <code>f</code>はデータ構築子<code>Just</code>の中身を無視するので、<code>f (Just &perp;)</code>は<code>4</code>です。しかし、<code>f &perp;</code>は<code>&perp;</code>です(直感的には、fが&perp;を渡された場合、Justに分岐するかNothingに分岐するか判断することはできず、&perp;を返すでしょう)。 これは、元のグラフが示すように''非平坦領域''を生じさせます。これらの扱いはどうあるべきでしょうか?[[Haskell/Graph Reduction|グラフ簡約]]の文脈では、&perp;は未評価の式とも考えられるかもしれません。したがって、<code>x = Just &perp;</code>という値は、(例えばルックアップなどの)計算は成功しており<code>Nothing</code>ではなく、しかし、真の値はまだ評価されていないことを伝えています。もし<code>x</code>が成功したか失敗したかだけに興味があるなら、これは平坦領域での場合のように<code>x</code>が<code>Just True</code>か<code>Just False</code>かを実際に計算する不要な作業から私たちを救います。非平坦領域の完全な影響は[[Haskell/Laziness|遅延性]]の章で見つけることができますが、一つの著名な例である無限リストを[[#再帰的データ型と無限リスト]]のセクションで扱います。 === パターンマッチング === [[#正格関数|正格関数]]のセクションでは、いくつかの関数が異なる入力に異なる結果を返し、単調性を主張することを検査することによって証明しました。しかしながら、代数的データ型の観点からは、現実のHaskellライフにも正格性の一つの源が存在する場合もあります。パターンマッチ、すなわち<code>case</code>式です。<code>data</code>構文のデータ構築子をパターンマッチする際の一般的なルールは関数が正格になるように強制されます。すなわち、データ構築子に対して&perp;を与えると常に&perp;になります。説明のために、次のコードを考えてみます。 const1 _ = 1 const1' True = 1 const1' False = 1 最初の関数<code>const1</code>は非正格ですが、一方<code>const1'</code>は正格です。なぜなら、関数の結果は引数に依存しないものの、<code>True</code>か<code>False</code>かを判断しているからです。関数引数のパターンマッチは<code>case</code>式と等価で、 const1' x = case x of True -> 1 False -> 1 というコードと同様に正格性を課します。もし<code>case</code>で囲まれた引数の表示が&perp;なら<code>case</code>式の表示も&perp;です。しかしながら、case式の引数は以下のようにもっと関与している可能性があります。 foo k table = case lookup ("Foo." ++ k) table of Nothing -> ... Just x -> ... これが、<code>foo</code>の正格性のために何を意味するのかを追跡するのは難しいことがあります。 等式スタイルのマルチパターンマッチの例の論理<code>or</code>: or True _ = True or _ True = True or _ _ = False 等式は上から下にマッチされていくことに注意します。最初の等式は <code>or</code>の最初の引数に対して<code>True</code>かどうかマッチします。よって、<code>or</code>は最初の引数において正格です。この等式は<code>or True x</code>が<code>x</code>において非正格であることも教えてくれます。もし最初の引数が<code>False</code>の場合、二番目の引数に対して<code>True</code>かマッチするので、<code>or False x</code>が<code>x</code>において正格です。ワイルドカードの場合は一般に非正格のサインであることに注意すると、関数の正格性はデータ構築子に対するパターンマッチに関してこれらの位置に依存します。 {{Exercises|1= #論理<code>and</code>の場合に同等の議論を与えよ。 # "排他的論理和"(xor)は引数の一方がわかれば、他方の引数について非正格にできるだろうか?}} パターンマッチの別の形式として、チルダを<code>~</code>付けた'''反駁不可パターン'''(irrefutable patterns)と名付けられたものがあります。これは次のように使います。 f ~(Just x) = 1 f Nothing = 2 反駁不可パターンは<code>f &perp; = 1</code>でも、常に成功して結果を返します(これが名前の由来です)。しかし、<code>f</code>の定義を変更した時、 f ~(Just x) = x + 1 f Nothing = 2 -- この行は離れて残ることがあります。 次のようになります。 f &perp; = &perp; + 1 = &perp; f (Just 1) = 1 + 1 = 2 もし引数がパターンにマッチしたら、対応する値を<code>x</code>に束縛します。そうでなければ、任意の変数<code>x</code>のように&perp;を束縛します。 デフォルトでは、<code>let</code>と<code>where</code>も非正格に束縛します。 foo key map = let Just x = lookup key map in ... は、次と等価です。 foo key map = case (lookup key map) of ~(Just x) -> ... {{Exercises|1= <ol><li> [http://www.haskell.org/onlinereport/ Haskellの言語定義]では[http://www.haskell.org/onlinereport/exps.html#case-semantics パターンマッチの詳細な定義]を与えています。あなたは今や、これを理解することができるはずです。見てみましょう! </li><li> <code>or</code>関数の二つの<code>Boolean</code>引数が以下の性質を持つことについて考える: or &perp; &perp; = &perp; or True &perp; = True or &perp; True = True or False y = y or x False = x この関数は正格性連結の例だが、遙かに鮮明だ。両方の引数が&perp;の時だけ&perp;になる。 (少なくとも引数は<code>True</code>か&perp;に制限する)。このような関数はHaskellで実装することができるだろうか? </li></ol>}} === 再帰的データ型と無限リスト === 再帰的データ型の場合も基本から大きく異なるということはありません。ユニット型のリストを考えてみます。 data List = [] | () : List これは単純な型に思えますが、<math>\bot</math>を適合させる方法は驚くほど沢山あり、対応するグラフも複雑になっています。このグラフのボトムが下に表示されています。省略記号はグラフがこの方向に沿って続くことを示します。赤い楕円の要素は、これが連鎖の最後であることを示しています。リストの要素は通常の形式になっています。 [[Image:List-graph.png]] しかしここで、連鎖の長さもまた無限になっています。 <center><code>&perp; <math>\sqsubseteq</math> ():&perp; <math>\sqsubseteq</math> ():():&perp; <math>\sqsubseteq</math> ...</code></center> [[#収束|収束]]のセクションで全ての単調なシーケンスは上限を持たなければならないと注意したように、これはいくつかの問題を引き起こします。このことが可能になるのは'''無限リスト'''が許可されている場合のみです。無限リスト(時には''ストリーム''(stream)とも呼ばれる)は非常に有用で、これらの多様な使い道を[[Haskell/Laziness|遅延性]]の章でかなり詳細に扱っています。ここでは、これらの表示的意味論がどのように理由づけられるかを示します。なお、以降の議論はリストのみに制限しますが、木のような任意の再帰的データ構造に容易に一般化できます。 以下では、Haskellにおける無限リストの実用的なプログラミングとの構文上のギャップを埋めるために、標準的なリスト型に戻ります。 data [a] = [] | a : [a] {{Exercises|1= # <code>[Bool]</code>に対応する非平坦領域を図で表せ。 # 図を<code>[Integer]</code>に変更するにはどのようにすればいいだろうか?}} 無限リストを使って計算する最良の例を示します。そのためには、まず無限リストが必要です。 ones :: [Integer] ones = 1 : ones この再帰的な定義に不動点反復を適用するとき、<code>ones</code>の上限が存在すべき事を確認します。 <center><code>&perp; <math>\sqsubseteq</math> 1:&perp; <math>\sqsubseteq</math> 1:1:&perp; <math>\sqsubseteq</math> 1:1:1:&perp; <math>\sqsubseteq</math>...</code></center> これは<code>1</code>の無限リストです。<code>take 2 ones</code>はどうあるべきかを考えてみましょう。<code>take</code>の定義は次の通りです。 take 0 _ = [] take n (x:xs) = x : take (n-1) xs take n [] = [] <code>ones</code>の近似シーケンスの要素を<code>take</code>に適用できます: take 2 &perp; ==> &perp; take 2 (1:&perp;) ==> 1 : take 1 &perp; ==> 1 : &perp; take 2 (1:1:&perp;) ==> 1 : take 1 (1:&perp;) ==> 1 : 1 : take 0 &perp; ==> 1 : 1 : [] <code>1:1:[]</code>は完全に定義されているので、<code>take 2 (1:1:1:&perp;)</code>などは<code>take 2 (1:1:&perp;) = 1:1:[] </code>と同じでなければならないことがわかります。入力のリストのシーケンスと出力リストのシーケンスの結果の両方を上限に取って、 take 2 ones = 1:1:[] を結論づけることができます。したがって、まさに予想したとおり<code>ones</code>の先頭から二つの要素を取り出すように振る舞います。 この例を一般化すると、無限リストの推論について、近似シーケンスとその上限を渡すことを考慮しなければならないことがわかります。まさに無限リストです。まだ、私たちはそれにしっかりとした地面を与えていません。解決策は、連鎖自体の全体を無限リストと認識し、正式に私達の領域の新しい要素として追加することです:無限リスト''とは''これら近似のシーケンスです。もちろん、<code>ones</code>のような任意の無限リストは、 ones = 1 : 1 : 1 : 1 : ... のようにコンパクトに書くことができ、単純に次のことを意味します。 what simply means that ones = (&perp; <math>\sqsubseteq</math> 1:&perp; <math>\sqsubseteq</math> 1:1:&perp; <math>\sqsubseteq</math> ...) {{Exercises|1= # もちろん、<code>ones</code>よりも興味深い無限リストは存在する。再帰的定義を用いて次の無限リストをHaskellで書け。 ## 自然数のリスト <code>nats = 1:2:3:4:...</code> ## 右のような循環リスト <code>cycle123 = 1:2:3: 1:2:3 : ...</code> # 前の演習を参考にして、Preludeの関数<code>repeat</code>と<code>iterate</code>がどのよう解決しているかを見よ。 # 式<code>drop 3 nats</code>が表す値を、テキストで使った例を使って見つけ出せ。 # リストが正格な場合、すなわち<code>[Integer]</code>の領域が平坦であることを仮定する。その領域はどのようなものだろうか?無限リストについてはどうだろうか?<code>ones</code>はどのような値を表すだろうか? }} ナゾナゾです。コンピュータで無限リストを計算する方法は何でしょうか?無限の時間のあとに全ての結果を表示する?ええっと、これはその通り。引っかけは、無限リストの有限な一部分だけを考慮した場合にコンピュータは有限の時間で終了するかもしれない、ということです。なので、無限リストは「''潜在的に''無限リスト」のように考えるべきでしょう。一般に、中間結果は無限リストの形式をとるのに対し、最終的な値は有限です。中間では無限のデータ構造のような、真の無限を扱うときにプログラムの正しさを推論できるのが表示的意味論の利点の一つです。 {{Exercises|1= <ol><li> 中間結果として無限リストを使えることを実証するために、次によって<code>map (+1) nats</code>が無限のシーケンスを最初に計算することに対応することを示せ。 <pre>take 3 (map (+1) nats) = take 3 (tail nats)</pre> </li><li> もちろん、最終結果が確かに無限の時間を要する例を与える必要がある。 filter (< 5) nats の表示は何だろうか? </li> <li> 時々だが、前の演習の<code>filter</code>は<code>takeWhile</code>と置き換えることができる。なぜ時々なのだろうか?そうでない場合はどうなるだろうか? </li></ol> }} 最後に注意点として、再帰的な領域の構造は関数の再帰的な定義に類似した不動点反復によって行うことができます。しかし、無限連鎖の問題に明示的に取り組まなければなりません。形式的な構成での解説は[[#外部リンク|外部リンク]]を参照してください。 === Haskell特産品: 正格性注釈とnewtype === Haskellは'''正格性注釈'''(strictness annotations)によってデータ構築子のデフォルトの非正格性動作を変更する方法を提供しています。データ型宣言で次のように data Maybe' a = Just' !a | Nothing' エクスクラメーションマーク "<code>!</code>"をデータ構築子の引数の前に指定することで、この引数は正格になります。それ故、先の例は<code>Just' &perp; = &perp;</code>となります。より進んだ情報は[[Haskell/Strictness|正格性]]の章で見つけることができるでしょう。 あるケースで、次のようにデータ型をリネームしたいことがあります。 data Couldbe a = Couldbe (Maybe a) しかしながら、<code>Couldbe a</code>は<code>&perp;</code>と<code>Couldbe &perp;</code>の要素を両方含んでいます。<code>newtype</code>の助けを借りて次のように定義します。 newtype Couldbe a = Couldbe (Maybe a) このアレンジは<code>Couldbe a</code>は<code>Maybe a</code>と意味的に等価ですが、型検査では別の型として扱われます。特に、構築子<code>Couldbe</code>は正格です。しかし、次の定義とはまた微妙に異なるのです。 data Couldbe' a = Couldbe' !(Maybe a) この説明のために、次の二つの関数を考えます。 f (Couldbe m) = 42 f' (Couldbe' m) = 42 ここで、<code>f' &perp;</code>は構築子<code>Couldbe'</code>のパターンマッチが失敗し<code>f' &perp; = &perp;</code>の原因となります。しかし、newtypeバージョンの方は、<code>Couldbe</code>にマッチして失敗することはありません。<code>f &perp; = 42</code>になります。ある意味では、この違いは次のように記述できます: * 正格性注釈を付けた方の場合、<code>Couldbe' &perp;</code>は&perp;のシノニム。 * newtypeの場合、&perp;は<code>Couldbe &perp;</code>のシノニム。 &perp;でのパターンマッチの失敗と、<code>''Constructor'' &perp;</code>でのパターンマッチの失敗は一致しません。 newtypeは再帰型の定義にも使うかもしれません。リスト型<code>[a]</code>の代替となる次のような型を例にあげます。 newtype List a = In (Maybe (a, List a)) 再び、ポイントは<code>In</code>構築子が&prep;を持ち上げて追加された<code>In &prep;</code>を導入しないということです。 == Other Selected Topics == === Abstract Interpretation and Strictness Analysis === === Interpretation as Powersets === === Naïve Sets are unsuited for Recursive Data Types === == Footnotes == <references/> == External Links == {{Wikipedia|表示的意味論}} 表示的意味論についてのオンライン書籍 * {{cite book |title=Denotational Semantics. A Methodology for Language Development |last=Schmidt|first=David A. |publisher=Allyn and Bacon |year=1986 |url=http://www.cis.ksu.edu/~schmidt/text/densem.html }} {{Haskell navigation|chapter=Wider Theory}} [[Category:Haskell|{{SUBPAGENAME}}]] [[en:Haskell/Denotational semantics]]
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2021-11-22T13:10:29Z
[ "テンプレート:Cite book", "テンプレート:Haskell navigation", "テンプレート:Haskell minitoc", "テンプレート:Exercises", "テンプレート:Wikipedia" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/Haskell/Denotational_semantics
16,904
労働基準法施行規則第54条
労働基準法施行規則(前)(次)
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "労働基準法施行規則(前)(次)", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "", "title": "解説" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "", "title": "参照条文" } ]
労働基準法施行規則(前)(次)
[[労働基準法施行規則]]([[労働基準法施行規則第4条|前]])([[労働基準法施行規則第6条|次]]) ==条文== ;第54条   #使用者は、[[労働基準法第108条|法第108条]] の規定によつて、次に掲げる事項を労働者各人別に賃金台帳に記入しなければならない。 #:一  氏名 #:二  性別 #:三  賃金計算期間 #:四  労働日数 #:五  労働時間数 #:六  [[労働基準法第33条|法第33条]] 若しくは[[労働基準法第36条|法第36条]]第1項 の規定によつて労働時間を延長し、若しくは休日に労働させた場合又は午後十時から午前五時(厚生労働大臣が必要であると認める場合には、その定める地域又は期間については午後十一時から午前六時)までの間に労働させた場合には、その延長時間数、休日労働時間数及び深夜労働時間数 #基本給、手当その他賃金の種類毎にその額 #[[労働基準法第24条|法第24条]]第1項 の規定によつて賃金の一部を控除した場合には、その額 #:2  前項第六号の労働時間数は当該事業場の就業規則において法の規定に異なる所定労働時間又は休日の定をした場合には、その就業規則に基いて算定する労働時間数を以てこれに代えることができる。 #:3  第1項第七号の賃金の種類中に通貨以外のもので支払われる賃金がある場合には、その評価総額を記入しなければならない。 #:4  日々雇い入れられる者(一箇月を超えて引続き使用される者を除く。)については、第1項第三号は記入するを要しない。 ==解説== *法第108条(賃金台帳) *法第33条(災害等による臨時の必要がある場合の時間外労働等) *法第36条(時間外及び休日の労働) *法第24条(賃金の支払) ==参照条文== {{stub}} [[category:労働基準法施行規則|54]]
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労働基準法施行規則第52条の2
労働基準法施行規則(前)(次)
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労働基準法施行規則(前)(次)
[[労働基準法施行規則]]([[労働基準法施行規則第52条|前]])([[労働基準法施行規則第53条|次]]) ==条文== ;第52条の2   :[[労働基準法第106条|法第106条]]第1項 の厚生労働省令で定める方法は、次に掲げる方法とする。 :一  常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること。 :二  書面を労働者に交付すること。 :三  磁気テープ、磁気ディスクその他これらに準ずる物に記録し、かつ、各作業場に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置すること。 ==解説== *法第106条(法令等の周知義務) ==参照条文== {{stub}} [[category:労働基準法施行規則|52の2]]
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労働基準法施行規則第37条
労働基準法施行規則(前)(次)
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労働基準法施行規則(前)(次)
[[労働基準法施行規則]]([[労働基準法施行規則第36条|前]])([[労働基準法施行規則第38条|次]]) ==条文== ;第37条   :労働者が就業中又は事業場若しくは事業の附属建設物内で負傷し、疾病にかゝり又は死亡した場合には、使用者は、遅滞なく医師に診断させなければならない。 ==解説== ==参照条文== {{stub}} [[category:労働基準法施行規則|37]]
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ウィキペディアの書き方/入門編/翻訳入門
<先頭に戻る 翻訳はWikipediaを豊かにするために重要なものです。外国の物事についてはやはりその国の言語版が詳しいですし、特に日本に資料がないものについては、翻訳が記事にするほぼ唯一の手段という事もあります。ですから、外国語ウィキペディアからの翻訳者は歓迎されます。 ただ、単に外国語版ウィキペディアの記事を右から左に訳せば日本語版の記事ができるというものではありません。この章ではそういった決まりごとについても触れながら、外国語版ウィキペディアの記事を翻訳するための方法を述べていきます。 まず、ウィキペディアの記事を翻訳する際には文章を訳すほかに「履歴の継承」、「加工処理」という作業を行う必要があります。 「履歴の継承」とは一言でいうと、「ウィキペディアの文章を転載・翻訳する際には文章の出所を明記する」ということです。紙面の関係上、ここではあまり詳しく触れませんが、著作権上の問題や文責をはっきりさせるといった目的で行います。詳しい方法は下に明記します。「加工処理」は日本語版では使えない画像、テンプレートなどを外して見やすくすることです。 さて、具体的な翻訳記事の作り方は大きく分けて2つあります。 いったん外国語のまま取り込んで翻訳する方法です。初心者にはこちらの方が確実かもしれません。 投稿する際に履歴の継承を行う以外は、普通に記事を作るのと変わりありません。部分的に翻訳する場合や記事の移動が出来ない場合などにはこちらが便利です。 「Help:利用者サンドボックス」も参照 「利用者サンドボックス」は利用者に割り振られた下書き用ページです。上部にある「下書き」ボタンから入ることができます。利用者サンドボックスから記事を作る場合は、まず、利用者サンドボックスにこれから訳す外国語版の記事をまるごとコピペします。その際、履歴の継承を行う事が必要になります。次の章で見ていきましょう。 先ほど述べたように、ウィキペディアの記事を訳したり、転載する場合には出どころを明記することになっています。具体的には、「編集内容の要約」欄に「翻訳元」と「その版」を明記します。一つずつ見ていきましょう。 簡単に言うと「[[言語:記事名]]」です。 左側にある符号は何語であるかを表す符号(ISO 639といいます)で、例えば日本語ならja、英語はen、ドイツ語はde、中国語はzhといった具合です。アドレスを見ると「https://」と「wikipedia」の間に書いてあります。例えば日本語版なら「https://ja.wikipedia.org/...」といった具合です。 ウィキペディアの内容は日々変化するため、履歴を継承する際にはどの時点のものを翻訳したのか明記する必要があります。このある時点の状態をウィキペディアでは「版」とし、ある日時の版を指定することを「版指定」といいます。 こちらは「(版の作成された日時 標準時間)」となります。一つづつ見ていきましょう。 まず、版に関する情報は上部右側の履歴ボタン(日本語版なら「履歴表示」、英語版なら「View History」など)をクリックすると得られます。クリックすると版のリスト(右画像参照)が出てきます。オレンジ色で囲った部分が最新の版が作成された日時です。これを控えておきましょう。 そして標準時間も明記します。英語版、日本語版、ロシア語版などでは標準時間がUTC(国際標準時、日本時間から-9時間)に設定されていますが、ドイツ語版やフランス語版、韓国語版など、現地時間に設定されている言語版も多くあります。標準時が世界標準時の場合は最後に「UTC」、西ヨーロッパ時間なら「CET」「CEST」といったように明記します。 各言語版の標準時間についてはWikipedia:各言語版の標準時で調べる事ができます。以下に主なものを列挙します。 では、実際の使用例を見てみましょう。例えば英語版の「Hogehoge」という記事の2004年12月23日13:59の版を訳す場合は、 「[[en:Hogehoge]] (13:59, 23 December 2004 UTC) を翻訳」 「'''from [[en:Hogehoge]] 13:59, 23 December 2004UTC''' 」といった感じです。 とりあえずサンドボックスに丸写しするような場合は 「[[en:Hogehoge]] 13:59, 23 December 2004 UTC から翻訳準備のためコピー」といった表記もよいでしょう。 細かい表記は人によっても異なりますが、いずれにしても翻訳元・版の2点を押さえていれば大丈夫です。 まず、日本語版で使えない画像やテンプレートは削っていきます。日本語版にないカテゴリは、もし必要と思うならとっておきましょう。そして日本語版の似たような主題の記事を参照するなどして、日本語版で同種の記事に使われているテンプレートやカテゴリに付け直しましょう。画像はウィキメディア・コモンズの中に日本語版でも使える画像があるかもしれません。 文章内の赤いリンクについては仮リンクを設定しておくのも一手です。便利ですし、誰かが翻訳を始めるきっかけになることもあります。 「Help:ページの移動」も参照 私的なページから「標準名前空間」(普通の記事のあるところ)に移動して記事を作ります。いわばウィキペディアの裏側にあるものを表に公開するということになります。 まず移動元のページ(サンドボックスなど)を開き、上部右側の「その他」にカーソルを合わせると「移動」という文字が出てきます。それをクリックします(画像1)。そこをクリックすると移動画面が現れます(画像2)。 「新しいページ」欄では移動先を指定します。左側の欄は「(標準)」と設定し、右側の欄には新たに作る記事の名前を入力します。「理由」の欄には適当な理由を書き込みます。ここでは「新規ページの作成」などでよいでしょう。ミスがないかもう一度確認し、済んだら「ページの移動」をクリックします。これで完成です。 節だけ訳すこともできます。たとえば、「Hogehoge」という記事の「History」という節を訳した場合は、「[[en:Hogehoge#History]] (13:59, 23 December 2004 UTC) 」 というふうに書きます。 ところどころ訳す(抄訳する)こともできます。この場合は「[[en:Hogehoge]] (13:59, 23 December 2004 UTC) を抄訳」というふうに書きます。 翻訳が途中の場合は「翻訳中途」のテンプレートを貼っておくという手もあります。 見つけた画像をクリックしてみましょう。すると、画像の情報が書いてあります。そのページは外国語なのでもしかすると読めないかもしれませんが、絵を見るだけで、どういう画像か簡単にわかります。 ページを見ていて、このマーク(※1)が出ていたらコモンズに載っている画像ということです。その場合はこちらの方法と同じです。 よその言語版Wikipediaの画像の場合、一度画像を取り込んでからアップロードすると使えるようになります。具体的には、画像を右クリックして「名前を付けて画像を保存」してから、自分で撮った画像と同じようにコモンズにアップロードします。ただし、名前、出典、作者、作成日は元の画像のものを使いましょう。 次に相手のノートにそれ用のテンプレートを貼って、コモンズにアップロードした事を知らせます。日本語Wikipediaからの場合は{{subst:コモンズへの移動通知|元のファイルの名前|コモンズの名前}}を貼って知らせます。 最後に即時削除のテンプレートを貼ります。 著作権法などの違いから、英語版だけしかダメな画像というのもあります。赤い丸の中にCが書いてあるもの(※2)がそうです。これは「著作権がフリーでないので、英語版しか使えません」という意味で、この画像は使えないようです。 日本語版の内部でも文章を転載する際には履歴継承が必要です。特に他者が書いた文章を触るときには気をつけましょう。 外国語版の記事を日本語版にそのまま記事として投稿する(投稿した上で翻訳する)ことは理屈の上では可能ですが、w:Wikipedia:削除の方針#ケース_G:_他言語・翻訳についての問題がある場合により削除されるリスクも高い方法です。 これらの文書も読んで知識を深めておきましょう。
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<先頭に戻る 翻訳はWikipediaを豊かにするために重要なものです。外国の物事についてはやはりその国の言語版が詳しいですし、特に日本に資料がないものについては、翻訳が記事にするほぼ唯一の手段という事もあります。ですから、外国語ウィキペディアからの翻訳者は歓迎されます。 ただ、単に外国語版ウィキペディアの記事を右から左に訳せば日本語版の記事ができるというものではありません。この章ではそういった決まりごとについても触れながら、外国語版ウィキペディアの記事を翻訳するための方法を述べていきます。
{{書き方入門編Nav}} 翻訳はWikipediaを豊かにするために重要なものです。外国の物事についてはやはりその国の言語版が詳しいですし、特に日本に資料がないものについては、翻訳が記事にするほぼ唯一の手段という事もあります。ですから、外国語ウィキペディアからの翻訳者は歓迎されます。 ただ、単に外国語版ウィキペディアの記事を右から左に訳せば日本語版の記事ができるというものではありません。この章ではそういった決まりごとについても触れながら、外国語版ウィキペディアの記事を翻訳するための方法を述べていきます。 == 概要 == まず、ウィキペディアの記事を翻訳する際には文章を訳すほかに'''「履歴の継承」'''、'''「加工処理」'''という作業を行う必要があります。 '''「履歴の継承」'''とは一言でいうと、「ウィキペディアの文章を転載・翻訳する際には文章の出所を明記する」ということです。紙面の関係上、ここではあまり詳しく触れませんが、著作権上の問題や文責をはっきりさせるといった目的で行います。詳しい方法は下に明記します。'''「加工処理」'''は日本語版では使えない画像、テンプレートなどを外して見やすくすることです。 さて、具体的な翻訳記事の作り方は大きく分けて2つあります。 ;サンドボックスから移動して作る いったん外国語のまま取り込んで翻訳する方法です。初心者にはこちらの方が確実かもしれません。  # 「個人用サンドボックス」にいったん外国語の記事をまるごと転載する。このとき履歴の継承を行う。 # 翻訳や加工処理を行う。 # 最後に目的のページに「移動」させて記事を作る。この際にも履歴を継承。 ;どこかで文章を作り、そのまま投稿する 投稿する際に履歴の継承を行う以外は、普通に記事を作るのと変わりありません。部分的に翻訳する場合や記事の移動が出来ない場合などにはこちらが便利です。 # どこか(例えば「メモ帳」など)で記事を翻訳する。 # 作った文章をそのまま投稿する。この際に履歴の継承を行う。 == 利用者サンドボックス == ''「[[w:Help:利用者サンドボックス|Help:利用者サンドボックス]]」も参照'' 「利用者サンドボックス」は利用者に割り振られた下書き用ページです。上部にある'''「下書き」'''ボタンから入ることができます。利用者サンドボックスから記事を作る場合は、まず、利用者サンドボックスにこれから訳す外国語版の記事をまるごとコピペします。その際、履歴の継承を行う事が必要になります。次の章で見ていきましょう。 == 履歴継承 == 先ほど述べたように、ウィキペディアの記事を訳したり、転載する場合には出どころを明記することになっています。具体的には、「編集内容の要約」欄に'''「翻訳元」'''と'''「その版」'''を明記します。一つずつ見ていきましょう。 === 翻訳元 === 簡単に言うと「<nowiki>[[言語:記事名]]</nowiki>」です。 左側にある符号は何語であるかを表す符号(ISO 639といいます)で、例えば日本語ならja、英語はen、ドイツ語はde、中国語はzhといった具合です。アドレスを見ると「<nowiki>https://</nowiki>」と「wikipedia」の間に書いてあります。例えば日本語版なら「https://'''ja'''.wikipedia.org/…」といった具合です。 === 版 === [[File:Revision history screenshot jawb.png|thumb|オレンジ色で囲んだ部分が最新の版]] ウィキペディアの内容は日々変化するため、履歴を継承する際にはどの時点のものを翻訳したのか明記する必要があります。このある時点の状態をウィキペディアでは「版」とし、ある日時の版を指定することを「版指定」といいます。 こちらは「(版の作成された日時 標準時間)」となります。一つづつ見ていきましょう。 まず、版に関する情報は上部右側の履歴ボタン(日本語版なら「履歴表示」、英語版なら「View History」など)をクリックすると得られます。クリックすると版のリスト(右画像参照)が出てきます。オレンジ色で囲った部分が最新の版が作成された日時です。これを控えておきましょう。 そして標準時間も明記します。英語版、日本語版、ロシア語版などでは標準時間がUTC(国際標準時、日本時間から-9時間)に設定されていますが、ドイツ語版やフランス語版、韓国語版など、現地時間に設定されている言語版も多くあります。標準時が世界標準時の場合は最後に「UTC」、西ヨーロッパ時間なら「CET」「CEST」といったように明記します。 各言語版の標準時間については[[w:Wikipedia:各言語版の標準時|Wikipedia:各言語版の標準時]]で調べる事ができます。以下に主なものを列挙します。 ;UTCを標準時間としていない主な言語版 *スウェーデン語、オランダ語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、ポーランド語、カタロニア語、ノルウェー語など…[[w:中央ヨーロッパ時間|中央ヨーロッパ時間]](CET)、サマータイム期間中は[[w:中央ヨーロッパ夏時間 |中央ヨーロッパ夏時間]](CEST)。 *フィンランド語、ルーマニア語、クロアチア語、スロベニア語など…[[w:東ヨーロッパ時間|東ヨーロッパ時間]](EET)。サマータイム期間中は[[w:東ヨーロッパ夏時間|東ヨーロッパ夏時間]](EEST) *ヘブライ語…イスラエル標準時(IST)、サマータイム期間中はイスラエル夏時間(IDT) *タイ語…インドシナ時間(ICT) *朝鮮語…韓国標準時(KST) === 実際の使用例 === [[File:Copying from other language version of Wikipedia 07.png|thumb|表記の一例]] では、実際の使用例を見てみましょう。例えば英語版の「Hogehoge」という記事の2004年12月23日13:59の版を訳す場合は、 <nowiki>「[[en:Hogehoge]] (13:59, 23 December 2004 UTC) を翻訳」</nowiki> <br /> <nowiki>「'''from [[en:Hogehoge]] 13:59, 23 December 2004UTC'''</nowiki> 」といった感じです。 とりあえずサンドボックスに丸写しするような場合は<br /> 「<nowiki>[[en:Hogehoge]] 13:59, 23 December 2004 UTC から翻訳準備のためコピー</nowiki>」といった表記もよいでしょう。 細かい表記は人によっても異なりますが、いずれにしても翻訳元・版の2点を押さえていれば大丈夫です。 == 翻訳・加工処理 == まず、日本語版で使えない画像やテンプレートは削っていきます。日本語版にないカテゴリは、もし必要と思うならとっておきましょう。そして日本語版の似たような主題の記事を参照するなどして、日本語版で同種の記事に使われているテンプレートやカテゴリに付け直しましょう。画像はウィキメディア・コモンズの中に日本語版でも使える画像があるかもしれません。 文章内の赤いリンクについては[[w:Template:仮リンク|仮リンク]]を設定しておくのも一手です。便利ですし、誰かが翻訳を始めるきっかけになることもあります。 == 移動 == ''「[[w:Help:ページの移動|Help:ページの移動]]」も参照'' 私的なページから「標準名前空間」(普通の記事のあるところ)に移動して記事を作ります。いわばウィキペディアの裏側にあるものを表に公開するということになります。 まず移動元のページ(サンドボックスなど)を開き、上部右側の「その他」にカーソルを合わせると「移動」という文字が出てきます。それをクリックします(画像1)。そこをクリックすると移動画面が現れます(画像2)。 「新しいページ」欄では移動先を指定します。左側の欄は「(標準)」と設定し、右側の欄には新たに作る記事の名前を入力します。「理由」の欄には適当な理由を書き込みます。ここでは「新規ページの作成」などでよいでしょう。ミスがないかもう一度確認し、済んだら「ページの移動」をクリックします。これで完成です。 <gallery> How to move article in JAWP 1.png|画像1 How to move article in JAWB 1.png|画像2 </gallery> == その他 == === 部分的に訳す場合 === 節だけ訳すこともできます。たとえば、「Hogehoge」という記事の「History」という節を訳した場合は、<nowiki>「[[en:Hogehoge#History]] (13:59, 23 December 2004 UTC) </nowiki>」<br /> というふうに書きます。 ところどころ訳す(抄訳する)こともできます。この場合は<nowiki>「[[en:Hogehoge]] (13:59, 23 December 2004 UTC) を抄訳</nowiki>」というふうに書きます。 翻訳が途中の場合は「[[w:Template:翻訳中途|翻訳中途]]」のテンプレートを貼っておくという手もあります。 === 他言語版で見つけた画像を日本語版で取り込むには === 見つけた画像をクリックしてみましょう。すると、画像の情報が書いてあります。そのページは外国語なのでもしかすると読めないかもしれませんが、絵を見るだけで、どういう画像か簡単にわかります。 ページを見ていて、このマーク(※1)が出ていたらコモンズに載っている画像ということです。その場合は[[ウィキペディアの書き方 入門編-書いてみよう (加筆編)|こちら]]の方法と同じです。 よその言語版Wikipediaの画像の場合、一度画像を取り込んでからアップロードすると使えるようになります。具体的には、画像を右クリックして「名前を付けて画像を保存」してから、自分で撮った画像と同じようにコモンズにアップロードします。ただし、'''名前、出典、作者、作成日'''は元の画像のものを使いましょう。<br /> 次に相手のノートにそれ用のテンプレートを貼って、コモンズにアップロードした事を知らせます。日本語Wikipediaからの場合は{{subst:コモンズへの移動通知|元のファイルの名前|コモンズの名前}}を貼って知らせます。<br /> 最後に即時削除のテンプレートを貼ります。 著作権法などの違いから、英語版だけしかダメな画像というのもあります。赤い丸の中にCが書いてあるもの(※2)がそうです。これは「著作権がフリーでないので、英語版しか使えません」という意味で、この画像は使えないようです。 <gallery> Image:Commons-logo-en.svg|※1 Image:NotCommons-emblem-copyrighted.svg|※2 </gallery> == よくあるミス・気を付けること == ;ウィキペディア内のコピペにも履歴継承 日本語版の内部でも文章を転載する際には履歴継承が必要です。特に他者が書いた文章を触るときには気をつけましょう。 ;外国語をそのまま転載 外国語版の記事を日本語版にそのまま記事として投稿する(投稿した上で翻訳する)ことは理屈の上では可能ですが、[[w:Wikipedia:削除の方針#ケース_G:_他言語・翻訳についての問題がある場合]]により削除されるリスクも高い方法です。 == こちらも参照 == これらの文書も読んで知識を深めておきましょう。 ;翻訳自体に関する文書 *[[w:Wikipedia:翻訳のガイドライン|Wikipedia:翻訳のガイドライン]] *[[w:Wikipedia:FAQ 翻訳|Wikipedia:FAQ 翻訳]] ;翻訳作業に関連する文書 *[[w:Wikipedia:外来語表記法|Wikipedia:外来語表記法]] *[[w:Wikipedia:記事名の付け方|Wikipedia:記事名の付け方]] ;翻訳する記事を探す *[[w:Wikipedia:翻訳依頼|Wikipedia:翻訳依頼]] *[[w:Wikipedia:多数の言語版にあるが日本語版にない記事|Wikipedia:多数の言語版にあるが日本語版にない記事]] {{Stub}} [[Category:ウィキペディアの書き方|にゅうもん05]]
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2022-08-10T15:25:15Z
[ "テンプレート:Stub", "テンプレート:Subst:コモンズへの移動通知" ]
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ウィキペディアの書き方/指さし会話帳
<先頭に戻る 外国語版のWikipediaで出会う外国語が一目でわかるページです。 主な見出しや用語です。見出しのつけ方の違いについても書きます。 言葉の直訳ではありません。あくまで対応する見出しです。英語、フランス語(仏と略す)、ドイツ語(独)、スペイン語(西)、イタリア語(伊)、ロシア語(露)、中国語(中)です。 、參看(中) 左側についている他の言語版へのリンクとなっていて、「インターラング」と呼ばれています。 よく見る言語のどれが何語かをまとめたものです。 ISO 639はそのページをクリックすると、アドレスの「http://」と「wikipedia」の間に書かれています。外部リンクのところにも 調べる方法としては、「ISO 639 ○○」とかでWebで検索してもいいですし、二文字ならサーチするとたいてい出てきます。
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{{書き方入門編Nav}} 外国語版のWikipediaで出会う外国語が一目でわかるページです。 == 用語 == 主な見出しや用語です。見出しのつけ方の違いについても書きます。 ==== 見出し ==== 言葉の直訳ではありません。あくまで対応する見出しです。英語、フランス語(仏と略す)、ドイツ語(独)、スペイン語(西)、イタリア語(伊)、ロシア語(露)、中国語(中)です。 *概要→特になし(概要の部分は定義文にくっつけることが多い) *歴史→History(英)、Histoire(仏)、Geschichte(独)、Historia(西)、Storia(伊)、История(露)、(中) *地理→Geografy(英)、Géographie(仏)、Geografie(独) *経済→ *参考文献・脚注→References、Notes(英)、Referencias・Notas(西)、références・Note(仏)、Literatur(独)、Note(伊)、(露)、參考書籍・註釋(中) *関連文献→Further reading(英)、(西)(仏)(露)(伊)參考書籍(中)、Einzelnachweise(独) *関連項目→See also(英)、Véase también(西)、Voir aussi(仏)、(独)、(伊)、См. также(露) 、參看(中) *外部リンク→External links(英)、Lien externe(仏)、Weblinks(独)、Enlaces externos(西)、Collegamenti esterni(伊)、Ссылки(露)、外部連結(中) ==== 用語 ==== *管理者→administrator(英) == よくある会話 == == インターラング == 左側についている他の言語版へのリンクとなっていて、「インターラング」と呼ばれています。 よく見る言語のどれが何語かをまとめたものです。 *العربية [[w:アラビア語|アラビア語]] *Català [[w:カタロニア語|カタロニア語]](スペインのカタロニア地方の言葉) *Dansk [[w:デンマーク語|デンマーク語]] *Deutsch [[w:ドイツ語|ドイツ語]] *English [[w:英語|英語]] *Esperanto [[w:エスペラント語|エスペラント語]](世界共通語を目指して作られた言葉) *Español [[w:スペイン語|スペイン語]] *Suomi [[w:フィンランド語|フィンランド語]] *فارسی [[w:ペルシャ語|ペルシャ語]](イランの言葉)   *Français [[w:フランス語|フランス語]] *עברית [[w:ヘブライ語|ヘブライ語]](イスラエルの言葉) *गतका [[w:ヒンディー語|ヒンディー語]](インドの言葉) *Hrvatski [[w:クロアチア語|クロアチア語]] *Magyar [[w:ハンガリー語|ハンガリー語]] *Bahasa Indonesia [[w:インドネシア語|インドネシア語]] *Italiano [[w:イタリア語|イタリア語]] *ქართული [[w:グルジア語|グルジア語]](グルジアはロシアの南の方) *한국어 [[w:韓国語|韓国語]] *Bahasa Malayu [[w:マレー語|マレー語]] *Nederlands [[w:オランダ語|オランダ語]] *Norsk (bokmål)‬ [[w:ノルウェー語|ノルウェー語]]([[w:ブークモール|ブークモール]]という。書き言葉) *Norsk (nynorsk)‬ [[w:ノルウェー語|ノルウェー語]]([[w:ニーノシュク|ニーノシュク]]という。方言を書き言葉にしたもの) *Polski [[w:ポーランド語|ポーランド語]] *Português [[w:ポルトガル語|ポルトガル語]] *Română [[w:ルーマニア語|ルーマニア語]] *Русский [[w:ロシア語|ロシア語]] *Svenska [[w:スウェーデン語|スウェーデン語]] *Tagalog [[w:タガログ語|タガログ語]]([[w:フィリピン|フィリピン]]の言葉) *Українська [[w:ウクライナ語|ウクライナ語]] *Tiếng Việt [[w:ベトナム語|ベトナム語]] *吴语 [[w:呉語|呉語]]([[w:上海|上海]]や[[w:蘇州|蘇州]]等で話される中国語の方言) *中文 [[w:中国語|中国語]] *粵語 [[w:広東語|広東語]]([[w:香港|香港]]などで話される方言) === ISOの調べ方 === ISO 639はそのページをクリックすると、アドレスの「<nowiki>http://</nowiki>」と「wikipedia」の間に書かれています。外部リンクのところにも 調べる方法としては、「ISO 639 ○○」とかでWebで検索してもいいですし、二文字ならサーチするとたいてい出てきます。 {{stub}} [[Category:ウィキペディアの書き方|ゆひさしかいわちよう]]
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2020-05-06T04:24:13Z
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Haskell/不動点と再帰
初めて fix 関数を目にしたときは、これはとても奇妙な関数に思えることだろう。しかしながら、再帰的な関数を定義可能にする組み込み要素として(型付き)ラムダ計算へとして導入するとき、主要な理論的根拠のひとつとして有用なものとなるのである。 議論に入る前に、fix の定義をしておこう。 これは一見していかにも摩訶不思議に思える。どうみてもfix f は f (f (f (... ))) のような fの限りない適用のくり返しを生じるだろう。我らが盟友、遅延評価がこの問題の解決策になる。基本的には、この f の適用の連鎖は、もしfが遅延関数であれば(その時に限り)ある値へと収束する。いくつか例をみていこう。 Example: fix の例 fix をスコープに持ってくるため、最初に Control.Monad.Fix モジュールをインポートする(Data.Functionでも利用可能である)。それから例を試していく。fix の定義はとても単純なので、何が起きているか説明するためにこの例を展開していこう。 これはどんな値にも決して収束しないのは明らかだ。それでは次の例を展開しよう。 これはまったく異なる結果になる。const はその第二引数を無視するので、 fix の定義を一度展開すれば評価は完了することがわかる。最後の例の評価は少し異なるが、同様に進めていくことができる。 これは決してなんらかの値に収束しないように見えるが、GHCi にfix (1:)と入力した時、実際に行われているのは show をこれに適用していることだというのを思い出そう。それでは、show (fix (1:)) がどのように評価されるのかを見ていこうと思う(単純にするため、 showはリストの要素をカンマで区切る記法を使わないことにしよう)。 map show (fix (1:))は決して終了しないだろうが、出力は行われる。GHCi は "[" ++ "1" ++ "1" という出力文字列の最初のほうを出力することができ、さらにどんどん map show (fix (1:)) がさらに文字列を生むたびに出力をし続ける。これは遅延評価が働いているのだ。この関数は出力を開始する前にその入力文字列全体を消費する必要がなく、一部でも出力可能になったらすぐさま出力を開始することができるのだ。 関数 f の不動点 とは、f a == aを満たすような値 a のことである。例えば、0 * 3 == 0なので0 は関数(* 3)の不動点である。fixという名前は、それが関数の最も定義されていない不動点を導くことからきている("最も定義されていない"(least-defined)が意味するところは、すぐにわかるようになるだろう)。先ほどの収束するのふたつの例について考えると、これはすぐにわかる。 そして、2+x == xを満たすような数xは存在しないので、fix (2+)が発散するのもつじつまがあっている。 実際には、それが不動点を求めることができるのはfixの定義より明らかである。やらなければならないのは、fixの等式をそれとは別の方法で書き表すことである。 これは不動点の定義そのものだ!よって、これは fix は常に不動点を導くはずであるのがわかる。しかし fixはそれが発散することもあるので、しばしば失敗する。しかしながら、いくつかの表示的意味論を導入すれば、この特性を修正することはできる。すべての Haskell 型は実際には ⊥ と表記されボトム(Bottom)と呼ばれる特別な値を含んでいる。例えば、Int は実際には 1, 2, 3 ...を含むのと同様に ⊥ も含んでいる。発散する計算結果は⊥の値で示され、すなわち fix (2+) = ⊥ である。 特別な値 undefined もまた、この⊥で表される。これで、いよいよ fixがどうやって(2+)のような関数の不動点を求めているかが理解できる。 Example: (2+)の不動点 よって、(⊥のような)undefinedを(2+)へ与えると、undefinedが返ってくる。したがって⊥は (2+)の不動点である! (2+)の場合、これが唯一の不動点である。しかしながら、fix f が発散するにもかかわらず複数の不動点を持つ他の関数 fも存在する。fix (*3)は発散するが、上記で発見したように0はこの関数の不動点である。ここで"最も定義されていない"の意味を考えてみよう。Haskell の型は definedness と呼ばれている半順序を持つ。いずれの型においても⊥は最も定義されていない値である(それゆえボトムという名前である)。Intのような単純な型については、この半順序における順序関係は⊥ ≤ 1や⊥ ≤ 2 などしかない。ボトム以外のどんなInt型のm、nについても、m ≤ nは成り立たない。Bool や ()のような他の単純な型も同様である。リストやMaybeのような多相的な型については、状況はより複雑であり、表示的意味論の章で扱っている。 そして、⊥はすべての型で最も定義されていない値で、fixは最も定義されていない不動点を求めるので、もしf ⊥ = ⊥なら、fix f = ⊥となる(逆もまた真である)。もし表示的意味論の項をすでに読んでいるなら、これを正格関数であるかどうかの基準として認識することができるだろう。fix fはfが正格であるとき、そのときに限り発散する。 もしインターネット上や#haskell IRC channelで fixの例に出くわしたことがあれば、fixと再帰を取り入れている例を見るチャンスである。古典的な例として、 Example: fixによる再帰の書き換え ここで階乗関数を"書き換え"るために fixを使っている。(もし fixを言語に組み込みのものとみなすなら)factの二番目の定義は再帰をまったく含んでいない。型付きラムダ計算のような再帰の機能のない言語では、このように再帰的関数を書くためにfixを導入することができる。他の例としては、 Example: さらなるfixの例 では、これはどのように働くのであろうか?このfact (階乗)関数によって表示的な視点からの最初の一歩を踏み出そう。簡潔さのために次のように定義する。 これによってfix fact' 5というように計算できるようになる。fixはfact'の不動点、すなわちf == fact' fを満たす関数 fを求めるだろう。でも、これが何を意味するのか展開してみよう。 ここで行ったのは、recをfact'の定義におけるfで置き換えただけであるが、これは階乗関数の再帰的定義にそっくりである!高階関数から抜けだして、再帰的な関数を作るためにfixはfact'自身をその最初の引数として与えている。 もっと演算的な観点から考えることもできる。実際にfix fact'の定義を展開してみよう。 fixの使用によって fact'の定義を"分解"し続けることができていることに注意されたい。else節を入力するときはいつも、評価の規則fix fact' = fact' (fix fact')を通じて、再帰の連鎖において次の呼び出しとして機能する fact'の新たな複製を乗算しているのである。結果的にこの連鎖の外でthen節やボトムに達するのだ。 この節ではこれまでの節で何度か言及してきた点について展開していく。型付きラムダ計算においては、fixはどうやって再帰の書き換えを可能にしているのだろうか。あなたがすでに型付きラムダ計算を知っていると仮定する。ラムダ計算にはlet節やトップレベルの束縛は存在しないことを思い出そう。どんなプログラムもラムダ抽象、適用、リテラルのいずれかからなる単なる木である。fact関数を書きたいとしよう。自然数としてNatと呼ばれる型があるものとして、次のようにとりかかった。 問題は、<blank>の部分をどのように埋めるかだ。この関数には名前を与えていないので、これを再帰的に呼びだすことはできない。項に名前を束縛する唯一の手段は、ラムダ抽象を使うことだ。それではこれをやってみよう。 これはつぎのように展開される。 まだ <blank>がある。もう一段階やってみよう。 何段階名前付けを加えようとも、この<blank>を取り除くことができそうもないのはどうみても明らかだ。fixを使わない限り、本質的に決して取り除くことはできず、つねに再帰のもう一段階を解くことができ、出発した時のままなのである。 これはfixを加えた型付きラムダ計算における完全な再帰関数だ。 型付きラムダ計算の文脈においては、fixは実際にはこれよりもうすこし興味深いものである。もしこれをこの言語に導入すると、なんらかの具体的な型Tがあれば次の式は型Tを持つので、どんな型も空でない集合となる。 これはHaskellでいうところのfix idであり、表示的な ⊥である。ゆえに、型付きラムダ計算にfixを導入するやいなや、あらゆる well-typed な項が値へと還元されるという性質は失われることがわかる。 Haskell では、fix データ型を作ることも可能である。定義する方法は3つある。 もしくは、RankNTypes 拡張を利用する。 Mu と Nu は fold、unfold、refold を一般化するのを補助している。 Mu と Nu は Fix の特殊化されたバージョンである。 Mu は帰納的な無限でないデータを作るのに使われ、Nu は余帰納的(coinductive)で無限のデータを作るのに使われる。例えば、 不動点関数とは異なり、不動点型はボトムにならない。次のコードにおける Bot は完全に定義されている。これはユニット型 () と等価である。 Fix データ型はすべての再帰構造を作ることができない。例えば次の非正則なデータ型、 これを Fix を用いて実装するのは容易ではない。 テンプレート:Haskell navigation
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初めて fix 関数を目にしたときは、これはとても奇妙な関数に思えることだろう。しかしながら、再帰的な関数を定義可能にする組み込み要素として(型付き)ラムダ計算へとして導入するとき、主要な理論的根拠のひとつとして有用なものとなるのである。
{{Haskell minitoc|chapter=Wider Theory}} <!-- The <code>fix</code> function is a particularly weird-looking function when you first see it. However, it is useful for one main theoretical reason: introducing it into the (typed) lambda calculus as a primitive allows you to define recursive functions. --> 初めて <code>fix</code> 関数を目にしたときは、これはとても奇妙な関数に思えることだろう。しかしながら、再帰的な関数を定義可能にする組み込み要素として(型付き)ラムダ計算へとして導入するとき、主要な理論的根拠のひとつとして有用なものとなるのである。 == <!-- Introducing <code>fix</code> --> <code>fix</code> の導入== <!-- Let's have the definition of <code>fix</code> before we go any further: --> 議論に入る前に、<code>fix</code> の定義をしておこう。 fix :: (a -> a) -> a fix f = f (fix f) <!-- This immediately seems quite magical. Surely <code>fix f</code> will yield an infinite application stream of <code>f</code>s: <code>f (f (f (... )))</code>? The resolution to this is our good friend, ''lazy evaluation''. Essentially, this sequence of applications of <code>f</code> will converge to a value if (and only if) <code>f</code> is a lazy function. Let's see some examples: --> これは一見していかにも摩訶不思議に思える。どうみても<code>fix f</code> は <code>f (f (f (... )))</code> のような <code>f</code>の限りない適用のくり返しを生じるだろう。我らが盟友、''遅延評価''がこの問題の解決策になる。基本的には、この f の適用の連鎖は、もし<code>f</code>が遅延関数であれば(その時に限り)ある値へと収束する。いくつか例をみていこう。 {{HaskellExample| <!-- <code>fix</code> examples --> <code>fix</code> の例| Prelude> :m Control.Monad.Fix Prelude Control.Monad.Fix> fix (2+) *** Exception: stack overflow Prelude Control.Monad.Fix> fix (const "hello") "hello" Prelude Control.Monad.Fix> fix (1:) [1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,... }} <!-- We first import the <code>Control.Monad.Fix</code> module to bring <code>fix</code> into scope (this is also available in the <code>Data.Function</code>). Then we try some examples. Since the definition of <code>fix</code> is so simple, let's expand our examples to explain what happens: --> <code>fix</code> をスコープに持ってくるため、最初に <code>Control.Monad.Fix</code> モジュールをインポートする(<code>Data.Function</code>でも利用可能である)。それから例を試していく。<code>fix</code> の定義はとても単純なので、何が起きているか説明するためにこの例を展開していこう。 fix (2+) = 2 + (fix (2+)) = 2 + (2 + fix (2+)) = 4 + (fix (2+)) = 4 + (2 + fix (2+)) = 6 + fix (2+) = ... <!-- It's clear that this will never converge to any value. Let's expand the next example: --> これはどんな値にも決して収束しないのは明らかだ。それでは次の例を展開しよう。 fix (const "hello") = const "hello" (fix (const "hello")) = "hello" <!-- This is quite different: we can see after one expansion of the definition of <code>fix</code> that because <code>const</code> ignores its second argument, the evaluation concludes. The evaluation for the last example is a little different, but we can proceed similarly: --> これはまったく異なる結果になる。<code>const</code> はその第二引数を無視するので、<code> fix </code> の定義を一度展開すれば評価は完了することがわかる。最後の例の評価は少し異なるが、同様に進めていくことができる。 fix (1:) = 1 : fix (1:) = 1 : (1 : fix (1:)) = 1 : (1 : (1 : fix (1:))) <!-- Although this similarly looks like it'll never converge to a value, keep in mind that when you type <code>fix (1:)</code> into GHCi, what it's really doing is applying <code>show</code> to that. So we should look at how <code>show (fix (1:))</code> evaluates (for simplicity, we'll pretend <code>show</code> on lists doesn't put commas between items): --> これは決してなんらかの値に収束しないように見えるが、GHCi に<code>fix (1:)</code>と入力した時、実際に行われているのは <code>show</code> をこれに適用していることだというのを思い出そう。それでは、<code>show (fix (1:))</code> がどのように評価されるのかを見ていこうと思う(単純にするため、 <code>show</code>はリストの要素をカンマで区切る記法を使わないことにしよう)。 show (fix (1:)) = "[" ++ map show (fix (1:)) ++ "]" = "[" ++ map show (1 : fix (1:)) ++ "]" = "[" ++ "1" ++ map show (fix (1:)) ++ "]" = "[" ++ "1" ++ "1" ++ map show (fix (1:)) ++ "]" <!-- So although the <code>map show (fix (1:))</code> will never terminate, it does produce output: GHCi can print the beginning of the string, <code>"[" ++ "1" ++ "1"</code>, and continue to print more as <code>map show (fix (1:))</code> produces more. This is lazy evaluation at work: the printing function doesn't need to consume its entire input string before beginning to print, it does so as soon as it can start. --> <code>map show (fix (1:))</code>は決して終了しないだろうが、出力は行われる。GHCi は <code>"[" ++ "1" ++ "1"</code> という出力文字列の最初のほうを出力することができ、さらにどんどん <code>map show (fix (1:))</code> がさらに文字列を生むたびに出力をし続ける。これは遅延評価が働いているのだ。この関数は出力を開始する前にその入力文字列全体を消費する必要がなく、一部でも出力可能になったらすぐさま出力を開始することができるのだ。 {{Exercises| <!-- What, if anything, will the following expressions converge to? --> もし収束値が存在するとしたら、次の式は何の値に収束するだろうか? * <code>fix ("hello"++)</code> * <code>fix (\x -> cycle (1:x))</code> * <code>fix reverse</code> * <code>fix id</code> * <code>fix (\x -> take 2 $ cycle (1:x))</code> }} == <!-- <code>fix</code> and fixed points --> <code>fix</code> と不動点 == <!-- A ''fixed point'' of a function <code>f</code> is a value <code>a</code> such that <code>f a == a</code>. For example, <code>0</code> is a fixed point of the function <code>(* 3)</code> since <code>0 * 3 == 0</code>. This is where the name of <code>fix</code> comes from: it finds the ''least-defined fixed point'' of a function. (We'll come to what "least defined" means in a minute.) Notice that for both of our examples above that converge, this is readily seen: --> 関数 <code>f</code> の''不動点'' とは、<code>f a == a</code>を満たすような値 a のことである。例えば、<code>0 * 3 == 0</code>なので<code>0</code> は関数<code>(* 3)</code>の不動点である。<code>fix</code>という名前は、それが関数の''最も定義されていない不動点''を導くことからきている("最も定義されていない"(least-defined)が意味するところは、すぐにわかるようになるだろう)。先ほどの収束するのふたつの例について考えると、これはすぐにわかる。 const "hello" "hello" -> "hello" (1:) [1,1,..] -> [1,1,...] <!-- And since there's no number <code>x</code> such that <code>2+x == x</code>, it also makes sense that <code>fix (2+)</code> diverges. --> そして、<code>2+x == x</code>を満たすような数<code>x</code>は存在しないので、<code>fix (2+)</code>が発散するのもつじつまがあっている。 {{Exercises| <!-- For each of the functions <code>f</code> in the above exercises for which you decided that <code>fix f</code> converges, verify that <code>fix f</code> finds a fixed point. --> <code>fix f</code>が収束するかどうかを求めた前述の演習の関数 <code>f</code>それぞれについて、<code>fix f</code>が不動点を求めることを確かめよ。 }} <!-- In fact, it's obvious from the definition of <code>fix</code> that it finds a fixed point. All we need to do is write the equation for <code>fix</code> the other way around: --> 実際には、それが不動点を求めることができるのは<code>fix</code>の定義より明らかである。やらなければならないのは、<code>fix</code>の等式をそれとは別の方法で書き表すことである。 f (fix f) = fix f <!-- Which is precisely the definition of a fixed point! So it seems that <code>fix</code> should always find a fixed point. But sometimes <code>fix</code> seems to fail at this, as sometimes it diverges. We can repair this property, however, if we bring in some [[Haskell/Denotational semantics|denotational semantics]]. Every Haskell type actually include a special value called bottom, written <code>⊥</code>. So the values with type, for example, <code>Int</code> include, in fact, <code>⊥</code> as well as <code>1, 2, 3</code> etc.. Divergent computations are denoted by a value of <code>⊥</code>, i.e., we have that <code>fix (2+) = ⊥</code>. --> これは不動点の定義そのものだ!よって、これは <code>fix</code> は常に不動点を導くはずであるのがわかる。しかし <code>fix</code>はそれが発散することもあるので、しばしば失敗する。しかしながら、いくつかの[[Haskell/Denotational semantics|表示的意味論]]を導入すれば、この特性を修正することはできる。すべての Haskell 型は実際には <code>⊥</code> と表記されボトム(Bottom)と呼ばれる特別な値を含んでいる。例えば、<code>Int</code> は実際には <code>1, 2, 3 ...</code>を含むのと同様に <code>⊥</code> も含んでいる。発散する計算結果は<code>⊥</code>の値で示され、すなわち <code>fix (2+) = ⊥</code> である。 <!-- The special value <code>undefined</code> is also denoted by this <code>⊥</code>. Now we can understand how <code>fix</code> finds fixed points of functions like <code>(2+)</code>: --> 特別な値 <code>undefined</code> もまた、この<code>⊥</code>で表される。これで、いよいよ <code>fix</code>がどうやって<code>(2+)</code>のような関数の不動点を求めているかが理解できる。 {{HaskellExample| <!-- Fixed points of <code>(2+)</code> --> <code>(2+)</code>の不動点|2= <pre> Prelude> (2+) undefined *** Exception: Prelude.undefined </pre> }} <!-- So feeding <code>undefined</code> (i.e., <code>⊥</code>) to <code>(2+)</code> gives us <code>undefined</code> back. So <code>⊥</code> is a fixed point of <code>(2+)</code>! --> よって、(<code>⊥</code>のような)<code>undefined</code>を<code>(2+)</code>へ与えると、<code>undefined</code>が返ってくる。したがって<code>⊥</code>は <code>(2+)</code>の不動点である! <!-- In the case of <code>(2+)</code>, it is the only fixed point. However, there are other functions <code>f</code> with several fixed points for which <code>fix f</code> still diverges: <code>fix (*3)</code> diverges, but we remarked above that <code>0</code> is a fixed point of that function. This is where the "least-defined" clause comes in. Types in Haskell have a [http://en.wikipedia.org/wiki/Partial_order partial order] on them called ''definedness''. In any type, <code>⊥</code> is the least-defined value (hence the name "bottom"). For simple types like <code>Int</code>, the only pairs in the partial order are <code>⊥ ≤ 1</code>, <code>⊥ ≤ 2</code> and so on. We do not have <code>m ≤ n</code> for any non-bottom <code>Int</code>s <code>m</code>, <code>n</code>. Similar comments apply to other simple types like <code>Bool</code> and <code>()</code>. For "layered" values such as lists or <code>Maybe</code>, the picture is more complicated, and we refer to the chapter on [[Haskell/Denotational semantics|denotational semantics]]. --> <code>(2+)</code>の場合、これが唯一の不動点である。しかしながら、<code>fix f</code> が発散するにもかかわらず複数の不動点を持つ他の関数 <code>f</code>も存在する。<code>fix (*3)</code>は発散するが、上記で発見したように<code>0</code>はこの関数の不動点である。ここで"最も定義されていない"の意味を考えてみよう。Haskell の型は ''definedness'' と呼ばれている半順序を持つ。いずれの型においても<code>⊥</code>は最も定義されていない値である(それゆえボトムという名前である)。<code>Int</code>のような単純な型については、この半順序における順序関係は<code>⊥ ≤ 1</code>や<code>⊥ ≤ 2</code> などしかない。ボトム以外のどんな<code>Int</code>型の<code>m</code>、<code>n</code>についても、<code>m ≤ n</code>は成り立たない。<code>Bool</code> や <code>()</code>のような他の単純な型も同様である。リストや<code>Maybe</code>のような多相的な型については、状況はより複雑であり、[[Haskell/Denotational semantics|表示的意味論]]の章で扱っている。 <!-- So since <code>⊥</code> is the least-defined value for all types and <code>fix</code> finds the least-defined fixed point, if <code>f ⊥ = ⊥</code>, we will have <code>fix f = ⊥</code> (and the converse is also true). If you've read the denotational semantics article, you will recognise this as the criterion for a ''strict function'': <code>fix f</code> diverges if and only if <code>f</code> is strict. --> そして、<code>⊥</code>はすべての型で最も定義されていない値で、<code>fix</code>は最も定義されていない不動点を求めるので、もし<code>f ⊥ = ⊥</code>なら、<code>fix f = ⊥</code>となる(逆もまた真である)。もし表示的意味論の項をすでに読んでいるなら、これを''正格関数''であるかどうかの基準として認識することができるだろう。<code>fix f</code>は<code>f</code>が正格であるとき、そのときに限り発散する。 == <!-- Recursion --> 再帰== <!-- If you've come across examples of <code>fix</code> on the internet, or on the [http://www.haskell.org/haskellwiki/IRC_channel #haskell IRC channel], the chances are that you've seen examples involving <code>fix</code> and recursion. Here's a classic example: --> もしインターネット上や[http://www.haskell.org/haskellwiki/IRC_channel #haskell IRC channel]で <code>fix</code>の例に出くわしたことがあれば、<code>fix</code>と再帰を取り入れている例を見るチャンスである。古典的な例として、 {{HaskellExample| <!-- Encoding recursion with <code>fix</code> --> <code>fix</code>による再帰の書き換え|2= <pre> Prelude> let fact n = if n == 0 then 1 else n * fact (n-1) in fact 5 120 Prelude> fix (\rec n -> if n == 0 then 1 else n * rec (n-1)) 5 120 </pre> }} <!-- Here we have used <code>fix</code> to "encode" the factorial function: note that (if we regard <code>fix</code> as a language primitive) our second definition of <code>fact</code> doesn't involve recursion at all. In a language like the typed lambda calculus that doesn't feature recursion, we can introduce <code>fix</code> in to write recursive functions in this way. Here are some more examples: --> ここで階乗関数を"書き換え"るために <code>fix</code>を使っている。(もし <code>fix</code>を言語に組み込みのものとみなすなら)<code>fact</code>の二番目の定義は再帰をまったく含んでいない。型付きラムダ計算のような再帰の機能のない言語では、このように再帰的関数を書くために<code>fix</code>を導入することができる。他の例としては、 {{HaskellExample| <!-- More <code>fix</code> examples --> さらなる<code>fix</code>の例|2= <pre> Prelude> fix (\rec f l -> if null l then [] else f (head l) : rec f (tail l)) (+1) [1..3] [2,3,4] Prelude> map (fix (\rec n -> if n == 1 || n == 2 then 1 else rec (n-1) + rec (n-2))) [1..10] [1,1,2,3,5,8,13,21,34,55] </pre> }} <!-- So how does this work? Let's first approach it from a denotational point of view with our <code>fact</code> function. For brevity let's define: --> では、これはどのように働くのであろうか?この<code>fact</code> (階乗)関数によって表示的な視点からの最初の一歩を踏み出そう。簡潔さのために次のように定義する。 fact' rec n = if n == 0 then 1 else n * rec (n-1) <!-- So that we're computing <code>fix fact' 5</code>. <code>fix</code> will find a fixed point of <code>fact'</code>, i.e. the ''function'' <code>f</code> such that <code>f == fact' f</code>. But let's expand what this means: --> これによって<code>fix fact' 5</code>というように計算できるようになる。<code>fix</code>は<code>fact'</code>の不動点、すなわち<code>f == fact' f</code>を満たす''関数'' <code>f</code>を求めるだろう。でも、これが何を意味するのか展開してみよう。 f = fact' f = \n -> if n == 0 then 1 else n * f (n-1) <!-- All we did was substitute <code>rec</code> for <code>f</code> in the definition of <code>fact'</code>. But this looks exactly like a ''recursive'' definition of a factorial function! <code>fix</code> feeds <code>fact'</code> ''itself'' as its first parameter in order to create a recursive function out of a higher-order function. --> ここで行ったのは、<code>rec</code>を<code>fact'</code>の定義における<code>f</code>で置き換えただけであるが、これは階乗関数の''再帰的''定義にそっくりである!高階関数から抜けだして、再帰的な関数を作るために<code>fix</code>は<code>fact'</code>''自身''をその最初の引数として与えている。 <!-- We can also consider things from a more operational point of view. Let's actually expand the definition of <code>fix fact'</code>: --> もっと演算的な観点から考えることもできる。実際に<code>fix fact'</code>の定義を展開してみよう。 fix fact' = fact' (fix fact') = (\rec n -> if n == 0 then 1 else n * rec (n-1)) (fix fact') = \n -> if n == 0 then 1 else n * fix fact' (n-1) = \n -> if n == 0 then 1 else n * fact' (fix fact') (n-1) = \n -> if n == 0 then 1 else n * (\rec n' -> if n' == 0 then 1 else n' * rec (n'-1)) (fix fact') (n-1) = \n -> if n == 0 then 1 else n * (if n-1 == 0 then 1 else (n-1) * fix fact' (n-2)) = \n -> if n == 0 then 1 else n * (if n-1 == 0 then 1 else (n-1) * (if n-2 == 0 then 1 else (n-2) * fix fact' (n-3))) = ... <!-- Notice that the use of <code>fix</code> allows us to keep "unravelling" the definition of <code>fact'</code>: every time we hit the <code>else</code> clause, we product another copy of <code>fact'</code> via the evaluation rule <code>fix fact' = fact' (fix fact')</code>, which functions as the next call in the recursion chain. Eventually we hit the <code>then</code> clause and bottom out of this chain. --> <code>fix</code>の使用によって <code>fact'</code>の定義を"分解"し続けることができていることに注意されたい。<code>else</code>節を入力するときはいつも、評価の規則<code>fix fact' = fact' (fix fact')</code>を通じて、再帰の連鎖において次の呼び出しとして機能する <code>fact'</code>の新たな複製を乗算しているのである。結果的にこの連鎖の外で<code>then</code>節やボトムに達するのだ。 {{Exercises| # <!-- Expand the other two examples we gave above in this sense. You may need a lot of paper for the Fibonacci example! --> この意味で前述した他のふたつの例を展開せよ。フィボナッチの例では大量の紙が必要になるかもしれない! # <!-- Write non-recursive versions of <code>filter</code> and <code>foldr</code>. --> <code>filter</code> と<code>foldr</code>の非再帰的バージョンを書け。 }} == <!-- The typed lambda calculus --> 型付きラムダ計算== <!-- In this section we'll expand upon a point mentioned a few times in the previous section: how <code>fix</code> allows us to encode recursion in the typed lambda calculus. It presumes you've already met the typed lambda calculus. Recall that in the lambda calculus, there is no <code>let</code> clause or top-level bindings. Every program is a simple tree of lambda abstractions, applications and literals. Let's say we want to write a <code>fact</code> function. Assuming we have a type called <code>Nat</code> for the natural numbers, we'd start out something like the following: --> この節ではこれまでの節で何度か言及してきた点について展開していく。型付きラムダ計算においては、<code>fix</code>はどうやって再帰の書き換えを可能にしているのだろうか。あなたがすでに型付きラムダ計算を知っていると仮定する。ラムダ計算には<code>let</code>節やトップレベルの束縛は存在しないことを思い出そう。どんなプログラムもラムダ抽象、適用、リテラルのいずれかからなる単なる木である。<code>fact</code>関数を書きたいとしよう。自然数として<code>Nat</code>と呼ばれる型があるものとして、次のようにとりかかった。 λn:Nat. if iszero n then 1 else n * <blank> (n-1) <!-- The problem is, how do we fill in the <code><blank></code>? We don't have a name for our function, so we can't call it recursively. The only way to bind names to terms is to use a lambda abstraction, so let's give that a go: --> 問題は、<code><blank></code>の部分をどのように埋めるかだ。この関数には名前を与えていないので、これを再帰的に呼びだすことはできない。項に名前を束縛する唯一の手段は、ラムダ抽象を使うことだ。それではこれをやってみよう。 (λf:Nat→Nat. λn:Nat. if iszero n then 1 else n * f (n-1)) (λm:Nat. if iszero m then 1 else m * <blank> (m-1)) <!-- This expands to: --> これはつぎのように展開される。 λn:Nat. if iszero n then 1 else n * (if iszero n-1 then 1 else (n-1) * <blank> (n-2)) <!-- We still have a <code><blank></code>. We could try to add one more layer in: --> まだ <code><blank></code>がある。もう一段階やってみよう。 (λf:Nat→Nat. λn:Nat. if iszero n then 1 else n * f (n-1) ((λg:Nat→Nat. λm:Nat. if iszero n' then 1 else n' * g (m-1)) (λp:Nat. if iszero p then 1 else p * <blank> (p-1)))) -> λn:Nat. if iszero n then 1 else n * (if iszero n-1 then 1 else (n-1) * (if iszero n-2 then 1 else (n-2) * <blank> (n-3))) <!-- It's pretty clear we're never going to be able to get rid of this <code><blank></code>, no matter how many levels of naming we add in. Never, that is, unless we use <code>fix</code>, which, in essence, provides an object from which we can always unravel one more layer of recursion and still have what we started off: --> 何段階名前付けを加えようとも、この<code><blank></code>を取り除くことができそうもないのはどうみても明らかだ。<code>fix</code>を使わない限り、本質的に決して取り除くことはできず、つねに再帰のもう一段階を解くことができ、出発した時のままなのである。 fix (λf:Nat→Nat. λn:Nat. if iszero n then 1 else n * f (n-1)) <!-- This is a perfect factorial function in the typed lambda calculus plus <code>fix</code>. --> これは<code>fix</code>を加えた型付きラムダ計算における完全な再帰関数だ。 <!-- <code>fix</code> is actually slightly more interesting than that in the context of the typed lambda calculus: if we introduce it into the language, then every type becomes inhabited, because given some concrete type <code>T</code>, the following expression has type <code>T</code>: --> 型付きラムダ計算の文脈においては、<code>fix</code>は実際にはこれよりもうすこし興味深いものである。もしこれをこの言語に導入すると、なんらかの具体的な型<code>T</code>があれば次の式は型<code>T</code>を持つので、どんな型も空でない集合となる。 fix (λx:T. x) <!-- This, in Haskell-speak, is <code>fix id</code>, which is denotationally <code>⊥</code>. So we see that as soon as we introduce <code>fix</code> to the typed lambda calculus, the property that every well-typed term reduces to a value is lost. --> これはHaskellでいうところの<code>fix id</code>であり、表示的な <code>⊥</code>である。ゆえに、型付きラムダ計算に<code>fix</code>を導入するやいなや、あらゆる well-typed な項が値へと還元されるという性質は失われることがわかる。 == <!-- Fix as a data type --> データ型としての Fix== <!-- It is also possible to make a fix data type in Haskell.There are three ways of defining it. --> Haskell では、fix データ型を作ることも可能である。定義する方法は3つある。 newtype Fix f=Fix (f (Fix f)) <!-- or using the RankNTypes extension --> もしくは、RankNTypes 拡張を利用する。 newtype Mu f=Mu (forall a.(f a->a)->a) data Nu f=forall a.Nu a (a->f a) <!-- Mu and Nu help generalize folds, unfolds and refolds. --> Mu と Nu は fold、unfold、refold を一般化するのを補助している。 fold :: (f a -> a) -> Mu f -> a fold g (Mu f)=f g unfold :: (a -> f a) -> a -> Nu f unfold f x=Nu x f refold :: (a -> f a) -> (g a-> a) -> Mu g -> Nu f refold f g = unfold f . fold g <!-- Mu and Nu are restricted versions of Fix. --> Mu と Nu は Fix の特殊化されたバージョンである。 <!-- Mu is used for making inductive noninfinite data and Nu is used for making coinductive infinite data. Eg) --> Mu は帰納的な無限でないデータを作るのに使われ、Nu は余帰納的(coinductive)で無限のデータを作るのに使われる。例えば、 newtype Stream a=Stream (Nu ((,) a)) -- forsome b. (b,b->(a,b)) newtype Void a=Void (Mu ((,) a)) -- forall b.((a,b)->b)->b <!-- Unlike the fix point function the fix point types do not lead to bottom. In the following code Bot is perfectly defined. It is equivalent to the unit type (). --> 不動点関数とは異なり、不動点型はボトムにならない。次のコードにおける Bot は完全に定義されている。これはユニット型 () と等価である。 newtype Id a=Id a newtype Bot=Bot (Fix Id) -- newtype Bot=Bot Bot に等しい -- 可能な項は一つだけ存在する。Bot $ Bot $ Bot $ Bot… <!-- The Fix data type cannot model all forms of recursion. Take for instance this nonregular data type. --> Fix データ型はすべての再帰構造を作ることができない。例えば次の非正則なデータ型、 data Node a=Two a a|Three a a a data FingerTree a=U a|Up (FingerTree (Node a)) <!-- It is not easy to implement this using Fix. --> これを Fix を用いて実装するのは容易ではない。 {{Haskell navigation|chapter=Wider Theory}} {{BookCat}} [[en:Haskell/Fix and recursion]]
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2015-08-02T14:29:32Z
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Haskell/カリー=ハワード同型
カリー=ハワード同型(Curry-Howard isomorphism)は数学の一見無関係に思えるふたつの領域、型理論と構造論理を結びつける実に驚くべき関係である。 これよりカリー=ハワード同型は単に C-H と表記する。C-H が示しているのは、定理の本質を反映するような型を構築し、それからその型を持つ値を見つけさえすれば、どんな数学的定理をも証明することができる、ということだ。これは最初は極めて不思議に思える。型と定理にどんな関係があるというのだろうか?しかしながら、以下に述べるように、このふたつは非常に近しい関係にあるのである。はじめる前に簡単に注意しておくが、導入の章では error や undefinedのような 表示的意味論 が ⊥ である式の存在は無視する。これらはとても重要な役割を果たすのだが、これらについては後ほど別に考えることにする。また、unsafeCoerce#のような型システムを迂回する関数についても無視することにする。 Haskellの高階関数の機能を使えばとても複雑な型を構築することができる。次のような質問をしてみるといい。すべての型は少なくともひとつは値が存在する(このような型を空でない集合(inhabited)という)だろうか?最初は「どんな型でもそうだ」と思うかもしれないが、次の例はあっさりとその直感を打ち砕く。たとえば、なんらかの型aの値をまったく別の型 b の値に変換する方法は存在しないので(あらかじめ a や bを知っており ord :: Char -> Intのような単相関数について述べているのでない限り)、型a -> bをもつ関数は存在しない。 信じられないことに、型が数学の論理における真である定理と対応するときだけ、型は空でないことがわかるのである。しかし、この対応はなぜなのだろうか?a -> bのような型は論理の文脈においては何を意味しているのだろうか? 型理論の探求を始める前に、ある程度の形式論理の素養が必要だ。これはとても簡単な入門である。より詳しい背景を知るためには、形式理論についての入門書を参照することをお勧めする。 我々は毎日のように「もし~ならば~」という表現を使っている。たとえば、「もし天気が良かったら、街まで歩いていく」などだ。この種の表現は数学にも登場する。「もしxが正なら、xは(実数の)平方根を持つ」のように言うことがあるだろう。形式論理は曖昧でぼんやりとした自然言語を正確な記号へとこのような主張を翻訳する手段なのである。もし何かが真なら真であるということを、 → 記号(「ならば」と読む)を使って表す。例えば、もし天気が良いということが真なら、街まで歩いて行くというのが真である、という先程使った「もし~ならば~」による文章とまったくおなじ意味で、先ほどの文章は「天気が良い→街まで歩いて行く」と書き換えることができる。また、文章全体を表すために文字を使うことがある。たとえば、もし W が先程の「天気がいい」という文章で、Tが「街まで歩いて行く」という文章なら、先程の例は単に W →T と書ける。 先程述べた → の定義のずるい方法に注意されたい。P → Q は、もし P が真なら、 Qは真である、という意味だった。でも、もし Qが「太陽は熱い」のような常に真であるような文章だったら、Pが何であっても問題はない。Pが偽である文章だとしても同様で、もしPが真であったとしても Qは真であるということになる。したがって、P → Qはやはり成り立つ。Pが真でなくとも Q が真になるということは、まったく別のことなのだ。P → Qといった時にこの疑問を尋ねることはない。よって、「空が赤い→太陽は熱い」がやはり正当な文章であるように、→は実はなんらかの因果関係の一種を表しているわけではない。 論理積と論理和と呼ばれるものも日常の言語と数学の両方で登場する事柄である。前者は「かつ」、後者は「または」を意味する形式表現である。「もし在庫がありお金が足りれば、この雑誌を買うだろう」という文章は形式的に ( M ∧ S ) → B {\displaystyle (M\wedge S)\to B} と表現される。ここで、M = 'お金が足りる'、S = '雑誌の在庫がある'、B = '雑誌を買うだろう'である。実際、 ∧ {\displaystyle \wedge } 単には「かつ」と読むことができる。同様に、 ∨ {\displaystyle \vee } 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Void -> a ということになる。残念ながら Haskell ではこのような関数を書くことはできないが、理想的には次のように書ければよい。 これは Haskell では禁じられている。なんとか可能そうなもっとも近いものは次のようなものだ。 もしくは、 (やはりHaskellでは許されないのだが)ほかの理にかなった方法としては次のように書くことが考えられる。 これはどんなxの値も扱うことができるので、このcase 文は完全に適切な形式(well formed)である。 関数の右辺には決して届かない(ゆえに何も渡してはいない)ので、これはまったく安全であることに注意しよう。全体の結論としては、Void -> a は空でない型であり、P が偽であるならば P → Q は真である、ということになる。 論理のおける ¬ 演算は、定理を非定理に、非定理を定理に変える。もし A が定理なら ¬A は非定理であるし、A が非定理なら ¬A は定理となる。Haskell ではどうやって表現できるだろうか?回答はずるいものだ。型シノニムを定義する。 だから、A について、Not A の型は単に A -> Void である。これはどのように働くのだろう? A が定理型であれば、 A -> Void は空でない集合でなければならない。返り値の型 Void は値を持っていないので、どんな関数もどんな値でも返す方法はない(この関数は A のすべての空でない集合についても値を提供しているはずである)!言い換えれば、先ほどの章で探求したように、A が非定理だったら、A を Void に置き換えることができる。そして、関数 id :: Void -> Void は Not A の要素であり、ゆえに要求通り Not A は定理となる(その定義域に要素がないので、この関数はどんな値も提供する必要はない。それにもかかわらず、これは空のグラフであり、関数なのだ。)。 これまでのところ、Haskell の型システムからいくつかのごく基本的な機能のみを使ってきた。論理のほとんどの機能はごく基本的な「プログラミング言語」であるコンビネータ計算(combinator calculus)を使えば探求することができる。どうやってC-H がこれらの2つの領域を結びつけているかを十分に理解するためには、形式論理の議論とプログラミング言語についての議論の両方を「公理化」する必要がある。 →操作がどのように振る舞うべきかについてのふたつの公理から始めよう(いまから、これらの → は右結合関数である、すなわち、A → B → C は A → (B → C) を意味するものとする)。 最初の公理は、どんな2つの命題 A と B についても、もし A と B の両方を仮定するなら、A が真であるということがわかる、ということを言っている。ふたつめの公理は、もし A ならば B ならば C ならば(言い換えれば、もし C が真ならいつも A と B も真であるとすれば)、かつ A ならば B であれば、A が真であることがわかれば C が真であると結論できるということだ。これは複雑に見えるが、少し考えるとこれはごく当たり前のことであるのがわかる。様々な色の箱があり、車輪の付いているものや、蓋の付いているものもあると想像してみよう。すべての赤く車輪のついた箱には蓋があり、赤い箱には車輪がついている。ひとつ箱を選ぶ。A = '検討中の箱は赤', B = '選んだこの箱は車輪が付いている', C = '選んだ箱には蓋が付いている'としよう。ふたつめの法則は、A → B → C (すべての赤く車輪がついた箱は蓋もついている)、かつ A → B (すべての赤い箱は車輪がついている)なら、もし A (箱が赤である)ならば、C (箱には蓋が付いている)が真であるのは間違いない。 モーダス・ポネンスとも呼ばれている推論規則も認めることにする。 この法則はもとの定理から新しい定理を作ることを可能にする。これはまったく明白のはずである。→ が何を意味しているかの本質的な定義そのものである。この小さな原理は、ほとんどの我々の議論をカバーする十分な表現力する、単純で十分な論理体系を提供する。このシステムにおける、A → Aの証明例を示す。 最初に、定理としてふたつの公理を知っている。 ふたつめの公理の左辺が最初の公理であるように見えるのに気づくだろう。ふたつめの公理は、もしA → B → Cがわかっているなら、(A → B) → A → Cと結論できることを保証する。このとき、もし C を A と同じ命題だとすれば、もし A → B → Aならば (A → B) → A → A を得る。もし B を命題 C → A とすれば、ほかの命題 C について、もし A → C → A ならば A → A を得る。しかし、繰り返すが、A → C → A (これはまた最初の公理だ)であり、ゆえに求めていた A → Aを得る。 この例の実演はいくつかの単純な公理ともとの定理から新たな定理を創りだす簡単な方法さえあれば、さらに複雑な定理を導出できることを示す。これを得るまでに随分手間がかかるかもしれない。A → A が定理であるという明らかな主張を証明するのにも何行もかかった!しかし、最終的にはたどり着いた。本質的にごく簡単なシステムを定義し、このシステムがどのように働くのかを研究するのは非常に簡単なので、この種の形式化は興味深い。 ラムダ計算はごく簡単な原理から単純なプログラミング言語を定義する方法のひとつである。もしまだラムダ計算の章を読んでいないのであれば、少なくとも型なしバージョンの計算の導入の節だけでも読んでおくことを勧める。忘れかけているかもしれないから、念のため確認しておこう。ラムダ項はつぎの3つのうちのひとつである。 ベータ簡約 と呼ばれる簡約規則がひとつある。 ラムダ計算の項目で言及したように、識別子の自由な出現の記述を束縛するのを試すときには困難が生じる。これらの困難のため、コンビネータ計算はアメリカの数学者ハスケル・カリーによって考案された(のちにプログラミング言語の名前ともなった)。基本的なコンビネータ計算にはいくつかの亜種が存在するが、ここでは最も簡単なものについて考える。ふたつのいわゆる コンビネータ と呼ばれるものから始める。 最初の関数はconstだと認識したかもしれない。ふたつめはすこし複雑だが、((->) e) モナド(つまりは Reader だ)におけるモナディック関数 ap である。これらふたつのコンビネータはラムダ計算全体の完全な基礎を形成する。どんなラムダ計算プログラムもこれらふたつの関数だけを使って書くことができる。 これまで証明してきたすべての結果は、直観主義論理の定理である。古典論理の基本的な定理、 Not Not A -> A を証明することを試みるどうなるのであろうか。 ((A -> Void) -> Void) -> A と変換されることを思い出そう。すると、型 (A -> Void) -> Void の関数について 型Aを返すような関数が必要だ。いま、もし型 A -> Void が空である、言い換えれば 型 A が空であるなら、型 (A -> Void) -> Void の関数がまさに存在する。必要なのはなんらかの空である型をとりその型の要素を返す関数である。それぞれの型の "最も単純"、言い換えれば "最初" の要素を発見するだけであるので、コンピュータにとってはじゅうぶんに容易い。しかし、通常のラムダ計算やコンビネータの技法を使用してこれを果たす方法はない。ゆえに、これらの2つの技法を使ってこの結果を証明することができず、根本的な論理は古典論理というより直観論理であることがわかる。 代わりに、エラーが発生した時に throwを呼び出しcatchへ計算を移行する、従来のエラー処理関数を考える。 throw関数はもとの関数のどんな返り値も取り消すので、その型は A -> Void である。ここで、A はその関数の引数の型である。catch 関数は throw 関数をその引数としてとり、もし throw が例外を引き起こす(すなわち Void を返す)なら throw 関数の引数を返すだろう。そして catch の型は ((A -> Void) -> Void) -> A となる。 テンプレート:Haskell navigation
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の証明であることを思い出そう。ここで A と A は C-H 対応している。ゆえに、この場合、最初の A と一致する型と2つ目の B と一致する型の、従属する2つの値含む値を見つけたいということになる。これは実にペアに似ているように思える。実際に、記号列 A ∧ B {\\displaystyle A\\wedge B} は (a, b) と表現する。ここで a は A に、b は B に相当する。", "title": "論理演算と等価なもの" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "論理和は論理積とは逆である。 A ∨ B {\\displaystyle A\\vee B} が定理であるためには、A か B のどちらかが定理でなければならない。先程と同様に、型 A の値か型 B の値のどちらかを含むような値を探す。これは Either だ。Either A B は命題 A ∨ B {\\displaystyle A\\vee B} と一致する型なのである。", "title": "論理演算と等価なもの" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "我々の論理体系では、偽の主張を表すことは役に立つことがある。定義により、偽の主張は証明することができないものである。ゆえに、空であるような型を探すことになる。デフォルトのライブラリにはこのような型は存在しないが( () 型で混乱しないように。これは明らかにひとつ値がある)、GHC の -XEmptyDataDecls フラグをオンにすれば自分で定義することができる。", "title": "論理演算と等価なもの" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "構築子を省くことにより、Void は空である型を意味することになる。それゆえ、Void 型は論理の非定理と一致する。役に立つ当然の帰結を幾つか挙げる。", "title": "論理演算と等価なもの" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "最初の章で発見したように、P の値が真であるかどうかにかかわらず、もし Q が真であれば論理包含 P → Q は真である。したがって、型 Void -> a の項を見つけ出すことができるはずである。実際に存在するのだが、これはすこし説明が複雑になる。答えは 空( empty )関数である。関数 f :: A -> B を 最初の要素が A の要素であるような(おそらく無限の) 集合の組 (定義域) と 2つ目の要素がB (値域)の要素であるようなこの項における f の出力と定義することができる。たとえば、自然数においてある自然数のすぐ次の自然数を得る関数は {(0,1), (1,2), (2,3), ...} と表すことができる。(total かつ well-defined な) 関数とするために、項 aが型 A である組 (a, f a) ひとつをちょうど得ることに注意されたい。", "title": "論理演算と等価なもの" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "", "title": "論理演算と等価なもの" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "この空関数を empty と呼ぶことにしよう。このように empty は空集合で表すことができる。 しかし、それぞれ定義域の要素である組がなければならないが、この表現に組は存在せず、定義域は空、すなわち Void でなければならない。値域の型についてはどうだろうか。 empty はどんな出力もしないので、値域に課された制限はない。それゆえ、値域の型はどんな型と仮定しても正当であり、empty :: forall a. Void -> a ということになる。残念ながら Haskell ではこのような関数を書くことはできないが、理想的には次のように書ければよい。", "title": "論理演算と等価なもの" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "", "title": "論理演算と等価なもの" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "これは Haskell では禁じられている。なんとか可能そうなもっとも近いものは次のようなものだ。", "title": "論理演算と等価なもの" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "もしくは、", "title": "論理演算と等価なもの" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "", "title": "論理演算と等価なもの" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "(やはりHaskellでは許されないのだが)ほかの理にかなった方法としては次のように書くことが考えられる。", "title": "論理演算と等価なもの" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "", "title": "論理演算と等価なもの" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "これはどんなxの値も扱うことができるので、このcase 文は完全に適切な形式(well formed)である。", "title": "論理演算と等価なもの" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "", "title": "論理演算と等価なもの" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "関数の右辺には決して届かない(ゆえに何も渡してはいない)ので、これはまったく安全であることに注意しよう。全体の結論としては、Void -> a は空でない型であり、P が偽であるならば P → Q は真である、ということになる。", "title": "論理演算と等価なもの" }, { "paragraph_id": 32, "tag": "p", "text": "論理のおける ¬ 演算は、定理を非定理に、非定理を定理に変える。もし A が定理なら ¬A は非定理であるし、A が非定理なら ¬A は定理となる。Haskell ではどうやって表現できるだろうか?回答はずるいものだ。型シノニムを定義する。", "title": "論理演算と等価なもの" }, { "paragraph_id": 33, "tag": "p", "text": "だから、A について、Not A の型は単に A -> Void である。これはどのように働くのだろう? A が定理型であれば、 A -> Void は空でない集合でなければならない。返り値の型 Void は値を持っていないので、どんな関数もどんな値でも返す方法はない(この関数は A のすべての空でない集合についても値を提供しているはずである)!言い換えれば、先ほどの章で探求したように、A が非定理だったら、A を Void に置き換えることができる。そして、関数 id :: Void -> Void は Not A の要素であり、ゆえに要求通り Not A は定理となる(その定義域に要素がないので、この関数はどんな値も提供する必要はない。それにもかかわらず、これは空のグラフであり、関数なのだ。)。", "title": "論理演算と等価なもの" }, { "paragraph_id": 34, "tag": "p", "text": "これまでのところ、Haskell の型システムからいくつかのごく基本的な機能のみを使ってきた。論理のほとんどの機能はごく基本的な「プログラミング言語」であるコンビネータ計算(combinator calculus)を使えば探求することができる。どうやってC-H がこれらの2つの領域を結びつけているかを十分に理解するためには、形式論理の議論とプログラミング言語についての議論の両方を「公理化」する必要がある。", "title": "公理的論理と組み合わせ計算" }, { "paragraph_id": 35, "tag": "p", "text": "→操作がどのように振る舞うべきかについてのふたつの公理から始めよう(いまから、これらの → は右結合関数である、すなわち、A → B → C は A → (B → C) を意味するものとする)。", "title": "公理的論理と組み合わせ計算" }, { "paragraph_id": 36, "tag": "p", "text": "最初の公理は、どんな2つの命題 A と B についても、もし A と B の両方を仮定するなら、A が真であるということがわかる、ということを言っている。ふたつめの公理は、もし A ならば B ならば C ならば(言い換えれば、もし C が真ならいつも A と B も真であるとすれば)、かつ A ならば B であれば、A が真であることがわかれば C が真であると結論できるということだ。これは複雑に見えるが、少し考えるとこれはごく当たり前のことであるのがわかる。様々な色の箱があり、車輪の付いているものや、蓋の付いているものもあると想像してみよう。すべての赤く車輪のついた箱には蓋があり、赤い箱には車輪がついている。ひとつ箱を選ぶ。A = '検討中の箱は赤', B = '選んだこの箱は車輪が付いている', C = '選んだ箱には蓋が付いている'としよう。ふたつめの法則は、A → B → C (すべての赤く車輪がついた箱は蓋もついている)、かつ A → B (すべての赤い箱は車輪がついている)なら、もし A (箱が赤である)ならば、C (箱には蓋が付いている)が真であるのは間違いない。", "title": "公理的論理と組み合わせ計算" }, { "paragraph_id": 37, "tag": "p", "text": "モーダス・ポネンスとも呼ばれている推論規則も認めることにする。", "title": "公理的論理と組み合わせ計算" }, { "paragraph_id": 38, "tag": "p", "text": "この法則はもとの定理から新しい定理を作ることを可能にする。これはまったく明白のはずである。→ が何を意味しているかの本質的な定義そのものである。この小さな原理は、ほとんどの我々の議論をカバーする十分な表現力する、単純で十分な論理体系を提供する。このシステムにおける、A → Aの証明例を示す。", "title": "公理的論理と組み合わせ計算" }, { "paragraph_id": 39, "tag": "p", "text": "最初に、定理としてふたつの公理を知っている。", "title": "公理的論理と組み合わせ計算" }, { "paragraph_id": 40, "tag": "p", "text": "ふたつめの公理の左辺が最初の公理であるように見えるのに気づくだろう。ふたつめの公理は、もしA → B → Cがわかっているなら、(A → B) → A → Cと結論できることを保証する。このとき、もし C を A と同じ命題だとすれば、もし A → B → Aならば (A → B) → A → A を得る。もし B を命題 C → A とすれば、ほかの命題 C について、もし A → C → A ならば A → A を得る。しかし、繰り返すが、A → C → A (これはまた最初の公理だ)であり、ゆえに求めていた A → Aを得る。", "title": "公理的論理と組み合わせ計算" }, { "paragraph_id": 41, "tag": "p", "text": "この例の実演はいくつかの単純な公理ともとの定理から新たな定理を創りだす簡単な方法さえあれば、さらに複雑な定理を導出できることを示す。これを得るまでに随分手間がかかるかもしれない。A → A が定理であるという明らかな主張を証明するのにも何行もかかった!しかし、最終的にはたどり着いた。本質的にごく簡単なシステムを定義し、このシステムがどのように働くのかを研究するのは非常に簡単なので、この種の形式化は興味深い。", "title": "公理的論理と組み合わせ計算" }, { "paragraph_id": 42, "tag": "p", "text": "ラムダ計算はごく簡単な原理から単純なプログラミング言語を定義する方法のひとつである。もしまだラムダ計算の章を読んでいないのであれば、少なくとも型なしバージョンの計算の導入の節だけでも読んでおくことを勧める。忘れかけているかもしれないから、念のため確認しておこう。ラムダ項はつぎの3つのうちのひとつである。", "title": "公理的論理と組み合わせ計算" }, { "paragraph_id": 43, "tag": "p", "text": "ベータ簡約 と呼ばれる簡約規則がひとつある。", "title": "公理的論理と組み合わせ計算" }, { "paragraph_id": 44, "tag": "p", "text": "ラムダ計算の項目で言及したように、識別子の自由な出現の記述を束縛するのを試すときには困難が生じる。これらの困難のため、コンビネータ計算はアメリカの数学者ハスケル・カリーによって考案された(のちにプログラミング言語の名前ともなった)。基本的なコンビネータ計算にはいくつかの亜種が存在するが、ここでは最も簡単なものについて考える。ふたつのいわゆる コンビネータ と呼ばれるものから始める。", "title": "公理的論理と組み合わせ計算" }, { "paragraph_id": 45, "tag": "p", "text": "最初の関数はconstだと認識したかもしれない。ふたつめはすこし複雑だが、((->) e) モナド(つまりは Reader だ)におけるモナディック関数 ap である。これらふたつのコンビネータはラムダ計算全体の完全な基礎を形成する。どんなラムダ計算プログラムもこれらふたつの関数だけを使って書くことができる。", "title": "公理的論理と組み合わせ計算" }, { "paragraph_id": 46, "tag": "p", "text": "これまで証明してきたすべての結果は、直観主義論理の定理である。古典論理の基本的な定理、 Not Not A -> A を証明することを試みるどうなるのであろうか。 ((A -> Void) -> Void) -> A と変換されることを思い出そう。すると、型 (A -> Void) -> Void の関数について 型Aを返すような関数が必要だ。いま、もし型 A -> Void が空である、言い換えれば 型 A が空であるなら、型 (A -> Void) -> Void の関数がまさに存在する。必要なのはなんらかの空である型をとりその型の要素を返す関数である。それぞれの型の \"最も単純\"、言い換えれば \"最初\" の要素を発見するだけであるので、コンピュータにとってはじゅうぶんに容易い。しかし、通常のラムダ計算やコンビネータの技法を使用してこれを果たす方法はない。ゆえに、これらの2つの技法を使ってこの結果を証明することができず、根本的な論理は古典論理というより直観論理であることがわかる。", "title": "直観論理か古典論理か" }, { "paragraph_id": 47, "tag": "p", "text": "代わりに、エラーが発生した時に throwを呼び出しcatchへ計算を移行する、従来のエラー処理関数を考える。 throw関数はもとの関数のどんな返り値も取り消すので、その型は A -> Void である。ここで、A はその関数の引数の型である。catch 関数は throw 関数をその引数としてとり、もし throw が例外を引き起こす(すなわち Void を返す)なら throw 関数の引数を返すだろう。そして catch の型は ((A -> Void) -> Void) -> A となる。", "title": "直観論理か古典論理か" }, { "paragraph_id": 48, "tag": "p", "text": "テンプレート:Haskell navigation", "title": "Notes" } ]
カリー=ハワード同型(Curry-Howard isomorphism)は数学の一見無関係に思えるふたつの領域、型理論と構造論理を結びつける実に驚くべき関係である。
{{clear}} {{Haskell minitoc|chapter=Wider Theory}} <!-- The '''Curry-Howard isomorphism''' is a striking relationship connecting two seemingly unrelated areas of mathematics &mdash; type theory and structural logic. --> '''カリー=ハワード同型'''(Curry-Howard isomorphism)は数学の一見無関係に思えるふたつの領域、型理論と構造論理を結びつける実に驚くべき関係である。 == <!-- Introduction --> 導入== <!-- The Curry-Howard isomorphism, hereafter referred to as simply C-H, tells us that in order to prove any mathematical theorem, all we have to do is construct a certain type which reflects the nature of that theorem, then find a value that has that type. This seems extremely weird at first: what do types have to do with theorems? However, as we shall see, the two are very closely related. A quick note before we begin: for these introductory paragraphs, we ignore the existence of expressions like <code>error</code> and <code>undefined</code> whose [[Haskell/Denotational semantics|denotational semantics]] are ⊥. These have an extremely important role, but we will consider them separately in due time. We also ignore functions that bypass the type system like <code>unsafeCoerce#</code>. --> これよりカリー=ハワード同型は単に C-H と表記する。C-H が示しているのは、定理の本質を反映するような型を構築し、それからその型を持つ値を見つけさえすれば、どんな数学的定理をも証明することができる、ということだ。これは最初は極めて不思議に思える。型と定理にどんな関係があるというのだろうか?しかしながら、以下に述べるように、このふたつは非常に近しい関係にあるのである。はじめる前に簡単に注意しておくが、導入の章では <code>error</code> や <code>undefined</code>のような [[Haskell/Denotational semantics|表示的意味論]] が ⊥ である式の存在は無視する。これらはとても重要な役割を果たすのだが、これらについては後ほど別に考えることにする。また、<code>unsafeCoerce#</code>のような型システムを迂回する関数についても無視することにする。 <!-- We can build incredibly complicated types using Haskell's [[Haskell/Higher-order functions and Currying|higher-order functions]] feature. We might want to ask the question: given an arbitrary type, under what conditions does there exist a value with that type (we say the type is ''inhabited'')? A first guess might be 'all the time', but this quickly breaks down under examples. For example, there is no function with type <code>a -> b</code>, because we have no way of turning something of type <code>a</code> into something of a completely different type <code>b</code> (unless we know in advance which types <code>a</code> and <code>b</code> are, in which case we're talking about a monomorphic function, such as <code>ord :: Char -> Int</code>). --> Haskellの<!-- [[Haskell/Higher-order functions and Currying|高階関数]] -->高階関数の機能を使えばとても複雑な型を構築することができる。次のような質問をしてみるといい。すべての型は少なくともひとつは値が存在する(このような型を空でない集合(inhabited)という)だろうか?最初は「どんな型でもそうだ」と思うかもしれないが、次の例はあっさりとその直感を打ち砕く。たとえば、なんらかの型<code>a</code>の値をまったく別の型 <code>b</code> の値に変換する方法は存在しないので(あらかじめ <code>a</code> や <code>b</code>を知っており <code>ord :: Char -> Int</code>のような単相関数について述べているのでない限り)、型<code>a -> b</code>をもつ関数は存在しない。 <!-- Incredibly, it turns out that a type is only inhabited when it corresponds to a true theorem in mathematical logic. But what is the nature of this correspondence? What does a type like <code>a -> b</code> mean in the context of logic? --> 信じられないことに、型が数学の論理における真である定理と対応するときだけ、型は空でないことがわかるのである。しかし、この対応はなぜなのだろうか?<code>a -> b</code>のような型は論理の文脈においては何を意味しているのだろうか? === <!-- A crash course in formal logic --> 形式論理最速入門=== <!-- We need some background on formal logic before we can begin to explore its relationship to type theory. This is a ''very'' brief introduction; for a wider grounding we recommend you consult an introductory textbook on the subject matter. --> 型理論の探求を始める前に、ある程度の形式論理の素養が必要だ。これはとても簡単な入門である。より詳しい背景を知るためには、形式理論についての入門書を参照することをお勧めする。 <!-- In everyday language we use a lot of 'If... then...' sentences. For example, 'If the weather is nice today, then we'll walk into town'. These kinds of statements also crop up in mathematics; we can say things like 'If ''x'' is positive, then it has a (real) square root'. Formal logic is a way of translating these statements from loose, woolly, ambiguous English into precise symbolism. We use the → sign (read as 'implies') to indicate that something is true if something else is true. For example, our earlier statement could be recast as 'The weather is nice today → we'll walk into town', which means that it is true that we'll walk into town if it is true that the weather is nice, which is just the same as the 'If... then...' version we used earlier. We'll often use letters to stand for entire statements, so for example if ''W'' is the statement 'the weather is nice', and ''T'' is the statement 'we'll walk into town', then our example becomes simply ''W'' → ''T''. --> 我々は毎日のように「もし~ならば~」という表現を使っている。たとえば、「もし天気が良かったら、街まで歩いていく」などだ。この種の表現は数学にも登場する。「もし''x''が正なら、''x''は(実数の)平方根を持つ」のように言うことがあるだろう。形式論理は曖昧でぼんやりとした自然言語を正確な記号へとこのような主張を翻訳する手段なのである。もし何かが真なら真であるということを、 → 記号(「ならば」と読む)を使って表す。例えば、もし天気が良いということが真なら、街まで歩いて行くというのが真である、という先程使った「もし~ならば~」による文章とまったくおなじ意味で、先ほどの文章は「天気が良い→街まで歩いて行く」と書き換えることができる。また、文章全体を表すために文字を使うことがある。たとえば、もし ''W'' が先程の「天気がいい」という文章で、''T''が「街まで歩いて行く」という文章なら、先程の例は単に ''W'' →''T'' と書ける。 <!-- Notice the crafty way we phrased our definition of →. ''P'' → ''Q'' means that ''if'' ''P'' is true, ''then'' ''Q'' is true. But if ''Q'' is some statement that is always true, no matter what the circumstances &mdash; like 'the sun is hot' &mdash; then it doesn't matter what ''P'' is. ''P'' could even be a false statement, ''Q'' would still be true if ''P'' were true, so ''P'' → ''Q'' would still hold. The fact that ''Q'' would be true if ''P'' isn't true is a whole different matter; we're not asking that question when we say ''P'' → ''Q''. So → doesn't really represent any kind of cause-effect relationship; things like 'the sky is pink → the sun is hot' are still valid statements. <ref>Another way of looking at this is that we're trying to ''define'' our logical operator → such that it captures our intuition of the "if... then" construct in natural language. So we want statements like for all all naturals <math>x</math>, "<math>x</math> is even" → "<math>x+1</math> is odd" to be true. I.e. that implication must hold when we substitute <math>x</math> for any natural including, say, 5. But "5 is even" and "6 is odd" are both false, so we must have that False → False is true. Similarly by considering the statement for all naturals <math>x>3</math>, "<math>x</math> is prime" → "<math>x+1</math> is not prime", we must have that False → True is true. And obviously True → True must be true, and True → False is false. So we have that <math>x</math> → <math>y</math> unless <math>x</math> is true and <math>y</math> false.</ref> --> 先程述べた → の定義のずるい方法に注意されたい。''P'' → ''Q'' は、''もし'' ''P'' が真''なら''、 ''Q''は真である、という意味だった。でも、もし ''Q''が「太陽は熱い」のような常に真であるような文章だったら、''P''が何であっても問題はない。''P''が偽である文章だとしても同様で、もし''P''が真であったとしても ''Q''は真であるということになる。したがって、''P'' → ''Q''はやはり成り立つ。''P''が真でなくとも ''Q'' が真になるということは、まったく別のことなのだ。''P'' → ''Q''といった時にこの疑問を尋ねることはない。よって、「空が赤い→太陽は熱い」がやはり正当な文章であるように、→は実はなんらかの因果関係の一種を表しているわけではない。<ref>これを導く別の方法としては、自然言語において「もし~ならば」という構造の直感的理解を満たす論理演算子 → を''定義''しようとするということだ。すべての自然数<math>x</math>について、「<math>x</math> が偶数」 → 「<math>x+1</math> が奇数」が真であることを主張したいとする。たとえば、この推論は<math>x</math> をどんな自然数、例えば 5 に置き換えたとしても満たさなければならない。しかし、「5 が偶数」と「6が奇数」はどちらも偽であり、偽 → 偽 は真でなければならない。同様に、すべての <math>x>3</math>の自然数について"<math>x</math> が素数" → "<math>x+1</math> は素数ではない"を考えると、偽→ 真 は真でなければならない。真→ 真 が真であることや、真 → 偽 は 偽であるのは明らかだ。したがって、 <math>x</math> が真で<math>y</math>が偽でない限り、<math>x</math> → <math>y</math> は真なのである。</ref> <!-- Other things that crop up lots in both everyday language and mathematics are things called conjunctions and disjunctions. The former represent statements involving an 'and', the latter statements involving an 'or'. We could represent the statement 'I will buy this magazine if it's in stock and I have enough money' by the symbolism <math>(M \wedge S) \to B</math>, where ''M'' = 'I have enough money', ''S'' = 'The magazine is in stock', ''B'' = 'I will buy the magazine'. Essentially, one can just read the symbol <math>\wedge</math> as 'and'. Similarly, one can read the symbol <math>\vee</math> as 'or', so that the statement 'I will either walk or get the train to work' could be represented as <math>W \vee T</math>, where ''W'' = 'I will walk to work', and ''T'' = 'I will get the train to work'. --> 論理積と論理和と呼ばれるものも日常の言語と数学の両方で登場する事柄である。前者は「かつ」、後者は「または」を意味する形式表現である。「もし在庫がありお金が足りれば、この雑誌を買うだろう」という文章は形式的に<math>(M \wedge S) \to B</math>と表現される。ここで、''M'' = 'お金が足りる'、''S'' = '雑誌の在庫がある'、''B'' = '雑誌を買うだろう'である。実際、<math>\wedge</math>単には「かつ」と読むことができる。同様に、<math>\vee</math> は「または」と読むことができ、「徒歩か電車で仕事に行くだろう」は<math>W \vee T</math>と表される。ここで、''W'' = '徒歩で仕事に行く', and ''T'' = '電車で仕事に行く'である。 <!-- Using these symbols, and a few more which will be introduced as we go, we can produce arbitrarily complicated symbol strings. There are two classes of these symbol strings: those that represent true statements, often called the '''theorems'''; and those which represent false statements, called the '''nontheorems'''. Note that whether a symbol string is a theorem or nontheorem depends on what the letters stand for, so <math>P \vee Q</math> is a theorem if, for example, ''P'' represents the statement 'It is daytime' and ''Q'' represents the statement 'It is night time' (ignoring exceptions like twilight), but it would be a nontheorem if ''P'' were 'Trees are blue' and ''Q'' were 'All birds can fly'. We'll often call a symbol string a '''proposition''' if we don't know whether it's a theorem or not. --> これらの記号とこれから紹介する幾つかのものを使い、任意の複雑な記号列を生成することができる。これらの記号列は、'''定理'''(theorems)と呼ばれることもある真の主張と、'''非定理'''(nontheorems)と呼ばれることがある偽の主張の二種類に分類できる。あらゆる記号列はその文字が表しているものに従って定理か非定理のどちらかになることに注意すると、例えば、もし ''P'' が「昼間である」という文章を表し、''Q''が「夜である」という文章を表すなら、(夕方のような例外を除けば)<math>P \vee Q</math> は定理であるが、もし''P''が「木は青い」で''Q''は「すべての鳥は飛ぶことができる」ならこれは非定理となる。定理かどうかわからない記号列は、'''命題'''と呼ぶこともある。 <!-- There are ''many'' more subtleties to the subject of logic (including the fact that when we say 'If you eat your dinner you'll get dessert' we actually mean 'If and only if you eat your dinner will you get dessert'). If this is a subject that interests you, there are many textbooks around that comprehensively cover the subject. --> (「もしあなたが夕食を食べるのなら、その時に限りデザートを食べるだろう」という意味で「もしあなたが夕食を食べるならデザートも食べるだろう」というときのように)論理にはもっと多くの微妙な話題が存在する。もしこれらの話題に興味があるなら、これらの話題を包括的にあつかう多くの教科書がある。 === <!-- Propositions are types --> 定理と型=== <!-- So, given a type <code>a -> b</code>, what does that mean in terms of symbolistic logic? Handily, it simply means that ''a'' → ''b''. Of course, this only makes sense if <code>a</code> and <code>b</code> are types which can further be interpreted in our symbolistic logic. This is the essence of C-H. Furthermore, as we mentioned before, ''a'' → ''b'' is a theorem if and only if <code>a -> b</code> is an inhabited type. --> それでは、形式論理においては型 <code>a -> b</code> は何を意味するのだろうか?簡単なことに、単に''a'' → ''b''を意味しているのだ。もちろん、これは<code>a</code> と <code>b</code>が形式理論において解釈可能な型であるときだけ成り立っている。これは C-H の本質である。また、先程述べたように、<code>a -> b</code> が空でない型であるとき、その時に限り ''a'' → ''b''は定理となる。 <!-- Let's see this using one of the simplest of Haskell functions. <code>const</code> has the type <code>a -> b -> a</code>. Translated into logic, we have that ''a'' → ''b'' → ''a''. This must be a theorem, as the type <code>a -> b -> a</code> is inhabited by the value <code>const</code>. Now, another way of expressing ''a'' → ''b'' is that 'If we assume ''a'' is true, then ''b'' must be true.' So ''a'' → ''b'' → ''a'' means that if we assume ''a'' is true, then if we further assume that ''b'' is true, then we can conclude ''a''. This is of course a theorem; we assumed ''a'', so ''a'' is true under our assumptions. --> もっとも単純な Haskell 関数のひとつを使ってみていこう。<code>const</code> は <code>a -> b -> a</code> という型を持つ。形式論理では''a'' → ''b'' → ''a''となる。値<code>const</code>があるので、これは型 <code>a -> b -> a</code> が空ではなく、定理であることは間違いない。いま、''a'' → ''b''は「もし''a'' が真だとすれば、''b'' は真である」の別の表現なのである。したがって、''a'' → ''b'' → ''a'' は「もし''a''が真であり、もし''b''が真であるなら、''a''は真であると結論できることを意味する。''a''が真であると仮定するなら、仮定により''a''が真であるから、これはもちろん定理である。 === <!-- The problem with ⊥ --> ⊥にまつわる問題=== <!-- We've mentioned that a type corresponds to a theorem if that type is inhabited. However, in Haskell, every type is inhabited by the value <code>undefined</code>. Indeed, more generally, anything with type <code>forall a. a</code>, a value with denotational semantics of ⊥, is a problem. ⊥ in type theory corresponds to inconsistency in logic; we can prove any theorem using Haskell types because every type is inhabited. Therefore, Haskell's type system actually corresponds to an inconsistent logic system. However, if we work with a limited subset of Haskell's type system, and in particular disallow polymorphic types, we have a consistent logic system we can do some cool stuff in. Hereafter it is assumed we are working in such a type system. --> 型が空でないならば、その型は定理と一致することを述べてきた。しかしながら、Haskell においては、値<code>undefined</code>が存在することにより、どんな型も空ではない。実際に、より一般的には、⊥の表示的意味論を持つ値は、すべては型<code>forall a. a</code>という型であるのが問題なのである。型理論における⊥は、論理における矛盾と一致する。すべての型は空でないので、Haskell の型を使ってどんな定理も証明することができる。それゆえ、Haskell の型システムは実際には矛盾した論理システムと一致する。しかしながら、もしHaskellの型システムの制限されたサブセットを使うなら、特に多相型を禁止すれば、ちゃんと面白いことができる一貫性のある論理体系を得ることができる。これからは、そのような型システム内で話を進めていく。 <!-- Now that we have the basics of C-H, we can begin to unpack a little more the relationship between types and propositions. --> これで C-H の基礎を身に着けたので、型と命題の関係をさらに解き明かすのを始めることができるようになった。 == <!-- Logical operations and their equivalents --> 論理演算と等価なもの== <!-- The essence of symbolic logic is a set of propositions, such as ''P'' and ''Q'', and different ways of combining these propositions such as ''Q'' → ''P'' or <math>P \vee Q</math>. These ways of combining propositions can be thought of as operations on propositions. By C-H, propositions correspond to types, so we should have that the C-H equivalents of these proposition combinators are type operations, more normally known as type constructors. We've already seen an example of this: the implication operator → in logic corresponds to the type constructor <code>(->)</code>. The rest of this section proceeds to explore the rest of the proposition combinators and explain their correspondence. --> 記号論理の本質は、''P'' や ''Q'' のような命題の集合と、''Q'' → ''P'' や <math>P \vee Q</math> のようなこれらの命題を組み合わせるさまざまな方法である。命題を組み合わせるこれらの方法は命題の演算と考えることができる。C-H により命題は型と対応し、ゆえに普通は型構築子として知られるその論理演算と C-H の等価なものを得るのである。すでにこの一例を見てきた。論理における論理包含演算子 → は型構築子 <code>(->)</code> と対応する。この章の残りの部分は残りの命題演算を探求し、対応関係の説明を進めていく。 === <!-- Conjunction and Disjunction --> 論理積と論理和=== <!-- In order for <math>A \wedge B</math> to be a theorem, both ''A'' and ''B'' must be theorems. So a proof for <math>A \wedge B</math> amounts to proving both ''A'' and ''B''. Remember that to prove a proposition ''A'' we find a value of type <code>A</code>, where ''A'' and <code>A</code> are C-H correspondents. So in this instance we wish to find a value that contains two sub-values: the first whose type corresponds to ''A'', and the second whose type corresponds to ''B''. This sounds remarkably like a pair. Indeed, we represent the symbol string <math>A \wedge B</math> by <code>(a, b)</code>, where <code>a</code> corresponds to ''A'' and <code>b</code> corresponds to ''B''. --> <math>A \wedge B</math> が定理となるためには、''A'' と ''B'' の両方は定理でなければならない。よって、<math>A \wedge B</math> の証明は ''A'' と ''B'' の両方を証明することに等しい。型 <code>A</code> の値を見つけることが 命題 ''A'' の証明であることを思い出そう。ここで ''A'' と <code>A</code> は C-H 対応している。ゆえに、この場合、最初の ''A'' と一致する型と2つ目の ''B'' と一致する型の、従属する2つの値含む値を見つけたいということになる。これは実にペアに似ているように思える。実際に、記号列 <math>A \wedge B</math> は <code>(a, b)</code> と表現する。ここで <code>a</code> は ''A'' に、<code>b</code> は ''B'' に相当する。 <!-- Disjunction is opposite to conjunction. In order for <math>A \vee B</math> to be a theorem, either ''A'' or ''B'' must be a theorem. Again, we search for a value which contains either a value of type <code>A</code> or a value of type <code>B</code>. This is <code>Either</code>. <code>Either A B</code> is the type which corresponds to the proposition <math>A \vee B</math>. --> 論理和は論理積とは逆である。<math>A \vee B</math> が定理であるためには、''A'' か ''B'' のどちらかが定理でなければならない。先程と同様に、型 <code>A</code> の値か型 <code>B</code> の値のどちらかを含むような値を探す。これは <code>Either</code> だ。<code>Either A B</code> は命題 <math>A \vee B</math> と一致する型なのである。 === <!-- Falsity --> 偽=== <!-- It is occasionally useful to represent a false statement in our logic system. By definition, a false statement is one that can't be proven. So we're looking for a type which isn't inhabited. Although none of these types exist in the default libraries (don't get confused with the <code>()</code> type, which has precisely one value), we can define one, if we turn on the <code>-XEmptyDataDecls</code> flag in GHC: --> 我々の論理体系では、偽の主張を表すことは役に立つことがある。定義により、偽の主張は証明することができないものである。ゆえに、空であるような型を探すことになる。デフォルトのライブラリにはこのような型は存在しないが( <code>()</code> 型で混乱しないように。これは明らかにひとつ値がある)、GHC の <code>-XEmptyDataDecls</code> フラグをオンにすれば自分で定義することができる。 data Void <!-- The effect of omitting the constructors means that <code>Void</code> is an uninhabited type. So the <code>Void</code> type corresponds to a nontheorem in our logic. There are a few handy corollaries here: --> 構築子を省くことにより、<code>Void</code> は空である型を意味することになる。それゆえ、<code>Void</code> 型は論理の非定理と一致する。役に立つ当然の帰結を幾つか挙げる。 <ol> <li> <!-- <code>(Void, A)</code> and <code>(A, Void)</code> are both uninhabited types for any type <code>A</code>, corresponding to the fact that <math>F \wedge A</math> and <math>A \wedge F</math> are both nontheorems if ''F'' is a nontheorem. --> <code>どんな型<code>A</code>についても、(Void, A)</code> と <code>(A, Void)</code> はどちらも空である型であり、もし''F''が非定理なら <math>F \wedge A</math> と <math>A \wedge F</math> はどちらも非定理であるという事実と対応する。 </li> <li> <!-- <code>Either Void A</code> and <code>Either A Void</code> are essentially the same as <code>A</code> for any type <code>A</code>, <ref>Technically, the types <code>Either Void A</code> and <code>A</code> are isomorphic. Seeing as you can't have a value of type <code>Void</code>, every value in <code>Either Void A</code> must be a <code>Right</code>-tagged value, so the transformation just strips the <code>Right</code> constructors.</ref> corresponding to the fact that <math>F \vee A</math> and <math>A \vee F</math>, where ''F'' is a nontheorem, are theorems only if ''A'' is a theorem. --> どんな型 <code>A</code> についても、<code>Either Void A</code> と <code>Either A Void</code> は本質的に <code>A</code> と同じであり、<ref>専門的には、型 <code>Either Void A</code> と型 <code>A</code> は同型であるという。型 <code>Void</code> の値を得ることはできないので、<code>Either Void A</code> のどんな値も <code>Right</code> が付けられた値でなければならず、変換は単に <code>Right</code> 構築子を剥がすだけである。</ref> ''F''が非定理で ''A'' が定理であるとき、<math>F \vee A</math> と <math>A \vee F</math> が真であるという事実と対応する。 </li> <li> <!-- Any type that corresponds to a nontheorem can be replaced with <code>Void</code>. This is because any nontheorem-type must be uninhabited, so replacing it with <code>Void</code> everywhere doesn't change anything. <code>Void</code> is really equivalent to any nontheorem type<ref>Again, the technical statement is that <code>Void</code> is isomorphic to any type which is a nontheorem.</ref>. --> 非定理と対応するどんな型も <code>Void</code> に置き換えることができる。これはどんな非定理型も空であるからで、ゆえになにも変更せずとも <code>Void</code> に置き換えることができるのである。<code>Void</code> は実際にどんな非定理型とも等価である<ref>繰り返しになるが、専門的にはこれを <code>Void</code> は非定理であるようなどんな型とも同型である、という。</ref>. </li> <li> <!-- <p>As we remarked in the first section, the implication ''P'' → ''Q'' is true if ''Q'' is true, regardless of the truth value of ''P''. So we should be able to find a term with type <code>Void -> a</code>. In fact one does exist, but it's somewhat complicated to explain: the answer is the ''empty function''. We can define a function <code>f :: A -> B</code> as a (probably infinite) set of pairs whose first element is an element of <code>A</code> (the ''domain'') and second element is <code>f</code>'s output on this term, an element of <code>B</code> (the ''range''). For example, the successor function on the naturals is represented as <code>{(0,1), (1,2), (2,3), ...}</code>. Note that in order to be a (total and well-defined) function, we must have precisely one pair <code>(a, f a)</code> for each term <code>a</code> with type <code>A</code>.</p> --> <p>最初の章で発見したように、''P'' の値が真であるかどうかにかかわらず、もし ''Q'' が真であれば論理包含 ''P'' → ''Q'' は真である。したがって、型 <code>Void -> a</code> の項を見つけ出すことができるはずである。実際に存在するのだが、これはすこし説明が複雑になる。答えは ''空( empty )関数''である。関数 <code>f :: A -> B</code> を 最初の要素が <code>A</code> の要素であるような(おそらく無限の) 集合の組 (''定義域'') と 2つ目の要素が<code>B</code> (''値域'')の要素であるようなこの項における <code>f</code> の出力と定義することができる。たとえば、自然数においてある自然数のすぐ次の自然数を得る関数は <code>{(0,1), (1,2), (2,3), ...}</code> と表すことができる。(total かつ well-defined な) 関数とするために、項 <code>a</code>が型 <code>A</code> である組 <code>(a, f a)</code> ひとつをちょうど得ることに注意されたい。 </p> <!-- <p>The empty function, let's call it <code>empty</code> is represented in this way by the empty set. But as we must have a pair for each element of the domain, and there no pairs in our representation, the domain type must be empty, i.e. <code>Void</code>. What about the range type? <code>empty</code> never produces any output, so there are no restrictions placed on the range type. Thus, it is valid to assume that the range type has any type, so we can say <code>empty :: forall a. Void -> a</code>. Unfortunately, it's not possible to write this function in Haskell; we'd ideally like to write something like:</p> --> <p>この空関数を <code>empty</code> と呼ぶことにしよう。このように <code>empty</code> は空集合で表すことができる。 しかし、それぞれ定義域の要素である組がなければならないが、この表現に組は存在せず、定義域は空、すなわち <code>Void</code> でなければならない。値域の型についてはどうだろうか。 <code>empty</code> はどんな出力もしないので、値域に課された制限はない。それゆえ、値域の型はどんな型と仮定しても正当であり、<code>empty :: forall a. Void -> a</code> ということになる。残念ながら Haskell ではこのような関数を書くことはできないが、理想的には次のように書ければよい。</p> empty :: Void -> a <!-- <p>And stop there, but this is illegal Haskell. The closest we can come is the following:</p> --> <p>これは Haskell では禁じられている。なんとか可能そうなもっとも近いものは次のようなものだ。</p> empty :: Void -> a empty _ = undefined <!-- <p>Alternatively:</p> --> <p>もしくは、</p> empty :: Void -> a empty = empty <!-- <p>Another reasonable way (also disallowed in Haskell) would be to write:</p> --> <p>(やはりHaskellでは許されないのだが<ref>GHC の 7.8.1 以降では <code>-XEmptyCase</code> フラグをオンにすれば可能である</ref>)ほかの理にかなった方法としては次のように書くことが考えられる。</p> empty x = case x of { } <!-- <p>The case statement is perfectly well formed since it handles every possible value of <code>x</code>.</p> --> <p>これはどんな<code>x</code>の値も扱うことができるので、このcase 文は完全に適切な形式(well formed)である。</p> <!-- <p>Note that this is perfectly safe, since the right-hand side of this function can never be reached (since we have nothing to pass it). So, the conclusion of all this is that <code>Void -> a</code> is an inhabited type, just as ''P'' → ''Q'' is true if ''P'' is false.</p> --> <p>関数の右辺には決して届かない(ゆえに何も渡してはいない)ので、これはまったく安全であることに注意しよう。全体の結論としては、<code>Void -> a</code> は空でない型であり、''P'' が偽であるならば ''P'' → ''Q'' は真である、ということになる。</p> </li> </ol> === <!-- Negation --> 否定=== <!-- The ¬ operation in logic turns theorems into nontheorems and vice versa: if ''A'' is a theorem then ''¬A'' is a nontheorem; if ''A'' is a nontheorem then ''¬A'' is a theorem. How can we represent this in Haskell? The answer's a sneaky one. We define a type synonym: --> 論理のおける ¬ 演算は、定理を非定理に、非定理を定理に変える。もし ''A'' が定理なら ''¬A'' は非定理であるし、''A'' が非定理なら ''¬A'' は定理となる。Haskell ではどうやって表現できるだろうか?回答はずるいものだ。型シノニムを定義する。 type Not a = a -> Void <!-- So for a type <code>A</code>, <code>Not A</code> is just <code>A -> Void</code>. How does this work? Well, if <code>A</code> was a theorem-type, then <code>A -> Void</code> must be uninhabited: there's no way any function could return any value, because the return type, <code>Void</code> has no values (The function has to provide values for all inhabitants of A)! On the other hand, if <code>A</code> was a nontheorem, then <code>A</code> can be replaced with <code>Void</code> as we explored in the last section. Then the function <code>id :: Void -> Void</code> is an inhabitant of <code>Not A</code>, so <code>Not A</code> is a theorem as required (The function doesn't have to provide any values, since there are no inhabitants in its domain. Nevertheless it's a function — with an empty graph). --> だから、<code>A</code> について、<code>Not A</code> の型は単に <code>A -> Void</code> である。これはどのように働くのだろう? <code>A</code> が定理型であれば、 <code>A -> Void</code> は空でない集合でなければならない。返り値の型 <code>Void</code> は値を持っていないので、どんな関数もどんな値でも返す方法はない(この関数は A のすべての空でない集合についても値を提供しているはずである)!言い換えれば、先ほどの章で探求したように、<code>A</code> が非定理だったら、<code>A</code> を <code>Void</code> に置き換えることができる。そして、関数 <code>id :: Void -> Void</code> は <code>Not A</code> の要素であり、ゆえに要求通り <code>Not A</code> は定理となる(その定義域に要素がないので、この関数はどんな値も提供する必要はない。それにもかかわらず、これは空のグラフであり、関数なのだ。)。 == <!-- Axiomatic logic and the combinatory calculus --> 公理的論理と組み合わせ計算== <!-- So far we've only used some very basic features from Haskell's type system. Indeed, most of the features of logic we've mentioned can be explored using a very basic 'programming language', the combinator calculus. To fully appreciate how closely C-H ties together these two areas of mathematics, we need to ''axiomatise'' both our discussion of formal logic and our discussion of programming languages. --> これまでのところ、Haskell の型システムからいくつかのごく基本的な機能のみを使ってきた。論理のほとんどの機能はごく基本的な「プログラミング言語」であるコンビネータ計算(combinator calculus)を使えば探求することができる。どうやってC-H がこれらの2つの領域を結びつけているかを十分に理解するためには、形式論理の議論とプログラミング言語についての議論の両方を「公理化」する必要がある。 === <!-- Axiomatic logic --> 公理的論理=== <!-- We start with two axioms about how the → operation should behave (from now on, we assume that → is a right-associative function, i.e. ''A'' → ''B'' → ''C'' means ''A'' → (''B'' → ''C'')): --> →操作がどのように振る舞うべきかについてのふたつの公理から始めよう(いまから、これらの → は右結合関数である、すなわち、''A'' → ''B'' → ''C'' は ''A'' → (''B'' → ''C'') を意味するものとする)。 # ''A'' → ''B'' → ''A'' # (''A'' → ''B'' → ''C'') → (''A'' → ''B'') → ''A'' → ''C'' <!-- The first axiom says that given any two propositions ''A'' and ''B'', if we assume both ''A'' and ''B'', we know that ''A'' is true. The second says that if ''A'' implies that ''B'' implies ''C'' (or equivalently, if ''C'' is true whenever ''A'' and ''B'' are true), and ''A'' itself implies ''B'', then knowing ''A'' is true would be enough to conclude that ''C'' is true. This may seem complicated, but a bit of thought reveals it to be common sense. Imagine we have a collection of boxes of various colours, some with wheels, some with lids, such that all the red boxes with wheels also have lids, and all the red boxes have wheels. Pick one box. Let ''A'' = 'The box under consideration is red', ''B'' = 'The box under consideration has wheels', ''C'' = 'The box under consideration has a lid'. Then the second law tells us that, as ''A'' → ''B'' → ''C'' (all red boxes with wheels also have lids), and ''A'' → ''B'' (all red boxes have wheels), then if ''A'' (if the box is red), then ''C'' must be true (the box has a lid). --> 最初の公理は、どんな2つの命題 ''A'' と ''B'' についても、もし ''A'' と ''B'' の両方を仮定するなら、''A'' が真であるということがわかる、ということを言っている。ふたつめの公理は、もし ''A'' ならば ''B'' ならば ''C'' ならば(言い換えれば、もし ''C'' が真ならいつも ''A'' と ''B'' も真であるとすれば)、かつ ''A'' ならば ''B'' であれば、''A'' が真であることがわかれば ''C'' が真であると結論できるということだ。これは複雑に見えるが、少し考えるとこれはごく当たり前のことであるのがわかる。様々な色の箱があり、車輪の付いているものや、蓋の付いているものもあると想像してみよう。すべての赤く車輪のついた箱には蓋があり、赤い箱には車輪がついている。ひとつ箱を選ぶ。''A'' = '検討中の箱は赤', ''B'' = '選んだこの箱は車輪が付いている', ''C'' = '選んだ箱には蓋が付いている'としよう。ふたつめの法則は、''A'' → ''B'' → ''C'' (すべての赤く車輪がついた箱は蓋もついている)、かつ ''A'' → ''B'' (すべての赤い箱は車輪がついている)なら、もし ''A'' (箱が赤である)ならば、''C'' (箱には蓋が付いている)が真であるのは間違いない。 <!-- We also allow one ''inference law'', called ''modus ponens'': --> ''モーダス・ポネンス''とも呼ばれている''推論規則''も認めることにする。 # If ''A'' → ''B'', and ''A'', then ''B''. もし ''A'' → ''B'' かつ ''A'' なら、 ''B'' である。  <!-- This law allows us to create new theorems given old one. It should be fairly obvious; it is essentially the definition of what → means. This small basis provides a simple enough logic system which is expressive enough to cover most of our discussions. Here's a sample proof of the law ''A'' → ''A'' in our system: --> この法則はもとの定理から新しい定理を作ることを可能にする。これはまったく明白のはずである。→ が何を意味しているかの本質的な定義そのものである。この小さな原理は、ほとんどの我々の議論をカバーする十分な表現力する、単純で十分な論理体系を提供する。このシステムにおける、''A'' → ''A''の証明例を示す。 <!-- Firstly, we know the two axioms to be theorems: --> 最初に、定理としてふたつの公理を知っている。 * ''A'' → ''B'' → ''A'' * (''A'' → ''B'' → ''C'') → (''A'' → ''B'') → ''A'' → ''C'' <!-- You'll notice that the left-hand side of the second axiom looks a bit like the first axiom. The second axiom guarantees that if we know that ''A'' → ''B'' → ''C'', then we can conclude (''A'' → ''B'') → ''A'' → ''C''. In this case, if we let ''C'' be the same proposition as ''A'', then we have that if ''A'' → ''B'' → ''A'', then (''A'' → ''B'') → ''A'' → ''A''. But we already know ''A'' → ''B'' → ''A'', that was the first axiom. Therefore, we have that (''A'' → ''B'') → ''A'' → ''A'' is a theorem. If we further let ''B'' be the proposition ''C'' → ''A'', for some other proposition ''C'', then we have that if ''A'' → ''C'' → ''A'', then ''A'' → ''A''. But, again, we know that ''A'' → ''C'' → ''A'' (it's the first axiom again), so ''A'' → ''A'', as we wanted. --> ふたつめの公理の左辺が最初の公理であるように見えるのに気づくだろう。ふたつめの公理は、もし''A'' → ''B'' → ''C''がわかっているなら、(''A'' → ''B'') → ''A'' → ''C''と結論できることを保証する。このとき、もし ''C'' を ''A'' と同じ命題だとすれば、もし ''A'' → ''B'' → ''A''ならば (''A'' → ''B'') → ''A'' → ''A'' を得る。もし ''B'' を命題 ''C'' → ''A'' とすれば、ほかの命題 ''C'' について、もし ''A'' → ''C'' → ''A'' ならば ''A'' → ''A'' を得る。しかし、繰り返すが、''A'' → ''C'' → ''A'' (これはまた最初の公理だ)であり、ゆえに求めていた ''A'' → ''A''を得る。 <!-- This example demonstrates that given some simple axioms and a simple way to make new theorems from old, we can derive more complicated theorems. It may take a while to get there &mdash; here we had several lines of reasoning to prove just that the obvious statement ''A'' → ''A'' is a theorem! &mdash; but we get there in the end. This kind of formalisation is attractive because we have essentially defined a very simple system, and it is very easy to study how that system works. --> この例の実演はいくつかの単純な公理ともとの定理から新たな定理を創りだす簡単な方法さえあれば、さらに複雑な定理を導出できることを示す。これを得るまでに随分手間がかかるかもしれない。''A'' → ''A'' が定理であるという明らかな主張を証明するのにも何行もかかった!しかし、最終的にはたどり着いた。本質的にごく簡単なシステムを定義し、このシステムがどのように働くのかを研究するのは非常に簡単なので、この種の形式化は興味深い。 === <!-- Combinator calculus --> コンビネータ計算=== <!-- The [[Haskell/Lambda calculus|lambda calculus]] is a way of defining a simple programming language from a very simple basis. If you haven't already read the chapter that was just linked to, we recommend you read at least the introductory sections on the untyped version of the calculus. Here's a refresher in case you're feeling dusty. A lambda term is one of three things: --> [[Haskell/Lambda calculus|ラムダ計算]]はごく簡単な原理から単純なプログラミング言語を定義する方法のひとつである。もしまだラムダ計算の章を読んでいないのであれば、少なくとも型なしバージョンの計算の導入の節だけでも読んでおくことを勧める。忘れかけているかもしれないから、念のため確認しておこう。ラムダ項はつぎの3つのうちのひとつである。 * <!-- A ''value'', ''v''. --> ''値'', ''v'' * <!-- A ''lambda abstraction'' <math>\lambda x. t</math>, where ''t'' is another lambda term. --> ''ラムダ抽象'' <math>\lambda x. t</math>。ここで ''t'' は別のラムダ項である。 * <!-- An ''application'' <math>(t_1 t_2)</math>, where <math>t_1</math> and <math>t_2</math> are lambda terms. --> 適用 <math>(t_1 t_2)</math>。ここで <math>t_1</math> と <math>t_2</math> はどちらもラムダ項である。 <!-- There is one reduction law, too, called ''beta-reduction'': --> ''ベータ簡約'' と呼ばれる簡約規則がひとつある。 * <!-- <math>((\lambda x. t_1) t_2)</math> → <math>t_1[x := t_2]</math>, where <math>t_1[x := t_2]</math> means <math>t_1</math> with all the free occurrences of ''x'' replaced with <math>t_2</math>. --> <math>((\lambda x. t_1) t_2)</math> → <math>t_1[x := t_2]</math>。ここで、<math>t_1[x := t_2]</math>はすべての ''x'' の自由な出現をともなう<math>t_1</math>は<math>t_2</math>で置換されることを意味する。 <!-- As mentioned in the [[Haskell/Lambda calculus|lambda calculus]] article, the difficulty comes when trying to pin down the notion of a free occurrence of an identifier. The combinator calculus was invented by the American mathematician Haskell Curry (after whom a certain programming language is named) because of these difficulties. There are many variants on the basic combinator calculus, but we consider one of the simplest here. We start with two so-called '''combinators''': --> [[Haskell/Lambda calculus|ラムダ計算]]の項目で言及したように、識別子の自由な出現の記述を束縛するのを試すときには困難が生じる。これらの困難のため、コンビネータ計算はアメリカの数学者ハスケル・カリーによって考案された(のちにプログラミング言語の名前ともなった)。基本的なコンビネータ計算にはいくつかの亜種が存在するが、ここでは最も簡単なものについて考える。ふたつのいわゆる '''コンビネータ''' と呼ばれるものから始める。 * <!-- '''K''' takes two values and returns the first. In the lambda calculus, <math>\mathbf{K} = \lambda xy.\ x</math>. --> '''K''' はふたつの値をとり、最初のひとつを返す。ラムダ計算においては、<math>\mathbf{K} = \lambda xy.\ x</math> である。 * <!-- '''S''' takes a binary function, a unary function and a value, and applies that value and the value passed into the unary function to the binary function. again, in the lambda calculus: <math>\mathbf{S} = \lambda xyz.\ xz(yz)</math>. --> '''S''' は2引数の関数、1引数の関数、値をとり、値を1引数の関数に渡して、2引数の関数に適用する。ラムダ計算では、<math>\mathbf{S} = \lambda xyz.\ xz(yz)</math> である。 <!-- The first function you should recognise as <code>const</code>. The second is more complicated, it is the monadic function <code>ap</code> in the <code>((->) e)</code> monad (which is essentially Reader). These two combinators form a complete basis for the entire lambda calculus. Every lambda calculus program can be written using just these two functions. --> 最初の関数は<code>const</code>だと認識したかもしれない。ふたつめはすこし複雑だが、<code>((->) e)</code> モナド(つまりは Reader だ)におけるモナディック関数 <code>ap</code> である。これらふたつのコンビネータはラムダ計算全体の完全な基礎を形成する。どんなラムダ計算プログラムもこれらふたつの関数だけを使って書くことができる。 == Sample proofs == == <!-- Intuitionistic vs classical logic --> 直観論理か古典論理か== <!-- So far, all of the results we have proved are theorems of intuitionistic logic. Let's see what happens when we try to prove the basic theorem of classical logic, <code> Not Not A -> A </code>. Recall that this translates as <code> ((A -> Void) -> Void) -> A </code>. So, given a function of type <code> (A -> Void) -> Void </code> we need a function of type A. Now a function of type <code> (A -> Void) -> Void </code> exists precisely if type <code> A -> Void </code> is uninhabited, or in other words if type A is inhabited. So we need a function which takes any inhabited type, and returns an element of that type. Although it is simple enough to do this on a computer - we need only find the "simplest" or "first" inhabitant of each type - there is no way to do this using standard lambda-calculus or combinator techniques. So we see that this result cannot be proved using these two techniques, and hence that the underlying logic is intuitionistic rather than classical. --> これまで証明してきたすべての結果は、直観主義論理の定理である。古典論理の基本的な定理、 <code> Not Not A -> A </code> を証明することを試みるどうなるのであろうか。 <code> ((A -> Void) -> Void) -> A </code> と変換されることを思い出そう。すると、型<code> (A -> Void) -> Void </code>の関数について 型Aを返すような関数が必要だ。いま、もし型 <code> A -> Void </code> が空である、言い換えれば 型 A が空であるなら、型 <code> (A -> Void) -> Void </code> の関数がまさに存在する。必要なのはなんらかの空である型をとりその型の要素を返す関数である。それぞれの型の "最も単純"、言い換えれば "最初" の要素を発見するだけであるので、コンピュータにとってはじゅうぶんに容易い。しかし、通常のラムダ計算やコンビネータの技法を使用してこれを果たす方法はない。ゆえに、これらの2つの技法を使ってこの結果を証明することができず、根本的な論理は古典論理というより直観論理であることがわかる。 <!-- Instead, consider a traditional error handling function which calls <code>throw</code> when an error occurs, transferring computation to <code>catch</code>. The <code>throw</code> function cancels any return value from the original function, so it has type <code>A -> Void</code>, where <code>A</code> is the type of its arguments. The <code>catch</code> function then takes the <code>throw</code> function as its argument, and, if the <code>throw</code> triggers (i.e. returns a <code>Void</code>) will return the argument of the <code>throw</code> function. So the type of <code>catch</code> is <code> ((A -> Void) -> Void) -> A </code>. <ref>This argument is taken from {{cite journal | author = Dan Piponi | title = Adventures in Classical Land | journal = The Monad Reader | issue = 6}}</ref> --> 代わりに、エラーが発生した時に <code>throw</code>を呼び出し<code>catch</code>へ計算を移行する、従来のエラー処理関数を考える。 <code>throw</code>関数はもとの関数のどんな返り値も取り消すので、その型は <code>A -> Void</code> である。ここで、<code>A</code> はその関数の引数の型である。<code>catch</code> 関数は <code>throw</code> 関数をその引数としてとり、もし <code>throw</code> が例外を引き起こす(すなわち <code>Void</code> を返す)なら <code>throw</code> 関数の引数を返すだろう。そして <code>catch</code> の型は <code> ((A -> Void) -> Void) -> A </code> となる。<ref>この議論は {{cite journal | author = Dan Piponi | title = Adventures in Classical Land | journal = The Monad Reader | issue = 6}} をもとにしている。</ref> ---- <references /> {{Haskell/NotesSection}} {{Haskell navigation|chapter=Wider Theory}} {{BookCat}} [[en:Haskell/The Curry-Howard isomorphism]]
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2014-04-25T13:47:00Z
[ "テンプレート:Clear", "テンプレート:Haskell minitoc", "テンプレート:Cite journal", "テンプレート:Haskell/NotesSection", "テンプレート:Haskell navigation", "テンプレート:BookCat" ]
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Haskell/存在量化された型
存在型 (Existential types もしくは短く existentials) は型の集合をひとつの型へと圧縮する方法である。 最初に注意してくことがある。 存在型は GHC の 型システム拡張 の一部である。これらは Haskell98 の一部ではなく、-XExistentialQuantification という追加のコマンドライン引数をつけるか、{-# LANGUAGE ExistentialQuantification #-} をソースコードの先頭に置くかして、コンパイルしなければならないだろう。 forall キーワードは明示的に型変数をスコープに持ってくるのに使われる。たとえば、これまで次のように書かれているのは何度も飽きるほど見てきただろう。 Example: 多相関数 しかし、これらの a と b は何なのだろうか?まあ、これらは型変数だ、とあなたは答えるだろう。コンパイラは、小文字から始まる型名を見ると、その役割を埋めるためにどんな型も許容するものとみなす。これらの変数を '全称量化された' (universally quantified) するという方法もある。もし形式論理を学べば、量化子に出くわすに違いない。'任意の~について' (for all、 ∀ {\displaystyle \forall } ) と '~が存在する' (exists、 ∃ {\displaystyle \exists } )である。これらの '量化' はこれらの後に現れる。たとえば、 ∃ x {\displaystyle \exists x} は続く 少なくともひとつの値 x について続く命題が真であることを意味する。 ∀ x {\displaystyle \forall x} は想定されうるすべての x について続く命題が真であることを意味する。たとえば、 ∀ x , x 2 ≥ 0 {\displaystyle \forall x,\,x^{2}\geq 0} や ∃ x , x 3 = 27 {\displaystyle \exists x,\,x^{3}=27} だ。 同じように、forall キーワードは 型 を量化する。map の型を次のように書きなおすことができる。 Example: 明示的な型変数の量化 そして、我々が考えるどんな a や b についても、map は (a -> b) -> [a] -> [b] という型をとることがわかる。たとえば、a = Int と b = String という型を選ぶかもしれない。そして、map は型 (Int -> String) -> [Int] -> [String] をもつというのは妥当だ。map の一般化された型をより具体的な型へと インスタンス化 しているのだ。 しかしながら、Haskell では、知っての通り、小文字で始まる型は暗黙的に forall を持つことになっており、つぎの 2 つの宣言が同じであるのと同様に、 map の 2 つの宣言は同じである。 Example: ふたつの同じ型宣言 どこに forall キーワードを置くかによって明示的に Haskell に伝え既定の振る舞いを上書きすることができるということは興味深い事実だろう。使い方のひとつは、存在型( existential types )や単に存在 ( existentials ) ともいう 存在量化された型 ( existentially quantified types ) を構築することである。だがちょっと待ってほしい。forall は 全称 量化子ではないのか?どうやってそこから抜けだして存在型にするのだろうか?これについては後の節で検討するが、まずは実際に存在型の力の例を見て、その深淵に飛び込んでみようではないか。 Haskell の型クラスシステムの根拠となっているのは、すべての共通の性質を共有する型のグルーピングである。つまり、もしなんらかのクラス C をインスタンス化している型を知っているなら、この型についていくらかわかっていることがあることになる。たとえば、Eq をインスタンス化する Int は、Int の要素は等値性を比較できることを知っている。 もし、あるクラスのインスタンスである様々な型の値を、一つのリストに入れることができれば便利であろう。しかし、リストの要素は全て同じ型でなければならないので、通常はこのようなことはできない。このようなときに、存在型を使って 'type hider' や 'type box' と呼ばれるものを定義することによってこの条件を緩めることができる。 Example: 統一されていない型を格納するリスト(heterogeneous list)の構築 このデータ型の定義が何を意味するかを詳しく説明するつもりはないが、この意味は直感的に明らかだろう。重要なのは、3つの異なる型の値に対して構築子を呼び出していて、すべてを一つのリストの中に置いていることだ。このことは、それぞれの値が結果的に同じ型になったということを示している。これは、forall キーワードを使い、この構築子に SB :: forall s. Show s => s -> ShowBox という型を与えたからである。heteroList を引数に取る関数を書いているとき、このリストの要素に not のような関数を適用することはできないだろう。なぜなら、このリストの要素は Bool とは限らないからである。しかし、これらの値のそれぞれについてわかっていることがある。show を通じて文字列に変換することができることだ。実際、わかっていることはこれだけである。 Example: 統一されていない型を格納するリストの使用 もうちょっとだけ踏み込んでみよう。ShowBox に対する show の定義――(*) see the comment in the text below とつけられた行――において、s の型はわからない。しかし先ほど述べたとおり、SB 構築子の制約によってその型が Show のインスタンスであることならわかる。それゆえ、この関数定義の右辺にみられるように、s に対して関数 show を使うことは妥当なのである。 f に関しては、print の型を思い出そう。 Example: 複雑な関数の型 ShowBox は Show のインスタンスであると定義しただけで、リストの値を出力できる。 テンプレート:Side note 先ほどの疑問に戻ろう。forall が全称量化子ならば、なぜ存在型と呼ぶのだろうか? まずforall は、まさに '任意の~について' (for all) を意味する。型についての考え方として、その型の値の集合だと考えることができる。たとえば、Bool は集合 {True, False, ⊥} (ボトム ⊥ はいかなる型のメンバでもあることを思い出そう!)であり、Integer は整数(とボトム)の集合だし、String は可能なあらゆる文字列(とボトム)の集合などなど。forall はこれらの集合の共通集合を与える。たとえば、forall a. a はすべての型の共通部分であり、{⊥} のはずである。これは値(つまり要素)がボトムだけであるような型(つまり集合だ)である。なぜだろうか?考えてみよう。Bool に現れる要素はいくつだろうか?たとえば文字列は?ボトムはすべての型に共通する唯一の値だ。 さらにいくつか例を挙げる。 型は多くの値を共通に持つわけではなく、幾つかの方法でだいたいの型の共通集合が結局はボトムの組み合わせになることがわかった。 さきほどの節で 'type box' を使って異なる型を格納するリストを作ったこと思い出そう。理想的には、異なる型を格納するリストは [exists a. a] という型、すなわちすべての要素が型 exists a. a を持つようなリストであるとよい。この 'exists' キーワード(これは Haskell には存在しない)は推測されるように型の 和集合 であり、そして [exists a. a] はすべての要素がどんな型も取れる(かつ異なる要素は同じ型である必要はない)リストの型なのである。 しかし、データ型を使ってほとんど同じ振る舞いを得たのだった。これを定義してみよう。 Example: 存在データ型 これは次のようなものを意味する。 Example: 存在型コンストラクタの型 そして、MkT に任意の値を渡すことができ、それは T へ変換されるだろう。では、MkT の値を分解 (deconstruct) するとき、何が起きるのだろうか? Example: 存在型コンストラクタにおけるパターンマッチング 示したように、x はどんな値でもとれる。これは、それがなんらかの任意の型の要素であることを意味し、型 x :: exists a. a を持つ。言い換えれば、この T の定義は次と同型(isomorphic)なのである。 Example: この存在型データ型と等価なバージョン(擬似 Haskell) そして突然存在型が現れた。いま、不統一 (heterogeneous) リストを作ることができる。 Example: 不統一 (heterogeneous) リストの構築 もちろん、heteroList をパターンマッチしたとき、知っているのはそれがなんらかの任意の型であることだけなので、その要素に対して何もすることはできない。しかしながら、もしクラス制約を導入すれば、 Example: クラス制約を伴う新しい存在型データ型 これ統一された (isomorphic) 型である。 Example: '真' の存在型へ変換された新しいデータ型 再び和集合をとる型を制限をするため、クラス制約を提供する。MkT' の中にある値は、Show のインスタンスである何らかの任意の型の値であることがわかる。これが意味しているのは、型 exists a. Show a => a の値に対して show を適用することができるということだ。どの型なのかわかってもまったく問題はない。 Example: 新しい非統一機構の使用 まとめると、データ型を全称量化子の相互作用は存在型を生み出す。forall を含む型の多くの興味深いの適用がこの相互作用を使用することにより、それらの型を存在型とするのである。存在型が欲しい時はいつでもデータ構築子でそれをラップしなければならず、[exists a. a] のように公然と現れることはできないのだ。 ST モナドはこれまで出くわしたことはないかもしれない。本質的にはこれは State モナドを強化したものだ。これはより複雑な構造を持ち、より高度な話題を含む。これは本来 Haskell に IO を提供するために書かれたものだ。Understanding monads の章で言及したように、IO は基本的には現実世界の情報すべての環境つきのただの State モナドである。実際、GHC 内部では少なくとも、ST が使われており、環境は RealWorld はと呼ばれる型である。 State モナドから外へ出るには、runState を使うことができる。ST における類似した関数は runST と呼ばれており、これは独特な型をもつ。 Example: runST 関数 これはより複雑な rank-2 多相 (polymorphism) と呼ばれる言語機能の実例となっているが、ここでは詳細には立ち入らない。重要なのは初期状態を与える引数は存在しないことに気づくことである。代わりに、ST は State に対して異なる状態の記法を使用する。State は現在の状態を取得 (get) と設定 (put) することを可能にするのに加え、ST 参照 のインターフェイスを提供する。newSTRef :: a -> ST s (STRef s a) によって初期値を与え STRef という型を持つ参照を作ると、これを操作する readSTRef :: STRef s a -> ST s a と writeSTRef :: STRef s a -> a -> ST s () を使うことができる。ST 計算の内部環境はある特定のものではなく、それ自体は参照から値への対応付けである。それゆえ、初期状態は単に参照を含まない空の対応付けなので、runST に初期状態を提供する必要はない。 しかしながら、ことはそれほど単純ではない。ひとつの ST 計算において参照を作り、それが他で使われることを止めにはどうすればよいのだろうか?(スレッド安全性の理由で) ST 計算は初期内部環境はいかなる特定の参照を含むという仮定をも許容すべきではないので、これを許容したくはない。より具体的には、次のようなコードは不正としたい。 Example: 良くない ST コード これを防ぐにはどうすればいいのだろうか?runST の型においての rank-2 多相の効果は最初の引数のなかだけに s のスコープを制約する ことだ。言い換えれば、この型変数 s はふたつめの引数には現れないが最初の引数に現れる。どうやってこれをうまくやるのかみていこう。次のコードのようにする。 Example: より簡潔な悪い ST コード コンパイラはこの型を一致させようと試みる。 Example: コンパイラの型チェック段階 最初の括弧の forall の重要性は、その名前 s を変更することができることだ。これは次のようにかける。 Example: 型の不一致! ∀ x . x > 5 {\displaystyle \forall x.x>5} というのは ∀ y . y > 5 {\displaystyle \forall y.y>5} というのとちょうど同じ、というのは数学的に理にかなっている。変数に別のラベルを与えているだけである。しかしながら、先ほどのコードには問題がある。runST の返り値の型に対しては forall はスコープに含めないので、そこでは s の名前を変えないことに注意しよう。しかし、突如として型の不一致が起きる!最初の引数において、ST 計算の返り値の型は runST の返り値の型と一致しなければならないが、そうなっていない! この存在性の重要な機能は、最初の引数でコンパイラに状態の型を一般化することを可能にし、返り値の型はそれに依存することはできないことだ。これは この依存性の問題をうまく回避し、異なる呼び出しの間で参照が共有されることができないことにより、それぞれの runST 呼び出しをそれ自身の小さなヒープ内に '区切る' (compartmentalise)のである。 全称量化はまだ定義されていないデータ型を定義するのに便利である。Haskell に組のような型がなかったとしよう。量化は次のような定義を可能にする。
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存在型 は型の集合をひとつの型へと圧縮する方法である。 最初に注意してくことがある。 存在型は GHC の 型システム拡張 の一部である。これらは Haskell98 の一部ではなく、-XExistentialQuantification という追加のコマンドライン引数をつけるか、{-# LANGUAGE ExistentialQuantification #-} をソースコードの先頭に置くかして、コンパイルしなければならないだろう。
{{Haskell minitoc|chapter=Fun with Types}} <!-- Existential types, or 'existentials' for short, are a way of 'squashing' a group of types into one, single type. --> 存在型 (Existential types もしくは短く existentials) は型の集合をひとつの型へと圧縮する方法である。 <!-- Firstly, a note to those of you following along at home: existentials are part of GHC's ''type system extensions''. They aren't part of Haskell98, and as such you'll have to either compile any code that contains them with an extra command-line parameter of <code>-XExistentialQuantification</code>, or put <code>{-# LANGUAGE ExistentialQuantification #-}</code> at the top of your sources that use existentials. --> 最初に注意してくことがある。<!-- a note to those of you following along at home (何かの決まり文句?) : --> 存在型は GHC の ''型システム拡張'' の一部である。これらは Haskell98 の一部ではなく、<code>-XExistentialQuantification</code> という追加のコマンドライン引数をつけるか、<code>{-# LANGUAGE ExistentialQuantification #-}</code> をソースコードの先頭に置くかして、コンパイルしなければならないだろう。 == <!-- The <code>forall</code> keyword --> <code>forall</code> キーワード == <!-- The <code>forall</code> keyword is used to explicitly bring type variables into scope. For example, consider something you've innocuously seen written a hundred times so far: --> <code>forall</code> キーワードは明示的に型変数をスコープに持ってくるのに使われる。たとえば、これまで次のように書かれているのは何度も飽きるほど見てきただろう。 {{HaskellExample| <!-- A polymorphic function --> 多相関数| map :: (a -> b) -> [a] -> [b] }} <!-- But what are these <code>a</code> and <code>b</code>? Well, they're type variables, you answer. The compiler sees that they begin with a lowercase letter and as such allows any type to fill that role. Another way of putting this is that those variables are 'universally quantified'. If you've studied formal logic, you will have undoubtedly come across the quantifiers: 'for all' (or <math>\forall</math>) and 'exists' (or <math>\exists</math>). They 'quantify' whatever comes after them: for example, <math>\exists x</math> means that whatever follows is true for at least one value of ''x''. <math>\forall x</math> means that what follows is true for every ''x'' you could imagine. For example, <math>\forall x, \, x^2 \geq 0</math> and <math>\exists x, \, x^3 = 27</math>. --> しかし、これらの <code>a</code> と <code>b</code> は何なのだろうか?まあ、これらは型変数だ、とあなたは答えるだろう。コンパイラは、小文字から始まる型名を見ると、その役割を埋めるためにどんな型も許容するものとみなす。これらの変数を '全称量化された' (universally quantified) するという方法もある。もし形式論理を学べば、量化子に出くわすに違いない。'任意の~について' (for all、<math>\forall</math>) と '~が存在する' (exists、 <math>\exists</math>)である。これらの '量化' はこれらの後に現れる。たとえば、<math>\exists x</math> は続く 少なくともひとつの値 ''x'' について続く命題が真であることを意味する。<math>\forall x</math> は想定されうるすべての ''x'' について続く命題が真であることを意味する。たとえば、<math>\forall x, \, x^2 \geq 0</math> や <math>\exists x, \, x^3 = 27</math> だ。 <!-- The <code>forall</code> keyword quantifies ''types'' in a similar way. We would rewrite <code>map</code>'s type as follows: --> 同じように、<code>forall</code> キーワードは ''型'' を量化する。<code>map</code> の型を次のように書きなおすことができる。 {{HaskellExample| <!-- Explicitly quantifying the type variables --> 明示的な型変数の量化| map :: forall a b. (a -> b) -> [a] -> [b] }} <!-- So we see that for any <code>a</code> and <code>b</code> we can imagine, <code>map</code> takes the type <code>(a -> b) -> [a] -> [b]</code>. For example, we might choose <code>a = Int</code> and <code>b = String</code>. Then it's valid to say that <code>map</code> has the type <code>(Int -> String) -> [Int] -> [String]</code>. We are ''instantiating'' the general type of <code>map</code> to a more specific type. --> そして、我々が考えるどんな <code>a</code> や <code>b</code> についても、<code>map</code> は <code>(a -> b) -> [a] -> [b]</code> という型をとることがわかる。たとえば、<code>a = Int</code> と <code>b = String</code> という型を選ぶかもしれない。そして、<code>map</code> は型 <code>(Int -> String) -> [Int] -> [String]</code> をもつというのは妥当だ。<code>map</code> の一般化された型をより具体的な型へと ''インスタンス化'' しているのだ。 <!-- However, in Haskell, as we know, any use of a lowercase type implicitly begins with a <code>forall</code> keyword, so the two type declarations for <code>map</code> are equivalent, as are the declarations below: --> しかしながら、Haskell では、知っての通り、小文字で始まる型は暗黙的に <code>forall</code> を持つことになっており、つぎの 2 つの宣言が同じであるのと同様に、 <code>map</code> の 2 つの宣言は同じである。 {{HaskellExample| <!-- Two equivalent type statements --> ふたつの同じ型宣言| id :: a -> a id :: forall a . a -> a }} <!-- What makes life really interesting is that you can override this default behaviour by explicitly telling Haskell where the <code>forall</code> keyword goes. One use of this is for building '''existentially quantified types''', also known as existential types, or simply existentials. But wait... isn't <code>forall</code> the ''universal'' quantifier? How do you get an existential type out of that? We look at this in a later section. However, first, let's dive right into the deep end by seeing an example of the power of existential types in action. --> どこに <code>forall</code> キーワードを置くかによって明示的に Haskell に伝え既定の振る舞いを上書きすることができるということは興味深い事実だろう。使い方のひとつは、存在型( existential types )や単に存在 ( existentials ) ともいう '''存在量化された型''' ( existentially quantified types ) を構築することである。だがちょっと待ってほしい。<code>forall</code> は ''全称'' 量化子ではないのか?どうやってそこから抜けだして存在型にするのだろうか?これについては後の節で検討するが、まずは実際に存在型の力の例を見て、その深淵に飛び込んでみようではないか。 == <!-- Example: heterogeneous lists --> 例: 異なる型が混合されたリスト == <!-- The premise behind Haskell's typeclass system is grouping types that all share a common property. So if you know a type instantiates some class <code>C</code>, you know certain things about that type. For example, <code>Int</code> instantiates <code>Eq</code>, so we know that elements of <code>Int</code> can be compared for equality. --> Haskell の型クラスシステムの根拠となっているのは、すべての共通の性質を共有する型のグルーピングである。つまり、もしなんらかのクラス <code>C</code> をインスタンス化している型を知っているなら、この型についていくらかわかっていることがあることになる。たとえば、<code>Eq</code> をインスタンス化する <code>Int</code> は、<code>Int</code> の要素は等値性を比較できることを知っている。 <!-- Suppose we have a group of values, and we don't know if they are all the same type, but we do know they all instantiate some class, i.e. we know all the values have a certain property. It might be useful to throw all these values into a list. We can't do this normally because lists are homogeneous with respect to types: they can only contain a single type. However, existential types allow us to loosen this requirement by defining a 'type hider' or 'type box': --> もし、あるクラスのインスタンスである様々な型の値を、一つのリストに入れることができれば便利であろう。しかし、リストの要素は全て同じ型でなければならないので、通常はこのようなことはできない。このようなときに、存在型を使って 'type hider' や 'type box' と呼ばれるものを定義することによってこの条件を緩めることができる。 {{HaskellExample| <!-- Constructing a heterogeneous list --> 統一されていない型を格納するリスト(heterogeneous list)の構築|<pre> data ShowBox = forall s. Show s => SB s heteroList :: [ShowBox] heteroList = [SB (), SB 5, SB True] </pre>}} <!-- We won't explain precisely what we mean by that datatype definition, but its meaning should be clear to your intuition. The important thing is that we're calling the constructor on three values of different types, and we place them all into a list, so we must end up with the same type for each one. Essentially this is because our use of the <code>forall</code> keyword gives our constructor the type <code>SB :: forall s. Show s => s -> ShowBox</code>. If we were now writing a function to which we intend to pass <code>heteroList</code>, we couldn't apply any functions like <code>not</code> to the values inside the <code>SB</code> because they might not be Bools. But we do know something about each of the elements: they can be converted to a string via <code>show</code>. In fact, that's pretty much the only thing we know about them. --> このデータ型の定義が何を意味するかを詳しく説明するつもりはないが、この意味は直感的に明らかだろう。重要なのは、3つの異なる型の値に対して構築子を呼び出していて、すべてを一つのリストの中に置いていることだ。このことは、それぞれの値が結果的に同じ型になったということを示している。これは、<code>forall</code> キーワードを使い、この構築子に <code>SB :: forall s. Show s => s -> ShowBox</code> という型を与えたからである。<code>heteroList</code> を引数に取る関数を書いているとき、このリストの要素に <code>not</code> のような関数を適用することはできないだろう。なぜなら、このリストの要素は Bool とは限らないからである。しかし、これらの値のそれぞれについてわかっていることがある。<code>show</code> を通じて文字列に変換することができることだ。実際、わかっていることはこれだけである。 {{HaskellExample| <!-- Using our heterogeneous list --> 統一されていない型を格納するリストの使用|<pre> instance Show ShowBox where show (SB s) = show s -- (*) see the comment in the text below f :: [ShowBox] -> IO () f xs = mapM_ print xs main = f heteroList </pre>}} <!-- Let's expand on this a bit more. In the definition of <code>show</code> for <code>ShowBox</code> – the line marked with <code>(*) see the comment in the text below </code> – we don't know the type of <code>s</code>. But as we mentioned, we ''do'' know that the type is an instance of Show due to the constraint on the <code>SB</code> constructor. Therefore, it's legal to use the function <code>show</code> on <code>s</code>, as seen in the right-hand side of the function definition. --> もうちょっとだけ踏み込んでみよう。<code>ShowBox</code> に対する <code>show</code> の定義――<code>(*) see the comment in the text below </code>とつけられた行――において、<code>s</code> の型はわからない。しかし先ほど述べたとおり、<code>SB</code> 構築子の制約によってその型が Show のインスタンスであることならわかる。それゆえ、この関数定義の右辺にみられるように、<code>s</code> に対して関数 <code>show</code> を使うことは妥当なのである。 <!-- As for <code>f</code>, recall the type of print: --> <code>f</code> に関しては、print の型を思い出そう。 {{HaskellExample| <!-- Types of the functions involved --> 複雑な関数の型|<pre> print :: Show s => s -> IO () -- print x = putStrLn (show x) mapM_ :: (a -> m b) -> [a] -> m () mapM_ print :: Show s => [s] -> IO () </pre>}} <!-- As we just declared <code>ShowBox</code> an instance of <code>Show</code>, we can print the values in the list. --> <code>ShowBox</code> は <code>Show</code> のインスタンスであると定義しただけで、リストの値を出力できる。 == <!-- Explaining the term ''existential'' --> ''存在'' という言葉の説明 == {{Side note|side=right| <!-- Since you can get existential types with <code>forall</code>, Haskell forgoes the use of an <code>exists</code> keyword, which would just be redundant. --> <code>forall</code>で存在型を得ることができるので、Haskell は冗長になりうる <code>exists</code> キーワードの使用を差し控える。}} <!-- Let's get back to the question we asked ourselves a couple of sections back. Why are we calling these existential types if <code>forall</code> is the universal quantifier? --> 先ほどの疑問に戻ろう。<code>forall</code> が全称量化子ならば、なぜ存在型と呼ぶのだろうか? <!-- Firstly, <code>forall</code> really does mean 'for all'. One way of thinking about types is as sets of values with that type, for example, Bool is the set {True, False, &perp;} (remember that bottom, &perp;, is a member of every type!), Integer is the set of integers (and bottom), String is the set of all possible strings (and bottom), and so on. <code>forall</code> serves as an intersection over those sets. For example, <code>forall a. a</code> is the intersection over all types, which must be {&perp;}, that is, the type (i.e. set) whose only value (i.e. element) is bottom. Why? Think about it: how many of the elements of Bool appear in, for example, String? Bottom is the only value common to all types. --> まず<code>forall</code> は、まさに '任意の~について' (for all) を意味する。型についての考え方として、その型の値の集合だと考えることができる。たとえば、Bool は集合 {True, False, &perp;} (ボトム &perp; はいかなる型のメンバでもあることを思い出そう!)であり、Integer は整数(とボトム)の集合だし、String は可能なあらゆる文字列(とボトム)の集合などなど。<code>forall</code> はこれらの集合の共通集合を与える。たとえば、<code>forall a. a</code> はすべての型の共通部分であり、{&perp;} のはずである。これは値(つまり要素)がボトムだけであるような型(つまり集合だ)である。なぜだろうか?考えてみよう。Bool に現れる要素はいくつだろうか?たとえば文字列は?ボトムはすべての型に共通する唯一の値だ。 <!-- A few more examples: --> さらにいくつか例を挙げる。 # <!-- <code>[forall a. a]</code> is the type of a list whose elements all have the type <code>forall a. a</code>, i.e. a list of bottoms. --> <code>[forall a. a]</code> はすべて型 <code>forall a. a</code> を持つ要素のリスト、つまりボトムのリストの型だ。 # <!-- <code>[forall a. Show a => a]</code> is the type of a list whose elements all have the type <code>forall a. Show a => a</code>. The Show class constraint limits the sets you intersect over (here we're only intersecting over instances of Show), but <math>\perp</math> is still the only value common to all these types, so this too is a list of bottoms. --> <code>[forall a. Show a => a]</code> はすべての要素が型 <code>forall a. Show a => a</code> を持つようなリストの型だ。Show クラス制約は集合を制限する(ここでは Show のインスタンスだけの共通集合である)が、まだこれらすべてに共通する値は <math>\perp</math> だけだ。 # <!-- <code>[forall a. Num a => a]</code>. Again, the list where each element is a member of all types that instantiate Num. This could involve numeric literals, which have the type <code>forall a. Num a => a</code>, as well as bottom. --> <code>[forall a. Num a => a]</code>。再び、それぞれの要素がすべて Num のインスタンスであるような型の要素のリストである。これが含めるのは型 <code>forall a. Num a => a</code> を持つような数値リテラル、つまりまたボトムだけを含む。 # <!-- <code>forall a. [a]</code> is the type of the list whose elements have some (the same) type a, which can be assumed to be any type at all by a callee (and therefore this too is a list of bottoms). --> <code>forall a. [a]</code> は、とにかく呼び出し側からみなされうる、なんらかの(同じ)型 a が要素であるリストの型である。 <!-- We see that most intersections over types just lead to combinations of bottoms in some ways, because types don't have a lot of values in common. --> 型は多くの値を共通に持つわけではなく、幾つかの方法でだいたいの型の共通集合が結局はボトムの組み合わせになることがわかった。 <!-- Recall that in the last section, we developed a heterogeneous list using a 'type hider'. Ideally, we'd like the type of a heterogeneous list to be <code>[exists a. a]</code>, i.e. the list where all elements have type <code>exists a. a</code>. This '<code>exists</code>' keyword (which isn't present in Haskell) is, as you may guess, a ''union'' of types, so that <code>[exists a. a]</code> is the type of a list where all elements could take any type at all (and the types of different elements needn't be the same). --> さきほどの節で 'type box' を使って異なる型を格納するリストを作ったこと思い出そう。理想的には、異なる型を格納するリストは <code>[exists a. a]</code> という型、すなわちすべての要素が型 <code>exists a. a</code> を持つようなリストであるとよい。この '<code>exists</code>' キーワード(これは Haskell には存在しない)は推測されるように型の ''和集合'' であり、そして <code>[exists a. a]</code> はすべての要素がどんな型も取れる(かつ異なる要素は同じ型である必要はない)リストの型なのである。 <!-- But we got almost the same behaviour above using datatypes. Let's declare one. --> しかし、データ型を使ってほとんど同じ振る舞いを得たのだった。これを定義してみよう。 {{HaskellExample| <!-- An existential datatype --> 存在データ型|<pre> data T = forall a. MkT a </pre>}} <!-- This means that: --> これは次のようなものを意味する。 {{HaskellExample| <!-- The type of our existential constructor --> 存在型コンストラクタの型| MkT :: forall a. a -> T }} <!-- So we can pass any type we want to <code>MkT</code> and it'll convert it into a T. So what happens when we deconstruct a <code>MkT</code> value? --> そして、<code>MkT</code> に任意の値を渡すことができ、それは T へ変換されるだろう。では、<code>MkT</code> の値を分解 (deconstruct) するとき、何が起きるのだろうか? {{HaskellExample| <!-- Pattern matching on our existential constructor --> 存在型コンストラクタにおけるパターンマッチング|<pre> foo (MkT x) = ... -- <!-- what is the type of x? --> x の型は何? </pre>}} <!-- As we've just stated, <code>x</code> could be of any type. That means it's a member of some arbitrary type, so has the type <code>x :: exists a. a</code>. In other words, our declaration for T is isomorphic to the following one: --> 示したように、<code>x</code> はどんな値でもとれる。これは、それがなんらかの任意の型の要素であることを意味し、型 <code>x :: exists a. a</code> を持つ。言い換えれば、この T の定義は次と同型(isomorphic)なのである。 {{HaskellExample| <!-- An equivalent version of our existential datatype (pseudo-Haskell) --> この存在型データ型と等価なバージョン(擬似 Haskell)|<pre> data T = MkT (exists a. a) </pre>}} <!-- And suddenly we have existential types. Now we can make a heterogeneous list: --> そして突然存在型が現れた。いま、不統一 (heterogeneous) リストを作ることができる。 {{HaskellExample| <!-- Constructing the hetereogeneous list --> 不統一 (heterogeneous) リストの構築|<pre> heteroList = [MkT 5, MkT (), MkT True, MkT map] </pre>}} <!-- Of course, when we pattern match on <code>heteroList</code> we can't do anything with its elements<ref>Actually, we can apply them to functions whose type is <code>forall a. a -> ''R''</code>, for some arbitrary <code>''R''</code>, as these accept values of any type as a parameter. Examples of such functions: <code>id</code>, <code>const k</code> for any <code>k</code>, <code>seq</code>. So technically, we can't do anything ''useful'' with its elements, except reduce them to WHNF.</ref>, as all we know is that they have some arbitrary type. However, if we are to introduce class constraints: --> もちろん、<code>heteroList</code> をパターンマッチしたとき、知っているのはそれがなんらかの任意の型であることだけなので、その要素に対して何もすることはできない<ref>実際には、なんらかの任意の型 <code>''R''</code> について、<code>forall a. a -> ''R''</code>のような型を適用することは、これらは引数としてどんな値でも受け入れるので可能ではある。そのような関数の例としては、<code>id</code>、なんらかの <code>k</code>に対して <code>const k</code>、<code>seq</code> がある。そして技術的には、WHNF(Week Head Normal Form)へ簡約することを除けば、この要素に対して何か ''役に立つ'' ことをすることはできない。</ref>。しかしながら、もしクラス制約を導入すれば、 {{HaskellExample| <!-- A new existential datatype, with a class constraint --> クラス制約を伴う新しい存在型データ型 |<pre> data T' = forall a. Show a => MkT' a </pre>}} <!-- Which is isomorphic to: --> これ統一された (isomorphic) 型である。 {{HaskellExample| <!-- The new datatype, translated into 'true' existential types --> '真' の存在型へ変換された新しいデータ型|<pre> data T' = MkT' (exists a. Show a => a) </pre>}} <!-- Again the class constraint serves to limit the types we're unioning over, so that now we know the values inside a <code>MkT'</code> are elements of some arbitrary type ''which instantiates Show''. The implication of this is that we can apply <code>show</code> to a value of type <code>exists a. Show a => a</code>. It doesn't matter exactly which type it turns out to be. --> 再び和集合をとる型を制限をするため、クラス制約を提供する。<code>MkT'</code> の中にある値は、Show のインスタンスである何らかの任意の型の値であることがわかる。これが意味しているのは、型 <code>exists a. Show a => a</code> の値に対して <code>show</code> を適用することができるということだ。どの型なのかわかってもまったく問題はない。 {{HaskellExample| <!-- Using our new heterogenous setup --> 新しい非統一機構の使用 |<pre> heteroList' = [MkT' 5, MkT' (), MkT' True, MkT' "Sartre"] main = mapM_ (\(MkT' x) -> print x) heteroList' {- prints: 5 () True "Sartre" -} </pre>}} <!-- To summarise, the interaction of the universal quantifier with datatypes produces existential types. As most interesting applications of <code>forall</code>-involving types use this interaction, we label such types 'existential'. Whenever you want existential types, you must wrap them up in a datatype constructor, they can't exist "out in the open" like with <code>[exists a. a]</code>. --> まとめると、データ型を全称量化子の相互作用は存在型を生み出す。<code>forall</code> を含む型の多くの興味深いの適用がこの相互作用を使用することにより、それらの型を存在型とするのである。存在型が欲しい時はいつでもデータ構築子でそれをラップしなければならず、<code>[exists a. a]</code> のように公然と現れることはできないのだ。 == <!-- Example: <code>runST</code> --> 例: <code>runST</code> == <!-- One monad that you may not have come across so far is the ST monad. This is essentially the <code>State</code> monad on steroids: it has a much more complicated structure and involves some more advanced topics. It was originally written to provide Haskell with IO. As we mentioned in the [[../Understanding monads/]] chapter, IO is basically just a State monad with an environment of all the information about the real world. In fact, inside GHC at least, ST is used, and the environment is a type called <code>RealWorld</code>. --> ST モナドはこれまで出くわしたことはないかもしれない。本質的にはこれは <code>State</code> モナドを強化したものだ。これはより複雑な構造を持ち、より高度な話題を含む。これは本来 Haskell に IO を提供するために書かれたものだ。[[../Understanding monads/]] の章で言及したように、IO は基本的には現実世界の情報すべての環境つきのただの State モナドである。実際、GHC 内部では少なくとも、ST が使われており、環境は <code>RealWorld</code> はと呼ばれる型である。 <!-- To get out of the State monad, you can use <code>runState</code>. The analogous function for ST is called <code>runST</code>, and it has a rather particular type: --> State モナドから外へ出るには、<code>runState</code> を使うことができる。ST における類似した関数は <code>runST</code> と呼ばれており、これは独特な型をもつ。 {{HaskellExample| <!-- The <code>runST</code> function --> <code>runST</code> 関数| runST :: forall a. (forall s. ST s a) -> a }} <!-- This is actually an example of a more complicated language feature called rank-2 polymorphism, which we don't go into in detail here. It's important to notice that there is no parameter for the initial state. Indeed, ST uses a different notion of state to State; while State allows you to <code>get</code> and <code>put</code> the current state, ST provides an interface to ''references''. You create references, which have type <code>STRef</code>, with <code>newSTRef :: a -> ST s (STRef s a)</code>, providing an initial value, then you can use <code>readSTRef :: STRef s a -> ST s a</code> and <code>writeSTRef :: STRef s a -> a -> ST s ()</code> to manipulate them. As such, the internal environment of a ST computation is not one specific value, but a mapping from references to values. Therefore, you don't need to provide an initial state to runST, as the initial state is just the empty mapping containing no references. --> これはより複雑な rank-2 多相 (polymorphism) と呼ばれる言語機能の実例となっているが、ここでは詳細には立ち入らない。重要なのは初期状態を与える引数は存在しないことに気づくことである。代わりに、ST は State に対して異なる状態の記法を使用する。State は現在の状態を取得 (<code>get</code>) と設定 (<code>put</code>) することを可能にするのに加え、ST ''参照'' のインターフェイスを提供する。<code>newSTRef :: a -> ST s (STRef s a)</code> によって初期値を与え <code>STRef</code> という型を持つ参照を作ると、これを操作する <code>readSTRef :: STRef s a -> ST s a</code> と <code>writeSTRef :: STRef s a -> a -> ST s ()</code> を使うことができる。ST 計算の内部環境はある特定のものではなく、それ自体は参照から値への対応付けである。それゆえ、初期状態は単に参照を含まない空の対応付けなので、runST に初期状態を提供する必要はない。 <!-- However, things aren't quite as simple as this. What stops you creating a reference in one ST computation, then using it in another? We don't want to allow this because (for reasons of thread-safety) no ST computation should be allowed to assume that the initial internal environment contains any specific references. More concretely, we want the following code to be invalid: --> しかしながら、ことはそれほど単純ではない。ひとつの ST 計算において参照を作り、それが他で使われることを止めにはどうすればよいのだろうか?(スレッド安全性の理由で) ST 計算は初期内部環境はいかなる特定の参照を含むという仮定をも許容すべきではないので、これを許容したくはない。より具体的には、次のようなコードは不正としたい。 {{HaskellExample| <!-- Bad ST code --> 良くない ST コード|<pre> let v = runST (newSTRef True) in runST (readSTRef v) </pre>}} <!-- What would prevent this? The effect of the rank-2 polymorphism in <code>runST</code>'s type is to ''constrain the scope of the type variable <code>s<code>'' to be within the first parameter. In other words, if the type variable <code>s</code> appears in the first parameter it cannot also appear in the second. Let's take a look at how exactly this is done. Say we have some code like the following: --> これを防ぐにはどうすればいいのだろうか?<code>runST</code> の型においての rank-2 多相の効果は最初の引数のなかだけに ''<code>s</code> のスコープを制約する'' ことだ。言い換えれば、この型変数 <code>s</code> はふたつめの引数には現れないが最初の引数に現れる。どうやってこれをうまくやるのかみていこう。次のコードのようにする。 {{HaskellExample| <!-- Briefer bad ST code --> より簡潔な悪い ST コード| ... runST (newSTRef True) ... }} <!-- The compiler tries to fit the types together: --> コンパイラはこの型を一致させようと試みる。 {{HaskellExample| <!-- The compiler's typechecking stage --> コンパイラの型チェック段階| newSTRef True :: forall s. ST s (STRef s Bool) runST :: forall a. (forall s. ST s a) -> a together, forall a. (forall s. ST s (STRef s Bool)) -> STRef s Bool }} <!-- The importance of the <code>forall</code> in the first bracket is that we can change the name of the <code>s</code>. That is, we could write: --> 最初の括弧の <code>forall</code> の重要性は、その名前 <code>s</code> を変更することができることだ。これは次のようにかける。 {{HaskellExample| <!-- A type mismatch! --> 型の不一致!| together, forall a. (forall s'. ST s' (STRef s' Bool)) -> STRef s Bool }} <!-- This makes sense: in mathematics, saying <math>\forall x. x > 5</math> is precisely the same as saying <math>\forall y. y > 5</math>; you're just giving the variable a different label. However, we have a problem with our above code. Notice that as the <code>forall</code> does ''not'' scope over the return type of <code>runST</code>, we don't rename the <code>s</code> there as well. But suddenly, we've got a type mismatch! The result type of the ST computation in the first parameter must match the result type of <code>runST</code>, but now it doesn't! --> <math>\forall x. x > 5</math>というのは<math>\forall y. y > 5</math>というのとちょうど同じ、というのは数学的に理にかなっている。変数に別のラベルを与えているだけである。しかしながら、先ほどのコードには問題がある。<code>runST</code> の返り値の型に対しては <code>forall</code> はスコープに含めないので、そこでは <code>s</code> の名前を変えないことに注意しよう。しかし、突如として型の不一致が起きる!最初の引数において、ST 計算の返り値の型は <code>runST</code> の返り値の型と一致しなければならないが、そうなっていない! <!-- The key feature of the existential is that it allows the compiler to generalise the type of the state in the first parameter, and so the result type cannot depend on it. This neatly sidesteps our dependence problems, and 'compartmentalises' each call to <code>runST</code> into its own little heap, with references not being able to be shared between different calls. --> この存在性の重要な機能は、最初の引数でコンパイラに状態の型を一般化することを可能にし、返り値の型はそれに依存することはできないことだ。これは この依存性の問題をうまく回避し、異なる呼び出しの間で参照が共有されることができないことにより、それぞれの <code>runST</code> 呼び出しをそれ自身の小さなヒープ内に '区切る' (compartmentalise)のである。 == <!-- Quantification as a primitive --> 組み込み要素としての量化 == <!-- Universal quantification is useful for defining data types that aren't already defined. Suppose there was no such thing as pairs built into haskell. Quantification could be used to define them. --> 全称量化はまだ定義されていないデータ型を定義するのに便利である。Haskell に組のような型がなかったとしよう。量化は次のような定義を可能にする。 newtype Pair a b=Pair (forall c.(a->b->c)->c) {{Haskell/NotesSection}} == <!-- Further reading --> 参考文献 == * <!-- GHC's user guide contains [http://haskell.org/ghc/docs/latest/html/users_guide/data-type-extensions.html#existential-quantification useful information] on existentials, including the various limitations placed on them (which you should know about). --> GHC のユーザガイドには、(あなたも知っておくべき)課せられている様々な制限を含む存在量化についての [http://haskell.org/ghc/docs/latest/html/users_guide/data-type-extensions.html#existential-quantification 役に立つ情報] がある。 * <!-- ''[http://citeseerx.ist.psu.edu/viewdoc/summary?doi=10.1.1.50.3299 Lazy Functional State Threads], by Simon Peyton-Jones and John Launchbury, is a paper which explains more fully the ideas behind ST. --> Simon Peyton-Jones および John Launchbury、''[http://citeseerx.ist.psu.edu/viewdoc/summary?doi=10.1.1.50.3299 Lazy Functional State Threads] は ST の背後にある更に詳しいアイデアを説明している論文である。 ---- <references /> {{Haskell navigation|chapter=Fun with Types}} {{Auto category}} [[en:en:Haskell/Existentially quantified types]]
null
2018-04-07T16:13:57Z
[ "テンプレート:HaskellExample", "テンプレート:Side note", "テンプレート:Haskell/NotesSection", "テンプレート:Haskell navigation", "テンプレート:Auto category", "テンプレート:Haskell minitoc" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/Haskell/%E5%AD%98%E5%9C%A8%E9%87%8F%E5%8C%96%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%9F%E5%9E%8B
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GNU Octave
メインページ > 工学 > 情報技術 > プログラミング > GNU Octave GNU Octave(グヌー・オクターブ)は数値計算用の対話型インタプリタ言語です。 GNU Octaveは、C/C++、BASIC、Fortranによく似た基本文法を採用しており、いずれか1つのプログラム言語の文法を知っていれば、簡単にプログラムを書き始めることができます。 また、 y = x 2 {\displaystyle y=x^{2}} のグラフを、以下のわずか3行で表示することが出来る、やさしい言語ですので、初心者や学生にも扱うことができます。 その一方、GNU Octaveはベクトルや行列の扱いが非常に優れており、さらに豊富な科学技術計算用の関数を持っています。 2D、3Dグラフィック、算術演算、線形代数、非線形方程式、数値積分、微分方程式、最適化、統計、金融、集合、多項式演算、自動制御、デジタル信号処理、画像処理、音声処理などは大学院レベルの関数が最初から入っています。 これらの関数は、数値解析の専門家が最先端のテクニックを駆使して開発しており、ユーザーが計算速度や精度で、これらを凌駕するのは容易ではないでしょう。 さらに、GNU Octaveは、ファイル名に関数名をつけ拡張子を'.m'とした、mファイルと呼ばれるテキストファイルによりユーザー関数を作ることが出来ます。 この関数ファイルを組み合わせることにより、大規模な数値計算のプログラムを作成することも出来ます。 C/C++、Fortranあるいは他の言語の中で書かれたモジュールを呼び出すことも出来ます。 Octaveの最初の版は1993年1月4日にジョン・イートン (John W. 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Octaveでは、関数を定義することで、同じ操作を繰り返し行うことができます。関数を使用することにより、コードの再利用性が向上し、より効率的なコードを書くことができます。 関数は次のように定義されます: ここで、function_nameは関数の名前を表します。input_argsは、関数に渡される入力引数であり、関数本体で使用できます。output_argsは、関数が返す出力引数です。 以下は、2つの数値を受け取り、それらを加算する関数の例です。 この関数を呼び出すには、次のようにします。 このように、関数を呼び出すと、関数が実行され、出力が返されます。関数は、複数の入力引数と出力引数を持つことができます。また、関数内には、制御フローのためのif文やループなどを含めることもできます。 ベクトル化とは、ループを使わずに配列や行列の要素ごとの演算を一括して行うことを指します。これにより、プログラムの実行速度を向上させることができます。 例えば、以下のような配列の要素ごとの二乗を計算するコードを考えてみましょう。 このコードは、Aの各要素をループで処理してBに格納しています。しかし、Octaveにはベクトル化のための機能があります。以下のように、ループを使わずに配列の要素ごとの演算を一括して行うことができます。 ここで、.は要素ごとの演算を行うための演算子です。このように、ベクトル化により、コードの簡潔さや実行速度の向上が期待できます。ただし、ベクトル化を行う場合は、処理対象の配列のサイズが大きい場合にはメモリ使用量が増加するため、注意が必要です。 Octaveは、線形代数の計算を行うための便利なツールです。以下では、Octaveを使用して行列を作成し、演算を行う方法について説明します。 Octaveで行列を作成するには、[ ]またはzeros()を使用します。以下は、3x3のゼロ行列を作成する例です。 これにより、以下のような行列が作成されます。 また、[ ]を使用して行列を手動で入力することもできます。 これにより、以下のような行列が作成されます。 Octaveを使用して、行列の加算、減算、乗算、転置、逆行列などの演算を行うことができます。 2つの行列を加算するには、単に+演算子を使用します。 同様に、2つの行列を減算するには、単に-演算子を使用します。 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「polyval」は、与えられた多項式をxの値に代入して計算することができます。たとえば、以下のような2次方程式を考えてみましょう。 この式に対応する多項式をOctaveで作成するには、次のようにします。 ここで、pは多項式の係数を格納する配列です。上記の例では、pは[2 3 1]という配列になります。 次に、この多項式を特定のxの値に代入して計算するには、以下のようにします。 この例では、xの値を2として計算していますので、yの値は13になります。 一方、「polyfit」は、与えられたデータを元に最適な多項式をフィッティングするための関数です。たとえば、以下のようなデータがあるとします。 このデータを元に、最適な2次方程式を求めるには、次のようにします。 ここで、3つ目の引数である2は、フィッティングする多項式の次数を表しています。この例では、2次方程式をフィッティングしています。 フィッティングが完了したら、得られた多項式をxの値に代入して計算することができます。これには、「polyval」関数を使用します。 この例では、xの値を6として計算していますので、yの値は21になります。 Octaveでは、標準的な集合演算子を使用して集合を定義できます。以下は、Octaveのチュートリアルに基づく集合の例です。 新しい集合を作成するには、以下のようにします。 この例では、set1という名前の新しい集合を作成し、その中に1、2、3、4、5という要素を含めています。 集合演算には、以下のような標準的な演算子があります。 たとえば、以下の例を見てみましょう。 この例では、set1とset2の和集合をset3に代入しています。set3には、1、2、3、4、5という要素が含まれます。 集合内に特定の要素が含まれているかどうかを調べるには、in演算子を使用します。 この例では、set1内に3が含まれていることを確認し、"3 is in set1"というメッセージが表示されます。 2つの集合を比較するには、以下の演算子を使用します。 たとえば、以下の例を見てみましょう。 この例では、set1とset2が等しいことを確認し、"set1 and set2 are equal"というメッセージが表示されます。 集合の要素数を調べるには、length関数を使用します。 この例では、set1に5つの要素が含まれていることを確認し、size1には5が代入されます。 Octaveには、信号処理に関する機能が豊富にあります。その中でも、フィルターは、信号の周波数成分を変更するために使用される重要なツールです。 Octaveでは、以下のような機能が提供されています。 以上が、Octaveのフィルター設計に関する基本的な機能です。 Octファイル Copyright (C) 1996,1997 John W. Eaton. Copyright (C) 2005-2007 MASUDA, Yutaka (日本語訳) Copyright (C) 2014 Bethlehem4. Permission is granted to make and distribute verbatim copies of this manual provided the copyright notice and this permission notice are preserved on all copies. Permission is granted to copy and distribute modified versions of this manual under the conditions for verbatim copying, provided that the entire resulting derived work is distributed under the terms of a permission notice identical to this one. Permission is granted to copy and distribute translations of this manual into another language, under the above conditions for modified versions.
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"最後に、ode45関数を使用して微分方程式を解きます。", "title": "はじめに" }, { "paragraph_id": 78, "tag": "p", "text": "このコードでは、ode45関数を使用して、my_ode関数をtspanとy0で解析しています。@my_odeは、関数ハンドルを表し、my_ode関数を指定しています。tは、時間の値を含むベクトルで、yは、各時間におけるyの値を含むベクトルです。", "title": "はじめに" }, { "paragraph_id": 79, "tag": "p", "text": "以上が、Octaveで微分方程式を解くための簡単な方法です。ode45以外にも、ode23、ode113、ode15sなど、微分方程式を解くための様々な関数が用意されています。また、odeoptions関数を使用することで、解析の設定を変更することもできます。", "title": "はじめに" }, { "paragraph_id": 80, "tag": "p", "text": "Octaveでは、多項式を表現するために「polyval」と「polyfit」という2つの関数を使用することができます。", "title": "はじめに" }, { "paragraph_id": 81, "tag": "p", "text": "「polyval」は、与えられた多項式をxの値に代入して計算することができます。たとえば、以下のような2次方程式を考えてみましょう。", "title": "はじめに" }, { "paragraph_id": 82, "tag": "p", "text": "この式に対応する多項式をOctaveで作成するには、次のようにします。", "title": "はじめに" }, { "paragraph_id": 83, "tag": "p", "text": "ここで、pは多項式の係数を格納する配列です。上記の例では、pは[2 3 1]という配列になります。", "title": "はじめに" }, { "paragraph_id": 84, "tag": "p", "text": "次に、この多項式を特定のxの値に代入して計算するには、以下のようにします。", "title": "はじめに" }, { "paragraph_id": 85, "tag": "p", "text": "この例では、xの値を2として計算していますので、yの値は13になります。", "title": "はじめに" }, { "paragraph_id": 86, "tag": "p", "text": "一方、「polyfit」は、与えられたデータを元に最適な多項式をフィッティングするための関数です。たとえば、以下のようなデータがあるとします。", "title": "はじめに" }, { "paragraph_id": 87, "tag": "p", "text": "このデータを元に、最適な2次方程式を求めるには、次のようにします。", "title": "はじめに" }, { "paragraph_id": 88, "tag": "p", "text": "ここで、3つ目の引数である2は、フィッティングする多項式の次数を表しています。この例では、2次方程式をフィッティングしています。", "title": "はじめに" }, { "paragraph_id": 89, "tag": "p", "text": "フィッティングが完了したら、得られた多項式をxの値に代入して計算することができます。これには、「polyval」関数を使用します。", "title": "はじめに" }, { "paragraph_id": 90, "tag": "p", "text": "この例では、xの値を6として計算していますので、yの値は21になります。", "title": "はじめに" }, { "paragraph_id": 91, "tag": "p", "text": "Octaveでは、標準的な集合演算子を使用して集合を定義できます。以下は、Octaveのチュートリアルに基づく集合の例です。", "title": "はじめに" }, { "paragraph_id": 92, "tag": "p", "text": "新しい集合を作成するには、以下のようにします。", "title": "はじめに" }, { "paragraph_id": 93, "tag": "p", "text": "この例では、set1という名前の新しい集合を作成し、その中に1、2、3、4、5という要素を含めています。", "title": "はじめに" }, { "paragraph_id": 94, "tag": "p", "text": "集合演算には、以下のような標準的な演算子があります。", "title": "はじめに" }, { "paragraph_id": 95, "tag": "p", "text": "たとえば、以下の例を見てみましょう。", "title": "はじめに" }, { "paragraph_id": 96, "tag": "p", "text": "この例では、set1とset2の和集合をset3に代入しています。set3には、1、2、3、4、5という要素が含まれます。", "title": "はじめに" }, { "paragraph_id": 97, "tag": "p", "text": "集合内に特定の要素が含まれているかどうかを調べるには、in演算子を使用します。", "title": "はじめに" }, { "paragraph_id": 98, "tag": "p", "text": "この例では、set1内に3が含まれていることを確認し、\"3 is in set1\"というメッセージが表示されます。", "title": "はじめに" }, { "paragraph_id": 99, "tag": "p", "text": "2つの集合を比較するには、以下の演算子を使用します。", "title": "はじめに" }, { "paragraph_id": 100, "tag": "p", "text": "たとえば、以下の例を見てみましょう。", "title": "はじめに" }, { "paragraph_id": 101, "tag": "p", "text": "この例では、set1とset2が等しいことを確認し、\"set1 and set2 are equal\"というメッセージが表示されます。", "title": "はじめに" }, { "paragraph_id": 102, "tag": "p", "text": "集合の要素数を調べるには、length関数を使用します。", "title": "はじめに" }, { "paragraph_id": 103, "tag": "p", "text": "この例では、set1に5つの要素が含まれていることを確認し、size1には5が代入されます。", "title": "はじめに" }, { "paragraph_id": 104, "tag": "p", "text": "Octaveには、信号処理に関する機能が豊富にあります。その中でも、フィルターは、信号の周波数成分を変更するために使用される重要なツールです。", "title": "はじめに" }, { "paragraph_id": 105, "tag": "p", "text": "Octaveでは、以下のような機能が提供されています。", "title": "はじめに" }, { "paragraph_id": 106, "tag": "p", "text": "以上が、Octaveのフィルター設計に関する基本的な機能です。", "title": "はじめに" }, { "paragraph_id": 107, "tag": "p", "text": "", "title": "はじめに" }, { "paragraph_id": 108, "tag": "p", "text": "", "title": "はじめに" }, { "paragraph_id": 109, "tag": "p", "text": "Octファイル", "title": "はじめに" }, { "paragraph_id": 110, "tag": "p", "text": "Copyright (C) 1996,1997 John W. Eaton. Copyright (C) 2005-2007 MASUDA, Yutaka (日本語訳) Copyright (C) 2014 Bethlehem4. Permission is granted to make and distribute verbatim copies of this manual provided the copyright notice and this permission notice are preserved on all copies. Permission is granted to copy and distribute modified versions of this manual under the conditions for verbatim copying, provided that the entire resulting derived work is distributed under the terms of a permission notice identical to this one. Permission is granted to copy and distribute translations of this manual into another language, under the above conditions for modified versions.", "title": "はじめに" } ]
メインページ > 工学 > 情報技術 > プログラミング > GNU Octave GNU Octave(グヌー・オクターブ)は数値計算用の対話型インタプリタ言語です。 GNU Octaveは、C/C++、BASIC、Fortranによく似た基本文法を採用しており、いずれか1つのプログラム言語の文法を知っていれば、簡単にプログラムを書き始めることができます。 また、 y = x 2 のグラフを、以下のわずか3行で表示することが出来る、やさしい言語ですので、初心者や学生にも扱うことができます。 その一方、GNU Octaveはベクトルや行列の扱いが非常に優れており、さらに豊富な科学技術計算用の関数を持っています。 2D、3Dグラフィック、算術演算、線形代数、非線形方程式、数値積分、微分方程式、最適化、統計、金融、集合、多項式演算、自動制御、デジタル信号処理、画像処理、音声処理などは大学院レベルの関数が最初から入っています。 これらの関数は、数値解析の専門家が最先端のテクニックを駆使して開発しており、ユーザーが計算速度や精度で、これらを凌駕するのは容易ではないでしょう。 さらに、GNU Octaveは、ファイル名に関数名をつけ拡張子を'.m'とした、mファイルと呼ばれるテキストファイルによりユーザー関数を作ることが出来ます。 この関数ファイルを組み合わせることにより、大規模な数値計算のプログラムを作成することも出来ます。 C/C++、Fortranあるいは他の言語の中で書かれたモジュールを呼び出すことも出来ます。 Octaveの最初の版は1993年1月4日にジョン・イートンによってリリースされました。そして、現在も定期的にバージョンアップされています。 GNU Octaveは、MATLABのクローンの一つと見なされています。 つまり、GNU Octaveの文法はMATLABの文法と非常によく似ており、すこし注意してプログラミングすることで OctaveとMATLABの両方で実行できるスクリプトを書くことができます。 MATLABは商業用のプログラムなので高価ですが、GNU Octaveは、GNUパブリックライセンスのもとで無料で使うことができますし、さらにその気があればシステムを書き換えることもできます。 多くの研究者が、研究室ではMATLABを使い、自宅のパソコンにはGNU Ocataveをインストールしています。 GNU Octaveは、UNIXやLinuxなどのUNIX互換OSで開発されてきましたが、現在ではmaxOSとWindowsに移植され、インストールして使うことが出来ます。
<small>{{Pathnav|メインページ|工学|情報技術|プログラミング}}</small> ---- {{Wikipedia|GNU Octave|GNU Octave}} GNU Octave(グヌー・オクターブ)は[[w:数値解析|数値計算]]用の対話型[[w:インタプリタ|インタプリタ]]言語です。 GNU Octaveは、[[C言語|C]]/[[C++]]、[[BASIC]]、[[Fortran]]によく似た基本文法を採用しており、いずれか1つのプログラム言語の文法を知っていれば、簡単にプログラムを書き始めることができます。 また、<math>y=x^2</math>のグラフを、以下のわずか3行で表示することが出来る、やさしい言語ですので、初心者や学生にも扱うことができます。 :<syntaxhighlight lang=octave> x=-2:0.1:2 y=x.^2 plot(x,y) </syntaxhighlight> [[ファイル:Y eq x pow2.png|left|480px]] その一方、GNU Octaveはベクトルや行列の扱いが非常に優れており、さらに豊富な科学技術計算用の関数を持っています。 2D、3Dグラフィック、算術演算、[[線型代数学|線形代数]]、非線形方程式、数値積分、微分方程式、最適化、統計、金融、集合、多項式演算、自動制御、デジタル信号処理、画像処理、音声処理などは大学院レベルの関数が最初から入っています。 [[ファイル:Octave Sombrero.svg|left|480px]] これらの関数は、数値解析の専門家が最先端のテクニックを駆使して開発しており、ユーザーが計算速度や精度で、これらを凌駕するのは容易ではないでしょう。 さらに、GNU Octaveは、ファイル名に関数名をつけ拡張子を'.m'とした、mファイルと呼ばれるテキストファイルによりユーザー関数を作ることが出来ます。 この関数ファイルを組み合わせることにより、大規模な数値計算のプログラムを作成することも出来ます。 C/C++、Fortranあるいは他の言語の中で書かれたモジュールを呼び出すことも出来ます。 Octaveの最初の版は1993年1月4日にジョン・イートン (John W. Eaton)によってリリースされました。そして、現在も定期的にバージョンアップされています。 GNU Octaveは、[[w:MATLAB|MATLAB]]のクローンの一つと見なされています。 つまり、GNU Octaveの文法はMATLABの文法と非常によく似ており、すこし注意してプログラミングすることで OctaveとMATLABの両方で実行できる[[w:プログラム (コンピュータ)|スクリプト]]を書くことができます。 MATLABは商業用のプログラムなので高価ですが、GNU Octaveは、GNUパブリックライセンスのもとで無料で使うことができますし、さらにその気があればシステムを書き換えることもできます。 多くの研究者が、研究室ではMATLABを使い、自宅のパソコンにはGNU Ocataveをインストールしています。 GNU Octaveは、[[w:UNIX|UNIX]]や[[w:Linux|Linux]]などのUNIX互換OSで開発されてきましたが、現在では[[w:macOS|maxOS]]と[[w:Windows|Windows]]に移植され、インストールして使うことが出来ます。 <br style="clear:both"> =チュートリアル= == はじめに == Octaveは、高度な数値計算を実行するためのオープンソースの高水準プログラミング言語です。GNU Octaveは、MATLAB言語に非常に似ており、MATLABに似たシンタックスを使用しています。Octaveは、数値演算、行列演算、グラフ描画など、科学技術計算に必要な多くの機能を提供しています。Octaveは、多くのプラットフォームで動作し、無料で利用できます。Octaveは、教育、科学、工学、経済学などの分野で広く使用されています。本チュートリアルでは、Octaveの基本的な使い方を学ぶことができます。 == ベクトルと行列 == まず、Octaveではベクトルを作成するために、要素をスペースまたはカンマで区切って[ ]で囲む必要があります。例えば、次のように入力することでベクトルを作成できます。 :<syntaxhighlight lang=octave> x = [1 2 3] </syntaxhighlight> 次に、行列を作成するために、要素をスペースまたはカンマで区切って[ ]で囲み、行ごとにセミコロンで区切ります。例えば、次のように入力することで行列を作成できます。 :<syntaxhighlight lang=octave> A = [1 2 3; 4 5 6; 7 8 9] </syntaxhighlight> また、Octaveでは特別な行列を作成するための関数も用意されています。例えば、次のように入力することで、すべての要素が0の3x3の行列を作成できます。 :<syntaxhighlight lang=octave> zeros(3,3) </syntaxhighlight> 同様に、次のように入力することで、すべての要素が1の3x3の行列を作成できます。 :<syntaxhighlight lang=octave> ones(3,3) </syntaxhighlight> また、以下のように入力することで、単位行列を作成することもできます。 :<syntaxhighlight lang=octave> eye(3) </syntaxhighlight> ベクトルと行列に対して演算を行うこともできます。例えば、次のように入力することで、ベクトルxと行列Aの積を計算できます。 :<syntaxhighlight lang=octave> y = A*x </syntaxhighlight> また、行列の転置や逆行列を求めることもできます。以下は、それぞれの例です。 :<syntaxhighlight lang=octave> A' inv(A) </syntaxhighlight> 以上が、Octaveのチュートリアルの「ベクトルと行列」の概要です。詳細はOctaveの公式ドキュメントを参照してください。 == グラフ表示 == Octaveを使用して、データをプロットすることができます。これにより、データの視覚化と分析が容易になります。Octaveでは、plot関数を使用してグラフを作成します。 まず、データを変数に割り当てます。例えば、次のような2次元配列を考えます。 :<syntaxhighlight lang=octave> x = [0:0.1:2*pi]; y = sin(x); </syntaxhighlight> これは、0から2πまで0.1ずつの間隔でx軸の値を生成し、それに対応するsin(x)の値をy軸に割り当てています。 次に、plot関数を使用してグラフを作成します。 :<syntaxhighlight lang=octave> plot(x, y) </syntaxhighlight> このコマンドにより、x軸とy軸のデータをプロットするグラフが表示されます。 グラフの見栄えを改善するために、xlabel、ylabel、title、およびlegend関数を使用して、グラフにラベルを付けることができます。 :<syntaxhighlight lang=octave> xlabel("x") ylabel("y") title("Sin(x) Graph") legend("sin(x)") </syntaxhighlight> これにより、x軸に「x」、y軸に「y」、グラフのタイトルに「Sin(x) Graph」、および凡例に「sin(x)」と表示されます。 また、Octaveには、様々な種類のグラフを作成するための機能があります。例えば、bar関数を使用して棒グラフ、pie関数を使用して円グラフを作成できます。 == テキストとファイル出力 == テキストの出力方法としては、disp関数を用いた方法やfprintf関数を用いた方法があります。disp関数は、文字列や数値をコマンドウィンドウに表示するために使われます。例えば、以下のようにコードを書くことで文字列を出力できます。 :<syntaxhighlight lang=octave> >> disp("Hello, Octave!") Hello, Octave! </syntaxhighlight> fprintf関数は、書式付きテキストをファイルに出力するために使われます。例えば、以下のようなコードを書くことでファイルにデータを出力できます。 :<syntaxhighlight lang=octave> >> data = [1, 2, 3; 4, 5, 6; 7, 8, 9]; >> fid = fopen("data.txt", "w"); >> fprintf(fid, "%d %d %d\n", data'); >> fclose(fid); </syntaxhighlight> このコードでは、dataという3x3の行列が定義され、fopen関数でファイルを開き、fprintf関数でデータを書き込み、fclose関数でファイルを閉じます。 また、ファイルの読み込み方法としては、load関数やfread関数があります。load関数は、テキストファイルから変数を読み込むために使われます。例えば、以下のようなコードを書くことでファイルからデータを読み込めます。 :<syntaxhighlight lang=octave> >> data = load("data.txt"); </syntaxhighlight> fread関数は、バイナリファイルからデータを読み込むために使われます。例えば、以下のようなコードを書くことでバイナリファイルからデータを読み込めます。 :<syntaxhighlight lang=octave> >> fid = fopen("data.bin", "r"); >> data = fread(fid, [3 3], "double"); >> fclose(fid); </syntaxhighlight> このコードでは、fopen関数でバイナリファイルを開き、fread関数でデータを読み込み、fclose関数でファイルを閉じます。 == 一般的な数学関数 == Octaveには、一般的な数学関数が数多く用意されています。以下にいくつかの例を示します。 ;指数関数と対数関数 指数関数は exp() で計算できます。自然対数は log()、常用対数は log10() で計算できます。逆数の自然対数は log1p() で計算できます。 :<syntaxhighlight lang=octave> x = 2; e = exp(x) % eのx乗を計算 ln = log(x) % xの自然対数を計算 log10 = log10(x) % xの常用対数を計算 lnp1 = log1p(1/x) % xの逆数の自然対数を計算 </syntaxhighlight> ;三角関数と逆三角関数 三角関数は sin()、cos()、tan()、逆三角関数は asin()、acos()、atan() で計算できます。 :<syntaxhighlight lang=octave> x = pi/6; s = sin(x) % sin(x)を計算 c = cos(x) % cos(x)を計算 t = tan(x) % tan(x)を計算 as = asin(x) % arcsin(x)を計算 ac = acos(x) % arccos(x)を計算 at = atan(x) % arctan(x)を計算 </syntaxhighlight> ;その他の関数 平方根は sqrt()、絶対値は abs()、階乗は factorial() で計算できます。また、べき乗は ^ 演算子を使用するか、power() 関数を使用することができます。 :<syntaxhighlight lang=octave> x = 4; sq = sqrt(x) % xの平方根を計算 ab = abs(-x) % xの絶対値を計算 fact = factorial(x) % xの階乗を計算 pow = x^3 % xの3乗を計算 pow_func = power(x, 3) % xの3乗を計算 </syntaxhighlight> これらは、Octaveで利用可能な数学関数の一部です。Octaveのドキュメントには、より詳細なリストがあります。 == ループと条件 == Octaveのループと条件の構文は、一般的なプログラミング言語と同様です。 まず、条件分岐を実現するために、if文があります。if文の構文は以下のようになります。 :<syntaxhighlight lang=octave> if 条件式 実行するコード elseif 条件式 実行するコード else 実行するコード endif </syntaxhighlight> 次に、ループを実現するために、whileループとforループがあります。 whileループの構文は以下のようになります。 :<syntaxhighlight lang=octave> while 条件式 実行するコード endwhile </syntaxhighlight> forループの構文は以下のようになります。 :<syntaxhighlight lang=octave> for 変数 = 初期値 : 増分 : 終了値 実行するコード endfor </syntaxhighlight> Octaveのループは、break文とcontinue文をサポートしています。break文はループを中断し、continue文は現在のループをスキップして、次のループに進みます。以下は、break文とcontinue文の例です。 :<syntaxhighlight lang=octave> for i = 1:10 if i == 5 break; elseif i == 3 continue; endif disp(i); endfor </syntaxhighlight> この例では、iが5のときにループが中断され、iが3のときにはスキップされます。それ以外の場合は、iの値が表示されます。 == 関数 == Octaveでは、関数を定義することで、同じ操作を繰り返し行うことができます。関数を使用することにより、コードの再利用性が向上し、より効率的なコードを書くことができます。 関数は次のように定義されます: :<syntaxhighlight lang=octave> function [output_args] = function_name(input_args) % 関数の本体 end </syntaxhighlight> ここで、function_nameは関数の名前を表します。input_argsは、関数に渡される入力引数であり、関数本体で使用できます。output_argsは、関数が返す出力引数です。 以下は、2つの数値を受け取り、それらを加算する関数の例です。 :<syntaxhighlight lang=octave> function [result] = add_numbers(a, b) result = a + b; end </syntaxhighlight> この関数を呼び出すには、次のようにします。 :<syntaxhighlight lang=octave> >> add_numbers(2, 3) ans = 5 </syntaxhighlight> このように、関数を呼び出すと、関数が実行され、出力が返されます。関数は、複数の入力引数と出力引数を持つことができます。また、関数内には、制御フローのためのif文やループなどを含めることもできます。 == ベクトル化 == ベクトル化とは、ループを使わずに配列や行列の要素ごとの演算を一括して行うことを指します。これにより、プログラムの実行速度を向上させることができます。 例えば、以下のような配列の要素ごとの二乗を計算するコードを考えてみましょう。 :<syntaxhighlight lang=octave> A = [1, 2, 3, 4, 5]; B = zeros(size(A)); for i = 1:length(A) B(i) = A(i)^2; end </syntaxhighlight> このコードは、Aの各要素をループで処理してBに格納しています。しかし、Octaveにはベクトル化のための機能があります。以下のように、ループを使わずに配列の要素ごとの演算を一括して行うことができます。 :<syntaxhighlight lang=octave> A = [1, 2, 3, 4, 5]; B = A.^2; </syntaxhighlight> ここで、.は要素ごとの演算を行うための演算子です。このように、ベクトル化により、コードの簡潔さや実行速度の向上が期待できます。ただし、ベクトル化を行う場合は、処理対象の配列のサイズが大きい場合にはメモリ使用量が増加するため、注意が必要です。 == 線形代数 == Octaveは、線形代数の計算を行うための便利なツールです。以下では、Octaveを使用して行列を作成し、演算を行う方法について説明します。 ;行列の作成 Octaveで行列を作成するには、[ ]またはzeros()を使用します。以下は、3x3のゼロ行列を作成する例です。 :<syntaxhighlight lang=octave> A = zeros(3,3) </syntaxhighlight> これにより、以下のような行列が作成されます。 :<syntaxhighlight lang=octave> A = 0 0 0 0 0 0 0 0 0 </syntaxhighlight> また、[ ]を使用して行列を手動で入力することもできます。 :<syntaxhighlight lang=octave> B = [1, 2, 3; 4, 5, 6; 7, 8, 9] </syntaxhighlight> これにより、以下のような行列が作成されます。 :<syntaxhighlight lang=octave> B = 1 2 3 4 5 6 7 8 9 </syntaxhighlight> ;行列演算 Octaveを使用して、行列の加算、減算、乗算、転置、逆行列などの演算を行うことができます。 ;加算と減算 2つの行列を加算するには、単に+演算子を使用します。 :<syntaxhighlight lang=octave> C = A + B </syntaxhighlight> 同様に、2つの行列を減算するには、単に-演算子を使用します。 :<syntaxhighlight lang=octave> D = A - B </syntaxhighlight> ;乗算 2つの行列を乗算するには、*演算子を使用します。 :<syntaxhighlight lang=octave> E = A * B </syntaxhighlight> ;転置 行列の転置は、'演算子を使用して行います。 :<syntaxhighlight lang=octave> F = B' </syntaxhighlight> ;逆行列 行列の逆行列は、inv()関数を使用して求めることができます。 :<syntaxhighlight lang=octave> G = inv(B) </syntaxhighlight> ;行列の要素へのアクセス 行列の要素にアクセスするには、()を使用します。以下は、行列Bの2行目、3列目の要素にアクセスする例です。 :<syntaxhighlight lang=octave> B(2,3) </syntaxhighlight> ;特別な行列 Octaveには、いくつかの特別な行列が用意されています。例えば、単位行列を作成するには、eye()関数を使用します。 :<syntaxhighlight lang=octave> I = eye(3) </syntaxhighlight> これにより、以下のような行列が作成されます。 :<syntaxhighlight lang=octave> I = 1 0 0 0 1 0 0 0 1 </syntaxhighlight> == 微分方程式 == Octaveは微分方程式の数値解法にも対応しています。以下にOctaveのチュートリアルの「微分方程式」に関する内容をまとめます。 Octaveで微分方程式を解くためには、いくつかの方法がありますが、ここではode45関数を使用した方法を紹介します。ode45は、常微分方程式を解くための関数です。 まず、以下のように微分方程式を定義します。 :<syntaxhighlight lang=octave> function dydt = my_ode(t, y) dydt = -y; endfunction </syntaxhighlight> この例では、dy/dt = -yという微分方程式を定義しています。この関数は、tとyを引数として受け取り、dy/dtの値を返します。これは、常微分方程式を解くために必要な微分方程式の形式に合わせています。 次に、初期値を設定します。 :<syntaxhighlight lang=octave> tspan = [0, 10]; y0 = 1; </syntaxhighlight> tspanは、解析する時間の範囲を定義するための変数です。ここでは、0から10までの時間範囲を設定しています。y0は、初期条件を設定するための変数です。この場合、y(0) = 1となるように設定しています。 最後に、ode45関数を使用して微分方程式を解きます。 :<syntaxhighlight lang=octave> [t, y] = ode45(@my_ode, tspan, y0); </syntaxhighlight> このコードでは、ode45関数を使用して、my_ode関数をtspanとy0で解析しています。@my_odeは、関数ハンドルを表し、my_ode関数を指定しています。tは、時間の値を含むベクトルで、yは、各時間におけるyの値を含むベクトルです。 以上が、Octaveで微分方程式を解くための簡単な方法です。ode45以外にも、ode23、ode113、ode15sなど、微分方程式を解くための様々な関数が用意されています。また、odeoptions関数を使用することで、解析の設定を変更することもできます。 == 多項式 == Octaveでは、多項式を表現するために「polyval」と「polyfit」という2つの関数を使用することができます。 「polyval」は、与えられた多項式をxの値に代入して計算することができます。たとえば、以下のような2次方程式を考えてみましょう。 :<syntaxhighlight lang=octave> y = ax^2 + bx + c </syntaxhighlight> この式に対応する多項式をOctaveで作成するには、次のようにします。 :<syntaxhighlight lang=octave> a = 2; b = 3; c = 1; p = [a b c]; </syntaxhighlight> ここで、pは多項式の係数を格納する配列です。上記の例では、pは[2 3 1]という配列になります。 次に、この多項式を特定のxの値に代入して計算するには、以下のようにします。 :<syntaxhighlight lang=octave> x = 2; y = polyval(p, x) </syntaxhighlight> この例では、xの値を2として計算していますので、yの値は13になります。 一方、「polyfit」は、与えられたデータを元に最適な多項式をフィッティングするための関数です。たとえば、以下のようなデータがあるとします。 :<syntaxhighlight lang=octave> x = [1 2 3 4 5]; y = [3 5 7 9 11]; </syntaxhighlight> このデータを元に、最適な2次方程式を求めるには、次のようにします。 :<syntaxhighlight lang=octave> p = polyfit(x, y, 2); </syntaxhighlight> ここで、3つ目の引数である2は、フィッティングする多項式の次数を表しています。この例では、2次方程式をフィッティングしています。 フィッティングが完了したら、得られた多項式をxの値に代入して計算することができます。これには、「polyval」関数を使用します。 :<syntaxhighlight lang=octave> x_new = 6; y_new = polyval(p, x_new) </syntaxhighlight> この例では、xの値を6として計算していますので、yの値は21になります。 == 集合 == Octaveでは、標準的な集合演算子を使用して集合を定義できます。以下は、Octaveのチュートリアルに基づく集合の例です。 ;集合の作成 新しい集合を作成するには、以下のようにします。 :<syntaxhighlight lang=octave> set1 = {1, 2, 3, 4, 5} </syntaxhighlight> この例では、set1という名前の新しい集合を作成し、その中に1、2、3、4、5という要素を含めています。 ;集合演算 集合演算には、以下のような標準的な演算子があります。 * Union(和集合): <nowiki>|</nowiki> * Intersection(積集合): & * Set difference(差集合): - * Symmetric difference(対称差集合): xor たとえば、以下の例を見てみましょう。 :<syntaxhighlight lang=octave> set1 = {1, 2, 3} set2 = {3, 4, 5} set3 = set1 | set2 </syntaxhighlight> この例では、set1とset2の和集合をset3に代入しています。set3には、1、2、3、4、5という要素が含まれます。 ;要素の検索 集合内に特定の要素が含まれているかどうかを調べるには、in演算子を使用します。 :<syntaxhighlight lang=octave> set1 = {1, 2, 3, 4, 5} if (3 in set1) disp("3 is in set1") endif </syntaxhighlight> この例では、set1内に3が含まれていることを確認し、"3 is in set1"というメッセージが表示されます。 ;集合の比較 2つの集合を比較するには、以下の演算子を使用します。 * Equality(等しさ): == * Inequality(等しくない): != * Subset(部分集合): <: * Proper subset(真の部分集合): <= たとえば、以下の例を見てみましょう。 :<syntaxhighlight lang=octave> set1 = {1, 2, 3} set2 = {1, 2, 3} if (set1 == set2) disp("set1 and set2 are equal") endif </syntaxhighlight> この例では、set1とset2が等しいことを確認し、"set1 and set2 are equal"というメッセージが表示されます。 ;集合のサイズ 集合の要素数を調べるには、length関数を使用します。 :<syntaxhighlight lang=octave> set1 = {1, 2, 3, 4, 5} size1 = length(set1) </syntaxhighlight> この例では、set1に5つの要素が含まれていることを確認し、size1には5が代入されます。 == フィルター設計 == Octaveには、信号処理に関する機能が豊富にあります。その中でも、フィルターは、信号の周波数成分を変更するために使用される重要なツールです。 Octaveでは、以下のような機能が提供されています。 # フィルターの種類 Octaveでは、FIR(有限インパルス応答)フィルターとIIR(無限インパルス応答)フィルターがサポートされています。FIRフィルターは、有限長のインパルス応答を持ち、IIRフィルターは、無限長のインパルス応答を持ちます。 # フィルターの設計 Octaveには、fir1、fir2、cheb1、cheb2、butter、ellip、remezなどの関数があり、これらを使用して、異なるフィルターを設計できます。これらの関数には、必要なフィルター仕様を指定するパラメータが含まれています。 # フィルターの適用 Octaveでは、filter関数を使用して、設計されたフィルターを信号に適用できます。filter関数には、入力信号、フィルター係数、およびフィルターの初期状態を指定する必要があります。 # フィルターの可視化 Octaveには、freqz関数を使用して、フィルターの周波数応答をプロットすることができます。また、fvtool関数を使用して、フィルターの周波数応答や位相応答、インパルス応答などを表示することができます。 以上が、Octaveのフィルター設計に関する基本的な機能です。 == 用語集 == * ベクトル (vector): 数値や文字などの並びを表すデータ構造。一次元配列とも呼ばれる。 * 行列 (matrix): 2次元の数値や文字の表を表すデータ構造。二次元配列とも呼ばれる。 * スカラー (scalar): 一つの値を表すデータ。ベクトルや行列の要素として使用される。 * 要素 (element): ベクトルや行列の値のこと。 * インデックス (index): ベクトルや行列の要素を特定するための番号。 * 転置行列 (transpose): 行列の行と列を入れ替えた行列。 * 行列積 (matrix multiplication): 行列同士の乗算を行った結果得られる行列。 * 行列式 (determinant): 正方行列に対して定義される値で、その行列の重要な特性を表す。 * 逆行列 (inverse matrix): 正方行列に対して定義される値で、その行列に対する乗算で単位行列が得られる行列。 * 固有値 (eigenvalue): 正方行列に対して定義される値で、その行列の変換に対して不変となるスカラー。 * 固有ベクトル (eigenvector): 正方行列に対して定義される値で、固有値に対応する行列の列ベクトル。 * LU分解 (LU decomposition): 正方行列を下三角行列と上三角行列の積に分解する手法。 * QR分解 (QR decomposition): 行列を直交行列と上三角行列の積に分解する手法。 * SVD分解 (SVD decomposition): 行列を特異値行列と2つの直交行列の積に分解する手法。 * フィルター (filter): 信号処理で、信号の特定の周波数成分を通過させたり、通過させなかったりする装置。 * バンドパスフィルター (bandpass filter): 特定の周波数帯域を通過させるフィルター。 * ローパスフィルター (lowpass filter): 低い周波数成分を通過させ、高い周波数成分をカットするフィルター。 * ハイパスフィルター (highpass filter): 高い周波数成分を通過させ、低い周波数成分をカットするフィルター。 ---- ==専門的な項目== [[GNU Octave/Octファイル|Octファイル]] ==マニュアルの翻訳== *[[GNU Octave 2.1.x 日本語マニュアル]] {{進捗|50%|2012-05-14}} *[[GNU Octave 3.8.x 日本語マニュアル]] {{進捗|00%|2014-07-17}} ---- <small> Copyright (C) 1996,1997 John W. Eaton.<br/> Copyright (C) 2005-2007 [http://www.obihiro.ac.jp/~suzukim/masuda/octave/octave_ja.html MASUDA, Yutaka] (日本語訳)<br/> Copyright (C) 2014 Bethlehem4.<br/> Permission is granted to make and distribute verbatim copies of this manual provided the copyright notice and this permission notice are preserved on all copies. Permission is granted to copy and distribute modified versions of this manual under the conditions for verbatim copying, provided that the entire resulting derived work is distributed under the terms of a permission notice identical to this one. Permission is granted to copy and distribute translations of this manual into another language, under the above conditions for modified versions. </small> [[Category:GNU Octave|*]] [[カテゴリ:数値解析]] [[Category:プログラミング言語]] [[Category:計算機科学]] [[en:Octave Programming Tutorial]] [[es:Curso de Programacion en Octave]] [[fr:Programmation Octave]] [[pl:GNU Octave]] [[pt:GNU Octave]]
2012-05-05T23:39:18Z
2024-02-07T01:51:41Z
[ "テンプレート:Pathnav", "テンプレート:Wikipedia", "テンプレート:進捗" ]
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GNU Octave 2.1.x 日本語マニュアル
メインページ > 工学 > 情報技術 > プログラミング > GNU Octave > GNU Octave 2.1.x 日本語マニュアル このマニュアルは,GNU Octaveの新機能や非互換性あるいはバグ報告のしかただけでなく,実行,インストールおよび移植する方法について記述しています。これは,GNU Octaveのバージョン2.1.xに対応しています。 まえがき 1. Octaveの簡単な紹介 2. 始めましょう 3. データ型 4. 数値データ型 5. 文字列 6. データ構造体 7. コンテナ 8. I/Oストリーム 9. 変数 10. 式 11. 評価 12. ステートメント 13. 関数とスクリプトファイル 14. エラー処理 15. デバッグ 16. 入力と出力 17. プロット 18. 行列の操作 19. 算術演算 20. 線形代数 21. 非線形方程式 Nonlinear Equations 22. 数値積分 Quadrature 23. 微分方程式 Differential Equations 24. 最適化 25. 統計 26. 金融関数 Financial Functions 27. 集合 Sets 28. 多項式処理 Polynomial Manipulations 29. 制御理論 Control Theory 30. デジタル信号処理 Signal Processing 31. 画像処理 Image Processing 32. 音声処理 Audio Processing 33. 四元数 Quaternions 34. システムユーティリティ A. ティップスとスタンダード Tips and Standards B. Known Causes of Trouble Octaveのインストールにトラブルがあるなら C. Octaveのインストールと設定 D. オクターブでのEmacsサポート Emacs Octave Support E. 文法 Grammar F. GNU GENERAL PUBLIC LICENSE 概念の索引 Concept Index An item for each concept. 変数の索引 Variable Index An item for each documented variable. 関数の索引 Function Index An item for each documented function. 演算子の索引 Operator Index An item for each documented operator. Copyright (C) 1996,1997 John W. Eaton. Copyright (C) 2005-2007 MASUDA, Yutaka (日本語訳) Permission is granted to make and distribute verbatim copies of this manual provided the copyright notice and this permission notice are preserved on all copies. Permission is granted to copy and distribute modified versions of this manual under the conditions for verbatim copying, provided that the entire resulting derived work is distributed under the terms of a permission notice identical to this one. Permission is granted to copy and distribute translations of this manual into another language, under the above conditions for modified versions.
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<small>{{Pathnav|メインページ|工学|情報技術|プログラミング|GNU Octave}}</small> ---- {{Wikipedia|GNU Octave|GNU Octave}} {{Stub}} このマニュアルは,GNU Octaveの新機能や非互換性あるいはバグ報告のしかただけでなく,実行,インストールおよび移植する方法について記述しています。これは,GNU Octaveのバージョン2.1.xに対応しています。 [[GNU Octave 2.1.x 日本語マニュアル/まえがき|まえがき]]<br/> 1. [[GNU Octave 2.1.x 日本語マニュアル/Octaveの簡単な紹介|Octaveの簡単な紹介]]<br/> 2. [[GNU Octave 2.1.x 日本語マニュアル/始めましょう|始めましょう]]<br/> 3. [[GNU Octave 2.1.x 日本語マニュアル/データ型|データ型]]<br/> 4. [[GNU Octave 2.1.x 日本語マニュアル/数値データ型|数値データ型]]<br/> 5. [[GNU Octave 2.1.x 日本語マニュアル/文字列|文字列]]<br/> 6. [[GNU Octave 2.1.x 日本語マニュアル/データ構造体|データ構造体]]<br/> 7. [[GNU Octave 2.1.x 日本語マニュアル/コンテナ|コンテナ]]<br/> 8. [[GNU Octave 2.1.x 日本語マニュアル/I/Oストリーム|I/Oストリーム]]<br/> 9. [[GNU Octave 2.1.x 日本語マニュアル/変数|変数]]<br/> 10. [[GNU Octave 2.1.x 日本語マニュアル/式|式]]<br/> 11. [[GNU Octave 2.1.x 日本語マニュアル/評価|評価]]<br/> 12. [[GNU Octave 2.1.x 日本語マニュアル/ステートメント|ステートメント]]<br/> 13. [[GNU Octave 2.1.x 日本語マニュアル/関数とスクリプトファイル|関数とスクリプトファイル]]<br/> 14. [[GNU Octave 2.1.x 日本語マニュアル/エラー処理|エラー処理]]<br/> 15. [[GNU Octave 2.1.x 日本語マニュアル/デバッグ|デバッグ]]<br/> 16. [[GNU Octave 2.1.x 日本語マニュアル/入力と出力|入力と出力]]<br/> 17. [[GNU Octave 2.1.x 日本語マニュアル/プロット|プロット]]<br/> 18. [[GNU Octave 2.1.x 日本語マニュアル/行列の操作|行列の操作]]<br/> 19. [[GNU Octave 2.1.x 日本語マニュアル/算術演算|算術演算]]<br/> 20. [[GNU Octave 2.1.x 日本語マニュアル/線形代数|線形代数]]<br/> 21. [[GNU Octave 2.1.x 日本語マニュアル/非線形方程式|非線形方程式]] Nonlinear Equations<br/> 22. [[GNU Octave 2.1.x 日本語マニュアル/数値積分|数値積分]] Quadrature<br/> 23. [[GNU Octave 2.1.x 日本語マニュアル/微分方程式|微分方程式]] Differential Equations<br/> 24. [[GNU Octave 2.1.x 日本語マニュアル/最適化|最適化]]<br/> 25. [[GNU Octave 2.1.x 日本語マニュアル/統計|統計]]<br/> 26. 金融関数 Financial Functions<br/> 27. 集合 Sets<br/> 28. 多項式処理 Polynomial Manipulations<br/> 29. 制御理論 Control Theory<br/> 30. [[GNU Octave 2.1.x 日本語マニュアル/デジタル信号処理|デジタル信号処理]] Signal Processing<br/> 31. 画像処理 Image Processing<br/> 32. 音声処理 Audio Processing<br/> 33. 四元数 Quaternions<br/> 34. [[GNU Octave 2.1.x 日本語マニュアル/システムユーティリティ|システムユーティリティ]]<br/> A. ティップスとスタンダード Tips and Standards <br/> B. Known Causes of Trouble Octaveのインストールにトラブルがあるなら<br/> C. [[GNU Octave 2.1.x 日本語マニュアル/Octaveのインストールと設定|Octaveのインストールと設定]]<br/> D. オクターブでのEmacsサポート Emacs Octave Support<br/> E. 文法 Grammar <br/> F. [[GNU Octave 2.1.x 日本語マニュアル/GNU GENERAL PUBLIC LICENSE|GNU GENERAL PUBLIC LICENSE]]<br/> 概念の索引 Concept Index An item for each concept.<br/> 変数の索引 Variable Index An item for each documented variable.<br/> 関数の索引 Function Index An item for each documented function.<br/> 演算子の索引 Operator Index An item for each documented operator.<br/> ---- <small> Copyright (C) 1996,1997 John W. Eaton.<br/> Copyright (C) 2005-2007 [http://www.obihiro.ac.jp/~suzukim/masuda/octave/octave_ja.html MASUDA, Yutaka] (日本語訳)<br/> Permission is granted to make and distribute verbatim copies of this manual provided the copyright notice and this permission notice are preserved on all copies. Permission is granted to copy and distribute modified versions of this manual under the conditions for verbatim copying, provided that the entire resulting derived work is distributed under the terms of a permission notice identical to this one. Permission is granted to copy and distribute translations of this manual into another language, under the above conditions for modified versions. </small>
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2012-08-30T21:16:20Z
[ "テンプレート:Stub", "テンプレート:Wikipedia" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/GNU_Octave_2.1.x_%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E3%83%9E%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%82%A2%E3%83%AB
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GNU Octave 2.1.x 日本語マニュアル/まえがき
Octaveは,もともと化学反応装置における学部レベルの教科書と共に使用するためのソフトウエアを意図して,Wisconsin-Madison大学のJames B. RawlingsとTexas大学のG. Ekerdtによって書かれました。 明らかに,Octaveは授業の枠を越え,現在では単なる低機能な「授業用」パッケージよりもはるかに多くの機能を持っています。我々の最初の目標がいくぶん漠然としたものであったにもかかわらず,我々は,学生たちに現実的な問題を解くことができ,化学反応装置問題以外の多くのことに対して使えるものを作りたいということは分かっていました。 工学向けコンピュータ言語であるという理由から,学生にはFortranを教えるべきだということを言う人もいるでしょう。しかし,我々がそれを試みたときにはいつでも,学生たちは,なぜ自作のFortranコードがクラッシュするかを解明することにとても多くの時間を割いてしまい,化学工学について学ぶ時間がありませんでした。Octaveでは,大部分の学生たちはすぐに基礎を身につけ,ものの数時間でそれを自信たっぷりに使っています。 このソフトウエアは,本来は反応装置学を教えるために使用することを意図していましたが,Texas大学のChemical Engineering学部では,学部および大学院の他の講義において使用されています。そして,Texas大学の数学学部では,微分方程式および線形代数を教えるためによく使用しています。もし,このソフトウエアが役立つと思うならば,どうぞお知らせください。我々は,他の場所でどのようにOctaveが使用されているかを知ることに,いつも興味を持っているのです。 ほとんどの人は,Octaveという名前は音楽に何か関係があると思うでしょう。しかし,実のところは,化学反応工学の著名なテキストを書き,「封筒の裏」を使って高速に計算を行う能力をもつことでよく知られた,私の前の教授の名前です。このソフトウエアが,多くの人々にとって,大がかりな計算をより簡単に実行できるようになることを望んでいます。 皆さんには,このマニュアルの先頭で述べたように,GNU General Public License (see section GNU GENERAL PUBLIC LICENSE)の下で,このソフトウエアを他の人々と共有することをおすすめします。また,Octaveをより有用なものにするために,新たな関数を書き下ろして提供したり,何らかの問題があったときにはそれを報告してみてください。 すでに多くの人々がOctaveの開発に貢献してくれています。John W. Eatonに加えて,以下の方々がOctaveの一部を書くのを手伝ってくれたり,さまざまな点について援助してくださいました。 Octaveの開発を援助してくださったことについて,以下の方々ならびに組織・団体に特にお礼申し上げます。 このプロジェクトは,Octaveにおいて使用されている,そしてOctaveを開発するために使用したGNUソフトウエアなくしては実現しなかったでしょう。 Octaveをよりよいシステムにするために,あなたが貢献できる多くの方法があります。おそらく,貢献するための最も重要な方法とは,新たな問題を解決するための高品質のコードを書き,それを他の人が自由に利用できるようにすることです。 Octaveが役立つと思うならば,開発を継続するために追加の資金援助を考えてみてください。わずかな追加資金援助であっても,開発とサポートに割くことのできる時間が大幅に増えました。 Octaveはフリーソフトウエア(free software)です。この意味とは,誰もがフリーに使用でき,ある条件下において再配布することもフリーということです。Octaveはパブリック・ドメインではありません。著作権は明記されていますし,再配布にも制限があります。しかし,その制限とは,他の人も Octaveの使用と再配布に対して,あなたと同じ自由を持つことができるようにすることです。詳細な条件については,Octaveに付属しているGNU General Public Licenseをご覧ください。これはGNU GENERAL PUBLIC LICENSEにも掲載しています。 Octaveは,他のさまざまなフリーソフトウエア集とともに,Free Software FoundationからCD-ROMとして入手することができます。Free Software Foundation にOctaveのコピーを注文することにより,多くのフリーソフトウエアの開発に資金援助することになります。もっと情報を得るには,以下の住所に連絡をとってください。 Octaveはインターネットからも入手できます。URLは http://www.gnu.org/software/octave/download.html です。さらなる情報は, http://www.gnu.org/software/octave/index.html から入手してください。 資金援助あるいはコードを寄与することができなくても,Octaveをより良く信頼性を高めるために,発見したバグを報告したり,Octaveを進歩させるための方法について提案を行うことはできます。良いバグ報告の書き方については,Known Causes of Trouble を参照してください。
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__TOC__ == まえがき == Octaveは,もともと化学反応装置における学部レベルの教科書と共に使用するためのソフトウエアを意図して,Wisconsin-Madison大学のJames B. RawlingsとTexas大学のG. Ekerdtによって書かれました。 明らかに,Octaveは授業の枠を越え,現在では単なる低機能な「授業用」パッケージよりもはるかに多くの機能を持っています。我々の最初の目標がいくぶん漠然としたものであったにもかかわらず,我々は,学生たちに現実的な問題を解くことができ,化学反応装置問題以外の多くのことに対して使えるものを作りたいということは分かっていました。 工学向けコンピュータ言語であるという理由から,学生にはFortranを教えるべきだということを言う人もいるでしょう。しかし,我々がそれを試みたときにはいつでも,学生たちは,なぜ自作のFortranコードがクラッシュするかを解明することにとても多くの時間を割いてしまい,化学工学について学ぶ時間がありませんでした。Octaveでは,大部分の学生たちはすぐに基礎を身につけ,ものの数時間でそれを自信たっぷりに使っています。 このソフトウエアは,本来は反応装置学を教えるために使用することを意図していましたが,Texas大学のChemical Engineering学部では,学部および大学院の他の講義において使用されています。そして,Texas大学の数学学部では,微分方程式および線形代数を教えるためによく使用しています。もし,このソフトウエアが役立つと思うならば,どうぞお知らせください。我々は,他の場所でどのようにOctaveが使用されているかを知ることに,いつも興味を持っているのです。 ほとんどの人は,Octaveという名前は音楽に何か関係があると思うでしょう。しかし,実のところは,化学反応工学の著名なテキストを書き,「封筒の裏」を使って高速に計算を行う能力をもつことでよく知られた,私の前の教授の名前です。このソフトウエアが,多くの人々にとって,大がかりな計算をより簡単に実行できるようになることを望んでいます。 皆さんには,このマニュアルの先頭で述べたように,GNU General Public License (see section [[GNU Octave 2.1.x 日本語マニュアル/GNU GENERAL PUBLIC LICENSE|GNU GENERAL PUBLIC LICENSE]])の下で,このソフトウエアを他の人々と共有することをおすすめします。また,Octaveをより有用なものにするために,新たな関数を書き下ろして提供したり,何らかの問題があったときにはそれを報告してみてください。 == 謝辞 == すでに多くの人々がOctaveの開発に貢献してくれています。John W. Eatonに加えて,以下の方々がOctaveの一部を書くのを手伝ってくれたり,さまざまな点について援助してくださいました。 *Thomas Baier [email protected] は,popen, pclose, execute,sync_system,およびasync_systemの最初のバージョンを書いてくれました。 *David Bateman [email protected] は,sortおよびmin/max関数を改良し,多くの関数をN次元化し,いくつかの組み込み関数をLinpackの代わりに Lapackを使うように変換し,`load-save.cc'の機能をoctave_value に分割し,そして他の多くの点について貢献してくれました。 *Karl Berry [email protected] は,Octaveが関数およびスクリプトファイルをディレクトリから再帰的に検索できるようにするための kpathsea ライブラリを書いてくれました。 *Georg Beyerle [email protected] は,MATLABの `.mat'形式のファイルに保存するためのコードを寄与してくれ,多くの有効なバグ報告と提案を行ってくれました。 *John Campbell [email protected] は,大部分のファイルの入出力およびC言語形式の入出力関数を書いてくれました。 *Dirk Eddelbuettel [email protected] は,OctaveをDebian GNU/Linuxのユーザにとってインストールしやすくしてくれました。 *Brian Fox [email protected] は,コマンドライン編集のために使用されているreadlineライブラリを書いてくれ,このマニュアルのそれに関する部分を書いてくれました。 *Klaus Gebhardt [email protected] は,OctaveをOS/2に移植してくれました。 *Kai Habel [email protected] は,座標変換を実行するための関数を実装してくれました。 *A. Scottedward Hodel [email protected] は,expm, qzval,qzhess,syl,lyapおよびbalance を含む数多くの関数に貢献してくれました。 *Kurt Hornik [email protected] は, corrcoef,cov,fftconv,fftfilt,gcd, lcd,kurtosis,null,orth,poly, polyfit,rootsおよびskewness関数を提供し,これら関数やその他の多くの関数に対してドキュメントを提供し,Octaveコードを編集するためのEmacsモードとそのドキュメントを書き直し,そしてものすごくテストを手伝ってくれました。彼は,Octaveを改良するための新たなアイディアのもとを持っていてくれました。 *Cai Jianming [email protected] initial cell arrayの実装に貢献してくれました。 *Phil Johnson [email protected] は,Linux版が入手できるように手伝ってくれました。 *Steven G. Johnson [email protected] は,ATLAS,HDF5形式のファイルへの保存をサポートし,OctaveのconfigureスクリプトをAutoconf 2.50に移植してくれました。 *Mumit Khan [email protected] は,Octaveを,GCCの他のISO標準に準拠したC++コンパイラでコンパイルできるようにすることを助けてくれました。 *Paul Kienzle [email protected] は,OctaveとMATLABとの互換性を向上させるための多くの機能を充実させてくれました。また, http://octave.sf.net において,貢献されたコードのコレクションをメンテナンスしてくれています。 *Bill Lash [email protected] は,unwrap関数を提供してくれました。 *Dirk Laurie [email protected] は,invhilbを,より速くより正確になるように書き直してくれました。 *Friedrich Leisch [email protected] は,mahalanobis 関数を提供してくれました。 *Ken Neighbors [email protected] は,多くの有用なバグ報告と MATLABとの互換性についてのコメントを寄せてくれました。 *Rick Niles [email protected] は,Octaveのプロット関数に,線スタイルと一回の呼び出し当たりの無制限の線の数を特定する能力を追加するために書き換えてくれました。彼は,奇妙な非互換挙動およびバグを報告し続けてくれています。 *Mark Odegard [email protected] は,fread,fwrite, feofおよびferror関数を最初に実装してくれました。 *Gabriele Pannocchia [email protected] は,dkalman.m 関数を提供してくれ,dlqeとdlqrにsingular system matrices へのサポートを追加してくれ,制御システム関数群に多くの改善を行ってくれました。 *Tony Richardson [email protected] は,最初の多項式関数群の大多数ばかりでなく,Octaveの画像処理関数を書いてくれました。 *Petter Risholm [email protected] は,OctaveのN次元配列機能の多くを実装することを助けてくれました。 *Ben Sapp [email protected] は,デバッガ関数を実装してくれ,内部ドキュメント文字列にTexinfoマークアップコマンドを追加してくれました。 *R. Bruce Tenison [email protected] は,hessと schur関数を書いてくれました。 *Teresa Twaroch [email protected] は,glsとols 関数を提供してくれました。 *James R. Van Zandt [email protected] は,MATLAB バージョン 5 データファイルの読み書きについてのサポートを追加してくれました。 *Andreas Weingessel [email protected] は, lin2mu,loadaudio,mu2lin,playaudio, record,saveaudioおよびsetaudioなるオーディオ関数を書いてくれました。 *Fook Fah Yap [email protected] は,fftとifft 関数を提供してくれ,初期バージョンにおいて価値あるバグ報告をしてくれました。 Octaveの開発を援助してくださったことについて,以下の方々ならびに組織・団体に特にお礼申し上げます。 *The National Science Foundation, through grant numbers CTS-0105360, CTS-9708497, CTS-9311420, and CTS-8957123. *The industrial members of the Texas-Wisconsin Modeling and Control Consortium (TWMCC). *The Paul A. Elfers Endowed Chair in Chemical Engineering at the University of Wisconsin-Madison. *Digital Equipment Corporation, for an equipment grant as part of their External Research Program. *Sun Microsystems, Inc., for an Academic Equipment grant. *International Business Machines, Inc., for providing equipment as part of a grant to the University of Texas College of Engineering. *Texaco Chemical Company, for providing funding to continue the development of this software. *The University of Texas College of Engineering, for providing a Challenge for Excellence Research Supplement, and for providing an Academic Development Funds grant. *The State of Texas, for providing funding through the Texas Advanced Technology Program under Grant No. 003658-078. *Noel Bell, Senior Engineer, Texaco Chemical Company, Austin Texas. *James B. Rawlings, Professor, University of Wisconsin-Madison, Department of Chemical Engineering. *Richard Stallman, for writing GNU. このプロジェクトは,Octaveにおいて使用されている,そしてOctaveを開発するために使用したGNUソフトウエアなくしては実現しなかったでしょう。 == Octaveに寄与するには == Octaveをよりよいシステムにするために,あなたが貢献できる多くの方法があります。おそらく,貢献するための最も重要な方法とは,新たな問題を解決するための高品質のコードを書き,それを他の人が自由に利用できるようにすることです。 Octaveが役立つと思うならば,開発を継続するために追加の資金援助を考えてみてください。わずかな追加資金援助であっても,開発とサポートに割くことのできる時間が大幅に増えました。 == 配布 == Octaveはフリーソフトウエア(free software)です。この意味とは,誰もがフリーに使用でき,ある条件下において再配布することもフリーということです。Octaveはパブリック・ドメインではありません。著作権は明記されていますし,再配布にも制限があります。しかし,その制限とは,他の人も Octaveの使用と再配布に対して,あなたと同じ自由を持つことができるようにすることです。詳細な条件については,Octaveに付属しているGNU General Public Licenseをご覧ください。これはGNU GENERAL PUBLIC LICENSEにも掲載しています。 Octaveは,他のさまざまなフリーソフトウエア集とともに,Free Software FoundationからCD-ROMとして入手することができます。Free Software Foundation にOctaveのコピーを注文することにより,多くのフリーソフトウエアの開発に資金援助することになります。もっと情報を得るには,以下の住所に連絡をとってください。 ::Free Software Foundation ::51 Franklin Street, Fifth Floor ::Boston, MA 02110-1301-1307 ::USA Octaveはインターネットからも入手できます。URLは http://www.gnu.org/software/octave/download.html です。さらなる情報は, http://www.gnu.org/software/octave/index.html から入手してください。 資金援助あるいはコードを寄与することができなくても,Octaveをより良く信頼性を高めるために,発見したバグを報告したり,Octaveを進歩させるための方法について提案を行うことはできます。良いバグ報告の書き方については,Known Causes of Trouble を参照してください。 [[Category:GNU Octave|2.1.x にほんこまにゆある まえかき]]
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GNU Octave 2.1.x 日本語マニュアル/GNU GENERAL PUBLIC LICENSE
Copyright(c) 1996, 1997 John W. Eaton. This is the third edition of the Octave documentation, and is consistent with version 2.1.x of Octave. Permission is granted to make and distribute verbatim copies of this manual provided the copyright notice and this permission notice are preserved on all copies. Permission is granted to copy and distribute modified versions of this manual under the conditions for verbatim copying, provided that the entire resulting derived work is distributed under the terms of a permission notice identical to this one. Permission is granted to copy and distribute translations of this manual into another language, under the same conditions as for modi ̄ed versions. Portions of this document have been adapted from the gawk, readline, gcc, and C library manuals, published by the Free Software Foundation, 59 Temple Place|Suite 330, Boston, MA 02111{1307, USA.
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==F. GNU GENERAL PUBLIC LICENSE== Copyright(c) 1996, 1997 John W. Eaton. This is the third edition of the Octave documentation, and is consistent with version 2.1.x of Octave. Permission is granted to make and distribute verbatim copies of this manual provided the copyright notice and this permission notice are preserved on all copies. Permission is granted to copy and distribute modified versions of this manual under the conditions for verbatim copying, provided that the entire resulting derived work is distributed under the terms of a permission notice identical to this one. Permission is granted to copy and distribute translations of this manual into another language, under the same conditions as for modi¯ed versions. Portions of this document have been adapted from the gawk, readline, gcc, and C library manuals, published by the Free Software Foundation, 59 Temple Place|Suite 330, Boston, MA 02111{1307, USA. *オリジナルのGNU GENERAL PUBLIC LICENSEをコピー [[Category:GNU Octave|2.1.x にほんこまにゆある GNU GENERAL PUBLIC LICENSE]]
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GNU Octave 2.1.x 日本語マニュアル/謝辞
謝辞 すでに多くの人々がOctaveの開発に貢献してくれています。John W. Eatonに加えて,以下の方々がOctaveの一部を書くのを手伝ってくれたり,さまざまな点について援助してくださいました。 Octaveの開発を援助してくださったことについて,以下の方々ならびに組織・団体に特にお礼申し上げます。 このプロジェクトは,Octaveにおいて使用されている,そしてOctaveを開発するために使用したGNUソフトウエアなくしては実現しなかったでしょう。
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謝辞 すでに多くの人々がOctaveの開発に貢献してくれています。John W. Eatonに加えて,以下の方々がOctaveの一部を書くのを手伝ってくれたり,さまざまな点について援助してくださいました。 Thomas Baier [email protected] は,popen, pclose, execute,sync_system,およびasync_systemの最初のバージョンを書いてくれました。 David Bateman [email protected] は,sortおよびmin/max関数を改良し,多くの関数をN次元化し,いくつかの組み込み関数をLinpackの代わりに Lapackを使うように変換し,`load-save.cc'の機能をoctave_value に分割し,そして他の多くの点について貢献してくれました。 Karl Berry [email protected] は,Octaveが関数およびスクリプトファイルをディレクトリから再帰的に検索できるようにするための kpathsea ライブラリを書いてくれました。 Georg Beyerle [email protected] は,MATLABの `.mat'形式のファイルに保存するためのコードを寄与してくれ,多くの有効なバグ報告と提案を行ってくれました。 John Campbell [email protected] は,大部分のファイルの入出力およびC言語形式の入出力関数を書いてくれました。 Dirk Eddelbuettel [email protected] は,OctaveをDebian GNU/Linuxのユーザにとってインストールしやすくしてくれました。 Brian Fox [email protected] は,コマンドライン編集のために使用されているreadlineライブラリを書いてくれ,このマニュアルのそれに関する部分を書いてくれました。 Klaus Gebhardt [email protected] は,OctaveをOS/2に移植してくれました。 Kai Habel [email protected] は,座標変換を実行するための関数を実装してくれました。 A. Scottedward Hodel [email protected] は,expm, qzval,qzhess,syl,lyapおよびbalance を含む数多くの関数に貢献してくれました。 Kurt Hornik [email protected] は, corrcoef,cov,fftconv,fftfilt,gcd, lcd,kurtosis,null,orth,poly, polyfit,rootsおよびskewness関数を提供し,これら関数やその他の多くの関数に対してドキュメントを提供し,Octaveコードを編集するためのEmacsモードとそのドキュメントを書き直し,そしてものすごくテストを手伝ってくれました。彼は,Octaveを改良するための新たなアイディアのもとを持っていてくれました。 Cai Jianming [email protected] initial cell arrayの実装に貢献してくれました。 Phil Johnson [email protected] は,Linux版が入手できるように手伝ってくれました。 Steven G. Johnson [email protected] は,ATLAS,HDF5形式のファイルへの保存をサポートし,OctaveのconfigureスクリプトをAutoconf 2.50に移植してくれました。 Mumit Khan [email protected] は,Octaveを,GCCの他のISO標準に準拠したC++コンパイラでコンパイルできるようにすることを助けてくれました。 Paul Kienzle [email protected] は,OctaveとMATLABとの互換性を向上させるための多くの機能を充実させてくれました。また, http://octave.sf.net において,貢献されたコードのコレクションをメンテナンスしてくれています。 Bill Lash [email protected] は,unwrap関数を提供してくれました。 Dirk Laurie [email protected] は,invhilbを,より速くより正確になるように書き直してくれました。 Friedrich Leisch [email protected] は,mahalanobis 関数を提供してくれました。 Ken Neighbors [email protected] は,多くの有用なバグ報告と MATLABとの互換性についてのコメントを寄せてくれました。 Rick Niles [email protected] は,Octaveのプロット関数に,線スタイルと一回の呼び出し当たりの無制限の線の数を特定する能力を追加するために書き換えてくれました。彼は,奇妙な非互換挙動およびバグを報告し続けてくれています。 Mark Odegard [email protected] は,fread,fwrite, feofおよびferror関数を最初に実装してくれました。 Gabriele Pannocchia [email protected] は,dkalman.m 関数を提供してくれ,dlqeとdlqrにsingular system matrices へのサポートを追加してくれ,制御システム関数群に多くの改善を行ってくれました。 Tony Richardson [email protected] は,最初の多項式関数群の大多数ばかりでなく,Octaveの画像処理関数を書いてくれました。 Petter Risholm [email protected] は,OctaveのN次元配列機能の多くを実装することを助けてくれました。 Ben Sapp [email protected] は,デバッガ関数を実装してくれ,内部ドキュメント文字列にTexinfoマークアップコマンドを追加してくれました。 R. Bruce Tenison [email protected] は,hessと schur関数を書いてくれました。 Teresa Twaroch [email protected] は,glsとols 関数を提供してくれました。 James R. Van Zandt [email protected] は,MATLAB バージョン 5 データファイルの読み書きについてのサポートを追加してくれました。 Andreas Weingessel [email protected] は, lin2mu,loadaudio,mu2lin,playaudio, record,saveaudioおよびsetaudioなるオーディオ関数を書いてくれました。 Fook Fah Yap [email protected] は,fftとifft 関数を提供してくれ,初期バージョンにおいて価値あるバグ報告をしてくれました。 Octaveの開発を援助してくださったことについて,以下の方々ならびに組織・団体に特にお礼申し上げます。 The National Science Foundation, through grant numbers CTS-0105360, CTS-9708497, CTS-9311420, and CTS-8957123. The industrial members of the Texas-Wisconsin Modeling and Control Consortium (TWMCC). The Paul A. Elfers Endowed Chair in Chemical Engineering at the University of Wisconsin-Madison. Digital Equipment Corporation, for an equipment grant as part of their External Research Program. Sun Microsystems, Inc., for an Academic Equipment grant. International Business Machines, Inc., for providing equipment as part of a grant to the University of Texas College of Engineering. Texaco Chemical Company, for providing funding to continue the development of this software. The University of Texas College of Engineering, for providing a Challenge for Excellence Research Supplement, and for providing an Academic Development Funds grant. The State of Texas, for providing funding through the Texas Advanced Technology Program under Grant No. 003658-078. Noel Bell, Senior Engineer, Texaco Chemical Company, Austin Texas. James B. Rawlings, Professor, University of Wisconsin-Madison, Department of Chemical Engineering. Richard Stallman, for writing GNU. このプロジェクトは,Octaveにおいて使用されている,そしてOctaveを開発するために使用したGNUソフトウエアなくしては実現しなかったでしょう。
謝辞 すでに多くの人々がOctaveの開発に貢献してくれています。John W. Eatonに加えて,以下の方々がOctaveの一部を書くのを手伝ってくれたり,さまざまな点について援助してくださいました。 *Thomas Baier [email protected] は,popen, pclose, execute,sync_system,およびasync_systemの最初のバージョンを書いてくれました。 *David Bateman [email protected] は,sortおよびmin/max関数を改良し,多くの関数をN次元化し,いくつかの組み込み関数をLinpackの代わりに Lapackを使うように変換し,`load-save.cc'の機能をoctave_value に分割し,そして他の多くの点について貢献してくれました。 *Karl Berry [email protected] は,Octaveが関数およびスクリプトファイルをディレクトリから再帰的に検索できるようにするための kpathsea ライブラリを書いてくれました。 *Georg Beyerle [email protected] は,MATLABの `.mat'形式のファイルに保存するためのコードを寄与してくれ,多くの有効なバグ報告と提案を行ってくれました。 *John Campbell [email protected] は,大部分のファイルの入出力およびC言語形式の入出力関数を書いてくれました。 *Dirk Eddelbuettel [email protected] は,OctaveをDebian GNU/Linuxのユーザにとってインストールしやすくしてくれました。 *Brian Fox [email protected] は,コマンドライン編集のために使用されているreadlineライブラリを書いてくれ,このマニュアルのそれに関する部分を書いてくれました。 *Klaus Gebhardt [email protected] は,OctaveをOS/2に移植してくれました。 *Kai Habel [email protected] は,座標変換を実行するための関数を実装してくれました。 *A. Scottedward Hodel [email protected] は,expm, qzval,qzhess,syl,lyapおよびbalance を含む数多くの関数に貢献してくれました。 *Kurt Hornik [email protected] は, corrcoef,cov,fftconv,fftfilt,gcd, lcd,kurtosis,null,orth,poly, polyfit,rootsおよびskewness関数を提供し,これら関数やその他の多くの関数に対してドキュメントを提供し,Octaveコードを編集するためのEmacsモードとそのドキュメントを書き直し,そしてものすごくテストを手伝ってくれました。彼は,Octaveを改良するための新たなアイディアのもとを持っていてくれました。 *Cai Jianming [email protected] initial cell arrayの実装に貢献してくれました。 *Phil Johnson [email protected] は,Linux版が入手できるように手伝ってくれました。 *Steven G. Johnson [email protected] は,ATLAS,HDF5形式のファイルへの保存をサポートし,OctaveのconfigureスクリプトをAutoconf 2.50に移植してくれました。 *Mumit Khan [email protected] は,Octaveを,GCCの他のISO標準に準拠したC++コンパイラでコンパイルできるようにすることを助けてくれました。 *Paul Kienzle [email protected] は,OctaveとMATLABとの互換性を向上させるための多くの機能を充実させてくれました。また, http://octave.sf.net において,貢献されたコードのコレクションをメンテナンスしてくれています。 *Bill Lash [email protected] は,unwrap関数を提供してくれました。 *Dirk Laurie [email protected] は,invhilbを,より速くより正確になるように書き直してくれました。 *Friedrich Leisch [email protected] は,mahalanobis 関数を提供してくれました。 *Ken Neighbors [email protected] は,多くの有用なバグ報告と MATLABとの互換性についてのコメントを寄せてくれました。 *Rick Niles [email protected] は,Octaveのプロット関数に,線スタイルと一回の呼び出し当たりの無制限の線の数を特定する能力を追加するために書き換えてくれました。彼は,奇妙な非互換挙動およびバグを報告し続けてくれています。 *Mark Odegard [email protected] は,fread,fwrite, feofおよびferror関数を最初に実装してくれました。 *Gabriele Pannocchia [email protected] は,dkalman.m 関数を提供してくれ,dlqeとdlqrにsingular system matrices へのサポートを追加してくれ,制御システム関数群に多くの改善を行ってくれました。 *Tony Richardson [email protected] は,最初の多項式関数群の大多数ばかりでなく,Octaveの画像処理関数を書いてくれました。 *Petter Risholm [email protected] は,OctaveのN次元配列機能の多くを実装することを助けてくれました。 *Ben Sapp [email protected] は,デバッガ関数を実装してくれ,内部ドキュメント文字列にTexinfoマークアップコマンドを追加してくれました。 *R. Bruce Tenison [email protected] は,hessと schur関数を書いてくれました。 *Teresa Twaroch [email protected] は,glsとols 関数を提供してくれました。 *James R. Van Zandt [email protected] は,MATLAB バージョン 5 データファイルの読み書きについてのサポートを追加してくれました。 *Andreas Weingessel [email protected] は, lin2mu,loadaudio,mu2lin,playaudio, record,saveaudioおよびsetaudioなるオーディオ関数を書いてくれました。 *Fook Fah Yap [email protected] は,fftとifft 関数を提供してくれ,初期バージョンにおいて価値あるバグ報告をしてくれました。 Octaveの開発を援助してくださったことについて,以下の方々ならびに組織・団体に特にお礼申し上げます。 *The National Science Foundation, through grant numbers CTS-0105360, CTS-9708497, CTS-9311420, and CTS-8957123. *The industrial members of the Texas-Wisconsin Modeling and Control Consortium (TWMCC). *The Paul A. Elfers Endowed Chair in Chemical Engineering at the University of Wisconsin-Madison. *Digital Equipment Corporation, for an equipment grant as part of their External Research Program. *Sun Microsystems, Inc., for an Academic Equipment grant. *International Business Machines, Inc., for providing equipment as part of a grant to the University of Texas College of Engineering. *Texaco Chemical Company, for providing funding to continue the development of this software. *The University of Texas College of Engineering, for providing a Challenge for Excellence Research Supplement, and for providing an Academic Development Funds grant. *The State of Texas, for providing funding through the Texas Advanced Technology Program under Grant No. 003658-078. *Noel Bell, Senior Engineer, Texaco Chemical Company, Austin Texas. *James B. Rawlings, Professor, University of Wisconsin-Madison, Department of Chemical Engineering. *Richard Stallman, for writing GNU. このプロジェクトは,Octaveにおいて使用されている,そしてOctaveを開発するために使用したGNUソフトウエアなくしては実現しなかったでしょう。 [[Category:GNU Octave|2.1.x にほんこまにゆある しやし]]
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2015-08-07T11:24:24Z
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16,925
GNU Octave 2.1.x 日本語マニュアル/Octaveに寄与するには
Octaveをよりよいシステムにするために,あなたが貢献できる多くの方法があります。おそらく,貢献するための最も重要な方法とは,新たな問題を解決するための高品質のコードを書き,それを他の人が自由に利用できるようにすることです。 Octaveが役立つと思うならば,開発を継続するために追加の資金援助を考えてみてください。わずかな追加資金援助であっても,開発とサポートに割くことのできる時間が大幅に増えました。 資金援助あるいはコードを寄与することができなくても,Octaveをより良く信頼性を高めるために,発見したバグを報告したり,Octaveを進歩させるための方法について提案を行うことはできます。良いバグ報告の書き方については,Known Causes of Trouble を参照してください。
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==Octaveに寄与するには== Octaveをよりよいシステムにするために,あなたが貢献できる多くの方法があります。おそらく,貢献するための最も重要な方法とは,新たな問題を解決するための高品質のコードを書き,それを他の人が自由に利用できるようにすることです。 Octaveが役立つと思うならば,開発を継続するために追加の資金援助を考えてみてください。わずかな追加資金援助であっても,開発とサポートに割くことのできる時間が大幅に増えました。 資金援助あるいはコードを寄与することができなくても,Octaveをより良く信頼性を高めるために,発見したバグを報告したり,Octaveを進歩させるための方法について提案を行うことはできます。良いバグ報告の書き方については,Known Causes of Trouble を参照してください。 [[Category:GNU Octave|2.1.x にほんこまにゆある Octaveにきふするには]]
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16,926
GNU Octave 2.1.x 日本語マニュアル/配布
Octaveはフリーソフトウエア(free software)です。この意味とは,誰もがフリーに使用でき,ある条件下において再配布することもフリーということです。Octaveはパブリック・ドメインではありません。著作権は明記されていますし,再配布にも制限があります。しかし,その制限とは,他の人も Octaveの使用と再配布に対して,あなたと同じ自由を持つことができるようにすることです。詳細な条件については,Octaveに付属しているGNU General Public Licenseをご覧ください。これはGNU GENERAL PUBLIC LICENSEにも掲載しています。 Octaveは,他のさまざまなフリーソフトウエア集とともに,Free Software FoundationからCD-ROMとして入手することができます。Free Software Foundation にOctaveのコピーを注文することにより,多くのフリーソフトウエアの開発に資金援助することになります。もっと情報を得るには,以下の住所に連絡をとってください。 Octaveはインターネットからも入手できます。URLは http://www.gnu.org/software/octave/download.html です。さらなる情報は, http://www.gnu.org/software/octave/index.html から入手してください。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "Octaveはフリーソフトウエア(free software)です。この意味とは,誰もがフリーに使用でき,ある条件下において再配布することもフリーということです。Octaveはパブリック・ドメインではありません。著作権は明記されていますし,再配布にも制限があります。しかし,その制限とは,他の人も Octaveの使用と再配布に対して,あなたと同じ自由を持つことができるようにすることです。詳細な条件については,Octaveに付属しているGNU General Public Licenseをご覧ください。これはGNU GENERAL PUBLIC LICENSEにも掲載しています。", "title": "配布" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "Octaveは,他のさまざまなフリーソフトウエア集とともに,Free Software FoundationからCD-ROMとして入手することができます。Free Software Foundation にOctaveのコピーを注文することにより,多くのフリーソフトウエアの開発に資金援助することになります。もっと情報を得るには,以下の住所に連絡をとってください。", "title": "配布" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "Octaveはインターネットからも入手できます。URLは http://www.gnu.org/software/octave/download.html です。さらなる情報は, http://www.gnu.org/software/octave/index.html から入手してください。", "title": "配布" } ]
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==配布== Octaveはフリーソフトウエア(free software)です。この意味とは,誰もがフリーに使用でき,ある条件下において再配布することもフリーということです。Octaveはパブリック・ドメインではありません。著作権は明記されていますし,再配布にも制限があります。しかし,その制限とは,他の人も Octaveの使用と再配布に対して,あなたと同じ自由を持つことができるようにすることです。詳細な条件については,Octaveに付属しているGNU General Public Licenseをご覧ください。これはGNU GENERAL PUBLIC LICENSEにも掲載しています。 Octaveは,他のさまざまなフリーソフトウエア集とともに,Free Software FoundationからCD-ROMとして入手することができます。Free Software Foundation にOctaveのコピーを注文することにより,多くのフリーソフトウエアの開発に資金援助することになります。もっと情報を得るには,以下の住所に連絡をとってください。 Free Software Foundation 51 Franklin Street, Fifth Floor Boston, MA 02110-1301-1307 USA Octaveはインターネットからも入手できます。URLは http://www.gnu.org/software/octave/download.html です。さらなる情報は, http://www.gnu.org/software/octave/index.html から入手してください。 [[Category:GNU Octave|2.1.x にほんこまにゆある はいふ]]
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2015-08-07T11:38:57Z
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16,928
労働基準法施行規則第24条の3
労働基準法施行規則(前)(次)
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "労働基準法施行規則(前)(次)", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "", "title": "参照条文" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "", "title": "参照条文" } ]
労働基準法施行規則(前)(次)
[[労働基準法施行規則]]([[労働基準法施行規則第24条の2の5|前]])([[労働基準法施行規則第24条の4|次]]) ==条文== ;第24条の3   #[[労働基準法第39条|法第39条]]第3項 の厚生労働省令で定める時間は、三十時間とする。 #法第39条第3項 の通常の労働者の一週間の所定労働日数として厚生労働省令で定める日数は、五・二日とする。 #法第39条第3項 の通常の労働者の一週間の所定労働日数として厚生労働省令で定める日数と当該労働者の一週間の所定労働日数又は一週間当たりの平均所定労働日数との比率を考慮して厚生労働省令で定める日数は、同項第一号 に掲げる労働者にあっては次の表の上欄の週所定労働日数の区分に応じ、同項第二号 に掲げる労働者にあつては同表の中欄の一年間の所定労働日数の区分に応じて、それぞれ同表の下欄に雇入れの日から起算した継続勤務期間の区分ごとに定める日数とする。 週所定労働日数 一年間の所定労働日数 雇入れの日から起算した継続勤務期間 #: 六箇月 一年六箇月 二年六箇月 三年六箇月 四年六箇月 五年六箇月 六年六箇月以上 #: 四日 百六十九日から二百十六日まで 七日 八日 九日 十日 十二日 十三日 十五日 #: 三日 百二十一日から百六十八日まで 五日 六日 六日 八日 九日 十日 十一日 #: 二日 七十三日から百二十日まで 三日 四日 四日 五日 六日 六日 七日 #: 一日 四十八日から七十二日まで 一日 二日 二日 二日 三日 三日 三日 #法第39条第3項第一号 の厚生労働省令で定める日数は、四日とする。 #法第39条第3項第二号 の厚生労働省令で定める日数は、二百十六日とする。 ==解説== *法第39条(年次有給休暇) ==参照条文== {{stub}} [[category:労働基準法施行規則|24の3]]
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2012-05-06T02:36:27Z
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16,931
労働基準法施行規則第24条の2の2
労働基準法施行規則(前)(次)
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "労働基準法施行規則(前)(次)", "title": "" } ]
労働基準法施行規則(前)(次)
[[労働基準法施行規則]]([[労働基準法施行規則第24条の2|前]])([[労働基準法施行規則第24条の2の3|次]]) ==条文== ;第24条の2の2   #[[労働基準法第38条の3|法第38条の3]]第1項 の規定は、法第四章 の労働時間に関する規定の適用に係る労働時間の算定について適用する。 #法第38条の3第1項第一号 の厚生労働省令で定める業務は、次のとおりとする。 #:一  新商品若しくは新技術の研究開発又は人文科学若しくは自然科学に関する研究の業務 #:二  情報処理システム(電子計算機を使用して行う情報処理を目的として複数の要素が組み合わされた体系であつてプログラムの設計の基本となるものをいう。)の分析又は設計の業務 #:三  新聞若しくは出版の事業における記事の取材若しくは編集の業務又は[[放送法第2条|放送法 (昭和二十五年法律第百三十二号)第2条]]第二十七号 に規定する放送番組(以下「放送番組」という。)の制作のための取材若しくは編集の業務 #:四  衣服、室内装飾、工業製品、広告等の新たなデザインの考案の業務 #:五  放送番組、映画等の制作の事業におけるプロデューサー又はディレクターの業務 #:六  前各号のほか、厚生労働大臣の指定する業務 #法第38条の3第一項第六号 の厚生労働省令で定める事項は、次に掲げるものとする。 #:一  法第38条の3第1項 に規定する協定(労働協約による場合を除き、労使委員会の決議及び労働時間等設定改善委員会の決議を含む。)の有効期間の定め #:二  使用者は、次に掲げる事項に関する労働者ごとの記録を前号の有効期間中及び当該有効期間の満了後三年間保存すること。 #::イ 法第38条の3第1項第四号 に規定する労働者の労働時間の状況並びに当該労働者の健康及び福祉を確保するための措置として講じた措置 #::ロ 法第38条の3第1項第五号 に規定する労働者からの苦情の処理に関する措置として講じた措置 #法第38条の3第2項 において準用する[[労働基準法第38条の2|法第38条の2]]第3項 の規定による届出は、様式第十三号により、所轄労働基準監督署長にしなければならない。 ==解説== *法第38条の3(専門業務型裁量労働制) *放送法 (昭和二十五年法律第百三十二号)第2条(定義) *法第38条の2(事業場外労働のみなし労働時間制) ==参照条文== {{stub}} [[category:労働基準法施行規則|24の2の2]]
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2012-05-06T03:28:39Z
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16,932
労働基準法施行規則第35条
労働基準法施行規則
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "労働基準法施行規則", "title": "" } ]
労働基準法施行規則
[[労働基準法施行規則]] ==条文== ;第35条   :[[労働基準法第75条|法第75条]]第2項 の規定による業務上の疾病は、[[労働基準法施行規則別表第1の2|別表第1の2]]に掲げる疾病とする。 ==解説== *法第75条(療養補償) ==参照条文== ---- {{前後 |[[労働基準法施行規則]] | |[[労働基準法施行規則第34条の5]]<br> |[[労働基準法施行規則第36条]]<br> }} {{stub|law}} [[category:労働基準法施行規則|035]]
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2022-06-07T05:46:11Z
[ "テンプレート:前後", "テンプレート:Stub" ]
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GNU Octave 2.1.x 日本語マニュアル/プロット
Octaveの全てのプロット関数は,実際のグラフィックを扱うためにgnuplot を使用する。大部分のプロット型は,基本的なプロット関数を使用して生成される。これはMATLABにおける同等の関数を真似て作られている。これらの関数を利用することは,一般には率直であり,プロットを生成するための好ましい方法である。しかしながら,gnuplotに馴染んだユーザや,基本的なコマンドが適切でないような場面での特殊な応用に対しては,Octaveは 2つの低水準関数,gplotとgsplotも提供している。これらは,対応するgnuplotの関数plotとsplotのようにほぼ正確に動作する。また,最近のバージョンから拡張されたMATLABの機能,たとえばhandle-graphicsと関連する関数は実装されていないことに注意する必要がある。 MATLABスタイルの2次元プロットコマンドは,以下のようなものである。 [Function File] この関数は,2次元プロットを出力する。引数の多数の異なる組み合わせが可能である。最も単純な形式は, である。ここで,その引数はyに連動する集合として受け入れられ, xに連動する値は,1から開始する要素のインデックスであると受け入れられる。1つ以上の引数を与えると,それらは以下のように解釈される。 ここでyとfmtはオプションであり,任意の数の引数セットが現れてもよい。xとyの値は,以下のように解釈される。 もしfmt引数を与えるならば,以下のように解釈される。もしfmt が与えられなければ,標準の gnuplot 直線スタイルを仮定する。 カラーラインスタイルは,色をサポートするターミナルにおいて,以下のような意味を持つ。 引数fmtはキータイトルを割り当てるためにも使用できる。そうするには,上で説明したフォーマット項目の後ろに,希望するタイトルをセミコロンで挟んで含める。たとえば のようにする。最後のセミコロンは必要であり,付けないとエラーが発生する。 いくつかのプロット例を示す: このコマンドは,yをタイプ2('+'で表示される)の点と色1 (赤)で,y2を直線で,y3を色4(マゼンタ)で,y4を '+'で表示される点でプロットする。 このコマンドは,ベクトルb内のデータが'*'で表示される点でプロットする。 これは余弦関数および正弦関数と,キーに対応するラベルをプロットする。 [Built-in Function] 直後にプロットコマンドを実行するときに,プロット上の現在のデータを「ホールド」することをOctaveに指示する。これは,一連のプロットを実行できるようにし,同じ図にすべてのラインを描画する。初期設定は,各々の新たなプロットコマンドについて,プロットするデバイスを最初にクリアするようにする。たとえば, このコマンドは,ホールド状態をオンにする。offという引数は,ホールド状態をオフにし,何も引数を付けずにholdを実行すると,オンとオフを切り替える。 [Built-in Function] もし次のラインが現在のプロットに追加されるならば1を,次のラインを描画する前にプロットデバイスがクリアされるならば0を返す。 [Built-in Function] プロットウインドウと,タイトル,軸ラベルをクリアする。clgは, MATLABとの互換性のための,clearplotの短縮名である。 gplot clear,gsplot clearおよびreplot clearコマンドは,clearplotに等しい(以前には,gplot clearのようなコマンドは,clearとして評価され,全ての可視変数をクリアすることになっていた)。 [Function File] グラフウインドウを表示する。現在のところ,これは再プロットを実行することと同じである。 [Built-in Function] gnuplotサブプロセスへのストリームをクローズする。もしX11を使用しているならば,これはプロットウインドウをクローズする。 [Built-in Function] プロットコマンドによって作成されたテンポラリファイルを削除する。 Octaveはgnuplotのためにテンポラリデータファイルを作成し,パイプを通してgnuplotにコマンドを送る。Octaveは終了時にテンポラリファイルを削除するが,多くのプロットを実行するならば,セッションの途中でファイルを削除したいと思うかもしれない。 Octaveの将来のバージョンでは,プロットデータを保持するためのテンポラリファイルを使用する必要性がなくなるであろう。 [Function File] プロットについて軸の限界値をセットする。 引数limitsは,2,4または6個の要素をもつベクトルとするべきである。 1番めと2番めの要素は,x軸の下限と上限を指定する。3番めと4番めの要素は, y軸の限界値を指定する。また,5番めと6番めはz軸の限界値を指定する。 何も引数を付けないときには,axisは自動スケール化をオンにする。 出力引数を1つ付けたときには,x=axisは現在の軸を返す(これは自動軸設定については実装されていない)。 限界値を指定するベクトル引数はオプションであり,追加的な文字列引数は様々な軸を適切に指定するために使用できる。たとえば, このコードは,正方アスペクト比とし, これは,全ての軸に目盛りマークを付け,y軸にのみ目盛りラベルを付ける。 以下のオプションは,軸のアスペクト比をコントロールする。 以下のオプションは,軸の限界値が解釈される方法をコントロールする。 以下のオプションは,目盛りの外観に影響する。 以下のオプションは,軸における値の増分の方向に影響する。 [Function File] x-yデータの2つのベクトルを与え,バーグラフを描画する。 もし1つの引数のみが与えられるならば,y値のベクトルとして採用され, x軸の値は要素のインデックスとして与えられる。 もし2つの出力引数が指定されたならば,そのデータは生成されるがプロットされる。たとえば, および の2つは等価である。 [Function File] zによって記述された3次元外観の等高線プロットをする。この関数が非常に有用になる前には,gnuplotの等高線ルーチンを高める必要がある。 [Function File] ヒストグラムカウントあるいはプロットをする。 入力の引数に1個のベクトルを付けると,10個のbinで,その値のヒストグラムをプロットする。ヒストグラムbinの幅は,データの範囲によって決定される。 2番めの引数にスカラを与えると,binの数として使用する。 2番めの引数にベクトルを与えると,binの中心値として使用し,そのベクトルにおいて調整された値から決定されたbinの幅を使用する。 もし3番めの引数が与えられるならば,そのヒストグラムは,バーの和が normに等しくなるように標準化される。 外れ値は,最初および最後のbinにまとめられる。 2つの出力引数を付けると,bar (xx, nn)がヒストグラムとなるようなnnとxxを返す。 [Function File] 両軸に対して対数スケールを使用して2次元プロットする。loglog 関数が受け付ける引数の説明は,plotの解説を参照せよ。 [Function File] 極座標thetaとrhoを与えて2次元プロットをする。 オプションの3番めの引数は,ラインのスタイルを指定する。 [Function File] x軸を対数スケールにして2次元プロットをする。semilogx 関数が受け付ける引数の説明は,plotの解説を参照せよ。 [Function File] x軸を対数スケールにして2次元プロットをする。semilogy 関数が受け付ける引数の説明は,plotの解説を参照せよ。 [Function File] x-yデータの2つのベクトルを与え,「階段」プロットをする。 もし1つの引数のみが与えられるならば,y値のベクトルとして採用され, x軸の値は要素のインデックスとして与えられる。 もし2つの出力引数が指定されたならば,そのデータは生成されるがプロットされる。たとえば, および の2つは等価である。 [Function File] この関数は,エラーバー付きの2次元プロットをする。引数の多くの組み合わせが可能である。最も単純な使用方法は,以下のようになる。 ここで最初の引数はy軸値の集合として採用され,2番めの引数 eyは,y値のエラーとして受け入れられる。x軸の値は,1から始まる要素のインデックスとなる。 もし2つ以上の引数が与えられるならば,それらは以下のように解釈される。 ここでxとyの後ろには,ey,ex,ly, uyなどのように,プロットの種類によって,4つまでのエラーパラメータがあっても良い。フォーマット文字列で分けられるまで,任意の数の引数セットを指定することができる。 もしyが行列ならば,xおよびエラーパラメータも同じ次数である行列でなければならない。yの列は,xの対応する列に対してプロットされ,エラーバーはエラーパラメータの対応する列から描かれる。 もしfmtが指定されていなければ,y軸エラーバー("~")プロットスタイルを仮定する。もしfmt引数が与えられるなら,通常のプロットとして解釈される(__pltopt__を参照)。さらに,以下のプロットスタイルがエラーバー付きで利用できる。 例: x-exからx+exまで描かれるxエラーバーを付けてxのyに対するxerrorbarプロットする。 xのy1とy2に対する2つのyerrorbarプロットする。 y1についてのエラーバーは,y1-eyからy1+ey までで描かれ,y2についてのy2-lyからy2+uy までで描かれる。 xエラーバーは,x-lxからx+uxまでで描かれ, yエラーバーは,y-lyからy+uyまでで描き, xのyに対するxyerrorbarプロットする。 [Function File] この関数は,エラーバー付きで両軸が対数軸における2次元プロットをする。引数のさまざまな組み合わせが可能である。もっとも利用される使い方は,以下のようなものである。 これは,eyで定義されるyスケールの誤差と,fmtによって定義されるプロットフォーマットを用いて,xのyに対する両対数軸プロットをつくる。利用可能なフォーマットに対するエラーバーと追加の情報を参照せよ。 [Function File] この関数は,エラーバー付きで両軸が対数軸における2次元プロットをする。引数のさまざまな組み合わせが可能である。もっとも利用される使い方は,以下のようなものである。 これは,eyで定義されるyスケールの誤差と,fmtによって定義されるプロットフォーマットを用いて,xのyに対する両対数軸プロットをつくる。利用可能なフォーマットに対するエラーバーと追加の情報を参照せよ。 [Function File] この関数は,エラーバー付きで両軸が対数軸における2次元プロットをする。引数のさまざまな組み合わせが可能である。もっとも利用される使い方は,以下のようなものである。 これは,eyで定義されるyスケールの誤差と,fmtによって定義されるプロットフォーマットを用いて,xのyに対する両対数軸プロットをつくる。利用可能なフォーマットに対するエラーバーと追加の情報を参照せよ。 MATLABスタイルの3次元プロットコマンドは,以下のようなものがある。 [Function File] meshdomから行列xとy,そしてメッシュのxと y座標に対応する行列zを与えて,メッシュをプロットする。もしxとyがベクトルならば,典型的な頂点は, (x(j), y(i), z(i,j))となる。従って,zの列は,さまざまなx値に対応し,zの行はさまざまなy値に対応する。 [Function File] xおよびy座標のベクトルを与え,メッシュのxおよび y座標に対応する2つの行列を返す。xxの行はxのコピーであり,yyの列はyのコピーである。 [Function File] xおよびy座標のベクトルを与え,メッシュのxおよび y座標に対応する2つの行列を返す。 注意: この関数はMATLABの旧バージョンとの互換性のために提供されているものである。かわりにmeshgridを使用すべきである。 [Function File] 2次元プロットについて,プロットにグリッドを表示させる。引数は, "on"または"off"のどちらかをとる。もしこれを省略すると,"on"であると仮定する。 [Function File] プロットのタイトルを指定する。 [Function File] プロットのx軸,y軸およびz軸ラベルを指定する。もしすでにプロットを表示しているならば,新たなラベル付きのプロットを表示するために,replot コマンドを使用する。 [Function File] プロットの上部(下部)にstringなるテキストをタイトルとする。 以下の関数は全て,マルチプロット機能をサポートするgnuplotのバージョンを必要としている。 [Function File] これは,1ページに複数のグラフをプロットできるようなgnuplotのマルチプロット版で動作するようなplot関数の修正版である。このプロット版は,各々の引数セットを処理した後で,次のサブプロット位置に自動的に進める。 さまざまなオプションについて,plot関数の解説を参照せよ。 [Function File] マルチプロットモードをセットしたりリセットする。 もし引数がゼロでないならば,multiplotはxおよびy軸に沿ってxnおよびynサブプロットでマルチプロットモードをセットアップする。もし両方のモードがゼロならば,multiplotはマルチプロットモードをクローズする。 [Function File] もしマルチプロットモードに入っていれば,シングルプロットモードに切り替わる。 [Function File] 境界を示す側を指定するために,複数の引数を指定できる。許容される引数は,以下のようなものである。 この引数は,1文字に短縮してもよい。何も引数を付けないときは, plot_borderは境界をオフにする。 [Function File] gnuplotをマルチプロットモードにして,インデックスによって与えられる位置にプロットする(cols×rowsのサブウインドウが存在する)。 subplotを呼び出す前に,コマンド__gnuplot_set__ size xsize, ysize が使用されるときに,グローバル変数__multiplot_scale__が使用される。 __multiplot_scale__の値は,2つの要素を持つベクトルとなるべきであり,最初の要素はxsizeに等しく,2番めはysizeに等しい値をセットする。 もし1個の引数を与えるならば,3桁の値でなければならない。その値は,1桁目に行数,2桁目に列数,3桁目にプロットインデックスを指定する。 プロットインデックスは,行方向に並ぶ。ある行における全ての列を最初に埋められ,続いて次の行が埋められる。 たとえば,4行2列のマス目をもつプロットは,以下のように並ぶプロットインデックスをもつ。 [Function File] マルチプロットモードにおいて,サブウインドウの位置を次の枠にセットする。マルチプロットモードは,この実行前にmultiplot関数を使用して初期化されている必要がある。一方,このコマンドはmultiplot への短縮名である。 [Function File] 現在のプロットウインドウを,ウインドウnにセットする。現在のところ,この関数は,X11と,マルチフレームをサポートするgnuplotのバージョンを必要とする。もしnが指定されなければ,次に利用可能なウインドウ番号が選ばれる。 [Command] 2次元プロットを生成する。 ranges,using,titleおよびstyle引数はオプションであり,using,titleおよびstyleの量指定子は,その式の後に,任意のオーダで指定することができる。カンマで分けることによって, 1個のコマンドで複数の式をプロットすることができる。各々の式が,それぞれの量指定子をもつことができる。 オプション項目rangesは,以下の記述方法をもつ。 また,この記述方法は,実際のデータ範囲とは独立に,プロットの軸の範囲を指定するために使用できる。y軸の範囲および個々の限界値のいずれかは省略することができる。範囲[:]は,使用すべき標準の限界値を示すものである。これは,普通,全てのデータ点を含むくらい充分に大きな範囲が使用される。 プロットされるべき式は,何らかの定数行列(たとえば[ 1, 2; 3, 4 ])を含んではいけない。なぜならば,データ行列からのプロット範囲を識別することはほぼ不可能であるからである。 オプション項目に対する記述法の解説については,gnuplotのヘルプを参照のこと。 初期設定により,gplotコマンドは行列の1列めと2列めに対してプロットする。もしその行列が1列だけしか含まないならば,y座標のベクトルとして受け入れられ,x軸はゼロから開始する要素のインデックスとなる。たとえば, このコマンドは,100個の乱数値とそれらを繋ぐ直線をプロットする。 gplotが列ベクトルをプロットするために使用されるときには,その要素のインデックスはx値として受け入れられる。 もし2つ以上の列が存在するならば,using量指定子を用いて,プロットすべき列を選択することができる。たとえば,以下のデータが与えられているとする。 このとき, このコマンドは,2つのラインをプロットする。最初のラインは, data with linesコマンドによって生成されており,-10から10までの範囲にわたる正弦関数のグラフである。データは,その行列の最初の2列から受け入れられる。なぜならば,プロットすべき列は, using量指定子では指定できないからである。 このプロットの2番めの部分における項目using 1:3は,行列 dataの1番めと3番めの列がプロットすべき値として受け取るということを指定する。 この例において,その範囲は,実際のデータ範囲よりも少し大きめに明示的に指定されていた。結果として,その曲線はプロットの境界に触れることはない。 [Command] 3次元プロットを生成する。 ranges,using,titleおよびstyle引数はオプションであり,using,titleおよびstyleの量指定子は,その式の後に,任意のオーダで指定することができる。カンマで分けることによって, 1個のコマンドで複数の式をプロットすることができる。各々の式が,それぞれの量指定子をもつことができる。 オプション項目rangesは,以下の記述方法をもつ。 また,この記述方法は,実際のデータ範囲とは独立に,プロットの軸の範囲を指定するために使用できる。y軸とz軸の範囲および個々の限界値のいずれかは省略することができる。範囲[:]は,使用すべき標準の限界値を示すものである。これは,普通,全てのデータ点を含むくらい充分に大きな範囲が使用される。 プロットされるべき式は,何らかの定数行列(たとえば[ 1, 2; 3, 4 ])を含んではいけない。なぜならば,データ行列からのプロット範囲を識別することはほぼ不可能であるからである。 オプション項目に対する記述法の解説については,gnuplotのヘルプを参照のこと。 初期設定により,gsplotコマンドは,行インデクスをx値として,列インデクスをy値として用い,式の各列の値をz値としてプロットする。このインデクスは,1ではなく0からカウントされる。たとえば, このコマンドは,その行列の行および列から受け入れたxおよびy値を用いて,ランダムな表面をプロットする。 パラメトリックプロットモードがセットされていれば(gset parametric なるコマンドを実行すれば),gsplotは3つの領域におけるラインを定義するx,yおよびzの値として,同時に3つの行列の列を受け取る。そのほかの余分な列は無視され,xとyの値はソートされていると期待される。たとえば, parametricをセットすると,以下のような行列をプロットするという意味になる。 このときrand (5, 30)ではない。 [Command] [Command] [Command] 基本的なプロットコマンドに加えて,gnuplotからのコマンドgsetと gshowの全範囲は,replotと同じように利用可能である。 Octave 2.0では,setとshowというコマンド名は,gsetと gshowコマンドに変更された。これは,Octaveの将来のバージョンにおいて,MATLABのグラフィックとGUIコマンドと互換性を待たせるようにするためである(現在のところ,以前のsetとshowコマンドは動作するが,これらのコマンドは,gsetとgshowコマンドを使うように勧める邪魔な警告メッセージを表示する)。 gsetとgshowコマンドは,gnuplotのパラメータをセットしたり表示したりできるようにする。gsetとgshowコマンドに関するさらなる情報については,gnuplotユーザーズガイドにあるset とshowに関する解説を参照せよ(Octaveから実行する代わりに, gnuplotを直接実行しているならば,オンラインでも入手できる)。 replotコマンドは,プロットを強制的に再描画する。これは,プロットについて,タイトルまたは軸ラベルなど何らかの変更を行ったときに役立つ。 replotコマンドは,gplotやgsplotと同じコマンドを受け入れる(データ範囲を除く)。従って,存在するプロットに追加のラインを加えることができる。 たとえば, これらのコマンドは,プロットを行う端末のタイプを変更し,現在のプロットにタイトルを追加し,以下のグラフを追加する。そして,プロットするデバイスに,新たなプロットを送りつける。この最終ステップは,通常,プロットを更新するために必要である。この標準設定は,反応の遅い端末,あるいはハードコピー出力機器にとっては合理的である。なぜならば,再プロットコマンドで追加のラインを加えるときでさえも, gnuplotは常にプロット全体を再描画するので,軸ラベルの変更程度の少しの更新のたびに,毎回,生成された完全に新しいプロットが欲しいとは思わないはずだからである。 コマンドshgは,何も引数を付けないreplotコマンドを実行することに等しい。 gnuplotを呼び出す前に,プロットデータ中のNaN値は自動的に省略され, Inf値は非常に大きな値へと変換される。 [Built-in Variable] プロットコマンドによって起動されるプログラムの名前である。初期値は, "gnuplot"である。Installing Octaveを参照せよ。 [Built-in Variable] もしこの変数の値がゼロでないならば,Ovtaveは,使用しているgnuplotが複数フレームをサポートしていると仮定する(この機能は最近の3.6betaリリースに含められている)。その初期値はconfigureによって決定されるが,この設定が間違っている場合,あるいはgnuplotのインストールを更新したときには,スタートアップスクリプトまたはコマンドラインにて変更することができる。 [Built-in Variable] [Built-in Variable] [Built-in Variable] [Built-in Variable] [Built-in Variable] [Built-in Variable] [Built-in Variable] [Built-in Variable]
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"zによって記述された3次元外観の等高線プロットをする。この関数が非常に有用になる前には,gnuplotの等高線ルーチンを高める必要がある。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 48, "tag": "p", "text": "[Function File]", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 49, "tag": "p", "text": "ヒストグラムカウントあるいはプロットをする。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 50, "tag": "p", "text": "入力の引数に1個のベクトルを付けると,10個のbinで,その値のヒストグラムをプロットする。ヒストグラムbinの幅は,データの範囲によって決定される。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 51, "tag": "p", "text": "2番めの引数にスカラを与えると,binの数として使用する。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 52, "tag": "p", "text": "2番めの引数にベクトルを与えると,binの中心値として使用し,そのベクトルにおいて調整された値から決定されたbinの幅を使用する。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 53, "tag": "p", "text": "もし3番めの引数が与えられるならば,そのヒストグラムは,バーの和が normに等しくなるように標準化される。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 54, "tag": "p", "text": "外れ値は,最初および最後のbinにまとめられる。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 55, "tag": "p", "text": "2つの出力引数を付けると,bar (xx, nn)がヒストグラムとなるようなnnとxxを返す。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 56, "tag": "p", "text": "[Function File]", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 57, "tag": "p", "text": "両軸に対して対数スケールを使用して2次元プロットする。loglog 関数が受け付ける引数の説明は,plotの解説を参照せよ。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 58, "tag": "p", "text": "[Function File]", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 59, "tag": "p", "text": "極座標thetaとrhoを与えて2次元プロットをする。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 60, "tag": "p", "text": "オプションの3番めの引数は,ラインのスタイルを指定する。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 61, "tag": "p", "text": "[Function File]", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 62, "tag": "p", "text": "x軸を対数スケールにして2次元プロットをする。semilogx 関数が受け付ける引数の説明は,plotの解説を参照せよ。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 63, "tag": "p", "text": "[Function File]", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 64, "tag": "p", "text": "x軸を対数スケールにして2次元プロットをする。semilogy 関数が受け付ける引数の説明は,plotの解説を参照せよ。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 65, "tag": "p", "text": "[Function File]", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 66, "tag": "p", "text": "x-yデータの2つのベクトルを与え,「階段」プロットをする。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 67, "tag": "p", "text": "もし1つの引数のみが与えられるならば,y値のベクトルとして採用され, x軸の値は要素のインデックスとして与えられる。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 68, "tag": "p", "text": "もし2つの出力引数が指定されたならば,そのデータは生成されるがプロットされる。たとえば,", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 69, "tag": "p", "text": "", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 70, "tag": "p", "text": "および", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 71, "tag": "p", "text": "の2つは等価である。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 72, "tag": "p", "text": "[Function File]", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 73, "tag": "p", "text": "この関数は,エラーバー付きの2次元プロットをする。引数の多くの組み合わせが可能である。最も単純な使用方法は,以下のようになる。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 74, "tag": "p", "text": "ここで最初の引数はy軸値の集合として採用され,2番めの引数 eyは,y値のエラーとして受け入れられる。x軸の値は,1から始まる要素のインデックスとなる。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 75, "tag": "p", "text": "もし2つ以上の引数が与えられるならば,それらは以下のように解釈される。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 76, "tag": "p", "text": "ここでxとyの後ろには,ey,ex,ly, uyなどのように,プロットの種類によって,4つまでのエラーパラメータがあっても良い。フォーマット文字列で分けられるまで,任意の数の引数セットを指定することができる。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 77, "tag": "p", "text": "もしyが行列ならば,xおよびエラーパラメータも同じ次数である行列でなければならない。yの列は,xの対応する列に対してプロットされ,エラーバーはエラーパラメータの対応する列から描かれる。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 78, "tag": "p", "text": "もしfmtが指定されていなければ,y軸エラーバー(\"~\")プロットスタイルを仮定する。もしfmt引数が与えられるなら,通常のプロットとして解釈される(__pltopt__を参照)。さらに,以下のプロットスタイルがエラーバー付きで利用できる。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 79, "tag": "p", "text": "例:", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 80, "tag": "p", "text": "x-exからx+exまで描かれるxエラーバーを付けてxのyに対するxerrorbarプロットする。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 81, "tag": "p", "text": "xのy1とy2に対する2つのyerrorbarプロットする。 y1についてのエラーバーは,y1-eyからy1+ey までで描かれ,y2についてのy2-lyからy2+uy までで描かれる。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 82, "tag": "p", "text": "xエラーバーは,x-lxからx+uxまでで描かれ, yエラーバーは,y-lyからy+uyまでで描き, xのyに対するxyerrorbarプロットする。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 83, "tag": "p", "text": "[Function File]", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 84, "tag": "p", "text": "この関数は,エラーバー付きで両軸が対数軸における2次元プロットをする。引数のさまざまな組み合わせが可能である。もっとも利用される使い方は,以下のようなものである。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 85, "tag": "p", "text": "これは,eyで定義されるyスケールの誤差と,fmtによって定義されるプロットフォーマットを用いて,xのyに対する両対数軸プロットをつくる。利用可能なフォーマットに対するエラーバーと追加の情報を参照せよ。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 86, "tag": "p", "text": "[Function File]", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 87, "tag": "p", "text": "この関数は,エラーバー付きで両軸が対数軸における2次元プロットをする。引数のさまざまな組み合わせが可能である。もっとも利用される使い方は,以下のようなものである。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 88, "tag": "p", "text": "これは,eyで定義されるyスケールの誤差と,fmtによって定義されるプロットフォーマットを用いて,xのyに対する両対数軸プロットをつくる。利用可能なフォーマットに対するエラーバーと追加の情報を参照せよ。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 89, "tag": "p", "text": "[Function File]", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 90, "tag": "p", "text": "この関数は,エラーバー付きで両軸が対数軸における2次元プロットをする。引数のさまざまな組み合わせが可能である。もっとも利用される使い方は,以下のようなものである。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 91, "tag": "p", "text": "これは,eyで定義されるyスケールの誤差と,fmtによって定義されるプロットフォーマットを用いて,xのyに対する両対数軸プロットをつくる。利用可能なフォーマットに対するエラーバーと追加の情報を参照せよ。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 92, "tag": "p", "text": "MATLABスタイルの3次元プロットコマンドは,以下のようなものがある。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 93, "tag": "p", "text": "[Function File]", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 94, "tag": "p", "text": "meshdomから行列xとy,そしてメッシュのxと y座標に対応する行列zを与えて,メッシュをプロットする。もしxとyがベクトルならば,典型的な頂点は, (x(j), y(i), z(i,j))となる。従って,zの列は,さまざまなx値に対応し,zの行はさまざまなy値に対応する。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 95, "tag": "p", "text": "[Function File]", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 96, "tag": "p", "text": "xおよびy座標のベクトルを与え,メッシュのxおよび y座標に対応する2つの行列を返す。xxの行はxのコピーであり,yyの列はyのコピーである。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 97, "tag": "p", "text": "[Function File]", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 98, "tag": "p", "text": "xおよびy座標のベクトルを与え,メッシュのxおよび y座標に対応する2つの行列を返す。 注意: この関数はMATLABの旧バージョンとの互換性のために提供されているものである。かわりにmeshgridを使用すべきである。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 99, "tag": "p", "text": "[Function File]", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 100, "tag": "p", "text": "2次元プロットについて,プロットにグリッドを表示させる。引数は, \"on\"または\"off\"のどちらかをとる。もしこれを省略すると,\"on\"であると仮定する。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 101, "tag": "p", "text": "[Function File]", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 102, "tag": "p", "text": "プロットのタイトルを指定する。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 103, "tag": "p", "text": "[Function File]", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 104, "tag": "p", "text": "プロットのx軸,y軸およびz軸ラベルを指定する。もしすでにプロットを表示しているならば,新たなラベル付きのプロットを表示するために,replot コマンドを使用する。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 105, "tag": "p", "text": "[Function File]", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 106, "tag": "p", "text": "プロットの上部(下部)にstringなるテキストをタイトルとする。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 107, "tag": "p", "text": "以下の関数は全て,マルチプロット機能をサポートするgnuplotのバージョンを必要としている。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 108, "tag": "p", "text": "[Function File]", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 109, "tag": "p", "text": "これは,1ページに複数のグラフをプロットできるようなgnuplotのマルチプロット版で動作するようなplot関数の修正版である。このプロット版は,各々の引数セットを処理した後で,次のサブプロット位置に自動的に進める。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 110, "tag": "p", "text": "さまざまなオプションについて,plot関数の解説を参照せよ。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 111, "tag": "p", "text": "[Function File]", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 112, "tag": "p", "text": "マルチプロットモードをセットしたりリセットする。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 113, "tag": "p", "text": "もし引数がゼロでないならば,multiplotはxおよびy軸に沿ってxnおよびynサブプロットでマルチプロットモードをセットアップする。もし両方のモードがゼロならば,multiplotはマルチプロットモードをクローズする。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 114, "tag": "p", "text": "[Function File]", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 115, "tag": "p", "text": "もしマルチプロットモードに入っていれば,シングルプロットモードに切り替わる。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 116, "tag": "p", "text": "[Function File]", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 117, "tag": "p", "text": "境界を示す側を指定するために,複数の引数を指定できる。許容される引数は,以下のようなものである。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 118, "tag": "p", "text": "この引数は,1文字に短縮してもよい。何も引数を付けないときは, plot_borderは境界をオフにする。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 119, "tag": "p", "text": "[Function File]", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 120, "tag": "p", "text": "gnuplotをマルチプロットモードにして,インデックスによって与えられる位置にプロットする(cols×rowsのサブウインドウが存在する)。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 121, "tag": "p", "text": "subplotを呼び出す前に,コマンド__gnuplot_set__ size xsize, ysize が使用されるときに,グローバル変数__multiplot_scale__が使用される。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 122, "tag": "p", "text": "__multiplot_scale__の値は,2つの要素を持つベクトルとなるべきであり,最初の要素はxsizeに等しく,2番めはysizeに等しい値をセットする。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 123, "tag": "p", "text": "もし1個の引数を与えるならば,3桁の値でなければならない。その値は,1桁目に行数,2桁目に列数,3桁目にプロットインデックスを指定する。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 124, "tag": "p", "text": "プロットインデックスは,行方向に並ぶ。ある行における全ての列を最初に埋められ,続いて次の行が埋められる。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 125, "tag": "p", "text": "たとえば,4行2列のマス目をもつプロットは,以下のように並ぶプロットインデックスをもつ。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 126, "tag": "p", "text": "[Function File]", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 127, "tag": "p", "text": "マルチプロットモードにおいて,サブウインドウの位置を次の枠にセットする。マルチプロットモードは,この実行前にmultiplot関数を使用して初期化されている必要がある。一方,このコマンドはmultiplot への短縮名である。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 128, "tag": "p", "text": "[Function File]", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 129, "tag": "p", "text": "現在のプロットウインドウを,ウインドウnにセットする。現在のところ,この関数は,X11と,マルチフレームをサポートするgnuplotのバージョンを必要とする。もしnが指定されなければ,次に利用可能なウインドウ番号が選ばれる。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 130, "tag": "p", "text": "[Command]", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 131, "tag": "p", "text": "2次元プロットを生成する。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 132, "tag": "p", "text": "ranges,using,titleおよびstyle引数はオプションであり,using,titleおよびstyleの量指定子は,その式の後に,任意のオーダで指定することができる。カンマで分けることによって, 1個のコマンドで複数の式をプロットすることができる。各々の式が,それぞれの量指定子をもつことができる。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 133, "tag": "p", "text": "オプション項目rangesは,以下の記述方法をもつ。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 134, "tag": "p", "text": "また,この記述方法は,実際のデータ範囲とは独立に,プロットの軸の範囲を指定するために使用できる。y軸の範囲および個々の限界値のいずれかは省略することができる。範囲[:]は,使用すべき標準の限界値を示すものである。これは,普通,全てのデータ点を含むくらい充分に大きな範囲が使用される。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 135, "tag": "p", "text": "プロットされるべき式は,何らかの定数行列(たとえば[ 1, 2; 3, 4 ])を含んではいけない。なぜならば,データ行列からのプロット範囲を識別することはほぼ不可能であるからである。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 136, "tag": "p", "text": "オプション項目に対する記述法の解説については,gnuplotのヘルプを参照のこと。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 137, "tag": "p", "text": "初期設定により,gplotコマンドは行列の1列めと2列めに対してプロットする。もしその行列が1列だけしか含まないならば,y座標のベクトルとして受け入れられ,x軸はゼロから開始する要素のインデックスとなる。たとえば,", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 138, "tag": "p", "text": "このコマンドは,100個の乱数値とそれらを繋ぐ直線をプロットする。 gplotが列ベクトルをプロットするために使用されるときには,その要素のインデックスはx値として受け入れられる。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 139, "tag": "p", "text": "もし2つ以上の列が存在するならば,using量指定子を用いて,プロットすべき列を選択することができる。たとえば,以下のデータが与えられているとする。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 140, "tag": "p", "text": "このとき,", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 141, "tag": "p", "text": "このコマンドは,2つのラインをプロットする。最初のラインは, data with linesコマンドによって生成されており,-10から10までの範囲にわたる正弦関数のグラフである。データは,その行列の最初の2列から受け入れられる。なぜならば,プロットすべき列は, using量指定子では指定できないからである。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 142, "tag": "p", "text": "このプロットの2番めの部分における項目using 1:3は,行列 dataの1番めと3番めの列がプロットすべき値として受け取るということを指定する。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 143, "tag": "p", "text": "この例において,その範囲は,実際のデータ範囲よりも少し大きめに明示的に指定されていた。結果として,その曲線はプロットの境界に触れることはない。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 144, "tag": "p", "text": "[Command] 3次元プロットを生成する。 ranges,using,titleおよびstyle引数はオプションであり,using,titleおよびstyleの量指定子は,その式の後に,任意のオーダで指定することができる。カンマで分けることによって, 1個のコマンドで複数の式をプロットすることができる。各々の式が,それぞれの量指定子をもつことができる。 オプション項目rangesは,以下の記述方法をもつ。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 145, "tag": "p", "text": "また,この記述方法は,実際のデータ範囲とは独立に,プロットの軸の範囲を指定するために使用できる。y軸とz軸の範囲および個々の限界値のいずれかは省略することができる。範囲[:]は,使用すべき標準の限界値を示すものである。これは,普通,全てのデータ点を含むくらい充分に大きな範囲が使用される。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 146, "tag": "p", "text": "プロットされるべき式は,何らかの定数行列(たとえば[ 1, 2; 3, 4 ])を含んではいけない。なぜならば,データ行列からのプロット範囲を識別することはほぼ不可能であるからである。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 147, "tag": "p", "text": "オプション項目に対する記述法の解説については,gnuplotのヘルプを参照のこと。 初期設定により,gsplotコマンドは,行インデクスをx値として,列インデクスをy値として用い,式の各列の値をz値としてプロットする。このインデクスは,1ではなく0からカウントされる。たとえば,", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 148, "tag": "p", "text": "このコマンドは,その行列の行および列から受け入れたxおよびy値を用いて,ランダムな表面をプロットする。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 149, "tag": "p", "text": "パラメトリックプロットモードがセットされていれば(gset parametric なるコマンドを実行すれば),gsplotは3つの領域におけるラインを定義するx,yおよびzの値として,同時に3つの行列の列を受け取る。そのほかの余分な列は無視され,xとyの値はソートされていると期待される。たとえば, parametricをセットすると,以下のような行列をプロットするという意味になる。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 150, "tag": "p", "text": "このときrand (5, 30)ではない。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 151, "tag": "p", "text": "[Command]", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 152, "tag": "p", "text": "[Command]", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 153, "tag": "p", "text": "[Command]", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 154, "tag": "p", "text": "基本的なプロットコマンドに加えて,gnuplotからのコマンドgsetと gshowの全範囲は,replotと同じように利用可能である。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 155, "tag": "p", "text": "Octave 2.0では,setとshowというコマンド名は,gsetと gshowコマンドに変更された。これは,Octaveの将来のバージョンにおいて,MATLABのグラフィックとGUIコマンドと互換性を待たせるようにするためである(現在のところ,以前のsetとshowコマンドは動作するが,これらのコマンドは,gsetとgshowコマンドを使うように勧める邪魔な警告メッセージを表示する)。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 156, "tag": "p", "text": "gsetとgshowコマンドは,gnuplotのパラメータをセットしたり表示したりできるようにする。gsetとgshowコマンドに関するさらなる情報については,gnuplotユーザーズガイドにあるset とshowに関する解説を参照せよ(Octaveから実行する代わりに, gnuplotを直接実行しているならば,オンラインでも入手できる)。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 157, "tag": "p", "text": "replotコマンドは,プロットを強制的に再描画する。これは,プロットについて,タイトルまたは軸ラベルなど何らかの変更を行ったときに役立つ。 replotコマンドは,gplotやgsplotと同じコマンドを受け入れる(データ範囲を除く)。従って,存在するプロットに追加のラインを加えることができる。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 158, "tag": "p", "text": "たとえば,", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 159, "tag": "p", "text": "これらのコマンドは,プロットを行う端末のタイプを変更し,現在のプロットにタイトルを追加し,以下のグラフを追加する。そして,プロットするデバイスに,新たなプロットを送りつける。この最終ステップは,通常,プロットを更新するために必要である。この標準設定は,反応の遅い端末,あるいはハードコピー出力機器にとっては合理的である。なぜならば,再プロットコマンドで追加のラインを加えるときでさえも, gnuplotは常にプロット全体を再描画するので,軸ラベルの変更程度の少しの更新のたびに,毎回,生成された完全に新しいプロットが欲しいとは思わないはずだからである。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 160, "tag": "p", "text": "コマンドshgは,何も引数を付けないreplotコマンドを実行することに等しい。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 161, "tag": "p", "text": "gnuplotを呼び出す前に,プロットデータ中のNaN値は自動的に省略され, Inf値は非常に大きな値へと変換される。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 162, "tag": "p", "text": "[Built-in Variable]", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 163, "tag": "p", "text": "プロットコマンドによって起動されるプログラムの名前である。初期値は, \"gnuplot\"である。Installing Octaveを参照せよ。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 164, "tag": "p", "text": "[Built-in Variable]", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 165, "tag": "p", "text": "もしこの変数の値がゼロでないならば,Ovtaveは,使用しているgnuplotが複数フレームをサポートしていると仮定する(この機能は最近の3.6betaリリースに含められている)。その初期値はconfigureによって決定されるが,この設定が間違っている場合,あるいはgnuplotのインストールを更新したときには,スタートアップスクリプトまたはコマンドラインにて変更することができる。", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 166, "tag": "p", "text": "[Built-in Variable]", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 167, "tag": "p", "text": "[Built-in Variable]", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 168, "tag": "p", "text": "[Built-in Variable]", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 169, "tag": "p", "text": "[Built-in Variable]", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 170, "tag": "p", "text": "[Built-in Variable]", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 171, "tag": "p", "text": "[Built-in Variable]", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 172, "tag": "p", "text": "[Built-in Variable]", "title": "2次元プロット " }, { "paragraph_id": 173, "tag": "p", "text": "[Built-in Variable]", "title": "2次元プロット " } ]
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= プロット = Octaveの全てのプロット関数は,実際のグラフィックを扱うためにgnuplot を使用する。大部分のプロット型は,基本的なプロット関数を使用して生成される。これはMATLABにおける同等の関数を真似て作られている。これらの関数を利用することは,一般には率直であり,プロットを生成するための好ましい方法である。しかしながら,gnuplotに馴染んだユーザや,基本的なコマンドが適切でないような場面での特殊な応用に対しては,Octaveは 2つの低水準関数,gplotとgsplotも提供している。これらは,対応するgnuplotの関数plotとsplotのようにほぼ正確に動作する。また,最近のバージョンから拡張されたMATLABの機能,たとえばhandle-graphicsと関連する関数は実装されていないことに注意する必要がある。 __TOC__ == 2次元プロット == MATLABスタイルの2次元プロットコマンドは,以下のようなものである。 === plot (args) === [Function File] この関数は,2次元プロットを出力する。引数の多数の異なる組み合わせが可能である。最も単純な形式は, :plot (y) である。ここで,その引数はyに連動する集合として受け入れられ, xに連動する値は,1から開始する要素のインデックスであると受け入れられる。1つ以上の引数を与えると,それらは以下のように解釈される。 :plot (x, y, fmt ...) ここでyとfmtはオプションであり,任意の数の引数セットが現れてもよい。xとyの値は,以下のように解釈される。 *もし1個のデータ引数が与えられれば,それがyに連動する集合として受け入れられ,xに連動する値は,1から開始する要素のインデックスであると受け入れられる。 *もし1番めの引数がベクトルであり,2番めが行列ならば,そのベクトルは,行列の列(あるいは行)と対でプロットとされる(最初に列について試し,組み合わせがマッチするものを使用する)。 *もし1番めの引数が行列であり,2番めがベクトルならば,行列の列(あるいは行)はそのベクトルと対でプロットされる(最初に列について試し,組み合わせがマッチするものを使用する)。 *もし両方ともベクトルならば,yの要素はxの要素と対でプロットされる。 *もし両方とも行列ならば,yの列はxの列と対でプロットされる。このケースにおいて,両方の行列は同じ行数と列数でなければならず,行数を合わせるために引数を転置しようと試みることはない。 *もし両方の引数がスカラならば,1個の点がプロットされる。 もしfmt引数を与えるならば,以下のように解釈される。もしfmt が与えられなければ,標準の gnuplot 直線スタイルを仮定する。 :'-' 直線プロットスタイルをセットする(初期値)。<Br/> :'.' ドットプロットスタイルをセットする。<Br/> :'@' ポイントプロットスタイルをセットする。<Br/> :'-@' 直線・ポイントプロットスタイルをセットする。<Br/> :'^' インパルスプロットスタイルをセットする。<Br/> :'L' ステッププロットスタイルをセットする。<Br/> :'n' もしnが1から6の範囲にあれば,プロット色として解釈する。<Br/> :'nm' もしnmが2桁の整数であり,mが1から6の範囲にあれば,mがポイントスタイルとして解釈される。これは,@あるいは -@指定子を組み合わせるときのみ妥当である。<Br/> :'c' もしcが,"r","g","b","m", "c","w"のうちの1つならば,プロット色として解釈される<Br/> ::(赤,緑,青,マゼンタ,シアン,白)。<Br/> :'";title;"' "title"はキーについてのラベルである。<Br/> :'+' '*' 'o' 'x' ポイントあるいはラインポイントスタイルと組み合わせるとき,ポイントスタイルをセットする。 <Br/> カラーラインスタイルは,色をサポートするターミナルにおいて,以下のような意味を持つ。  Number Gnuplot colors (lines)points style   1 red *   2 green +   3 blue o   4 magenta x   5 cyan house   6 brown there exists 引数fmtはキータイトルを割り当てるためにも使用できる。そうするには,上で説明したフォーマット項目の後ろに,希望するタイトルをセミコロンで挟んで含める。たとえば :"+3;Key Title;" のようにする。最後のセミコロンは必要であり,付けないとエラーが発生する。 いくつかのプロット例を示す: :plot (x, y, "@12", x, y2, x, y3, "4", x, y4, "+") このコマンドは,yをタイプ2('+'で表示される)の点と色1 (赤)で,y2を直線で,y3を色4(マゼンタ)で,y4を '+'で表示される点でプロットする。 :plot (b, "*") このコマンドは,ベクトルb内のデータが'*'で表示される点でプロットする。 :t = 0:0.1:6.3; :plot (t, cos(t), "-;cos(t);", t, sin(t), "+3;sin(t);"); これは余弦関数および正弦関数と,キーに対応するラベルをプロットする。 === hold args === [Built-in Function] 直後にプロットコマンドを実行するときに,プロット上の現在のデータを「ホールド」することをOctaveに指示する。これは,一連のプロットを実行できるようにし,同じ図にすべてのラインを描画する。初期設定は,各々の新たなプロットコマンドについて,プロットするデバイスを最初にクリアするようにする。たとえば, :hold on このコマンドは,ホールド状態をオンにする。offという引数は,ホールド状態をオフにし,何も引数を付けずにholdを実行すると,オンとオフを切り替える。 === ishold=== [Built-in Function] もし次のラインが現在のプロットに追加されるならば1を,次のラインを描画する前にプロットデバイスがクリアされるならば0を返す。 === clearplot === === clg === [Built-in Function] プロットウインドウと,タイトル,軸ラベルをクリアする。clgは, MATLABとの互換性のための,clearplotの短縮名である。 gplot clear,gsplot clearおよびreplot clearコマンドは,clearplotに等しい(以前には,gplot clearのようなコマンドは,clearとして評価され,全ての可視変数をクリアすることになっていた)。 === shg === [Function File] グラフウインドウを表示する。現在のところ,これは再プロットを実行することと同じである。 === closeplot === [Built-in Function] gnuplotサブプロセスへのストリームをクローズする。もしX11を使用しているならば,これはプロットウインドウをクローズする。 === purge_tmp_files === [Built-in Function] プロットコマンドによって作成されたテンポラリファイルを削除する。 Octaveはgnuplotのためにテンポラリデータファイルを作成し,パイプを通してgnuplotにコマンドを送る。Octaveは終了時にテンポラリファイルを削除するが,多くのプロットを実行するならば,セッションの途中でファイルを削除したいと思うかもしれない。 Octaveの将来のバージョンでは,プロットデータを保持するためのテンポラリファイルを使用する必要性がなくなるであろう。 === axis (limits) === [Function File] プロットについて軸の限界値をセットする。 引数limitsは,2,4または6個の要素をもつベクトルとするべきである。 1番めと2番めの要素は,x軸の下限と上限を指定する。3番めと4番めの要素は, y軸の限界値を指定する。また,5番めと6番めはz軸の限界値を指定する。 何も引数を付けないときには,axisは自動スケール化をオンにする。 出力引数を1つ付けたときには,x=axisは現在の軸を返す(これは自動軸設定については実装されていない)。 限界値を指定するベクトル引数はオプションであり,追加的な文字列引数は様々な軸を適切に指定するために使用できる。たとえば, :axis ([1, 2, 3, 4], "square"); このコードは,正方アスペクト比とし, :axis ("labely", "tic"); これは,全ての軸に目盛りマークを付け,y軸にのみ目盛りラベルを付ける。 以下のオプションは,軸のアスペクト比をコントロールする。 "square" 正方アスペクト比とする。 "equal" xの距離をyの距離に等しくする。 "normal" バランスを戻す。 以下のオプションは,軸の限界値が解釈される方法をコントロールする。 "auto" データ周辺で良いとおぼしき限界値となるように設定した軸をセットする。 あるいは軸が何も設定されていないときにはすべてセットする。 "manual" 現在の軸限界値を修正する。 "tight" データの限界値に軸を合わせる(まだ実装されていない)。 オプション"image"は,"tight"または"equal" と等価である。 以下のオプションは,目盛りの外観に影響する。 "on" 目盛りおよび全ての軸のラベルをオンにする。 "off" 目盛りおよび全ての軸のラベルをオフにする。 "tic[xyz]" 目盛りをオンにする。あるいは指定した軸についてはオン, それ以外についてはオフにする。 "label[xyz]"ラベルをオンにする。あるいは指定した軸についてはオン, それ以外についてはオフにする。 "nolabel" 全ての軸のラベルをオフにする。 もし軸に何も目盛りを付けないならば,ラベルも付加されない。 以下のオプションは,軸における値の増分の方向に影響する。 "ij" y軸を逆にし,低い値が上側に来る。 "xy" y軸を戻し,高い値が上側に来る。 == 専門的な2次元プロット == === bar (x, y) === [Function File] x-yデータの2つのベクトルを与え,バーグラフを描画する。 もし1つの引数のみが与えられるならば,y値のベクトルとして採用され, x軸の値は要素のインデックスとして与えられる。 もし2つの出力引数が指定されたならば,そのデータは生成されるがプロットされる。たとえば, :bar (x, y); および :[xb, yb] = bar (x, y); :plot (xb, yb); の2つは等価である。 === contour (z, n) === === contour (x, y, z, n) === [Function File] zによって記述された3次元外観の等高線プロットをする。この関数が非常に有用になる前には,gnuplotの等高線ルーチンを高める必要がある。 === hist (y, x, norm) === [Function File] ヒストグラムカウントあるいはプロットをする。 入力の引数に1個のベクトルを付けると,10個のbinで,その値のヒストグラムをプロットする。ヒストグラムbinの幅は,データの範囲によって決定される。 2番めの引数にスカラを与えると,binの数として使用する。 2番めの引数にベクトルを与えると,binの中心値として使用し,そのベクトルにおいて調整された値から決定されたbinの幅を使用する。 もし3番めの引数が与えられるならば,そのヒストグラムは,バーの和が normに等しくなるように標準化される。 外れ値は,最初および最後のbinにまとめられる。 2つの出力引数を付けると,bar (xx, nn)がヒストグラムとなるようなnnとxxを返す。 === loglog (args) === [Function File] 両軸に対して対数スケールを使用して2次元プロットする。loglog 関数が受け付ける引数の説明は,plotの解説を参照せよ。 === polar (theta, rho, fmt) === [Function File] 極座標thetaとrhoを与えて2次元プロットをする。 オプションの3番めの引数は,ラインのスタイルを指定する。 === semilogx (args) === [Function File] x軸を対数スケールにして2次元プロットをする。semilogx 関数が受け付ける引数の説明は,plotの解説を参照せよ。 === semilogy (args) === [Function File] x軸を対数スケールにして2次元プロットをする。semilogy 関数が受け付ける引数の説明は,plotの解説を参照せよ。 === stairs (x, y) === [Function File] x-yデータの2つのベクトルを与え,「階段」プロットをする。 もし1つの引数のみが与えられるならば,y値のベクトルとして採用され, x軸の値は要素のインデックスとして与えられる。 もし2つの出力引数が指定されたならば,そのデータは生成されるがプロットされる。たとえば, :stairs (x, y); および :[xs, ys] = stairs (x, y); :plot (xs, ys); の2つは等価である。 === errorbar (args) === [Function File] この関数は,エラーバー付きの2次元プロットをする。引数の多くの組み合わせが可能である。最も単純な使用方法は,以下のようになる。 :errorbar (y, ey) ここで最初の引数はy軸値の集合として採用され,2番めの引数 eyは,y値のエラーとして受け入れられる。x軸の値は,1から始まる要素のインデックスとなる。 もし2つ以上の引数が与えられるならば,それらは以下のように解釈される。 :errorbar (x, y, ..., fmt ...) ここでxとyの後ろには,ey,ex,ly, uyなどのように,プロットの種類によって,4つまでのエラーパラメータがあっても良い。フォーマット文字列で分けられるまで,任意の数の引数セットを指定することができる。 もしyが行列ならば,xおよびエラーパラメータも同じ次数である行列でなければならない。yの列は,xの対応する列に対してプロットされ,エラーバーはエラーパラメータの対応する列から描かれる。 もしfmtが指定されていなければ,y軸エラーバー("~")プロットスタイルを仮定する。もしfmt引数が与えられるなら,通常のプロットとして解釈される(__pltopt__を参照)。さらに,以下のプロットスタイルがエラーバー付きで利用できる。 '~' yerrorbarsをセットする。 '>' xerrorbarsをセットする。 '~>' xyerrorbarsをセットする。 '#' boxerrorbarsをセットする。 '#~' boxerrorbarsをセットする。 '#~>' boxxyerrorbarsをセットする。 例: :errorbar(x, y, ex, ">") x-exからx+exまで描かれるxエラーバーを付けてxのyに対するxerrorbarプロットする。 :errorbar(x, y1, ey, "~", x, y2, ly, uy) xのy1とy2に対する2つのyerrorbarプロットする。 y1についてのエラーバーは,y1-eyからy1+ey までで描かれ,y2についてのy2-lyからy2+uy までで描かれる。 :errorbar(x, y, lx, ux, ly, uy, "~>") xエラーバーは,x-lxからx+uxまでで描かれ, yエラーバーは,y-lyからy+uyまでで描き, xのyに対するxyerrorbarプロットする。 === loglogerr (args) === [Function File] この関数は,エラーバー付きで両軸が対数軸における2次元プロットをする。引数のさまざまな組み合わせが可能である。もっとも利用される使い方は,以下のようなものである。 :loglogerr (x, y, ey, fmt) これは,eyで定義されるyスケールの誤差と,fmtによって定義されるプロットフォーマットを用いて,xのyに対する両対数軸プロットをつくる。利用可能なフォーマットに対するエラーバーと追加の情報を参照せよ。 === semilogxerr (args) === [Function File] この関数は,エラーバー付きで両軸が対数軸における2次元プロットをする。引数のさまざまな組み合わせが可能である。もっとも利用される使い方は,以下のようなものである。 :semilogxerr (x, y, ey, fmt) これは,eyで定義されるyスケールの誤差と,fmtによって定義されるプロットフォーマットを用いて,xのyに対する両対数軸プロットをつくる。利用可能なフォーマットに対するエラーバーと追加の情報を参照せよ。 === semilogyerr (args) === [Function File] この関数は,エラーバー付きで両軸が対数軸における2次元プロットをする。引数のさまざまな組み合わせが可能である。もっとも利用される使い方は,以下のようなものである。 :semilogyerr (x, y, ey, fmt) これは,eyで定義されるyスケールの誤差と,fmtによって定義されるプロットフォーマットを用いて,xのyに対する両対数軸プロットをつくる。利用可能なフォーマットに対するエラーバーと追加の情報を参照せよ。 == 3次元プロット == MATLABスタイルの3次元プロットコマンドは,以下のようなものがある。 === mesh (x, y, z) === [Function File] meshdomから行列xとy,そしてメッシュのxと y座標に対応する行列zを与えて,メッシュをプロットする。もしxとyがベクトルならば,典型的な頂点は, (x(j), y(i), z(i,j))となる。従って,zの列は,さまざまなx値に対応し,zの行はさまざまなy値に対応する。 === [xx, yy] = meshgrid (x, y) === === [xx, yy] = meshgrid (x) === [Function File] xおよびy座標のベクトルを与え,メッシュのxおよび y座標に対応する2つの行列を返す。xxの行はxのコピーであり,yyの列はyのコピーである。 === meshdom (x, y) === [Function File] xおよびy座標のベクトルを与え,メッシュのxおよび y座標に対応する2つの行列を返す。 注意: この関数はMATLABの旧バージョンとの互換性のために提供されているものである。かわりにmeshgridを使用すべきである。 == 注釈のプロット == === grid (arg) === [Function File] 2次元プロットについて,プロットにグリッドを表示させる。引数は, "on"または"off"のどちらかをとる。もしこれを省略すると,"on"であると仮定する。 === title (string) === [Function File] プロットのタイトルを指定する。 === xlabel (string) === === ylabel (string) === === zlabel (string) === [Function File] プロットのx軸,y軸およびz軸ラベルを指定する。もしすでにプロットを表示しているならば,新たなラベル付きのプロットを表示するために,replot コマンドを使用する。 === top_title (string) === === bottom_title (string) === [Function File] プロットの上部(下部)にstringなるテキストをタイトルとする。 == 1ページ上の複数プロット == 以下の関数は全て,マルチプロット機能をサポートするgnuplotのバージョンを必要としている。 === mplot (x, y) === === mplot (x, y, fmt) === === mplot (x1, y1, x2, y2) === [Function File] これは,1ページに複数のグラフをプロットできるようなgnuplotのマルチプロット版で動作するようなplot関数の修正版である。このプロット版は,各々の引数セットを処理した後で,次のサブプロット位置に自動的に進める。 さまざまなオプションについて,plot関数の解説を参照せよ。 === multiplot (xn, yn) === [Function File] マルチプロットモードをセットしたりリセットする。 もし引数がゼロでないならば,multiplotはxおよびy軸に沿ってxnおよびynサブプロットでマルチプロットモードをセットアップする。もし両方のモードがゼロならば,multiplotはマルチプロットモードをクローズする。 === oneplot () === [Function File] もしマルチプロットモードに入っていれば,シングルプロットモードに切り替わる。 === plot_border (...) === [Function File] 境界を示す側を指定するために,複数の引数を指定できる。許容される引数は,以下のようなものである。 :"blank" 境界を表示しない。 :"all" 全ての境界を表示する。 All borders displayed :"north" 上側の境界を表示する。 :"south" 下側の境界を表示する。 :"east" 右側の境界を表示する。 :"west" 左側の境界を表示する。 この引数は,1文字に短縮してもよい。何も引数を付けないときは, plot_borderは境界をオフにする。 === subplot (rows, cols, index) === === subplot (rcn) === [Function File] gnuplotをマルチプロットモードにして,インデックスによって与えられる位置にプロットする(cols×rowsのサブウインドウが存在する)。 subplotを呼び出す前に,コマンド__gnuplot_set__ size xsize, ysize が使用されるときに,グローバル変数__multiplot_scale__が使用される。 __multiplot_scale__の値は,2つの要素を持つベクトルとなるべきであり,最初の要素はxsizeに等しく,2番めはysizeに等しい値をセットする。 入力: rows サブプロット枠における行の数である。 columns サブプロット枠における列の数である。 index 次のプロットを行うサブプロットのインデックスである。 もし1個の引数を与えるならば,3桁の値でなければならない。その値は,1桁目に行数,2桁目に列数,3桁目にプロットインデックスを指定する。 プロットインデックスは,行方向に並ぶ。ある行における全ての列を最初に埋められ,続いて次の行が埋められる。 たとえば,4行2列のマス目をもつプロットは,以下のように並ぶプロットインデックスをもつ。 === subwindow (xn, yn) === [Function File] マルチプロットモードにおいて,サブウインドウの位置を次の枠にセットする。マルチプロットモードは,この実行前にmultiplot関数を使用して初期化されている必要がある。一方,このコマンドはmultiplot への短縮名である。 == マルチプロットウインドウ == === figure (n) === [Function File] 現在のプロットウインドウを,ウインドウnにセットする。現在のところ,この関数は,X11と,マルチフレームをサポートするgnuplotのバージョンを必要とする。もしnが指定されなければ,次に利用可能なウインドウ番号が選ばれる。 == 低水準プロットコマンド == === gplot ranges expression using title style === [Command] 2次元プロットを生成する。 ranges,using,titleおよびstyle引数はオプションであり,using,titleおよびstyleの量指定子は,その式の後に,任意のオーダで指定することができる。カンマで分けることによって, 1個のコマンドで複数の式をプロットすることができる。各々の式が,それぞれの量指定子をもつことができる。 オプション項目rangesは,以下の記述方法をもつ。 :[ x_lo : x_up ] [ y_lo : y_up ] また,この記述方法は,実際のデータ範囲とは独立に,プロットの軸の範囲を指定するために使用できる。y軸の範囲および個々の限界値のいずれかは省略することができる。範囲[:]は,使用すべき標準の限界値を示すものである。これは,普通,全てのデータ点を含むくらい充分に大きな範囲が使用される。 プロットされるべき式は,何らかの定数行列(たとえば[ 1, 2; 3, 4 ])を含んではいけない。なぜならば,データ行列からのプロット範囲を識別することはほぼ不可能であるからである。 オプション項目に対する記述法の解説については,gnuplotのヘルプを参照のこと。 初期設定により,gplotコマンドは行列の1列めと2列めに対してプロットする。もしその行列が1列だけしか含まないならば,y座標のベクトルとして受け入れられ,x軸はゼロから開始する要素のインデックスとなる。たとえば, :gplot rand (100,1) with linespoints このコマンドは,100個の乱数値とそれらを繋ぐ直線をプロットする。 gplotが列ベクトルをプロットするために使用されるときには,その要素のインデックスはx値として受け入れられる。 もし2つ以上の列が存在するならば,using量指定子を用いて,プロットすべき列を選択することができる。たとえば,以下のデータが与えられているとする。 :x = (-10:0.1:10)'; :data = [x, sin(x), cos(x)]; このとき, :gplot [-11:11] [-1.1:1.1] \ :data with lines, data using 1:3 with impulses このコマンドは,2つのラインをプロットする。最初のラインは, data with linesコマンドによって生成されており,-10から10までの範囲にわたる正弦関数のグラフである。データは,その行列の最初の2列から受け入れられる。なぜならば,プロットすべき列は, using量指定子では指定できないからである。 このプロットの2番めの部分における項目using 1:3は,行列 dataの1番めと3番めの列がプロットすべき値として受け取るということを指定する。 この例において,その範囲は,実際のデータ範囲よりも少し大きめに明示的に指定されていた。結果として,その曲線はプロットの境界に触れることはない。 ===gsplot ranges expression using title style=== [Command] 3次元プロットを生成する。 ranges,using,titleおよびstyle引数はオプションであり,using,titleおよびstyleの量指定子は,その式の後に,任意のオーダで指定することができる。カンマで分けることによって, 1個のコマンドで複数の式をプロットすることができる。各々の式が,それぞれの量指定子をもつことができる。 オプション項目rangesは,以下の記述方法をもつ。 :[ x_lo : x_up ] [ y_lo : y_up ] [ z_lo : z_up ] また,この記述方法は,実際のデータ範囲とは独立に,プロットの軸の範囲を指定するために使用できる。y軸とz軸の範囲および個々の限界値のいずれかは省略することができる。範囲[:]は,使用すべき標準の限界値を示すものである。これは,普通,全てのデータ点を含むくらい充分に大きな範囲が使用される。 プロットされるべき式は,何らかの定数行列(たとえば[ 1, 2; 3, 4 ])を含んではいけない。なぜならば,データ行列からのプロット範囲を識別することはほぼ不可能であるからである。 オプション項目に対する記述法の解説については,gnuplotのヘルプを参照のこと。 初期設定により,gsplotコマンドは,行インデクスをx値として,列インデクスをy値として用い,式の各列の値をz値としてプロットする。このインデクスは,1ではなく0からカウントされる。たとえば, :gsplot rand (5, 2) このコマンドは,その行列の行および列から受け入れたxおよびy値を用いて,ランダムな表面をプロットする。 パラメトリックプロットモードがセットされていれば(gset parametric なるコマンドを実行すれば),gsplotは3つの領域におけるラインを定義するx,yおよびzの値として,同時に3つの行列の列を受け取る。そのほかの余分な列は無視され,xとyの値はソートされていると期待される。たとえば, parametricをセットすると,以下のような行列をプロットするという意味になる。 このときrand (5, 30)ではない。 === gset options === [Command] === gshow options === [Command] === replot options === [Command] 基本的なプロットコマンドに加えて,gnuplotからのコマンドgsetと gshowの全範囲は,replotと同じように利用可能である。 Octave 2.0では,setとshowというコマンド名は,gsetと gshowコマンドに変更された。これは,Octaveの将来のバージョンにおいて,MATLABのグラフィックとGUIコマンドと互換性を待たせるようにするためである(現在のところ,以前のsetとshowコマンドは動作するが,これらのコマンドは,gsetとgshowコマンドを使うように勧める邪魔な警告メッセージを表示する)。 gsetとgshowコマンドは,gnuplotのパラメータをセットしたり表示したりできるようにする。gsetとgshowコマンドに関するさらなる情報については,gnuplotユーザーズガイドにあるset とshowに関する解説を参照せよ(Octaveから実行する代わりに, gnuplotを直接実行しているならば,オンラインでも入手できる)。 replotコマンドは,プロットを強制的に再描画する。これは,プロットについて,タイトルまたは軸ラベルなど何らかの変更を行ったときに役立つ。 replotコマンドは,gplotやgsplotと同じコマンドを受け入れる(データ範囲を除く)。従って,存在するプロットに追加のラインを加えることができる。 たとえば, :gset term tek40 :gset output "/dev/plotter" :gset title "sine with lines and cosine with impulses" :replot "sin (x) w l" これらのコマンドは,プロットを行う端末のタイプを変更し,現在のプロットにタイトルを追加し,以下のグラフを追加する。そして,プロットするデバイスに,新たなプロットを送りつける。この最終ステップは,通常,プロットを更新するために必要である。この標準設定は,反応の遅い端末,あるいはハードコピー出力機器にとっては合理的である。なぜならば,再プロットコマンドで追加のラインを加えるときでさえも, gnuplotは常にプロット全体を再描画するので,軸ラベルの変更程度の少しの更新のたびに,毎回,生成された完全に新しいプロットが欲しいとは思わないはずだからである。 コマンドshgは,何も引数を付けないreplotコマンドを実行することに等しい。 gnuplotを呼び出す前に,プロットデータ中のNaN値は自動的に省略され, Inf値は非常に大きな値へと変換される。 == gnuplotとの連携 == === gnuplot_binary === [Built-in Variable] プロットコマンドによって起動されるプログラムの名前である。初期値は, "gnuplot"である。Installing Octaveを参照せよ。 === gnuplot_has_frames === [Built-in Variable] もしこの変数の値がゼロでないならば,Ovtaveは,使用しているgnuplotが複数フレームをサポートしていると仮定する(この機能は最近の3.6betaリリースに含められている)。その初期値はconfigureによって決定されるが,この設定が間違っている場合,あるいはgnuplotのインストールを更新したときには,スタートアップスクリプトまたはコマンドラインにて変更することができる。 === gnuplot_command_plot === [Built-in Variable] === gnuplot_command_replot === [Built-in Variable] === gnuplot_command_splot === [Built-in Variable] === gnuplot_command_using === [Built-in Variable] === gnuplot_command_with === [Built-in Variable] === gnuplot_command_axes === [Built-in Variable] === gnuplot_command_title === [Built-in Variable] === gnuplot_command_end === [Built-in Variable] [[Category:GNU Octave|2.1.x にほんこまにゆある ふろつと]]
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2015-08-07T11:25:38Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/GNU_Octave_2.1.x_%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E3%83%9E%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%82%A2%E3%83%AB/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%88
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GNU Octave 2.1.x 日本語マニュアル/Octaveの簡単な紹介
このマニュアルは,GNU Octave の実行,インストール,移植およびバグ報告の方法について記したものです。 GNU Octave は高水準言語であり,主に数値計算向けの言語です。 このソフトウエアは,線形ならびに非線形問題を数値的に解き,他の数値実験を実行するための便利なコマンドラインインターフェースを備えています。 バッチ指向の言語として使用することもできます。 GNU Octave は自由に再配布できるソフトウエアでもあります。 あなたは,Free Software Foundationによって公開されているGNU General Public License の項の下で, このソフトウエア単体,あるいは改変したものを再配布、可能です。 GPL は,このマニュアルの付記F [Copying]に掲載してあります。 このドキュメントは,Octave のバージョン2.1.x 向けに書いてあります。 多くのシステムにおいて,Octave を起動する方法は,シェルから‘octave’ とコマンドを入力することです。 Octaveは起動時メッセージを表示し,入力の受け付け準備ができたことを示すプロンプトを表示します。その後,すぐにOctave コマンドの入力を開始することができます。 もしトラブルが発生したなら,通常はキーボードからControl-C (以降は短縮してC-c と表記する)と入力することにより,Octave を中断することができます。C-c とは,見ての通り,CTRLキーを押しながらc を押すことを表す。これを実行すると,Octave のプロンプトに戻る。 Octave を終了するには,Octave のプロンプトからquitあるいはexit と打ち込みます。 ジョブコントロールをサポートするシステムにおいては,通常はC-z と入力してSIGTSTPシグナルを送ることにより,Octave をサスペンドすることができます。 以降の章においては,Octave の全機能について詳細に記述してあります。しかし,その前に,その機能のいくつかについて例を示すことが役立ちます。 もしOctave に初めて触れるなら,Octave を学び始めるために,ここに示す例を試すことをお勧めします。 のように示した行は,実際に打ち込む行を表し,入力後に改行キーを押す。Octave は答えを返すか,グラフを表示します。 新しい行列を作成して変数に格納しておけば,それを後から参照することができます。以下のコマンドを入力せよ。 Octave は,きちんと列をそろえて,行列を表示してくれる。コマンドの終端にセミコロンをつけると,結果を画面に表示しない命令になります。たとえば, このコマンドは,3 行2 列の行列を作るものです。その各要素には,0 から1 までの範囲のランダムな数値がセットされます。 任意の変数の値を表示するためには,単に変数名を入力するだけです。 たとえば,行列b に格納された行列を表示すためには,以下のように入力します。 Octave には,行列演算を行うための便利な演算子表記ができます。たとえば,行列aにスカラを乗じるには,以下のコマンドを入力します。 ふたつの行列a とb を乗じるには,以下のコマンドを入力します。 積aa, を計算するためには,以下のコマンドを入力します。 連立一次方程式ax = b を解くためには,左除算演算子‘\’ を使用します: これは,概念的にはab, とすることと等しい。しかし,左除算演算子を使用することによって,逆行列を計算することが避けられます。 もし係数行列が特異ならば,Octave は警告メッセージを表示し,最小ノルム解を表示します。 Octave には,以下の形式の非線形微分方程式を解くための組み込み関数があります。 Octave にて,この形式の方程式を積分するためには,最初に関数の定義f(x; t) を提供しなければなりません。 これは簡単で,関数の本体をコマンドラインから入力することで遂行できます。 たとえば,以下のコマンドは,非線形微分方程式の面白いペアについて,右辺の関数を定義しています。 関数を入力している間は,入力が完成するまで待っていることを示す異なるプロンプトになることに注意します。 初期条件を入力します。 そして,出力時間を列ベクトルとして入力する(最初の出力時間は,上で入力した初期条件に対応したものであることに注意してください)。 微分方程式の組を積分することは簡単です: この関数lsode は通常微分方程式に対するLivermore Solver を使用しています。これは,以下の文献に記述されています: グラフ出力の実行前の例の解を,グラフで表示するためには,コマンド を使用します。 もしX Window System を使用しているならば,Ocatve は,プロットを表示するために自動的に別ウインドウを開く。 もし他のグラフィック関係のコマンドをサポートする端末を使用しているならば,使用している端末をOctave に教える必要があります。 サポートしている端末の種類のリストを見るには,以下のコマンドを入力します。 Octave は,グラフを表示するためにgnuplot を使用します。 そして,gnuplot がサポートする任意の端末において,画像を出力することができます。 plot コマンドの出力を,直接端末に送らずにファイルに取り込むには,以下のような一連のコマンドを使用することができます。 これは,他の出力デバイスについても同様に働きます。Octave のgset コマンドは,現実には単にgnuplot サブプロセスにパイプしているだけです。その結果,いちど好みのプロットをスクリーンに表示すると,画像を印刷するのに適した出力ファイルを作成するため,これと同様の方法を実行することができます。 あるいは,以下のようなコマンドを使うことにより,中間ファイルを削除することができます。 Octave のプロンプトでは,Emacs あるいはvi スタイルの編集コマンドにより,以前に入力したコマンドの再呼び出し,編集,再実行ができます。 標準状態のキー割り当てでは,Emacs スタイルのコマンドを使用します。たとえば,以前のコマンドを呼び出すには,Control-p(以降は,単にC-p と表記する)と打ち込む。 C-p とは,見ての通り,CTRL を押しながらp を押すことを表す。 これを行うことにより,以前の入力行を呼び戻すことができます。 C-n は,次の入力行に進めることになります。C-b はカーソルを行末に移動させ,C-f はカーソルを行頭に向けて移動させる。 このほかにも,いくつもキーが定義されています。 コマンドライン編集機能についての完全な記述は,このマニュアルのSection 2.4 [Command Line Editing]にあります。 Octave は,豊富なヘルプ機能をもっています。印刷物として入手できるドキュメントは,Octave のプロンプトからも読むことができます。これは,両方の文書形式とも同じ入力ファイルから作成されているからです。 よいヘルプを得るためには,まず,あなたが使いたいコマンドの名前を知る必要があります。関数の名前は,必ずしも明らかではないかもしれません。 しかし,初心者にとって良い方法は,単にhelpと入力することです。 このコマンドは,すべての演算子,予約語,関数,組み込み変数および関数ファイルを表示します。 help コマンドの引数に名前を含めることによって,より多くのヘルプを得ることができます。たとえば, これは,plot 関数に対するヘルプ文章を表示します。 Octave では,長すぎて一画面に収まらない出力は,less やmore のようなページャに送ります。 1 行進めるにはRET,1 ページ進めるにはSPC,ページャを抜けるにはq を押します。 Octave 内から印刷マニュアルの完全な文章を読めるような,Octave のヘルプ機能の一部は,Infoと呼ばれる別のプログラムを使用します。Info を呼び出すとき,Octave のマニュアルを含むメニュー型プログラムに入る。 Info を使用するためのヘルプは,このマニュアルのSection 2.3 [GettingHelp]に記述してあります。 この節では,本マニュアルで使用されている表記方法について説明します。この節は読み飛ばしてもよいし,後で参照し直してもよい。 Octave コードの例は,svd (a) のようなフォントまたは形式で表す。引数や説明用の変数を表 すときは,first-number のようなフォントまたは形式で表す。シェルのプロンプトに打ち込むコ マンドは,‘octave --no-init-file’ のようなフォントまたは形式で表す。Octave のプロン プトに打ち込むコマンドは,foo --bar --baz のようなフォントまたは形式で表す。キーボー ド上の特定のキーを表すには,ANY のような形式です。 このマニュアルの例において,あなたが命令した結果は,‘⇒’ で示します。たとえば, とる。これは,「sqrt (2) は1.4142 と計算された」と読む。 場合によっては,条件式によって返される行列の値は,以下のように表示されます。 その他の場合には,行列は以下のように表示されます。 これは,結果の構造をはっきりと示すためです。 ときどき,ある表現を記述する手助けのため,同じ結果を返す別の表記をすることがあります。 全く等価な表現は,‘≡’ で示します。たとえば,以下のようになります。 このマニュアルに掲載した例の多くは,式が評価されたときに表示される文字列を表示しています。 このマニュアルにある例は,出力された文字列を‘ a ’ で示しています。式を評価するときに返される 値(以下の例では1)は,別の行に‘⇒’ で表示しています。 中にはエラーを返す例もあります。これは,通常はエラーメッセージを端末に表示します。エラーメッセージは,error: から始まる行で示します。 関数,コマンドおよび変数の解説は,このマニュアルでは同一の書式で記述しています。解説の最初の行は名前(関数名,コマンド名および変数名)に続いて,必要に応じて引数が含まれる。 カテゴリ,関数,変数などは,右端に表示します。次の行以降に解説が続き,時には例題も示します。 関数の解説において,関数名が最初に表れる。同じ行には,引数のリストが続いています。引数の名前は,解説中においても使用しています。 架空の関数foo の解説例です: 関数foo は,y からx を減じ,その結果に残りの引数を加算します。もしy が与えられなければ,かわりに標準状態で19 を使用します。 より一般には,以下のようになります。 その名前に型の名称を含む引数(たとえばinteger,integer1 あるいはmatrix)は,その型であることを期待しています。object と名付けた引数は,何らかの型となります。その他の種類の名前(たとえばnew file)は,関数の解説において具体的に論じています。ある節の中には,いくつかの関数に共通な引数の機能について,解説の最初に述べています。 Octave の関数は,いくつかの方式によって定義されています。関数についてのカテゴリ名は,関数が定義された方法を表す名称を表しています。これら付加的な情報は,以下のようなものです。 この表記のある関数は,C++,C あるいはFortran言語で書かれていて,コンパイル済みのOctave バイナリの一部です。 この表記のある関数は,C++,C あるいはFortran 言語で書かれています。ユーザが供給した関数のダイナミックリンクをサポートするシステムでは,Octave を実行している間に,必要なときにだけ自動的にリンクされます。Section 13.8 [Dynamically Linked Functions]を参照してください。 この表記のある関数は,Octave コマンドを使用して書かれており,テキストファイルに保存してあります。 Section 13.6 [Function Files]を参照してください。 この表記のある関数は,引数として与えた行列およびベクトルの,各要素に対してそれぞれ処理を行います。 コマンドの解説は,関数の説明と似た形式です。 ただ,‘関数’ が‘コマンド’ に置きかわっているだけです。 コマンドとは,引数をかっこでくくらないで呼び出す関数です。 たとえば,Octave のcd コマンドについての解説を示します。 現在の作業ディレクトリをdir に変更します。 たとえば,cd ~/octave は,現在の作業ディレクトリを‘~/octave’ に移動します。 もし,そのディレクトリが存在しないならば,エラーメッセージを表示し,作業ディレクトリは変更されない。 変数とは,値を保持することのできる名前です。任意の変数は,ユーザによってセットすることができますが,ユーザがOctave の挙動を変更することができるようにするために,形式的に組み込み変数(built-in variables)が存在します(組み込み変数は,ときどきユーザオプションとも呼ばれます)。 通常の変数および組み込み変数は,引数が無いことを除いて関数と同様の解説を行っています。 架空の組み込み変数do_what_i_mean_not_what_i_say. についての解説例を示します。 他の変数の解説は,同様の書式をとっています。 しかし,‘組み込み変数’ は通常の‘変数’,あるいは変更されない‘定数’ に置き換えられます。
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= 1 Octave の簡単な紹介 = このマニュアルは,GNU Octave の実行,インストール,移植およびバグ報告の方法について記したものです。 GNU Octave は高水準言語であり,主に数値計算向けの言語です。 このソフトウエアは,線形ならびに非線形問題を数値的に解き,他の数値実験を実行するための便利なコマンドラインインターフェースを備えています。 バッチ指向の言語として使用することもできます。 GNU Octave は自由に再配布できるソフトウエアでもあります。 あなたは,Free Software Foundationによって公開されているGNU General Public License の項の下で, このソフトウエア単体,あるいは改変したものを再配布、可能です。 GPL は,このマニュアルの付記F [Copying]に掲載してあります。 このドキュメントは,Octave のバージョン2.1.x 向けに書いてあります。 __TOC__ == 1.1 Octave の実行 == 多くのシステムにおいて,Octave を起動する方法は,シェルから‘octave’ とコマンドを入力することです。 Octaveは起動時メッセージを表示し,入力の受け付け準備ができたことを示すプロンプトを表示します。その後,すぐにOctave コマンドの入力を開始することができます。 もしトラブルが発生したなら,通常はキーボードからControl-C (以降は短縮してC-c と表記する)と入力することにより,Octave を中断することができます。C-c とは,見ての通り,CTRLキーを押しながらc を押すことを表す。これを実行すると,Octave のプロンプトに戻る。 Octave を終了するには,Octave のプロンプトからquitあるいはexit と打ち込みます。 ジョブコントロールをサポートするシステムにおいては,通常はC-z と入力してSIGTSTPシグナルを送ることにより,Octave をサスペンドすることができます。 == 1.2 簡単な例 == 以降の章においては,Octave の全機能について詳細に記述してあります。しかし,その前に,その機能のいくつかについて例を示すことが役立ちます。 もしOctave に初めて触れるなら,Octave を学び始めるために,ここに示す例を試すことをお勧めします。 :‘:octave:13>’ のように示した行は,実際に打ち込む行を表し,入力後に改行キーを押す。Octave は答えを返すか,グラフを表示します。 ===行列をつくる=== 新しい行列を作成して変数に格納しておけば,それを後から参照することができます。以下のコマンドを入力せよ。 :octave:1> a = [ 1, 1, 2; 3, 5, 8; 13, 21, 34 ] Octave は,きちんと列をそろえて,行列を表示してくれる。コマンドの終端にセミコロンをつけると,結果を画面に表示しない命令になります。たとえば, :octave:2> b = rand (3, 2); このコマンドは,3 行2 列の行列を作るものです。その各要素には,0 から1 までの範囲のランダムな数値がセットされます。 任意の変数の値を表示するためには,単に変数名を入力するだけです。 たとえば,行列b に格納された行列を表示すためには,以下のように入力します。 :octave:3> b === 行列 === Octave には,行列演算を行うための便利な演算子表記ができます。たとえば,行列aにスカラを乗じるには,以下のコマンドを入力します。 :octave:4> 2 * a ふたつの行列a とb を乗じるには,以下のコマンドを入力します。 :octave:5> a * b 積a<sup>T</sup>a, を計算するためには,以下のコマンドを入力します。 :octave:6> a' * a === 一次方程式を解く === 連立一次方程式ax = b を解くためには,左除算演算子‘\’ を使用します: :octave:7> a \ b これは,概念的にはa<sup>-1</sup>b, とすることと等しい。しかし,左除算演算子を使用することによって,逆行列を計算することが避けられます。 もし係数行列が特異ならば,Octave は警告メッセージを表示し,最小ノルム解を表示します。 === 微分方程式の積分 === Octave には,以下の形式の非線形微分方程式を解くための組み込み関数があります。 :dx/dt= f(x; t); x(t = t0) = x0 Octave にて,この形式の方程式を積分するためには,最初に関数の定義f(x; t) を提供しなければなりません。 これは簡単で,関数の本体をコマンドラインから入力することで遂行できます。 たとえば,以下のコマンドは,非線形微分方程式の面白いペアについて,右辺の関数を定義しています。 関数を入力している間は,入力が完成するまで待っていることを示す異なるプロンプトになることに注意します。 :octave:8> function xdot = f (x, t) :> :> r = 0.25; :> k = 1.4; :> a = 1.5; :> b = 0.16; :> c = 0.9; :> d = 0.8; :> :> xdot(1) = r*x(1)*(1 - x(1)/k) - a*x(1)*x(2)/(1 + b*x(1)); :> xdot(2) = c*a*x(1)*x(2)/(1 + b*x(1)) - d*x(2); :> :> endfunction 初期条件を入力します。 :x0 = [1; 2]; そして,出力時間を列ベクトルとして入力する(最初の出力時間は,上で入力した初期条件に対応したものであることに注意してください)。 :t = linspace (0, 50, 200)'; 微分方程式の組を積分することは簡単です: :x = lsode ("f", x0, t); この関数lsode は通常微分方程式に対するLivermore Solver を使用しています。これは,以下の文献に記述されています: :A. C. Hindmarsh, ODEPACK, a Systematized Collection of ODE Solvers, in: Scientific Computing, R. S. Stepleman et al. (Eds.), North-Holland, Amsterdam, 1983, pages 55-64. グラフ出力の実行前の例の解を,グラフで表示するためには,コマンド :plot (t, x) を使用します。 もしX Window System を使用しているならば,Ocatve は,プロットを表示するために自動的に別ウインドウを開く。 もし他のグラフィック関係のコマンドをサポートする端末を使用しているならば,使用している端末をOctave に教える必要があります。 サポートしている端末の種類のリストを見るには,以下のコマンドを入力します。 :gset term Octave は,グラフを表示するためにgnuplot を使用します。 そして,gnuplot がサポートする任意の端末において,画像を出力することができます。 plot コマンドの出力を,直接端末に送らずにファイルに取り込むには,以下のような一連のコマンドを使用することができます。 :gset term postscript :gset output "foo.ps" :replot これは,他の出力デバイスについても同様に働きます。Octave のgset コマンドは,現実には単にgnuplot サブプロセスにパイプしているだけです。その結果,いちど好みのプロットをスクリーンに表示すると,画像を印刷するのに適した出力ファイルを作成するため,これと同様の方法を実行することができます。 あるいは,以下のようなコマンドを使うことにより,中間ファイルを削除することができます。 :gset term postscript :gset output "|lpr -Pname_of_your_graphics_printer" :replot ===入力した内容の編集=== Octave のプロンプトでは,Emacs あるいはvi スタイルの編集コマンドにより,以前に入力したコマンドの再呼び出し,編集,再実行ができます。 標準状態のキー割り当てでは,Emacs スタイルのコマンドを使用します。たとえば,以前のコマンドを呼び出すには,Control-p(以降は,単にC-p と表記する)と打ち込む。 C-p とは,見ての通り,CTRL を押しながらp を押すことを表す。 これを行うことにより,以前の入力行を呼び戻すことができます。 C-n は,次の入力行に進めることになります。C-b はカーソルを行末に移動させ,C-f はカーソルを行頭に向けて移動させる。 このほかにも,いくつもキーが定義されています。 コマンドライン編集機能についての完全な記述は,このマニュアルのSection 2.4 [Command Line Editing]にあります。 ===ヘルプとドキュメント=== Octave は,豊富なヘルプ機能をもっています。印刷物として入手できるドキュメントは,Octave のプロンプトからも読むことができます。これは,両方の文書形式とも同じ入力ファイルから作成されているからです。 よいヘルプを得るためには,まず,あなたが使いたいコマンドの名前を知る必要があります。関数の名前は,必ずしも明らかではないかもしれません。 しかし,初心者にとって良い方法は,単にhelpと入力することです。 このコマンドは,すべての演算子,予約語,関数,組み込み変数および関数ファイルを表示します。 help コマンドの引数に名前を含めることによって,より多くのヘルプを得ることができます。たとえば, :help plot これは,plot 関数に対するヘルプ文章を表示します。 Octave では,長すぎて一画面に収まらない出力は,less やmore のようなページャに送ります。 1 行進めるにはRET,1 ページ進めるにはSPC,ページャを抜けるにはq を押します。 Octave 内から印刷マニュアルの完全な文章を読めるような,Octave のヘルプ機能の一部は,Infoと呼ばれる別のプログラムを使用します。Info を呼び出すとき,Octave のマニュアルを含むメニュー型プログラムに入る。 Info を使用するためのヘルプは,このマニュアルのSection 2.3 [GettingHelp]に記述してあります。 == 1.3 表記法 == この節では,本マニュアルで使用されている表記方法について説明します。この節は読み飛ばしてもよいし,後で参照し直してもよい。 === 1.3.1 フォント === Octave コードの例は,svd (a) のようなフォントまたは形式で表す。引数や説明用の変数を表 すときは,first-number のようなフォントまたは形式で表す。シェルのプロンプトに打ち込むコ マンドは,‘octave --no-init-file’ のようなフォントまたは形式で表す。Octave のプロン プトに打ち込むコマンドは,foo --bar --baz のようなフォントまたは形式で表す。キーボー ド上の特定のキーを表すには,ANY のような形式です。 === 1.3.2 命令結果の表記 === このマニュアルの例において,あなたが命令した結果は,‘&#8658;’ で示します。たとえば, :sqrt (2) :&#8658; 1.4142 とる。これは,「sqrt (2) は1.4142 と計算された」と読む。 場合によっては,条件式によって返される行列の値は,以下のように表示されます。 :[1, 2; 3, 4] == [1, 3; 2, 4] :&#8658; [ 1, 0; 0, 1 ] その他の場合には,行列は以下のように表示されます。 :eye (3) :&#8658; :1 0 0 :0 1 0 :0 0 1 これは,結果の構造をはっきりと示すためです。 ときどき,ある表現を記述する手助けのため,同じ結果を返す別の表記をすることがあります。 全く等価な表現は,‘≡’ で示します。たとえば,以下のようになります。 :rot90 ([1, 2; 3, 4], -1) :≡ :rot90 ([1, 2; 3, 4], 3) :≡ :rot90 ([1, 2; 3, 4], 7) === 1.3.3 出力の表記 === このマニュアルに掲載した例の多くは,式が評価されたときに表示される文字列を表示しています。 このマニュアルにある例は,出力された文字列を‘ a ’ で示しています。式を評価するときに返される 値(以下の例では1)は,別の行に‘&#8658;’ で表示しています。 :printf ("foo %s\n", "bar") :a foo bar :&#8658; 1 === 1.3.4 エラーメッセージ === 中にはエラーを返す例もあります。これは,通常はエラーメッセージを端末に表示します。エラーメッセージは,error: から始まる行で示します。 :struct_elements ([1, 2; 3, 4]) :error: struct_elements: wrong type argument `matrix' === 1.3.5 解説のフォーマット === 関数,コマンドおよび変数の解説は,このマニュアルでは同一の書式で記述しています。解説の最初の行は名前(関数名,コマンド名および変数名)に続いて,必要に応じて引数が含まれる。 カテゴリ,関数,変数などは,右端に表示します。次の行以降に解説が続き,時には例題も示します。 ==== 1.3.5.1 簡単な関数の解説 ==== 関数の解説において,関数名が最初に表れる。同じ行には,引数のリストが続いています。引数の名前は,解説中においても使用しています。 架空の関数foo の解説例です: :foo (x, y, . . . )           [Function] 関数foo は,y からx を減じ,その結果に残りの引数を加算します。もしy が与えられなければ,かわりに標準状態で19 を使用します。 :foo (1, [3, 5], 3, 9) :&#8658; [ 14, 16 ] :foo (5) :&#8658; 14 より一般には,以下のようになります。 :foo (w, x, y, ...) :≡ :x - w + y + ... その名前に型の名称を含む引数(たとえばinteger,integer1 あるいはmatrix)は,その型であることを期待しています。object と名付けた引数は,何らかの型となります。その他の種類の名前(たとえばnew file)は,関数の解説において具体的に論じています。ある節の中には,いくつかの関数に共通な引数の機能について,解説の最初に述べています。 Octave の関数は,いくつかの方式によって定義されています。関数についてのカテゴリ名は,関数が定義された方法を表す名称を表しています。これら付加的な情報は,以下のようなものです。 ===== Built-in Function ===== この表記のある関数は,C++,C あるいはFortran言語で書かれていて,コンパイル済みのOctave バイナリの一部です。 ===== Loadable Function ===== この表記のある関数は,C++,C あるいはFortran 言語で書かれています。ユーザが供給した関数のダイナミックリンクをサポートするシステムでは,Octave を実行している間に,必要なときにだけ自動的にリンクされます。Section 13.8 [Dynamically Linked Functions]を参照してください。 ===== Function File ===== この表記のある関数は,Octave コマンドを使用して書かれており,テキストファイルに保存してあります。 Section 13.6 [Function Files]を参照してください。 ===== Mapping Function ===== この表記のある関数は,引数として与えた行列およびベクトルの,各要素に対してそれぞれ処理を行います。 ==== 1.3.5.2 簡単なコマンドの解説 ==== コマンドの解説は,関数の説明と似た形式です。 ただ,‘関数’ が‘コマンド’ に置きかわっているだけです。 コマンドとは,引数をかっこでくくらないで呼び出す関数です。 たとえば,Octave のcd コマンドについての解説を示します。 :cd dir [Command] :chdir dir [Command] 現在の作業ディレクトリをdir に変更します。 たとえば,cd ~/octave は,現在の作業ディレクトリを‘~/octave’ に移動します。 もし,そのディレクトリが存在しないならば,エラーメッセージを表示し,作業ディレクトリは変更されない。 ==== 1.3.5.3 簡単な変数の解説 ==== 変数とは,値を保持することのできる名前です。任意の変数は,ユーザによってセットすることができますが,ユーザがOctave の挙動を変更することができるようにするために,形式的に組み込み変数(built-in variables)が存在します(組み込み変数は,ときどきユーザオプションとも呼ばれます)。 通常の変数および組み込み変数は,引数が無いことを除いて関数と同様の解説を行っています。 架空の組み込み変数do_what_i_mean_not_what_i_say. についての解説例を示します。 do_what_i_mean_not_what_i_say [Built-in Variable] もしこの変数がゼロでないならば,たとえあなたが完全に間違っていて意味のないコマンドリストを 入力したとしても,Octave はあなたが本当にやりたかったことを実行します。 他の変数の解説は,同様の書式をとっています。 しかし,‘組み込み変数’ は通常の‘変数’,あるいは変更されない‘定数’ に置き換えられます。 [[Category:GNU Octave|2.1.x にほんこまにゆある Octaveのかんたんなしようかい]]
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2015-08-07T11:19:39Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/GNU_Octave_2.1.x_%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E3%83%9E%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%82%A2%E3%83%AB/Octave%E3%81%AE%E7%B0%A1%E5%8D%98%E3%81%AA%E7%B4%B9%E4%BB%8B
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Haskell/Zippers
「テセウス、何か手を打たなければならない。」ホメロス...Ancient Geeks株式会社の営業部部長は言った。テセウスはミノタウロスアクションフィギュアTMを後ろの棚に入れてうなずいた。「今の子供たちはもはや古代神話に興味を持っていない、彼らはスパイダーマンやスポーンのような現代ヒーローが好きなんだ。」ヒーロー。テセウスは、迷宮からクレタ島に戻った英雄だったから、どのくらいのものかをよく知っていた。しかし「現代ヒーロー」たちは現実的に現れるようなことはしなかった。何が彼らの勝因だったのか?とにかく、未払い金の問題が解決できなかった場合、株主たちはステュクス河を渡ってきてAncient Geeks株式会社を整理するだろう。 「閃いたぞ!テセウス、良い案がある!君のミノタウロスとの戦いの物語をコンピューターゲームにするんだ!どうだい?」ホメロスは正しかった。何冊かの本、叙事詩の歌(ヒットチャートは総なめ)、必須の映画三部作、そして数え切れないテセウスとミノタウロスTMのギミックは出してきた。しかしコンピューターゲームは盲点だった。「完璧だよ。テセウス、すぐにゲームの開発に取りかかるんだ。」 真の英雄、テセウスは会社の命運を賭けた製品の開発言語にHaskellを選択した。もちろん、迷宮のミノタウロスを見つけ出すのがこのゲームの売りの一つになった。彼は熟考した。「二次元の迷宮はいろいろな方向に進むことができる。角度や距離といった詳細も抽象化できないとな。脱出方法を見つけるために、経路がどのように分かれるかを知っておく必要があるな。シンプルさを維持するには、迷宮は木構造をモデルにしよう。これなら、どこまで深く歩いても二股が再び合流することはないからプレイヤーが同じ所をぐるぐる廻ることはない。しかし、迷子になる機会は十分あるとおもう。それにヘビープレイヤーなら、左手の法則で迷路全体を探索することができる。」 テセウスは迷路のノードにパラメータを運ぶa型を追加して作り上げた。後で、ここにはノードが指定する座標、その周辺の雰囲気、床の上に落ちているアイテムのリスト、迷宮を彷徨うモンスターのような、ゲーム関連の情報を保持することができる。Node aの全てのコンストラクタの最初の引数に格納されている、a型の値を変更したり取得したりする二つのヘルパー関数を仮定しよう。 「むむー、迷宮内のプレイヤーの現在位置はどのように表現しよう?プレイヤーは分岐を左か右のどちらへ進むか選択して深くへ潜っていけるとすると、こんな感じか」 「しかし、現在の迷宮のトップをサブ迷宮で置き換える方法は使えないな。戻れなくなってしまう。」彼は熟考した。「ああ、戻るためにはアリアドネの糸のトリックが使えるな。プレイヤーの位置を「辿ってきた分岐のリスト」にすれば単純に表現できる。「分岐のリスト」の糸を辿って戻ることもできるし、迷路は常に同じままだ。」 「例えば、[TurnRight,KeepStraightOn]という糸は、プレイヤーがエントランスから右へ分岐して、その後Passageをまっすぐ進んで現在の位置に辿り着いたということを意味する。糸をプレイヤーが伸ばしたり短くしたりすることによって迷路を探索することができる。具体的には、turnRight関数はTurnRightを追加することによって糸を伸ばす。」 「アイテムのようなゲームに関連する追加のデータにアクセスするには、単純に糸から迷路に従えばいい。」 この解決策はテセウスが満足するに至らなかった。「なんてこった、経路を伸ばしたり戻ったりする場合、リストの最後の要素を変更しなければならないじゃないか。リストを逆順に格納することはできるが、今度は迷宮内のプレイヤーの位置にアクセスするために何度も何度も糸を辿らないといけない。どちらのアクションも、糸の長さに比例した時間がかかってしまう。大規模な迷路ならこれはあまりにも長すぎる。他に方法はないのか?」 テセウスは熟練した戦士だったが、プログラミング技術を修練したわけではなかったので、満足のいく解決策を見つけることはできなかった。強烈ながらも無益な思考の後に、以前愛したアリアドネに電話して助言を求めることにした。結局のところ、糸のアイディアを持っていたのは彼女だったからだ。 "アリアドネコンサルティングです。ご用件を伺います" 我らが英雄はその声をすぐさま理解した。 「やあ、アリアドネ、テセウスだ。」 気まずい沈黙が会話を停止させた。彼女をナクソス島に捨てたテセウスが何故電話してきたのか理解していない事を思い出した。しかし、ハデスの道を逝くAncent Geeks株式会社、彼に選択の余地はなかった。 「ぁあ...、最愛の人、...元気だったかい?」 アリアドネは冷たい反応を返した。"テセウスさん、今更”最愛の人”?何がしたいの?" 「えぇっと...、実は...実はな。プログラミングの問題で助けが必要なんだ。新しいコンピューターゲーム『テセウスとミノタウロスTM』をプログラミング中なんだ。」 彼女はあざけ笑った。"また別の芸術であなたの”英雄的存在”を美化するの?全て人々を助けるあなたが、私の助けを欲しいと?" 「アリアドネ、どうか頼む。Ancient Geeks株式会社は破産の危機にひんしている。このゲームが最後の望みなんだ!」 少し待った後、彼女は決定を下した。 "いいでしょう、手を貸します。ただしAncient Geeks株式会社からかなりの部分を売却して頂きます。30%ってとこかしら。" テセウスは青ざめた。しかし他に何が出来るだろうか?状況は十分ひっ迫していたので、彼はアリアドネの取り分を10%で交渉し合意した。 テセウスが、彼が念頭に置いていた迷宮の表現をアリアドネに語ると、彼女はすぐさまアドバイスをくれた。 "あなたが必要なのはzipperね。" 「えっ?私の"社会の窓"に何か問題があるのかい?」 "何も。このデータ構造はGérard Huetによって最初に発表されたわ。" 「へえ」 "より正確には、リストや二分木のようなツリー型データ構造に対して、純粋に関数的な方法で焦点を当てたり、データ構造内のサブツリーの一点を指して、定数時間で更新や参照を可能にする方法ね。。私たちの場合では、プレイヤーの位置に焦点を当てましょう。" 「高速な更新が必要なことはわかっているけど、どのようにコーディングしたらいいんだい?」 "せっかちね、コーディングによって問題を解決することはできないわ。あなたの思考だけが問題を解決できるの。 純粋関数型のデータ構造で定数時間で更新できるのは最上位ノードだけね。だから焦点は必ず最上部にする必要があるわ。現在、あなたの迷宮の最上位ノードは常に入り口だけど、あなたが以前思いついたサブ迷宮で置き換えるアイディアはプレイヤーの位置が最上位ノードであることを保証します。" 「けど、問題はどうやって戻ればいいんだい?サブ迷宮はプレイヤーがどう分岐してきたかが全て失われてしまう。」 "えーと、サブ迷宮サブ迷宮を失わないために糸が使えるわ。" アリアドネはテセウスが困惑するのを満喫できましたが、彼が既にアリアドネの糸を使用したことに不満を言う隙を与えず、 "鍵は糸にサブ迷宮をくっつけること、実際にはまったく失われないようにね。この意図は、糸と現在のサブ迷宮をお互いに補完させて迷宮全体とするの。サブ迷宮は'現在'プレイヤーが立っている場所を意味します。zipperは単純に糸と現在のサブ迷宮で構成されています。" テセウスは何も言わなかった。 "また、現在のサブ迷宮が置かれている糸のコンテキストを表示することができるわ。ところで、Threadはサブ迷宮を格納するためにaという追加パラメータを取る必要があるわね。糸はまだ単純な分岐のリストだけど、分岐は以前とは異なっているわ。" "もっとも重要なのは、TurnLeftとTurnRightはサブ迷宮をくっつけるということ。プレイヤーが右へ曲がる時、TurnRightと今は辿れない左の分岐を取り付けて糸を拡張し、それが失われないようにしなければ。" テセウスが遮った、「待ってくれ、turnRightのような関数をどのように実装したらいいんだ?TurnRightの最初の引数の型aは何にすればいいんだ?あぁ、わかった。失われてしまう分岐はくっつける必要はないが、Forkの追加データも同様に失われてしまう。けど、予備を使って新しい分岐を生成できる。 「何らかの方法で既存の糸を拡張する必要があるな。」 "確かに。第二のポイントは糸に新しい分岐を追加するときは後ろから入れていくことよ。伸ばすときは新しい分岐をリストの前面に置く。戻るには最初の要素を削除すればいいわね。" なるほど、これは伸ばすときと戻るときだけ定数時間になって、以前のバージョンのような長さに比例した時間がかかることはないわけだ。だからturnRightの最終バージョンは...」 「これは簡単だった。よし、続けて回廊を真っ直ぐ進むkeepStraightOnに取りかかろう。これは追加のデータを維持するのが必要な分岐の選択よりも簡単だ。」 嬉しそうに彼は続け、「しかし興味深いのは戻っていくときだな。やってみよう...」 「もし糸が空なら、まだ迷宮の入り口で戻ることはできない。それ以外の場合は、糸を巻かなければならない。糸につなげたおかげで、実際に来た道からサブ迷宮を再構築することができる。」 アリアドネが言った。"部分テストは、左側のx、l、rのような各束縛変数が右辺に一度だけ現れているか確認するためであることに注意して。だから、zipperを上下に歩くとき、糸と現在のサブ迷宮を再配布するだけでいいわ。" わかったぞ!これは一部をアリアドネコンサルティングに売却したとしても、Ancient Geeks株式会社が優先すべき、テセウスが求めていた解決策だった。しかし一つだけ疑問が残った。 「なんでzipperと呼ばれているんだ?」 "そうね、'アリアドネの真珠のネックレス'と呼ぶべきでしょうね。でもたいていの場合で、zipperと呼ばれるのは衣服のチャックの開いている部分を糸、閉じている部分をサブ迷宮とするアナロジーね。データ構造内の移動がチャックを上げ下げするのに似ているから。" 「アリアドネの真珠のネックレス、ね...。」彼は軽蔑を向けた。「君の糸に助けられたよ。クレタ島の時のように」 "あのときの糸のアイディアはあなた次第で、"彼女は答えた。 「フン、もう糸は必要ない。」 彼の驚いたことに、彼女は同意して、"そうね、確かにもう糸は必要ないわね。別の視点では文字通り指差した木の焦点を掴んで下から持ち上げることね。焦点が上になって他の全ての枝は垂れ下がる。結果、木に適合する代数的データ型はzipperになる可能性が最も高いわね。" 「ああ。」彼はアリアドネの糸はもう必要としていないが、アリアドネは必要だという事を伝えようとしている?その言葉はあまりに饒舌だった。 「ありがとう、アリアドネ。元気で」 電話を介していて直接見ることはできなかったが、彼女は作り笑いを隠さなかった。 半年が過ぎ、テセウスはショッピングウィンドウの前で立ち止まった。冷たい雨に逆らうため防寒着のフードを被った。点滅する文字が告げていたのは...。 - 糸の迷宮から君の方法を見つけ出せ - Ancient Geeks株式会社が送る最高のコンピューターゲーム 彼はアリアドネに電話した日を呪って、会社の一部を彼女に売却した。 WineOS社による不自然な敵対的買収は彼女の仕業だったのだろうか。アリアドネの夫ディオニソスが率いていたのだろうか?テセウスはガラス窓の下に落ちる雨を見つめた。生産ラインが変更されれば、もう誰もミノタウロスTMとテセウスの商品を生産しないだろう。彼はため息をついた。彼の時間、英雄の時間は終わりを告げた。今はスーパーヒーローの時代が来たのだ。 前のセクションでzipperを提示したが、別のサブツリーに焦点を当てる事ができる指で、ツリーのようなデータ構造Node aを強化する方法がある。特定のデータ構造Node aのzipperを構築子ながら、異なる木構造をつなげて構築することは手で簡単に行うことができる。 しかし任意の(適切な正規の)データ型のzipperは機械的に導出することもできる。驚くべき事に、「導出(derive)」は文字通りの意味で、zipperはデータ型の導関数(derivative)によって得ることが出来る。最初の発見はConor McBrideによって述べられた。以降のセクションでは、この本当にすばらしい数学の宝石を解明しよう。 体系的な構成のため、私たちは型の計算が必要になる。型の構造的な計算の基礎はGeneric Programmingの章で概説されており、この素材に大きく頼っている。 zipperが共通に持っているものと、どのように微分を仄めかしているのかを理解するためにいくつかの例を見ていこう。二分木の型は再帰式の不動点で、 木を渡り歩くとき、左または右のサブツリーに入ることを繰り返し選択し、アリアドネの糸には入らなかった方のサブツリーをくっつける。したがって、糸の枝は次の型を持つ。 同様に、三分木 は次のような型の枝を持つ。 なぜなら全ての段階で、3つのサブツリーを選択でき、入らなかった二つのサブツリーを格納しなければならない。これは微分 d d x x 2 = 2 × x {\displaystyle {\frac {d}{dx}}x^{2}=2\times x} や d d x x 3 = 3 × x 2 {\displaystyle {\frac {d}{dx}}x^{3}=3\times x^{2}} とは似ても似つかないと思うだろうか? 謎を解く鍵は、データ構造のワンホールコンテキスト(one-hole context)の概念だ。 X {\displaystyle X} 型をパラメタライズしたデータ構造、 T r e e X {\displaystyle {\mathit {Tree}}\,X} 型のようなものを想像しよう。この X {\displaystyle X} 型の要素を構造から一つ削除して、なんらかの方法でその位置を空とマークした場合、「マークした穴(hole)」とデータ構造を得られる。結果は「ワンホールコンテキスト」と呼ばれ、「穴」に X {\displaystyle X} 型の要素を挿入すると完全に満たされた T r e e X {\displaystyle {\mathit {Tree}}\,X} が戻ってくる。「穴」は、位置の識別、焦点の役割を果たす。図でこれを説明しよう。 もちろん、我々の興味はワンホールコンテキストに与える型、すなわちHaskellでこれをどのように表現するかだ。問題は焦点を効率よくマークするにはどうしたらいいだろうか。しかし我々が見るように、型の構造に関する帰納法によってワンホールコンテキストの表現を見つけだし、効率的なデータ型につながるワンホールコンテキストを自動的に取得したいと思う。さて、データ構造 F X {\displaystyle F\,X} と関手 F {\displaystyle F} 、そして引数の型 X {\displaystyle X} を与えよう。 ∂ F {\displaystyle \partial F} という表記法を選択する理由は既におわかりと思うが、ワンホールコンテキストの加法、乗法、合成の法則は、まさに微分におけるライプニッツ則である。 もちろん、穴を埋める関数plugの型は ( ∂ F X ) × X → F X {\displaystyle (\partial F\,X)\times X\to F\,X} を持つ。 これまでのところ、 ∂ {\displaystyle \partial } という構文は異なる関手を表している。すなわち、一つの引数を持つ型関数の種(kind)である。しかし、計算のためにもう少し適した ∂ X {\displaystyle \partial _{X}} という表記法もある。添え字は微分したい変数を表している。一般には である。例を挙げると以下のようになる。 もちろん、 ∂ X {\displaystyle \partial _{X}} は単にポイントワイズで、 ∂ {\displaystyle \partial } はポイントフリースタイルである。 上記の規則で再帰的データ型 μ F := μ X . F X {\displaystyle \mu F:=\mu X.\,F\,X} のzipperを構築することができる。ここで F {\displaystyle F} は多項式関手(polynomial functor)である。Zipperは特定のサブツリーに焦点を移す。すなわち、大きな木構造の内側は同じ種類の μ F {\displaystyle \mu F} 型のサブ構造である。前章のように、焦点を向けたい場所のサブツリーと糸、これはサブツリーが格納されているコンテキストだが、この二つによって表現することが出来る。 今、コンテキストは F μ F {\displaystyle F\,\mu F} の中から選択した特定のサブツリー μ F {\displaystyle \mu F} の各手順である。したがって、選ばなかったサブツリーはワンホールコンテキスト ∂ F ( μ F ) {\displaystyle \partial F\,(\mu F)} と一緒に回収される。このコンテキストの穴は選択したサブツリーから削除しながら帰ってくる。置くことも一緒で、 を得る。または同じ事だが 具体的な計算過程がどのようになるかを説明するために、体系的に迷宮データ型のzipperを構築しよう。 この再帰型は次のような不動点である。 この関手は次のようなものだ。 言い換えると、 微分で読むと、 そして次を得る。 したがって、コンテキストで読むと、 前章のものと比べてみると、 期待通り両者が全く同じものであることがわかるだろう! ワンホールコンテキストの型を見つけるときの一つはd f(x)/d xを行うことである。それは、d f(x)/d g(x)のような式を完全に解くことが可能だ。 例えば、d x^4 / d x^2は2x^2を与えて解くと、4つのタプルの2ホールコンテキストである。導関数は次のようなものである。 u=x^2と置くと、 d x^4 / d x^2 = d u^2 /d u = 2u = 2 x^2 しかし一般的には、zipperとワンホールコンテキストは異なるもので表される。zipperは勝手なサブツリーの焦点である一方、ワンホールコンテキストは型構築子の引数にだけ焦点を当てることができる。次のデータ型を例に取ろう。 ここで不動点は次の通りである。 zipperはサブツリーのトップであるBinやLeafに焦点を当てることが出来るが、 T r e e A {\displaystyle {\mathit {Tree}}\,A} のワンホールコンテキストの穴はLeafだけに焦点を当てるだろう。なぜなら、これは A {\displaystyle A} 型の要素が存在しているからだ。 N o d e A {\displaystyle {\mathit {Node}}\,A} の導関数はサブツリーの全てのトップが常に A {\displaystyle A} で飾られているので、zipperであることが判明する。 離散的な状況の中で現れた計算からの規則でどうしてこのようなことが起こるのか、という問いでこのセクションを閉じよう。現在のところ、この答えを知るものはいない。しかし少なくとも、”一度限り”という意味での線形には離散的な概念が存在する。ワンホールコンテキストの穴に X {\displaystyle X} を差し込む関数の主な特徴は、要素が一度限りしか使われないという事実、すなわち線形ということだ。我々は次のような型を持つ差し込み写像として考えることが出来る。 ここで、 A ⊸ B {\displaystyle A\multimap B} は、その引数を無視したり複製したりしない線形論理としての線形関数(liner function)を表している。ある意味では、ワンホールコンテキストは関数空間 X ⊸ F X {\displaystyle X\multimap F\,X} を表現したもので、これは X → F X {\displaystyle X\to F\,X} に線形近似されていると考えることが出来る。
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"p", "text": "しかし任意の(適切な正規の)データ型のzipperは機械的に導出することもできる。驚くべき事に、「導出(derive)」は文字通りの意味で、zipperはデータ型の導関数(derivative)によって得ることが出来る。最初の発見はConor McBrideによって述べられた。以降のセクションでは、この本当にすばらしい数学の宝石を解明しよう。", "title": "データ型の微分" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "体系的な構成のため、私たちは型の計算が必要になる。型の構造的な計算の基礎はGeneric Programmingの章で概説されており、この素材に大きく頼っている。", "title": "データ型の微分" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "zipperが共通に持っているものと、どのように微分を仄めかしているのかを理解するためにいくつかの例を見ていこう。二分木の型は再帰式の不動点で、", "title": "データ型の微分" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "", "title": "データ型の微分" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "木を渡り歩くとき、左または右のサブツリーに入ることを繰り返し選択し、アリアドネの糸には入らなかった方のサブツリーをくっつける。したがって、糸の枝は次の型を持つ。", "title": "データ型の微分" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "", "title": "データ型の微分" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "同様に、三分木", "title": "データ型の微分" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "は次のような型の枝を持つ。", "title": "データ型の微分" }, { "paragraph_id": 32, "tag": "p", "text": "なぜなら全ての段階で、3つのサブツリーを選択でき、入らなかった二つのサブツリーを格納しなければならない。これは微分 d d x x 2 = 2 × x {\\displaystyle {\\frac {d}{dx}}x^{2}=2\\times x} や d d x x 3 = 3 × x 2 {\\displaystyle {\\frac {d}{dx}}x^{3}=3\\times x^{2}} とは似ても似つかないと思うだろうか?", "title": "データ型の微分" }, { "paragraph_id": 33, "tag": "p", "text": "謎を解く鍵は、データ構造のワンホールコンテキスト(one-hole context)の概念だ。 X {\\displaystyle X} 型をパラメタライズしたデータ構造、 T r e e X {\\displaystyle {\\mathit {Tree}}\\,X} 型のようなものを想像しよう。この X {\\displaystyle X} 型の要素を構造から一つ削除して、なんらかの方法でその位置を空とマークした場合、「マークした穴(hole)」とデータ構造を得られる。結果は「ワンホールコンテキスト」と呼ばれ、「穴」に X {\\displaystyle X} 型の要素を挿入すると完全に満たされた T r e e X {\\displaystyle {\\mathit {Tree}}\\,X} が戻ってくる。「穴」は、位置の識別、焦点の役割を果たす。図でこれを説明しよう。", "title": "データ型の微分" }, { "paragraph_id": 34, "tag": "p", "text": "もちろん、我々の興味はワンホールコンテキストに与える型、すなわちHaskellでこれをどのように表現するかだ。問題は焦点を効率よくマークするにはどうしたらいいだろうか。しかし我々が見るように、型の構造に関する帰納法によってワンホールコンテキストの表現を見つけだし、効率的なデータ型につながるワンホールコンテキストを自動的に取得したいと思う。さて、データ構造 F X {\\displaystyle F\\,X} と関手 F {\\displaystyle F} 、そして引数の型 X {\\displaystyle X} を与えよう。 ∂ F {\\displaystyle \\partial F} という表記法を選択する理由は既におわかりと思うが、ワンホールコンテキストの加法、乗法、合成の法則は、まさに微分におけるライプニッツ則である。", "title": "データ型の微分" }, { "paragraph_id": 35, "tag": "p", "text": "もちろん、穴を埋める関数plugの型は ( ∂ F X ) × X → F X {\\displaystyle (\\partial F\\,X)\\times X\\to F\\,X} を持つ。", "title": "データ型の微分" }, { "paragraph_id": 36, "tag": "p", "text": "これまでのところ、 ∂ {\\displaystyle \\partial } という構文は異なる関手を表している。すなわち、一つの引数を持つ型関数の種(kind)である。しかし、計算のためにもう少し適した ∂ X {\\displaystyle \\partial _{X}} という表記法もある。添え字は微分したい変数を表している。一般には", "title": "データ型の微分" }, { "paragraph_id": 37, "tag": "p", "text": "である。例を挙げると以下のようになる。", "title": "データ型の微分" }, { "paragraph_id": 38, "tag": "p", "text": "もちろん、 ∂ X {\\displaystyle \\partial _{X}} は単にポイントワイズで、 ∂ {\\displaystyle \\partial } はポイントフリースタイルである。", "title": "データ型の微分" }, { "paragraph_id": 39, "tag": "p", "text": "", "title": "データ型の微分" }, { "paragraph_id": 40, "tag": "p", "text": "上記の規則で再帰的データ型 μ F := μ X . F X {\\displaystyle \\mu F:=\\mu X.\\,F\\,X} のzipperを構築することができる。ここで F {\\displaystyle F} は多項式関手(polynomial functor)である。Zipperは特定のサブツリーに焦点を移す。すなわち、大きな木構造の内側は同じ種類の μ F {\\displaystyle \\mu F} 型のサブ構造である。前章のように、焦点を向けたい場所のサブツリーと糸、これはサブツリーが格納されているコンテキストだが、この二つによって表現することが出来る。", "title": "データ型の微分" }, { "paragraph_id": 41, "tag": "p", "text": "今、コンテキストは F μ F {\\displaystyle F\\,\\mu F} の中から選択した特定のサブツリー μ F {\\displaystyle \\mu F} の各手順である。したがって、選ばなかったサブツリーはワンホールコンテキスト ∂ F ( μ F ) {\\displaystyle \\partial F\\,(\\mu F)} と一緒に回収される。このコンテキストの穴は選択したサブツリーから削除しながら帰ってくる。置くことも一緒で、", "title": "データ型の微分" }, { "paragraph_id": 42, "tag": "p", "text": "を得る。または同じ事だが", "title": "データ型の微分" }, { "paragraph_id": 43, "tag": "p", "text": "具体的な計算過程がどのようになるかを説明するために、体系的に迷宮データ型のzipperを構築しよう。", "title": "データ型の微分" }, { "paragraph_id": 44, "tag": "p", "text": "", "title": "データ型の微分" }, { "paragraph_id": 45, "tag": "p", "text": "この再帰型は次のような不動点である。", "title": "データ型の微分" }, { "paragraph_id": 46, "tag": "p", "text": "この関手は次のようなものだ。", "title": "データ型の微分" }, { "paragraph_id": 47, "tag": "p", "text": "言い換えると、", "title": "データ型の微分" }, { "paragraph_id": 48, "tag": "p", "text": "微分で読むと、", "title": "データ型の微分" }, { "paragraph_id": 49, "tag": "p", "text": "そして次を得る。", "title": "データ型の微分" }, { "paragraph_id": 50, "tag": "p", "text": "したがって、コンテキストで読むと、 前章のものと比べてみると、", "title": "データ型の微分" }, { "paragraph_id": 51, "tag": "p", "text": "期待通り両者が全く同じものであることがわかるだろう!", "title": "データ型の微分" }, { "paragraph_id": 52, "tag": "p", "text": "", "title": "データ型の微分" }, { "paragraph_id": 53, "tag": "p", "text": "ワンホールコンテキストの型を見つけるときの一つはd f(x)/d xを行うことである。それは、d f(x)/d g(x)のような式を完全に解くことが可能だ。 例えば、d x^4 / d x^2は2x^2を与えて解くと、4つのタプルの2ホールコンテキストである。導関数は次のようなものである。", "title": "データ型の微分" }, { "paragraph_id": 54, "tag": "p", "text": "u=x^2と置くと、", "title": "データ型の微分" }, { "paragraph_id": 55, "tag": "p", "text": "d x^4 / d x^2 = d u^2 /d u = 2u = 2 x^2", "title": "データ型の微分" }, { "paragraph_id": 56, "tag": "p", "text": "しかし一般的には、zipperとワンホールコンテキストは異なるもので表される。zipperは勝手なサブツリーの焦点である一方、ワンホールコンテキストは型構築子の引数にだけ焦点を当てることができる。次のデータ型を例に取ろう。", "title": "データ型の微分" }, { "paragraph_id": 57, "tag": "p", "text": "ここで不動点は次の通りである。", "title": "データ型の微分" }, { "paragraph_id": 58, "tag": "p", "text": "zipperはサブツリーのトップであるBinやLeafに焦点を当てることが出来るが、 T r e e A {\\displaystyle {\\mathit {Tree}}\\,A} のワンホールコンテキストの穴はLeafだけに焦点を当てるだろう。なぜなら、これは A {\\displaystyle A} 型の要素が存在しているからだ。 N o d e A {\\displaystyle {\\mathit {Node}}\\,A} の導関数はサブツリーの全てのトップが常に A {\\displaystyle A} で飾られているので、zipperであることが判明する。", "title": "データ型の微分" }, { "paragraph_id": 59, "tag": "p", "text": "離散的な状況の中で現れた計算からの規則でどうしてこのようなことが起こるのか、という問いでこのセクションを閉じよう。現在のところ、この答えを知るものはいない。しかし少なくとも、”一度限り”という意味での線形には離散的な概念が存在する。ワンホールコンテキストの穴に X {\\displaystyle X} を差し込む関数の主な特徴は、要素が一度限りしか使われないという事実、すなわち線形ということだ。我々は次のような型を持つ差し込み写像として考えることが出来る。", "title": "データ型の微分" }, { "paragraph_id": 60, "tag": "p", "text": "ここで、 A ⊸ B {\\displaystyle A\\multimap B} は、その引数を無視したり複製したりしない線形論理としての線形関数(liner function)を表している。ある意味では、ワンホールコンテキストは関数空間 X ⊸ F X {\\displaystyle X\\multimap F\\,X} を表現したもので、これは X → F X {\\displaystyle X\\to F\\,X} に線形近似されていると考えることが出来る。", "title": "データ型の微分" }, { "paragraph_id": 61, "tag": "p", "text": "", "title": "データ型の微分" } ]
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{{Haskell minitoc|chapter=Advanced Haskell}} == テセウスとZipper == === 迷宮 === 「テセウス、何か手を打たなければならない。」ホメロス…Ancient Geeks株式会社の営業部部長は言った。テセウスはミノタウロスアクションフィギュア™を後ろの棚に入れてうなずいた。「今の子供たちはもはや古代神話に興味を持っていない、彼らはスパイダーマンやスポーンのような現代ヒーローが好きなんだ。」''ヒーロー''。テセウスは、迷宮からクレタ島に戻った英雄<ref>Ian Stewart. ''The true story of how Theseus found his way out of the labyrinth''. Scientific American, February 1991, page 137.</ref>だったから、どのくらいのものかをよく知っていた。しかし「現代ヒーロー」たちは現実的に現れるようなことはしなかった。何が彼らの勝因だったのか?とにかく、未払い金の問題が解決できなかった場合、株主たちはステュクス河を渡ってきてAncient Geeks株式会社を整理するだろう。 「閃いたぞ!テセウス、良い案がある!君のミノタウロスとの戦いの物語をコンピューターゲームにするんだ!どうだい?」ホメロスは正しかった。何冊かの本、叙事詩の歌(ヒットチャートは総なめ)、必須の映画三部作、そして数え切れないテセウスとミノタウロス™のギミックは出してきた。しかしコンピューターゲームは盲点だった。「完璧だよ。テセウス、すぐにゲームの開発に取りかかるんだ。」 真の英雄、テセウスは会社の命運を賭けた製品の開発言語にHaskellを選択した。もちろん、迷宮のミノタウロスを見つけ出すのがこのゲームの売りの一つになった。彼は熟考した。「二次元の迷宮はいろいろな方向に進むことができる。角度や距離といった詳細も抽象化できないとな。脱出方法を見つけるために、経路がどのように分かれるかを知っておく必要があるな。シンプルさを維持するには、迷宮は木構造をモデルにしよう。これなら、どこまで深く歩いても二股が再び合流することはないからプレイヤーが同じ所をぐるぐる廻ることはない。しかし、迷子になる機会は十分あるとおもう。それにヘビープレイヤーなら、左手の法則で迷路全体を探索することができる。」 data Node a = DeadEnd a | Passage a (Node a) | Fork a (Node a) (Node a) [[Image:Labyrinth-Tree.png|center|frame|迷宮とその木構造による表現の例]] テセウスは迷路のノードにパラメータを運ぶ<code>a</code>型を追加して作り上げた。後で、ここにはノードが指定する座標、その周辺の雰囲気、床の上に落ちているアイテムのリスト、迷宮を彷徨うモンスターのような、ゲーム関連の情報を保持することができる。<code>Node a</code>の全てのコンストラクタの最初の引数に格納されている、<code>a</code>型の値を変更したり取得したりする二つのヘルパー関数を仮定しよう。 get :: Node a -> a put :: a -> Node a -> Node a {{Exercises|1= # <code>get</code>と<code>put</code>を実装せよ。<code>get</code>の実装の一つは以下のようになる。<br><code>get (Passage x _) = x</code>。 # 具体的な例を得るために、<code>Node (Int,Int)</code>の値を図にして迷路を表示するコードを書け。追加のパラメータ<code>(Int,Int)</code>はノードのデカルト座標系を保持するものとする。}} 「むむー、迷宮内のプレイヤーの現在位置はどのように表現しよう?プレイヤーは分岐を左か右のどちらへ進むか選択して深くへ潜っていけるとすると、こんな感じか」 turnRight :: Node a -> Maybe (Node a) turnRight (Fork _ l r) = Just r turnRight _ = Nothing 「しかし、現在の迷宮のトップをサブ迷宮で置き換える方法は使えないな。戻れなくなってしまう。」彼は熟考した。「ああ、戻るためには''アリアドネの糸<ref>テセウスがミノタウロスを倒した後に無事迷宮から脱出するために、恋仲だったアリアドネは糸玉を渡して、戻るときはこの糸を辿るよう助言した。</ref>のトリック''が使えるな。プレイヤーの位置を「辿ってきた分岐のリスト」にすれば単純に表現できる。「分岐のリスト」の糸を辿って戻ることもできるし、迷路は常に同じままだ。」 data Branch = KeepStraightOn | TurnLeft | TurnRight type Thread = [Branch] [[Image:Labyrinth-Thread.png|center|frame|アリアドネの糸によるプレイヤーの位置の表現。]] 「例えば、<code>[TurnRight,KeepStraightOn]</code>という糸は、プレイヤーがエントランスから右へ分岐して、その後<code>Passage</code>をまっすぐ進んで現在の位置に辿り着いたということを意味する。糸をプレイヤーが伸ばしたり短くしたりすることによって迷路を探索することができる。具体的には、<code>turnRight</code>関数は<code>TurnRight</code>を追加することによって糸を伸ばす。」 turnRight :: Thread -> Thread turnRight t = t ++ [TurnRight] 「アイテムのようなゲームに関連する追加のデータにアクセスするには、単純に糸から迷路に従えばいい。」 retrieve :: Thread -> Node a -> a retrieve [] n = get n retrieve (KeepStraightOn:bs) (Passage _ n) = retrieve bs n retrieve (TurnLeft :bs) (Fork _ l r) = retrieve bs l retrieve (TurnRight :bs) (Fork _ l r) = retrieve bs r {{Exercises|1=プレイヤー位置上の追加データに<code>a -> a</code>型の関数を適用する<code>update</code>関数を書け。}} この解決策はテセウスが満足するに至らなかった。「なんてこった、経路を伸ばしたり戻ったりする場合、リストの最後の要素を変更しなければならないじゃないか。リストを逆順に格納することはできるが、今度は迷宮内のプレイヤーの位置にアクセスするために何度も何度も糸を辿らないといけない。どちらのアクションも、糸の長さに比例した時間がかかってしまう。大規模な迷路ならこれはあまりにも長すぎる。他に方法はないのか?」 === アリアドネのZipper === テセウスは熟練した戦士だったが、プログラミング技術を修練したわけではなかったので、満足のいく解決策を見つけることはできなかった。強烈ながらも無益な思考の後に、以前愛したアリアドネに電話して助言を求めることにした。結局のところ、糸のアイディアを持っていたのは彼女だったからだ。 <br>{{Haskell speaker 2|アリアドネコンサルティングです。ご用件を伺います}} <br>我らが英雄はその声をすぐさま理解した。 <br>「やあ、アリアドネ、テセウスだ。」 <br>気まずい沈黙が会話を停止させた。彼女をナクソス島に捨てたテセウスが何故電話してきたのか理解していない事を思い出した。しかし、ハデスの道を逝くAncent Geeks株式会社、彼に選択の余地はなかった。 <br>「ぁあ…、最愛の人、…元気だったかい?」 <br>アリアドネは冷たい反応を返した。{{Haskell speaker 2|テセウスさん、今更”最愛の人”?何がしたいの?}} <br>「えぇっと…、実は…実はな。プログラミングの問題で助けが必要なんだ。新しいコンピューターゲーム『テセウスとミノタウロス™』をプログラミング中なんだ。」 <br>彼女はあざけ笑った。{{Haskell speaker 2|また別の芸術であなたの”英雄的存在”を美化するの?全て人々を助けるあなたが、私の助けを欲しいと?}} <br> 「アリアドネ、どうか頼む。Ancient Geeks株式会社は破産の危機にひんしている。このゲームが最後の望みなんだ!」 <br>少し待った後、彼女は決定を下した。 <br>{{Haskell speaker 2|いいでしょう、手を貸します。ただしAncient Geeks株式会社からかなりの部分を売却して頂きます。30%ってとこかしら。}} <br>テセウスは青ざめた。しかし他に何が出来るだろうか?状況は十分ひっ迫していたので、彼はアリアドネの取り分を10%で交渉し合意した。 テセウスが、彼が念頭に置いていた迷宮の表現をアリアドネに語ると、彼女はすぐさまアドバイスをくれた。 <br>{{Haskell speaker 2|あなたが必要なのは'''zipper'''ね。}} <br>「えっ?私の"社会の窓"に何か問題があるのかい?」 <br>{{Haskell speaker 2|何も。このデータ構造はGérard Huet<ref>Gérard Huet. ''The Zipper''. Journal of Functional Programming, 7 (5), Sept 1997, pp. 549--554. [http://www.st.cs.uni-sb.de/edu/seminare/2005/advanced-fp/docs/huet-zipper.pdf PDF]</ref>によって最初に発表されたわ。}} <br>「へえ」 <br>{{Haskell speaker 2|より正確には、リストや二分木のようなツリー型データ構造に対して、純粋に関数的な方法で'''焦点を当てたり'''、データ構造内のサブツリーの'''一点を指して'''、定数時間で更新や参照を可能にする方法ね。<ref>Gérard Huetによる造語''zipper''の概念は、それらに関連づけられている余分なデータが存在しない場合でも、サブツリー全体を置き換えることができる事に注意しよう。我々の迷宮の場合これは無関係だが、[[#データ型の微分|データ型の微分]]のセクションでこの話題を取り上げる。</ref>。私たちの場合では、プレイヤーの位置に焦点を当てましょう。}} <br>「高速な更新が必要なことはわかっているけど、どのようにコーディングしたらいいんだい?」 <br>{{Haskell speaker 2|せっかちね、コーディングによって問題を解決することはできないわ。あなたの思考だけが問題を解決できるの。 純粋関数型のデータ構造で定数時間で更新できるのは最上位ノードだけね<ref>もちろん、最上位ノードから2番目のノードや他のノードも、殆どは同様にトップから離れた分の定数時間で行える。</ref><ref> ノードのデータを変更するのではなく、最上位ノード以下のノードが影響を受けてデータ構造全体を変更する場合でも、一定の償却定数時間で達成することができることに注意。例えば、二進表現の数をインクリメントするとしよう。<code>111..11</code>から<code>1000..00</code>を得るためには全ての数字に触れなければならいということだが、にもかかわらずインクリメント関数は一定の償却時間で実行される。(最悪ケースの時間というものがない)</ref>。だから焦点は必ず最上部にする必要があるわ。現在、あなたの迷宮の最上位ノードは常に入り口だけど、あなたが以前思いついたサブ迷宮で置き換えるアイディアはプレイヤーの位置が最上位ノードであることを保証します。}} <br>「けど、問題はどうやって戻ればいいんだい?サブ迷宮はプレイヤーがどう分岐してきたかが全て失われてしまう。」 <br>{{Haskell speaker 2|えーと、サブ迷宮サブ迷宮を失わないために糸が使えるわ。}} アリアドネはテセウスが困惑するのを満喫できましたが、彼が既にアリアドネの糸を使用したことに不満を言う隙を与えず、 <br>{{Haskell speaker 2|鍵は''糸にサブ迷宮をくっつける''こと、実際にはまったく失われないようにね。この意図は、糸と現在のサブ迷宮をお互いに補完させて迷宮全体とするの。サブ迷宮は'現在'プレイヤーが立っている場所を意味します。zipperは単純に糸と現在のサブ迷宮で構成されています。}} type Zipper a = (Thread a, Node a) [[Image:Labyrinth-Zipper.png|center|frame|zipperはアリアドネの糸と現在プレイヤーが立っているサブ迷宮の組。メインの糸は赤色でサブ迷宮はそこに接続されており、そのような迷宮全体は組から再構築できる。]] テセウスは何も言わなかった。 <br>{{Haskell speaker 2|また、現在のサブ迷宮が置かれている糸のコンテキストを表示することができるわ。ところで、<code>Thread</code>はサブ迷宮を格納するために<code>a</code>という追加パラメータを取る必要があるわね。糸はまだ単純な分岐のリストだけど、分岐は以前とは異なっているわ。}} data Branch a = KeepStraightOn a | TurnLeft a (Node a) | TurnRight a (Node a) type Thread a = [Branch a] {{Haskell speaker 2|もっとも重要なのは、<code>TurnLeft</code>と<code>TurnRight</code>はサブ迷宮をくっつけるということ。プレイヤーが右へ曲がる時、<code>TurnRight</code>と今は辿れない左の分岐を取り付けて糸を拡張し、それが失われないようにしなければ。}} <br>テセウスが遮った、「待ってくれ、<code>turnRight</code>のような関数をどのように実装したらいいんだ?<code>TurnRight</code>の最初の引数の型<code>a</code>は何にすればいいんだ?あぁ、わかった。失われてしまう分岐はくっつける必要はないが、<code>Fork</code>の追加データも同様に失われてしまう。けど、予備を使って新しい分岐を生成できる。 branchRight (Fork x l r) = TurnRight x l 「何らかの方法で既存の糸を拡張する必要があるな。」 <br>{{Haskell speaker 2|確かに。第二のポイントは糸に新しい分岐を追加するときは''後ろから''入れていくことよ。伸ばすときは新しい分岐をリストの前面に置く。戻るには最初の要素を削除すればいいわね。}} <br>なるほど、これは伸ばすときと戻るときだけ定数時間になって、以前のバージョンのような長さに比例した時間がかかることはないわけだ。だから<code>turnRight</code>の最終バージョンは…」 turnRight :: Zipper a -> Maybe (Zipper a) turnRight (t, Fork x l r) = Just (TurnRight x l : t, r) turnRight _ = Nothing [[Image:Labyrinth-TurnRight.png|center|frame|入り口から右のサブツリーを取る。もちろん、糸は最初は空である。糸は後ろ向きに実行することに注意する、すなわち最上位のセグメントは最も最近のもの。]] 「これは簡単だった。よし、続けて回廊を真っ直ぐ進む<code>keepStraightOn</code>に取りかかろう。これは追加のデータを維持するのが必要な分岐の選択よりも簡単だ。」 keepStraightOn :: Zipper a -> Maybe (Zipper a) keepStraightOn (t, Passage x n) = Just (KeepStraightOn x : t, n) keepStraightOn _ = Nothing [[Image:Labyrinth-KeepStraightOn.png|center|frame|回廊を真っ直ぐ進む。]] {{Exercises|1=<code>turnLeft</code>関数を書け。}} 嬉しそうに彼は続け、「しかし興味深いのは戻っていくときだな。やってみよう…」 back :: Zipper a -> Maybe (Zipper a) back ([] , _) = Nothing back (KeepStraightOn x : t , n) = Just (t, Passage x n) back (TurnLeft x r : t , l) = Just (t, Fork x l r) back (TurnRight x l : t , r) = Just (t, Fork x l r) 「もし糸が空なら、まだ迷宮の入り口で戻ることはできない。それ以外の場合は、糸を巻かなければならない。糸につなげたおかげで、実際に来た道からサブ迷宮を再構築することができる。」 <br>アリアドネが言った。{{Haskell speaker 2|部分テストは、左側の<code>x</code>、<code>l</code>、<code>r</code>のような各束縛変数が右辺に一度だけ現れているか確認するためであることに注意して。だから、zipperを上下に歩くとき、糸と現在のサブ迷宮を再配布するだけでいいわ。}} {{Exercises|1= <ol><li>今やzipperの中を移動することができるようになった。プレイヤーの位置の追加データを操作する関数<code>get</code>、<code>put</code>、<code>update</code>を書け。 </li><li>zipperは<code>Node a</code>のような具体例に制限されることはないので、全ての木構造のようなデータ型で構成することができる。最初に戻って、以下の二分木のzipperを構築し、糸が取ることの出来る可能な分岐について考えよ。木を探索するときに糸へ何をくっつけるべきだろうか? <pre> data Tree a = Leaf a | Bin (Tree a) (Tree a) </pre> </li><li>単純なリストも同様にzipperにできる。 <pre> data List a = Empty | Cons a (List a) </pre> これは何に見えるだろうか? </li><li>テセウスの迷宮ゲームを完成させよ。 </li></ol>}} わかったぞ!これは一部をアリアドネコンサルティングに売却したとしても、Ancient Geeks株式会社が優先すべき、テセウスが求めていた解決策だった。しかし一つだけ疑問が残った。 <br>「なんでzipperと呼ばれているんだ?」 <br>{{Haskell speaker 2|そうね、'アリアドネの真珠のネックレス'と呼ぶべきでしょうね。でもたいていの場合で、zipperと呼ばれるのは衣服のチャックの開いている部分を糸、閉じている部分をサブ迷宮とするアナロジーね。データ構造内の移動がチャックを上げ下げするのに似ているから。}} <br>「アリアドネの真珠のネックレス、ね…。」彼は軽蔑を向けた。「君の糸に助けられたよ。クレタ島の時のように」 <br>{{Haskell speaker 2|あのときの糸のアイディアはあなた次第で、}}彼女は答えた。 <br>「フン、もう糸は必要ない。」 <br>彼の驚いたことに、彼女は同意して、{{Haskell speaker 2|そうね、確かにもう糸は必要ないわね。別の視点では文字通り指差した木の焦点を掴んで下から持ち上げることね。焦点が上になって他の全ての枝は垂れ下がる。結果、木に適合する代数的データ型はzipperになる可能性が最も高いわね。}} [[Image:Labyrinth-Finger.png|center|frame|指で焦点を掴み、下から持ち上げると枝がぶら下がって指差したノードをトップとする新しい木が形成され、代数的データ型で構成する準備が整う。]] 「ああ。」彼はアリアドネの糸はもう必要としていないが、アリアドネは必要だという事を伝えようとしている?その言葉はあまりに饒舌だった。 <br>「ありがとう、アリアドネ。元気で」 <br>電話を介していて直接見ることはできなかったが、彼女は作り笑いを隠さなかった。 {{Exercises|1=リストを一つとり、指で真ん中の要素を修正し、リストを下から持ち上げる。結果の木はどのような種類になるだろうか? }} 半年が過ぎ、テセウスはショッピングウィンドウの前で立ち止まった。冷たい雨に逆らうため防寒着のフードを被った。点滅する文字が告げていたのは…。 <center>"Spider-Man: lost in the Web"<br> - 糸の迷宮から君の方法を見つけ出せ -<br> Ancient Geeks株式会社が送る最高のコンピューターゲーム </center> 彼はアリアドネに電話した日を呪って、会社の一部を彼女に売却した。 WineOS社による不自然な敵対的買収は彼女の仕業だったのだろうか。アリアドネの夫ディオニソス<ref>バッカスとも呼ばれるブドウ酒と酩酊の神。テセウスがナクソス島にアリアドネを捨て去った後、彼女はディオニソスに見初められて妻となった。</ref>が率いていたのだろうか?テセウスはガラス窓の下に落ちる雨を見つめた。生産ラインが変更されれば、もう誰もミノタウロス™とテセウスの商品を生産しないだろう。彼はため息をついた。彼の時間、英雄の時間は終わりを告げた。今はスーパーヒーローの時代が来たのだ。 == データ型の微分 == 前のセクションでzipperを提示したが、別のサブツリーに焦点を当てる事ができる指で、ツリーのようなデータ構造<code>Node a</code>を強化する方法がある。特定のデータ構造<code>Node a</code>のzipperを構築子ながら、異なる木構造をつなげて構築することは手で簡単に行うことができる。 {{Exercises|1= 三分木から始めよう。 <pre> data Tree a = Leaf a | Node (Tree a) (Tree a) (Tree a) </pre> と対応する<code>Thread a</code>と<code>Zipper a</code>を導出せよ。 }} <!-- The previous section has presented the zipper, a way to augment a tree-like data structure <code>Node a</code> with a finger that can focus on the different subtrees. While we constructed a zipper for a particular data structure <code>Node a</code>, the construction can be easily adapted to different tree data structures by hand. {{Exercises|1= Start with a ternary tree <pre> data Tree a = Leaf a | Node (Tree a) (Tree a) (Tree a) </pre> and derive the corresponding <code>Thread a</code> and <code>Zipper a</code>. }} --> === 機械的な微分 === しかし任意の(適切な正規の)データ型のzipperは機械的に導出することもできる。驚くべき事に、「導出(derive)」は文字通りの意味で、zipperはデータ型の'''導関数'''(derivative)によって得ることが出来る。最初の発見はConor McBride<ref>Conor Mc Bride. ''The Derivative of a Regular Type is its Type of One-Hole Contexts''. Available online. [http://strictlypositive.org/diff.pdf PDF]</ref>によって述べられた。以降のセクションでは、この本当にすばらしい数学の宝石を解明しよう。 <!-- But there is also an entirely mechanical way to derive the zipper of any (suitably regular) data type. Surprisingly, 'derive' is to be taken literally, for the zipper can be obtained by the '''derivative''' of the data type, a discovery first described by Conor McBride<ref>Conor Mc Bride. ''The Derivative of a Regular Type is its Type of One-Hole Contexts''. Available online. [http://strictlypositive.org/diff.pdf PDF]</ref>. The subsequent section is going to explicate this truly wonderful mathematical gem. --> 体系的な構成のため、私たちは型の計算が必要になる。型の構造的な計算の基礎は[[../Generic Programming/]]の章で概説されており、この素材に大きく頼っている。 <!-- For a systematic construction, we need to calculate with types. The basics of structural calculations with types are outlined in a separate chapter [[../Generic Programming/]] and we will heavily rely on this material. --> zipperが共通に持っているものと、どのように微分を仄めかしているのかを理解するためにいくつかの例を見ていこう。二分木の型は再帰式の不動点で、 <!-- Let's look at some examples to see what their zippers have in common and how they hint differentiation. The type of binary tree is the fixed point of the recursive equation --> <center><math>\mathit{Tree2} = 1 + \mathit{Tree2}\times\mathit{Tree2}</math>.</center> 木を渡り歩くとき、左または右のサブツリーに入ることを繰り返し選択し、アリアドネの糸には入らなかった方のサブツリーをくっつける。したがって、糸の枝は次の型を持つ。 <!-- When walking down the tree, we iteratively choose to enter the left or the right subtree and then glue the not-entered subtree to Ariadne's thread. Thus, the branches of our thread have the type --> <center><math>\mathit{Branch2} = \mathit{Tree2} + \mathit{Tree2} \cong 2\times\mathit{Tree2}</math>.</center> 同様に、三分木 <!-- Similarly, the thread for a ternary tree --> <center><math>\mathit{Tree3} = 1 + \mathit{Tree3}\times\mathit{Tree3}\times\mathit{Tree3}</math></center> は次のような型の枝を持つ。 <!-- has branches of type --> <center><math>\mathit{Branch3} = 3\times\mathit{Tree3}\times\mathit{Tree3}</math></center> なぜなら全ての段階で、3つのサブツリーを選択でき、入らなかった二つのサブツリーを格納しなければならない。これは微分 <math>\frac{d}{dx} x^2 = 2\times x</math>や<math>\frac{d}{dx} x^3 = 3\times x^2</math>とは似ても似つかないと思うだろうか? <!-- because at every step, we can choose between three subtrees and have to store the two subtrees we don't enter. Isn't this strikingly similar to the derivatives <math>\frac{d}{dx} x^2 = 2\times x</math> and <math>\frac{d}{dx} x^3 = 3\times x^2</math>? --> 謎を解く鍵は、データ構造の'''ワンホールコンテキスト'''(one-hole context)の概念だ。<math>X</math>型をパラメタライズしたデータ構造、<math>\mathit{Tree}\,X</math>型のようなものを想像しよう。この<math>X</math>型の要素を構造から一つ削除して、なんらかの方法でその位置を空とマークした場合、「マークした穴(hole)」とデータ構造を得られる。結果は「ワンホールコンテキスト」と呼ばれ、「穴」に<math>X</math>型の要素を挿入すると完全に満たされた<math>\mathit{Tree}\,X</math>が戻ってくる。「穴」は、位置の識別、焦点の役割を果たす。図でこれを説明しよう。 <!-- The key to the mystery is the notion of the '''one-hole context''' of a data structure. Imagine a data structure parameterised over a type <math>X</math>, like the type of trees <math>\mathit{Tree}\,X</math>. If we were to remove one of the items of this type <math>X</math> from the structure and somehow mark the now empty position, we obtain a structure with a marked hole. The result is called "one-hole context" and inserting an item of type <math>X</math> into the hole gives back a completely filled <math>\mathit{Tree}\,X</math>. The hole acts as a distinguished position, a focus. The figures illustrate this. --> {| |- | [[Image:One-hole-context-Tree.png|center|frame|<math>\mathit{Tree}\,X</math>から<math>X</math>型の値を削除するとその位置に穴を残す。<!--Removing a value of type <math>X</math> from a <math>\mathit{Tree}\,X</math> leaves a hole at that position.-->]] | [[Image:One-hole-context-plug.png|center|frame|ワンホールコンテキストに<math>X</math>を差し込むより抽象的な説明。<!--A more abstract illustration of plugging <math>X</math> into a one-hole context.-->]] |} もちろん、我々の興味はワンホールコンテキストに与える型、すなわちHaskellでこれをどのように表現するかだ。問題は焦点を効率よくマークするにはどうしたらいいだろうか。しかし我々が見るように、型の構造に関する帰納法によってワンホールコンテキストの表現を見つけだし、効率的なデータ型につながるワンホールコンテキストを自動的に取得したいと思う<ref>この現象は一般的なトライ木ですでに現れる。</ref>。さて、データ構造<math>F\, X</math>と関手<math>F</math>、そして引数の型<math>X</math>を与えよう。<math>\partial F</math>という表記法を選択する理由は既におわかりと思うが、ワンホールコンテキストの加法、乗法、合成の法則は、まさに微分におけるライプニッツ則である。 <!-- Of course, we are interested in the type to give to a one-hole context, i.e. how to represent it in Haskell. The problem is how to efficiently mark the focus. But as we will see, finding a representation for one-hole contexts by induction on the structure of the type we want to take the one-hole context of automatically leads to an efficient data type<ref>This phenomenon already shows up with generic tries.</ref>. So, given a data structure <math>F\, X</math> with a functor <math>F</math> and an argument type <math>X</math>, we want to calculate the type <math>\partial F\, X</math> of one-hole contexts from the structure of <math>F</math>. As our choice of notation <math>\partial F</math> already reveals, the rules for constructing one-hole contexts of sums, products and compositions are exactly Leibniz' rules for differentiation. --> {|class="wikitable" |- ! colspan=2 | ワンホールコンテキスト ! 解説 |- | <math>(\partial\mathit{Const_A})\,X</math> | <math>=\,0</math> | <math>A = \mathit{Const_A}\,X</math>の中に<math>X</math>は存在しない。つまりワンホールコンテキストの型は空でなければならない。<!--There is no <math>X</math> in <math>A = \mathit{Const_A}\,X</math>, so the type of its one-hole contexts must be empty.--> |- | <math>(\partial\mathit{Id})\,X</math> | <math>=\,1</math> | <math>X=\mathit{Id}\,X</math>の中に<math>X</math>の要素が一つだけ存在する場所がある。<math>X</math>を一つ削除すると、結果は<math>X</math>を残さない。削除できる場所が一つだけ存在するから、<math>\mathit{Id}\,X</math>はまさにワンホールコンテキストの一つである。したがって、ワンホールコンテキストの型は単一の要素からなるシングルトン型である。<!--There is only one position for items <math>X</math> in <math>X=\mathit{Id}\,X</math>. Removing one <math>X</math> leaves no <math>X</math> in the result. And as there is only one position we can remove it from, there is exactly one one-hole context for <math>\mathit{Id}\,X</math>. Thus, the type of one-hole contexts is the singleton type.--> |- | <math>\partial(F + G)</math> | <math>=\partial F + \partial G</math> | <math>F+G</math>型は、型<math>F</math>か型<math>G</math>のいずれかであるとすると、ワンホールコンテキストもまた<math>\partial F</math>か<math>\partial G</math>である。<!--As an element of type <math>F+G</math> is either of type <math>F</math> or of type <math>G</math>, a one-hole context is also either <math>\partial F</math> or <math>\partial G</math>.--> |- | <math>\partial (F \times G)</math> | <math>=F \times \partial G + \partial F \times G</math> | [[Image:One-hole-context-product.png]]<br>二つの型の組のワンホールコンテキストは、第一または、第二成分のいずれかが穴である。 <!--The hole in a one-hole context of a pair is either in the first or in the second component.--> |- | <math>\partial (F \circ G)</math> | <math>=(\partial F \circ G) \times \partial G</math> | [[Image:One-hole-context-composition.png]]<br>'''連鎖律'''(Chain rule):合成の穴は囲んでいる構造に穴を開け、そこに密閉構造を当てはめることによって生じる。 <!--'''Chain rule'''. The hole in a composition arises by making a hole in the enclosing structure and fitting the enclosed structure in.--> |} もちろん、穴を埋める関数<code>plug</code>の型は<math>(\partial F\,X) \times X \to F\,X</math>を持つ。 <!--Of course, the function <code>plug</code> that fills a hole has the type <math>(\partial F\,X) \times X \to F\,X</math>.--> これまでのところ、<math>\partial</math>という構文は異なる関手を表している。すなわち、一つの引数を持つ型関数の種(kind)である。しかし、計算のためにもう少し適した'''<math>\partial_X</math>'''という表記法もある。添え字は微分したい変数を表している。一般には <center><math>(\partial F)\,X=\partial_X(F\,X)</math></center> である。例を挙げると以下のようになる。 <center><math>\partial(\mathit{Id}\times\mathit{Id})\,X=\partial_X(X\times X)=1\times X + X\times 1 \cong 2\times X</math></center> もちろん、<math>\partial_X</math>は単にポイントワイズで、<math>\partial</math>はポイントフリースタイルである。 <!-- So far, the syntax <math>\partial</math> denotes the differentiation of functors, i.e. of a kind of type functions with one argument. But there is also a handy expression oriented notation '''<math>\partial_X</math>''' slightly more suitable for calculation. The subscript indicates the variable with respect to which we want to differentiate. In general, we have <center><math>(\partial F)\,X=\partial_X(F\,X)</math></center> An example is <center><math>\partial(\mathit{Id}\times\mathit{Id})\,X=\partial_X(X\times X)=1\times X + X\times 1 \cong 2\times X</math></center> Of course, <math>\partial_X</math> is just point-wise whereas <math>\partial</math> is point-free style. --> {{Exercises|1= # いくつかの規則をポイントワイズスタイルに書き換えよ。例えば、乗法則の左辺は次のようになる。<math>\partial_X(F\,X \times G\,X) = \dots </math> <!-- Rewrite some rules in point-wise style. For example, the left hand side of the product rule becomes <math>\partial_X(F\,X \times G\,X) = \dots </math>.--> # ワンホールコンテキストに慣れるために、因数をちょうど<math>n</math>回掛けた<math>X^n := X\times X\times \dots\times X</math>を微分し、結果と公式が一致すること確かめよ。<!-- To get familiar with one-hole contexts, differentiate the product <math>X^n := X\times X\times \dots\times X</math> of exactly <math>n</math> factors formally and convince yourself that the result is indeed the corresponding one-hole context.--> # もちろん、ワンホールコンテキストは<math>X</math>の値を後ろに差し込むことが出来ない場合は役に立たない。5つの規則に対応する<code>plug</code>関数を書け。<!-- Of course, one-hole contexts are useless if we cannot plug values of type <math>X</math> back into them. Write the <code>plug</code> functions corresponding to the five rules. --> # 2変数の場合の連鎖律を定式化し、それがワンホールコンテキストをもたらすことを証明せよ。これは<math>(X,Y)</math>の組における通常の関手を双関手(bifunctor)<math>F\,X\,Y</math>として見れば出来るだろう。もちろん、ポイントフリースタイルでの双関手の偏微分のために便利な記法が必要になるかもしれない。<!-- Formulate the '''chain rule''' for '''two variables''' and prove that it yields one-hole contexts. You can do this by viewing a bifunctor <math>F\,X\,Y</math> as an normal functor in the pair <math>(X,Y)</math>. Of course, you may need a handy notation for partial derivatives of bifunctors in point-free style. --> }} === 微分を介したZipper === 上記の規則で再帰的データ型<math>\mu F := \mu X.\,F\,X</math>の'''zipper'''を構築することができる。ここで<math>F</math>は多項式関手(polynomial functor)である。Zipperは特定のサブツリーに焦点を移す。すなわち、大きな木構造の内側は同じ種類の<math>\mu F</math>型のサブ構造である。前章のように、焦点を向けたい場所のサブツリーと糸、これはサブツリーが格納されているコンテキストだが、この二つによって表現することが出来る。 <center><math>\mathit{Zipper}_F = \mu F\times\mathit{Context}_F</math></center> <!-- The above rules enable us to construct '''zipper'''s for recursive data types <math>\mu F := \mu X.\,F\,X</math> where <math>F</math> is a polynomial functor. A zipper is a focus on a particular subtree, i.e. substructure of type <math>\mu F</math> inside a large tree of the same type. As in the previous chapter, it can be represented by the subtree we want to focus at and the thread, that is the context in which the subtree resides <center><math>\mathit{Zipper}_F = \mu F\times\mathit{Context}_F</math>.</center> --> 今、コンテキストは<math>F\,\mu F</math>の中から選択した特定のサブツリー<math>\mu F</math>の各手順である。したがって、選ばなかったサブツリーはワンホールコンテキスト<math>\partial F\,(\mu F)</math>と一緒に回収される。このコンテキストの穴は選択したサブツリーから削除しながら帰ってくる。置くことも一緒で、 <center><math>\mathit{Context}_F = \mathit{List}\, (\partial F\,(\mu F))</math></center> <!-- Now, the context is a series of steps each of which chooses a particular subtree <math>\mu F</math> among those in <math>F\,\mu F</math>. Thus, the unchosen subtrees are collected together by the one-hole context <math>\partial F\,(\mu F)</math>. The hole of this context comes from removing the subtree we've chosen to enter. Putting things together, we have <center><math>\mathit{Context}_F = \mathit{List}\, (\partial F\,(\mu F))</math>。</center> --> を得る。または同じ事だが <!-- or equivalently --> <center><math>\mathit{Context}_F = 1 + \partial F\,(\mu F) \times \mathit{Context}_F</math></center> 具体的な計算過程がどのようになるかを説明するために、体系的に迷宮データ型のzipperを構築しよう。 <!-- To illustrate how a concrete calculation proceeds, let's systematically construct the zipper for our labyrinth data type --> data Node a = DeadEnd a | Passage a (Node a) | Fork a (Node a) (Node a) この再帰型は次のような不動点である。 <!-- This recursive type is the fixed point --> <center><math>\mathit{Node}\,A = \mu X.\,\mathit{NodeF}_A\,X</math></center> この関手は次のようなものだ。<!-- of the functor --> <center><math>\mathit{NodeF}_A\,X = A + A\times X + A\times X\times X</math></center> 言い換えると、<!-- In other words, we have --> <center><math>\mathit{Node}\,A \cong \mathit{NodeF}_A\,(\mathit{Node}\,A) \cong A + A\times \mathit{Node}\,A + A\times \mathit{Node}\,A\times \mathit{Node}\,A</math>.</center> 微分で読むと、<!-- The derivative reads --> <center><math>\partial_X(\mathit{NodeF}_A\,X) \cong A + 2\times A\times X</math></center> そして次を得る。<!-- and we get --> <center><math>\partial \mathit{NodeF}_A\,(\mathit{Node}\,A) \cong A + 2\times A\times \mathit{Node}\,A</math>.</center> したがって、コンテキストで読むと、 <!-- Thus, the context reads <center><math>\mathit{Context}_\mathit{NodeF} \cong \mathit{List}\,(\partial \mathit{NodeF}_A\,(\mathit{Node}\,A)) \cong \mathit{List}\,(A + 2\times A\times (\mathit{Node}\,A))</math>.</center> --> 前章のものと比べてみると、<!-- Comparing with --> data Branch a = KeepStraightOn a | TurnLeft a (Node a) | TurnRight a (Node a) type Thread a = [Branch a] 期待通り両者が全く同じものであることがわかるだろう! <!-- we see that both are exactly the same as expected!--> {{Exercises|1= # 三分木のzipperを微分の観点でやり直せ。<!-- Redo the zipper for a ternary tree, but with differentiation this time. # リストのzipperを構築せよ。Construct the zipper for a list.--> # 前回の演習に関係した華麗な質問:リストとスタックの違いとは何だろうか?<!-- Rhetorical question concerning the previous exercise: what's the difference between a list and a stack?--> }} === 引数の関数に関する微分 === ワンホールコンテキストの型を見つけるときの一つはd f(x)/d xを行うことである。それは、d f(x)/d g(x)のような式を完全に解くことが可能だ。 例えば、d x^4 / d x^2は2x^2を与えて解くと、4つのタプルの2ホールコンテキストである。導関数は次のようなものである。 <!-- When finding the type of a one-hole context one does d f(x)/d x. It is entirely possible to solve expressions like d f(x)/d g(x). For example, solving d x^4 / d x^2 gives 2x^2 , a two-hole context of a 4-tuple. The derivation is as follows --> u=x^2と置くと、 d x^4 / d x^2 = d u^2 /d u = 2u = 2 x^2 === Zipper vs コンテキスト === しかし一般的には、zipperとワンホールコンテキストは異なるもので表される。zipperは勝手なサブツリーの焦点である一方、ワンホールコンテキストは型構築子の引数にだけ焦点を当てることができる。次のデータ型を例に取ろう。 <!-- In general however, zippers and one-hole contexts denote different things. The zipper is a focus on arbitrary subtrees whereas a one-hole context can only focus on the argument of a type constructor. Take for example the data type --> data Tree a = Leaf a | Bin (Tree a) (Tree a) ここで不動点は次の通りである。 <!--which is the fixed point --> <center><math>\mathit{Tree}\,A = \mu X.\,A+X\times X</math>.</center> zipperはサブツリーのトップである<code>Bin</code>や<code>Leaf</code>に焦点を当てることが出来るが、<math>\mathit{Tree}\,A</math>のワンホールコンテキストの穴は<code>Leaf</code>だけに焦点を当てるだろう。なぜなら、これは<math>A</math>型の要素が存在しているからだ。<math>\mathit{Node}\,A</math>の導関数はサブツリーの全てのトップが常に<math>A</math>で飾られているので、zipperであることが判明する。 <!-- The zipper can focus on subtrees whose top is <code>Bin</code> or <code>Leaf</code> but the hole of one-hole context of <math>\mathit{Tree}\,A</math> may only focus a <code>Leaf</code>s because this is where the items of type <math>A</math> reside. The derivative of <math>\mathit{Node}\,A</math> only turned out to be the zipper because every top of a subtree is always decorated with an <math>A</math>. --> {{Exercises|1= # 驚いたことに、<math>\partial_A(\mathit{Tree}\,A)\times A</math>と<math>\mathit{Tree}\,A</math>のzipperは再び同じ型になることが判明した。計算することは容易いが、なぜこのようになるか理由を与えることができるだろうか?<!--Surprisingly, <math>\partial_A(\mathit{Tree}\,A)\times A</math> and the zipper for <math>\mathit{Tree}\,A</math> again turn out to be the same type. Doing the calculation is not difficult but can you give a reason why this has to be the case?--> # <math>\mu F</math>のzipperは補助変数<math>Y</math>導入し、それに関して<math>\mu X.\, Y\times F\,X</math>を微分して<math>Y=1</math>で再び置き換えて得ることが出来ることを証明せよ。なぜこのようなことができるのだろうか?<!--Prove that the zipper construction for <math>\mu F</math> can be obtained by introducing an auxiliary variable <math>Y</math>, differentiating <math>\mu X.\, Y\times F\,X</math> with respect to it and re-substituting <math>Y=1</math>. Why does this work?--> # zipperとは異なるワンホールコンテキスト<math>G\,A</math>型を見つけよ。<!--Find a type <math>G\,A</math> whose zipper is different from the one-hole context.--> }} ===帰結=== 離散的な状況の中で現れた計算からの規則でどうしてこのようなことが起こるのか、という問いでこのセクションを閉じよう。現在のところ、この答えを知るものはいない。しかし少なくとも、”一度限り”という意味での'''線形'''には離散的な概念が存在する。ワンホールコンテキストの穴に<math>X</math>を差し込む関数の主な特徴は、要素が一度限りしか使われないという事実、すなわち線形ということだ。我々は次のような型を持つ差し込み写像として考えることが出来る。 <center><math>\partial_X F\,X \to (X \multimap F\,X)</math></center> ここで、<math>A \multimap B</math>は、その引数を無視したり複製したりしない線形論理としての線形関数(liner function)を表している。ある意味では、ワンホールコンテキストは関数空間<math>X \multimap F\,X</math>を表現したもので、これは<math>X\to F\,X</math>に線形近似されていると考えることが出来る。 <!-- We close this section by asking how it may happen that rules from calculus appear in a discrete setting. Currently, nobody knows. But at least, there is a discrete notion of '''linear''', namely in the sense of "exactly once". The key feature of the function that plugs an item of type <math>X</math> into the hole of a one-hole context is the fact that the item is used exactly once, i.e. linearly. We may think of the plugging map as having type <center><math>\partial_X F\,X \to (X \multimap F\,X)</math></center> where <math>A \multimap B</math> denotes a linear function, one that does not duplicate or ignore its argument, as in linear logic. In a sense, the one-hole context is a representation of the function space <math>X \multimap F\,X</math>, which can be thought of being a linear approximation to <math>X\to F\,X</math>. --> == 脚注 == <references/> == 参考文献 == * [http://www.haskell.org/haskellwiki/Zipper Zipper] on the haskell.org wiki * [http://okmij.org/ftp/Computation/Continuations.html#zipper Generic Zipper and its applications] * [http://okmij.org/ftp/Computation/Continuations.html#zipper-fs Zipper-based file server/OS] * [http://www.cs.indiana.edu/~adamsmd/papers/scrap_your_zippers/ Scrap Your Zippers: A Generic Zipper for Heterogeneous Types] {{Haskell navigation|chapter=Advanced Haskell}} {{Auto category}}
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2014-11-09T14:05:35Z
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GNU Octave 2.1.x 日本語マニュアル/始めましょう
この章では,Octave の基本機能のいくつかについて説明しています。 これには,Octaveセッションを開始する方法,コマンドプロンプトでヘルプを得る方法,コマンドラインの編集のしかた,およびシェルからコマンドとして実行するためのOctave プログラムを書く方法が含まれています。 通常は,何も引数を与えずに‘octave’ を実行することにより,Octave は対話的に使用することができます。 一度開始してしまえば,終了の命令を与えるまで,Octave は端末からコマンドを読み込みます。 コマンドラインでファイル名を指定することもできます。 そのとき,Octave はそのファイルを読み込んで実行し,末尾まで読み込んだ後に終了します。 次の節で解説してあるコマンドラインオプションを使用することにより,どのようにOctave を起動するかを,さらにコントロールすることができます。 Octave が受け入れるすべてのコマンドラインオプションの完全な一覧を示します。 -d パーサデバッグモードに入ります。このオプションを使うと,Octave のパーサが,読み込んだコマンドについて多くの情報を表示するようになります。 これは,おそらく実際にパーサのデバッグを試みるときにのみ有用でしょう。 -commands -x コマンドが実行されるときに,そのコマンドを表示します。 実行すべきプログラムを検索するパスを指定します。 コマンドラインで指定したpath の値は,環境変数OCTAVE_EXEC_PATH の値を上書きすることになります。 しかし,組み込み変数EXEC_PATH をセットしているシステムあるいはユーザのスタートアップファイル内のコマンドには影響しません。 -h -? 短いヘルプメッセージを表示して終了します。 使用すべきinfo ファイルの名前を指定します。 コマンドラインで指定したfilename の値は,環境変数OCTAVE_INFO_FILE の値を上書きすることになります。 しかし,組み込み変数INFO_FILE をセットしているシステムあるいはユーザのスタートアップファイル内のコマンドには影響しません。 使用すべきinfo プログラムの名前を指定します。コマンドラインで指定したprogramの値は,環境変数OCTAVE_INFO_PROGRAM の値を上書きすることになります。しかし,組み込み変数INFO_PROGRAM をセットしているシステムあるいはユーザのスタートアップファイル内のコマンドには影響しません。 -i 強制的に対話的挙動をするようにします。 これは,リモートシェルコマンドあるいはEmacs のシェルバッファを通してOctave を実行する際に有用です。 Emacs 内でOctaveを実行するための別の方法は,付記D [Emacs]を参照してください。 -H コマンドライン履歴を使用できなくします。 ファイル‘~/.octaverc’あるいは‘.octaverc’を読みません。 コマンドライン編集を不可にします。 site-wide ‘octaverc’ ファイルを読みません。 -f 起動時に一切のシステムあるいはユーザ初期化ファイルを読みません。これは,--no-init-fileと--no-site-fileの両方のオプションを指定したものと等価です。 -p path 関数ファイルの検索パスを指定します。コマンドラインで指定したpath の値は,環境変数OCTAVE_PATH の値を上書きすることになります。しかし,組み込み変数LOADPATHをセットしているシステムあるいはユーザのスタートアップファイル内のコマンドには影響しません。 -q 起動時のメッセージとバージョン情報を表示しません。 Matlab との互換性を保つため,ユーザ設定変数の初期値として,以下の値をセットします。 -V 冗長な出力に切り替えます。 -v プログラムのバージョン番号を表示して終了します。 fileからコマンドを実行します。 Octave には,引数の数やオプションのすべてなど,コマンドラインについての情報を含む組み込み関数がいくつかあります。 Octave に渡されたコマンドライン引数は,この変数によって得ることができる。たとえば,以下のコマンドによりOctave を起動したとすれば, argvは,--no-line-editingと--silentを含む文字列型配列となります。 もし実行可能なOctave スクリプトを入力したならば,argvはスクリプトに渡された引数リストを含む。実行可能なOctave スクリプトを作成する方法の一例はSection 2.6 [Executable Octave Programs]を参照してください。 [Built-in Variable] [Built-in Variable] Octave が開始するとき,組み込み変数program_invocation_nameには,Octave を起動するためにシェルに入力した名前が自動的にセットされます。また,program_nameの値には,program_invocation_nameの最後の成分が自動的にセットされます。たとえば,Octave を起動するために‘/usr/local/bin/octave’と打ち込んだならば,program_invocation_nameは"/usr/local/bin/octave" という値をとり,program_nameは"octave"という値となります。 コマンドラインからスクリプトを実行する(たとえば,octave foo.m のように打ち込む)ならば,プログラム名は,スクリプトのファイル名にセットされます。実行可能なOctave スクリプトを作成する方法の一例はSection 2.6 [Executable Octave Programs]を参照してください。これらの変数を,Octave のコマンドラインを再生成するために使用した例を示します。 注:MATLABとの互換性を保つためには、"endfor"ではなく、"end"を使用した方が良い。 Section 10.1 [Index Expressions] では,Octave において,どのように文字列や部分文字列の添え字を適切に扱うかを説明しています。また,Section 13.1 [Defining Functions] には,変数narginについての情報があります。 Octave を起動したとき,以下に示すファイルから,実行すべきコマンドを検索します。 octave-home/share/octave/site/m/startup/octavercoctave-home は,Octave がインストールされているディレクトリ( 標準では‘/usr/local’)です。 このファイルが存在すると,インストールしたOctave の全てのバージョンについて,全てのユーザに対して広域的に標準のOctave 環境を変更することとなります。このファイルを変更するときには,いくぶん注意が必要です。というのも,Octave を利用するすべてのユーザが影響を受けるからです。 octave-home は,Octave がインストールされているディレクトリ( 標準では‘/usr/local’)です。このファイルが存在すると,インストールしたOctave の特定のバージョンについて,全てのユーザに対して広域的に標準のOctave 環境を変更することとなります。このファイルを変更するときには,いくぶん注意が必要です。というのも,Octave を利用するすべてのユーザが影響を受けるからです。 このファイルは,通常は,標準のOctave 環境に個人的な変更を加えるために使用します。 このファイルは,特定のプロジェクトに対して,標準のOctave 環境を変更するために使用することができます。Octave は,‘~/.octaverc’を読み込んだ後に,カレントディレクトリにおいてこのファイルを検索します。‘~/.octaverc’ファイルでcdコマンド利用すると,Octave が‘.octaverc’を検索するディレクトリも影響を受けます。もし,ホームディレクトリでOctave を起動するならば,ファイル‘~/.octaverc’ からのコマンドは一度だけ実行されるでしょう。もしOctave を起動するときに--silentではなく,--verboseオプションをつけるならば,各スタートアップファイルを実行するときには,メッセージを表示するようになります。スタートアップファイルには,妥当な任意のOctave コマンドや関数の定義を含めることができます。 [Built-in Function] [Built-in Function] 現在のOctave セッションを終了します。オプション引数として整数status を与えるならば,これをOctave の終了ステータスとしてオペレーティングシステムに渡します。 [Built-in Function] Octave が終了するときに呼び出す関数を登録します。たとえば, この例は,Octave が終了するときにメッセージを表示することになります。 このマニュアルの完全な文章は,Octave プロンプトからhelp -iというコマンドを入力することにより入手できます。さらに,個々のユーザ作成関数および変数についてのドキュメントも,helpコマンドを通して得ることができます。この節ではマニュアル,およびユーザ提供関数や変数に対するドキュメントを読むために使用されるコマンドについて述べています。あなたの書いた関数に対して,どのように文書化すべきかについてのさらなる情報は,Section 13.6 [Function Files] を参照してください。 [Command] Octave のhelpコマンドは,GNU Info ブラウザを用いて,簡略な使用法を述べたメッセージを表示する,あるいは印刷マニュアルのオンライン版から直接情報を表示するために使用されます。このコマンドを引数なしで呼び出すならば,全ての利用可能な演算子,関数および組み込み変数のリストを出力します。もし1 番目の引数が-iであれば,与えられたトピックに対して,このマニュアルのオンライン版の索引を表示します。 たとえば,help helpは,helpコマンドを説明する短いメッセージを表示し,help -i helpはマニュアルのオンライン版のこのノードにおいて,GNU Info ブラウザを起動します。いちどGNU Info ブラウザを実行すると,キー入力C-hを使用することにより,その使用法についてのヘルプを得ることができる。 helpコマンドは,演算子についての情報を提供します。しかし,コマンドの区切りとして使用されるカンマやセミコロンについては,そうはいきません。それらに関するヘルプを得るには,helpcommaあるいはhelp semicolon と打ち込まなければなりません。 [Built-in Variable] 変数INFO_FILEは,Octave のinfo ファイルの位置を表す。初期状態では,"octavehome/info/octave.info"です。ここでoctave-home は,Octave がインストールされたディレクトリです。 [Built-in Variable] 変数INFO_PROGRAMは,実行すべきinfo プログラムを表す。初期状態では,"octavehome/libexec/octave/version/exec/arch/info" です。ここでoctave-home はOctave がインストールされたディレクトリ,version はOctave のバージョン番号,およびarch はシステムのタイプ(たとえばi686-pc-linux-gnu)です。初期値は,環境変数OCTAVE_INFO_PROGRAM,あるいはコマンドライン引数--info-program NAME,さらにはスタートアップファイルにおいてINFO_PROGRAM変数に値をセットすることで上書きされます。 [Built-in Variable] 変数MAKEINFO_PROGRAMは,Octave がTexinfo マークアップコマンドを含むヘルプ文章を書式化するために起動するmakeinfo プログラムを表す。その初期値は"makeinfo"です。 [Built-in Variable] もしsuppress_verbose_help_messageの値がゼロでないならば,Octave はhelpコマンドからの出力あるいは組み込みコマンドの使用法メッセージの末端に,追加のヘルプ情報を追加することになります。 Octave は,広範囲なコマンドライン編集とヒストリ機能を提供するために,GNU readline ライブラリを使用しています。このマニュアルでは,最もよく使用される機能のみを解説しています。さらなる情報は,GNU Readline ライブラリのマニュアルを参照してください。 印刷可能文字(アルファベット,数字,機能など)を入力するには,単にその文字を打ち込みます。Octave は,その文字を挿入し,カーソルを次に進めます。コマンドライン編集機能の多くは,制御文字を使用して操作します。たとえば,Control-aという文字は,カーソルを行の先頭に移動します。C-aを入力するには,hCTRLiキーを押したままhaiキーを押します。次の節では,Control-aのような制御文字をC-aと表記しています。コマンドライン編集機能の別のセットは,メタ文字を使用します。ある端末では,hMETAiキーを押しながらhuiを押すことにより,M-uを打ち込みます。もし使用している端末にhMETAiキーが無いならば,ESCキーで始まる2 文字を入力することにより,メタ文字を入力できます。したがって,M-u を入力するには,hESCihuiと打ち込めばよいのです。ESC入力法は,メタキーを持つ端末においても使用できます。以降の節において,Meta-u という¥メタ文字は,M-uと表記しています。 以下のコマンドは,カーソルを移動するものです。 上の表は,入力行の編集を行うために必要な,最も基本的なキーストロークについて解説しています。大部分の端末においては,カーソルを進めたり戻したりするには,C-fやC-bの代わりに矢印キーを使用できます。 C-fが1文字進めるのに対して,M-fは1単語進めることに注意してください。おおざっぱに言えば,コントロールキーの組み合わせは文字を操作するものであって,メタキーの組み合わせは単語を操作するのです。Octave プログラム内でスクリーンをクリアする関数もあります。 [Built-in Function] [Built-in Function] 端末のスクリーンをクリアし,カーソルを左上隅に移動します。 テキストを切り取る(killing)というのは,その行からテキストを削除し,後で使用するためにその内容を保存しておくことです。通常は,貼り付け(yanking)することにより,それを行に戻します。もしコマンドについての解説で,テキストを「切り取る」という表現があるならば,後でテキストを違う位置(または同じ位置)に戻すことになると思ってください。 テキストを切り取るためのコマンド一覧を示します。 切り取りコマンドを使用するとき,そのテキストは切り取りリング(kill-ring)に保存されます。任意回数の連続した切り取りは,切り取ったテキストとともに保存されます。その結果,それを貼り付けして戻すとき,それを一気に得ることがことができます。切り取りリングは,特定の行についてのものではありません。つまり,以前に入力した行において切り取ったテキストは,別の行を入力しているときに,後に貼り付けのために利用することができます。 以降のコマンドは,特別な意味を持つ文字(たとえばTABやC-qなど),を入力する,あるいはタイプミスを素早く修正するために使用できます。 以下のコマンドは,Octave でコマンドや変数名を補完できるようにするものです。 completion_append_charの値は,コマンドライン補完の試みがうまくいったときに付加する文字として使用します。初期状態の値は," "(単一のスペース)です。 [Built-in Function] hint により与えられる可能な補完を生成します。この関数は,Emacs のようなOctave を操作したりユーザの入力を管理できるようなプログラムの利便のために提供されています。この関数が呼ばれるとき,現在のコマンド番号はインクリメントされません。これは仕様であり,バグではありません。 Octave は,通常,あなたがタイプしたコマンドの履歴を保持しています。これにより,編集や再実行するために以前のコマンドを呼び出すことができます。Octave を終了するとき,最も最近入力したコマンドはファイルに保存されます。保存数の上限は,history_sizeなる変数で指定されます。Octave を起動するとき,変数history_fileで指定したファイル名から,コマンドの初期リストを読み込みます。 履歴リストを単純に閲覧および検索するためのコマンドを示します。 hRETi カーソル位置にかかわらず,その行を受け入れます。この行が空でないならば,それを履歴リストに追加します。もしこの行が履歴行であったならば,その履歴行をもとの位置に復元します。 大部分の端末では,履歴リストをたぐるために,C-pおよびC-nの代わりに矢印キーも使うことができます。 履歴リストを移動するためのキーボードコマンドに加えて,Octave は,履歴リストからのコマンド群を閲覧,編集,再実行するための関数を提供しています。 もし引数なし実行するならば,historyは,あなたが実行したコマンドのリストを表示します。以下のオプションが使用できる。 n 履歴の最近n 行のみを表示します。 たとえば,最近入力した5 つのコマンドを,行番号なしで表示するには,history -q 5 というコマンドを使用します。 もし引数なしで実行するならば,edit_historyは,EDITOR変数で指定したエディタを使用して履歴リストを編集できるようにします。編集されることになるコマンド群は,最初にテンポラリファイルへとコピーされます。エディタを終了するとき,Octave は,そのファイルに残ったコマンドを実行します。関数を定義するためにedit_historyを使う方が,コマンドラインに直接入力しようとするよりも,より便利です。標準設定により,一連のコマンドは,エディタを終了するとすぐに実行されます。コマンドの実行を避けるためには,エディタを終了する前に,バッファから単に全ての行を削除してください。edit_historyコマンドは,編集したい最初と最後のコマンドの履歴番号を指定するための2つのオプション引数をとります。たとえば,以下のコマンド は,履歴リストの13 番目から最後までの全てのコマンドを取り出します。以下のコマンドedit_history 13 169は,13 番目から169 番目までのコマンドのみを展開します。最初の番号よりも2 番目の番号に大きい値を指定するならば,編集するためのバッファにおく前に,コマンドのリストを逆順にします。もし両方の引数を省略するならば,履歴リストに存在する以前のコマンドが使用されます。run_history [first] [last] [Command]edit_historyと同様であるが,エディタを実行せず,履歴リストに存在するコマンドを単に実行します。 [Built-in Variable] この変数は,コマンド履歴を保存するために使用するファイル名を指定します。標準の値は"~/.octave_hist"であるが,環境変数OCTAVE_HISTFILEによって上書きすることができる。 [Built-in Variable] この変数は,どのくらいの項目を履歴ファイルに保存するかを指定します。標準の値は1024であるが,環境変数OCTAVE_HISTSIZEによって上書きすることができる。 [Built-in Variable] もし変数saving_historyがゼロでないならば,コマンドラインで入力した行が,変数history_fileによって指定したファイルに保存されます。 以下の変数は,コマンドラインプロンプトの見た目をカスタマイズするために利用できます。Octaveでは,バックスラッシュでエスケープされる数々の特殊文字を挿入することにより,プロンプトをカスタマイズできるようになっています。それらの特殊文字は,以下のように解釈されます。 プライマリプロンプトの文字列です。対話的に実行するとき,Octave がコマンドを読み込む準備ができたときに,プライマリプロンプトを表示します。 PS1の初期値は"\s:\#> "です。これを変更するには, のようなコマンドを入力します。これは,ホスト‘kremvax.kgb.su’にログインしたユーザ‘boris’について,‘boris@kremvax> ’なるプロンプトになるだろう。2 つのバックスラッシュは,文字列に1 個のバックスラッシュを入力するために必要であることに留意してください。Chapter 5 [Strings] を参照してください。 セカンダリプロンプトの文字列です。これは,Octave が,コマンド入力を完了するために追加入力を期待するときに表示するものです。たとえば,複数行にわたる関数を定義するとき,Octave は,2 行目以降の各行の先頭にPS1の値を表示することになります。PS2の初期値は">"です。 もしOctave が--echo-commandsオプションをつけて起動されるならば,各入力行をエコーする前にPS4の値を表示します。PS4の初期値は\n"+ "です。--echo-commandsの解説は,Section 2.1 [Invoking Octave] を参照してください。 Octave の日記機能は,打ち込んだ入力およびOctave が表示した出力を記録することにより,対話セッションの全ての実行結果(ログ)を,別のファイルに保存できるようにします。 全てのコマンドおよびそれらが生み出した出力結果のリストを生成します。これは,端末で見えているように,入力と表示を一緒に混ぜる。 ときどき,関数あるいはスクリプトが評価されるときに,そのコマンドを見ることが有用なこともあります。これは,ある種の問題のデバッグに特に役立ちます。 コマンドを実行したときに,それを表示(エコー)するかどうかどうかをコントロールします。以下のオプションが利用できる。 この変数は,エコー設定をコントロールするために使用されます。これは,以下の値の合計となります。 1つ以上の設定を同時に行うことができる。たとえば,3 という値は,echo on allコマンドと等価です。echo_executing_commandsの値は,echoコマンドおよびコマンドラインオプション--echo-inputによって設定されます。 Octave は,妥当ではないプログラムについて,2 種類のエラーを報告します。もしOctave が打ち込まれた内容を理解できないならば,parse error が発生します。たとえば,キーワードのスペルを間違ったとします。 Octave は,以下のようなメッセージをただちに表示するでしょう。 大部分のパースエラーについて,Octave では,あなたの入力で意味をなすことのできない行の位置をマークするために,キャレット記号(‘^’)を使用します。この例の場合,functionというキーワードのスペルが誤っていたため,Octave はエラーを生成しました。‘function f’と解釈するのではなく,Octave は2 つの連続する変数名として解釈しました。これは,この文脈では妥当ではありません。yにおいてエラーをマークしたのは,最初の名前(functon)がそれ自身,妥当な入力として受け入れられたからです。 エラーメッセージの別の種類は,評価時に発生します。これらのエラーは実行時(ランタイム)エラー,あるいは時々評価エラーとも呼ばれます。これは,それらのエラーは,プログラムが実行(run),あるいは評価(evaluated)されたときに発生することによるものです。たとえば,以前の関数定義におけるミスを修正した後に,以下のように打ち込むとします。 Octave は以下のように応答するでしょう。 このエラーメッセージは複数の部分に分かれており,エラーの原因を突き止める手助けとなる一片の情報を与えています。これらメッセージは,最も奥にあるエラー点から生成されており,式および関数呼び出しを囲むトレースバックを提供します。 上の例において,最初の行は,‘x’なる名前の変数が,何かの関数あるいは式の1 行24 桁目付近で定義されていないことが判明したことを示しています。関数内で発生したエラーについて,その行は,関数の定義を含むファイルの始まりからカウントされます。トップレベルで発生したエラーについて,その行番号は,入力行の番号を示します。これは,通常はプロンプト文字列に示されています。この例の2 行目および3 行目は,代入式でエラーが発生したことを示しており,エラーメッセージの最後の行は,エラーが関数fの中で発生したことを示しています。もし仮に,関数fが別の関数(たとえばg)から呼ばれていたならば,エラーのリストはもう1 行多くなったことでしょう。 これらの関数呼び出しリストは,ふつうは,エラーが起こる前にプログラムを実行したパスをかなり容易にたどれるようになっており,再度実行する前にエラーを修正しやすくなっています。 いちどOctave を習得してしまえば,‘#!’スクリプト機構を使用して,自己完結型のOctave スクリプトを書きたいと思うかもしれません。これは,GNU システムおよび多くのUNIX システム1 で実行できます。 たとえば,以下のような行を含む‘hello’という名前のテキストファイルを作成してみます(ここでoctave-interpreter-name は,お使いのOctave バイナリの完全なファイル名で置き換えるべきです)。 このファイルを(chmodを用いて)実行可能にした後,シェルから単に以下のように入力できます。helloシステムは,以下のように入力したかのようにOctave を実行する手はずを整えるでしょう。 ‘#!’で始まる行は,実行すべきインタプリタのフルパス名と,インタプリタに渡すコマンドライン引数を並べて項目リストとします。オペレーティングシステムは,与えた引数および実行したプログラムの引数リストをつけてインタプリタをを実行します。このリストの最初の項目は,Octave プログラムの完全なファイル名です。項目リストの残りは,Octave のオプション,あるいはデータファイル,またはその両方をとることができます。‘-qf’オプションは,通常の起動時メッセージの表示を抑制し,特定ユーザの‘~/.octaverc’ファイルの内容に依存して異なる挙動をしないようにするため,ふつうは,単独で実行するOctave プログラムにおいて指定されます。これについて,Section 2.1[Invoking Octave] を参照してください。オペレーティングシステムの中には,‘#!’の後に認 識される文字数に制限があるものがあるかもしれません。自己完結型のOctave スクリプトは,プログラムをOctave 言語で記述する知識のないユーザが実行できるプログラムを書きたいときに役立ちます。実行可能なOctave スクリプトを,コマンドライン引数をつけて実行するならば,その引数は組み込み変数argvとして利用することができます。これについて,Section 2.1.1 [Command LineOptions] を参照してください。たとえば以下のプログラムは,それを実行するために使用したコマンドラインを再生産するでしょう。 コメントは,人間が読むためにプログラムに含められ,ふつうはプログラムの一部ではないテキストのことです。コメントは,そのプログラムが行うことと,それがどのような動作をするか説明することができます。ほぼ全てのプログラミング言語は,コメント機能を提供しています。なぜならば,プログラムはコメントなしで理解することは概して困難であるためです。1 ‘#!’機構はBerkeley Unix, System V Release 4,およびいくつかのSystem V Release 3 systems から派生したUNIX システムで動作します。 Octave 言語において,コメントはシャープ記号‘#’,あるいはパーセント記号‘%’のいずれかで始まり,行末まで続きます。Octave インタプリタは,シャープまたはパーセント記号以降の行の内容を無視します。たとえば,関数fに以下のようなコメントをおくことができます。 helpコマンド(Section 2.3 [Getting Help])は,関数のコメントの最初のブロック(コマンドラインから直接入力された関数についても)を見つけることができます。これは,Octaveのユーザが,組み込み関数と自分で定義した関数のヘルプを得るためには,同じコマンドを使用できることを意味します。たとえば,上のように関数fを定義した後,help fというコマンドを実行すると,以下の出力が得られます。 キーボードから入力した一時的なOctave プログラムにコメント行を含めることは可能ですが,ふつうはあまり役に立ちません。なぜならば,コメントの目的は,後から,そのプログラムを入力者または別の人に理解してもらう手助けをすることだからです。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "この章では,Octave の基本機能のいくつかについて説明しています。 これには,Octaveセッションを開始する方法,コマンドプロンプトでヘルプを得る方法,コマンドラインの編集のしかた,およびシェルからコマンドとして実行するためのOctave プログラムを書く方法が含まれています。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "通常は,何も引数を与えずに‘octave’ を実行することにより,Octave は対話的に使用することができます。 一度開始してしまえば,終了の命令を与えるまで,Octave は端末からコマンドを読み込みます。 コマンドラインでファイル名を指定することもできます。 そのとき,Octave はそのファイルを読み込んで実行し,末尾まで読み込んだ後に終了します。 次の節で解説してあるコマンドラインオプションを使用することにより,どのようにOctave を起動するかを,さらにコントロールすることができます。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "Octave が受け入れるすべてのコマンドラインオプションの完全な一覧を示します。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "-d パーサデバッグモードに入ります。このオプションを使うと,Octave のパーサが,読み込んだコマンドについて多くの情報を表示するようになります。 これは,おそらく実際にパーサのデバッグを試みるときにのみ有用でしょう。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "-commands", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "-x コマンドが実行されるときに,そのコマンドを表示します。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "実行すべきプログラムを検索するパスを指定します。 コマンドラインで指定したpath の値は,環境変数OCTAVE_EXEC_PATH の値を上書きすることになります。 しかし,組み込み変数EXEC_PATH をセットしているシステムあるいはユーザのスタートアップファイル内のコマンドには影響しません。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "-h", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "-?", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "短いヘルプメッセージを表示して終了します。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "使用すべきinfo ファイルの名前を指定します。 コマンドラインで指定したfilename の値は,環境変数OCTAVE_INFO_FILE の値を上書きすることになります。 しかし,組み込み変数INFO_FILE をセットしているシステムあるいはユーザのスタートアップファイル内のコマンドには影響しません。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "使用すべきinfo プログラムの名前を指定します。コマンドラインで指定したprogramの値は,環境変数OCTAVE_INFO_PROGRAM の値を上書きすることになります。しかし,組み込み変数INFO_PROGRAM をセットしているシステムあるいはユーザのスタートアップファイル内のコマンドには影響しません。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "-i 強制的に対話的挙動をするようにします。 これは,リモートシェルコマンドあるいはEmacs のシェルバッファを通してOctave を実行する際に有用です。 Emacs 内でOctaveを実行するための別の方法は,付記D [Emacs]を参照してください。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "-H コマンドライン履歴を使用できなくします。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "ファイル‘~/.octaverc’あるいは‘.octaverc’を読みません。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "コマンドライン編集を不可にします。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "site-wide ‘octaverc’ ファイルを読みません。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "-f 起動時に一切のシステムあるいはユーザ初期化ファイルを読みません。これは,--no-init-fileと--no-site-fileの両方のオプションを指定したものと等価です。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "-p path 関数ファイルの検索パスを指定します。コマンドラインで指定したpath の値は,環境変数OCTAVE_PATH の値を上書きすることになります。しかし,組み込み変数LOADPATHをセットしているシステムあるいはユーザのスタートアップファイル内のコマンドには影響しません。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "-q 起動時のメッセージとバージョン情報を表示しません。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "Matlab との互換性を保つため,ユーザ設定変数の初期値として,以下の値をセットします。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "-V 冗長な出力に切り替えます。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "-v プログラムのバージョン番号を表示して終了します。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "fileからコマンドを実行します。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "Octave には,引数の数やオプションのすべてなど,コマンドラインについての情報を含む組み込み関数がいくつかあります。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "Octave に渡されたコマンドライン引数は,この変数によって得ることができる。たとえば,以下のコマンドによりOctave を起動したとすれば,", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "argvは,--no-line-editingと--silentを含む文字列型配列となります。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "もし実行可能なOctave スクリプトを入力したならば,argvはスクリプトに渡された引数リストを含む。実行可能なOctave スクリプトを作成する方法の一例はSection 2.6 [Executable Octave Programs]を参照してください。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "[Built-in Variable]", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "[Built-in Variable]", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "Octave が開始するとき,組み込み変数program_invocation_nameには,Octave を起動するためにシェルに入力した名前が自動的にセットされます。また,program_nameの値には,program_invocation_nameの最後の成分が自動的にセットされます。たとえば,Octave を起動するために‘/usr/local/bin/octave’と打ち込んだならば,program_invocation_nameは\"/usr/local/bin/octave\" という値をとり,program_nameは\"octave\"という値となります。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "コマンドラインからスクリプトを実行する(たとえば,octave foo.m のように打ち込む)ならば,プログラム名は,スクリプトのファイル名にセットされます。実行可能なOctave スクリプトを作成する方法の一例はSection 2.6 [Executable Octave Programs]を参照してください。これらの変数を,Octave のコマンドラインを再生成するために使用した例を示します。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 32, "tag": "p", "text": "注:MATLABとの互換性を保つためには、\"endfor\"ではなく、\"end\"を使用した方が良い。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 33, "tag": "p", "text": "Section 10.1 [Index Expressions] では,Octave において,どのように文字列や部分文字列の添え字を適切に扱うかを説明しています。また,Section 13.1 [Defining Functions] には,変数narginについての情報があります。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 34, "tag": "p", "text": "Octave を起動したとき,以下に示すファイルから,実行すべきコマンドを検索します。 octave-home/share/octave/site/m/startup/octavercoctave-home は,Octave がインストールされているディレクトリ( 標準では‘/usr/local’)です。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 35, "tag": "p", "text": "このファイルが存在すると,インストールしたOctave の全てのバージョンについて,全てのユーザに対して広域的に標準のOctave 環境を変更することとなります。このファイルを変更するときには,いくぶん注意が必要です。というのも,Octave を利用するすべてのユーザが影響を受けるからです。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 36, "tag": "p", "text": "octave-home は,Octave がインストールされているディレクトリ( 標準では‘/usr/local’)です。このファイルが存在すると,インストールしたOctave の特定のバージョンについて,全てのユーザに対して広域的に標準のOctave 環境を変更することとなります。このファイルを変更するときには,いくぶん注意が必要です。というのも,Octave を利用するすべてのユーザが影響を受けるからです。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 37, "tag": "p", "text": "このファイルは,通常は,標準のOctave 環境に個人的な変更を加えるために使用します。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 38, "tag": "p", "text": "このファイルは,特定のプロジェクトに対して,標準のOctave 環境を変更するために使用することができます。Octave は,‘~/.octaverc’を読み込んだ後に,カレントディレクトリにおいてこのファイルを検索します。‘~/.octaverc’ファイルでcdコマンド利用すると,Octave が‘.octaverc’を検索するディレクトリも影響を受けます。もし,ホームディレクトリでOctave を起動するならば,ファイル‘~/.octaverc’ からのコマンドは一度だけ実行されるでしょう。もしOctave を起動するときに--silentではなく,--verboseオプションをつけるならば,各スタートアップファイルを実行するときには,メッセージを表示するようになります。スタートアップファイルには,妥当な任意のOctave コマンドや関数の定義を含めることができます。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 39, "tag": "p", "text": "[Built-in Function]", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 40, "tag": "p", "text": "[Built-in Function]", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 41, "tag": "p", "text": "現在のOctave セッションを終了します。オプション引数として整数status を与えるならば,これをOctave の終了ステータスとしてオペレーティングシステムに渡します。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 42, "tag": "p", "text": "[Built-in Function]", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 43, "tag": "p", "text": "Octave が終了するときに呼び出す関数を登録します。たとえば,", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 44, "tag": "p", "text": "この例は,Octave が終了するときにメッセージを表示することになります。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 45, "tag": "p", "text": "このマニュアルの完全な文章は,Octave プロンプトからhelp -iというコマンドを入力することにより入手できます。さらに,個々のユーザ作成関数および変数についてのドキュメントも,helpコマンドを通して得ることができます。この節ではマニュアル,およびユーザ提供関数や変数に対するドキュメントを読むために使用されるコマンドについて述べています。あなたの書いた関数に対して,どのように文書化すべきかについてのさらなる情報は,Section 13.6 [Function Files] を参照してください。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 46, "tag": "p", "text": "[Command]", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 47, "tag": "p", "text": "Octave のhelpコマンドは,GNU Info ブラウザを用いて,簡略な使用法を述べたメッセージを表示する,あるいは印刷マニュアルのオンライン版から直接情報を表示するために使用されます。このコマンドを引数なしで呼び出すならば,全ての利用可能な演算子,関数および組み込み変数のリストを出力します。もし1 番目の引数が-iであれば,与えられたトピックに対して,このマニュアルのオンライン版の索引を表示します。 たとえば,help helpは,helpコマンドを説明する短いメッセージを表示し,help -i helpはマニュアルのオンライン版のこのノードにおいて,GNU Info ブラウザを起動します。いちどGNU Info ブラウザを実行すると,キー入力C-hを使用することにより,その使用法についてのヘルプを得ることができる。 helpコマンドは,演算子についての情報を提供します。しかし,コマンドの区切りとして使用されるカンマやセミコロンについては,そうはいきません。それらに関するヘルプを得るには,helpcommaあるいはhelp semicolon と打ち込まなければなりません。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 48, "tag": "p", "text": "[Built-in Variable]", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 49, "tag": "p", "text": "変数INFO_FILEは,Octave のinfo ファイルの位置を表す。初期状態では,\"octavehome/info/octave.info\"です。ここでoctave-home は,Octave がインストールされたディレクトリです。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 50, "tag": "p", "text": "[Built-in Variable]", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 51, "tag": "p", "text": "変数INFO_PROGRAMは,実行すべきinfo プログラムを表す。初期状態では,\"octavehome/libexec/octave/version/exec/arch/info\" です。ここでoctave-home はOctave がインストールされたディレクトリ,version はOctave のバージョン番号,およびarch はシステムのタイプ(たとえばi686-pc-linux-gnu)です。初期値は,環境変数OCTAVE_INFO_PROGRAM,あるいはコマンドライン引数--info-program NAME,さらにはスタートアップファイルにおいてINFO_PROGRAM変数に値をセットすることで上書きされます。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 52, "tag": "p", "text": "[Built-in Variable]", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 53, "tag": "p", "text": "変数MAKEINFO_PROGRAMは,Octave がTexinfo マークアップコマンドを含むヘルプ文章を書式化するために起動するmakeinfo プログラムを表す。その初期値は\"makeinfo\"です。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 54, "tag": "p", "text": "[Built-in Variable]", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 55, "tag": "p", "text": "もしsuppress_verbose_help_messageの値がゼロでないならば,Octave はhelpコマンドからの出力あるいは組み込みコマンドの使用法メッセージの末端に,追加のヘルプ情報を追加することになります。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 56, "tag": "p", "text": "Octave は,広範囲なコマンドライン編集とヒストリ機能を提供するために,GNU readline ライブラリを使用しています。このマニュアルでは,最もよく使用される機能のみを解説しています。さらなる情報は,GNU Readline ライブラリのマニュアルを参照してください。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 57, "tag": "p", "text": "印刷可能文字(アルファベット,数字,機能など)を入力するには,単にその文字を打ち込みます。Octave は,その文字を挿入し,カーソルを次に進めます。コマンドライン編集機能の多くは,制御文字を使用して操作します。たとえば,Control-aという文字は,カーソルを行の先頭に移動します。C-aを入力するには,hCTRLiキーを押したままhaiキーを押します。次の節では,Control-aのような制御文字をC-aと表記しています。コマンドライン編集機能の別のセットは,メタ文字を使用します。ある端末では,hMETAiキーを押しながらhuiを押すことにより,M-uを打ち込みます。もし使用している端末にhMETAiキーが無いならば,ESCキーで始まる2 文字を入力することにより,メタ文字を入力できます。したがって,M-u を入力するには,hESCihuiと打ち込めばよいのです。ESC入力法は,メタキーを持つ端末においても使用できます。以降の節において,Meta-u という¥メタ文字は,M-uと表記しています。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 58, "tag": "p", "text": "以下のコマンドは,カーソルを移動するものです。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 59, "tag": "p", "text": "上の表は,入力行の編集を行うために必要な,最も基本的なキーストロークについて解説しています。大部分の端末においては,カーソルを進めたり戻したりするには,C-fやC-bの代わりに矢印キーを使用できます。 C-fが1文字進めるのに対して,M-fは1単語進めることに注意してください。おおざっぱに言えば,コントロールキーの組み合わせは文字を操作するものであって,メタキーの組み合わせは単語を操作するのです。Octave プログラム内でスクリーンをクリアする関数もあります。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 60, "tag": "p", "text": "[Built-in Function]", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 61, "tag": "p", "text": "[Built-in Function]", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 62, "tag": "p", "text": "端末のスクリーンをクリアし,カーソルを左上隅に移動します。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 63, "tag": "p", "text": "テキストを切り取る(killing)というのは,その行からテキストを削除し,後で使用するためにその内容を保存しておくことです。通常は,貼り付け(yanking)することにより,それを行に戻します。もしコマンドについての解説で,テキストを「切り取る」という表現があるならば,後でテキストを違う位置(または同じ位置)に戻すことになると思ってください。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 64, "tag": "p", "text": "テキストを切り取るためのコマンド一覧を示します。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 65, "tag": "p", "text": "切り取りコマンドを使用するとき,そのテキストは切り取りリング(kill-ring)に保存されます。任意回数の連続した切り取りは,切り取ったテキストとともに保存されます。その結果,それを貼り付けして戻すとき,それを一気に得ることがことができます。切り取りリングは,特定の行についてのものではありません。つまり,以前に入力した行において切り取ったテキストは,別の行を入力しているときに,後に貼り付けのために利用することができます。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 66, "tag": "p", "text": "以降のコマンドは,特別な意味を持つ文字(たとえばTABやC-qなど),を入力する,あるいはタイプミスを素早く修正するために使用できます。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 67, "tag": "p", "text": "以下のコマンドは,Octave でコマンドや変数名を補完できるようにするものです。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 68, "tag": "p", "text": "completion_append_charの値は,コマンドライン補完の試みがうまくいったときに付加する文字として使用します。初期状態の値は,\" \"(単一のスペース)です。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 69, "tag": "p", "text": "[Built-in Function]", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 70, "tag": "p", "text": "hint により与えられる可能な補完を生成します。この関数は,Emacs のようなOctave を操作したりユーザの入力を管理できるようなプログラムの利便のために提供されています。この関数が呼ばれるとき,現在のコマンド番号はインクリメントされません。これは仕様であり,バグではありません。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 71, "tag": "p", "text": "Octave は,通常,あなたがタイプしたコマンドの履歴を保持しています。これにより,編集や再実行するために以前のコマンドを呼び出すことができます。Octave を終了するとき,最も最近入力したコマンドはファイルに保存されます。保存数の上限は,history_sizeなる変数で指定されます。Octave を起動するとき,変数history_fileで指定したファイル名から,コマンドの初期リストを読み込みます。 履歴リストを単純に閲覧および検索するためのコマンドを示します。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 72, "tag": "p", "text": "hRETi カーソル位置にかかわらず,その行を受け入れます。この行が空でないならば,それを履歴リストに追加します。もしこの行が履歴行であったならば,その履歴行をもとの位置に復元します。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 73, "tag": "p", "text": "大部分の端末では,履歴リストをたぐるために,C-pおよびC-nの代わりに矢印キーも使うことができます。 履歴リストを移動するためのキーボードコマンドに加えて,Octave は,履歴リストからのコマンド群を閲覧,編集,再実行するための関数を提供しています。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 74, "tag": "p", "text": "もし引数なし実行するならば,historyは,あなたが実行したコマンドのリストを表示します。以下のオプションが使用できる。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 75, "tag": "p", "text": "n 履歴の最近n 行のみを表示します。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 76, "tag": "p", "text": "たとえば,最近入力した5 つのコマンドを,行番号なしで表示するには,history -q 5 というコマンドを使用します。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 77, "tag": "p", "text": "もし引数なしで実行するならば,edit_historyは,EDITOR変数で指定したエディタを使用して履歴リストを編集できるようにします。編集されることになるコマンド群は,最初にテンポラリファイルへとコピーされます。エディタを終了するとき,Octave は,そのファイルに残ったコマンドを実行します。関数を定義するためにedit_historyを使う方が,コマンドラインに直接入力しようとするよりも,より便利です。標準設定により,一連のコマンドは,エディタを終了するとすぐに実行されます。コマンドの実行を避けるためには,エディタを終了する前に,バッファから単に全ての行を削除してください。edit_historyコマンドは,編集したい最初と最後のコマンドの履歴番号を指定するための2つのオプション引数をとります。たとえば,以下のコマンド", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 78, "tag": "p", "text": "は,履歴リストの13 番目から最後までの全てのコマンドを取り出します。以下のコマンドedit_history 13 169は,13 番目から169 番目までのコマンドのみを展開します。最初の番号よりも2 番目の番号に大きい値を指定するならば,編集するためのバッファにおく前に,コマンドのリストを逆順にします。もし両方の引数を省略するならば,履歴リストに存在する以前のコマンドが使用されます。run_history [first] [last] [Command]edit_historyと同様であるが,エディタを実行せず,履歴リストに存在するコマンドを単に実行します。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 79, "tag": "p", "text": "[Built-in Variable]", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 80, "tag": "p", "text": "この変数は,コマンド履歴を保存するために使用するファイル名を指定します。標準の値は\"~/.octave_hist\"であるが,環境変数OCTAVE_HISTFILEによって上書きすることができる。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 81, "tag": "p", "text": "[Built-in Variable]", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 82, "tag": "p", "text": "この変数は,どのくらいの項目を履歴ファイルに保存するかを指定します。標準の値は1024であるが,環境変数OCTAVE_HISTSIZEによって上書きすることができる。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 83, "tag": "p", "text": "[Built-in Variable]", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 84, "tag": "p", "text": "もし変数saving_historyがゼロでないならば,コマンドラインで入力した行が,変数history_fileによって指定したファイルに保存されます。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 85, "tag": "p", "text": "以下の変数は,コマンドラインプロンプトの見た目をカスタマイズするために利用できます。Octaveでは,バックスラッシュでエスケープされる数々の特殊文字を挿入することにより,プロンプトをカスタマイズできるようになっています。それらの特殊文字は,以下のように解釈されます。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 86, "tag": "p", "text": "プライマリプロンプトの文字列です。対話的に実行するとき,Octave がコマンドを読み込む準備ができたときに,プライマリプロンプトを表示します。 PS1の初期値は\"\\s:\\#> \"です。これを変更するには,", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 87, "tag": "p", "text": "のようなコマンドを入力します。これは,ホスト‘kremvax.kgb.su’にログインしたユーザ‘boris’について,‘boris@kremvax> ’なるプロンプトになるだろう。2 つのバックスラッシュは,文字列に1 個のバックスラッシュを入力するために必要であることに留意してください。Chapter 5 [Strings] を参照してください。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 88, "tag": "p", "text": "セカンダリプロンプトの文字列です。これは,Octave が,コマンド入力を完了するために追加入力を期待するときに表示するものです。たとえば,複数行にわたる関数を定義するとき,Octave は,2 行目以降の各行の先頭にPS1の値を表示することになります。PS2の初期値は\">\"です。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 89, "tag": "p", "text": "もしOctave が--echo-commandsオプションをつけて起動されるならば,各入力行をエコーする前にPS4の値を表示します。PS4の初期値は\\n\"+ \"です。--echo-commandsの解説は,Section 2.1 [Invoking Octave] を参照してください。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 90, "tag": "p", "text": "Octave の日記機能は,打ち込んだ入力およびOctave が表示した出力を記録することにより,対話セッションの全ての実行結果(ログ)を,別のファイルに保存できるようにします。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 91, "tag": "p", "text": "全てのコマンドおよびそれらが生み出した出力結果のリストを生成します。これは,端末で見えているように,入力と表示を一緒に混ぜる。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 92, "tag": "p", "text": "ときどき,関数あるいはスクリプトが評価されるときに,そのコマンドを見ることが有用なこともあります。これは,ある種の問題のデバッグに特に役立ちます。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 93, "tag": "p", "text": "コマンドを実行したときに,それを表示(エコー)するかどうかどうかをコントロールします。以下のオプションが利用できる。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 94, "tag": "p", "text": "この変数は,エコー設定をコントロールするために使用されます。これは,以下の値の合計となります。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 95, "tag": "p", "text": "1つ以上の設定を同時に行うことができる。たとえば,3 という値は,echo on allコマンドと等価です。echo_executing_commandsの値は,echoコマンドおよびコマンドラインオプション--echo-inputによって設定されます。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 96, "tag": "p", "text": "Octave は,妥当ではないプログラムについて,2 種類のエラーを報告します。もしOctave が打ち込まれた内容を理解できないならば,parse error が発生します。たとえば,キーワードのスペルを間違ったとします。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 97, "tag": "p", "text": "Octave は,以下のようなメッセージをただちに表示するでしょう。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 98, "tag": "p", "text": "大部分のパースエラーについて,Octave では,あなたの入力で意味をなすことのできない行の位置をマークするために,キャレット記号(‘^’)を使用します。この例の場合,functionというキーワードのスペルが誤っていたため,Octave はエラーを生成しました。‘function f’と解釈するのではなく,Octave は2 つの連続する変数名として解釈しました。これは,この文脈では妥当ではありません。yにおいてエラーをマークしたのは,最初の名前(functon)がそれ自身,妥当な入力として受け入れられたからです。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 99, "tag": "p", "text": "エラーメッセージの別の種類は,評価時に発生します。これらのエラーは実行時(ランタイム)エラー,あるいは時々評価エラーとも呼ばれます。これは,それらのエラーは,プログラムが実行(run),あるいは評価(evaluated)されたときに発生することによるものです。たとえば,以前の関数定義におけるミスを修正した後に,以下のように打ち込むとします。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 100, "tag": "p", "text": "Octave は以下のように応答するでしょう。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 101, "tag": "p", "text": "このエラーメッセージは複数の部分に分かれており,エラーの原因を突き止める手助けとなる一片の情報を与えています。これらメッセージは,最も奥にあるエラー点から生成されており,式および関数呼び出しを囲むトレースバックを提供します。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 102, "tag": "p", "text": "上の例において,最初の行は,‘x’なる名前の変数が,何かの関数あるいは式の1 行24 桁目付近で定義されていないことが判明したことを示しています。関数内で発生したエラーについて,その行は,関数の定義を含むファイルの始まりからカウントされます。トップレベルで発生したエラーについて,その行番号は,入力行の番号を示します。これは,通常はプロンプト文字列に示されています。この例の2 行目および3 行目は,代入式でエラーが発生したことを示しており,エラーメッセージの最後の行は,エラーが関数fの中で発生したことを示しています。もし仮に,関数fが別の関数(たとえばg)から呼ばれていたならば,エラーのリストはもう1 行多くなったことでしょう。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 103, "tag": "p", "text": "これらの関数呼び出しリストは,ふつうは,エラーが起こる前にプログラムを実行したパスをかなり容易にたどれるようになっており,再度実行する前にエラーを修正しやすくなっています。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 104, "tag": "p", "text": "いちどOctave を習得してしまえば,‘#!’スクリプト機構を使用して,自己完結型のOctave スクリプトを書きたいと思うかもしれません。これは,GNU システムおよび多くのUNIX システム1 で実行できます。 たとえば,以下のような行を含む‘hello’という名前のテキストファイルを作成してみます(ここでoctave-interpreter-name は,お使いのOctave バイナリの完全なファイル名で置き換えるべきです)。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 105, "tag": "p", "text": "このファイルを(chmodを用いて)実行可能にした後,シェルから単に以下のように入力できます。helloシステムは,以下のように入力したかのようにOctave を実行する手はずを整えるでしょう。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 106, "tag": "p", "text": "‘#!’で始まる行は,実行すべきインタプリタのフルパス名と,インタプリタに渡すコマンドライン引数を並べて項目リストとします。オペレーティングシステムは,与えた引数および実行したプログラムの引数リストをつけてインタプリタをを実行します。このリストの最初の項目は,Octave プログラムの完全なファイル名です。項目リストの残りは,Octave のオプション,あるいはデータファイル,またはその両方をとることができます。‘-qf’オプションは,通常の起動時メッセージの表示を抑制し,特定ユーザの‘~/.octaverc’ファイルの内容に依存して異なる挙動をしないようにするため,ふつうは,単独で実行するOctave プログラムにおいて指定されます。これについて,Section 2.1[Invoking Octave] を参照してください。オペレーティングシステムの中には,‘#!’の後に認 識される文字数に制限があるものがあるかもしれません。自己完結型のOctave スクリプトは,プログラムをOctave 言語で記述する知識のないユーザが実行できるプログラムを書きたいときに役立ちます。実行可能なOctave スクリプトを,コマンドライン引数をつけて実行するならば,その引数は組み込み変数argvとして利用することができます。これについて,Section 2.1.1 [Command LineOptions] を参照してください。たとえば以下のプログラムは,それを実行するために使用したコマンドラインを再生産するでしょう。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 107, "tag": "p", "text": "コメントは,人間が読むためにプログラムに含められ,ふつうはプログラムの一部ではないテキストのことです。コメントは,そのプログラムが行うことと,それがどのような動作をするか説明することができます。ほぼ全てのプログラミング言語は,コメント機能を提供しています。なぜならば,プログラムはコメントなしで理解することは概して困難であるためです。1 ‘#!’機構はBerkeley Unix, System V Release 4,およびいくつかのSystem V Release 3 systems から派生したUNIX システムで動作します。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 108, "tag": "p", "text": "Octave 言語において,コメントはシャープ記号‘#’,あるいはパーセント記号‘%’のいずれかで始まり,行末まで続きます。Octave インタプリタは,シャープまたはパーセント記号以降の行の内容を無視します。たとえば,関数fに以下のようなコメントをおくことができます。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 109, "tag": "p", "text": "helpコマンド(Section 2.3 [Getting Help])は,関数のコメントの最初のブロック(コマンドラインから直接入力された関数についても)を見つけることができます。これは,Octaveのユーザが,組み込み関数と自分で定義した関数のヘルプを得るためには,同じコマンドを使用できることを意味します。たとえば,上のように関数fを定義した後,help fというコマンドを実行すると,以下の出力が得られます。", "title": "2.1 Octave の起動" }, { "paragraph_id": 110, "tag": "p", "text": "キーボードから入力した一時的なOctave プログラムにコメント行を含めることは可能ですが,ふつうはあまり役に立ちません。なぜならば,コメントの目的は,後から,そのプログラムを入力者または別の人に理解してもらう手助けをすることだからです。", "title": "2.1 Octave の起動" } ]
null
= 2 始めましょう = この章では,Octave の基本機能のいくつかについて説明しています。 これには,Octaveセッションを開始する方法,コマンドプロンプトでヘルプを得る方法,コマンドラインの編集のしかた,およびシェルからコマンドとして実行するためのOctave プログラムを書く方法が含まれています。 == 2.1 Octave の起動 == 通常は,何も引数を与えずに‘octave’ を実行することにより,Octave は対話的に使用することができます。 一度開始してしまえば,終了の命令を与えるまで,Octave は端末からコマンドを読み込みます。 コマンドラインでファイル名を指定することもできます。 そのとき,Octave はそのファイルを読み込んで実行し,末尾まで読み込んだ後に終了します。 次の節で解説してあるコマンドラインオプションを使用することにより,どのようにOctave を起動するかを,さらにコントロールすることができます。 === 2.1.1 コマンドラインオプション === Octave が受け入れるすべてのコマンドラインオプションの完全な一覧を示します。 ==== --debug ==== -d パーサデバッグモードに入ります。このオプションを使うと,Octave のパーサが,読み込んだコマンドについて多くの情報を表示するようになります。 これは,おそらく実際にパーサのデバッグを試みるときにのみ有用でしょう。 ==== --echo ==== -commands -x コマンドが実行されるときに,そのコマンドを表示します。 ==== --exec-path path ==== 実行すべきプログラムを検索するパスを指定します。 コマンドラインで指定したpath の値は,環境変数OCTAVE_EXEC_PATH の値を上書きすることになります。 しかし,組み込み変数EXEC_PATH をセットしているシステムあるいはユーザのスタートアップファイル内のコマンドには影響しません。 ==== --help ==== -h -? 短いヘルプメッセージを表示して終了します。 ==== --info-file filename ==== 使用すべきinfo ファイルの名前を指定します。 コマンドラインで指定したfilename の値は,環境変数OCTAVE_INFO_FILE の値を上書きすることになります。 しかし,組み込み変数INFO_FILE をセットしているシステムあるいはユーザのスタートアップファイル内のコマンドには影響しません。 ==== --info-program program ==== 使用すべきinfo プログラムの名前を指定します。コマンドラインで指定したprogramの値は,環境変数OCTAVE_INFO_PROGRAM の値を上書きすることになります。しかし,組み込み変数INFO_PROGRAM をセットしているシステムあるいはユーザのスタートアップファイル内のコマンドには影響しません。 ==== --interactive ==== -i 強制的に対話的挙動をするようにします。 これは,リモートシェルコマンドあるいはEmacs のシェルバッファを通してOctave を実行する際に有用です。 Emacs 内でOctaveを実行するための別の方法は,付記D [Emacs]を参照してください。 ==== --no-history ==== -H コマンドライン履歴を使用できなくします。 ==== --no-init-file ==== ファイル‘~/.octaverc’あるいは‘.octaverc’を読みません。 ==== --no-line-editing ==== コマンドライン編集を不可にします。 ==== --no-site-file ==== site-wide ‘octaverc’ ファイルを読みません。 ==== --norc ==== -f 起動時に一切のシステムあるいはユーザ初期化ファイルを読みません。これは,--no-init-fileと--no-site-fileの両方のオプションを指定したものと等価です。 ==== --path path ==== -p path 関数ファイルの検索パスを指定します。コマンドラインで指定したpath の値は,環境変数OCTAVE_PATH の値を上書きすることになります。しかし,組み込み変数LOADPATHをセットしているシステムあるいはユーザのスタートアップファイル内のコマンドには影響しません。 ==== --silent ==== ==== --quiet ==== -q 起動時のメッセージとバージョン情報を表示しません。 ==== --traditional ==== ==== --braindead ==== Matlab との互換性を保つため,ユーザ設定変数の初期値として,以下の値をセットします。 ::PS1 = ">> " ::PS2 = "" ::beep_on_error = true ::crash_dumps_octave_core = false ::default_save_format = "mat-binary" ::fixed_point_format = true ::page_screen_output = false ::print_empty_dimensions = false ::warn_function_name_clash = false ==== --verbose ==== -V 冗長な出力に切り替えます。 ==== --version ==== -v プログラムのバージョン番号を表示して終了します。 ==== file ==== fileからコマンドを実行します。 Octave には,引数の数やオプションのすべてなど,コマンドラインについての情報を含む組み込み関数がいくつかあります。 ==== argv [Built-in Variable] ==== Octave に渡されたコマンドライン引数は,この変数によって得ることができる。たとえば,以下のコマンドによりOctave を起動したとすれば, :octave --no-line-editing --silent argvは,--no-line-editingと--silentを含む文字列型配列となります。 もし実行可能なOctave スクリプトを入力したならば,argvはスクリプトに渡された引数リストを含む。実行可能なOctave スクリプトを作成する方法の一例はSection 2.6 [Executable Octave Programs]を参照してください。 ==== program_invocation_name ====                     [Built-in Variable] ==== program_name ====                     [Built-in Variable] Octave が開始するとき,組み込み変数program_invocation_nameには,Octave を起動するためにシェルに入力した名前が自動的にセットされます。また,program_nameの値には,program_invocation_nameの最後の成分が自動的にセットされます。たとえば,Octave を起動するために‘/usr/local/bin/octave’と打ち込んだならば,program_invocation_nameは"/usr/local/bin/octave" という値をとり,program_nameは"octave"という値となります。 コマンドラインからスクリプトを実行する(たとえば,octave foo.m のように打ち込む)ならば,プログラム名は,スクリプトのファイル名にセットされます。実行可能なOctave スクリプトを作成する方法の一例はSection 2.6 [Executable Octave Programs]を参照してください。これらの変数を,Octave のコマンドラインを再生成するために使用した例を示します。 <source lang="MATLAB">     printf ("%s", program_name);     for i = 1:nargin     printf (" %s", nth (argv, i));     endfor     printf ("\n"); </source> 注:MATLABとの互換性を保つためには、"endfor"ではなく、"end"を使用した方が良い。 Section 10.1 [Index Expressions] では,Octave において,どのように文字列や部分文字列の添え字を適切に扱うかを説明しています。また,Section 13.1 [Defining Functions] には,変数narginについての情報があります。 === 2.1.2 スタートアップファイル === Octave を起動したとき,以下に示すファイルから,実行すべきコマンドを検索します。 octave-home/share/octave/site/m/startup/octavercoctave-home は,Octave がインストールされているディレクトリ( 標準では‘/usr/local’)です。 このファイルが存在すると,インストールしたOctave の全てのバージョンについて,全てのユーザに対して広域的に標準のOctave 環境を変更することとなります。このファイルを変更するときには,いくぶん注意が必要です。というのも,Octave を利用するすべてのユーザが影響を受けるからです。 :octave-home/share/octave/version/m/startup/octaverc octave-home は,Octave がインストールされているディレクトリ( 標準では‘/usr/local’)です。このファイルが存在すると,インストールしたOctave の特定のバージョンについて,全てのユーザに対して広域的に標準のOctave 環境を変更することとなります。このファイルを変更するときには,いくぶん注意が必要です。というのも,Octave を利用するすべてのユーザが影響を受けるからです。 :~/.octaverc このファイルは,通常は,標準のOctave 環境に個人的な変更を加えるために使用します。 :.octaverc このファイルは,特定のプロジェクトに対して,標準のOctave 環境を変更するために使用することができます。Octave は,‘~/.octaverc’を読み込んだ後に,カレントディレクトリにおいてこのファイルを検索します。‘~/.octaverc’ファイルでcdコマンド利用すると,Octave が‘.octaverc’を検索するディレクトリも影響を受けます。もし,ホームディレクトリでOctave を起動するならば,ファイル‘~/.octaverc’ からのコマンドは一度だけ実行されるでしょう。もしOctave を起動するときに--silentではなく,--verboseオプションをつけるならば,各スタートアップファイルを実行するときには,メッセージを表示するようになります。スタートアップファイルには,妥当な任意のOctave コマンドや関数の定義を含めることができます。 == 2.2 Octave の終了 == ==== exit(status) ====                            [Built-in Function] ==== quit(status) ====                           [Built-in Function] 現在のOctave セッションを終了します。オプション引数として整数status を与えるならば,これをOctave の終了ステータスとしてオペレーティングシステムに渡します。 ==== atexit(fcn) ====                           [Built-in Function] Octave が終了するときに呼び出す関数を登録します。たとえば, <source lang="MATLAB"> function print_fortune () printf ("%s", system ("fortune")); fflush (stdout); endfunction </source> :atexit ("print_fortune"); この例は,Octave が終了するときにメッセージを表示することになります。 == 2.3 ヘルプを得るためのコマンド == このマニュアルの完全な文章は,Octave プロンプトからhelp -iというコマンドを入力することにより入手できます。さらに,個々のユーザ作成関数および変数についてのドキュメントも,helpコマンドを通して得ることができます。この節ではマニュアル,およびユーザ提供関数や変数に対するドキュメントを読むために使用されるコマンドについて述べています。あなたの書いた関数に対して,どのように文書化すべきかについてのさらなる情報は,Section 13.6 [Function Files] を参照してください。 ==== help ====                        [Command] Octave のhelpコマンドは,GNU Info ブラウザを用いて,簡略な使用法を述べたメッセージを表示する,あるいは印刷マニュアルのオンライン版から直接情報を表示するために使用されます。このコマンドを引数なしで呼び出すならば,全ての利用可能な演算子,関数および組み込み変数のリストを出力します。もし1 番目の引数が-iであれば,与えられたトピックに対して,このマニュアルのオンライン版の索引を表示します。 たとえば,help helpは,helpコマンドを説明する短いメッセージを表示し,help -i helpはマニュアルのオンライン版のこのノードにおいて,GNU Info ブラウザを起動します。いちどGNU Info ブラウザを実行すると,キー入力C-hを使用することにより,その使用法についてのヘルプを得ることができる。 helpコマンドは,演算子についての情報を提供します。しかし,コマンドの区切りとして使用されるカンマやセミコロンについては,そうはいきません。それらに関するヘルプを得るには,helpcommaあるいはhelp semicolon と打ち込まなければなりません。 ==== INFO_FILE ====                        [Built-in Variable] 変数INFO_FILEは,Octave のinfo ファイルの位置を表す。初期状態では,"octavehome/info/octave.info"です。ここでoctave-home は,Octave がインストールされたディレクトリです。 ==== INFO_PROGRAM====                        [Built-in Variable] 変数INFO_PROGRAMは,実行すべきinfo プログラムを表す。初期状態では,"octavehome/libexec/octave/version/exec/arch/info" です。ここでoctave-home はOctave がインストールされたディレクトリ,version はOctave のバージョン番号,およびarch はシステムのタイプ(たとえばi686-pc-linux-gnu)です。初期値は,環境変数OCTAVE_INFO_PROGRAM,あるいはコマンドライン引数--info-program NAME,さらにはスタートアップファイルにおいてINFO_PROGRAM変数に値をセットすることで上書きされます。 ==== MAKEINFO_PROGRAM====                         [Built-in Variable] 変数MAKEINFO_PROGRAMは,Octave がTexinfo マークアップコマンドを含むヘルプ文章を書式化するために起動するmakeinfo プログラムを表す。その初期値は"makeinfo"です。 ==== suppress_verbose_help_message====                          [Built-in Variable] もしsuppress_verbose_help_messageの値がゼロでないならば,Octave はhelpコマンドからの出力あるいは組み込みコマンドの使用法メッセージの末端に,追加のヘルプ情報を追加することになります。 == 2.4 コマンドラインの編集 == Octave は,広範囲なコマンドライン編集とヒストリ機能を提供するために,GNU readline ライブラリを使用しています。このマニュアルでは,最もよく使用される機能のみを解説しています。さらなる情報は,GNU Readline ライブラリのマニュアルを参照してください。 印刷可能文字(アルファベット,数字,機能など)を入力するには,単にその文字を打ち込みます。Octave は,その文字を挿入し,カーソルを次に進めます。コマンドライン編集機能の多くは,制御文字を使用して操作します。たとえば,Control-aという文字は,カーソルを行の先頭に移動します。C-aを入力するには,hCTRLiキーを押したままhaiキーを押します。次の節では,Control-aのような制御文字をC-aと表記しています。コマンドライン編集機能の別のセットは,メタ文字を使用します。ある端末では,hMETAiキーを押しながらhuiを押すことにより,M-uを打ち込みます。もし使用している端末にhMETAiキーが無いならば,ESCキーで始まる2 文字を入力することにより,メタ文字を入力できます。したがって,M-u を入力するには,hESCihuiと打ち込めばよいのです。ESC入力法は,メタキーを持つ端末においても使用できます。以降の節において,Meta-u という¥メタ文字は,M-uと表記しています。 === 2.4.1 カーソルの移動 === 以下のコマンドは,カーソルを移動するものです。 :C-b 1 文字戻します。 :C-f 1 文字進めます。 :hDELi カーソルの左側にある文字を削除します。 :C-d カーソルが重なっている文字を削除します。 :M-f 後の単語に進めます。 :M-b 前の単語に戻ります。 :C-a 行の先頭に移動します。 :C-e 行の終端に移動します。 :C-l スクリーンをクリアし,現在の行を最上部に表示します。 :C-_ :C-/ 最後に実行したことを取り消して戻します(アンドゥ)。すべての処理をアンドゥし,何も入力していない状態まで戻すことができます。 :M-r この行について行った変更をすべてアンドゥします。これは,最初まで戻すために何回も‘undo’ コマンドを入力するのと同じ動作です。 上の表は,入力行の編集を行うために必要な,最も基本的なキーストロークについて解説しています。大部分の端末においては,カーソルを進めたり戻したりするには,C-fやC-bの代わりに矢印キーを使用できます。 C-fが1文字進めるのに対して,M-fは1単語進めることに注意してください。おおざっぱに言えば,コントロールキーの組み合わせは文字を操作するものであって,メタキーの組み合わせは単語を操作するのです。Octave プログラム内でスクリーンをクリアする関数もあります。 ==== clc ()====                          [Built-in Function] ==== home ()====                          [Built-in Function] 端末のスクリーンをクリアし,カーソルを左上隅に移動します。 === 2.4.2 切り取りと貼り付け === テキストを切り取る(killing)というのは,その行からテキストを削除し,後で使用するためにその内容を保存しておくことです。通常は,貼り付け(yanking)することにより,それを行に戻します。もしコマンドについての解説で,テキストを「切り取る」という表現があるならば,後でテキストを違う位置(または同じ位置)に戻すことになると思ってください。 テキストを切り取るためのコマンド一覧を示します。 :C-k           現在のカーソル位置から行末までのテキストを切り取ります。 :M-d           カーソル位置から現在の単語末までを切り取ります。もし,単語間にカーソルがあれば,次の単語末までになります。 :M-hDELi       カーソル位置から前の単語の先頭までを切り取ります。もし,単語間にカーソルがあれば,前の単語の先頭までになります。C-w カーソル位置から前の空白までを切り取ります。これはM-hDELiとは異なる動作です。なぜならば,単語区切りが異なるからです。また,テキストを行に貼り付けて戻す方法について示します。貼り付けとは,切り取りバッファから,最も最近切り取ったテキストをコピーすることを意味します。 :C-y           最も最近切り取ったテキストを,カーソル位置に貼り付けます。 :M-y           切り取りリングを回し,新しい内容を貼り付けます。このコマンドは,事前にC-yまたはM-yコマンドを実行している場合にのみ実行できます。 切り取りコマンドを使用するとき,そのテキストは切り取りリング(kill-ring)に保存されます。任意回数の連続した切り取りは,切り取ったテキストとともに保存されます。その結果,それを貼り付けして戻すとき,それを一気に得ることがことができます。切り取りリングは,特定の行についてのものではありません。つまり,以前に入力した行において切り取ったテキストは,別の行を入力しているときに,後に貼り付けのために利用することができます。 === 2.4.3 テキストを変更するためのコマンド === 以降のコマンドは,特別な意味を持つ文字(たとえばTABやC-qなど),を入力する,あるいはタイプミスを素早く修正するために使用できます。 :C-q :C-v       これを入力した次の文字を,そのまま行に追加します。これは,たとえば,C-qのような文字を挿入するためな方法です。 :M-hTABi   タブ文字を挿入します。 :C-t       カーソルの後ろにある文字をカーソル位置の文字の前に移動し,カーソルを進めます。もしカーソルが行の終端にあるならば, :          カーソル前の2つの文字を入れ替えます。 :M-t       カーソルの後ろにある単語をカーソルの前にある単語の位置に移動します。 :M-u       カーソル位置から現在の(あるいは次の)単語の末尾までの文字を大文字に変換し,カーソルをその単語末まで移動します。 :M-l       カーソル位置から現在の(あるいは次の)単語の末尾までの文字を小文字に変換し,カーソルをその単語末まで移動します。 :M-c       カーソルに続く文字(もしカーソルが単語間にあるならば,次の単語の始まり)を大文字に変換し,カーソルをその単語末に移動します。 === 2.4.4 readline 入力 === 以下のコマンドは,Octave でコマンドや変数名を補完できるようにするものです。 :hTABi      カーソル前の位置にテキストの補完を試みます。Octave は,コマンド名および変数名を補完できます。 :M-?        カーソル前の位置に補完することのできるテキストの一覧を表示します。 :completion_append_char                                    [Built-in Variable] completion_append_charの値は,コマンドライン補完の試みがうまくいったときに付加する文字として使用します。初期状態の値は," "(単一のスペース)です。 ==== completion_matches (hint) ====                         [Built-in Function] hint により与えられる可能な補完を生成します。この関数は,Emacs のようなOctave を操作したりユーザの入力を管理できるようなプログラムの利便のために提供されています。この関数が呼ばれるとき,現在のコマンド番号はインクリメントされません。これは仕様であり,バグではありません。 === 2.4.5 履歴編集のためのコマンド === Octave は,通常,あなたがタイプしたコマンドの履歴を保持しています。これにより,編集や再実行するために以前のコマンドを呼び出すことができます。Octave を終了するとき,最も最近入力したコマンドはファイルに保存されます。保存数の上限は,history_sizeなる変数で指定されます。Octave を起動するとき,変数history_fileで指定したファイル名から,コマンドの初期リストを読み込みます。 履歴リストを単純に閲覧および検索するためのコマンドを示します。 :hLFDi hRETi カーソル位置にかかわらず,その行を受け入れます。この行が空でないならば,それを履歴リストに追加します。もしこの行が履歴行であったならば,その履歴行をもとの位置に復元します。 :C-p 履歴リストを「上に」(古い方に)移動します。 :C-n 履歴リストを「下に」(新しい方に)移動します。 :M-< 履歴における最初の行に移動します。 :M-> 入力された履歴の末端に移動します。つまり,いま入力している行ですね! :C-r 現在の行から開始し,必要に応じて履歴を「上に」さかのぼって検索します。これはインクリメンタルサーチです。 :C-s 現在の行から開始し,必要に応じて履歴を「下に」新しい方に向けて検索します。 大部分の端末では,履歴リストをたぐるために,C-pおよびC-nの代わりに矢印キーも使うことができます。 履歴リストを移動するためのキーボードコマンドに加えて,Octave は,履歴リストからのコマンド群を閲覧,編集,再実行するための関数を提供しています。 :history options [Command] もし引数なし実行するならば,historyは,あなたが実行したコマンドのリストを表示します。以下のオプションが使用できる。 :-w file 現在の履歴をファイルfile に書き込む。もしそのファイル名を省略するならば,標準のファイル名(通常は‘~/.octave_hist’)を使用します。 :-r file ファイルfile を読み込み,現在の履歴をその内容で置き換える。もしファイル名を省略するならば,標準のファイル名(通常は‘~/.octave_hist’)を使用します。 n 履歴の最近n 行のみを表示します。 :-q 履歴リストを表示するときに,番号をつけない。これは,X Window System を使っているときに,コマンドの切り取りと貼り付けをするのに便利です。 たとえば,最近入力した5 つのコマンドを,行番号なしで表示するには,history -q 5 というコマンドを使用します。 :edit_history options                           [Command] もし引数なしで実行するならば,edit_historyは,EDITOR変数で指定したエディタを使用して履歴リストを編集できるようにします。編集されることになるコマンド群は,最初にテンポラリファイルへとコピーされます。エディタを終了するとき,Octave は,そのファイルに残ったコマンドを実行します。関数を定義するためにedit_historyを使う方が,コマンドラインに直接入力しようとするよりも,より便利です。標準設定により,一連のコマンドは,エディタを終了するとすぐに実行されます。コマンドの実行を避けるためには,エディタを終了する前に,バッファから単に全ての行を削除してください。edit_historyコマンドは,編集したい最初と最後のコマンドの履歴番号を指定するための2つのオプション引数をとります。たとえば,以下のコマンド :edit_history 13 は,履歴リストの13 番目から最後までの全てのコマンドを取り出します。以下のコマンドedit_history 13 169は,13 番目から169 番目までのコマンドのみを展開します。最初の番号よりも2 番目の番号に大きい値を指定するならば,編集するためのバッファにおく前に,コマンドのリストを逆順にします。もし両方の引数を省略するならば,履歴リストに存在する以前のコマンドが使用されます。run_history [first] [last] [Command]edit_historyと同様であるが,エディタを実行せず,履歴リストに存在するコマンドを単に実行します。 ==== EDITOR ====                        [Built-in Variable] :A string naming the editor to use with the edit_history command. If the environment :variable EDITOR is set when Octave starts, its value is used as the default. :Otherwise, EDITOR is set to "emacs". :history_file [Built-in Variable] この変数は,コマンド履歴を保存するために使用するファイル名を指定します。標準の値は"~/.octave_hist"であるが,環境変数OCTAVE_HISTFILEによって上書きすることができる。 ==== history_size ====                      [Built-in Variable] この変数は,どのくらいの項目を履歴ファイルに保存するかを指定します。標準の値は1024であるが,環境変数OCTAVE_HISTSIZEによって上書きすることができる。 ====saving_history====    [Built-in Variable] もし変数saving_historyがゼロでないならば,コマンドラインで入力した行が,変数history_fileによって指定したファイルに保存されます。 === 2.4.6 readlineのカスタマイズ === :read_readline_init_file (file)                            [Built-in Function] :readline 初期化ファイルfile を読み込む。 : もしfile を省略するならば,標準のファイル(通常は‘~/.inputrc’)を読み込む。 === 2.4.7 プロンプトのカスタマイズ === 以下の変数は,コマンドラインプロンプトの見た目をカスタマイズするために利用できます。Octaveでは,バックスラッシュでエスケープされる数々の特殊文字を挿入することにより,プロンプトをカスタマイズできるようになっています。それらの特殊文字は,以下のように解釈されます。 :‘\t’ 時間です。 :‘\d’ 日付です。 :‘\n’ ラインフィードに続くキャリッジリターンを表示することにより,新しい行を開始します。 :‘\s’ プログラム名(通常は‘octave’)です。 :‘\w’ 現在の作業ディレクトリです。 :‘\W’ 現在の作業ディレクトリのベース名です。 :‘\u’ 現在のユーザ名です。 :‘\h’ 最初の‘.’ までのホスト名です。 :‘\H’ ホスト名です。 :‘\#’ 現在のコマンドの,Octave wを起動したときからカウントしたコマンド番号です。 :‘\!’ このコマンドの履歴番号です。これは,Octave を起動したときの履歴リストのコマンド番号という点で,‘\#’とは異なっています。 :‘\$’ もし有効なUID が0 ならば‘#’,そうでなければ‘$’です。 :‘\nnn’ 8 進数の文字コードで表記した文字がnnn です。 :‘\\’ バックスラッシュです。 :PS1 [Built-in Variable] プライマリプロンプトの文字列です。対話的に実行するとき,Octave がコマンドを読み込む準備ができたときに,プライマリプロンプトを表示します。 PS1の初期値は"\s:\#> "です。これを変更するには, :octave:13> PS1 = "\\u@\\H> " のようなコマンドを入力します。これは,ホスト‘kremvax.kgb.su’にログインしたユーザ‘boris’について,‘boris@kremvax> ’なるプロンプトになるだろう。2 つのバックスラッシュは,文字列に1 個のバックスラッシュを入力するために必要であることに留意してください。Chapter 5 [Strings] を参照してください。 :PS2 [Built-in Variable] セカンダリプロンプトの文字列です。これは,Octave が,コマンド入力を完了するために追加入力を期待するときに表示するものです。たとえば,複数行にわたる関数を定義するとき,Octave は,2 行目以降の各行の先頭にPS1の値を表示することになります。PS2の初期値は">"です。 :PS4 [Built-in Variable] もしOctave が--echo-commandsオプションをつけて起動されるならば,各入力行をエコーする前にPS4の値を表示します。PS4の初期値は\n"+ "です。--echo-commandsの解説は,Section 2.1 [Invoking Octave] を参照してください。 === 2.4.8 日記とエコーコマンド === Octave の日記機能は,打ち込んだ入力およびOctave が表示した出力を記録することにより,対話セッションの全ての実行結果(ログ)を,別のファイルに保存できるようにします。 :diary options                            [Command] 全てのコマンドおよびそれらが生み出した出力結果のリストを生成します。これは,端末で見えているように,入力と表示を一緒に混ぜる。 :on       現在の作業ディレクトリの‘diary’なる名前のファイルに,実行結果の記録を開始します。 :off      日記ファイルへの記録を中止します。 :file     file という名前のファイルに実行結果を記録します。 :引数を何もつけないときは,現在の設定のオン・オフを切り替える。 ときどき,関数あるいはスクリプトが評価されるときに,そのコマンドを見ることが有用なこともあります。これは,ある種の問題のデバッグに特に役立ちます。 :echo options [Command] コマンドを実行したときに,それを表示(エコー)するかどうかどうかをコントロールします。以下のオプションが利用できる。 :on スクリプトファイルで実行されるコマンドを,画面に表示するようにします。 :off スクリプトファイルで実行されるコマンドを,画面に表示しないようにします。 :on all スクリプトファイルと関数で実行されるコマンドを,画面に表示するようにします。 :off all スクリプトファイルと関数で実行されるコマンドを,画面に表示しないようにします。 : もし引数をつけずに実行するならば,現在の設定のオン・オフを切り替える。 :echo_executing_commands [Built-in Variable] この変数は,エコー設定をコントロールするために使用されます。これは,以下の値の合計となります。 :1 スクリプトファイルから読み込んだコマンドをエコーします。 :2 関数から読み込んだコマンドをエコーします。 :4 コマンドラインから読み込んだコマンドをエコーします。 1つ以上の設定を同時に行うことができる。たとえば,3 という値は,echo on allコマンドと等価です。echo_executing_commandsの値は,echoコマンドおよびコマンドラインオプション--echo-inputによって設定されます。 == 2.5 Octave はどのようにエラーを報告するのか == Octave は,妥当ではないプログラムについて,2 種類のエラーを報告します。もしOctave が打ち込まれた内容を理解できないならば,parse error が発生します。たとえば,キーワードのスペルを間違ったとします。 :octave:13> functon y = f (x) y = x^2; endfunction Octave は,以下のようなメッセージをただちに表示するでしょう。 :parse error: :functon y = f (x) y = x^2; endfunction :^ 大部分のパースエラーについて,Octave では,あなたの入力で意味をなすことのできない行の位置をマークするために,キャレット記号(‘^’)を使用します。この例の場合,functionというキーワードのスペルが誤っていたため,Octave はエラーを生成しました。‘function f’と解釈するのではなく,Octave は2 つの連続する変数名として解釈しました。これは,この文脈では妥当ではありません。yにおいてエラーをマークしたのは,最初の名前(functon)がそれ自身,妥当な入力として受け入れられたからです。 エラーメッセージの別の種類は,評価時に発生します。これらのエラーは実行時(ランタイム)エラー,あるいは時々評価エラーとも呼ばれます。これは,それらのエラーは,プログラムが実行(run),あるいは評価(evaluated)されたときに発生することによるものです。たとえば,以前の関数定義におけるミスを修正した後に,以下のように打ち込むとします。 :octave:13> f () Octave は以下のように応答するでしょう。 :error: `x' undefined near line 1 column 24 :error: evaluating expression near line 1, column 24 :error: evaluating assignment expression near line 1, column 22 :error: called from `f' このエラーメッセージは複数の部分に分かれており,エラーの原因を突き止める手助けとなる一片の情報を与えています。これらメッセージは,最も奥にあるエラー点から生成されており,式および関数呼び出しを囲むトレースバックを提供します。 上の例において,最初の行は,‘x’なる名前の変数が,何かの関数あるいは式の1 行24 桁目付近で定義されていないことが判明したことを示しています。関数内で発生したエラーについて,その行は,関数の定義を含むファイルの始まりからカウントされます。トップレベルで発生したエラーについて,その行番号は,入力行の番号を示します。これは,通常はプロンプト文字列に示されています。この例の2 行目および3 行目は,代入式でエラーが発生したことを示しており,エラーメッセージの最後の行は,エラーが関数fの中で発生したことを示しています。もし仮に,関数fが別の関数(たとえばg)から呼ばれていたならば,エラーのリストはもう1 行多くなったことでしょう。 :error: called from `g' これらの関数呼び出しリストは,ふつうは,エラーが起こる前にプログラムを実行したパスをかなり容易にたどれるようになっており,再度実行する前にエラーを修正しやすくなっています。 == 2.6 Octave で書かれたプログラムの実行 == いちどOctave を習得してしまえば,‘#!’スクリプト機構を使用して,自己完結型のOctave スクリプトを書きたいと思うかもしれません。これは,GNU システムおよび多くのUNIX システム1 で実行できます。 たとえば,以下のような行を含む‘hello’という名前のテキストファイルを作成してみます(ここでoctave-interpreter-name は,お使いのOctave バイナリの完全なファイル名で置き換えるべきです)。 <source lang="MATLAB"> #! octave-interpreter-name -qf # a sample Octave program printf ("Hello, world!\n"); </source> このファイルを(chmodを用いて)実行可能にした後,シェルから単に以下のように入力できます。helloシステムは,以下のように入力したかのようにOctave を実行する手はずを整えるでしょう。 :octave hello ‘#!’で始まる行は,実行すべきインタプリタのフルパス名と,インタプリタに渡すコマンドライン引数を並べて項目リストとします。オペレーティングシステムは,与えた引数および実行したプログラムの引数リストをつけてインタプリタをを実行します。このリストの最初の項目は,Octave プログラムの完全なファイル名です。項目リストの残りは,Octave のオプション,あるいはデータファイル,またはその両方をとることができます。‘-qf’オプションは,通常の起動時メッセージの表示を抑制し,特定ユーザの‘~/.octaverc’ファイルの内容に依存して異なる挙動をしないようにするため,ふつうは,単独で実行するOctave プログラムにおいて指定されます。これについて,Section 2.1[Invoking Octave] を参照してください。オペレーティングシステムの中には,‘#!’の後に認 識される文字数に制限があるものがあるかもしれません。自己完結型のOctave スクリプトは,プログラムをOctave 言語で記述する知識のないユーザが実行できるプログラムを書きたいときに役立ちます。実行可能なOctave スクリプトを,コマンドライン引数をつけて実行するならば,その引数は組み込み変数argvとして利用することができます。これについて,Section 2.1.1 [Command LineOptions] を参照してください。たとえば以下のプログラムは,それを実行するために使用したコマンドラインを再生産するでしょう。 <source lang="MATLAB"> #! /bin/octave -qf printf ("%s", program_name); for i = 1:nargin printf (" %s", argv{i}); endfor printf ("\n"); </source> ==2.7 Octave プログラム内のコメント == コメントは,人間が読むためにプログラムに含められ,ふつうはプログラムの一部ではないテキストのことです。コメントは,そのプログラムが行うことと,それがどのような動作をするか説明することができます。ほぼ全てのプログラミング言語は,コメント機能を提供しています。なぜならば,プログラムはコメントなしで理解することは概して困難であるためです。1 ‘#!’機構はBerkeley Unix, System V Release 4,およびいくつかのSystem V Release 3 systems から派生したUNIX システムで動作します。 Octave 言語において,コメントはシャープ記号‘#’,あるいはパーセント記号‘%’のいずれかで始まり,行末まで続きます。Octave インタプリタは,シャープまたはパーセント記号以降の行の内容を無視します。たとえば,関数fに以下のようなコメントをおくことができます。 <source lang="MATLAB"> function xdot = f (x, t) # usage: f (x, t) # # This function defines the right hand # side functions for a set of nonlinear # differential equations. r = 0.25; ... endfunction </source> helpコマンド(Section 2.3 [Getting Help])は,関数のコメントの最初のブロック(コマンドラインから直接入力された関数についても)を見つけることができます。これは,Octaveのユーザが,組み込み関数と自分で定義した関数のヘルプを得るためには,同じコマンドを使用できることを意味します。たとえば,上のように関数fを定義した後,help fというコマンドを実行すると,以下の出力が得られます。 :usage: f (x, t) :This function defines the right hand :side functions for a set of nonlinear :differential equations. キーボードから入力した一時的なOctave プログラムにコメント行を含めることは可能ですが,ふつうはあまり役に立ちません。なぜならば,コメントの目的は,後から,そのプログラムを入力者または別の人に理解してもらう手助けをすることだからです。 [[Category:GNU Octave|2.1.x にほんこまにゆある はしめましよう]]
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2015-08-07T11:27:12Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/GNU_Octave_2.1.x_%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E3%83%9E%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%82%A2%E3%83%AB/%E5%A7%8B%E3%82%81%E3%81%BE%E3%81%97%E3%82%87%E3%81%86
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GNU Octave 2.1.x 日本語マニュアル/データ型
Octave のすべてのバージョンには,数々の組み込みデータ型があります。その中には,実数および複素数のスカラと行列,文字列,あるいはデータ構造体型が含まれます。 少しのC++コードを書くことにより,新しい特殊なデータ型を定義することが可能です。システムの中には,Octave を実行している間に,新たなデータ型を動的にロードするものもあります。その場合は,新たなデータ型を追加するために,Octave の全てを再コンパイルする必要はありません。Octave の動的リンク機能に関する情報は,Section 13.8 [Dynamically Linked Functions]を参照してください。Section 3.2 [User-defined Data Types] には,Octave で新たなデータ型を定義するためにしなければならないことについて解説しています。 [Built-in Function] 式expr の型を,文字列として返します。もしexpr を省略するならば,現在のところ準備されてい る全てのデータ型を含む文字列の配列を返します。 標準の組み込みデータ型は,実数および複素数型のスカラと行列,範囲,文字列,およびデータ構造体です。さらなる組み込みデータ型が,将来のバージョンにおいて追加されるかもしれません。もし,現在のところ組み込みデータ型として提供されていない特殊な型が必要であれば,あなた独自のユーザ定義型を書くことを決心し,それをOctave の将来のリリース配布に向けて寄贈してください。 Octave の組み込み数値オブジェクトには,実数および複素数のスカラと行列があります。すべての数値データは,現在,倍精度数値として保持されます。IEEE 浮動小数点書式を利用するシステムにおいては,とりうる数値は,およそ2.2251×10 から1.7977×10 までの範囲で保持することになり,相対精度は,およそ2.2204×10 となります。正確な値は,それぞれrealmin,realmax,およびeps という変数によって与えられます。 行列オブジェクトは任意のサイズをとることができ,動的に変形したりサイズ変更することができます。さまざまな添え字機能を利用することにより,個々の行や列,部分行列を抜き出すことが容易です。Section 10.1 [Index Expressions]を参照してください。さらなる情報を得るには,Chapter 4 [Numeric Data Types]を参照してください。 [Built-in Variable] 欠損値を表します。 [Mapping Function] x の要素がNA (欠損値)であれば1,それ以外は0 を返します。以下に例を示します。 [Mapping Function] x の要素がNaN あるいはNA (欠損値)であれば1,それ以外は0 を返します。以下に例を示します。 Octave における文字列型は,ダブルクオーテーションもしくはシングルクオーテーション記号でくくられた文字の並びから構成されています。内部的には,Octave は現在,文字列を文字の配列として 保持しています。行列オブジェクトで動作する添え字の操作は,文字列に対しても動作します。さらなる情報を得るには,Chapter 5 [Strings]を参照してください。 Octave のデータ構造体型は,さまざまな型の関連するオブジェクトを結びつける助けとなります。現在の実装では,結びつけた配列の添え字には文字列しか使えませんが,文法はC 言語の構造体に近いものになっています。さらなる情報を得るには,Chapter 6 [Data Structures] を参照してください。 いつの日か,ユーザ定義データ型を管理することについて,Octave のメカニズムの完全な記述を含めるために,これを展開したいと思っています。この機能がここで述べられるまで,‘ov.h’,‘ops.h’,およびOctave の‘src’ディレクトリにある関連するファイルを読むことによって,これを実践しなければならないのです。 以下に示す関数は,変数あるいは式のサイズを決定できるようにするものです。これらの関数は,全てのオブジェクトに対して使用することができます。意味のない命令を与えたときには,これら関数は !1 を返します。たとえば,Octave のデータ構造体型には行も列もありません。したがって,rowsとcolumns関数は,引数に構造体を与えると !1 を返します。 [Function File] a の列数を返します。 [Function File] a の行数を返します。 [Built-in Function] a の「長さ」を返します。行列に対しては,行数と列数のどちらか大きい方の値を長さとします(この奇妙な定義は,Matlab との互換性を保つためです)。 [Built-in Function] a の行数と列数を返します。引数を1 つだけ入力し,1 つの出力結果を受け取るとき,その結果は行ベクトルとして返される。複数の出力結果を受け取るならば,最初に行数,2 番目に列数のように値が割り当てられる。たとえば,以下のようになる。 2つめの引数を与えるならば,sizeは,指定した次元のサイズを返します。たとえば, この例では,与えた行列の列数を返します。 [Built-in Function] aが空行列(行数と列数の片方,もしくは両方がゼロの行列)であれば1を返します。そうでなければ0を返します。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "Octave のすべてのバージョンには,数々の組み込みデータ型があります。その中には,実数および複素数のスカラと行列,文字列,あるいはデータ構造体型が含まれます。", "title": "3.1 組み込みデータ型" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "少しのC++コードを書くことにより,新しい特殊なデータ型を定義することが可能です。システムの中には,Octave を実行している間に,新たなデータ型を動的にロードするものもあります。その場合は,新たなデータ型を追加するために,Octave の全てを再コンパイルする必要はありません。Octave の動的リンク機能に関する情報は,Section 13.8 [Dynamically Linked Functions]を参照してください。Section 3.2 [User-defined Data Types] には,Octave で新たなデータ型を定義するためにしなければならないことについて解説しています。", "title": "3.1 組み込みデータ型" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "[Built-in Function]", "title": "3.1 組み込みデータ型" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "式expr の型を,文字列として返します。もしexpr を省略するならば,現在のところ準備されてい る全てのデータ型を含む文字列の配列を返します。", "title": "3.1 組み込みデータ型" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "標準の組み込みデータ型は,実数および複素数型のスカラと行列,範囲,文字列,およびデータ構造体です。さらなる組み込みデータ型が,将来のバージョンにおいて追加されるかもしれません。もし,現在のところ組み込みデータ型として提供されていない特殊な型が必要であれば,あなた独自のユーザ定義型を書くことを決心し,それをOctave の将来のリリース配布に向けて寄贈してください。", "title": "3.1 組み込みデータ型" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "Octave の組み込み数値オブジェクトには,実数および複素数のスカラと行列があります。すべての数値データは,現在,倍精度数値として保持されます。IEEE 浮動小数点書式を利用するシステムにおいては,とりうる数値は,およそ2.2251×10 から1.7977×10 までの範囲で保持することになり,相対精度は,およそ2.2204×10 となります。正確な値は,それぞれrealmin,realmax,およびeps という変数によって与えられます。", "title": "3.1 組み込みデータ型" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "行列オブジェクトは任意のサイズをとることができ,動的に変形したりサイズ変更することができます。さまざまな添え字機能を利用することにより,個々の行や列,部分行列を抜き出すことが容易です。Section 10.1 [Index Expressions]を参照してください。さらなる情報を得るには,Chapter 4 [Numeric Data Types]を参照してください。", "title": "3.1 組み込みデータ型" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "[Built-in Variable]", "title": "3.1 組み込みデータ型" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "欠損値を表します。", "title": "3.1 組み込みデータ型" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "[Mapping Function]", "title": "3.1 組み込みデータ型" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "x の要素がNA (欠損値)であれば1,それ以外は0 を返します。以下に例を示します。", "title": "3.1 組み込みデータ型" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "[Mapping Function]", "title": "3.1 組み込みデータ型" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "x の要素がNaN あるいはNA (欠損値)であれば1,それ以外は0 を返します。以下に例を示します。", "title": "3.1 組み込みデータ型" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "Octave における文字列型は,ダブルクオーテーションもしくはシングルクオーテーション記号でくくられた文字の並びから構成されています。内部的には,Octave は現在,文字列を文字の配列として 保持しています。行列オブジェクトで動作する添え字の操作は,文字列に対しても動作します。さらなる情報を得るには,Chapter 5 [Strings]を参照してください。", "title": "3.1 組み込みデータ型" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "Octave のデータ構造体型は,さまざまな型の関連するオブジェクトを結びつける助けとなります。現在の実装では,結びつけた配列の添え字には文字列しか使えませんが,文法はC 言語の構造体に近いものになっています。さらなる情報を得るには,Chapter 6 [Data Structures] を参照してください。", "title": "3.1 組み込みデータ型" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "いつの日か,ユーザ定義データ型を管理することについて,Octave のメカニズムの完全な記述を含めるために,これを展開したいと思っています。この機能がここで述べられるまで,‘ov.h’,‘ops.h’,およびOctave の‘src’ディレクトリにある関連するファイルを読むことによって,これを実践しなければならないのです。", "title": "3.1 組み込みデータ型" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "以下に示す関数は,変数あるいは式のサイズを決定できるようにするものです。これらの関数は,全てのオブジェクトに対して使用することができます。意味のない命令を与えたときには,これら関数は !1 を返します。たとえば,Octave のデータ構造体型には行も列もありません。したがって,rowsとcolumns関数は,引数に構造体を与えると !1 を返します。", "title": "3.1 組み込みデータ型" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "[Function File]", "title": "3.1 組み込みデータ型" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "a の列数を返します。", "title": "3.1 組み込みデータ型" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "[Function File]", "title": "3.1 組み込みデータ型" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "a の行数を返します。", "title": "3.1 組み込みデータ型" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "[Built-in Function]", "title": "3.1 組み込みデータ型" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "a の「長さ」を返します。行列に対しては,行数と列数のどちらか大きい方の値を長さとします(この奇妙な定義は,Matlab との互換性を保つためです)。", "title": "3.1 組み込みデータ型" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "[Built-in Function]", "title": "3.1 組み込みデータ型" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "a の行数と列数を返します。引数を1 つだけ入力し,1 つの出力結果を受け取るとき,その結果は行ベクトルとして返される。複数の出力結果を受け取るならば,最初に行数,2 番目に列数のように値が割り当てられる。たとえば,以下のようになる。", "title": "3.1 組み込みデータ型" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "2つめの引数を与えるならば,sizeは,指定した次元のサイズを返します。たとえば,", "title": "3.1 組み込みデータ型" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "この例では,与えた行列の列数を返します。", "title": "3.1 組み込みデータ型" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "[Built-in Function]", "title": "3.1 組み込みデータ型" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "aが空行列(行数と列数の片方,もしくは両方がゼロの行列)であれば1を返します。そうでなければ0を返します。", "title": "3.1 組み込みデータ型" } ]
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= 3 データ型 = Octave のすべてのバージョンには,数々の組み込みデータ型があります。その中には,実数および複素数のスカラと行列,文字列,あるいはデータ構造体型が含まれます。 少しのC++コードを書くことにより,新しい特殊なデータ型を定義することが可能です。システムの中には,Octave を実行している間に,新たなデータ型を動的にロードするものもあります。その場合は,新たなデータ型を追加するために,Octave の全てを再コンパイルする必要はありません。Octave の動的リンク機能に関する情報は,Section 13.8 [Dynamically Linked Functions]を参照してください。Section 3.2 [User-defined Data Types] には,Octave で新たなデータ型を定義するためにしなければならないことについて解説しています。 ==== typeinfo (expr) ====                                 [Built-in Function] 式expr の型を,文字列として返します。もしexpr を省略するならば,現在のところ準備されてい る全てのデータ型を含む文字列の配列を返します。 == 3.1 組み込みデータ型 == 標準の組み込みデータ型は,実数および複素数型のスカラと行列,範囲,文字列,およびデータ構造体です。さらなる組み込みデータ型が,将来のバージョンにおいて追加されるかもしれません。もし,現在のところ組み込みデータ型として提供されていない特殊な型が必要であれば,あなた独自のユーザ定義型を書くことを決心し,それをOctave の将来のリリース配布に向けて寄贈してください。 === 3.1.1 数値オブジェクト === Octave の組み込み数値オブジェクトには,実数および複素数のスカラと行列があります。すべての数値データは,現在,倍精度数値として保持されます。IEEE 浮動小数点書式を利用するシステムにおいては,とりうる数値は,およそ2.2251×10<sup>-308</sup> から1.7977×10<sup>+308</sup> までの範囲で保持することになり,相対精度は,およそ2.2204×10<sup>-16</sup> となります。正確な値は,それぞれrealmin,realmax,およびeps という変数によって与えられます。 行列オブジェクトは任意のサイズをとることができ,動的に変形したりサイズ変更することができます。さまざまな添え字機能を利用することにより,個々の行や列,部分行列を抜き出すことが容易です。Section 10.1 [Index Expressions]を参照してください。さらなる情報を得るには,Chapter 4 [Numeric Data Types]を参照してください。 === 3.1.2 欠損データ === ==== NA ====                                                            [Built-in Variable] 欠損値を表します。 ==== isna (x) ====                                                             [Mapping Function] x の要素がNA (欠損値)であれば1,それ以外は0 を返します。以下に例を示します。 :is_NA ([13, Inf, NA, NaN]) :&#8658;[ 0, 0, 1, 0 ] ==== is_nan_or_na (x) ====                                                             [Mapping Function] x の要素がNaN あるいはNA (欠損値)であれば1,それ以外は0 を返します。以下に例を示します。 :is_NAN_or_NA ([13, Inf, NA, NaN]) :&#8658;[ 0, 0, 1, 1 ] === 3.1.3 文字列オブジェクト === Octave における文字列型は,ダブルクオーテーションもしくはシングルクオーテーション記号でくくられた文字の並びから構成されています。内部的には,Octave は現在,文字列を文字の配列として 保持しています。行列オブジェクトで動作する添え字の操作は,文字列に対しても動作します。さらなる情報を得るには,Chapter 5 [Strings]を参照してください。 === 3.1.4 データ構造体オブジェクト === Octave のデータ構造体型は,さまざまな型の関連するオブジェクトを結びつける助けとなります。現在の実装では,結びつけた配列の添え字には文字列しか使えませんが,文法はC 言語の構造体に近いものになっています。さらなる情報を得るには,Chapter 6 [Data Structures] を参照してください。 == 3.2 ユーザ定義データ型 == いつの日か,ユーザ定義データ型を管理することについて,Octave のメカニズムの完全な記述を含めるために,これを展開したいと思っています。この機能がここで述べられるまで,‘ov.h’,‘ops.h’,およびOctave の‘src’ディレクトリにある関連するファイルを読むことによって,これを実践しなければならないのです。 == 3.3 オブジェクトサイズ == 以下に示す関数は,変数あるいは式のサイズを決定できるようにするものです。これらの関数は,全てのオブジェクトに対して使用することができます。意味のない命令を与えたときには,これら関数は !1 を返します。たとえば,Octave のデータ構造体型には行も列もありません。したがって,rowsとcolumns関数は,引数に構造体を与えると !1 を返します。 ==== columns (a) ====                                  [Function File] a の列数を返します。 ==== rows (a) ====                                  [Function File] a の行数を返します。 ==== length (a) ====                                 [Built-in Function] a の「長さ」を返します。行列に対しては,行数と列数のどちらか大きい方の値を長さとします(この奇妙な定義は,Matlab との互換性を保つためです)。 ==== size (a, n)====                                 [Built-in Function] a の行数と列数を返します。引数を1 つだけ入力し,1 つの出力結果を受け取るとき,その結果は行ベクトルとして返される。複数の出力結果を受け取るならば,最初に行数,2 番目に列数のように値が割り当てられる。たとえば,以下のようになる。 :size ([1, 2; 3, 4; 5, 6]) :&#8658;[ 3, 2 ] :[nr, nc] = size ([1, 2; 3, 4; 5, 6]) :&#8658;nr = 3 :&#8658;nc = 2 2つめの引数を与えるならば,sizeは,指定した次元のサイズを返します。たとえば, :size ([1, 2; 3, 4; 5, 6], 2) :&#8658;2 この例では,与えた行列の列数を返します。 ==== isempty (a) ====                                 [Built-in Function] aが空行列(行数と列数の片方,もしくは両方がゼロの行列)であれば1を返します。そうでなければ0を返します。 [[Category:GNU Octave|2.1.x にほんこまにゆある てえたかた]]
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2015-08-07T11:25:53Z
[]
https://ja.wikibooks.org/wiki/GNU_Octave_2.1.x_%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E3%83%9E%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%82%A2%E3%83%AB/%E3%83%87%E3%83%BC%E3%82%BF%E5%9E%8B
16,953
GNU Octave 2.1.x 日本語マニュアル/数値データ型
数値定数にはスカラ,ベクトル,あるいは行列,さらには複素数値があります。 数値定数の最も単純な型は,スカラです。これは単一の値であって,整数,小数,科学(指数)表 記の数値,あるいは複素数をとることができます。すべての数値定数は,Octave の内部では倍精度浮 動小数点形式で表されています(複素数型は,一対の倍精度浮動小数点数値として保持しています)。 実数の数値の例を以下に示します。これらはすべて同じ値です。 複素数の定数を指定するには,以下の形式の式を書くことになります。 これらはすべて等価です。上の例にある文字‘i’は,虚数単位を表します。虚数単位は, と定義されます。 Octave では,複素数の虚部を値として認識するため,数値と‘i’の間にスペースを入れてはいけません。もしスペースを含めたならば,Octave は以下のようなエラーメッセージを表示することでしょう: 上で用いた‘i’の代わりに,‘j’,‘I’あるいは‘J’を使うことができます。これら4 つの記号は,す べて等価です。 Octave では,行列を定義することは容易です。行列のサイズは,自動的に決定されます。ですから, 行列の次数を明示的に指定する必要はありません。以下の式 は,以下の行列になります。 行列の要素には,任意の式をおくことができます。これは,各部分を組み合わせたときに,次数が 全て意味をなすようにします。たとえば,上に示した行列が与えられているとき,以下の式 は,次の行列を生み出します。 しかし,以下の式 は,エラーになります。 (もちろん,このエラーメッセージは,13 行目に入力したことを仮定しています) 行列を区切る角カッコの中身について,Octave は,スペースおよび改行が,要素および行の区切 りに変換できるかどうかを決めます。そうでなければ,何もしません。その結果,以下の式 は,正しく動きます。しかし,まだ混乱の原因も残っています。たとえば,以下の式において, ‘-’は二項演算子として扱われ,結果はスカラ0 になります。しかし,以下の式においては, ‘-’は単項演算子とみなされ,結果は,[ 1, -1 ]というベクトルになります。同様に, という式は,以下のように解釈されます。 これはエラーになるでしょう。なぜならば,sin関数を引数なしで呼び出そうとしているからです。こ れを修正するには,sinと開きカッコの間にスペースを入れないようにするか,以下のように,式全 体をかっこでくくらねばなりません。 シングルクオート文字(‘'’;これは転置演算子または文字列の区切りに使用されます)の周囲に ある空白文字も,混乱のもとになることがあります。 この式は,シングルクオート文字が転置演算子として扱われ,その結果は[ 1, 1 ]なるベクトルとなります。 しかし,以下の式 は,次のようなエラーメッセージを出します。 妥当な式を解釈するときには,問題が起きないでしょう。 明快にするには,行列の要素や行を区切るためには,いつもカンマやセミコロンを使うことが,おそらく最もよいことでしょう。 [Built-in Variable] もしカンマあるいはセミコロンがリテラル行列に自動的に挿入されるならば,警告を表示します。行列や行列を表す変数名を打ち込むときには,Octave は行と列をきちんとそろえて表示します。もし行列の行が長すぎて画面に収まらないならば,Octave は行列を分割し,各部分の前に表示される列数に関する情報を表示します。 [Built-in Variable] この変数は,数値の出力フィールドの最大幅を指定する。初期状態では10 である。 [Built-in Variable] この変数は,数値を出力する際に表示する小数点以下の桁数を指定する。初期状態では5で す。output_precisionとoutput_max_field_widthの2 つの変数を使用することにより,幅広い出力スタイルを達成することが可能です。合理的な組み合わせは,format関数を使用してセットすることになるでしょう。詳しくは,Section 16.1 [Basic Input and Output]を参照してください。 [Built-in Variable] 大きな行列について,Octave は与えられた行の全ての列を画面に表示することはできないで しょう。これにより,端末が長い行を折り返したり切りつめるかどうかによっては,情報を失 うか,ほとんど判読できない出力になってしまいます。 split_long_rowsの値がゼロでないならば,Octave は行列を細かく分割して表示します。そ の各々は,端末の幅の限界に収まるようにします。行の各集合にはラベルが付けられており,現在表示している列数を容易に知ることができます。 split_long_rowsの標準状態は,ゼロではありません。 値が非常に大きいまたは小さいとき,Octave は自動的に科学表記に切り替えます。これは,行列のどの値についても,有効桁を表示することを保証します。もし,すべての行列の値を固定小数点形式で表示したいならば,組み込み変数fixed_point_formatにゼロでない値をセットすればよいです。しかし,そうすることは推奨しません。なぜならば,誤解しやすい出力になるかもしれないからです。 [Built-in Variable] この変数にゼロでない値をセットするならば,Octave は行列内の値をすべてスケール化します。その結果,最大の数値は,one leading digit で表記されます。スケール因子は,出力の最初の行に表示されます。たとえば,以下のようになります。 一番目の値が実際には 1 であっても,ゼロであるように見えることに注意してください。この理由により,fixed_point_formatをゼロでない値にセットするときには,慎重になるべきです。fixed_point_formatは,標準状態では 0 です。 行と列の片方または両方の次数がゼロである空行列について,空行列に対する演算は以下の文献に記述されているように実行します: 5, May 1993. 簡潔に言えば,スカラs,m×n の行列Mm×n,およびm×n の空行列[ ]m×n(片方または両方の次数がゼロに等しい行列)が与えられるとき,以下の関係が成立します。 標準状態では,空行列の次元は空行列記号‘[]’ とともに表示する。組み込み変数print_empty_ dimensionsは,この挙動をコントロールする。 [Built-in Variable] print_empty_dimensionsの値がゼロでない値をとるならば,空行列の次元は空行列記号 ‘[]’ とともに表示される。たとえば,以下の式 は,次のような表示になる。 行列の行または列を削除する便利な方法として,代入文で空行列を使用することもできます。Section 10.6 [Assignment Expressions]を参照してください。 [Built-in Variable] もしwarn_empty_list_elementsの値がゼロでないならば,行列リストに空行列が存在する とき,警告を表示する。たとえば,以下のような状況である。 標準状態は0 である。 Octave が行列を含む式を解釈するとき,そのリストの要素がすべて定数かどうか決定するために試験をします。もしそうならば,単一の行列定数を含むリストに置き換えます。 範囲とは,等間隔に区切られた要素の行ベクトルを表記するために,便利な方法です。範囲式は,範囲の最初の要素,要素の増分(省略可),およびその範囲を超えない要素の最大値により定義されます。開始値,増分,および終端値はコロン(‘:’記号)で区切られます。これには,任意の数式や関数呼び出しを含むこともできます。もし増分を省略するならば,これは1 であると仮定する。たとえば,以下の範囲 は,値の集合‘[ 1, 2, 3, 4, 5 ]’ を定義します。また,以下の範囲 は,‘[ 1, 4 ]’なる集合を定義します。 範囲定数は行ベクトルを指定しますが,Octave は,必要がないときには,範囲定数をベクトルに変換しません。これにより,‘1 : 10000’のような定数を,典型的な32 ビットワークステーションでは,80,000 バイトの記憶領域を使用せずに書くことができます。 範囲の上限(増分が負値であれば下限)が,常に集合に含まれるとは限らないということに注意してください。また,浮動小数点を使用して定義された範囲は,驚くべき結果を生み出すことがあることにも留意してください。これは,Octave が範囲の値を計算するために,浮動小数点演算を使用しているためです。もし要素の数が決められていて,範囲に終点を含めることが重要ならば,かわりにlinspace関数を使用するべきです(Section 18.3 [Special Utility Matrices]を参照してください)。 Octave が範囲式を解釈するとき,式の要素がすべて定数かどうかを試験します。もしそうならば,範囲式を単一の範囲定数で置き換えます。 [Built-in Variable] 理論真値を表す。 [Built-in Variable] 理論偽値を表す。 [Built-in Function] もしx が数値オブジェクトならば,ゼロ以外を返す。 [Built-in Function] もしx が実数値オブジェクトならば,真値を返す。 [Built-in Function] もしx が複素数の数値オブジェクトならば,真値を返す。 [Built-in Function] もしx が行列ならば1 を返し,それ以外は0 を返す。 [Function File] もしa がベクトルならば1 を返し,それ以外は0 を返す。 [Function File] もしx がスカラならば1,それ以外は0 を返す。 [Function File] もしx が正方行列ならば,x の次元を返し,それ以外は0 を返す。 [Function File] もしx が,tol によって指定される基準内にある対称行列ならば,x の次元を返す。そうでなければ,0 を返す。もしtol を省略するならば,計算機の精度に等しい基準を使用する。 [Built-in Functio] もしx がブールオブジェクトならば,真値を返す。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "数値定数にはスカラ,ベクトル,あるいは行列,さらには複素数値があります。 数値定数の最も単純な型は,スカラです。これは単一の値であって,整数,小数,科学(指数)表 記の数値,あるいは複素数をとることができます。すべての数値定数は,Octave の内部では倍精度浮 動小数点形式で表されています(複素数型は,一対の倍精度浮動小数点数値として保持しています)。 実数の数値の例を以下に示します。これらはすべて同じ値です。", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "複素数の定数を指定するには,以下の形式の式を書くことになります。", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "これらはすべて等価です。上の例にある文字‘i’は,虚数単位を表します。虚数単位は,", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "と定義されます。 Octave では,複素数の虚部を値として認識するため,数値と‘i’の間にスペースを入れてはいけません。もしスペースを含めたならば,Octave は以下のようなエラーメッセージを表示することでしょう:", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "上で用いた‘i’の代わりに,‘j’,‘I’あるいは‘J’を使うことができます。これら4 つの記号は,す べて等価です。", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "Octave では,行列を定義することは容易です。行列のサイズは,自動的に決定されます。ですから, 行列の次数を明示的に指定する必要はありません。以下の式", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "は,以下の行列になります。", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "行列の要素には,任意の式をおくことができます。これは,各部分を組み合わせたときに,次数が 全て意味をなすようにします。たとえば,上に示した行列が与えられているとき,以下の式", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "は,次の行列を生み出します。", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "しかし,以下の式", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "は,エラーになります。", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "(もちろん,このエラーメッセージは,13 行目に入力したことを仮定しています) 行列を区切る角カッコの中身について,Octave は,スペースおよび改行が,要素および行の区切 りに変換できるかどうかを決めます。そうでなければ,何もしません。その結果,以下の式", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "は,正しく動きます。しかし,まだ混乱の原因も残っています。たとえば,以下の式において,", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "‘-’は二項演算子として扱われ,結果はスカラ0 になります。しかし,以下の式においては,", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "‘-’は単項演算子とみなされ,結果は,[ 1, -1 ]というベクトルになります。同様に,", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "という式は,以下のように解釈されます。", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "これはエラーになるでしょう。なぜならば,sin関数を引数なしで呼び出そうとしているからです。こ れを修正するには,sinと開きカッコの間にスペースを入れないようにするか,以下のように,式全 体をかっこでくくらねばなりません。", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "シングルクオート文字(‘'’;これは転置演算子または文字列の区切りに使用されます)の周囲に ある空白文字も,混乱のもとになることがあります。", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "この式は,シングルクオート文字が転置演算子として扱われ,その結果は[ 1, 1 ]なるベクトルとなります。 しかし,以下の式", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "は,次のようなエラーメッセージを出します。", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "妥当な式を解釈するときには,問題が起きないでしょう。", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "明快にするには,行列の要素や行を区切るためには,いつもカンマやセミコロンを使うことが,おそらく最もよいことでしょう。", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "[Built-in Variable]", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "もしカンマあるいはセミコロンがリテラル行列に自動的に挿入されるならば,警告を表示します。行列や行列を表す変数名を打ち込むときには,Octave は行と列をきちんとそろえて表示します。もし行列の行が長すぎて画面に収まらないならば,Octave は行列を分割し,各部分の前に表示される列数に関する情報を表示します。", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "[Built-in Variable]", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "この変数は,数値の出力フィールドの最大幅を指定する。初期状態では10 である。", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "[Built-in Variable]", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "この変数は,数値を出力する際に表示する小数点以下の桁数を指定する。初期状態では5で す。output_precisionとoutput_max_field_widthの2 つの変数を使用することにより,幅広い出力スタイルを達成することが可能です。合理的な組み合わせは,format関数を使用してセットすることになるでしょう。詳しくは,Section 16.1 [Basic Input and Output]を参照してください。", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "[Built-in Variable]", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "大きな行列について,Octave は与えられた行の全ての列を画面に表示することはできないで しょう。これにより,端末が長い行を折り返したり切りつめるかどうかによっては,情報を失 うか,ほとんど判読できない出力になってしまいます。", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "split_long_rowsの値がゼロでないならば,Octave は行列を細かく分割して表示します。そ の各々は,端末の幅の限界に収まるようにします。行の各集合にはラベルが付けられており,現在表示している列数を容易に知ることができます。", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "split_long_rowsの標準状態は,ゼロではありません。 値が非常に大きいまたは小さいとき,Octave は自動的に科学表記に切り替えます。これは,行列のどの値についても,有効桁を表示することを保証します。もし,すべての行列の値を固定小数点形式で表示したいならば,組み込み変数fixed_point_formatにゼロでない値をセットすればよいです。しかし,そうすることは推奨しません。なぜならば,誤解しやすい出力になるかもしれないからです。", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 32, "tag": "p", "text": "[Built-in Variable]", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 33, "tag": "p", "text": "この変数にゼロでない値をセットするならば,Octave は行列内の値をすべてスケール化します。その結果,最大の数値は,one leading digit で表記されます。スケール因子は,出力の最初の行に表示されます。たとえば,以下のようになります。", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 34, "tag": "p", "text": "一番目の値が実際には 1 であっても,ゼロであるように見えることに注意してください。この理由により,fixed_point_formatをゼロでない値にセットするときには,慎重になるべきです。fixed_point_formatは,標準状態では 0 です。", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 35, "tag": "p", "text": "行と列の片方または両方の次数がゼロである空行列について,空行列に対する演算は以下の文献に記述されているように実行します:", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 36, "tag": "p", "text": "5, May 1993.", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 37, "tag": "p", "text": "簡潔に言えば,スカラs,m×n の行列Mm×n,およびm×n の空行列[ ]m×n(片方または両方の次数がゼロに等しい行列)が与えられるとき,以下の関係が成立します。", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 38, "tag": "p", "text": "標準状態では,空行列の次元は空行列記号‘[]’ とともに表示する。組み込み変数print_empty_ dimensionsは,この挙動をコントロールする。", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 39, "tag": "p", "text": "[Built-in Variable]", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 40, "tag": "p", "text": "print_empty_dimensionsの値がゼロでない値をとるならば,空行列の次元は空行列記号 ‘[]’ とともに表示される。たとえば,以下の式", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 41, "tag": "p", "text": "は,次のような表示になる。", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 42, "tag": "p", "text": "行列の行または列を削除する便利な方法として,代入文で空行列を使用することもできます。Section 10.6 [Assignment Expressions]を参照してください。", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 43, "tag": "p", "text": "[Built-in Variable]", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 44, "tag": "p", "text": "もしwarn_empty_list_elementsの値がゼロでないならば,行列リストに空行列が存在する とき,警告を表示する。たとえば,以下のような状況である。", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 45, "tag": "p", "text": "標準状態は0 である。 Octave が行列を含む式を解釈するとき,そのリストの要素がすべて定数かどうか決定するために試験をします。もしそうならば,単一の行列定数を含むリストに置き換えます。", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 46, "tag": "p", "text": "範囲とは,等間隔に区切られた要素の行ベクトルを表記するために,便利な方法です。範囲式は,範囲の最初の要素,要素の増分(省略可),およびその範囲を超えない要素の最大値により定義されます。開始値,増分,および終端値はコロン(‘:’記号)で区切られます。これには,任意の数式や関数呼び出しを含むこともできます。もし増分を省略するならば,これは1 であると仮定する。たとえば,以下の範囲", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 47, "tag": "p", "text": "は,値の集合‘[ 1, 2, 3, 4, 5 ]’ を定義します。また,以下の範囲", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 48, "tag": "p", "text": "は,‘[ 1, 4 ]’なる集合を定義します。 範囲定数は行ベクトルを指定しますが,Octave は,必要がないときには,範囲定数をベクトルに変換しません。これにより,‘1 : 10000’のような定数を,典型的な32 ビットワークステーションでは,80,000 バイトの記憶領域を使用せずに書くことができます。 範囲の上限(増分が負値であれば下限)が,常に集合に含まれるとは限らないということに注意してください。また,浮動小数点を使用して定義された範囲は,驚くべき結果を生み出すことがあることにも留意してください。これは,Octave が範囲の値を計算するために,浮動小数点演算を使用しているためです。もし要素の数が決められていて,範囲に終点を含めることが重要ならば,かわりにlinspace関数を使用するべきです(Section 18.3 [Special Utility Matrices]を参照してください)。 Octave が範囲式を解釈するとき,式の要素がすべて定数かどうかを試験します。もしそうならば,範囲式を単一の範囲定数で置き換えます。", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 49, "tag": "p", "text": "[Built-in Variable]", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 50, "tag": "p", "text": "理論真値を表す。", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 51, "tag": "p", "text": "[Built-in Variable]", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 52, "tag": "p", "text": "理論偽値を表す。", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 53, "tag": "p", "text": "[Built-in Function]", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 54, "tag": "p", "text": "もしx が数値オブジェクトならば,ゼロ以外を返す。", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 55, "tag": "p", "text": "[Built-in Function]", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 56, "tag": "p", "text": "もしx が実数値オブジェクトならば,真値を返す。", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 57, "tag": "p", "text": "[Built-in Function]", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 58, "tag": "p", "text": "もしx が複素数の数値オブジェクトならば,真値を返す。", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 59, "tag": "p", "text": "[Built-in Function]", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 60, "tag": "p", "text": "もしx が行列ならば1 を返し,それ以外は0 を返す。", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 61, "tag": "p", "text": "[Function File]", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 62, "tag": "p", "text": "もしa がベクトルならば1 を返し,それ以外は0 を返す。", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 63, "tag": "p", "text": "[Function File]", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 64, "tag": "p", "text": "もしx がスカラならば1,それ以外は0 を返す。", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 65, "tag": "p", "text": "[Function File]", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 66, "tag": "p", "text": "もしx が正方行列ならば,x の次元を返し,それ以外は0 を返す。", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 67, "tag": "p", "text": "[Function File]", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 68, "tag": "p", "text": "もしx が,tol によって指定される基準内にある対称行列ならば,x の次元を返す。そうでなければ,0 を返す。もしtol を省略するならば,計算機の精度に等しい基準を使用する。", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 69, "tag": "p", "text": "[Built-in Functio]", "title": "4.1 行列" }, { "paragraph_id": 70, "tag": "p", "text": "もしx がブールオブジェクトならば,真値を返す。", "title": "4.1 行列" } ]
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= 4 数値データ型 = 数値定数にはスカラ,ベクトル,あるいは行列,さらには複素数値があります。 数値定数の最も単純な型は,スカラです。これは単一の値であって,整数,小数,科学(指数)表 記の数値,あるいは複素数をとることができます。すべての数値定数は,Octave の内部では倍精度浮 動小数点形式で表されています(複素数型は,一対の倍精度浮動小数点数値として保持しています)。 実数の数値の例を以下に示します。これらはすべて同じ値です。 ::105 ::1.05e+2 ::1050e-1 複素数の定数を指定するには,以下の形式の式を書くことになります。 ::3 + 4i ::3.0 + 4.0i ::0.3e1 + 40e-1i これらはすべて等価です。上の例にある文字‘i’は,虚数単位を表します。虚数単位は, ::sqrt(-1) と定義されます。 Octave では,複素数の虚部を値として認識するため,数値と‘i’の間にスペースを入れてはいけません。もしスペースを含めたならば,Octave は以下のようなエラーメッセージを表示することでしょう: ::octave:13> 3 + 4 i ::parse error: ::3 + 4 i ::^ 上で用いた‘i’の代わりに,‘j’,‘I’あるいは‘J’を使うことができます。これら4 つの記号は,す べて等価です。 == 4.1 行列 == Octave では,行列を定義することは容易です。行列のサイズは,自動的に決定されます。ですから, 行列の次数を明示的に指定する必要はありません。以下の式 ::a = [1, 2; 3, 4] は,以下の行列になります。 ::a = ::・ ::1 2 ::3 4 ::, 行列の要素には,任意の式をおくことができます。これは,各部分を組み合わせたときに,次数が 全て意味をなすようにします。たとえば,上に示した行列が与えられているとき,以下の式 ::[ a, a ] は,次の行列を生み出します。 ::ans = ::1 2 1 2 ::3 4 3 4 しかし,以下の式 ::[ a, 1 ] は,エラーになります。 ::error: number of rows must match near line 13, column 6 (もちろん,このエラーメッセージは,13 行目に入力したことを仮定しています) 行列を区切る角カッコの中身について,Octave は,スペースおよび改行が,要素および行の区切 りに変換できるかどうかを決めます。そうでなければ,何もしません。その結果,以下の式 ::a = [ 1 2 ::3 4 ] は,正しく動きます。しかし,まだ混乱の原因も残っています。たとえば,以下の式において, ::[ 1 - 1 ] ‘-’は二項演算子として扱われ,結果はスカラ0 になります。しかし,以下の式においては, ::[ 1 -1 ] ‘-’は単項演算子とみなされ,結果は,[ 1, -1 ]というベクトルになります。同様に, ::[ sin (pi) ] という式は,以下のように解釈されます。 ::[ sin, (pi) ] これはエラーになるでしょう。なぜならば,sin関数を引数なしで呼び出そうとしているからです。こ れを修正するには,sinと開きカッコの間にスペースを入れないようにするか,以下のように,式全 体をかっこでくくらねばなりません。 ::[ (sin (pi)) ] シングルクオート文字(‘'’;これは転置演算子または文字列の区切りに使用されます)の周囲に ある空白文字も,混乱のもとになることがあります。 ::[ 1 a' ] この式は,シングルクオート文字が転置演算子として扱われ,その結果は[ 1, 1 ]なるベクトルとなります。 しかし,以下の式 ::[ 1 a ' ] は,次のようなエラーメッセージを出します。 ::error: unterminated string constant 妥当な式を解釈するときには,問題が起きないでしょう。 ::[ a 'foo' ] 明快にするには,行列の要素や行を区切るためには,いつもカンマやセミコロンを使うことが,おそらく最もよいことでしょう。 ==== warn_separator_insert ====                    [Built-in Variable] もしカンマあるいはセミコロンがリテラル行列に自動的に挿入されるならば,警告を表示します。行列や行列を表す変数名を打ち込むときには,Octave は行と列をきちんとそろえて表示します。もし行列の行が長すぎて画面に収まらないならば,Octave は行列を分割し,各部分の前に表示される列数に関する情報を表示します。 ==== output_max_field_width ====                                 [Built-in Variable] この変数は,数値の出力フィールドの最大幅を指定する。初期状態では10 である。 ==== output_precision ====                                 [Built-in Variable] この変数は,数値を出力する際に表示する小数点以下の桁数を指定する。初期状態では5で す。output_precisionとoutput_max_field_widthの2 つの変数を使用することにより,幅広い出力スタイルを達成することが可能です。合理的な組み合わせは,format関数を使用してセットすることになるでしょう。詳しくは,Section 16.1 [Basic Input and Output]を参照してください。 ==== split_long_rows ====                                 [Built-in Variable] 大きな行列について,Octave は与えられた行の全ての列を画面に表示することはできないで しょう。これにより,端末が長い行を折り返したり切りつめるかどうかによっては,情報を失 うか,ほとんど判読できない出力になってしまいます。 split_long_rowsの値がゼロでないならば,Octave は行列を細かく分割して表示します。そ の各々は,端末の幅の限界に収まるようにします。行の各集合にはラベルが付けられており,現在表示している列数を容易に知ることができます。 ::octave:13> rand (2,10) ::ans = ::Columns 1 through 6: ::0.75883 0.93290 0.40064 0.43818 0.94958 0.16467 ::0.75697 0.51942 0.40031 0.61784 0.92309 0.40201 ::Columns 7 through 10: ::0.90174 0.11854 0.72313 0.73326 ::0.44672 0.94303 0.56564 0.82150 split_long_rowsの標準状態は,ゼロではありません。 値が非常に大きいまたは小さいとき,Octave は自動的に科学表記に切り替えます。これは,行列のどの値についても,有効桁を表示することを保証します。もし,すべての行列の値を固定小数点形式で表示したいならば,組み込み変数fixed_point_formatにゼロでない値をセットすればよいです。しかし,そうすることは推奨しません。なぜならば,誤解しやすい出力になるかもしれないからです。 ==== fixed_point_format ====                                 [Built-in Variable] この変数にゼロでない値をセットするならば,Octave は行列内の値をすべてスケール化します。その結果,最大の数値は,one leading digit で表記されます。スケール因子は,出力の最初の行に表示されます。たとえば,以下のようになります。 ::octave:1> logspace (1, 7, 5)' ::ans = ::1.0e+07 * ::0.00000 ::0.00003 ::0.00100 ::0.03162 ::1.00000 一番目の値が実際には 1 であっても,ゼロであるように見えることに注意してください。この理由により,fixed_point_formatをゼロでない値にセットするときには,慎重になるべきです。fixed_point_formatは,標準状態では 0 です。 === 4.1.1 空行列 === 行と列の片方または両方の次数がゼロである空行列について,空行列に対する演算は以下の文献に記述されているように実行します: ::Carl de Boor, An Empty Exercise, SIGNUM, Volume 25, pages ::2?6, 1990;C. N. Nett and W. M. Haddad, in A System-Theoretic Appropriate Realization of ::the Empty Matrix Concept, IEEE Transactions on Automatic Control, Volume 38, Number 5, May 1993. 簡潔に言えば,スカラs,m×n の行列M<sub>m×n</sub>,およびm×n の空行列[ ]<sub>m×n</sub>(片方または両方の次数がゼロに等しい行列)が与えられるとき,以下の関係が成立します。 ::s・[ ]<sub>m×n</sub> = [ ]<sub>m×n</sub>・s = [ ]<sub>m×n</sub> ::[ ]<sub>m×n</sub>+[ ]<sub>m×n</sub> = [ ]<sub>m×n</sub> ::[ ]<sub>0×m</sub>・M<sub>m×n</sub> = [ ]<sub>0×n</sub> ::M<sub>m×n</sub>・[ ]<sub>n×0</sub> = [ ]<sub>m×0</sub> ::[ ]<sub>m×0</sub>・[ ]<sub>0×n</sub> = 0<sub>m×n</sub> 標準状態では,空行列の次元は空行列記号‘[]’ とともに表示する。組み込み変数print_empty_ dimensionsは,この挙動をコントロールする。 ==== print_empty_dimensions ====                                 [Built-in Variable] print_empty_dimensionsの値がゼロでない値をとるならば,空行列の次元は空行列記号 ‘[]’ とともに表示される。たとえば,以下の式 ::zeros (3, 0) は,次のような表示になる。 ::ans = [](3x0) 行列の行または列を削除する便利な方法として,代入文で空行列を使用することもできます。Section 10.6 [Assignment Expressions]を参照してください。 ==== warn_empty_list_elements ====                                 [Built-in Variable] もしwarn_empty_list_elementsの値がゼロでないならば,行列リストに空行列が存在する とき,警告を表示する。たとえば,以下のような状況である。 ::a = [1, [], 3, [], 5] 標準状態は0 である。 Octave が行列を含む式を解釈するとき,そのリストの要素がすべて定数かどうか決定するために試験をします。もしそうならば,単一の行列定数を含むリストに置き換えます。 == 4.2 範囲 == 範囲とは,等間隔に区切られた要素の行ベクトルを表記するために,便利な方法です。範囲式は,範囲の最初の要素,要素の増分(省略可),およびその範囲を超えない要素の最大値により定義されます。開始値,増分,および終端値はコロン(‘:’記号)で区切られます。これには,任意の数式や関数呼び出しを含むこともできます。もし増分を省略するならば,これは1 であると仮定する。たとえば,以下の範囲 ::1 : 5 は,値の集合‘[ 1, 2, 3, 4, 5 ]’ を定義します。また,以下の範囲 ::1 : 3 : 5 は,‘[ 1, 4 ]’なる集合を定義します。 範囲定数は行ベクトルを指定しますが,Octave は,必要がないときには,範囲定数をベクトルに変換しません。これにより,‘1 : 10000’のような定数を,典型的な32 ビットワークステーションでは,80,000 バイトの記憶領域を使用せずに書くことができます。 範囲の上限(増分が負値であれば下限)が,常に集合に含まれるとは限らないということに注意してください。また,浮動小数点を使用して定義された範囲は,驚くべき結果を生み出すことがあることにも留意してください。これは,Octave が範囲の値を計算するために,浮動小数点演算を使用しているためです。もし要素の数が決められていて,範囲に終点を含めることが重要ならば,かわりにlinspace関数を使用するべきです(Section 18.3 [Special Utility Matrices]を参照してください)。 Octave が範囲式を解釈するとき,式の要素がすべて定数かどうかを試験します。もしそうならば,範囲式を単一の範囲定数で置き換えます。 == 4.3 論理値 == ==== true ====                                 [Built-in Variable] 理論真値を表す。 ==== false ====                               [Built-in Variable] 理論偽値を表す。 == 4.4 数値オブジェクトの判定 == ==== isnumeric (x) ====                                 [Built-in Function] もしx が数値オブジェクトならば,ゼロ以外を返す。 ==== isreal (x) ====                                 [Built-in Function] もしx が実数値オブジェクトならば,真値を返す。 ==== iscomplex (x) ====                                 [Built-in Function] もしx が複素数の数値オブジェクトならば,真値を返す。 ==== ismatrix (a) ====                                 [Built-in Function] もしx が行列ならば1 を返し,それ以外は0 を返す。 ==== isvector (a) ====                                 [Function File] もしa がベクトルならば1 を返し,それ以外は0 を返す。 ==== isscalar (a) ====                                 [Function File] もしx がスカラならば1,それ以外は0 を返す。 ==== issquare (x) ====                                 [Function File] もしx が正方行列ならば,x の次元を返し,それ以外は0 を返す。 ==== issymmetric (x, tol) ====                                 [Function File] もしx が,tol によって指定される基準内にある対称行列ならば,x の次元を返す。そうでなければ,0 を返す。もしtol を省略するならば,計算機の精度に等しい基準を使用する。 ==== isbool (x) ====                                 [Built-in Functio] もしx がブールオブジェクトならば,真値を返す。 [[Category:GNU Octave|2.1.x にほんこまにゆある]]
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2015-08-07T11:20:59Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/GNU_Octave_2.1.x_%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E3%83%9E%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%82%A2%E3%83%AB/%E6%95%B0%E5%80%A4%E3%83%87%E3%83%BC%E3%82%BF%E5%9E%8B
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GNU Octave 2.1.x 日本語マニュアル/文字列
文字列定数とは,ダブルクオートまたはシングルクオート文字のいずれかでくくられた文字の並びから構成されます。たとえば,以下の式は, を含む文字列です。Octaveにおける文字列は,任意の長さをとることができます。シングルクオート文字は,行列の転置演算子にも使用されます(Section 10.3 [ArithmeticOps]を参照)。しかし,ダブルクオート記号は,Octave では他の用途に使用されていません。ですから,文字列を表すには,ダブルクオートを使用することが最善です。いくつかの文字は,文字列定数にはそのまま含めることはできません。これらの文字は,エスケープシーケンスで表してください。エスケープシーケンスは,バックスラッシュ(‘\’;日本語環境では円記号)で始まる文字です。エスケープシーケンスのひとつの利用法は,文字列にダブルクオート(あるいはシングルクオート)文字そのものを含めることです。素のダブルクオート記号は文字列の終端となるので,単一のダブルクオート文字を表すには,文字列の一部として‘\"’ を使わなければなりません。バックスラッシュ(日本語では円記号)そのものも,ふつうでは含めることができない文字です。ですから,2 つの連続する文字列‘"\’は,"\"\\"あるいは'"\\'と表記することになります。同様に,2 つの文字‘'\’を含む文字列は,'\'\\' あるいは"'\\"と表記することになるでしょう。バックスラッシュのもう一つの利用法は,改行などの非印刷記号を表すことです。一方で,これらの記号の多くを文字列定数に直接書き込むと,見た目が汚くなります。それを避けることはできま せん。 Octave で使用されるすべてのエスケープシーケンスを,以下の表に示します。これらは,C言語で使用されているものと同じものです。 複数の文字列は,行列を定義する表記を用いて,連結することができます。たとえば,以下の式は, を含む文字列を生成します。行列を作ることについて,さらなる情報はChapter 4[Numeric Data Types]を参照してください。 [Function File] n 個の空白からなる文字列を返します。 [Function File] 数値行列,セル配列あるいは数値リストから文字列配列を作る。もし引数が数値行列であれば,その行列の各要素を対応するASCII 文字に変換します。例を以下に挙げる。 もし引数が文字列のセル配列であれば,その結果は各要素がセル配列のひとつに対応するような文字配列となります。複数の文字列を引数とした場合は,その結果は,引数に対応する各要素をもつ文字列配列となります。返される値は,文字列配列の各行が同じ長さとなるように,空白がつめられています。 [Function File] 数値を文字列に変換します。これらの関数は,それほど柔軟性はありませんが,Matlab の互換性のために用意してあります。 結果をもっとよく操作するには,sprintf (Section 16.2.4 [FormattedOutput]を参照)を使用してください。 [Function File] この関数は,使用しないほうがよいでしょう。かわりにnum2str 関数を使用してください。複素数を文字列に変換します。 [Function File] すべての引数を連結した文字列を返します。以下に例を示します。 [Built-in Variable] この変数の値は,文字列行列の全ての文字列を同じ長さにするために,詰め物として使用されます。これは,単一の文字にすべきです。標準状態の値は," "(単一のスペース文字)です。 以下の例を参照してください。 [Function File] 文字列s 1, . . . , s n を行に含む行列を返します。各々の文字列は,妥当な行列を作るため,空白文字で同じ長さにそろえられます。 この関数は,Matlab を参考にして作成されました。 Octave では,全ての文字列が同じ長さでなくとも,[s_1; ...; s_n]とすることにより,文字列の行列を作ることができます。 [Built-in Function] a が文字列ならば1,そうでなければ0 を返します。 [Function File] この関数は,使用しない方がよいでしょう。かわりにischar を使用してください。 [Function File] 文字列s から,連続する空白やnull を取り除きます。 もしs が行列ならば,deblank は各々の行を,最長の文字列の長さに調整します。 [Function File] ふたつの文字列sとtの短い方が,長い方に現れる位置を含むベクトルを返します。 もしオプション引数overlap がゼロでなければ,返されるベクトルには,重なりあう位置を含みます(標準状態では,この動作をします)。 以下の例を参照してください。 この実装は,2番目の引数が最初の引数よりも長いならば,文字列を入れ替えます。 したがって,長い方の文字列を最初に与えるようにしたほうがよいでしょう。 [Function File] 文字列sの中に,文字列tが最初に現れる位置を返します。もし見つからなければ,0を返します。以下に例を示します。 注意:この関数は,文字列配列には動作しません。 [Function File] 文字列sの中に,文字列tが最後に現れる位置を返します。もし見つからなければ,0を返します。以下に例を示します。 注意:この関数は,文字列配列には動作しません。 [Function File] 文字列s を,t で区切って小片に分割し,文字列配列(妥当な行列になるように空白文字で詰め物をする)として返します。以下に例を示します。 [Function File] ふたつの文字列を比較し,両者が同じならば真値を,そうでなければ偽値を返します。 注意:Matlab との互換性を保つため,Octave のstrcmp 関数は,文字列が等しいならば真値を,そうでなければ偽値を返します。 これは,C 言語の同名のライブラリ関数とは逆の動作です。 [Function File] 文字列s内に現れる部分文字列xのすべてをyで置き換えます。以下に例を示します。 [Function File] 文字列sの,beg文字目からlen文字ぶんの長さを抜き出した部分文字列を返します。 もしbeg が負値ならば,文字列の末端から開始します。もしlen を省略するならば,s の末端までの部分文字列を返します。 以下に例を示します。 この関数は,AWKを模倣したものです。 式s (beg : (beg + len - 1))と同じ結果が得られます。 [Function File] 文字列sに格納された2進数に対応する,10進の数値を返します。以下に例を示します。 もしs が文字列行列であれば,s の各行ごとに,変換した数値の列ベクトルを返します。 変換できない行は,NaN とします。 [Function File] 非負の10 進数値n に対応する2 進数を,1 と0 の文字列として返します。以下に例を示します。 もしn がベクトルならば,値あたり1 行として,最も長い値の幅にあわせてゼロを詰めた文字列行列を返します。 2 番目の引数len はオプションであり,結果の最小桁数を指定します。 [Function File] 非負の整数n に対応する16 進文字列を返します。以下に例を示します。 もしn がベクトルならば,値あたり1行として,最も長い値の幅にあわせてゼロを詰めた文字列行列を返します。 2番目の引数len はオプションであり,結果の最小桁数を指定します。 [Function File] 16 進文字列 s に対応する非負の整数 n を返します。以下に例を示します。 もし s が文字列行列ならば,s の行ごとに,変換された数値の列ベクトルを返します。変換できない行は,NaN とします。 [Function File] 非負の整数 nに対応する,b進数の文字列を返します。以下の例は,3進数です。 もしn がベクトルならば,値あたり1 行として,最も長い値の幅にあわせてゼロを詰めた文字 列行列を返します。 b が文字列ならば,b の文字がn の桁に対する記号として使用されます。空白(’ ’)は,記号と しては使用できない。以下の例は,上の例を文字列で置き換えたものです。 3 番目の引数len はオプションであり,結果の最小桁数を指定します。 [Function File] b 進数で表記された文字列s を,整数へと変換します。 以下の例は,3 進数で表記された文字列"11120"を整数に変換しています。 もしsが文字列行列であれば,sの各行ごとに,変換した数値の列ベクトルを返します。 変換できない行は,NaN とします。 変換前に,行は右寄せされるので,末尾の空白は無視されます。 bが文字列であれば,bの文字列が,sの桁を表すために使用されます。 空白文字(’ ’)は,その記号としては使用されません。 [Function File] 空白を含まない文字列s を,文字列の左,右あるいは中央に寄せます。 もしs が文字列配列ならば,配列の各文字列を寄せる。null文字は空白で置き換えます。もし寄せる方向が指定されないならば,すべての行は右寄せになる。 [Function File] 文字列s を数値に変換します。 [Mapping Function] 文字列s の,ASCII コードによる表現を行列として返します。以下に例を示します。 [Mapping Function] 文字列s について,大文字を小文字に置き換えた文字列を返します。アルファベットではない文字 は,変更しないでそのままにします。以下に例を示す。 [Built-in Function] 文字列sについて,小文字を大文字に置き換えた文字列を返します。アルファベットではない文字は,変更しないでそのままにします。 以下に例を示す。 [Built-in Function] 文字列string 内の特殊文字をエスケープして返します。 [Built-in Function] 文字列内の特殊文字をエスケープ文字に戻す。たとえば,以下の式は,文字列変数bellにア ラート文字(control-g, ASCII コード7)を代入しています。 この文字列を表示すると,システムにより警告音が鳴るであろう(そのような設定にしてあれば)。 これは,通常は望むべき結果です。 しかし,時には,文字列のもともとの表現,すなわち特殊文字をエスケープシーケンスで置き換えた表現を表示できることが有効なことがあります。 以下の例, は,表示できないアラート特殊文字を,表示可能な形式で置き換えています。 [Built-in Variable] もしwarn_num_to_strの値がゼロでないならば,行列表記において,文字列が文字と数値が混在した状態になっているときには, 数値をASCIIコードに暗黙的に変換するときに,警告を表示します。 以下の例 は,warn_num_to_strがゼロでないときには,警告を出します。標準状態では1です。 [Built-in Variable] もしwarn_str_to_numの値がゼロでないならば,文字列をその対応するASCIIコードの数 値へと暗黙的に変換するときに,警告を表示します。以下の例 は,warn_str_to_numがゼロでないときには,警告を出します。標準状態では0です。 [Built-in Variable] 文字列定数を導入するために,シングルクオート文字を使うならば,警告を表示します。 Octave では,標準C 言語ライブラリにある関数と同様に,以下のような文字種類をテストする関数も提供しています。これらは,すべて文字列配列について処理を行い,0 と1 からなる行列を返します。0 でない要素は,もとの文字列配列における対応する文字の状態が真であることを示しています。 以下に例を示します。 [Mapping Function] アルファベットあるいは数値である文字について,1 を返す(isalpha (s)あるいはisdigit(s)のいずれかが真である)。 [Mapping Function] [Mapping Function] アルファベットである文字について,1 を返す(isupper(s) あるいはislower(s)のいずれかが真である)。 [Mapping Function] ASCII コード(10 進数で0 から127 の範囲にある)文字について,1 を返します。 [Mapping Function] 制御文字に対して1 を返します。 [Mapping Function] 10 進数値を表す文字に対して1 を返します。 [Mapping Function] 印刷可能文字に対して1 を返す(空白文字は含まない)。 [Mapping Function] 小文字アルファベットに対して1 を返します。 [Mapping Function] 印刷可能文字に対して1 を返す(空白文字を含む)。 [Mapping Function] 句読点に対して1 を返します。 [Mapping Function] ホワイトスペース文字(スペース,改行,復帰,キャリッジリターン,タブおよび垂直タブ)に対して1 を返します。 [Mapping Function] 大文字アルファベットに対して1 を返します。 [Mapping Function] 16 進数値文字に対して1 を返します。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "文字列定数とは,ダブルクオートまたはシングルクオート文字のいずれかでくくられた文字の並びから構成されます。たとえば,以下の式は,", "title": "5.1 文字列の作成" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "を含む文字列です。Octaveにおける文字列は,任意の長さをとることができます。シングルクオート文字は,行列の転置演算子にも使用されます(Section 10.3 [ArithmeticOps]を参照)。しかし,ダブルクオート記号は,Octave では他の用途に使用されていません。ですから,文字列を表すには,ダブルクオートを使用することが最善です。いくつかの文字は,文字列定数にはそのまま含めることはできません。これらの文字は,エスケープシーケンスで表してください。エスケープシーケンスは,バックスラッシュ(‘\\’;日本語環境では円記号)で始まる文字です。エスケープシーケンスのひとつの利用法は,文字列にダブルクオート(あるいはシングルクオート)文字そのものを含めることです。素のダブルクオート記号は文字列の終端となるので,単一のダブルクオート文字を表すには,文字列の一部として‘\\\"’ を使わなければなりません。バックスラッシュ(日本語では円記号)そのものも,ふつうでは含めることができない文字です。ですから,2 つの連続する文字列‘\"\\’は,\"\\\"\\\\\"あるいは'\"\\\\'と表記することになります。同様に,2 つの文字‘'\\’を含む文字列は,'\\'\\\\' あるいは\"'\\\\\"と表記することになるでしょう。バックスラッシュのもう一つの利用法は,改行などの非印刷記号を表すことです。一方で,これらの記号の多くを文字列定数に直接書き込むと,見た目が汚くなります。それを避けることはできま せん。", "title": "5.1 文字列の作成" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "Octave で使用されるすべてのエスケープシーケンスを,以下の表に示します。これらは,C言語で使用されているものと同じものです。", "title": "5.1 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"paragraph_id": 67, "tag": "p", "text": "[Built-in Function]", "title": "5.1 文字列の作成" }, { "paragraph_id": 68, "tag": "p", "text": "文字列string 内の特殊文字をエスケープして返します。", "title": "5.1 文字列の作成" }, { "paragraph_id": 69, "tag": "p", "text": "[Built-in Function]", "title": "5.1 文字列の作成" }, { "paragraph_id": 70, "tag": "p", "text": "文字列内の特殊文字をエスケープ文字に戻す。たとえば,以下の式は,文字列変数bellにア ラート文字(control-g, ASCII コード7)を代入しています。", "title": "5.1 文字列の作成" }, { "paragraph_id": 71, "tag": "p", "text": "この文字列を表示すると,システムにより警告音が鳴るであろう(そのような設定にしてあれば)。 これは,通常は望むべき結果です。 しかし,時には,文字列のもともとの表現,すなわち特殊文字をエスケープシーケンスで置き換えた表現を表示できることが有効なことがあります。 以下の例,", "title": "5.1 文字列の作成" }, { "paragraph_id": 72, "tag": "p", "text": "は,表示できないアラート特殊文字を,表示可能な形式で置き換えています。", "title": "5.1 文字列の作成" }, { "paragraph_id": 73, "tag": "p", "text": "[Built-in Variable]", "title": "5.1 文字列の作成" }, { "paragraph_id": 74, "tag": "p", "text": "もしwarn_num_to_strの値がゼロでないならば,行列表記において,文字列が文字と数値が混在した状態になっているときには, 数値をASCIIコードに暗黙的に変換するときに,警告を表示します。 以下の例", "title": "5.1 文字列の作成" }, { "paragraph_id": 75, "tag": "p", "text": "は,warn_num_to_strがゼロでないときには,警告を出します。標準状態では1です。", "title": "5.1 文字列の作成" }, { "paragraph_id": 76, "tag": "p", "text": "[Built-in Variable] もしwarn_str_to_numの値がゼロでないならば,文字列をその対応するASCIIコードの数 値へと暗黙的に変換するときに,警告を表示します。以下の例", "title": "5.1 文字列の作成" }, { "paragraph_id": 77, "tag": "p", "text": "は,warn_str_to_numがゼロでないときには,警告を出します。標準状態では0です。", "title": "5.1 文字列の作成" }, { "paragraph_id": 78, "tag": "p", "text": "[Built-in Variable] 文字列定数を導入するために,シングルクオート文字を使うならば,警告を表示します。", "title": "5.1 文字列の作成" }, { "paragraph_id": 79, "tag": "p", "text": "Octave では,標準C 言語ライブラリにある関数と同様に,以下のような文字種類をテストする関数も提供しています。これらは,すべて文字列配列について処理を行い,0 と1 からなる行列を返します。0 でない要素は,もとの文字列配列における対応する文字の状態が真であることを示しています。 以下に例を示します。", "title": "5.1 文字列の作成" }, { "paragraph_id": 80, "tag": "p", "text": "[Mapping Function]", "title": "5.1 文字列の作成" }, { "paragraph_id": 81, "tag": "p", "text": "アルファベットあるいは数値である文字について,1 を返す(isalpha (s)あるいはisdigit(s)のいずれかが真である)。", "title": "5.1 文字列の作成" }, { "paragraph_id": 82, "tag": "p", "text": "[Mapping Function]", "title": "5.1 文字列の作成" }, { "paragraph_id": 83, "tag": "p", "text": "[Mapping Function]", "title": "5.1 文字列の作成" }, { "paragraph_id": 84, "tag": "p", "text": "アルファベットである文字について,1 を返す(isupper(s) あるいはislower(s)のいずれかが真である)。", "title": "5.1 文字列の作成" }, { "paragraph_id": 85, "tag": "p", "text": "[Mapping Function]", "title": "5.1 文字列の作成" }, { "paragraph_id": 86, "tag": "p", "text": "ASCII コード(10 進数で0 から127 の範囲にある)文字について,1 を返します。", "title": "5.1 文字列の作成" }, { "paragraph_id": 87, "tag": "p", "text": "[Mapping Function]", "title": "5.1 文字列の作成" }, { "paragraph_id": 88, "tag": "p", "text": "制御文字に対して1 を返します。", "title": "5.1 文字列の作成" }, { "paragraph_id": 89, "tag": "p", "text": "[Mapping Function]", "title": "5.1 文字列の作成" }, { "paragraph_id": 90, "tag": "p", "text": "10 進数値を表す文字に対して1 を返します。", "title": "5.1 文字列の作成" }, { "paragraph_id": 91, "tag": "p", "text": "[Mapping Function]", "title": "5.1 文字列の作成" }, { "paragraph_id": 92, "tag": "p", "text": "印刷可能文字に対して1 を返す(空白文字は含まない)。", "title": "5.1 文字列の作成" }, { "paragraph_id": 93, "tag": "p", "text": "[Mapping Function]", "title": "5.1 文字列の作成" }, { "paragraph_id": 94, "tag": "p", "text": "小文字アルファベットに対して1 を返します。", "title": "5.1 文字列の作成" }, { "paragraph_id": 95, "tag": "p", "text": "[Mapping Function]", "title": "5.1 文字列の作成" }, { "paragraph_id": 96, "tag": "p", "text": "印刷可能文字に対して1 を返す(空白文字を含む)。", "title": "5.1 文字列の作成" }, { "paragraph_id": 97, "tag": "p", "text": "[Mapping Function]", "title": "5.1 文字列の作成" }, { "paragraph_id": 98, "tag": "p", "text": "句読点に対して1 を返します。", "title": "5.1 文字列の作成" }, { "paragraph_id": 99, "tag": "p", "text": "[Mapping Function]", "title": "5.1 文字列の作成" }, { "paragraph_id": 100, "tag": "p", "text": "ホワイトスペース文字(スペース,改行,復帰,キャリッジリターン,タブおよび垂直タブ)に対して1 を返します。", "title": "5.1 文字列の作成" }, { "paragraph_id": 101, "tag": "p", "text": "[Mapping Function]", "title": "5.1 文字列の作成" }, { "paragraph_id": 102, "tag": "p", "text": "大文字アルファベットに対して1 を返します。", "title": "5.1 文字列の作成" }, { "paragraph_id": 103, "tag": "p", "text": "[Mapping Function]", "title": "5.1 文字列の作成" }, { "paragraph_id": 104, "tag": "p", "text": "16 進数値文字に対して1 を返します。", "title": "5.1 文字列の作成" } ]
null
= 5 文字列 = 文字列定数とは,ダブルクオートまたはシングルクオート文字のいずれかでくくられた文字の並びから構成されます。たとえば,以下の式は, ::"parrot" ::'parrot' ::‘parrot’ を含む文字列です。Octaveにおける文字列は,任意の長さをとることができます。シングルクオート文字は,行列の転置演算子にも使用されます(Section 10.3 [ArithmeticOps]を参照)。しかし,ダブルクオート記号は,Octave では他の用途に使用されていません。ですから,文字列を表すには,ダブルクオートを使用することが最善です。いくつかの文字は,文字列定数にはそのまま含めることはできません。これらの文字は,エスケープシーケンスで表してください。エスケープシーケンスは,バックスラッシュ(‘\’;日本語環境では円記号)で始まる文字です。エスケープシーケンスのひとつの利用法は,文字列にダブルクオート(あるいはシングルクオート)文字そのものを含めることです。素のダブルクオート記号は文字列の終端となるので,単一のダブルクオート文字を表すには,文字列の一部として‘\"’ を使わなければなりません。バックスラッシュ(日本語では円記号)そのものも,ふつうでは含めることができない文字です。ですから,2 つの連続する文字列‘"\’は,"\"\\"あるいは'"\\'と表記することになります。同様に,2 つの文字‘'\’を含む文字列は,'\'\\' あるいは"'\\"と表記することになるでしょう。バックスラッシュのもう一つの利用法は,改行などの非印刷記号を表すことです。一方で,これらの記号の多くを文字列定数に直接書き込むと,見た目が汚くなります。それを避けることはできま せん。 Octave で使用されるすべてのエスケープシーケンスを,以下の表に示します。これらは,C言語で使用されているものと同じものです。 ::\\ バックスラッシュ文字‘\’ そのものを表します。 ::\" ダブルクオート文字‘"’ そのものを表します。\' シングルクオート文字‘'’ そのものを表します。 ::\0 ASCII コード0 の“null”(control-@)を表します。 ::\a ASCII コード7 の“警告音”(control-g)を表します。 ::\b ASCII コード8 の後退(control-h)を表します。 ::\f ASCII コード12 の復帰(control-l)を表します。 ::\n ASCII コード10 の改行(control-j)を表します。 ::\r ASCII コード13 のキャリッジリターン(control-m)を表します。 ::\t ASCII コード9 の水平タブ(control-i)を表します。 ::\v ASCII コード11 の垂直タブ(control-k)を表します。 複数の文字列は,行列を定義する表記を用いて,連結することができます。たとえば,以下の式は, ::[ "foo" , "bar" , "baz" ] ::‘foobarbaz’ を含む文字列を生成します。行列を作ることについて,さらなる情報はChapter 4[Numeric Data Types]を参照してください。 == 5.1 文字列の作成 == ==== blanks (n) ====                                                                [Function File] n 個の空白からなる文字列を返します。 ==== char (x) ==== ==== char (cell_array) ==== ==== char (s1, s2, . . . ) ====                                                                [Function File] 数値行列,セル配列あるいは数値リストから文字列配列を作る。もし引数が数値行列であれば,その行列の各要素を対応するASCII 文字に変換します。例を以下に挙げる。 ::char ([97, 98, 99]) ::&#8658; "abc" もし引数が文字列のセル配列であれば,その結果は各要素がセル配列のひとつに対応するような文字配列となります。複数の文字列を引数とした場合は,その結果は,引数に対応する各要素をもつ文字列配列となります。返される値は,文字列配列の各行が同じ長さとなるように,空白がつめられています。 ==== int2str (n) ==== ==== num2str (x, precision) ==== ==== num2str (x, format) ====                                                                [Function File] 数値を文字列に変換します。これらの関数は,それほど柔軟性はありませんが,Matlab の互換性のために用意してあります。 結果をもっとよく操作するには,sprintf (Section 16.2.4 [FormattedOutput]を参照)を使用してください。 ==== com2str (zz, flg) ====                                                                [Function File] この関数は,使用しないほうがよいでしょう。かわりにnum2str 関数を使用してください。複素数を文字列に変換します。 ::Inputs ::zz 複素数値 ::flg 書式フラグ0 ::(標準状態) :: : -1, 0, 1, 1i, 1 + 0.5i 1 ::(zpout を使用する) :: : -1, 0, + 1, + 1i, + 1 + 0.5i ==== strcat (s1, s2, . . . ) ====                                                                [Function File] すべての引数を連結した文字列を返します。以下に例を示します。 ::s = [ "ab"; "cde" ]; ::strcat (s, s, s) ::&#8658; "ab ab ab " ::"cdecdecde" ==== string_fill_char ====                                                            [Built-in Variable] この変数の値は,文字列行列の全ての文字列を同じ長さにするために,詰め物として使用されます。これは,単一の文字にすべきです。標準状態の値は," "(単一のスペース文字)です。 以下の例を参照してください。 ::string_fill_char = "X"; ::[ "these"; "are"; "strings" ] ::&#8658; "theseXX" ::"areXXXX" ::"strings" ==== str2mat (s_1, . . . , s_n) ====                                                            [Function File] 文字列s 1, . . . , s n を行に含む行列を返します。各々の文字列は,妥当な行列を作るため,空白文字で同じ長さにそろえられます。 この関数は,Matlab を参考にして作成されました。 Octave では,全ての文字列が同じ長さでなくとも,[s_1; ...; s_n]とすることにより,文字列の行列を作ることができます。 ==== ischar (a) ====                                                            [Built-in Function] a が文字列ならば1,そうでなければ0 を返します。 ==== isstr (a) ====                                                            [Function File] この関数は,使用しない方がよいでしょう。かわりにischar を使用してください。 == 5.2 検索と置換 == ==== deblank (s) ====                                                            [Function File] 文字列s から,連続する空白やnull を取り除きます。 もしs が行列ならば,deblank は各々の行を,最長の文字列の長さに調整します。 ==== findstr (s, t, overlap) ====                                                            [Function File] ふたつの文字列sとtの短い方が,長い方に現れる位置を含むベクトルを返します。 もしオプション引数overlap がゼロでなければ,返されるベクトルには,重なりあう位置を含みます(標準状態では,この動作をします)。 以下の例を参照してください。 ::findstr ("ababab", "a") ::&#8658; [ 1, 3, 5 ] ::findstr ("abababa", "aba", 0) ::&#8658; [ 1, 5 ] この実装は,2番目の引数が最初の引数よりも長いならば,文字列を入れ替えます。 したがって,長い方の文字列を最初に与えるようにしたほうがよいでしょう。 ==== index (s, t) ====                                                            [Function File] 文字列sの中に,文字列tが最初に現れる位置を返します。もし見つからなければ,0を返します。以下に例を示します。 ::index ("Teststring", "t") ::&#8658; 4 注意:この関数は,文字列配列には動作しません。 ==== rindex (s, t) ====                                                            [Function File] 文字列sの中に,文字列tが最後に現れる位置を返します。もし見つからなければ,0を返します。以下に例を示します。 ::rindex ("Teststring", "t") ::&#8658; 6 注意:この関数は,文字列配列には動作しません。 ==== split (s, t) ====                                                            [Function File] 文字列s を,t で区切って小片に分割し,文字列配列(妥当な行列になるように空白文字で詰め物をする)として返します。以下に例を示します。 ::split ("Test string", "t") ::&#8658; "Tes " ::" s " ::"ring" ==== strcmp (s1, s2) ====                                                            [Function File] ふたつの文字列を比較し,両者が同じならば真値を,そうでなければ偽値を返します。 注意:Matlab との互換性を保つため,Octave のstrcmp 関数は,文字列が等しいならば真値を,そうでなければ偽値を返します。 これは,C 言語の同名のライブラリ関数とは逆の動作です。 ==== strrep (s, x, y) ====                                                            [Function File] 文字列s内に現れる部分文字列xのすべてをyで置き換えます。以下に例を示します。 ::strrep ("This is a test string", "is", "&%$") ::&#8658; "Th&%$ &%$ a test string" ==== substr (s, beg, len) ====                                                            [Function File] 文字列sの,beg文字目からlen文字ぶんの長さを抜き出した部分文字列を返します。 もしbeg が負値ならば,文字列の末端から開始します。もしlen を省略するならば,s の末端までの部分文字列を返します。 以下に例を示します。 ::substr ("This is a test string", 6, 9) ::&#8658; "is a test" この関数は,AWKを模倣したものです。 式s (beg : (beg + len - 1))と同じ結果が得られます。 == 5.3 文字列の変換 == ==== hex2dec (s) ====                                                            [Function File] 文字列sに格納された2進数に対応する,10進の数値を返します。以下に例を示します。 ::hex2dec ("1110") ::&#8658; 14 もしs が文字列行列であれば,s の各行ごとに,変換した数値の列ベクトルを返します。 変換できない行は,NaN とします。 ==== dec2bin (n, len) ====                                                            [Function File] 非負の10 進数値n に対応する2 進数を,1 と0 の文字列として返します。以下に例を示します。 ::dec2bin (14) ::&#8658; "1110" もしn がベクトルならば,値あたり1 行として,最も長い値の幅にあわせてゼロを詰めた文字列行列を返します。 2 番目の引数len はオプションであり,結果の最小桁数を指定します。 ==== dec2hex (n, len) ====                                                            [Function File] 非負の整数n に対応する16 進文字列を返します。以下に例を示します。 ::dec2hex (2748) ::&#8658; "ABC" もしn がベクトルならば,値あたり1行として,最も長い値の幅にあわせてゼロを詰めた文字列行列を返します。 2番目の引数len はオプションであり,結果の最小桁数を指定します。 ==== hex2dec (s) ====                                                            [Function File] 16 進文字列 s に対応する非負の整数 n を返します。以下に例を示します。 ::hex2dec ("12B") ::&#8658; 299 ::hex2dec ("12b") ::&#8658; 299 もし s が文字列行列ならば,s の行ごとに,変換された数値の列ベクトルを返します。変換できない行は,NaN とします。 ==== dec2base (n, b, len) ====                                                            [Function File] 非負の整数 nに対応する,b進数の文字列を返します。以下の例は,3進数です。 ::dec2base (123, 3) ::&#8658; "11120" もしn がベクトルならば,値あたり1 行として,最も長い値の幅にあわせてゼロを詰めた文字 列行列を返します。 b が文字列ならば,b の文字がn の桁に対する記号として使用されます。空白(’ ’)は,記号と しては使用できない。以下の例は,上の例を文字列で置き換えたものです。 ::dec2base (123, "aei") ::&#8658; "eeeia" 3 番目の引数len はオプションであり,結果の最小桁数を指定します。 ==== base2dec (s, b) ====                                                            [Function File] b 進数で表記された文字列s を,整数へと変換します。 以下の例は,3 進数で表記された文字列"11120"を整数に変換しています。 ::base2dec ("11120", 3) ::&#8658; 123 もしsが文字列行列であれば,sの各行ごとに,変換した数値の列ベクトルを返します。 変換できない行は,NaN とします。 変換前に,行は右寄せされるので,末尾の空白は無視されます。 bが文字列であれば,bの文字列が,sの桁を表すために使用されます。 空白文字(’ ’)は,その記号としては使用されません。 ::base2dec ("yyyzx", "xyz") ::&#8658; 123 ==== strjust (s, ["left"|"right"|"center"]) ====                                                            [Function File] 空白を含まない文字列s を,文字列の左,右あるいは中央に寄せます。 もしs が文字列配列ならば,配列の各文字列を寄せる。null文字は空白で置き換えます。もし寄せる方向が指定されないならば,すべての行は右寄せになる。 ==== str2num (s) ====                                                            [Function File] 文字列s を数値に変換します。 ==== toascii (s) ====                                                            [Mapping Function] 文字列s の,ASCII コードによる表現を行列として返します。以下に例を示します。 ::toascii ("ASCII") ::&#8658; [ 65, 83, 67, 73, 73 ] ==== tolower (s) ====                                                            [Mapping Function] 文字列s について,大文字を小文字に置き換えた文字列を返します。アルファベットではない文字 は,変更しないでそのままにします。以下に例を示す。 ::tolower ("MiXeD cAsE 123") ::&#8658; "mixed case 123" ==== toupper (s) ====                                                            [Built-in Function] 文字列sについて,小文字を大文字に置き換えた文字列を返します。アルファベットではない文字は,変更しないでそのままにします。 以下に例を示す。 ::toupper ("MiXeD cAsE 123") ::&#8658; "MIXED CASE 123" ==== do_string_escapes (string) ====                                                            [Built-in Function] 文字列string 内の特殊文字をエスケープして返します。 ==== undo_string_escapes (s) ====                                                            [Built-in Function] 文字列内の特殊文字をエスケープ文字に戻す。たとえば,以下の式は,文字列変数bellにア ラート文字(control-g, ASCII コード7)を代入しています。 ::bell = "\a"; この文字列を表示すると,システムにより警告音が鳴るであろう(そのような設定にしてあれば)。 これは,通常は望むべき結果です。 しかし,時には,文字列のもともとの表現,すなわち特殊文字をエスケープシーケンスで置き換えた表現を表示できることが有効なことがあります。 以下の例, ::octave:13> undo_string_escapes (bell) ::ans = \a は,表示できないアラート特殊文字を,表示可能な形式で置き換えています。 ==== warn_num_to_str ====                                                            [Built-in Variable] もしwarn_num_to_strの値がゼロでないならば,行列表記において,文字列が文字と数値が混在した状態になっているときには, 数値をASCIIコードに暗黙的に変換するときに,警告を表示します。 以下の例 ::[ "f", 111, 111 ] ::&#8658; "foo" は,warn_num_to_strがゼロでないときには,警告を出します。標準状態では1です。 ==== warn_str_to_num ====                                                            [Built-in Variable] もしwarn_str_to_numの値がゼロでないならば,文字列をその対応するASCIIコードの数 値へと暗黙的に変換するときに,警告を表示します。以下の例 ::"abc" + 0 ::&#8658; 97 98 99 は,warn_str_to_numがゼロでないときには,警告を出します。標準状態では0です。 ==== warn_single_quote_string ====                                                            [Built-in Variable] 文字列定数を導入するために,シングルクオート文字を使うならば,警告を表示します。 == 5.4 キャラクタクラス関数 == Octave では,標準C 言語ライブラリにある関数と同様に,以下のような文字種類をテストする関数も提供しています。これらは,すべて文字列配列について処理を行い,0 と1 からなる行列を返します。0 でない要素は,もとの文字列配列における対応する文字の状態が真であることを示しています。 以下に例を示します。 ::isalpha ("!Q@WERT^Y&") ::&#8658; [ 0, 1, 0, 1, 1, 1, 1, 0, 1, 0 ] ==== isalnum (s) ====                                                            [Mapping Function] アルファベットあるいは数値である文字について,1 を返す(isalpha (s)あるいはisdigit(s)のいずれかが真である)。 ==== isalpha (s) ====                                                            [Mapping Function] ==== isletter (s) ====                                                            [Mapping Function] アルファベットである文字について,1 を返す(isupper(s) あるいはislower(s)のいずれかが真である)。 ==== isascii (s) ====                                                            [Mapping Function] ASCII コード(10 進数で0 から127 の範囲にある)文字について,1 を返します。 ==== iscntrl (s) ====                                                            [Mapping Function] 制御文字に対して1 を返します。 ==== isdigit (s) ====                                                            [Mapping Function] 10 進数値を表す文字に対して1 を返します。 ==== isgraph (s) ====                                                            [Mapping Function] 印刷可能文字に対して1 を返す(空白文字は含まない)。 ==== islower (s) ====                                                            [Mapping Function] 小文字アルファベットに対して1 を返します。 ==== isprint (s) ====                                                            [Mapping Function] 印刷可能文字に対して1 を返す(空白文字を含む)。 ==== ispunct (s) ====                                                            [Mapping Function] 句読点に対して1 を返します。 ==== isspace (s) ====                                                            [Mapping Function] ホワイトスペース文字(スペース,改行,復帰,キャリッジリターン,タブおよび垂直タブ)に対して1 を返します。 ==== isupper (s) ====                                                            [Mapping Function] 大文字アルファベットに対して1 を返します。 ==== isxdigit (s) ====                                                            [Mapping Function] 16 進数値文字に対して1 を返します。 [[Category:GNU Octave|2.1.x にほんこまにゆある]]
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2015-08-07T11:21:45Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/GNU_Octave_2.1.x_%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E3%83%9E%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%82%A2%E3%83%AB/%E6%96%87%E5%AD%97%E5%88%97
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GNU Octave 2.1.x 日本語マニュアル/データ構造体
Octave は,データを構造体にまとめる機能をもっています。 現在の実装では,連想配列の添え字には文字列しか使用できませんが,文法はC 言語の構造体に似ています。 この章では,Octave でデータ構造体を使用する例を紹介します。 構造体の要素は,どのような変数型でも含めることができます。 たとえば,以下の3 つの式を入力すると,3 つの要素を持つ構造体ができあがります。 構造体の値を表示するには,通常の変数と同じように,単に変数名を入力するだけです。 Octave では,要素が任意の順序で表示されることに注意してください。 構造体はコピーすることができます。 構造体はそれ自体が値なので,構造体の要素として他の構造体を参照することもできます。 以下の例では,構造体x の要素b の値を,構造体に変更しています。 Octave が,他の構造体を含む構造体の値を表示するときには,ある深さまでしか表示されないことに注意してください。 以下に例を示します。 これは,深く入れ子になった構造体を出力するに当たり,長くなったり混乱したりしないようにするためのものです。 [Built-in Variable] struct_levels_to_printに値を設定することにより,Octaveが,どの深さまで構造体を表示するかを指定できます。 標準状態は2です。 関数は,構造体を返すことができます。 たとえば,以下の関数は,行列の実部と虚部を分離して,同じ構造体変数の2つの部分に格納します。 この関数に複素数を渡して呼び出すと,fはもとの引数の実部と虚部を含むデータ構造体を返し ます。 関数が返した値のリストは,構造体の要素を含むことになります。 また,それらは任意の他の変数のように添え字をつけることもできます。 以下の例を参照してください。 forステートメントの特別な形式をとることにより,ループの中で,構造体の全ての要素を通して処理することも可能です (Section 12.5 [The for Statement]を参照してください)。 以下の関数を使用することにより,構造体についての情報を得ることができます。 [Built-in Function] 式expr が構造体であれば1 を返します。 [Built-in Function] 構造体struct の要素に名付けられた文字列の,セル配列を返します。 引数に構造体を渡さずにfieldnamesを呼び出したときは,エラーとなります。 [Built-in Function] 式expr が構造体であり,name という名前の要素を含むときに1 を返します。 最初の引数は構造体,2 番目の引数は文字列でなければなりません。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "Octave は,データを構造体にまとめる機能をもっています。 現在の実装では,連想配列の添え字には文字列しか使用できませんが,文法はC 言語の構造体に似ています。 この章では,Octave でデータ構造体を使用する例を紹介します。 構造体の要素は,どのような変数型でも含めることができます。 たとえば,以下の3 つの式を入力すると,3 つの要素を持つ構造体ができあがります。", "title": "6 データ構造体 " }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "構造体の値を表示するには,通常の変数と同じように,単に変数名を入力するだけです。", "title": "6 データ構造体 " }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "Octave では,要素が任意の順序で表示されることに注意してください。 構造体はコピーすることができます。", "title": "6 データ構造体 " }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "構造体はそれ自体が値なので,構造体の要素として他の構造体を参照することもできます。 以下の例では,構造体x の要素b の値を,構造体に変更しています。", "title": "6 データ構造体 " }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "Octave が,他の構造体を含む構造体の値を表示するときには,ある深さまでしか表示されないことに注意してください。 以下に例を示します。", "title": "6 データ構造体 " }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "これは,深く入れ子になった構造体を出力するに当たり,長くなったり混乱したりしないようにするためのものです。", "title": "6 データ構造体 " }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "[Built-in Variable]", "title": "6 データ構造体 " }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "struct_levels_to_printに値を設定することにより,Octaveが,どの深さまで構造体を表示するかを指定できます。 標準状態は2です。 関数は,構造体を返すことができます。 たとえば,以下の関数は,行列の実部と虚部を分離して,同じ構造体変数の2つの部分に格納します。", "title": "6 データ構造体 " }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "この関数に複素数を渡して呼び出すと,fはもとの引数の実部と虚部を含むデータ構造体を返し ます。", "title": "6 データ構造体 " }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "関数が返した値のリストは,構造体の要素を含むことになります。 また,それらは任意の他の変数のように添え字をつけることもできます。 以下の例を参照してください。", "title": "6 データ構造体 " }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "forステートメントの特別な形式をとることにより,ループの中で,構造体の全ての要素を通して処理することも可能です (Section 12.5 [The for Statement]を参照してください)。 以下の関数を使用することにより,構造体についての情報を得ることができます。", "title": "6 データ構造体 " }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "[Built-in Function]", "title": "6 データ構造体 " }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "式expr が構造体であれば1 を返します。", "title": "6 データ構造体 " }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "[Built-in Function]", "title": "6 データ構造体 " }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "構造体struct の要素に名付けられた文字列の,セル配列を返します。 引数に構造体を渡さずにfieldnamesを呼び出したときは,エラーとなります。", "title": "6 データ構造体 " }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "[Built-in Function]", "title": "6 データ構造体 " }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "式expr が構造体であり,name という名前の要素を含むときに1 を返します。 最初の引数は構造体,2 番目の引数は文字列でなければなりません。", "title": "6 データ構造体 " } ]
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== 6 データ構造体 == Octave は,データを構造体にまとめる機能をもっています。 現在の実装では,連想配列の添え字には文字列しか使用できませんが,文法はC 言語の構造体に似ています。 この章では,Octave でデータ構造体を使用する例を紹介します。 構造体の要素は,どのような変数型でも含めることができます。 たとえば,以下の3 つの式を入力すると,3 つの要素を持つ構造体ができあがります。 ::x.a = 1 ::x.b = [1, 2; 3, 4] ::x.c = "string" 構造体の値を表示するには,通常の変数と同じように,単に変数名を入力するだけです。 ::octave:2> x ::x = ::{ ::a = 1 ::b = ::1 2 ::3 4 ::c = string ::} Octave では,要素が任意の順序で表示されることに注意してください。 構造体はコピーすることができます。 ::octave:1> y = x ::y = ::{ ::a = 1 ::b = ::1 2 ::3 4 ::c = string ::} 構造体はそれ自体が値なので,構造体の要素として他の構造体を参照することもできます。 以下の例では,構造体x の要素b の値を,構造体に変更しています。 ::octave:1> x.b.d = 3 ::x.b.d = 3 ::octave:2> x.b ::ans = ::{ ::d = 3 ::} ::octave:3> x ::x = ::{ ::a = 1 ::b = ::{ ::d = 3 ::} ::c = string ::} Octave が,他の構造体を含む構造体の値を表示するときには,ある深さまでしか表示されないことに注意してください。 以下に例を示します。 ::octave:1> a.b.c.d.e = 1; ::octave:2> a ::a = ::{ ::b = ::{ ::c = ::{ ::d: 1x1 struct ::} ::} ::} これは,深く入れ子になった構造体を出力するに当たり,長くなったり混乱したりしないようにするためのものです。 ==== struct_levels_to_print ====                                                            [Built-in Variable] struct_levels_to_printに値を設定することにより,Octaveが,どの深さまで構造体を表示するかを指定できます。 標準状態は2です。 関数は,構造体を返すことができます。 たとえば,以下の関数は,行列の実部と虚部を分離して,同じ構造体変数の2つの部分に格納します。 ::octave:1> function y = f (x) ::> y.re = real (x); ::> y.im = imag (x); ::> endfunction この関数に複素数を渡して呼び出すと,fはもとの引数の実部と虚部を含むデータ構造体を返し ます。 ::octave:2> f (rand (2) + rand (2) * I); ::ans = ::{ ::im = ::0.26475 0.14828 ::0.18436 0.83669 ::re = ::0.040239 0.242160 ::0.238081 0.402523 ::} 関数が返した値のリストは,構造体の要素を含むことになります。 また,それらは任意の他の変数のように添え字をつけることもできます。 以下の例を参照してください。 ::octave:1> [ x.u, x.s(2:3,2:3), x.v ] = svd ([1, 2; 3, 4]) ::x.u = ::-0.40455 -0.91451 ::-0.91451 0.40455 ::x.s = ::0.00000 0.00000 0.00000 ::0.00000 5.46499 0.00000 ::0.00000 0.00000 0.36597 ::x.v = ::-0.57605 0.81742 ::-0.81742 -0.57605 forステートメントの特別な形式をとることにより,ループの中で,構造体の全ての要素を通して処理することも可能です (Section 12.5 [The for Statement]を参照してください)。 以下の関数を使用することにより,構造体についての情報を得ることができます。 ==== isstruct (expr) ====                                                            [Built-in Function] 式expr が構造体であれば1 を返します。 ==== fieldnames (struct) ====                                                            [Built-in Function] 構造体struct の要素に名付けられた文字列の,セル配列を返します。 引数に構造体を渡さずにfieldnamesを呼び出したときは,エラーとなります。 ==== isfield (expr, name) ====                                                            [Built-in Function] 式expr が構造体であり,name という名前の要素を含むときに1 を返します。 最初の引数は構造体,2 番目の引数は文字列でなければなりません。 [[Category:GNU Octave|2.1.x にほんこまにゆある てえたこうそう]]
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2015-08-07T11:25:47Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/GNU_Octave_2.1.x_%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E3%83%9E%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%82%A2%E3%83%AB/%E3%83%87%E3%83%BC%E3%82%BF%E6%A7%8B%E9%80%A0%E4%BD%93
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GNU Octave 2.1.x 日本語マニュアル/コンテナ
[Built-in Function] 引数a1,a2,. . . によって与えられる要素を持つ,新たなリストを生成します。 [Built-in Function] リストlist のn 番目の要素を返します。 [Built-in Function] リストlist にa1,a2,. . . を追加することにより生成される新たなリストを返します。もし,追加 すべき引数の中にリストが含まれたならば,その要素は個々に追加されます。たとえば, この式は,4 つの要素を含むリスト‘(1 2 3 4)’となるが,3 つの要素‘(1 2 (3 4))’を含むリ ストにはならない。 [Built-in Function] リストlist の要素を逆順にして作られる新たなリストを返します。 [Built-in Function] リストlist 1 について,offset 番目からlength 個の要素を,list 2 の成分で置き換えます。 もしlength を省略するならば,offset からlist 1 の終端までの全要素が置き換えられる。 特別な場合として,offset がlist 1 の長さ+1 よりも大きく,length が0 ならば,splice 関数はappend(list_1, list_2)に等価です。 [Built-in Function] もしx がリストならば,ゼロ以外を返します。 [Built-in Function] [Built-in Function] 新たなセル配列オブジェクトを生成します。もし単一のスカラを引数にして呼び出すならば,指 定した次元の正方セル配列を返します。もし,引数にふたつのスカラを与えるならば,それらを行 数および列数と見なします。もし,ふたつの要素をもつベクトルを与えるならば,その要素をそれ ぞれ行数および列数として使用します。 [Built-in Function] 文字列配列string の要素から,新たなセル配列オブジェクトを生成します。 [Built-in Function] もしx がセル配列オブジェクトならば真値を返し,そうでなければ偽値を返します。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "[Built-in Function]", "title": "7.1 リスト" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "引数a1,a2,. . . によって与えられる要素を持つ,新たなリストを生成します。", "title": "7.1 リスト" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "[Built-in Function]", "title": "7.1 リスト" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "リストlist のn 番目の要素を返します。", "title": "7.1 リスト" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "[Built-in Function]", "title": "7.1 リスト" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "リストlist にa1,a2,. . . を追加することにより生成される新たなリストを返します。もし,追加 すべき引数の中にリストが含まれたならば,その要素は個々に追加されます。たとえば,", "title": "7.1 リスト" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "この式は,4 つの要素を含むリスト‘(1 2 3 4)’となるが,3 つの要素‘(1 2 (3 4))’を含むリ ストにはならない。", "title": "7.1 リスト" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "[Built-in Function]", "title": "7.1 リスト" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "リストlist の要素を逆順にして作られる新たなリストを返します。", "title": "7.1 リスト" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "[Built-in Function]", "title": "7.1 リスト" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "リストlist 1 について,offset 番目からlength 個の要素を,list 2 の成分で置き換えます。 もしlength を省略するならば,offset からlist 1 の終端までの全要素が置き換えられる。 特別な場合として,offset がlist 1 の長さ+1 よりも大きく,length が0 ならば,splice 関数はappend(list_1, list_2)に等価です。", "title": "7.1 リスト" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "[Built-in Function]", "title": "7.1 リスト" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "もしx がリストならば,ゼロ以外を返します。", "title": "7.1 リスト" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "[Built-in Function]", "title": "7.1 リスト" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "[Built-in Function]", "title": "7.1 リスト" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "新たなセル配列オブジェクトを生成します。もし単一のスカラを引数にして呼び出すならば,指 定した次元の正方セル配列を返します。もし,引数にふたつのスカラを与えるならば,それらを行 数および列数と見なします。もし,ふたつの要素をもつベクトルを与えるならば,その要素をそれ ぞれ行数および列数として使用します。", "title": "7.1 リスト" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "[Built-in Function]", "title": "7.1 リスト" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "文字列配列string の要素から,新たなセル配列オブジェクトを生成します。", "title": "7.1 リスト" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "[Built-in Function]", "title": "7.1 リスト" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "もしx がセル配列オブジェクトならば真値を返し,そうでなければ偽値を返します。", "title": "7.1 リスト" } ]
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= 7 コンテナ = == 7.1 リスト == ==== list (a1, a2, . . . ) ====                                                            [Built-in Function] 引数a1,a2,. . . によって与えられる要素を持つ,新たなリストを生成します。 ==== nth (list, n) ====                                                            [Built-in Function] リストlist のn 番目の要素を返します。 ==== append (list, a1, a2, . . . ) ====                                                            [Built-in Function] リストlist にa1,a2,. . . を追加することにより生成される新たなリストを返します。もし,追加 すべき引数の中にリストが含まれたならば,その要素は個々に追加されます。たとえば, ::x = list (1, 2); ::y = list (3, 4); ::append (x, y); この式は,4 つの要素を含むリスト‘(1 2 3 4)’となるが,3 つの要素‘(1 2 (3 4))’を含むリ ストにはならない。 ==== reverse (list) ====                                                            [Built-in Function] リストlist の要素を逆順にして作られる新たなリストを返します。 ==== splice (list_1, offset, length, list_2) ====                                                            [Built-in Function] リストlist 1 について,offset 番目からlength 個の要素を,list 2 の成分で置き換えます。 もしlength を省略するならば,offset からlist 1 の終端までの全要素が置き換えられる。 特別な場合として,offset がlist 1 の長さ+1 よりも大きく,length が0 ならば,splice 関数はappend(list_1, list_2)に等価です。 ==== islist (x) ====                                                            [Built-in Function] もしx がリストならば,ゼロ以外を返します。 == 7.2 セル配列 == ==== cell (x) ====                                                            [Built-in Function] ==== cell (n, m) ====                                                            [Built-in Function] 新たなセル配列オブジェクトを生成します。もし単一のスカラを引数にして呼び出すならば,指 定した次元の正方セル配列を返します。もし,引数にふたつのスカラを与えるならば,それらを行 数および列数と見なします。もし,ふたつの要素をもつベクトルを与えるならば,その要素をそれ ぞれ行数および列数として使用します。 ==== cellstr (string) ====                                                            [Built-in Function] 文字列配列string の要素から,新たなセル配列オブジェクトを生成します。 ==== iscell (x) ====                                                            [Built-in Function] もしx がセル配列オブジェクトならば真値を返し,そうでなければ偽値を返します。 [[Category:GNU Octave|2.1.x にほんこまにゆある こんてな]]
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2015-08-07T11:21:15Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/GNU_Octave_2.1.x_%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E3%83%9E%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%82%A2%E3%83%AB/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%8A