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7,863	地政学/理論/ランドパワー理論	ランドパワー理論の提唱者ハルフォード・マッキンダー(Hartford Mackinder)は19世紀末期のイギリス地理学者である。1861年にリンカンシャーで医者の息子として生まれる。オクスフォード大学で地質学、法学、歴史を修めた。マッキンダーは自然への関心が高く「新しい地理学」を提唱し、オックスフォード大学の地理学院の創設にあたっては初代院長となり、さらにロンドン大学の地理学院の院長にもなり、経済地理学の授業を担当した。また政治家でもあり、下院に議席を持っていた。1947年に自宅にて死去する。ランドパワー理論はマハンのシーパワー理論に対比することが出来る。マッキンダーは人間は陸生動物であり、従って陸地を支配することの重要性を主張している。まず世界最大の大陸であるユーラシア大陸及びアフリカ大陸を一つの地政学的に重要な大陸として世界島と名づけた。そして世界島の本島であるユーラシア大陸の中心部すなわち北極海沿岸からヒマラヤ山脈、シベリア、モンゴル高原、イラン高原の一部、ボルガ河を含む領域をハートランドと呼び、シーパワーが到達しない海から隔絶された陸の聖域として考えられ、このハートランドはランドパワーの根拠地であると論じた。またハートランドの外側にはハートランドを囲むように三日月地帯(crescent)が二重に存在しているとしており、ハートランドに対してブリテン島を除く欧州、サハラ以北の北アフリカ、西アジア、南アジア、マレー半島までの東南アジア、シナ大陸、ユーラシア東北部を含む内側の三日月地帯(inner or marginal crescent)と、それ以外の南北アメリカ大陸、サハラ以南の南アフリカ、オセアニア、ブリテン島、日本列島を外側ないし島嶼の三日月地帯(outer or insular crescent)として大別した。ただしハートランドについては、その領域からエニセイ川東一帯を指すレナランドを除外し、また北極圏や北米大陸のロッキー山脈以東を含めるなど変更がなされている。マッキンダーは著書『デモクラシーの理想と現実』の中で「東欧を支配する者はハートランドを制し、ハートランドを支配する者は世界島を制し、世界島を支配する者は世界を制す。」と論じた。この理論はスパイクマンのリムランド理論に大きな影響を与えることとなる。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "ランドパワー理論の提唱者ハルフォード・マッキンダー(Hartford Mackinder)は19世紀末期のイギリス地理学者である。1861年にリンカンシャーで医者の息子として生まれる。オクスフォード大学で地質学、法学、歴史を修めた。マッキンダーは自然への関心が高く「新しい地理学」を提唱し、オックスフォード大学の地理学院の創設にあたっては初代院長となり、さらにロンドン大学の地理学院の院長にもなり、経済地理学の授業を担当した。また政治家でもあり、下院に議席を持っていた。1947年に自宅にて死去する。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "ランドパワー理論はマハンのシーパワー理論に対比することが出来る。マッキンダーは人間は陸生動物であり、従って陸地を支配することの重要性を主張している。まず世界最大の大陸であるユーラシア大陸及びアフリカ大陸を一つの地政学的に重要な大陸として世界島と名づけた。そして世界島の本島であるユーラシア大陸の中心部すなわち北極海沿岸からヒマラヤ山脈、シベリア、モンゴル高原、イラン高原の一部、ボルガ河を含む領域をハートランドと呼び、シーパワーが到達しない海から隔絶された陸の聖域として考えられ、このハートランドはランドパワーの根拠地であると論じた。", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "またハートランドの外側にはハートランドを囲むように三日月地帯(crescent)が二重に存在しているとしており、ハートランドに対してブリテン島を除く欧州、サハラ以北の北アフリカ、西アジア、南アジア、マレー半島までの東南アジア、シナ大陸、ユーラシア東北部を含む内側の三日月地帯(inner or marginal crescent)と、それ以外の南北アメリカ大陸、サハラ以南の南アフリカ、オセアニア、ブリテン島、日本列島を外側ないし島嶼の三日月地帯(outer or insular crescent)として大別した。ただしハートランドについては、その領域からエニセイ川東一帯を指すレナランドを除外し、また北極圏や北米大陸のロッキー山脈以東を含めるなど変更がなされている。", "title": "" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "マッキンダーは著書『デモクラシーの理想と現実』の中で「東欧を支配する者はハートランドを制し、ハートランドを支配する者は世界島を制し、世界島を支配する者は世界を制す。」と論じた。この理論はスパイクマンのリムランド理論に大きな影響を与えることとなる。", "title": "" } ]	ランドパワー理論の提唱者ハルフォード・マッキンダー(Hartford Mackinder)は19世紀末期のイギリス地理学者である。1861年にリンカンシャーで医者の息子として生まれる。オクスフォード大学で地質学、法学、歴史を修めた。マッキンダーは自然への関心が高く「新しい地理学」を提唱し、オックスフォード大学の地理学院の創設にあたっては初代院長となり、さらにロンドン大学の地理学院の院長にもなり、経済地理学の授業を担当した。また政治家でもあり、下院に議席を持っていた。1947年に自宅にて死去する。ランドパワー理論はマハンのシーパワー理論に対比することが出来る。マッキンダーは人間は陸生動物であり、従って陸地を支配することの重要性を主張している。まず世界最大の大陸であるユーラシア大陸及びアフリカ大陸を一つの地政学的に重要な大陸として世界島と名づけた。そして世界島の本島であるユーラシア大陸の中心部すなわち北極海沿岸からヒマラヤ山脈、シベリア、モンゴル高原、イラン高原の一部、ボルガ河を含む領域をハートランドと呼び、シーパワーが到達しない海から隔絶された陸の聖域として考えられ、このハートランドはランドパワーの根拠地であると論じた。またハートランドの外側にはハートランドを囲むように三日月地帯(crescent)が二重に存在しているとしており、ハートランドに対してブリテン島を除く欧州、サハラ以北の北アフリカ、西アジア、南アジア、マレー半島までの東南アジア、シナ大陸、ユーラシア東北部を含む内側の三日月地帯(inner or marginal crescent)と、それ以外の南北アメリカ大陸、サハラ以南の南アフリカ、オセアニア、ブリテン島、日本列島を外側ないし島嶼の三日月地帯(outer or insular crescent)として大別した。ただしハートランドについては、その領域からエニセイ川東一帯を指すレナランドを除外し、また北極圏や北米大陸のロッキー山脈以東を含めるなど変更がなされている。マッキンダーは著書『デモクラシーの理想と現実』の中で「東欧を支配する者はハートランドを制し、ハートランドを支配する者は世界島を制し、世界島を支配する者は世界を制す。」と論じた。この理論はスパイクマンのリムランド理論に大きな影響を与えることとなる。	ランドパワー理論の提唱者ハルフォード・マッキンダー(Hartford Mackinder)は19世紀末期のイギリス地理学者である。1861年にリンカンシャーで医者の息子として生まれる。オクスフォード大学で地質学、法学、歴史を修めた。マッキンダーは自然への関心が高く「新しい地理学」を提唱し、オックスフォード大学の地理学院の創設にあたっては初代院長となり、さらにロンドン大学の地理学院の院長にもなり、経済地理学の授業を担当した。また政治家でもあり、下院に議席を持っていた。1947年に自宅にて死去する。ランドパワー理論はマハンのシーパワー理論に対比することが出来る。マッキンダーは人間は陸生動物であり、従って陸地を支配することの重要性を主張している。まず世界最大の大陸であるユーラシア大陸及びアフリカ大陸を一つの地政学的に重要な大陸として世界島と名づけた。そして世界島の本島であるユーラシア大陸の中心部すなわち北極海沿岸からヒマラヤ山脈、シベリア、モンゴル高原、イラン高原の一部、ボルガ河を含む領域をハートランドと呼び、シーパワーが到達しない海から隔絶された陸の聖域として考えられ、このハートランドはランドパワーの根拠地であると論じた。またハートランドの外側にはハートランドを囲むように三日月地帯(crescent)が二重に存在しているとしており、ハートランドに対してブリテン島を除く欧州、サハラ以北の北アフリカ、西アジア、南アジア、マレー半島までの東南アジア、シナ大陸、ユーラシア東北部を含む内側の三日月地帯(inner or marginal crescent)と、それ以外の南北アメリカ大陸、サハラ以南の南アフリカ、オセアニア、ブリテン島、日本列島を外側ないし島嶼の三日月地帯(outer or insular crescent)として大別した。ただしハートランドについては、その領域からエニセイ川東一帯を指すレナランドを除外し、また北極圏や北米大陸のロッキー山脈以東を含めるなど変更がなされている。マッキンダーは著書『デモクラシーの理想と現実』の中で「東欧を支配する者はハートランドを制し、ハートランドを支配する者は世界島を制し、世界島を支配する者は世界を制す。」と論じた。この理論はスパイクマンのリムランド理論に大きな影響を与えることとなる。 [[カテゴリ:地政学]]	null	2022-11-23T05:27:57Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E5%9C%B0%E6%94%BF%E5%AD%A6/%E7%90%86%E8%AB%96/%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%91%E3%83%AF%E3%83%BC%E7%90%86%E8%AB%96
7,864	地政学/理論/リムランド理論	リムランド理論の提唱者ニコラス・J・スパイクマンは19世紀末期のアメリカの地理学者である。1893年にオランダで生まれ、イェール大学の国際関係研究所の教授として勤務し、学術的な立場から地政学の研究に携わってリムランド理論を提唱し、地政学の発展と教育に貢献した。1943年に死去。スパイクマンは世界の地政学的な構造をシーパワーとランドパワーの単純な対決の構図だけで考えることは誤りであるとして、マッキンダーの理論を継承してリムランドという概念を提唱した。リムランドとはマッキンダーの理論における内側の三日月地帯(inner or marginal crescent)であり、北アジア、中央アジアを除いてスカンジナビア半島から始まるヨーロッパ大陸、サハラ以北の北アフリカ、西アジア、南アジア、マレー半島までの東南アジア、北極圏までの東北アジアまで続く一帯を指す。ちなみにブリテン島と日本列島はリムランドの外側、マッキンダーの理論における外側ないし島嶼の三日月地帯(outer or insular crescent)、にあって特殊な地政戦略要域であると位置づけられている。リムランドでは以下のような一般的な特徴が見られる。スパイクマンはランドパワーがハートランドを支配して世界の覇権を獲得するというマッキンダーの発想を逆に捉え、「リムランドを制するものはユーラシアを制し、ユーラシアを制するものは世界の運命を制す」との命題を論じた。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "リムランド理論の提唱者ニコラス・J・スパイクマンは19世紀末期のアメリカの地理学者である。1893年にオランダで生まれ、イェール大学の国際関係研究所の教授として勤務し、学術的な立場から地政学の研究に携わってリムランド理論を提唱し、地政学の発展と教育に貢献した。1943年に死去。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "スパイクマンは世界の地政学的な構造をシーパワーとランドパワーの単純な対決の構図だけで考えることは誤りであるとして、マッキンダーの理論を継承してリムランドという概念を提唱した。", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "リムランドとはマッキンダーの理論における内側の三日月地帯(inner or marginal crescent)であり、北アジア、中央アジアを除いてスカンジナビア半島から始まるヨーロッパ大陸、サハラ以北の北アフリカ、西アジア、南アジア、マレー半島までの東南アジア、北極圏までの東北アジアまで続く一帯を指す。ちなみにブリテン島と日本列島はリムランドの外側、マッキンダーの理論における外側ないし島嶼の三日月地帯(outer or insular crescent)、にあって特殊な地政戦略要域であると位置づけられている。リムランドでは以下のような一般的な特徴が見られる。", "title": "" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "スパイクマンはランドパワーがハートランドを支配して世界の覇権を獲得するというマッキンダーの発想を逆に捉え、「リムランドを制するものはユーラシアを制し、ユーラシアを制するものは世界の運命を制す」との命題を論じた。", "title": "" } ]	リムランド理論の提唱者ニコラス・J・スパイクマンは19世紀末期のアメリカの地理学者である。1893年にオランダで生まれ、イェール大学の国際関係研究所の教授として勤務し、学術的な立場から地政学の研究に携わってリムランド理論を提唱し、地政学の発展と教育に貢献した。1943年に死去。スパイクマンは世界の地政学的な構造をシーパワーとランドパワーの単純な対決の構図だけで考えることは誤りであるとして、マッキンダーの理論を継承してリムランドという概念を提唱した。リムランドとはマッキンダーの理論における内側の三日月地帯(inner or marginal crescent)であり、北アジア、中央アジアを除いてスカンジナビア半島から始まるヨーロッパ大陸、サハラ以北の北アフリカ、西アジア、南アジア、マレー半島までの東南アジア、北極圏までの東北アジアまで続く一帯を指す。ちなみにブリテン島と日本列島はリムランドの外側、マッキンダーの理論における外側ないし島嶼の三日月地帯(outer or insular crescent)、にあって特殊な地政戦略要域であると位置づけられている。リムランドでは以下のような一般的な特徴が見られる。リムランドの気候は一般的に温暖気候でありまた降雨量が多いために農耕に適した環境である場合が多い。リムランドにおいては農耕適地が集中して食糧の供給源が確保できているために人口が稠密になる傾向がある。リムランドでは政治権力が分散する傾向があるために小規模な国土を持つ独立国家が多数存在する。スパイクマンはランドパワーがハートランドを支配して世界の覇権を獲得するというマッキンダーの発想を逆に捉え、「リムランドを制するものはユーラシアを制し、ユーラシアを制するものは世界の運命を制す」との命題を論じた。	リムランド理論の提唱者ニコラス・J・スパイクマンは19世紀末期のアメリカの地理学者である。1893年にオランダで生まれ、イェール大学の国際関係研究所の教授として勤務し、学術的な立場から地政学の研究に携わってリムランド理論を提唱し、地政学の発展と教育に貢献した。1943年に死去。スパイクマンは世界の地政学的な構造をシーパワーとランドパワーの単純な対決の構図だけで考えることは誤りであるとして、マッキンダーの理論を継承してリムランドという概念を提唱した。リムランドとはマッキンダーの理論における内側の三日月地帯(inner or marginal crescent)であり、北アジア、中央アジアを除いてスカンジナビア半島から始まるヨーロッパ大陸、サハラ以北の北アフリカ、西アジア、南アジア、マレー半島までの東南アジア、北極圏までの東北アジアまで続く一帯を指す。ちなみにブリテン島と日本列島はリムランドの外側、マッキンダーの理論における外側ないし島嶼の三日月地帯(outer or insular crescent)、にあって特殊な地政戦略要域であると位置づけられている。リムランドでは以下のような一般的な特徴が見られる。リムランドの気候は一般的に温暖気候でありまた降雨量が多いために農耕に適した環境である場合が多い。リムランドにおいては農耕適地が集中して食糧の供給源が確保できているために人口が稠密になる傾向がある。 *リムランドでは政治権力が分散する傾向があるために小規模な国土を持つ独立国家が多数存在する。スパイクマンはランドパワーがハートランドを支配して世界の覇権を獲得するというマッキンダーの発想を逆に捉え、「リムランドを制するものはユーラシアを制し、ユーラシアを制するものは世界の運命を制す」との命題を論じた。 [[カテゴリ:地政学]]	null	2022-11-23T05:28:00Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E5%9C%B0%E6%94%BF%E5%AD%A6/%E7%90%86%E8%AB%96/%E3%83%AA%E3%83%A0%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E7%90%86%E8%AB%96
7,865	地政学/理論/エアパワー理論	エアパワーとは空軍力を中核とした航空に関する能力の総称である。この概念を構築したのは20世紀のイタリア軍人のドゥーエであった。彼は制空権の重要性や独立空軍の創設、戦略爆撃を提唱して空軍戦略に大きな影響を与えた。このエアパワーの発想を地政学に応用した人物に20世紀のロシア軍人のアレクサンダー・ド・セヴァルスキーがいる。セヴァルスキーは北極海上空に注目してここが米ソの中間点であることなどからこここそが「決定的な空域」であると論じた。また英国人のコリン・グレイはエアパワーを単に成層圏内のものと考えずに宇宙空間にまで広げてスペースパワーの概念を提唱し、宇宙にまでミサイル防衛システムを配備するスターウォーズ計画にも影響を与えた。米国の地理学者ハンス・ワイガーもエアパワーの地政学的な側面に注目した人物であり、北極圏の空域の重要性、また北米大陸の離隔性の消失、ハートランドの重要性の増大を主張した。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "エアパワーとは空軍力を中核とした航空に関する能力の総称である。この概念を構築したのは20世紀のイタリア軍人のドゥーエであった。彼は制空権の重要性や独立空軍の創設、戦略爆撃を提唱して空軍戦略に大きな影響を与えた。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "このエアパワーの発想を地政学に応用した人物に20世紀のロシア軍人のアレクサンダー・ド・セヴァルスキーがいる。セヴァルスキーは北極海上空に注目してここが米ソの中間点であることなどからこここそが「決定的な空域」であると論じた。また英国人のコリン・グレイはエアパワーを単に成層圏内のものと考えずに宇宙空間にまで広げてスペースパワーの概念を提唱し、宇宙にまでミサイル防衛システムを配備するスターウォーズ計画にも影響を与えた。米国の地理学者ハンス・ワイガーもエアパワーの地政学的な側面に注目した人物であり、北極圏の空域の重要性、また北米大陸の離隔性の消失、ハートランドの重要性の増大を主張した。", "title": "" } ]	エアパワーとは空軍力を中核とした航空に関する能力の総称である。この概念を構築したのは20世紀のイタリア軍人のドゥーエであった。彼は制空権の重要性や独立空軍の創設、戦略爆撃を提唱して空軍戦略に大きな影響を与えた。このエアパワーの発想を地政学に応用した人物に20世紀のロシア軍人のアレクサンダー・ド・セヴァルスキーがいる。セヴァルスキーは北極海上空に注目してここが米ソの中間点であることなどからこここそが「決定的な空域」であると論じた。また英国人のコリン・グレイはエアパワーを単に成層圏内のものと考えずに宇宙空間にまで広げてスペースパワーの概念を提唱し、宇宙にまでミサイル防衛システムを配備するスターウォーズ計画にも影響を与えた。米国の地理学者ハンス･ワイガーもエアパワーの地政学的な側面に注目した人物であり、北極圏の空域の重要性、また北米大陸の離隔性の消失、ハートランドの重要性の増大を主張した。	エアパワーとは空軍力を中核とした航空に関する能力の総称である。この概念を構築したのは20世紀のイタリア軍人のドゥーエであった。彼は制空権の重要性や独立空軍の創設、戦略爆撃を提唱して空軍戦略に大きな影響を与えた。このエアパワーの発想を地政学に応用した人物に20世紀のロシア軍人のアレクサンダー・ド・セヴァルスキーがいる。セヴァルスキーは北極海上空に注目してここが米ソの中間点であることなどからこここそが「決定的な空域」であると論じた。また英国人のコリン・グレイはエアパワーを単に成層圏内のものと考えずに宇宙空間にまで広げてスペースパワーの概念を提唱し、宇宙にまでミサイル防衛システムを配備するスターウォーズ計画にも影響を与えた。米国の地理学者ハンス･ワイガーもエアパワーの地政学的な側面に注目した人物であり、北極圏の空域の重要性、また北米大陸の離隔性の消失、ハートランドの重要性の増大を主張した。 [[カテゴリ:地政学]]	null	2022-11-23T05:27:51Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E5%9C%B0%E6%94%BF%E5%AD%A6/%E7%90%86%E8%AB%96/%E3%82%A8%E3%82%A2%E3%83%91%E3%83%AF%E3%83%BC%E7%90%86%E8%AB%96
7,866	地政学/用語解説	自足性とは、他者に依存せずに自己の生存や活動に必要な資源を自力で確保することが出来る性質または能力である。自足性は国家の独立と自由を維持するために重要な要素であると考えられる。例えば国家の存続に必要となる食糧を外部の国家に依存している場合、この関係は従属性を持つことになる。何故なら食糧を依存している国家はその意思がその食糧を供給する国家に対して制限されるからである。これは食糧だけでなく、軍事力、技術力などあらゆる国力においても考えられる事象である。この自足性を極めて重視する発想は孤立主義的であり、自由な国際経済が発達して比較優位によって国家間の分業化が進展している現在では完全に実現することは極めて困難であるが、現在でも食糧安全保障、エネルギー安全保障などの安全保障的な思考の基礎となっている。軍事力とは、国家が保有する軍事的な国力であり、政治的リーダーシップ、軍隊の戦闘力、国家兵站、情報力などの要素から構成され、陸軍力、海軍力、空軍力などに分類される。軍事力は自らの政治意思を外国に対して物理的に強制することが出来る能力であり、戦争においてはこの軍事力の優劣が勝敗を大きく左右するばかりでなく、平時における外交においても砲艦外交などの外交支援や抑止政策などを実行することが出来る。歴史上においては国際政治を大きく動かしてきた国力でもあり、領土拡張、植民地開拓、世界覇権の確保を人類史上長い間担ってきた。また20世紀核兵器の登場によって軍事力の破壊力は飛躍的に向上し、核戦争が勃発すればによって人類文明そのものの存続が危ぶまれるほどになった。ただしその運用は現在の国際法では制限されており、特に第一次世界大戦をきっかけとして戦争の違法化が進み、現行の国連憲章においては侵略のための戦争などの国際の平和と安全の脅威に対する集団安全保障体制を整えている。勢力圏とは、国家がその外部において何らかの政治的な影響力を行使することが出来る領域である。本来は外交用語であり、宗主国が属国、植民地、保護国などに対して用いていた。勢力圏は国際政治を地政学的に理解する上で役立つが、勢力圏の範囲を定めることは微視的にその国家の国内情勢を綿密に分析することによってのみ得られる。人類史において世界が二大勢力によって分断された米ソ冷戦の時代では勢力圏の構造が非情に顕著に現れる。米国を中心とする自由主義圏とソ連を中心とする社会主義圏に全世界が二分された。この勢力圏の概要を述べると、自由主義の勢力圏は北米大陸と西ドイツ以西のヨーロッパを明確な基盤とし、さらにフィリピンなどの東南アジアの一部と日本、韓国などを含めた地域を占めていた。一方で共産主義の勢力圏は北アジアや東ドイツ以東の東欧、中東の一部、中央アジア、中国、北朝鮮などを含めた地域を治める。この勢力圏は必ずしも確定的なものではなく、流動的であり、特に紛争地域において宗主国が直接的または間接的に介入することによって勢力圏の範囲が大きく変動しうるものである。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "自足性とは、他者に依存せずに自己の生存や活動に必要な資源を自力で確保することが出来る性質または能力である。自足性は国家の独立と自由を維持するために重要な要素であると考えられる。例えば国家の存続に必要となる食糧を外部の国家に依存している場合、この関係は従属性を持つことになる。何故なら食糧を依存している国家はその意思がその食糧を供給する国家に対して制限されるからである。これは食糧だけでなく、軍事力、技術力などあらゆる国力においても考えられる事象である。この自足性を極めて重視する発想は孤立主義的であり、自由な国際経済が発達して比較優位によって国家間の分業化が進展している現在では完全に実現することは極めて困難であるが、現在でも食糧安全保障、エネルギー安全保障などの安全保障的な思考の基礎となっている。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "軍事力とは、国家が保有する軍事的な国力であり、政治的リーダーシップ、軍隊の戦闘力、国家兵站、情報力などの要素から構成され、陸軍力、海軍力、空軍力などに分類される。軍事力は自らの政治意思を外国に対して物理的に強制することが出来る能力であり、戦争においてはこの軍事力の優劣が勝敗を大きく左右するばかりでなく、平時における外交においても砲艦外交などの外交支援や抑止政策などを実行することが出来る。歴史上においては国際政治を大きく動かしてきた国力でもあり、領土拡張、植民地開拓、世界覇権の確保を人類史上長い間担ってきた。また20世紀核兵器の登場によって軍事力の破壊力は飛躍的に向上し、核戦争が勃発すればによって人類文明そのものの存続が危ぶまれるほどになった。ただしその運用は現在の国際法では制限されており、特に第一次世界大戦をきっかけとして戦争の違法化が進み、現行の国連憲章においては侵略のための戦争などの国際の平和と安全の脅威に対する集団安全保障体制を整えている。", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "勢力圏とは、国家がその外部において何らかの政治的な影響力を行使することが出来る領域である。本来は外交用語であり、宗主国が属国、植民地、保護国などに対して用いていた。勢力圏は国際政治を地政学的に理解する上で役立つが、勢力圏の範囲を定めることは微視的にその国家の国内情勢を綿密に分析することによってのみ得られる。人類史において世界が二大勢力によって分断された米ソ冷戦の時代では勢力圏の構造が非情に顕著に現れる。米国を中心とする自由主義圏とソ連を中心とする社会主義圏に全世界が二分された。この勢力圏の概要を述べると、自由主義の勢力圏は北米大陸と西ドイツ以西のヨーロッパを明確な基盤とし、さらにフィリピンなどの東南アジアの一部と日本、韓国などを含めた地域を占めていた。一方で共産主義の勢力圏は北アジアや東ドイツ以東の東欧、中東の一部、中央アジア、中国、北朝鮮などを含めた地域を治める。この勢力圏は必ずしも確定的なものではなく、流動的であり、特に紛争地域において宗主国が直接的または間接的に介入することによって勢力圏の範囲が大きく変動しうるものである。", "title": "" } ]	自足性自足性とは、他者に依存せずに自己の生存や活動に必要な資源を自力で確保することが出来る性質または能力である。自足性は国家の独立と自由を維持するために重要な要素であると考えられる。例えば国家の存続に必要となる食糧を外部の国家に依存している場合、この関係は従属性を持つことになる。何故なら食糧を依存している国家はその意思がその食糧を供給する国家に対して制限されるからである。これは食糧だけでなく、軍事力、技術力などあらゆる国力においても考えられる事象である。この自足性を極めて重視する発想は孤立主義的であり、自由な国際経済が発達して比較優位によって国家間の分業化が進展している現在では完全に実現することは極めて困難であるが、現在でも食糧安全保障、エネルギー安全保障などの安全保障的な思考の基礎となっている。軍事力軍事力とは、国家が保有する軍事的な国力であり、政治的リーダーシップ、軍隊の戦闘力、国家兵站、情報力などの要素から構成され、陸軍力、海軍力、空軍力などに分類される。軍事力は自らの政治意思を外国に対して物理的に強制することが出来る能力であり、戦争においてはこの軍事力の優劣が勝敗を大きく左右するばかりでなく、平時における外交においても砲艦外交などの外交支援や抑止政策などを実行することが出来る。歴史上においては国際政治を大きく動かしてきた国力でもあり、領土拡張、植民地開拓、世界覇権の確保を人類史上長い間担ってきた。また20世紀核兵器の登場によって軍事力の破壊力は飛躍的に向上し、核戦争が勃発すればによって人類文明そのものの存続が危ぶまれるほどになった。ただしその運用は現在の国際法では制限されており、特に第一次世界大戦をきっかけとして戦争の違法化が進み、現行の国連憲章においては侵略のための戦争などの国際の平和と安全の脅威に対する集団安全保障体制を整えている。勢力圏勢力圏とは、国家がその外部において何らかの政治的な影響力を行使することが出来る領域である。本来は外交用語であり、宗主国が属国、植民地、保護国などに対して用いていた。勢力圏は国際政治を地政学的に理解する上で役立つが、勢力圏の範囲を定めることは微視的にその国家の国内情勢を綿密に分析することによってのみ得られる。人類史において世界が二大勢力によって分断された米ソ冷戦の時代では勢力圏の構造が非情に顕著に現れる。米国を中心とする自由主義圏とソ連を中心とする社会主義圏に全世界が二分された。この勢力圏の概要を述べると、自由主義の勢力圏は北米大陸と西ドイツ以西のヨーロッパを明確な基盤とし、さらにフィリピンなどの東南アジアの一部と日本、韓国などを含めた地域を占めていた。一方で共産主義の勢力圏は北アジアや東ドイツ以東の東欧、中東の一部、中央アジア、中国、北朝鮮などを含めた地域を治める。この勢力圏は必ずしも確定的なものではなく、流動的であり、特に紛争地域において宗主国が直接的または間接的に介入することによって勢力圏の範囲が大きく変動しうるものである。シーレーングレート・ゲーム第二次世界大戦大東亜共栄圏不安定の弧国力逓減の法則干渉地帯回廊地帯収束点	自足性自足性とは、他者に依存せずに自己の生存や活動に必要な資源を自力で確保することが出来る性質または能力である。自足性は国家の独立と自由を維持するために重要な要素であると考えられる。例えば国家の存続に必要となる食糧を外部の国家に依存している場合、この関係は従属性を持つことになる。何故なら食糧を依存している国家はその意思がその食糧を供給する国家に対して制限されるからである。これは食糧だけでなく、軍事力、技術力などあらゆる国力においても考えられる事象である。この自足性を極めて重視する発想は孤立主義的であり、自由な国際経済が発達して比較優位によって国家間の分業化が進展している現在では完全に実現することは極めて困難であるが、現在でも食糧安全保障、エネルギー安全保障などの安全保障的な思考の基礎となっている。軍事力軍事力とは、国家が保有する軍事的な国力であり、政治的リーダーシップ、軍隊の戦闘力、国家兵站、情報力などの要素から構成され、陸軍力、海軍力、空軍力などに分類される。軍事力は自らの政治意思を外国に対して物理的に強制することが出来る能力であり、戦争においてはこの軍事力の優劣が勝敗を大きく左右するばかりでなく、平時における外交においても砲艦外交などの外交支援や抑止政策などを実行することが出来る。歴史上においては国際政治を大きく動かしてきた国力でもあり、領土拡張、植民地開拓、世界覇権の確保を人類史上長い間担ってきた。また20世紀核兵器の登場によって軍事力の破壊力は飛躍的に向上し、核戦争が勃発すればによって人類文明そのものの存続が危ぶまれるほどになった。ただしその運用は現在の国際法では制限されており、特に第一次世界大戦をきっかけとして戦争の違法化が進み、現行の国連憲章においては侵略のための戦争などの国際の平和と安全の脅威に対する集団安全保障体制を整えている。勢力圏勢力圏とは、国家がその外部において何らかの政治的な影響力を行使することが出来る領域である。本来は外交用語であり、宗主国が属国、植民地、保護国などに対して用いていた。勢力圏は国際政治を地政学的に理解する上で役立つが、勢力圏の範囲を定めることは微視的にその国家の国内情勢を綿密に分析することによってのみ得られる。人類史において世界が二大勢力によって分断された米ソ冷戦の時代では勢力圏の構造が非情に顕著に現れる。米国を中心とする自由主義圏とソ連を中心とする社会主義圏に全世界が二分された。この勢力圏の概要を述べると、自由主義の勢力圏は北米大陸と西ドイツ以西のヨーロッパを明確な基盤とし、さらにフィリピンなどの東南アジアの一部と日本、韓国などを含めた地域を占めていた。一方で共産主義の勢力圏は北アジアや東ドイツ以東の東欧、中東の一部、中央アジア、中国、北朝鮮などを含めた地域を治める。この勢力圏は必ずしも確定的なものではなく、流動的であり、特に紛争地域において宗主国が直接的または間接的に介入することによって勢力圏の範囲が大きく変動しうるものである。シーレーングレート・ゲーム第二次世界大戦大東亜共栄圏不安定の弧国力逓減の法則干渉地帯回廊地帯収束点 [[カテゴリ:地政学]]	null	2022-11-23T05:28:17Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E5%9C%B0%E6%94%BF%E5%AD%A6/%E7%94%A8%E8%AA%9E%E8%A7%A3%E8%AA%AC
7,868	会社法第487条	法学>民事法>商法>コンメンタール会社法>第2編株式会社 (コンメンタール会社法)>第2編第9章清算 (コンメンタール会社法) (w:清算人の第三者に対するw:損害賠償責任)	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "法学>民事法>商法>コンメンタール会社法>第2編株式会社 (コンメンタール会社法)>第2編第9章清算 (コンメンタール会社法)", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "(w:清算人の第三者に対するw:損害賠償責任)", "title": "条文" } ]	法学＞民事法＞商法＞コンメンタール会社法＞第2編株式会社 (コンメンタール会社法)＞第2編第9章清算 (コンメンタール会社法)	[[法学]]＞[[民事法]]＞[[商法]]＞[[コンメンタール会社法]]＞[[第2編株式会社 (コンメンタール会社法)]]＞[[第2編第9章清算 (コンメンタール会社法)]] ==条文== （[[w:清算人]]の第三者に対する[[w:損害賠償]]責任） ;第487条 # 清算人がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該清算人は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 # 清算人が、次に掲げる行為をしたときも、前項と同様とする。ただし、当該清算人が当該行為をすることについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 #:一　[[w:株式]]、[[w:新株予約権]]、[[w:社債]]若しくは新株予約権付社債を引き受ける者の募集をする際に通知しなければならない重要な事項についての虚偽の通知又は当該募集のための当該清算株式会社の事業その他の事項に関する説明に用いた資料についての虚偽の記載若しくは記録 #:二　[[会社法第492条\|第492条]]第1項に規定する財産目録等並びに[[会社法第494条\|第494条]]第1項の[[w:貸借対照表]]及び事務報告並びにこれらの附属明細書に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 #:三　虚偽の登記 #:四　虚偽の公告 ==解説== ==関連条文== ---- {{前後 \|[[コンメンタール会社法\|会社法]] \|[[第2編株式会社 (コンメンタール会社法)\|第2編株式会社]]<br> [[第2編第9章清算 (コンメンタール会社法)\|第9章清算]]<br> [[第2編第9章清算 (コンメンタール会社法)#1\|第1節総則]] \|[[会社法第486条]]<br>（清算人の清算株式会社に対する損害賠償責任） \|[[会社法第488条]]<br>（清算人及び監査役の連帯責任） }} {{stub}} [[category:会社法\|487]]	null	2022-05-30T10:11:36Z	[ "テンプレート:前後", "テンプレート:Stub" ]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E6%B3%95%E7%AC%AC487%E6%9D%A1
7,869	会社法第536条	法学>民事法>商法>コンメンタール会社法>第2編株式会社 (コンメンタール会社法)>第2編第9章清算 (コンメンタール会社法)>会社法第536条 (事業の譲渡の制限等)	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "法学>民事法>商法>コンメンタール会社法>第2編株式会社 (コンメンタール会社法)>第2編第9章清算 (コンメンタール会社法)>会社法第536条", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "(事業の譲渡の制限等)", "title": "条文" } ]	法学＞民事法＞商法＞コンメンタール会社法＞第2編株式会社 (コンメンタール会社法)＞第2編第9章清算 (コンメンタール会社法)＞会社法第536条	[[法学]]＞[[民事法]]＞[[商法]]＞[[コンメンタール会社法]]＞[[第2編株式会社 (コンメンタール会社法)]]＞[[第2編第9章清算 (コンメンタール会社法)]]＞[[会社法第536条]] ==条文== （事業の譲渡の制限等） ;第536条 # 特別清算開始の命令があった場合には、清算株式会社が次に掲げる行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 #:一　事業の全部の譲渡 #:二　事業の重要な一部の譲渡（当該譲渡により譲り渡す資産の帳簿価額が当該清算株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の5分の1（これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合）を超えないものを除く。） #:三　その子会社の株式又は持分の全部又は一部の譲渡（次のいずれにも該当する場合における譲渡に限る。） #::イ　当該譲渡により譲り渡す株式又は持分の帳簿価額が当該清算株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の5分の1（これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合）を超えるとき。 #::ロ　当該清算株式会社が、当該譲渡がその効力を生ずる日において当該子会社の議決権の総数の過半数の議決権を有しないとき。 # 前条第三項の規定は、前項の許可を得ないでした行為について準用する。 # [[第2編株式会社 (コンメンタール会社法)#7\|第七章]]（[[会社法第467条\|第467条]]第1項第五号を除く。）の規定は、特別清算の場合には、適用しない。 ==解説== ==関連条文== ---- {{前後 \|[[コンメンタール会社法\|会社法]] \|[[第2編株式会社 (コンメンタール会社法)\|第2編株式会社]]<br> [[第2編第9章清算 (コンメンタール会社法)\|第9章清算]]<br> [[第2編第9章清算 (コンメンタール会社法)#2\|第2節特別清算]] \|[[会社法第535条]]<br>（清算株式会社の行為の制限） \|[[会社法第537条]]<br>（債務の弁済の制限） }} {{stub}} [[category:会社法\|536]]	null	2022-05-30T12:23:14Z	[ "テンプレート:前後", "テンプレート:Stub" ]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E6%B3%95%E7%AC%AC536%E6%9D%A1
7,871	会社法第780条	法学>民事法>商法>会社法>コンメンタール会社法>第5編組織変更、合併、会社分割、株式交換及び株式移転 (w:組織変更の効力発生日の変更)	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "法学>民事法>商法>会社法>コンメンタール会社法>第5編組織変更、合併、会社分割、株式交換及び株式移転", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "(w:組織変更の効力発生日の変更)", "title": "条文" } ]	法学＞民事法＞商法＞会社法＞コンメンタール会社法＞第5編組織変更、合併、会社分割、株式交換及び株式移転	[[法学]]＞[[民事法]]＞[[商法]]＞[[会社法]]＞[[コンメンタール会社法]]＞[[第5編組織変更、合併、会社分割、株式交換及び株式移転 (コンメンタール会社法)\|第5編組織変更、合併、会社分割、株式交換及び株式移転]] ==条文== （[[w:組織変更]]の効力発生日の変更） ;第780条 # 組織変更をする株式会社は、効力発生日を変更することができる。 # 前項の場合には、組織変更をする株式会社は、変更前の効力発生日（変更後の効力発生日が変更前の効力発生日前の日である場合にあっては、当該変更後の効力発生日）の前日までに、変更後の効力発生日を[[w:公告]]しなければならない。 # 第1項の規定により効力発生日を変更したときは、変更後の効力発生日を効力発生日とみなして、この款及び[[会社法第745条\|第745条]]の規定を適用する。 ==解説== ==関連条文== {{前後 \|[[コンメンタール会社法\|会社法]] \|[[第5編組織変更、合併、会社分割、株式交換及び株式移転 (コンメンタール会社法)\|第5編組織変更、合併、会社分割、株式交換及び株式移転]]<br> [[第5編組織変更、合併、会社分割、株式交換及び株式移転 (コンメンタール会社法)#5\|第5章組織変更、合併、会社分割、株式交換及び株式移転の手続]]<br> [[第5編組織変更、合併、会社分割、株式交換及び株式移転 (コンメンタール会社法)#5-1\|第1節組織変更の手続]] \|[[会社法第779条]]<br>（債権者の異議手続の特則） \|[[会社法第781条]]<br>（持分会社の手続） }} {{stub}} [[category:会社法\|780]]	null	2010-01-07T15:26:03Z	[ "テンプレート:前後", "テンプレート:Stub" ]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E6%B3%95%E7%AC%AC780%E6%9D%A1
7,872	会社法第720条	法学>民事法>商法>コンメンタール会社法>第4編社債 (コンメンタール会社法) (w:社債権者集会の招集の通知)	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "法学>民事法>商法>コンメンタール会社法>第4編社債 (コンメンタール会社法)", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "(w:社債権者集会の招集の通知)", "title": "条文" } ]	法学＞民事法＞商法＞コンメンタール会社法＞第4編社債 (コンメンタール会社法)	[[法学]]＞[[民事法]]＞[[商法]]＞[[コンメンタール会社法]]＞[[第4編社債 (コンメンタール会社法)]] ==条文== （[[w:社債]]権者集会の招集の通知） ;第720条 # 社債権者集会を招集するには、招集者は、社債権者集会の日の2週間前までに、知れている社債権者及び社債発行会社並びに社債管理者がある場合にあっては社債管理者に対して、書面をもってその通知を発しなければならない。 # 招集者は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、同項の通知を受けるべき者の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。この場合において、当該招集者は、同項の書面による通知を発したものとみなす。 # 前二項の通知には、前条各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 # 社債発行会社が無記名式の社債券を発行している場合において、社債権者集会を招集するには、招集者は、社債権者集会の日の3週間前までに、社債権者集会を招集する旨及び前条各号に掲げる事項を公告しなければならない。 # 前項の規定による公告は、社債発行会社における公告の方法によりしなければならない。ただし、招集者が社債発行会社以外の者である場合において、その方法が電子公告であるときは、その[[w:公告]]は、[[w:官報]]に掲載する方法でしなければならない。 ==解説== ==関連条文== ---- {{前後 \|[[コンメンタール会社法\|会社法]] \|[[第4編社債 (コンメンタール会社法)\|第4編社債]]<br> [[第4編社債 (コンメンタール会社法)#3\|第3章社債権者集会]]<br> \|[[会社法第719条]]<br>（社債権者集会の招集の決定） \|[[会社法第721条]]<br>（社債権者集会参考書類及び議決権行使書面の交付等） }} {{stub}} [[category:会社法\|720]]	null	2022-06-01T11:21:20Z	[ "テンプレート:前後", "テンプレート:Stub" ]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E6%B3%95%E7%AC%AC720%E6%9D%A1
7,873	軍事入門/はじめに	本書は軍事問題や軍事研究に関心を寄せる初心者諸氏のための入門書であり、軍事に関する基本的な概念や知識、思考法を習得させることが狙いである。その意義は特に日本においては大きいと思われる。何故なら日本においては戦前においては天皇陛下の統帥権の保護によって、また戦後においては教育における平和主義・反軍主義によって軍事に関するあらゆる事柄を知ることすら悪として具体的な議論がされないままに忌避されてきた。それゆえに知的な関心ですら軍事を研究することがタブー視されており、日本における軍事研究は自衛隊でのみ行われ、一般の市民が学ぶ環境が十分ではない。しかしながら、世界平和について深く考えるときに軍事についての知識は絶対に不可欠なものであることは明らかであり、それを欠いては観念論や理想論にとどまってしまい、現実の問題解決や冷静な状況の分析に繋がらないと断言できる。それほどに戦争や軍事問題というものは適切な知識が必要な複雑な問題であるのだ。ただし本書はあらゆる暴力行為や武力紛争を肯定するわけではなく、非人道性や軍国主義を嫌悪するものであるということは明確に示しておかないとならないだろう。特に軍事専門家、またはそれを志す人にとっては、専門家として一般の市民や政策決定者に助言・解説・提言を行う立場をわきまえて、均衡の取れた良識と適切な思考が重要であることは言うまでもない。軍事知識を政治的に悪用してはならない。本書を通じて軍事に対する知的な好奇心を満たし、また軍事について深い理解を得ることができ、そしてそれが戦争に対する理性的な態度を養うことができれば幸いである。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "本書は軍事問題や軍事研究に関心を寄せる初心者諸氏のための入門書であり、軍事に関する基本的な概念や知識、思考法を習得させることが狙いである。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "その意義は特に日本においては大きいと思われる。何故なら日本においては戦前においては天皇陛下の統帥権の保護によって、また戦後においては教育における平和主義・反軍主義によって軍事に関するあらゆる事柄を知ることすら悪として具体的な議論がされないままに忌避されてきた。それゆえに知的な関心ですら軍事を研究することがタブー視されており、日本における軍事研究は自衛隊でのみ行われ、一般の市民が学ぶ環境が十分ではない。しかしながら、世界平和について深く考えるときに軍事についての知識は絶対に不可欠なものであることは明らかであり、それを欠いては観念論や理想論にとどまってしまい、現実の問題解決や冷静な状況の分析に繋がらないと断言できる。それほどに戦争や軍事問題というものは適切な知識が必要な複雑な問題であるのだ。", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "ただし本書はあらゆる暴力行為や武力紛争を肯定するわけではなく、非人道性や軍国主義を嫌悪するものであるということは明確に示しておかないとならないだろう。特に軍事専門家、またはそれを志す人にとっては、専門家として一般の市民や政策決定者に助言・解説・提言を行う立場をわきまえて、均衡の取れた良識と適切な思考が重要であることは言うまでもない。軍事知識を政治的に悪用してはならない。", "title": "" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "本書を通じて軍事に対する知的な好奇心を満たし、また軍事について深い理解を得ることができ、そしてそれが戦争に対する理性的な態度を養うことができれば幸いである。", "title": "" } ]	本書は軍事問題や軍事研究に関心を寄せる初心者諸氏のための入門書であり、軍事に関する基本的な概念や知識、思考法を習得させることが狙いである。その意義は特に日本においては大きいと思われる。何故なら日本においては戦前においては天皇陛下の統帥権の保護によって、また戦後においては教育における平和主義・反軍主義によって軍事に関するあらゆる事柄を知ることすら悪として具体的な議論がされないままに忌避されてきた。それゆえに知的な関心ですら軍事を研究することがタブー視されており、日本における軍事研究は自衛隊でのみ行われ、一般の市民が学ぶ環境が十分ではない。しかしながら、世界平和について深く考えるときに軍事についての知識は絶対に不可欠なものであることは明らかであり、それを欠いては観念論や理想論にとどまってしまい、現実の問題解決や冷静な状況の分析に繋がらないと断言できる。それほどに戦争や軍事問題というものは適切な知識が必要な複雑な問題であるのだ。ただし本書はあらゆる暴力行為や武力紛争を肯定するわけではなく、非人道性や軍国主義を嫌悪するものであるということは明確に示しておかないとならないだろう。特に軍事専門家、またはそれを志す人にとっては、専門家として一般の市民や政策決定者に助言・解説・提言を行う立場をわきまえて、均衡の取れた良識と適切な思考が重要であることは言うまでもない。軍事知識を政治的に悪用してはならない。本書を通じて軍事に対する知的な好奇心を満たし、また軍事について深い理解を得ることができ、そしてそれが戦争に対する理性的な態度を養うことができれば幸いである。	本書は軍事問題や軍事研究に関心を寄せる初心者諸氏のための入門書であり、軍事に関する基本的な概念や知識、思考法を習得させることが狙いである。その意義は特に日本においては大きいと思われる。何故なら日本においては戦前においては天皇陛下の統帥権の保護によって、また戦後においては教育における平和主義・反軍主義によって軍事に関するあらゆる事柄を知ることすら悪として具体的な議論がされないままに忌避されてきた。それゆえに知的な関心ですら軍事を研究することがタブー視されており、日本における軍事研究は自衛隊でのみ行われ、一般の市民が学ぶ環境が十分ではない。しかしながら、世界平和について深く考えるときに軍事についての知識は絶対に不可欠なものであることは明らかであり、それを欠いては観念論や理想論にとどまってしまい、現実の問題解決や冷静な状況の分析に繋がらないと断言できる。それほどに戦争や軍事問題というものは適切な知識が必要な複雑な問題であるのだ。ただし本書はあらゆる暴力行為や武力紛争を肯定するわけではなく、非人道性や軍国主義を嫌悪するものであるということは明確に示しておかないとならないだろう。特に軍事専門家、またはそれを志す人にとっては、専門家として一般の市民や政策決定者に助言・解説・提言を行う立場をわきまえて、均衡の取れた良識と適切な思考が重要であることは言うまでもない。軍事知識を政治的に悪用してはならない。本書を通じて軍事に対する知的な好奇心を満たし、また軍事について深い理解を得ることができ、そしてそれが戦争に対する理性的な態度を養うことができれば幸いである。 [[カテゴリ:軍事学]]	null	2022-12-07T03:56:14Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E8%BB%8D%E4%BA%8B%E5%85%A5%E9%96%80/%E3%81%AF%E3%81%98%E3%82%81%E3%81%AB
7,875	軍事入門/戦いの精神	本章では統率論、軍事心理学の内容について触れ、以後の学習の導入とする。実戦を経験した兵士たちは戦場特有の心理状態を経験している。それは戦闘の中で強いストレスに晒され、兵士たちの反応速度が鋭敏になり、敵を殺し、生き残ることに精神活動の全てが集中する。戦いの精神はこのような戦いの環境において求められる精神である。これは生きる意志に基き、強靭で理性的な攻撃性で構成されるものである。つまり、戦いでは平静さを保って激しい感情を抑制し、結果を気にしすぎることなく自然に攻撃に反応しなければならない、ということを述べている。これは戦場においては常に殺戮と破壊が起こりうる環境で、無秩序と混乱を解決し、問題を解決しなければならない軍人という職業には必ず必要な精神の能力である。中世日本の武士であった宮本武蔵は「兵法の道において、心の持ちようは、常の心に替わる事なかれ。常にも兵法の時にも、少しも変わらずして、心を広く直にして、きつくひっぱらず、少しもたるまず、心のかたよらぬように、心をまん中におきて、心を静かにゆるがせて、其ゆるぎのせつなも、ゆるぎやまぬように、能々吟味すべし」と戦いの哲学を論じている。また戦いの精神の重要性は世界の優秀な部隊の標語にも現れている。英陸軍特殊空挺部隊の「勇気ある者が勝利する」、米海兵隊の「つねに誠実であれ」、デルタフォースの「奇襲、迅速、攻撃性」、カナダ空挺部隊の「我らは勇気を以って戦う」など表現は様々だが戦闘精神の重要性を示している。精神と行動の関係についての心理学の研究は20世紀以降から行われるようになり、意思決定・問題解決能力や各種知能、意欲、睡眠、精神ストレスなどとの関係性が明らかになったのは最近である。戦いの精神は士気やリーダーシップととても深い関係があり、効果的なチームワークを発揮するためには欠かせない要素だ。また困難の環境でも軍人として任務を遂行するためには戦闘ストレスに耐性が必要である。戦闘ストレスは様々な精神障害が発生し、短気や依存症、強迫観念、無感動、鬱、記憶障害などの症状を引き起こす。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "本章では統率論、軍事心理学の内容について触れ、以後の学習の導入とする。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "実戦を経験した兵士たちは戦場特有の心理状態を経験している。それは戦闘の中で強いストレスに晒され、兵士たちの反応速度が鋭敏になり、敵を殺し、生き残ることに精神活動の全てが集中する。戦いの精神はこのような戦いの環境において求められる精神である。これは生きる意志に基き、強靭で理性的な攻撃性で構成されるものである。つまり、戦いでは平静さを保って激しい感情を抑制し、結果を気にしすぎることなく自然に攻撃に反応しなければならない、ということを述べている。これは戦場においては常に殺戮と破壊が起こりうる環境で、無秩序と混乱を解決し、問題を解決しなければならない軍人という職業には必ず必要な精神の能力である。", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "中世日本の武士であった宮本武蔵は「兵法の道において、心の持ちようは、常の心に替わる事なかれ。常にも兵法の時にも、少しも変わらずして、心を広く直にして、きつくひっぱらず、少しもたるまず、心のかたよらぬように、心をまん中におきて、心を静かにゆるがせて、其ゆるぎのせつなも、ゆるぎやまぬように、能々吟味すべし」と戦いの哲学を論じている。また戦いの精神の重要性は世界の優秀な部隊の標語にも現れている。英陸軍特殊空挺部隊の「勇気ある者が勝利する」、米海兵隊の「つねに誠実であれ」、デルタフォースの「奇襲、迅速、攻撃性」、カナダ空挺部隊の「我らは勇気を以って戦う」など表現は様々だが戦闘精神の重要性を示している。", "title": "" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "精神と行動の関係についての心理学の研究は20世紀以降から行われるようになり、意思決定・問題解決能力や各種知能、意欲、睡眠、精神ストレスなどとの関係性が明らかになったのは最近である。戦いの精神は士気やリーダーシップととても深い関係があり、効果的なチームワークを発揮するためには欠かせない要素だ。また困難の環境でも軍人として任務を遂行するためには戦闘ストレスに耐性が必要である。戦闘ストレスは様々な精神障害が発生し、短気や依存症、強迫観念、無感動、鬱、記憶障害などの症状を引き起こす。", "title": "" } ]	本章では統率論、軍事心理学の内容について触れ、以後の学習の導入とする。	本章では統率論、軍事心理学の内容について触れ、以後の学習の導入とする。 === 理性と攻撃性 === [[Image:US Navy SEALs in woodlands operation.jpg\|thumb\|right\|米海軍の特殊部隊の森林戦訓練。特殊部隊では通常部隊の兵士よりも戦闘ストレス耐性が強く、理性的でありながらも攻撃的な行動をとることが出来る特別な人材が採用されている。]] 実戦を経験した兵士たちは戦場特有の心理状態を経験している。それは戦闘の中で強いストレスに晒され、兵士たちの反応速度が鋭敏になり、敵を殺し、生き残ることに精神活動の全てが集中する。戦いの精神はこのような戦いの環境において求められる精神である。これは生きる意志に基き、強靭で理性的な攻撃性で構成されるものである。つまり、戦いでは平静さを保って激しい感情を抑制し、結果を気にしすぎることなく自然に攻撃に反応しなければならない、ということを述べている。これは戦場においては常に殺戮と破壊が起こりうる環境で、無秩序と混乱を解決し、問題を解決しなければならない軍人という職業には必ず必要な精神の能力である。 === 軍人の精神 === 中世日本の武士であった宮本武蔵は「兵法の道において、心の持ちようは、常の心に替わる事なかれ。常にも兵法の時にも、少しも変わらずして、心を広く直にして、きつくひっぱらず、少しもたるまず、心のかたよらぬように、心をまん中におきて、心を静かにゆるがせて、其ゆるぎのせつなも、ゆるぎやまぬように、能々吟味すべし」と戦いの哲学を論じている。また戦いの精神の重要性は世界の優秀な部隊の標語にも現れている。英陸軍特殊空挺部隊の「勇気ある者が勝利する」、米海兵隊の「つねに誠実であれ」、デルタフォースの「奇襲、迅速、攻撃性」、カナダ空挺部隊の「我らは勇気を以って戦う」など表現は様々だが戦闘精神の重要性を示している。 === 戦闘精神と心理学 === [[Image:Burning Viet Cong base camp.jpg\|thumb\|right\|240px\|ベトナム戦争においては多くの兵士が厳しい戦闘で戦闘ストレス障害を発症した。]] 精神と行動の関係についての心理学の研究は20世紀以降から行われるようになり、意思決定・問題解決能力や各種知能、意欲、睡眠、精神ストレスなどとの関係性が明らかになったのは最近である。戦いの精神は士気やリーダーシップととても深い関係があり、効果的なチームワークを発揮するためには欠かせない要素だ。また困難の環境でも軍人として任務を遂行するためには戦闘ストレスに耐性が必要である。戦闘ストレスは様々な精神障害が発生し、短気や依存症、強迫観念、無感動、鬱、記憶障害などの症状を引き起こす。 === 演習問題 === #軍人として求められる資質を三つ以上挙げて、どのような局面でその資質が発揮されるのか説明せよ。 #例えば短気や無感動などの戦闘ストレスによって引き起こされる精神障害は任務を遂行する上でどんな支障があるのかを述べよ。	null	2008-02-05T10:44:56Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E8%BB%8D%E4%BA%8B%E5%85%A5%E9%96%80/%E6%88%A6%E3%81%84%E3%81%AE%E7%B2%BE%E7%A5%9E
7,876	軍事入門/世界の情勢	本章では地理学、地政学の内容に触れ、以後の学習の導入とする。戦争は人間の営みであり、ゆえに戦争は人間の活動する場所で起こる。現代の主要な人間の活動は地球の地表上で行われている。地球は赤道面の直径が1万2千キロメートルの球体であり、太陽系の惑星の一つである。その地表にはユーラシア大陸、アフリカ大陸、北アメリカ大陸、南アメリカ大陸、オーストラリア大陸、南極大陸などから成る陸地、北太平洋、南太平洋、インド洋、北大西洋、南大西洋、北極海、南極海などから成る海洋に大別され、その陸海の比率は陸地が三割、海洋が七割である。地政学の研究によると、ユーラシア大陸は特に地球上の覇権を握る上で重要な大陸だと考えられてきた。さらに北アメリカ大陸を含む場合もある。これらの大陸は特に広大な陸地を保有しており、その中枢部はハートランドと呼ばれる。またカムチャツカ半島から始まり、日本や朝鮮半島、台湾や中国沿岸部、マレー半島やインド半島、アラビア半島、地中海沿岸部、英国に延びるユーラシア大陸の沿岸地帯はリムランドと呼ばれ、ハートランドの支配権にとって重大な地帯であり、そのために武力衝突が発生しやすい地帯と考えられる。また世界の二大勢力は結果的には陸地の力、ランドパワーを誇る大陸国家と海洋の力、シーパワーを誇る海洋国家に分かれる。大陸国家は大陸の中枢を支配して農業や牧畜、内陸貿易などで栄え、海洋国家は沿岸と海洋を支配して漁業や貿易などで栄える。この両者は世界覇権を巡ってリムランドにおいて衝突することになる。これは20世紀の米ソの冷戦体制で明確に表れている。それはユーラシア大陸の北端を領有し、東欧や中東の一部、中央アジア、東アジアに影響力を発揮する大陸国家のソヴィエト連邦、そして北アメリカ大陸を領有して西欧、中東の一部、南アジア、東南アジアの一部、東アジアの一部と、世界の海洋に海軍力を展開して影響力を発揮する海洋国家のアメリカ合衆国という対立の構図がある。これは上記した地政学のランドパワーとシーパワーの対立の構図と合致している。ただし冷戦後には勢力が多極化する傾向が見られ、新たなモデルが模索されている。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "本章では地理学、地政学の内容に触れ、以後の学習の導入とする。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "戦争は人間の営みであり、ゆえに戦争は人間の活動する場所で起こる。現代の主要な人間の活動は地球の地表上で行われている。地球は赤道面の直径が1万2千キロメートルの球体であり、太陽系の惑星の一つである。その地表にはユーラシア大陸、アフリカ大陸、北アメリカ大陸、南アメリカ大陸、オーストラリア大陸、南極大陸などから成る陸地、北太平洋、南太平洋、インド洋、北大西洋、南大西洋、北極海、南極海などから成る海洋に大別され、その陸海の比率は陸地が三割、海洋が七割である。", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "地政学の研究によると、ユーラシア大陸は特に地球上の覇権を握る上で重要な大陸だと考えられてきた。さらに北アメリカ大陸を含む場合もある。これらの大陸は特に広大な陸地を保有しており、その中枢部はハートランドと呼ばれる。またカムチャツカ半島から始まり、日本や朝鮮半島、台湾や中国沿岸部、マレー半島やインド半島、アラビア半島、地中海沿岸部、英国に延びるユーラシア大陸の沿岸地帯はリムランドと呼ばれ、ハートランドの支配権にとって重大な地帯であり、そのために武力衝突が発生しやすい地帯と考えられる。", "title": "" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "また世界の二大勢力は結果的には陸地の力、ランドパワーを誇る大陸国家と海洋の力、シーパワーを誇る海洋国家に分かれる。大陸国家は大陸の中枢を支配して農業や牧畜、内陸貿易などで栄え、海洋国家は沿岸と海洋を支配して漁業や貿易などで栄える。この両者は世界覇権を巡ってリムランドにおいて衝突することになる。これは20世紀の米ソの冷戦体制で明確に表れている。それはユーラシア大陸の北端を領有し、東欧や中東の一部、中央アジア、東アジアに影響力を発揮する大陸国家のソヴィエト連邦、そして北アメリカ大陸を領有して西欧、中東の一部、南アジア、東南アジアの一部、東アジアの一部と、世界の海洋に海軍力を展開して影響力を発揮する海洋国家のアメリカ合衆国という対立の構図がある。これは上記した地政学のランドパワーとシーパワーの対立の構図と合致している。ただし冷戦後には勢力が多極化する傾向が見られ、新たなモデルが模索されている。", "title": "" } ]	本章では地理学、地政学の内容に触れ、以後の学習の導入とする。	本章では[[地理学]]、[[地政学]]の内容に触れ、以後の学習の導入とする。 === 世界の地理 === [[File:CIA WorldFactBook-Political world.pdf\|thumb\|right\|300px\|世界地図を丹念に読むことは世界を理解する上で大いに役立つ]] 戦争は人間の営みであり、ゆえに戦争は人間の活動する場所で起こる。現代の主要な人間の活動は地球の地表上で行われている。地球は赤道面の直径が1万2千キロメートルの球体であり、太陽系の惑星の一つである。その地表にはユーラシア大陸、アフリカ大陸、北アメリカ大陸、南アメリカ大陸、オーストラリア大陸、南極大陸などから成る陸地、北太平洋、南太平洋、インド洋、北大西洋、南大西洋、北極海、南極海などから成る海洋に大別され、その陸海の比率は陸地が三割、海洋が七割である。 === 世界地理の地政学環境 === 地政学の研究によると、ユーラシア大陸は特に地球上の覇権を握る上で重要な大陸だと考えられてきた。さらに北アメリカ大陸を含む場合もある。これらの大陸は特に広大な陸地を保有しており、その中枢部は'''ハートランド'''と呼ばれる。またカムチャツカ半島から始まり、日本や朝鮮半島、台湾や中国沿岸部、マレー半島やインド半島、アラビア半島、地中海沿岸部、英国に延びるユーラシア大陸の沿岸地帯は'''リムランド'''と呼ばれ、ハートランドの支配権にとって重大な地帯であり、そのために武力衝突が発生しやすい地帯と考えられる。 === 大陸国家と海洋国家 === また世界の二大勢力は結果的には陸地の力、'''ランドパワー'''を誇る大陸国家と海洋の力、'''シーパワー'''を誇る海洋国家に分かれる。大陸国家は大陸の中枢を支配して農業や牧畜、内陸貿易などで栄え、海洋国家は沿岸と海洋を支配して漁業や貿易などで栄える。この両者は世界覇権を巡ってリムランドにおいて衝突することになる。これは20世紀の米ソの冷戦体制で明確に表れている。それはユーラシア大陸の北端を領有し、東欧や中東の一部、中央アジア、東アジアに影響力を発揮する大陸国家のソヴィエト連邦、そして北アメリカ大陸を領有して西欧、中東の一部、南アジア、東南アジアの一部、東アジアの一部と、世界の海洋に海軍力を展開して影響力を発揮する海洋国家のアメリカ合衆国という対立の構図がある。これは上記した地政学のランドパワーとシーパワーの対立の構図と合致している。ただし冷戦後には勢力が多極化する傾向が見られ、新たなモデルが模索されている。 === 演習問題 === #この世界の基本的な地表面の構成について説明し、主要な大国がどの地域を領有しているのか示せ。 #地政学の研究から示されている世界覇権を掌握するために重要な地域がどこなのかを示し、どの国が含まれているのかを述べよ。 [[カテゴリ:軍事学]]	null	2022-11-22T17:26:57Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E8%BB%8D%E4%BA%8B%E5%85%A5%E9%96%80/%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%AE%E6%83%85%E5%8B%A2
7,878	軍事入門/戦争法の基礎	本章では戦時国際法について触れ、以後の学習の導入とする。戦争にもその方法に制限が定められている。これは現代では国際法によって様々に規定されている。戦争法、戦時国際法または国際人道法として呼称されるこの国際法は戦闘行為を制約するものであるが、これには二つの原則がある。まず一つは軍事的な必要性がある。すなわち軍事作戦を行うために必要な最低限度の行為を正当化する原則である。また第二に人道性の原則がある。つまりこれは人権や人間の尊厳を侵害する行為を禁止するものであり、不必要な殺戮や破壊、文民への攻撃など軍事目的達成に必要ではない暴力を禁止する原則である。陸戦法規は陸上の戦闘行為を制限する規則であり、1977年の「ジュネーブ条約に追加される国際武力紛争の犠牲者の保護に関する議定書」などによって規定されている。まず原則として攻撃は軍事目標と敵の戦闘員に限定することである。軍事目標とは敵軍の陣地や基地、兵器類などの物的な軍事作戦で用いられる物的な目標である。戦闘員は軍隊の兵士たちのことであり、衛生要員や宗教要員を除外したものである。また陸戦法規では攻撃を禁止する目標についても規定している。降伏した兵士、捕獲者、戦闘不能者、軍隊の衛生兵や宗教要員、文民、病院などの医療施設、歴史遺産、芸術品、礼拝所、住民生活に必要な食料施設、作物、灌漑設備、ダム、堤防、原発、民間防衛団体の要員などである。さらに無差別攻撃、文民への被害が大きすぎる攻撃なども禁じられる。海戦法規は陸戦法とは異なった内容を持ち、海戦は敵艦隊の撃破だけでなく敵の商船隊を壊滅させることや中立国船舶の利敵行為を阻止するためにも固有の目標となりうる。そのために陸戦法では禁止される私有財産、すなわち敵国の民間人が運航する商船と貨物を没収することが可能であり、また場合によって敵国の商船を無警告で撃沈することも可能であり、条件が満たされれば中立国商船も拿捕することができる。これらの基本的な原則としては海戦法では軍人と文民で区別するのではなく、敵軍の戦争遂行努力に参加した私的な船舶すらも軍事目標として攻撃することが出来るのだ。ただし、病院船や救助用の船舶などの人道目的の船舶及び、中立国の軍艦や軍用機や船舶は公海と排他的経済水域で自由に行動する権利があるため軍事目標とはならない。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "本章では戦時国際法について触れ、以後の学習の導入とする。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "戦争にもその方法に制限が定められている。これは現代では国際法によって様々に規定されている。戦争法、戦時国際法または国際人道法として呼称されるこの国際法は戦闘行為を制約するものであるが、これには二つの原則がある。まず一つは軍事的な必要性がある。すなわち軍事作戦を行うために必要な最低限度の行為を正当化する原則である。また第二に人道性の原則がある。つまりこれは人権や人間の尊厳を侵害する行為を禁止するものであり、不必要な殺戮や破壊、文民への攻撃など軍事目的達成に必要ではない暴力を禁止する原則である。", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "陸戦法規は陸上の戦闘行為を制限する規則であり、1977年の「ジュネーブ条約に追加される国際武力紛争の犠牲者の保護に関する議定書」などによって規定されている。まず原則として攻撃は軍事目標と敵の戦闘員に限定することである。軍事目標とは敵軍の陣地や基地、兵器類などの物的な軍事作戦で用いられる物的な目標である。戦闘員は軍隊の兵士たちのことであり、衛生要員や宗教要員を除外したものである。また陸戦法規では攻撃を禁止する目標についても規定している。降伏した兵士、捕獲者、戦闘不能者、軍隊の衛生兵や宗教要員、文民、病院などの医療施設、歴史遺産、芸術品、礼拝所、住民生活に必要な食料施設、作物、灌漑設備、ダム、堤防、原発、民間防衛団体の要員などである。さらに無差別攻撃、文民への被害が大きすぎる攻撃なども禁じられる。", "title": "" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "海戦法規は陸戦法とは異なった内容を持ち、海戦は敵艦隊の撃破だけでなく敵の商船隊を壊滅させることや中立国船舶の利敵行為を阻止するためにも固有の目標となりうる。そのために陸戦法では禁止される私有財産、すなわち敵国の民間人が運航する商船と貨物を没収することが可能であり、また場合によって敵国の商船を無警告で撃沈することも可能であり、条件が満たされれば中立国商船も拿捕することができる。これらの基本的な原則としては海戦法では軍人と文民で区別するのではなく、敵軍の戦争遂行努力に参加した私的な船舶すらも軍事目標として攻撃することが出来るのだ。ただし、病院船や救助用の船舶などの人道目的の船舶及び、中立国の軍艦や軍用機や船舶は公海と排他的経済水域で自由に行動する権利があるため軍事目標とはならない。", "title": "" } ]	本章では戦時国際法について触れ、以後の学習の導入とする。	本章では戦時国際法について触れ、以後の学習の導入とする。 === 戦争法の基本 === 戦争にもその方法に制限が定められている。これは現代では国際法によって様々に規定されている。'''戦争法'''、戦時国際法または国際人道法として呼称されるこの国際法は戦闘行為を制約するものであるが、これには二つの原則がある。まず一つは軍事的な必要性がある。すなわち軍事作戦を行うために必要な最低限度の行為を正当化する原則である。また第二に人道性の原則がある。つまりこれは人権や人間の尊厳を侵害する行為を禁止するものであり、不必要な殺戮や破壊、文民への攻撃など軍事目的達成に必要ではない暴力を禁止する原則である。 === 陸戦法規 === [[Image:Norwegian medics.JPG\|thumb\|ノルウェー陸軍の衛生兵。衛生要員は戦闘員ではないが、死傷率が他の兵士と比べて低いわけではない]] 陸戦法規は陸上の戦闘行為を制限する規則であり、1977年の「ジュネーブ条約に追加される国際武力紛争の犠牲者の保護に関する議定書」などによって規定されている。まず原則として攻撃は軍事目標と敵の戦闘員に限定することである。軍事目標とは敵軍の陣地や基地、兵器類などの物的な軍事作戦で用いられる物的な目標である。戦闘員は軍隊の兵士たちのことであり、衛生要員や宗教要員を除外したものである。また陸戦法規では攻撃を禁止する目標についても規定している。降伏した兵士、捕獲者、戦闘不能者、軍隊の衛生兵や宗教要員、文民、病院などの医療施設、歴史遺産、芸術品、礼拝所、住民生活に必要な食料施設、作物、灌漑設備、ダム、堤防、原発、民間防衛団体の要員などである。さらに無差別攻撃、文民への被害が大きすぎる攻撃なども禁じられる。 === 海戦法規 === [[Image:USNS Mercy T-AH-19.jpg\|thumb\|right\|米海軍の病院船。このように赤十字の標示が行われている]] 海戦法規は陸戦法とは異なった内容を持ち、海戦は敵艦隊の撃破だけでなく敵の商船隊を壊滅させることや中立国船舶の利敵行為を阻止するためにも固有の目標となりうる。そのために陸戦法では禁止される私有財産、すなわち敵国の民間人が運航する商船と貨物を没収することが可能であり、また場合によって敵国の商船を無警告で撃沈することも可能であり、条件が満たされれば中立国商船も拿捕することができる。これらの基本的な原則としては海戦法では軍人と文民で区別するのではなく、敵軍の戦争遂行努力に参加した私的な船舶すらも軍事目標として攻撃することが出来るのだ。ただし、病院船や救助用の船舶などの人道目的の船舶及び、中立国の軍艦や軍用機や船舶は公海と排他的経済水域で自由に行動する権利があるため軍事目標とはならない。 === 演習問題 === #敵の輸送を阻害するために鉄道を爆破する場合、爆破目標が駅とトンネルのどちらを軍事目標として攻撃すべきか述べて、その理由を説明せよ。 #射撃で被弾した敵兵に赤十字の腕章をつけた兵士が駆け寄った場合、この兵士を射撃すべきか述べよ。 #小規模な貨物を積んだ敵国の漁船が国際水域で航行していたのを発見した場合、これを軍事目標として攻撃すべきかどうかを述べて、その理由を説明せよ。 [[カテゴリ:軍事学]]	null	2022-11-22T17:27:14Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E8%BB%8D%E4%BA%8B%E5%85%A5%E9%96%80/%E6%88%A6%E4%BA%89%E6%B3%95%E3%81%AE%E5%9F%BA%E7%A4%8E
7,879	軍事入門/リーダーシップ入門	本章では統率論について触れ、以後の学習の導入とする。軍隊は人間で構成されている。そのために多数の人間を指導する指揮官は心理的・感情的・非合理的な問題に直面する。つまり指揮官は指揮を行う場合には、部下が心理的に自ら望んで積極的、自主的に行動させるための技術や才能であるリーダーシップ(Leadership 統率)が必要である。このリーダーシップは人格、知識、行動から構成されるものである。人格の部分で特に必要な要素は誠実、勇敢、高潔、尊厳、没我、自制心、冷酷さなどである。また知識面では部隊の知識、装備の知識、状況の知識、問題解決知能、戦術などである。さらに行動は人格と知識を発揮することで思考を効果的に行動に移して戦果を実際に得ることであり、影響を及ぼす、積極的に動く、教化する、に行為を分類できる。リーダーシップは精神的な才能との関係が強く、訓練や教育でのみ養われるものではない。リーダーシップが軍事史で大きな結果をもたらしたことは事例がいくらでもある。その多くは統率力あふれる指揮官の下で部隊が一致団結し、兵士たちが強い連帯感で絆を育んで無力感を排し、兵士一人ひとりが毅然として己の任務を遂行することに表れる。 1972年7月19日早朝、オマーンの南部ドーハ県にある港町ミルバートでは戦闘が起こった。約250名のアドゥー反乱軍が当時ミルバート近郊に駐留していた英国特殊空挺部隊約9名に対して攻撃を開始した。英国軍部隊を指揮したマイク・キーリー大尉はこの困難な状況においても部隊を適切に指揮統率した。キーリー大尉は戦闘が始まるとすぐに事前に準備した防御陣地に部下を配し、自らも防御陣地の一角に移動して部隊を指揮した。即座にキーリー大尉は迫撃砲、機関銃、火砲の射撃を指示して、さらに友軍に空爆を要請した。そして弾薬庫を守ることを念頭に置きながら、多方面から突撃してくるアドゥー反乱軍の兵士たちを的確に殺傷することができた。このときにキーリー大尉は部下や装備の配置を完全に把握し、通信を的確に行って外部の援軍に応援を冷静に要請し、同時に部下の安全に細心の注意を払っていた。そして援軍が到着するまでキーリー隊はミルバートを守ることに成功したのだった。このときのキーリー大尉の勇敢かつ理性的な統率は非常に高く評価され、これ軍人としてのリーダーシップの模範とされている。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "本章では統率論について触れ、以後の学習の導入とする。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "軍隊は人間で構成されている。そのために多数の人間を指導する指揮官は心理的・感情的・非合理的な問題に直面する。つまり指揮官は指揮を行う場合には、部下が心理的に自ら望んで積極的、自主的に行動させるための技術や才能であるリーダーシップ(Leadership 統率)が必要である。このリーダーシップは人格、知識、行動から構成されるものである。人格の部分で特に必要な要素は誠実、勇敢、高潔、尊厳、没我、自制心、冷酷さなどである。また知識面では部隊の知識、装備の知識、状況の知識、問題解決知能、戦術などである。さらに行動は人格と知識を発揮することで思考を効果的に行動に移して戦果を実際に得ることであり、影響を及ぼす、積極的に動く、教化する、に行為を分類できる。リーダーシップは精神的な才能との関係が強く、訓練や教育でのみ養われるものではない。", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "リーダーシップが軍事史で大きな結果をもたらしたことは事例がいくらでもある。その多くは統率力あふれる指揮官の下で部隊が一致団結し、兵士たちが強い連帯感で絆を育んで無力感を排し、兵士一人ひとりが毅然として己の任務を遂行することに表れる。", "title": "" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "1972年7月19日早朝、オマーンの南部ドーハ県にある港町ミルバートでは戦闘が起こった。約250名のアドゥー反乱軍が当時ミルバート近郊に駐留していた英国特殊空挺部隊約9名に対して攻撃を開始した。英国軍部隊を指揮したマイク・キーリー大尉はこの困難な状況においても部隊を適切に指揮統率した。キーリー大尉は戦闘が始まるとすぐに事前に準備した防御陣地に部下を配し、自らも防御陣地の一角に移動して部隊を指揮した。即座にキーリー大尉は迫撃砲、機関銃、火砲の射撃を指示して、さらに友軍に空爆を要請した。そして弾薬庫を守ることを念頭に置きながら、多方面から突撃してくるアドゥー反乱軍の兵士たちを的確に殺傷することができた。このときにキーリー大尉は部下や装備の配置を完全に把握し、通信を的確に行って外部の援軍に応援を冷静に要請し、同時に部下の安全に細心の注意を払っていた。そして援軍が到着するまでキーリー隊はミルバートを守ることに成功したのだった。このときのキーリー大尉の勇敢かつ理性的な統率は非常に高く評価され、これ軍人としてのリーダーシップの模範とされている。", "title": "" } ]	本章では統率論について触れ、以後の学習の導入とする。	本章では統率論について触れ、以後の学習の導入とする。 === リーダーシップの基本 === [[Image:Japanese sailors jmsdf.jpg\|thumb\|300px\|軍隊の指揮官は部隊の団結を左右する。指揮官として重要なことは、部下を人格として尊重して思いやり、かつ困難な状況において指導力を発揮して部隊を奮い立たせ、部隊と苦楽を共にすることにある。]] 軍隊は人間で構成されている。そのために多数の人間を指導する指揮官は心理的・感情的・非合理的な問題に直面する。つまり指揮官は指揮を行う場合には、部下が心理的に自ら望んで積極的、自主的に行動させるための技術や才能である'''リーダーシップ'''（Leadership 統率）が必要である。このリーダーシップは人格、知識、行動から構成されるものである。人格の部分で特に必要な要素は誠実、勇敢、高潔、尊厳、没我、自制心、冷酷さなどである。また知識面では部隊の知識、装備の知識、状況の知識、問題解決知能、戦術などである。さらに行動は人格と知識を発揮することで思考を効果的に行動に移して戦果を実際に得ることであり、影響を及ぼす、積極的に動く、教化する、に行為を分類できる。リーダーシップは精神的な才能との関係が強く、訓練や教育でのみ養われるものではない。 === 歴史の事例 === リーダーシップが軍事史で大きな結果をもたらしたことは事例がいくらでもある。その多くは統率力あふれる指揮官の下で部隊が一致団結し、兵士たちが強い連帯感で絆を育んで無力感を排し、兵士一人ひとりが毅然として己の任務を遂行することに表れる。 1972年7月19日早朝、オマーンの南部ドーハ県にある港町ミルバートでは戦闘が起こった。約250名のアドゥー反乱軍が当時ミルバート近郊に駐留していた英国特殊空挺部隊約9名に対して攻撃を開始した。英国軍部隊を指揮したマイク・キーリー大尉はこの困難な状況においても部隊を適切に指揮統率した。キーリー大尉は戦闘が始まるとすぐに事前に準備した防御陣地に部下を配し、自らも防御陣地の一角に移動して部隊を指揮した。即座にキーリー大尉は迫撃砲、機関銃、火砲の射撃を指示して、さらに友軍に空爆を要請した。そして弾薬庫を守ることを念頭に置きながら、多方面から突撃してくるアドゥー反乱軍の兵士たちを的確に殺傷することができた。このときにキーリー大尉は部下や装備の配置を完全に把握し、通信を的確に行って外部の援軍に応援を冷静に要請し、同時に部下の安全に細心の注意を払っていた。そして援軍が到着するまでキーリー隊はミルバートを守ることに成功したのだった。このときのキーリー大尉の勇敢かつ理性的な統率は非常に高く評価され、これ軍人としてのリーダーシップの模範とされている。 === 演習問題 === #リーダーシップという概念を定義せよ。 #あなたが知っている優れたリーダーを挙げ、その者が持つ統率者にふさわしい資質が何かを説明せよ。 [[カテゴリ:軍事学]]	null	2022-11-22T17:26:53Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E8%BB%8D%E4%BA%8B%E5%85%A5%E9%96%80/%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%80%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%83%E3%83%97%E5%85%A5%E9%96%80
7,880	軍事入門/戦術の考え方	本章では戦術学について触れ、以後の学習の導入とする。 ※ ひとくちに「軍事学」といっても多くの分野がある。一般的な戦術理論や、自国の軍事力や仮想敵国の分析、戦争を遂行するための法律や行政などの研究、などなど多々あろう。事評論家の兵藤二十八が言うには、世界的には、戦術理論などの方法論はあくまで当面の間だけ合理的な戦術・戦略だと考えられている仮説にすぎないと世界的には考えられており、軍事学の基本は歴史分野である「戦史」が基本である、とのこと。実際、2022年に勃発したロシアによるウクライナ侵攻により、それ以前に欧米の軍事で主流だった理論、具体的には交戦相手としてテロリストばかりを想定した戦術理論を採用していた欧米各国の軍隊は、理論の修正をせまられた。テロリスト相手には合理的だった、(おそらくは機動力を重視してか)平地を野営地として弾除けのタコ壺の穴も地面に彫らないで見晴らしのいい平地で宿営していたウクライナ側支持の外国人部隊が、ロシアからの攻撃によって壊滅した、という事例もある。一方、同じ戦場でうまく生き延びれたウクライナ側外国人部隊は、第一次大戦・第二次大戦にならって森林などにひそんで、地面に穴を掘ってそこに隠れるなどして(おそらくは敵からの奇襲攻撃に対する防御重視かと思われる)国の部隊だった。このように、「戦術」の理論はあくまで仮説であるので、実際の戦争で起きた事実にもとづき、注意ぶかく修正や更新をしていく必要がある。戦術(Tactics)とは戦闘で与えられた手段を最大限に使いこなして任務を達成する技術である。より具体的な言い方をしている6世紀のビザンチン帝国軍の言葉を借りれば「戦術とは秩序を持って兵士を戦闘陣形に組織し機動する科学である」と言えるだろう。戦術に対して戦略という言葉があるが、これは戦術よりも大局的な視点に立って部隊を運用する科学・技術である。その関係については日本海軍の秋山真之提督は「戦術の上に立ってこれを指導し、戦闘の時、地、兵力を定める」ものが戦略であると区別している。しかし戦略はそれ自体が大きなテーマでもあり、簡単に説明することは出来ない。優れた戦術家は戦術的知能の習得が不可欠であるが、これに関連して必要な要素は広範であり、主要な要素としては集中力、創造性、専門知識、情報処理能力、問題解決知能などがある。このような戦術的知能は学習できるものばかりではなく、判断のセンスという才能が重要である。これは数学の問題のように演繹思考で論理的に解答を導き出すような判断力ではなく、例えば相互に矛盾している二つの任務が与えられた問題、また一見したところ解決が不可能と思われる問題などを解決するような知能である。しかし戦術的知能は深いテーマであり、洞察力や記憶力、問題や解決策の概念化、行為の一貫性などありとあらゆる要素の集合体である。ここでは大部隊を指導する戦術ではなく、下士官が実施する小部隊の戦術について述べる。例えば以下のような状況を想定したとしよう。まず一般状況として、陸続きになっているA国とB国があり、A国がB国の侵略を受けたために戦争が勃発した。あなたはA国の軍人として32名から成る歩兵小隊を率いる指揮官であり、この部隊に与えられた装備は兵士一人当たりに与えられた自動小銃26丁と6丁の軽機関銃、定数の弾薬、迫撃砲一門と重機関銃一丁と定数の弾薬、さらに建築物を破壊出来る爆薬、対戦車地雷2個、輸送トラック一台である。あなたに与えられた任務は派遣された地域に架かっている橋を敵の攻撃・占領から防御してこれを保持することだ。これは後に後続する大部隊が到着するまでの時間的な猶予を獲得するためである。周辺の地形としては都市部から離れ、森林が点在する平地である。作戦地域の中央部に約5メートル程度の河川が南北に走っており、舗装道路が東西に伸び、河川には車両が一台ずつ通過できる古い石橋が架かっている。石橋の西側すぐの位置には廃村が残っており、道路周辺に障害物はなく、約1キロメートル先まで見通すことが出来る。敵については、上級部隊から伝えられた情報、すなわち敵は国境の位置から考えて東方より進攻すると考えられる、敵の主力部隊は別方面に進攻しているものの別動隊が進攻する以外は不明である。この状況において指揮官であるあなたは何を問題と設定し、どのような解決策を講じるべきであろうか。またその解決策を実行するにおいて考慮しなければならない事項としては何が考えられるか。この状況においては複数の解答が作成しうるため、以下で述べることではなかったとしても、実行可能性があり、あるいは計画に矛盾や問題がない限り正答でありうる。また以下のように解答の内容ほど詳細に計画が立てられていないとしても、要点が得られているかが重要である。ここでは戦術問題の解答の一例を述べる。この状況での任務は「橋という重要地形を確保・保全」することによって後続の主力部隊を支援することになる。これを達成するために必要なことははっきりしている。それは味方と同規模あるいはより大規模な敵部隊が進攻してきた場合にでも橋を完全に守るため準備を行って敵の攻撃に徹底抗戦することである。まず敵部隊の攻撃を防御するためには周辺地域の地形を考えて河川及び廃村を利用して防御陣地を作ることが考えられる。つまり地形に対して塹壕構築や銃座の配置、地雷設置などの作業を施して戦闘で優位に戦う準備である。この場所で考えられる陣地構築としては、まず橋の出入り口に対戦車地雷を設置して敵の装甲車等の侵入を阻む。さらに橋を迂回して西側の川岸に遠隔地で上陸し、そこから防御部隊に奇襲を試みる可能性を配慮して廃村を拠点として全方位に防御陣地を構築して廃村を防御する。兵士の配置としては3名が重機関銃、3名が迫撃砲を担当し、衛生兵2名を除いて残りの24名は警戒部隊と待機部隊に分ける。歩兵8名は1個分隊であり、24名から3個分隊が成るため、2個分隊で警戒を行い、1個分隊が待機と休養を行って定期的に警戒任務を交代するようにし、戦闘が開始されたら速やかに待機部隊が予備兵力として交戦地域に応援できるように打ち合わせた。警戒する部隊からは廃村の建築物の上部に2名ほど配置して広域視界を確保し、東西南北の全方位に対して監視を行う。警戒部隊は橋正面に対する防御陣地と南北正面の陣地に配置する。重火器の配置については敵部隊が殺到すると考えられる石橋に対して銃口を向けて廃村部に配置し、その位置は偽装・隠蔽する。さらに迫撃砲は橋の入り口に対して向けながら廃村部の中心に配置し、必要に応じてその方向を転換できるように全方位の射撃図を用意して射撃を準備する。これら火砲や重火器及び全ての陣地は発見されないように偽装・隠蔽を施し、敵の偵察で発見されないようにする。さらに最悪の事態を想定し、敵が橋への侵入を許して廃村に突入し、占領されることがほぼ確実になった時点で橋を爆破、その間に部隊をまとめて輸送トラックを用いて速やかに後退し、後続の主力部隊と合流する要領を全員に周知させた。以上がまず指揮官として採るべき対処であると考えられる。防御をここでは取り上げたが、防御戦術は軍事史においてもあまり変化がない戦術分野である。この問題で重要なのは目的の明確化、偽装を十分に施して敵に防御の実体を隠蔽する情報保全、与えられた戦力を効果的に配置する計画性、さらに敵のあらゆる攻撃を想定する警戒である。実際に戦闘が開始されれば再び状況は流動化し、得られる情報は不確かなものとなり、問題は複雑化し、より困難な決心が求められることになる。	[ 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"例えば以下のような状況を想定したとしよう。まず一般状況として、陸続きになっているA国とB国があり、A国がB国の侵略を受けたために戦争が勃発した。あなたはA国の軍人として32名から成る歩兵小隊を率いる指揮官であり、この部隊に与えられた装備は兵士一人当たりに与えられた自動小銃26丁と6丁の軽機関銃、定数の弾薬、迫撃砲一門と重機関銃一丁と定数の弾薬、さらに建築物を破壊出来る爆薬、対戦車地雷2個、輸送トラック一台である。あなたに与えられた任務は派遣された地域に架かっている橋を敵の攻撃・占領から防御してこれを保持することだ。これは後に後続する大部隊が到着するまでの時間的な猶予を獲得するためである。", "title": "" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "周辺の地形としては都市部から離れ、森林が点在する平地である。作戦地域の中央部に約5メートル程度の河川が南北に走っており、舗装道路が東西に伸び、河川には車両が一台ずつ通過できる古い石橋が架かっている。石橋の西側すぐの位置には廃村が残っており、道路周辺に障害物はなく、約1キロメートル先まで見通すことが出来る。敵については、上級部隊から伝えられた情報、すなわち敵は国境の位置から考えて東方より進攻すると考えられる、敵の主力部隊は別方面に進攻しているものの別動隊が進攻する以外は不明である。", "title": "" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "この状況において指揮官であるあなたは何を問題と設定し、どのような解決策を講じるべきであろうか。またその解決策を実行するにおいて考慮しなければならない事項としては何が考えられるか。", "title": "" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "この状況においては複数の解答が作成しうるため、以下で述べることではなかったとしても、実行可能性があり、あるいは計画に矛盾や問題がない限り正答でありうる。また以下のように解答の内容ほど詳細に計画が立てられていないとしても、要点が得られているかが重要である。ここでは戦術問題の解答の一例を述べる。", "title": "" }, { "paragraph_id": 10, 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ひとくちに「軍事学」といっても多くの分野がある。一般的な戦術理論や、自国の軍事力や仮想敵国の分析、戦争を遂行するための法律や行政などの研究、などなど多々あろう。事評論家の兵藤二十八が言うには、世界的には、戦術理論などの方法論はあくまで当面の間だけ合理的な戦術・戦略だと考えられている仮説にすぎないと世界的には考えられており、軍事学の基本は歴史分野である「戦史」が基本である、とのこと。実際、2022年に勃発したロシアによるウクライナ侵攻により、それ以前に欧米の軍事で主流だった理論、具体的には交戦相手としてテロリストばかりを想定した戦術理論を採用していた欧米各国の軍隊は、理論の修正をせまられた。テロリスト相手には合理的だった、（おそらくは機動力を重視してか）平地を野営地として弾除けのタコ壺の穴も地面に彫らないで見晴らしのいい平地で宿営していたウクライナ側支持の外国人部隊が、ロシアからの攻撃によって壊滅した、という事例もある。一方、同じ戦場でうまく生き延びれたウクライナ側外国人部隊は、第一次大戦・第二次大戦にならって森林などにひそんで、地面に穴を掘ってそこに隠れるなどして（おそらくは敵からの奇襲攻撃に対する防御重視かと思われる）国の部隊だった。このように、「戦術」の理論はあくまで仮説であるので、実際の戦争で起きた事実にもとづき、注意ぶかく修正や更新をしていく必要がある。	本章では戦術学について触れ、以後の学習の導入とする。 ※ ひとくちに「軍事学」といっても多くの分野がある。一般的な戦術理論や、自国の軍事力や仮想敵国の分析、戦争を遂行するための法律や行政などの研究、などなど多々あろう。事評論家の兵藤二十八が言うには、世界的には、戦術理論などの方法論はあくまで当面の間だけ合理的な戦術・戦略だと考えられている仮説にすぎないと世界的には考えられており、軍事学の基本は歴史分野である「戦史」が基本である、とのこと。実際、2022年に勃発したロシアによるウクライナ侵攻により、それ以前に欧米の軍事で主流だった理論、具体的には交戦相手としてテロリストばかりを想定した戦術理論を採用していた欧米各国の軍隊は、理論の修正をせまられた。テロリスト相手には合理的だった、（おそらくは機動力を重視してか）平地を野営地として弾除けのタコ壺の穴も地面に彫らないで見晴らしのいい平地で宿営していたウクライナ側支持の外国人部隊が、ロシアからの攻撃によって壊滅した、という事例もある。一方、同じ戦場でうまく生き延びれたウクライナ側外国人部隊は、第一次大戦・第二次大戦にならって森林などにひそんで、地面に穴を掘ってそこに隠れるなどして（おそらくは敵からの奇襲攻撃に対する防御重視かと思われる）国の部隊だった。このように、「戦術」の理論はあくまで仮説であるので、実際の戦争で起きた事実にもとづき、注意ぶかく修正や更新をしていく必要がある。 === 戦術とは何か === [[画像:Waterloo_campaign_map.png\|thumb\|300px\|right\|ワーテルローの戦いに至る部隊の機動をまとめたもの。戦術を理解する場合には物事を概念化して図上にまとめると分析や処理が行いやすい。]] '''戦術'''(Tactics)とは戦闘で与えられた手段を最大限に使いこなして任務を達成する技術である。より具体的な言い方をしている6世紀のビザンチン帝国軍の言葉を借りれば「戦術とは秩序を持って兵士を戦闘陣形に組織し機動する科学である」と言えるだろう。戦術に対して戦略という言葉があるが、これは戦術よりも大局的な視点に立って部隊を運用する科学・技術である。その関係については日本海軍の秋山真之提督は「戦術の上に立ってこれを指導し、戦闘の時、地、兵力を定める」ものが戦略であると区別している。しかし戦略はそれ自体が大きなテーマでもあり、簡単に説明することは出来ない。優れた戦術家は戦術的知能の習得が不可欠であるが、これに関連して必要な要素は広範であり、主要な要素としては集中力、創造性、専門知識、情報処理能力、問題解決知能などがある。このような戦術的知能は学習できるものばかりではなく、判断のセンスという才能が重要である。これは数学の問題のように演繹思考で論理的に解答を導き出すような判断力ではなく、例えば相互に矛盾している二つの任務が与えられた問題、また一見したところ解決が不可能と思われる問題などを解決するような知能である。しかし戦術的知能は深いテーマであり、洞察力や記憶力、問題や解決策の概念化、行為の一貫性などありとあらゆる要素の集合体である。ここでは大部隊を指導する戦術ではなく、下士官が実施する小部隊の戦術について述べる。 === 戦術問題 === 例えば以下のような状況を想定したとしよう。まず一般状況として、陸続きになっているA国とB国があり、A国がB国の侵略を受けたために戦争が勃発した。あなたはA国の軍人として32名から成る歩兵小隊を率いる指揮官であり、この部隊に与えられた装備は兵士一人当たりに与えられた自動小銃26丁と6丁の軽機関銃、定数の弾薬、迫撃砲一門と重機関銃一丁と定数の弾薬、さらに建築物を破壊出来る爆薬、対戦車地雷2個、輸送トラック一台である。あなたに与えられた任務は派遣された地域に架かっている橋を敵の攻撃・占領から防御してこれを保持することだ。これは後に後続する大部隊が到着するまでの時間的な猶予を獲得するためである。周辺の地形としては都市部から離れ、森林が点在する平地である。作戦地域の中央部に約5メートル程度の河川が南北に走っており、舗装道路が東西に伸び、河川には車両が一台ずつ通過できる古い石橋が架かっている。石橋の西側すぐの位置には廃村が残っており、道路周辺に障害物はなく、約1キロメートル先まで見通すことが出来る。敵については、上級部隊から伝えられた情報、すなわち敵は国境の位置から考えて東方より進攻すると考えられる、敵の主力部隊は別方面に進攻しているものの別動隊が進攻する以外は不明である。この状況において指揮官であるあなたは何を問題と設定し、どのような解決策を講じるべきであろうか。またその解決策を実行するにおいて考慮しなければならない事項としては何が考えられるか。 === 解答一例 === この状況においては複数の解答が作成しうるため、以下で述べることではなかったとしても、実行可能性があり、あるいは計画に矛盾や問題がない限り正答でありうる。また以下のように解答の内容ほど詳細に計画が立てられていないとしても、要点が得られているかが重要である。ここでは戦術問題の解答の一例を述べる。この状況での任務は「橋という重要地形を確保・保全」することによって後続の主力部隊を支援することになる。これを達成するために必要なことははっきりしている。それは味方と同規模あるいはより大規模な敵部隊が進攻してきた場合にでも橋を完全に守るため準備を行って敵の攻撃に徹底抗戦することである。まず敵部隊の攻撃を防御するためには周辺地域の地形を考えて河川及び廃村を利用して防御陣地を作ることが考えられる。つまり地形に対して塹壕構築や銃座の配置、地雷設置などの作業を施して戦闘で優位に戦う準備である。この場所で考えられる陣地構築としては、まず橋の出入り口に対戦車地雷を設置して敵の装甲車等の侵入を阻む。さらに橋を迂回して西側の川岸に遠隔地で上陸し、そこから防御部隊に奇襲を試みる可能性を配慮して廃村を拠点として全方位に防御陣地を構築して廃村を防御する。兵士の配置としては3名が重機関銃、3名が迫撃砲を担当し、衛生兵2名を除いて残りの24名は警戒部隊と待機部隊に分ける。歩兵8名は1個分隊であり、24名から3個分隊が成るため、2個分隊で警戒を行い、1個分隊が待機と休養を行って定期的に警戒任務を交代するようにし、戦闘が開始されたら速やかに待機部隊が予備兵力として交戦地域に応援できるように打ち合わせた。警戒する部隊からは廃村の建築物の上部に2名ほど配置して広域視界を確保し、東西南北の全方位に対して監視を行う。警戒部隊は橋正面に対する防御陣地と南北正面の陣地に配置する。重火器の配置については敵部隊が殺到すると考えられる石橋に対して銃口を向けて廃村部に配置し、その位置は偽装・隠蔽する。さらに迫撃砲は橋の入り口に対して向けながら廃村部の中心に配置し、必要に応じてその方向を転換できるように全方位の射撃図を用意して射撃を準備する。これら火砲や重火器及び全ての陣地は発見されないように偽装・隠蔽を施し、敵の偵察で発見されないようにする。さらに最悪の事態を想定し、敵が橋への侵入を許して廃村に突入し、占領されることがほぼ確実になった時点で橋を爆破、その間に部隊をまとめて輸送トラックを用いて速やかに後退し、後続の主力部隊と合流する要領を全員に周知させた。以上がまず指揮官として採るべき対処であると考えられる。防御をここでは取り上げたが、防御戦術は軍事史においてもあまり変化がない戦術分野である。この問題で重要なのは目的の明確化、偽装を十分に施して敵に防御の実体を隠蔽する情報保全、与えられた戦力を効果的に配置する計画性、さらに敵のあらゆる攻撃を想定する警戒である。実際に戦闘が開始されれば再び状況は流動化し、得られる情報は不確かなものとなり、問題は複雑化し、より困難な決心が求められることになる。 === 演習問題 === #戦地へ向けて長距離の行進を行う場合に最低限準備しなければならない装備を挙げよ。 #部隊が水域を通過する際に必要な装備と適切な手順について述べよ。 #奇襲を受けたために部隊の隊形や指揮機能が混乱している状況で、前線にいるあなたはまず何を行うことが妥当か述べよ。 #敵に効果的な攻撃を行うために必要な情報は何かを挙げよ。 #あなたの近所で防御を行う上で利用できる地形を挙げ、その理由を説明せよ。 [[カテゴリ:軍事学]]	null	2023-01-18T01:41:00Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E8%BB%8D%E4%BA%8B%E5%85%A5%E9%96%80/%E6%88%A6%E8%A1%93%E3%81%AE%E8%80%83%E3%81%88%E6%96%B9
7,881	軍事入門/戦略的な思考法	本章では戦略学の内容に触れ、以後の学習の導入とする。戦略を学問的な立場から定義することは簡単なことではない。これは戦略の概念が歴史的にも新しく、またしばしば学者や論者たちによって不確かな定義のまま扱われ、さらに戦略の概念そのものの複雑であるからに他ならない。しかしながら、一般的には戦略の理解の一つとして、クラウゼヴィッツの「戦略とは戦争目的に沿って戦闘を運用する方策」だという定義が用いられることがある。では「戦争目的」とは何か? クラウゼヴィッツの考えはともかく、現代の地政学・安全保障論などでは「戦争目的」とは一般に、その戦争の勝利を通して実現したい政治目標のことである。たとえば、第二次世界大戦におけるアメリカ合衆国の対日参戦の「戦争目的」なら、「日本軍を中国から撤退させる事」、究極的には「日本の中国支配を終わらせることにより、アメリカ企業が中国市場を席巻しやすい世界態勢を構築すること」などが当時のアメリカの「戦争目的」と呼ぶべきものである。なお、この「戦争目的」の定義に従うと、結果的に中国は共産主義化し、そのためにアメリカ企業は中国市場から締め出されたので、アメリカは日本との戦争には勝ったにもかかわらず、アメリカは中国市場の獲得という戦争目的を達成できなかった事になる(この事は、A.ウェデマイヤー『第二次世界大戦に勝者なし』(妹尾作田男訳、講談社、1997年)に記されている)。さて、「戦略」の定義の話に戻る。戦術との関係の上で定義が論じる場合ではまた、「戦略」について異なる定義も示されている。旧日本軍の『陸大兵語の解』によると、戦略とは「作戦を計画してその実施を統裁し、兵団行動の方向、目的、時期、場所等の関係を定め、これらを適切に操縦し、もって会戦の態勢を優勝に導き、かつ会戦の成果を拡充する方策である」とされており、戦闘での勝利のための戦闘実行の方術である戦術と対比される。ただし以上の戦略の概念は軍事目的の戦略に限定するものである。現代の戦略は国家戦略や技術戦略などに拡大して複雑化している。戦略を考える着眼点について、戦略と戦術の違いをいくつか明らかにした上で示したい。まず戦略は戦術とは異なって非常に全体的な視野を求める。つまり戦術的に重要な特定地域の状況は戦略にとって部分に過ぎず、戦争全体の状況と展望こそが重要なのだ。そして戦略的な思考で極めて重要な点は目的を明確化し、そのためのあらゆる行動を一貫させることである。これは思考における前提の正確さと一貫的な行動を維持することによってのみ達成されることであり、不確実性や偶然性が大きく媒介する戦争では決して容易なことではない。また戦略においては状況の進行が緩やかであり、かつその結果は戦争全体にとって決定的となるため、しばしば「戦術の失敗は戦略で補うことが可能だが、戦略の失敗は戦術で補うことはできない」といわれる。それゆえに戦略は重要なのであり、どのような戦闘での勝利も戦略なくては戦争の勝利に結びつかない。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "本章では戦略学の内容に触れ、以後の学習の導入とする。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "戦略を学問的な立場から定義することは簡単なことではない。これは戦略の概念が歴史的にも新しく、またしばしば学者や論者たちによって不確かな定義のまま扱われ、さらに戦略の概念そのものの複雑であるからに他ならない。しかしながら、一般的には戦略の理解の一つとして、クラウゼヴィッツの「戦略とは戦争目的に沿って戦闘を運用する方策」だという定義が用いられることがある。", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "では「戦争目的」とは何か? クラウゼヴィッツの考えはともかく、現代の地政学・安全保障論などでは「戦争目的」とは一般に、その戦争の勝利を通して実現したい政治目標のことである。たとえば、第二次世界大戦におけるアメリカ合衆国の対日参戦の「戦争目的」なら、「日本軍を中国から撤退させる事」、究極的には「日本の中国支配を終わらせることにより、アメリカ企業が中国市場を席巻しやすい世界態勢を構築すること」などが当時のアメリカの「戦争目的」と呼ぶべきものである。なお、この「戦争目的」の定義に従うと、結果的に中国は共産主義化し、そのためにアメリカ企業は中国市場から締め出されたので、アメリカは日本との戦争には勝ったにもかかわらず、アメリカは中国市場の獲得という戦争目的を達成できなかった事になる(この事は、A.ウェデマイヤー『第二次世界大戦に勝者なし』(妹尾作田男訳、講談社、1997年)に記されている)。", "title": "" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "さて、「戦略」の定義の話に戻る。戦術との関係の上で定義が論じる場合ではまた、「戦略」について異なる定義も示されている。旧日本軍の『陸大兵語の解』によると、戦略とは「作戦を計画してその実施を統裁し、兵団行動の方向、目的、時期、場所等の関係を定め、これらを適切に操縦し、もって会戦の態勢を優勝に導き、かつ会戦の成果を拡充する方策である」とされており、戦闘での勝利のための戦闘実行の方術である戦術と対比される。ただし以上の戦略の概念は軍事目的の戦略に限定するものである。現代の戦略は国家戦略や技術戦略などに拡大して複雑化している。", "title": "" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "戦略を考える着眼点について、戦略と戦術の違いをいくつか明らかにした上で示したい。まず戦略は戦術とは異なって非常に全体的な視野を求める。つまり戦術的に重要な特定地域の状況は戦略にとって部分に過ぎず、戦争全体の状況と展望こそが重要なのだ。そして戦略的な思考で極めて重要な点は目的を明確化し、そのためのあらゆる行動を一貫させることである。これは思考における前提の正確さと一貫的な行動を維持することによってのみ達成されることであり、不確実性や偶然性が大きく媒介する戦争では決して容易なことではない。また戦略においては状況の進行が緩やかであり、かつその結果は戦争全体にとって決定的となるため、しばしば「戦術の失敗は戦略で補うことが可能だが、戦略の失敗は戦術で補うことはできない」といわれる。それゆえに戦略は重要なのであり、どのような戦闘での勝利も戦略なくては戦争の勝利に結びつかない。", "title": "" } ]	本章では戦略学の内容に触れ、以後の学習の導入とする。	本章では戦略学の内容に触れ、以後の学習の導入とする。 === 戦略とは何か === 戦略を学問的な立場から定義することは簡単なことではない。これは戦略の概念が歴史的にも新しく、またしばしば学者や論者たちによって不確かな定義のまま扱われ、さらに戦略の概念そのものの複雑であるからに他ならない。しかしながら、一般的には戦略の理解の一つとして、クラウゼヴィッツの「戦略とは戦争目的に沿って戦闘を運用する方策」だという定義が用いられることがある。では「戦争目的」とは何か？　クラウゼヴィッツの考えはともかく、現代の地政学・安全保障論などでは「戦争目的」とは一般に、その戦争の勝利を通して実現したい政治目標のことである。たとえば、第二次世界大戦におけるアメリカ合衆国の対日参戦の「戦争目的」なら、「日本軍を中国から撤退させる事」、究極的には「日本の中国支配を終わらせることにより、アメリカ企業が中国市場を席巻しやすい世界態勢を構築すること」などが当時のアメリカの「戦争目的」と呼ぶべきものである<ref>倉山満『真実の日米開戦隠蔽された近衛文麿の戦争責任』、宝島社、2017年12月18日第1刷発行、214ページ</ref>。なお、この「戦争目的」の定義に従うと、結果的に中国は共産主義化し、そのためにアメリカ企業は中国市場から締め出されたので、アメリカは日本との戦争には勝ったにもかかわらず、アメリカは中国市場の獲得という戦争目的を達成できなかった事になる（この事は、A.ウェデマイヤー『第二次世界大戦に勝者なし』（妹尾作田男訳、講談社、1997年）に記されている<ref>倉山満『真実の日米開戦隠蔽された近衛文麿の戦争責任』、宝島社、2017年12月18日第1刷発行、214ページ</ref>）。さて、「戦略」の定義の話に戻る。戦術との関係の上で定義が論じる場合ではまた、「戦略」について異なる定義も示されている。旧日本軍の『陸大兵語の解』によると、戦略とは「作戦を計画してその実施を統裁し、兵団行動の方向、目的、時期、場所等の関係を定め、これらを適切に操縦し、もって会戦の態勢を優勝に導き、かつ会戦の成果を拡充する方策である」とされており、戦闘での勝利のための戦闘実行の方術である戦術と対比される。ただし以上の戦略の概念は軍事目的の戦略に限定するものである。現代の戦略は国家戦略や技術戦略などに拡大して複雑化している。 === 戦略的思考の着眼 === 戦略を考える着眼点について、戦略と戦術の違いをいくつか明らかにした上で示したい。まず戦略は戦術とは異なって非常に全体的な視野を求める。つまり戦術的に重要な特定地域の状況は戦略にとって部分に過ぎず、戦争全体の状況と展望こそが重要なのだ。そして戦略的な思考で極めて重要な点は目的を明確化し、そのためのあらゆる行動を一貫させることである。これは思考における前提の正確さと一貫的な行動を維持することによってのみ達成されることであり、不確実性や偶然性が大きく媒介する戦争では決して容易なことではない。また戦略においては状況の進行が緩やかであり、かつその結果は戦争全体にとって決定的となるため、しばしば「戦術の失敗は戦略で補うことが可能だが、戦略の失敗は戦術で補うことはできない」といわれる。それゆえに戦略は重要なのであり、どのような戦闘での勝利も戦略なくては戦争の勝利に結びつかない。 === 演習問題 === #戦略の定義について述べよ。 #戦略と戦術の差異について説明せよ。 [[カテゴリ:軍事学]]	null	2022-11-22T17:27:19Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E8%BB%8D%E4%BA%8B%E5%85%A5%E9%96%80/%E6%88%A6%E7%95%A5%E7%9A%84%E3%81%AA%E6%80%9D%E8%80%83%E6%B3%95
7,882	軍事入門/兵站の意義と概算	本章では後方支援・兵站の概要に触れ、以後の学習の参考とする。兵站(へいたん英:Logistics)とは、一般に、戦争において作戦を行う部隊の移動と支援を計画し、また実施する活動を指す用語である。例えば物資の配給や整備、兵員の展開や衛生、施設の構築や維持などが含まれており、一般に、後方支援(Combat Service Support)業務の一環とされる。兵站の字義は「軍の中継点」(Wiktionary 「站」)であり、世界中で広範に使用される英語での「logistics」は、ギリシア語で「計算を基礎にした活動」ないしは「計算の熟練者」を意味する「logistikos」、またはラテン語で「古代ローマ軍あるいはビサンチンの行政官・管理者」を意味する「logisticus」に由来する。詳細はw:兵站#兵站の理論を参照詳細はw:兵站#兵站の歴史を参照近代以前において、兵站とは食糧や消耗品の局地的な調達と拠点の兵站基地の組合せで成立していた。補給(Supply)とは部隊の物的な戦闘力を維持増進するために、作戦に必要な物資を適材適所に充足させることである。戦闘を遂行する上で求められる軍需品は量的に膨大であるだけでなく多種多様である。しかも補給所要は日々の状況に応じて変化し、また限りある補給能力を効率的に活用しなければならない。これら一連の補給の問題に対処するために、兵站学では補給の計画的な管理と効率的な実行を追求する。輸送機能が充実した現代においては、マネジメントとしての補給機能が兵站の成否を左右することが多くなっている。湾岸戦争において多国籍軍は、作戦級兵站基地を機動的に運用することにより、戦略レベルと戦術レベルの補給機能を連接することを試みたが、やや不満足な結果に終わった。このため現在では、C4Iシステムを活用してのIT化による解決が試みられている。補給の数量的な計算を行う場合、大まかな概算を実施した後に細部の所要量を計算する方法が理解しやすい。補給の拠点として設置される兵站基地は、その兵站機能から戦略レベル、作戦レベル、戦術レベルのものに区分される。戦略級の兵站基地は生産・交通の要所に平時から設置される戦略兵站基地であり、作戦的には方面隊が作戦区域内に設置する兵站基地は方面兵站基地となり、状況に応じて戦術的に設置される方面前進兵站基地と分けることができる。また別の分類としては兵站基地は兵站地区司令部や兵站衛生諸機関、その関連機関などが併設される兵站主地、通常は兵站地区司令部や出張所と併設される兵站地、前線の作戦部隊に対して最寄の兵站基地である兵站末地(terminal point of line of communications)と区分される場合もある。必要とされている部隊に必要な物資を無駄なく供給するためには合理的な情報管理が必要である。交戦中においては敵の作戦行動による不確実性を考慮する必要があり、安定的な兵站線の確保はより高度な課題となる。知られていたり予測されている物流計画は格好の攻撃対象であり、物流計画は重要な軍事機密であり漏洩は防がなければならない。備蓄管理は補給活動を効率的に行なうために必須であり、21世紀現在の大規模な近代型軍隊ではIT\|によるデジタル情報ネットワークによってできるだけ無駄を省いた補給を行なっている。軍事分野だけでなく企業活動においてもロジスティクスでの効率化の要は20世紀末の電子情報技術の利用であり、戦闘部隊の兵士や企業顧客が求めた物品がどこを輸送中であるかがいつでも明らとされ、無数のコンテナの中身が中身を調べなくとも電子コードによって瞬時に判明するようになっている。前線や各兵站堡からの注文の受領を行い、オペレーションズ・リサーチなど数学的手法を用いて各補給線ごとの運搬能力を最適化した運用計画や需要予測を立案する。物流計画は軍事・民生ともにおいて重要な内部情報であり、敵や競合会社に漏洩することは致命的な結果を招く可能性がある。補給すべき物資の質と量は各部隊ごとに異なっている。兵站線に対する攻撃に対処するためにも情報は重要となる。地形・地図情報や周辺領域や住民、ゲリラ活動の有無などの情報収集も重要である。輸送(Transportation)とはある地点から別の地点へと何かを移動させることであり、作戦上に必要な部隊や物資を適時適所に位置させることである。輸送は兵站の基本的な機能の一つであり、迅速性と安全性を両立させ、限りある陸海空路の輸送手段を各種総合的に使用することが重要となる。しかし、輸送を行う上では自然環境や敵による妨害、すなわち摩擦が障害となる。兵站学では輸送は敵の攻撃や気象状況の変化などを想定し、計画に融通性を備え、必要な警戒や防護を準備する。「必要なものを」「必要な時に」「必要な量を」「必要な場所に」はロジスティクスの要諦であり、兵站任務を円滑に遂行する作戦地域と兵站基地との交通上のつながりを維持するために数理的、物性的、情報的な処理が求められる。これが後方連絡線または背後連絡線(LOC)であり、これは複数の兵站基地とそれらを相互に接続する道路、鉄道路、水路、海路、航空路で構成される。後方連絡線は、輸送機能を発揮するための最重要要素である。後方連絡線が兵站基地同士を接続するものであることから、輸送には、階梯に応じた区分が行なわれる。戦略兵站基地同士の輸送については戦略輸送、作戦兵站基地に対する輸送を作戦輸送、戦術兵站基地に対する輸送を戦術輸送と称する。これらはそれぞれ、その特性にあわせた輸送手段を選択される。上述のとおり、後方連絡線は道路、鉄道路、水路、海路、航空路によって構成される。兵站学上、これらは次のような特性を有する。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "本章では後方支援・兵站の概要に触れ、以後の学習の参考とする。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "兵站(へいたん英:Logistics)とは、一般に、戦争において作戦を行う部隊の移動と支援を計画し、また実施する活動を指す用語である。例えば物資の配給や整備、兵員の展開や衛生、施設の構築や維持などが含まれており、一般に、後方支援(Combat Service Support)業務の一環とされる。", "title": "総論" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "兵站の字義は「軍の中継点」(Wiktionary 「站」)であり、世界中で広範に使用される英語での「logistics」は、ギリシア語で「計算を基礎にした活動」ないしは「計算の熟練者」を意味する「logistikos」、またはラテン語で「古代ローマ軍あるいはビサンチンの行政官・管理者」を意味する「logisticus」に由来する。", "title": "総論" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "詳細はw:兵站#兵站の理論を参照", "title": "総論" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "詳細はw:兵站#兵站の歴史を参照", "title": "兵站の歴史" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "近代以前において、兵站とは食糧や消耗品の局地的な調達と拠点の兵站基地の組合せで成立していた。", "title": "兵站の歴史" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "補給(Supply)とは部隊の物的な戦闘力を維持増進するために、作戦に必要な物資を適材適所に充足させることである。戦闘を遂行する上で求められる軍需品は量的に膨大であるだけでなく多種多様である。しかも補給所要は日々の状況に応じて変化し、また限りある補給能力を効率的に活用しなければならない。これら一連の補給の問題に対処するために、兵站学では補給の計画的な管理と効率的な実行を追求する。", "title": "現代の兵站" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "輸送機能が充実した現代においては、マネジメントとしての補給機能が兵站の成否を左右することが多くなっている。湾岸戦争において多国籍軍は、作戦級兵站基地を機動的に運用することにより、戦略レベルと戦術レベルの補給機能を連接することを試みたが、やや不満足な結果に終わった。このため現在では、C4Iシステムを活用してのIT化による解決が試みられている。", "title": "現代の兵站" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "補給の数量的な計算を行う場合、大まかな概算を実施した後に細部の所要量を計算する方法が理解しやすい。", "title": "現代の兵站" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "補給の拠点として設置される兵站基地は、その兵站機能から戦略レベル、作戦レベル、戦術レベルのものに区分される。戦略級の兵站基地は生産・交通の要所に平時から設置される戦略兵站基地であり、作戦的には方面隊が作戦区域内に設置する兵站基地は方面兵站基地となり、状況に応じて戦術的に設置される方面前進兵站基地と分けることができる。", "title": "現代の兵站" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "また別の分類としては兵站基地は兵站地区司令部や兵站衛生諸機関、その関連機関などが併設される兵站主地、通常は兵站地区司令部や出張所と併設される兵站地、前線の作戦部隊に対して最寄の兵站基地である兵站末地(terminal point of line of communications)と区分される場合もある。", "title": 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"輸送(Transportation)とはある地点から別の地点へと何かを移動させることであり、作戦上に必要な部隊や物資を適時適所に位置させることである。輸送は兵站の基本的な機能の一つであり、迅速性と安全性を両立させ、限りある陸海空路の輸送手段を各種総合的に使用することが重要となる。しかし、輸送を行う上では自然環境や敵による妨害、すなわち摩擦が障害となる。兵站学では輸送は敵の攻撃や気象状況の変化などを想定し、計画に融通性を備え、必要な警戒や防護を準備する。", "title": "現代の兵站" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "「必要なものを」「必要な時に」「必要な量を」「必要な場所に」はロジスティクスの要諦であり、兵站任務を円滑に遂行する作戦地域と兵站基地との交通上のつながりを維持するために数理的、物性的、情報的な処理が求められる。これが後方連絡線または背後連絡線(LOC)であり、これは複数の兵站基地とそれらを相互に接続する道路、鉄道路、水路、海路、航空路で構成される。後方連絡線は、輸送機能を発揮するための最重要要素である。", "title": "現代の兵站" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "後方連絡線が兵站基地同士を接続するものであることから、輸送には、階梯に応じた区分が行なわれる。戦略兵站基地同士の輸送については戦略輸送、作戦兵站基地に対する輸送を作戦輸送、戦術兵站基地に対する輸送を戦術輸送と称する。これらはそれぞれ、その特性にあわせた輸送手段を選択される。", "title": "現代の兵站" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "上述のとおり、後方連絡線は道路、鉄道路、水路、海路、航空路によって構成される。兵站学上、これらは次のような特性を有する。", "title": "現代の兵站" } ]	本章では後方支援・兵站の概要に触れ、以後の学習の参考とする。	本章では後方支援・兵站の概要に触れ、以後の学習の参考とする。 == 総論 == '''兵站'''（へいたん英:Logistics）とは、一般に、戦争において作戦を行う[[w:部隊\|部隊]]の移動と支援を計画し、また実施する活動を指す用語である。例えば物資の配給や[[w:整備\|整備]]、兵員の[[w:展開\|展開]]や衛生、施設の構築や維持などが含まれており、一般に、[[w:後方支援\|後方支援]]（Combat Service Support）業務の一環とされる。兵站の字義は「[[w:軍隊\|軍]]の中継点」（Wiktionary 「[[Wikt:站\|站]]」）であり、世界中で広範に使用される英語での「logistics」は、ギリシア語で「計算を基礎にした活動」ないしは「計算の熟練者」を意味する「logistikos」、または[[w:ラテン語\|ラテン語]]で「[[w:古代ローマ\|古代ローマ]]軍あるいはビサンチンの行政官･管理者」を意味する「logisticus」に由来する<ref>「共同物流による事業戦略の事例研究」小林二三夫（日本大学大学院総合社会情報研究科紀要 No.9, 1-6 (2008)）PDF-P.2[http://atlantic2.gssc.nihon-u.ac.jp/kiyou/pdf09/9-1-6-kobayashi_H.pdf]</ref>。 ''詳細は[[w:兵站#兵站の理論]]を参照'' == 兵站の歴史 == ''詳細は[[w:兵站#兵站の歴史]]を参照'' 近代以前において、兵站とは食糧や消耗品の局地的な調達と拠点の兵站基地の組合せで成立していた。 == 現代の兵站 == === 補給 === 補給（Supply）とは部隊の物的な戦闘力を維持増進するために、作戦に必要な物資を適材適所に充足させることである。戦闘を遂行する上で求められる軍需品は量的に膨大であるだけでなく多種多様である。しかも補給所要は日々の状況に応じて変化し、また限りある補給能力を効率的に活用しなければならない。これら一連の補給の問題に対処するために、兵站学では補給の計画的な管理と効率的な実行を追求する。輸送機能が充実した現代においては、マネジメントとしての補給機能が兵站の成否を左右することが多くなっている。[[w:湾岸戦争\|湾岸戦争]]において多国籍軍は、作戦級兵站基地を機動的に運用することにより、戦略レベルと戦術レベルの補給機能を連接することを試みたが、やや不満足な結果に終わった。このため現在では、[[w:C4Iシステム\|C4Iシステム]]を活用してのIT化による解決が試みられている。 ==== 補給所要量の算出 ==== 補給の数量的な計算を行う場合、大まかな概算を実施した後に細部の所要量を計算する方法が理解しやすい。 ; 地上部隊 : 機械化されていない兵士は一日に6.7キログラムの補給物資で事足りるが、現代の近代化された装備を持つ陸軍部隊の兵士は一日に約45キログラムの補給物資を要する。すなわち1500名の陸軍部隊が一日に所用する補給物資は67500キログラムと概算できる。ただし実際にはこれに装甲車、迫撃砲とその弾薬、防空火器とその弾薬、通信機などの装備が加わるためにより厳密な計算が必要となる。 : 現代戦史上において、補給所要量の実例は下記のとおりである。 :; ソビエト軍自動車化狙撃師団（1980年代; 機械化歩兵に相当） :: 兵員13,498名、戦車266両、装甲車481両、火砲148門、非装甲車両2,500両を備え、一日の平均補給所要量は1,177トンとされていた。 :; アメリカ軍機甲師団（1980年代） :: 兵員16,300名、戦車348両、装甲車652両、火砲143門および、非装甲車両3,500両を備え、一日の平均補給所要量は1,555トンとされていた。 ; 洋上部隊 : 80年代においては、水兵あたりで180から270キログラムの補給所要があると見積もられていた。しかし自動化の進展とともにこの補給所要算出法は不正確となっており、現在では、7,000名の水兵を擁する[[w:空母打撃群\|空母打撃群]]の補給所要量は5,000トン/日であり、[[w:水上戦闘群\|水上戦闘群]]の場合はその3分の1以下である。このように膨大な補給所要のため、空母打撃群は、その編制内に[[w:補給艦\|戦闘支援艦]]を有している。 ; 航空部隊 : [[w:作戦機\|作戦機]]は、1[[w:ソーティ\|ソーティ]]につき10〜20トンの補給所要と、数百マンアワーの労力を必要とする。これを一人当たりに直すと、おおむね450キログラムとなる。 ==== 兵站基地 ==== 補給の拠点として設置される兵站基地は、その兵站機能から[[w:戦略\|戦略]]レベル、[[w:作戦\|作戦]]レベル、[[w:戦術\|戦術]]レベルのものに区分される。戦略級の兵站基地は[[w:生産\|生産]]・[[w:交通\|交通]]の要所に平時から設置される戦略兵站基地であり、作戦的には[[w:方面隊\|方面隊]]が作戦区域内に設置する兵站基地は方面兵站基地となり、状況に応じて戦術的に設置される方面前進兵站基地と分けることができる。また別の分類としては兵站基地は兵站地区司令部や兵站衛生諸機関、その関連機関などが併設される兵站主地、通常は兵站地区司令部や出張所と併設される兵站地、前線の作戦部隊に対して最寄の兵站基地である兵站末地（terminal point of line of communications）と区分される場合もある。 ==== 情報と備蓄管理 ==== 必要とされている部隊に必要な物資を無駄なく供給するためには合理的な情報管理が必要である。交戦中においては敵の作戦行動による不確実性を考慮する必要があり、安定的な兵站線の確保はより高度な課題となる。知られていたり予測されている物流計画は格好の攻撃対象であり、物流計画は重要な軍事機密であり漏洩は防がなければならない。備蓄管理は補給活動を効率的に行なうために必須であり、21世紀現在の大規模な近代型軍隊では[[w:情報技術\|IT\|]]によるデジタル情報ネットワークによってできるだけ無駄を省いた補給を行なっている。軍事分野だけでなく企業活動においても[[w:ロジスティクス\|ロジスティクス]]での効率化の要は20世紀末の電子情報技術の利用であり、戦闘部隊の兵士や企業顧客が求めた物品がどこを輸送中であるかがいつでも明らとされ、無数のコンテナの中身が中身を調べなくとも電子コードによって瞬時に判明するようになっている<ref>1991年からの[[w:湾岸戦争\|]]では米軍は総計40,000個のコンテナを湾岸地域へ送り、港では中身の判らない半数ほどのコンテナを開封して中身を確認してから陸上の補給線へと送り出していた。このため終戦時に約8,000個のコンテナが中身の判らない未開封の状態で港に留め置かれていた。前線部隊は求めた兵器等がいつ届くのか判らなかったために2度、3度と同じ注文を出して補給能力を圧迫し続け、結局12億ドルの余分な経費と100日分の余分な日数、100万トン分の余分な物資輸送が発生した。12年後の[[w:イラク戦争\|]]ではコンテナごとにRFタグが付けられていたため、求めた装備等の位置が前線部隊からも明らかとなって重複注文は無くなり、また、輸送部隊が攻撃を受けてもその位置が電子的に追跡されていたので援軍が容易に送られ、失われた荷物はまだ保有分に余裕のある他部隊向けのものが振り向けられるなどの処理が行なわれた。ただ、当時はコンテナから取り出されればRFタグでの追跡が行なえなかったので、アメリカ軍では荷物毎にRFタグを付けるように改善が進められている</ref>。前線や各兵站堡からの注文の受領を行い、[[w:オペレーションズ・リサーチ\|オペレーションズ・リサーチ]]など数学的手法を用いて各補給線ごとの運搬能力を最適化した運用計画や需要予測を立案する。物流計画は軍事・民生ともにおいて重要な内部情報であり、敵や競合会社に漏洩することは致命的な結果を招く可能性がある。補給すべき物資の質と量は各部隊ごとに異なっている。兵站線に対する攻撃に対処するためにも情報は重要となる。地形･地図情報や周辺領域や住民、[[w:ゲリラ\|ゲリラ]]活動の有無などの情報収集も重要である。 === 輸送 === 輸送（Transportation）とはある地点から別の地点へと何かを移動させることであり、作戦上に必要な部隊や物資を適時適所に位置させることである。輸送は兵站の基本的な機能の一つであり、迅速性と安全性を両立させ、限りある陸海空路の輸送手段を各種総合的に使用することが重要となる。しかし、輸送を行う上では自然環境や敵による妨害、すなわち摩擦が障害となる。兵站学では輸送は敵の攻撃や気象状況の変化などを想定し、計画に融通性を備え、必要な警戒や防護を準備する。 ==== 後方連絡線 ==== 「必要なものを」「必要な時に」「必要な量を」「必要な場所に」は[[w:ロジスティクス\|ロジスティクス]]の要諦であり、兵站任務を円滑に遂行する作戦地域と兵站基地との交通上のつながりを維持するために数理的、物性的、情報的な処理が求められる。これが[[w:後方連絡線\|後方連絡線]]または背後連絡線（LOC）であり、これは複数の兵站基地とそれらを相互に接続する[[w:道路\|道路]]、[[w:鉄道\|鉄道路]]、[[w:水路\|水路]]、海路、[[w:航空路\|航空路]]で構成される。後方連絡線は、輸送機能を発揮するための最重要要素である。後方連絡線が兵站基地同士を接続するものであることから、輸送には、階梯に応じた区分が行なわれる。戦略兵站基地同士の輸送については'''戦略輸送'''、作戦兵站基地に対する輸送を'''作戦輸送'''、戦術兵站基地に対する輸送を'''戦術輸送'''と称する。これらはそれぞれ、その特性にあわせた輸送手段を選択される。 ==== 輸送手段 ==== 上述のとおり、後方連絡線は道路、鉄道路、水路、海路、航空路によって構成される。兵站学上、これらは次のような特性を有する。 ; 道路 : [[w:トラック\|トラック]]による輸送であり、主として軽装備の戦術・作戦輸送に使用される。NATOのドクトリンにおいては、他の交通網が整備されている場合、道路での輸送距離は500キロメートルまでとし、輸送対象は軽装備（兵員を含む）とされている。 ; 鉄道路 : 主として重装備の作戦・戦略輸送に使用される。NATOのドクトリンにおいては、内陸において、装甲車両など重装備を500キロメートル以上輸送する場合は、70パーセントを鉄道で移動させることとされている。 ; 海路 : 主として重装備の作戦・戦略輸送に使用される。基本的に、1[[トン数#容積トン数\|総トン（GT）]]がドライな軍需貨物1トンに等しいとされており、上記のとおりの装備を施した1個師団を移動させる際には25万総トンが必要となる。また、この師団の補給所要を満たすためには、さらに5万総トン/月が必要となる。 ; 空路 :; 固定翼機 :: 主として軽装備の輸送に使用される。NATOのドクトリンにおいては、兵員を含む軽装備を500キロメートル以上輸送する場合は、航空機による輸送を行なうこととされている。機体規模と航続距離に応じて戦略輸送機と戦術輸送機があり、それぞれの用途に充当される。戦略輸送機には戦車などの重装備を輸送可能な機体もあり、実戦部隊の戦術機動に投入されることもあるが、後方補給線上で重装備の空輸が行なわれることは稀である。また、コンテナやパレットに搭載できる大きさの貨物であれば、徴用された民間輸送機を使用することもできる。民間機は蛮用に耐えがたいため、通常、作戦・戦略輸送に投入される。 :: 固定翼機による輸送は、小規模の即応兵力の緊急輸送に適する。例えば、兵員900名、重迫撃砲 18門（弾薬90トン）、対戦車ミサイル発射機 60基（ミサイル 1000発）を備えた軽歩兵大隊の場合、当座の補給品を含めても、大型の民間輸送機20機で輸送できる。 :; 回転翼機 :: 主として軽装備の戦術輸送に使用される。ただしその特性上、兵站輸送よりは実戦部隊の戦術機動に用いられる場合が多い。 == 演習問題 == #軍事史における事例を挙げて兵站の重要性を説明せよ。 #30万人の陸軍部隊を動員して一ヶ月ほど時間を要する陸上作戦を実施するのに必要な物資は最低でもどの程度になるのか概算してこれを準備するために必要な諸政策を提言せよ。 == 脚注 == <references/> [[カテゴリ:軍事学]]	null	2022-11-22T17:27:05Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E8%BB%8D%E4%BA%8B%E5%85%A5%E9%96%80/%E5%85%B5%E7%AB%99%E3%81%AE%E6%84%8F%E7%BE%A9%E3%81%A8%E6%A6%82%E7%AE%97
7,883	軍事入門/兵器の仕組み	本章では兵器学の内容にふれ、以後の学習の参考とする。火器とは射撃を実施するための武器の一種である。それぞれの発射の原理は概ね同一である。一端のみが開放された筒の中に銃弾と火薬を挿入し、火薬を燃焼させてそのガス圧で銃弾を高速で筒の外へ押し出す。これがあらゆる銃器の基本的な原理である。現代の火器では火薬と弾丸を装填する以前にまとめておくために火薬と弾丸を薬莢にまとめてこれを実包とし、射撃を終えた後に残る空の薬莢だけを銃器から排出する機構が一般的に採用されている。射撃の際には火器の中の薬室に実包を装填し、そこで火薬を急速に燃焼させて瞬間的に高圧ガスを得て、この圧力で銃弾を発射し、銃弾は銃身の中で銃腔で回転運動をかけて弾道を安定化させる。発射用の火薬は燃焼する速度と得られるガス圧をコントロールする為に粒の形状や薬剤の配合が工夫されており、衝撃波によって破壊を伴う「爆発」とは次元の異なる物である事に注意が必要である。射撃された弾丸は小銃の場合、毎秒約800メートルの初速、約450メートル地点では毎秒約500メートルの弾丸速度で飛翔する。弾道は基本的に初速は高速であるために直線的であるが、目標が長距離である場合は弾道が空気抵抗などによってある程度の落下角度を持って飛翔する。さらに射撃の際の衝撃で銃身がやや上に跳ね上がるため、しばしば照準はやや下方に修正されなければならない。弾丸が命中すれば目標物を貫徹し、またはその組織を破壊する効果を発揮する。この効果は目標物との距離によって変化する。爆薬とは熱や衝撃によって急激な燃焼という化学反応を示す爆発物である。これは低性能爆薬と高性能爆薬に大別できる。低性能爆薬は起爆させると燃焼してガスが膨張する爆薬であり、推進・発射薬で使用される。有名な低性能爆薬には黒色火薬がある。これは導火線の芯としても使用されており、起爆すると時間をかけて燃焼する。一方で高性能爆薬とは起爆と同時にガス化し、それに伴う絶大な衝撃力で目標物を破壊することができる爆薬である。ただし低性能爆薬と違って起爆させるには火をつけるのではなく、小規模の爆発が必要である。有名な高性能爆薬としてはプラスチック爆弾が挙げられる。これは形を自由に変形することが可能である。また板状のTNT爆薬も高性能爆薬であり、世界中で使用されている爆薬の一つである。小銃は現代の歩兵の主要な武器である。これは比較的に長い銃身を備えて右手で銃把、左手で被筒部の後端を握って構える。現代の小銃はその多くが自動的に射撃時に次の実包が装填される構造になった自動小銃となっており、さらに発射の方式を単発と連発に切り替えることが出来る突撃銃でもある。この自動装填は射撃時に生じるガス圧で弾丸を飛翔させると同時にそのガス圧を利用して遊底という部品を後方へ動かし、その動作で薬室を覆ったスライドを後部に押して露出した薬室に残った薬莢を外部へ排出する。そしてバネの力で元の位置に戻ろうとする遊底の動作によってスライドで薬室を閉鎖しながら次弾を装填する機構になっている。小銃に装填できる弾丸数及び弾丸の種類は銃によって異なるが、世界的に有名なソ連製のAK-47という自動小銃では口径が7.62ミリの銃弾を30発装弾できる。また米国製M16という銃では5.56ミリの銃弾を20発または30発装弾することが出来る。また格闘を想定してこのような突撃銃の先端には銃剣が装着することが出来るように設計されており、歩兵が敵と肉薄した格闘戦を行う場合に打撃や刺突の武器としても利用できるようになっている。手榴弾は現代の歩兵の装備の一種であり、投擲することが出来る小型の爆弾である。手榴弾は通常の爆風や破片で敵を殺傷する手榴弾と、発煙や催涙、焼夷効果がある特殊な手榴弾に大別される。通常の手榴弾には高性能爆薬が詰まっており、使う場合は手榴弾に付いている安全ピンを外して投擲するとハンドルがはずれ、撃針が撃発信管を打つ。すると4秒から5秒で手榴弾は爆発する。これは遮蔽物に位置する敵を殺傷するために使用される武器であり、複雑な地形であればあるほどに活用できる機会も多くなる。例えば市街戦において建築物内の部屋に潜んでいると思われる場合、手榴弾を投げ込んで室内を爆破してから突入すると敵に待ち伏せされる危険を犯さずにすむ。火砲とは歩兵部隊などの行動を支援するために遠距離からでも弾丸を射撃して敵を殺傷・征圧することが出来る比較的大きな火器である。このような支援射撃が可能な火器があれば地上部隊の火力は大いに高まり、作戦能力を向上させることができる。ここでは火砲の一種である迫撃砲を取り上げる。迫撃砲は火砲の中でも比較的近距離である100メートルから3000メートルまでの射程を持つ火砲であり、間接照準射撃に用いる。ただし迫撃砲にも重迫撃砲など種類があり、性能も同一ではない。迫撃砲は砲弾を射出する砲身、目標に照準するための照準具、砲身の前部を支える二脚、砲身の後部から射撃の衝撃を抑える床板、砲身の角度を左右に調整する左右ハンドル、砲身の角度を上下に調整する高低ハンドルから成る。また迫撃砲弾は炸薬に点火する信管、炸薬を充填した弾体、射程を延ばすための増強装薬、弾道を安定化する尾翼、発射薬に点火する撃発雷管から成る。発射された迫撃砲弾は曲線の弾道を描いて敵の図上で炸裂し、60ミリの砲弾であれば20メートル半径の範囲を殺傷する。大口径の火砲は後部から弾薬を装填する後装式であるが、迫撃砲は比較的小型であるため砲口から装弾する前装式のものが多い。発射する場合、目標の位置と距離を算出し、気候や天気、地勢を考慮して弾道を微調整する。射撃を開始すれば弾着の状況や観測員や友軍の通信によって弾道を再び調整し、射撃を行う。 NBC兵器とは核兵器、生物兵器、化学兵器であり、これらは通常兵器とは異なる殺傷原理を用いている。どれも通常兵器にはない殺傷・無力化効果が得られる兵器であり、その規模も通常兵器にない大規模なものもある。そのために現在ではこれらの兵器の多くは国際法などによって規制されているが、兵器が使用される可能性は残されている限り、これら兵器の効果と対策についての知識は必要である。核兵器は原子核の核分裂や核融合の連鎖反応によって生じる原子力エネルギーを利用した兵器であり、通常兵器にはない巨大な爆破効果が得られる。例えば1945年に日本の広島に投下されたリトルボーイという原子爆弾は、TNT火薬に換算して15キロトンのTNT火薬ほどのエネルギーで広島を爆風と熱線で焼き払い、さらに放射性物質を撒き散らした。核兵器の放射線はともかく、爆風や熱線に対する対策としては避難所などに退避する手段がある。ただしこの方法では適切な警報が必要となる。生物兵器は病原微生物などを用いて敵を殺害・無力化する兵器であり、細菌やウイルスは感染して効果が拡大していく。生物兵器の特徴は使用してから効果が表れるまで時間差があること、また細菌の感染力を活用すると小規模な分量で多数の敵を殺傷・無力化することが可能になりうるということ、製造が核兵器と比べて容易であること、などである。化学兵器は敵を殺傷・無力化することを目的とした化学物質を散布する兵器であり、毒ガスや窒息性ガスを砲弾などで散布する。これらBC兵器の対策としては防護服を着用することがある。完全に身体を外界と遮断することによって汚染地域でも行動することが出来るようになる。しかし防護服を着用した常態での戦闘行動には別に特別な訓練を受ける必要がある。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "本章では兵器学の内容にふれ、以後の学習の参考とする。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "火器とは射撃を実施するための武器の一種である。", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "それぞれの発射の原理は概ね同一である。一端のみが開放された筒の中に銃弾と火薬を挿入し、火薬を燃焼させてそのガス圧で銃弾を高速で筒の外へ押し出す。これがあらゆる銃器の基本的な原理である。現代の火器では火薬と弾丸を装填する以前にまとめておくために火薬と弾丸を薬莢にまとめてこれを実包とし、射撃を終えた後に残る空の薬莢だけを銃器から排出する機構が一般的に採用されている。射撃の際には火器の中の薬室に実包を装填し、そこで火薬を急速に燃焼させて瞬間的に高圧ガスを得て、この圧力で銃弾を発射し、銃弾は銃身の中で銃腔で回転運動をかけて弾道を安定化させる。発射用の火薬は燃焼する速度と得られるガス圧をコントロールする為に粒の形状や薬剤の配合が工夫されており、衝撃波によって破壊を伴う「爆発」とは次元の異なる物である事に注意が必要である。", "title": "" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "射撃された弾丸は小銃の場合、毎秒約800メートルの初速、約450メートル地点では毎秒約500メートルの弾丸速度で飛翔する。弾道は基本的に初速は高速であるために直線的であるが、目標が長距離である場合は弾道が空気抵抗などによってある程度の落下角度を持って飛翔する。さらに射撃の際の衝撃で銃身がやや上に跳ね上がるため、しばしば照準はやや下方に修正されなければならない。", "title": "" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "弾丸が命中すれば目標物を貫徹し、またはその組織を破壊する効果を発揮する。この効果は目標物との距離によって変化する。", "title": "" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "爆薬とは熱や衝撃によって急激な燃焼という化学反応を示す爆発物である。これは低性能爆薬と高性能爆薬に大別できる。", "title": "" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": 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"核兵器は原子核の核分裂や核融合の連鎖反応によって生じる原子力エネルギーを利用した兵器であり、通常兵器にはない巨大な爆破効果が得られる。例えば1945年に日本の広島に投下されたリトルボーイという原子爆弾は、TNT火薬に換算して15キロトンのTNT火薬ほどのエネルギーで広島を爆風と熱線で焼き払い、さらに放射性物質を撒き散らした。核兵器の放射線はともかく、爆風や熱線に対する対策としては避難所などに退避する手段がある。ただしこの方法では適切な警報が必要となる。", "title": "" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "生物兵器は病原微生物などを用いて敵を殺害・無力化する兵器であり、細菌やウイルスは感染して効果が拡大していく。生物兵器の特徴は使用してから効果が表れるまで時間差があること、また細菌の感染力を活用すると小規模な分量で多数の敵を殺傷・無力化することが可能になりうるということ、製造が核兵器と比べて容易であること、などである。化学兵器は敵を殺傷・無力化することを目的とした化学物質を散布する兵器であり、毒ガスや窒息性ガスを砲弾などで散布する。これらBC兵器の対策としては防護服を着用することがある。完全に身体を外界と遮断することによって汚染地域でも行動することが出来るようになる。しかし防護服を着用した常態での戦闘行動には別に特別な訓練を受ける必要がある。", "title": "" } ]	本章では兵器学の内容にふれ、以後の学習の参考とする。	本章では兵器学の内容にふれ、以後の学習の参考とする。 === 火器と弾道の原理 === 火器とは射撃を実施するための武器の一種である。それぞれの発射の原理は概ね同一である。一端のみが開放された筒の中に銃弾と火薬を挿入し、火薬を燃焼させてそのガス圧で銃弾を高速で筒の外へ押し出す。これがあらゆる銃器の基本的な原理である。現代の火器では火薬と弾丸を装填する以前にまとめておくために火薬と弾丸を薬莢にまとめてこれを実包とし、射撃を終えた後に残る空の薬莢だけを銃器から排出する機構が一般的に採用されている。射撃の際には火器の中の薬室に実包を装填し、そこで火薬を急速に燃焼させて瞬間的に高圧ガスを得て、この圧力で銃弾を発射し、銃弾は銃身の中で銃腔で回転運動をかけて弾道を安定化させる。発射用の火薬は燃焼する速度と得られるガス圧をコントロールする為に粒の形状や薬剤の配合が工夫されており、衝撃波によって破壊を伴う「爆発」とは次元の異なる物である事に注意が必要である。射撃された弾丸は小銃の場合、毎秒約800メートルの初速、約450メートル地点では毎秒約500メートルの弾丸速度で飛翔する。弾道は基本的に初速は高速であるために直線的であるが、目標が長距離である場合は弾道が空気抵抗などによってある程度の落下角度を持って飛翔する。さらに射撃の際の衝撃で銃身がやや上に跳ね上がるため、しばしば照準はやや下方に修正されなければならない。弾丸が命中すれば目標物を貫徹し、またはその組織を破壊する効果を発揮する。この効果は目標物との距離によって変化する。 === 爆薬と爆破の原理 === 爆薬とは熱や衝撃によって急激な燃焼という化学反応を示す爆発物である。これは低性能爆薬と高性能爆薬に大別できる。低性能爆薬は起爆させると燃焼してガスが膨張する爆薬であり、推進・発射薬で使用される。有名な低性能爆薬には黒色火薬がある。これは導火線の芯としても使用されており、起爆すると時間をかけて燃焼する。一方で高性能爆薬とは起爆と同時にガス化し、それに伴う絶大な衝撃力で目標物を破壊することができる爆薬である。ただし低性能爆薬と違って起爆させるには火をつけるのではなく、小規模の爆発が必要である。有名な高性能爆薬としてはプラスチック爆弾が挙げられる。これは形を自由に変形することが可能である。また板状のTNT爆薬も高性能爆薬であり、世界中で使用されている爆薬の一つである。 === 小銃の構造 === [[画像:Rifle AK MON.jpg\|thumb\|300px\|旧ソ連製のAK-47という突撃銃]] 小銃は現代の歩兵の主要な武器である。これは比較的に長い銃身を備えて右手で銃把、左手で被筒部の後端を握って構える。現代の小銃はその多くが自動的に射撃時に次の実包が装填される構造になった自動小銃となっており、さらに発射の方式を単発と連発に切り替えることが出来る突撃銃でもある。この自動装填は射撃時に生じるガス圧で弾丸を飛翔させると同時にそのガス圧を利用して遊底という部品を後方へ動かし、その動作で薬室を覆ったスライドを後部に押して露出した薬室に残った薬莢を外部へ排出する。そしてバネの力で元の位置に戻ろうとする遊底の動作によってスライドで薬室を閉鎖しながら次弾を装填する機構になっている。小銃に装填できる弾丸数及び弾丸の種類は銃によって異なるが、世界的に有名なソ連製のAK-47という自動小銃では口径が7.62ミリの銃弾を30発装弾できる。また米国製M16という銃では5.56ミリの銃弾を20発または30発装弾することが出来る。また格闘を想定してこのような突撃銃の先端には銃剣が装着することが出来るように設計されており、歩兵が敵と肉薄した格闘戦を行う場合に打撃や刺突の武器としても利用できるようになっている。 === 手榴弾の構造 === [[Image:MK2 grenade DoD.jpg\|100px\|right\|thumb\|ベトナム戦争で用いられたMk-2という手榴弾。]] 手榴弾は現代の歩兵の装備の一種であり、投擲することが出来る小型の爆弾である。手榴弾は通常の爆風や破片で敵を殺傷する手榴弾と、発煙や催涙、焼夷効果がある特殊な手榴弾に大別される。通常の手榴弾には高性能爆薬が詰まっており、使う場合は手榴弾に付いている安全ピンを外して投擲するとハンドルがはずれ、撃針が撃発信管を打つ。すると4秒から5秒で手榴弾は爆発する。これは遮蔽物に位置する敵を殺傷するために使用される武器であり、複雑な地形であればあるほどに活用できる機会も多くなる。例えば市街戦において建築物内の部屋に潜んでいると思われる場合、手榴弾を投げ込んで室内を爆破してから突入すると敵に待ち伏せされる危険を犯さずにすむ。 === 火砲の構造 === [[Image:Soldier firing M224 60mm mortar.jpg\|thumb\|right\|200px\|米陸軍のM224という口径60mmの迫撃砲。]] 火砲とは歩兵部隊などの行動を支援するために遠距離からでも弾丸を射撃して敵を殺傷・征圧することが出来る比較的大きな火器である。このような支援射撃が可能な火器があれば地上部隊の火力は大いに高まり、作戦能力を向上させることができる。ここでは火砲の一種である迫撃砲を取り上げる。迫撃砲は火砲の中でも比較的近距離である100メートルから3000メートルまでの射程を持つ火砲であり、間接照準射撃に用いる。ただし迫撃砲にも重迫撃砲など種類があり、性能も同一ではない。迫撃砲は砲弾を射出する砲身、目標に照準するための照準具、砲身の前部を支える二脚、砲身の後部から射撃の衝撃を抑える床板、砲身の角度を左右に調整する左右ハンドル、砲身の角度を上下に調整する高低ハンドルから成る。また迫撃砲弾は炸薬に点火する信管、炸薬を充填した弾体、射程を延ばすための増強装薬、弾道を安定化する尾翼、発射薬に点火する撃発雷管から成る。発射された迫撃砲弾は曲線の弾道を描いて敵の図上で炸裂し、60ミリの砲弾であれば20メートル半径の範囲を殺傷する。大口径の火砲は後部から弾薬を装填する後装式であるが、迫撃砲は比較的小型であるため砲口から装弾する前装式のものが多い。発射する場合、目標の位置と距離を算出し、気候や天気、地勢を考慮して弾道を微調整する。射撃を開始すれば弾着の状況や観測員や友軍の通信によって弾道を再び調整し、射撃を行う。 === NBC兵器の原理 === [[Image:Nagasakibomb.jpg\|thumbnail\|right\|200px\|1945年8月に日本に対して使用された核兵器は絶大な威力で広島と長崎の二都市を壊滅した]] NBC兵器とは核兵器、生物兵器、化学兵器であり、これらは通常兵器とは異なる殺傷原理を用いている。どれも通常兵器にはない殺傷・無力化効果が得られる兵器であり、その規模も通常兵器にない大規模なものもある。そのために現在ではこれらの兵器の多くは国際法などによって規制されているが、兵器が使用される可能性は残されている限り、これら兵器の効果と対策についての知識は必要である。核兵器は原子核の核分裂や核融合の連鎖反応によって生じる原子力エネルギーを利用した兵器であり、通常兵器にはない巨大な爆破効果が得られる。例えば1945年に日本の広島に投下されたリトルボーイという原子爆弾は、TNT火薬に換算して15キロトンのTNT火薬ほどのエネルギーで広島を爆風と熱線で焼き払い、さらに放射性物質を撒き散らした。核兵器の放射線はともかく、爆風や熱線に対する対策としては避難所などに退避する手段がある。ただしこの方法では適切な警報が必要となる。生物兵器は病原微生物などを用いて敵を殺害・無力化する兵器であり、細菌やウイルスは感染して効果が拡大していく。生物兵器の特徴は使用してから効果が表れるまで時間差があること、また細菌の感染力を活用すると小規模な分量で多数の敵を殺傷・無力化することが可能になりうるということ、製造が核兵器と比べて容易であること、などである。化学兵器は敵を殺傷・無力化することを目的とした化学物質を散布する兵器であり、毒ガスや窒息性ガスを砲弾などで散布する。これらBC兵器の対策としては防護服を着用することがある。完全に身体を外界と遮断することによって汚染地域でも行動することが出来るようになる。しかし防護服を着用した常態での戦闘行動には別に特別な訓練を受ける必要がある。 === 演習問題 === #銃の自動装填の機構について説明せよ。 #小銃の整備不良によって薬室が完全に密閉されていない場合に考えられる銃の機能不全について述べよ。 #敵の重迫撃砲を発見してこれを直ちに機能不能にしたい場合、どのような方法が考えられるかを述べよ。 #核兵器が使用される恐れがある場合にはどのような装備や準備が必要か述べよ。 #生物化学兵器への対策に必要な装備や準備を述べよ。 [[カテゴリ:軍事学]]	2008-02-05T10:52:18Z	2023-10-24T16:14:57Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E8%BB%8D%E4%BA%8B%E5%85%A5%E9%96%80/%E5%85%B5%E5%99%A8%E3%81%AE%E4%BB%95%E7%B5%84%E3%81%BF
7,884	会社法第860条	法学>民事法>商法>コンメンタール会社法>第7編雑則 (コンメンタール会社法) (w:持分会社の業務を執行する社員の業務執行権又は代表権の消滅の訴え)	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "法学>民事法>商法>コンメンタール会社法>第7編雑則 (コンメンタール会社法)", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "(w:持分会社の業務を執行する社員の業務執行権又は代表権の消滅の訴え)", "title": "条文" } ]	法学＞民事法＞商法＞コンメンタール会社法＞第7編雑則 (コンメンタール会社法)	[[法学]]＞[[民事法]]＞[[商法]]＞[[コンメンタール会社法]]＞[[第7編雑則 (コンメンタール会社法)]] ==条文== （[[w:持分会社]]の業務を執行する社員の業務執行権又は代表権の消滅の訴え） ;第860条 :持分会社の業務を執行する社員（以下この条及び[[会社法第861条\|次条]]第二号において「対象業務執行社員」という。）について次に掲げる事由があるときは、当該持分会社は、対象業務執行社員以外の社員の過半数の決議に基づき、訴えをもって対象業務執行社員の業務を執行する権利又は代表権の消滅を請求することができる。 ::一　[[会社法第859条\|前条]]各号に掲げる事由があるとき。 ::二　持分会社の業務を執行し、又は持分会社を代表することに著しく不適任なとき。 ==解説== ==関連条文== ---- {{前後 \|[[コンメンタール会社法\|会社法]] \|[[第7編雑則 (コンメンタール会社法)\|第7編雑則]]<br> [[第7編雑則 (コンメンタール会社法)#2\|第2章訴訟]]<br> [[第7編雑則 (コンメンタール会社法)#2-5\|第5節持分会社の社員の除名の訴え等]] \|[[会社法第859条]]<br>（持分会社の社員の除名の訴え） \|[[会社法第861条]]<br>（被告） }} {{stub}} [[category:会社法\|860]]	null	2022-06-03T10:56:41Z	[ "テンプレート:前後", "テンプレート:Stub" ]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E6%B3%95%E7%AC%AC860%E6%9D%A1
7,885	会社法第859条	法学>民事法>商法>コンメンタール会社法>第7編雑則 (コンメンタール会社法) (w:持分会社の社員の除名の訴え)	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "法学>民事法>商法>コンメンタール会社法>第7編雑則 (コンメンタール会社法)", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "(w:持分会社の社員の除名の訴え)", "title": "条文" } ]	法学＞民事法＞商法＞コンメンタール会社法＞第7編雑則 (コンメンタール会社法)	[[法学]]＞[[民事法]]＞[[商法]]＞[[コンメンタール会社法]]＞[[第7編雑則 (コンメンタール会社法)]] ==条文== （[[w:持分会社]]の社員の除名の訴え） ;第859条 :持分会社の社員（以下この条及び[[会社法第861条\|第861条]]第一号において「対象社員」という。）について次に掲げる事由があるときは、当該持分会社は、対象社員以外の社員の過半数の決議に基づき、訴えをもって対象社員の除名を請求することができる。 ::一　出資の義務を履行しないこと。 ::二　[[会社法第594条\|第594条]]第1項（[[会社法第598条\|第598条]]第2項において準用する場合を含む。）の規定に違反したこと。 ::三　業務を執行するに当たって不正の行為をし、又は業務を執行する権利がないのに業務の執行に関与したこと。 ::四　持分会社を代表するに当たって不正の行為をし、又は代表権がないのに持分会社を代表して行為をしたこと。 ::五　前各号に掲げるもののほか、重要な義務を尽くさないこと。 ==解説== 会社法第861条（被告）会社法第594条（競業の禁止） *会社法第598条（法人が業務を執行する社員である場合の特則） ---- {{前後 \|[[コンメンタール会社法\|会社法]] \|[[第7編雑則 (コンメンタール会社法)\|第7編雑則]]<br> [[第7編雑則 (コンメンタール会社法)#2\|第2章訴訟]]<br> [[第7編雑則 (コンメンタール会社法)#2-5\|第5節持分会社の社員の除名の訴え等]] \|[[会社法第858条]]<br>（役員等責任査定決定に対する異議の訴え） \|[[会社法第860条]]<br>（持分会社の業務を執行する社員の業務執行権又は代表権の消滅の訴え） }} {{stub}} [[category:会社法\|859]]	null	2022-06-03T10:55:58Z	[ "テンプレート:前後", "テンプレート:Stub" ]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E6%B3%95%E7%AC%AC859%E6%9D%A1
7,886	会社法第861条	法学>民事法>商法>コンメンタール会社法>第7編雑則 (コンメンタール会社法) (被告)	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "法学>民事法>商法>コンメンタール会社法>第7編雑則 (コンメンタール会社法)", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "(被告)", "title": "条文" } ]	法学＞民事法＞商法＞コンメンタール会社法＞第7編雑則 (コンメンタール会社法)	[[法学]]＞[[民事法]]＞[[商法]]＞[[コンメンタール会社法]]＞[[第7編雑則 (コンメンタール会社法)]] ==条文== （被告） ;第861条 :次の各号に掲げる訴えについては、当該各号に定める者を被告とする。 ::一　[[会社法第859条\|第859条]]の訴え（[[会社法第862条\|次条]]及び[[会社法第937条\|第937条]]第1項第一号ルにおいて「持分会社の社員の除名の訴え」という。）　対象社員 ::二　[[会社法第860条\|前条]]の訴え（次条及び第937条第1項第一号ヲにおいて「持分会社の業務を執行する社員の業務執行権又は代表権の消滅の訴え」という。）　対象業務執行社員 ==解説== ==関連条文== ---- {{前後 \|[[コンメンタール会社法\|会社法]] \|[[第7編雑則 (コンメンタール会社法)\|第7編雑則]]<br> [[第7編雑則 (コンメンタール会社法)#2\|第2章訴訟]]<br> [[第7編雑則 (コンメンタール会社法)#2-5\|第5節持分会社の社員の除名の訴え等]] \|[[会社法第860条]]<br>（持分会社の業務を執行する社員の業務執行権又は代表権の消滅の訴え） \|[[会社法第862条]]<br>（訴えの管轄） }} {{stub}} [[category:会社法\|861]]	null	2022-06-03T10:57:15Z	[ "テンプレート:前後", "テンプレート:Stub" ]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E6%B3%95%E7%AC%AC861%E6%9D%A1
7,887	軍事学概論/はじめに	軍事学は戦争についての全般的な事柄、すなわち軍事を研究する学問である。その意義は戦争が国民の生存と国家の存亡に関する重大な事件であるからであることに他ならない。戦争を忌避して平和を希求することは世界の永遠の願いである。しかしながら有史以来に世界史に記録されている戦争が1万5千回以上であると推定され、また第二次世界大戦から1990年までの現代においても150回以上の戦争が勃発し、全世界が平和になったのは3週間だけであったことという事実を忘れてはならない。すなわち「平和が常態であり、戦争は異常である」という考え方は必ずしも正しくないのであり、ここに戦争についての認識をより深める必要性が認められるのだ。そしてこれは古代ローマの軍事学者ヴェゲティウスが「平和を欲するならば戦争を学べ」と言い残しているように理性的な平和主義の精神にも通じるものである。さらに国家を指導する場合からも、国際関係における様々な軍事的な問題や軍事的な合理性を理解することは、平時において外敵に対しては自国民の生命と財産を破壊や略奪から守る安全保障政策を効率的に遂行する上で不可欠であり、また戦時においても戦争指導を行うための手段を得るために極めて重要であると考えられる。これは古代中国の軍事学者孫子が「兵は国家の大事なり。死生の地、存亡の道、察せざるべからずなり」と述べ、また近世プロシアの軍事学者クラウゼヴィッツが「戦争とは政治とは異なる手段を以てする政治の継続」という命題でも述べている通りであって、戦争は国家の存亡を左右する重大事件であり、また戦争の本質は政治にあり、ゆえに戦争の勝敗の責任は一概に軍人だけでなく、国家指導者である政治家にも存在するからである。軍事学には戦争哲学と軍事科学に大きくその内容が二分しており、概ね軍事科学を軍事学と呼称する。そして軍事科学はさらに自然科学的な領域と社会科学的な領域に大別される。自然科学に関連する軍事研究の領域は主に軍事地理や軍事技術に関する領域であり、軍事工学や作戦研究、軍事地理学などが挙げられる。社会科学的に関連する軍事研究の領域としては、安全保障学や戦略学、戦術学などが挙げられる。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "軍事学は戦争についての全般的な事柄、すなわち軍事を研究する学問である。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "その意義は戦争が国民の生存と国家の存亡に関する重大な事件であるからであることに他ならない。戦争を忌避して平和を希求することは世界の永遠の願いである。しかしながら有史以来に世界史に記録されている戦争が1万5千回以上であると推定され、また第二次世界大戦から1990年までの現代においても150回以上の戦争が勃発し、全世界が平和になったのは3週間だけであったことという事実を忘れてはならない。すなわち「平和が常態であり、戦争は異常である」という考え方は必ずしも正しくないのであり、ここに戦争についての認識をより深める必要性が認められるのだ。そしてこれは古代ローマの軍事学者ヴェゲティウスが「平和を欲するならば戦争を学べ」と言い残しているように理性的な平和主義の精神にも通じるものである。", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "さらに国家を指導する場合からも、国際関係における様々な軍事的な問題や軍事的な合理性を理解することは、平時において外敵に対しては自国民の生命と財産を破壊や略奪から守る安全保障政策を効率的に遂行する上で不可欠であり、また戦時においても戦争指導を行うための手段を得るために極めて重要であると考えられる。これは古代中国の軍事学者孫子が「兵は国家の大事なり。死生の地、存亡の道、察せざるべからずなり」と述べ、また近世プロシアの軍事学者クラウゼヴィッツが「戦争とは政治とは異なる手段を以てする政治の継続」という命題でも述べている通りであって、戦争は国家の存亡を左右する重大事件であり、また戦争の本質は政治にあり、ゆえに戦争の勝敗の責任は一概に軍人だけでなく、国家指導者である政治家にも存在するからである。", "title": "" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "軍事学には戦争哲学と軍事科学に大きくその内容が二分しており、概ね軍事科学を軍事学と呼称する。そして軍事科学はさらに自然科学的な領域と社会科学的な領域に大別される。自然科学に関連する軍事研究の領域は主に軍事地理や軍事技術に関する領域であり、軍事工学や作戦研究、軍事地理学などが挙げられる。社会科学的に関連する軍事研究の領域としては、安全保障学や戦略学、戦術学などが挙げられる。", "title": "" } ]	軍事学は戦争についての全般的な事柄、すなわち軍事を研究する学問である。その意義は戦争が国民の生存と国家の存亡に関する重大な事件であるからであることに他ならない。戦争を忌避して平和を希求することは世界の永遠の願いである。しかしながら有史以来に世界史に記録されている戦争が1万5千回以上であると推定され、また第二次世界大戦から1990年までの現代においても150回以上の戦争が勃発し、全世界が平和になったのは3週間だけであったことという事実を忘れてはならない。すなわち「平和が常態であり、戦争は異常である」という考え方は必ずしも正しくないのであり、ここに戦争についての認識をより深める必要性が認められるのだ。そしてこれは古代ローマの軍事学者ヴェゲティウスが「平和を欲するならば戦争を学べ」と言い残しているように理性的な平和主義の精神にも通じるものである。さらに国家を指導する場合からも、国際関係における様々な軍事的な問題や軍事的な合理性を理解することは、平時において外敵に対しては自国民の生命と財産を破壊や略奪から守る安全保障政策を効率的に遂行する上で不可欠であり、また戦時においても戦争指導を行うための手段を得るために極めて重要であると考えられる。これは古代中国の軍事学者孫子が「兵は国家の大事なり。死生の地、存亡の道、察せざるべからずなり」と述べ、また近世プロシアの軍事学者クラウゼヴィッツが「戦争とは政治とは異なる手段を以てする政治の継続」という命題でも述べている通りであって、戦争は国家の存亡を左右する重大事件であり、また戦争の本質は政治にあり、ゆえに戦争の勝敗の責任は一概に軍人だけでなく、国家指導者である政治家にも存在するからである。軍事学には戦争哲学と軍事科学に大きくその内容が二分しており、概ね軍事科学を軍事学と呼称する。そして軍事科学はさらに自然科学的な領域と社会科学的な領域に大別される。自然科学に関連する軍事研究の領域は主に軍事地理や軍事技術に関する領域であり、軍事工学や作戦研究、軍事地理学などが挙げられる。社会科学的に関連する軍事研究の領域としては、安全保障学や戦略学、戦術学などが挙げられる。	軍事学は戦争についての全般的な事柄、すなわち軍事を研究する学問である。その意義は戦争が国民の生存と国家の存亡に関する重大な事件であるからであることに他ならない。戦争を忌避して平和を希求することは世界の永遠の願いである。しかしながら有史以来に世界史に記録されている戦争が1万5千回以上であると推定され、また第二次世界大戦から1990年までの現代においても150回以上の戦争が勃発し、全世界が平和になったのは3週間だけであったことという事実を忘れてはならない。すなわち「平和が常態であり、戦争は異常である」という考え方は必ずしも正しくないのであり、ここに戦争についての認識をより深める必要性が認められるのだ。そしてこれは古代ローマの軍事学者ヴェゲティウスが「平和を欲するならば戦争を学べ」と言い残しているように理性的な平和主義の精神にも通じるものである。さらに国家を指導する場合からも、国際関係における様々な軍事的な問題や軍事的な合理性を理解することは、平時において外敵に対しては自国民の生命と財産を破壊や略奪から守る安全保障政策を効率的に遂行する上で不可欠であり、また戦時においても戦争指導を行うための手段を得るために極めて重要であると考えられる。これは古代中国の軍事学者孫子が「兵は国家の大事なり。死生の地、存亡の道、察せざるべからずなり」と述べ、また近世プロシアの軍事学者クラウゼヴィッツが「戦争とは政治とは異なる手段を以てする政治の継続」という命題でも述べている通りであって、戦争は国家の存亡を左右する重大事件であり、また戦争の本質は政治にあり、ゆえに戦争の勝敗の責任は一概に軍人だけでなく、国家指導者である政治家にも存在するからである。軍事学には[[戦争哲学]]と軍事科学に大きくその内容が二分しており、概ね軍事科学を軍事学と呼称する。そして軍事科学はさらに自然科学的な領域と社会科学的な領域に大別される。自然科学に関連する軍事研究の領域は主に軍事地理や軍事技術に関する領域であり、軍事工学や作戦研究、軍事地理学などが挙げられる。社会科学的に関連する軍事研究の領域としては、[[安全保障学]]や戦略学、[[戦術学]]などが挙げられる。 [[カテゴリ:軍事学]]	null	2022-11-22T17:28:29Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E8%BB%8D%E4%BA%8B%E5%AD%A6%E6%A6%82%E8%AB%96/%E3%81%AF%E3%81%98%E3%82%81%E3%81%AB
7,888	軍事学概論/戦争	戦争とは歴史において暴力を以って遂行される社会的な闘争である。軍事学において戦争とは常に中心となる主題である。戦争がどのような状態であり、何の法則に支配されているのかは、政策、戦略、戦術、兵站などに直接的に影響を及ぼす。本項目では軍事問題の文脈を形作っている戦争についての社会科学的な理解を促すことを狙っている。例えば「戦争とは何と定義することができるのか」、「戦争という社会現象にはどのような法則性があるのか」「戦争はどのように発生すると考えられているのか」、「戦争にはどのような分類がなされているのか」、「戦争理論を個々の戦史に適用すればどのように分析されるのか」などの問いを取り上げて、その問題に対してどのような学説が提示されているかを概観する。少なくとも戦争を理解するためには戦争の本質を構成している力学と法則、そして戦争の多様性を示す分類と戦史について着目する必要がある。記述の出発点として戦争の因果性や影響について論じる前に戦争の明確な概念化がなされなければならない。これまで戦争をどのように定義するのかについては少なくとも三つの方法が採られてきた。一つは戦争を哲学的な概念と関連させて把握する方法があり、この視角から戦争は記述的な概念とは限らず規範的な概念として捉えられている。次に軍事的な概念と関連させて定義するやり方があり、この立場では戦略理論との関係から戦争を位置づけている。そして政治的な概念との結びつきを念頭に置いて概念化する学説もあり、個人と国家の関係、または国際関係から戦争を理解することを試みている。以下では戦争の多面的な性質について着目し、その概念的構成について概説していく。現実の戦争の原因を単純な範疇に収斂させることはできない。地理的環境、競合的ナショナリズム、宗教的対立、資源の獲得競争、軍事的な勢力不均衡、不測事態などが複合して実際の戦争は発生する。この複雑な関係を理論化するために、いくつかの学説が提示されてきた。まず人間の性質を起点として戦争の発生を説明する諸学説がある。このような説明を試みる研究は古代ギリシアでの哲学的業績から現代における心理学的研究まで広範囲にわたっている。文化と関連させた説明は人類学的、宗教学的な側面から戦争の解明を試みるものであり、特に近代以前の戦争の形態を支配したさまざまな慣習は示唆的である。さらに人口、資源、資本などの概念を用いて経済学的な側面から説明を試みる学説もあり、近代社会の戦争について理解する上で重要な考察を含んでいる。戦争の政治学的な説明には国内政治と国際政治の視座があり、この領域の学説は戦略理論とも関係が深い。以下では順に主たる学説の要点を踏まえながら、戦争の原理についての基本事項を概観する。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "戦争とは歴史において暴力を以って遂行される社会的な闘争である。軍事学において戦争とは常に中心となる主題である。戦争がどのような状態であり、何の法則に支配されているのかは、政策、戦略、戦術、兵站などに直接的に影響を及ぼす。本項目では軍事問題の文脈を形作っている戦争についての社会科学的な理解を促すことを狙っている。例えば「戦争とは何と定義することができるのか」、「戦争という社会現象にはどのような法則性があるのか」「戦争はどのように発生すると考えられているのか」、「戦争にはどのような分類がなされているのか」、「戦争理論を個々の戦史に適用すればどのように分析されるのか」などの問いを取り上げて、その問題に対してどのような学説が提示されているかを概観する。少なくとも戦争を理解するためには戦争の本質を構成している力学と法則、そして戦争の多様性を示す分類と戦史について着目する必要がある。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "記述の出発点として戦争の因果性や影響について論じる前に戦争の明確な概念化がなされなければならない。これまで戦争をどのように定義するのかについては少なくとも三つの方法が採られてきた。一つは戦争を哲学的な概念と関連させて把握する方法があり、この視角から戦争は記述的な概念とは限らず規範的な概念として捉えられている。次に軍事的な概念と関連させて定義するやり方があり、この立場では戦略理論との関係から戦争を位置づけている。そして政治的な概念との結びつきを念頭に置いて概念化する学説もあり、個人と国家の関係、または国際関係から戦争を理解することを試みている。以下では戦争の多面的な性質について着目し、その概念的構成について概説していく。", "title": "戦争の概念" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "現実の戦争の原因を単純な範疇に収斂させることはできない。地理的環境、競合的ナショナリズム、宗教的対立、資源の獲得競争、軍事的な勢力不均衡、不測事態などが複合して実際の戦争は発生する。この複雑な関係を理論化するために、いくつかの学説が提示されてきた。まず人間の性質を起点として戦争の発生を説明する諸学説がある。このような説明を試みる研究は古代ギリシアでの哲学的業績から現代における心理学的研究まで広範囲にわたっている。文化と関連させた説明は人類学的、宗教学的な側面から戦争の解明を試みるものであり、特に近代以前の戦争の形態を支配したさまざまな慣習は示唆的である。さらに人口、資源、資本などの概念を用いて経済学的な側面から説明を試みる学説もあり、近代社会の戦争について理解する上で重要な考察を含んでいる。戦争の政治学的な説明には国内政治と国際政治の視座があり、この領域の学説は戦略理論とも関係が深い。以下では順に主たる学説の要点を踏まえながら、戦争の原理についての基本事項を概観する。", "title": "戦争の原因" } ]	戦争とは歴史において暴力を以って遂行される社会的な闘争である。軍事学において戦争とは常に中心となる主題である。戦争がどのような状態であり、何の法則に支配されているのかは、政策、戦略、戦術、兵站などに直接的に影響を及ぼす。本項目では軍事問題の文脈を形作っている戦争についての社会科学的な理解を促すことを狙っている。例えば「戦争とは何と定義することができるのか」、「戦争という社会現象にはどのような法則性があるのか」「戦争はどのように発生すると考えられているのか」、「戦争にはどのような分類がなされているのか」、「戦争理論を個々の戦史に適用すればどのように分析されるのか」などの問いを取り上げて、その問題に対してどのような学説が提示されているかを概観する。少なくとも戦争を理解するためには戦争の本質を構成している力学と法則、そして戦争の多様性を示す分類と戦史について着目する必要がある。	戦争とは歴史において暴力を以って遂行される社会的な闘争である。軍事学において戦争とは常に中心となる主題である。戦争がどのような状態であり、何の法則に支配されているのかは、政策、戦略、戦術、兵站などに直接的に影響を及ぼす。本項目では軍事問題の文脈を形作っている戦争についての社会科学的な理解を促すことを狙っている。例えば「戦争とは何と定義することができるのか」、「戦争という社会現象にはどのような法則性があるのか」「戦争はどのように発生すると考えられているのか」、「戦争にはどのような分類がなされているのか」、「戦争理論を個々の戦史に適用すればどのように分析されるのか」などの問いを取り上げて、その問題に対してどのような学説が提示されているかを概観する。少なくとも戦争を理解するためには戦争の本質を構成している力学と法則、そして戦争の多様性を示す分類と戦史について着目する必要がある。 == 戦争の概念 == 記述の出発点として戦争の因果性や影響について論じる前に戦争の明確な概念化がなされなければならない。これまで戦争をどのように定義するのかについては少なくとも三つの方法が採られてきた。一つは戦争を哲学的な概念と関連させて把握する方法があり、この視角から戦争は記述的な概念とは限らず規範的な概念として捉えられている。次に軍事的な概念と関連させて定義するやり方があり、この立場では戦略理論との関係から戦争を位置づけている。そして政治的な概念との結びつきを念頭に置いて概念化する学説もあり、個人と国家の関係、または国際関係から戦争を理解することを試みている。以下では戦争の多面的な性質について着目し、その概念的構成について概説していく。 ===戦争の哲学的概念=== ===戦争の軍事的概念=== ===戦争の政治的概念=== == 戦争の原因 == 現実の戦争の原因を単純な範疇に収斂させることはできない。地理的環境、競合的ナショナリズム、宗教的対立、資源の獲得競争、軍事的な勢力不均衡、不測事態などが複合して実際の戦争は発生する。この複雑な関係を理論化するために、いくつかの学説が提示されてきた。まず人間の性質を起点として戦争の発生を説明する諸学説がある。このような説明を試みる研究は古代ギリシアでの哲学的業績から現代における心理学的研究まで広範囲にわたっている。文化と関連させた説明は人類学的、宗教学的な側面から戦争の解明を試みるものであり、特に近代以前の戦争の形態を支配したさまざまな慣習は示唆的である。さらに人口、資源、資本などの概念を用いて経済学的な側面から説明を試みる学説もあり、近代社会の戦争について理解する上で重要な考察を含んでいる。戦争の政治学的な説明には国内政治と国際政治の視座があり、この領域の学説は戦略理論とも関係が深い。以下では順に主たる学説の要点を踏まえながら、戦争の原理についての基本事項を概観する。 ===戦争の文化的原因=== ===戦争の経済的原因=== ===戦争の政治的原因=== == 戦争の結果 == ===全体戦争=== ===制限戦争=== ===革命戦争=== == 文献解題 == [[カテゴリ:軍事学]]	null	2022-11-22T17:28:47Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E8%BB%8D%E4%BA%8B%E5%AD%A6%E6%A6%82%E8%AB%96/%E6%88%A6%E4%BA%89
7,889	軍事学概論/地政学	地政学(Geopolitics)は国際政治の動向を地理的な視点から観察する学問である。人間は地表上に生活しているが、地表には陸地と海洋から構成されており、人間の主要な生息地は陸地である。地球上にはユーラシア大陸、アフリカ大陸、北アメリカ大陸、南アメリカ大陸、オーストラリア大陸、南極大陸の七大陸がある。特にユーラシア大陸は地上最大の大陸であり、ランドパワーを有する大陸国家の拠点となりうると考えられている。一方で海洋は食料生産や交通などの面で沿岸部に居住する人間の重要な地域であった。海洋は北太平洋、南太平洋、インド洋、北大西洋、南大西洋、北極海、南極海に大別される。海洋はシーパワーを有する海洋国家が海軍力を以て支配しうる地域として考えられている。ランドパワーを持った国家とシーパワーを持った国家はその勢力が交わる部分、すなわちユーラシア大陸沿岸部のリムランドで衝突することになるため、ユーラシア大陸の沿岸部は武力衝突の危険性が比較的に高いと考えられる。地政学的な視座によれば人類史はこのランドパワーとシーパワーが世界覇権を争奪する歴史であったと考えられている。近代における南下政策を推進するロシア帝国に対して封じ込め政策を展開した大英帝国や冷戦期において共産圏拡大を企図するソヴィエトとこれを阻止するために封じ込め政策や軍事介入を行ったアメリカがその代表的な事例として挙げることが出来る。軍事力はそれぞれのパワーの根本的な役割を担っており、すなわち陸地で作戦して陸上優勢を獲得する陸上戦力はランドパワー、水域で作戦して海上優勢を獲得する海上戦力はシーパワー、空域で作戦して航空優勢を獲得する航空戦力はエアパワー。また軍事力は人員や装備などの有形戦力や戦略・戦術や指揮統率や士気などの無形戦力などにも分類される。関連する産業や地理や軍事技術なども含める場合があり、その総体がパワーとして呼ばれるものである。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "地政学(Geopolitics)は国際政治の動向を地理的な視点から観察する学問である。人間は地表上に生活しているが、地表には陸地と海洋から構成されており、人間の主要な生息地は陸地である。地球上にはユーラシア大陸、アフリカ大陸、北アメリカ大陸、南アメリカ大陸、オーストラリア大陸、南極大陸の七大陸がある。特にユーラシア大陸は地上最大の大陸であり、ランドパワーを有する大陸国家の拠点となりうると考えられている。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "一方で海洋は食料生産や交通などの面で沿岸部に居住する人間の重要な地域であった。海洋は北太平洋、南太平洋、インド洋、北大西洋、南大西洋、北極海、南極海に大別される。海洋はシーパワーを有する海洋国家が海軍力を以て支配しうる地域として考えられている。ランドパワーを持った国家とシーパワーを持った国家はその勢力が交わる部分、すなわちユーラシア大陸沿岸部のリムランドで衝突することになるため、ユーラシア大陸の沿岸部は武力衝突の危険性が比較的に高いと考えられる。", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "地政学的な視座によれば人類史はこのランドパワーとシーパワーが世界覇権を争奪する歴史であったと考えられている。近代における南下政策を推進するロシア帝国に対して封じ込め政策を展開した大英帝国や冷戦期において共産圏拡大を企図するソヴィエトとこれを阻止するために封じ込め政策や軍事介入を行ったアメリカがその代表的な事例として挙げることが出来る。", "title": "" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "軍事力はそれぞれのパワーの根本的な役割を担っており、すなわち陸地で作戦して陸上優勢を獲得する陸上戦力はランドパワー、水域で作戦して海上優勢を獲得する海上戦力はシーパワー、空域で作戦して航空優勢を獲得する航空戦力はエアパワー。また軍事力は人員や装備などの有形戦力や戦略・戦術や指揮統率や士気などの無形戦力などにも分類される。関連する産業や地理や軍事技術なども含める場合があり、その総体がパワーとして呼ばれるものである。", "title": "" } ]	地政学（Geopolitics）は国際政治の動向を地理的な視点から観察する学問である。人間は地表上に生活しているが、地表には陸地と海洋から構成されており、人間の主要な生息地は陸地である。地球上にはユーラシア大陸、アフリカ大陸、北アメリカ大陸、南アメリカ大陸、オーストラリア大陸、南極大陸の七大陸がある。特にユーラシア大陸は地上最大の大陸であり、ランドパワーを有する大陸国家の拠点となりうると考えられている。一方で海洋は食料生産や交通などの面で沿岸部に居住する人間の重要な地域であった。海洋は北太平洋、南太平洋、インド洋、北大西洋、南大西洋、北極海、南極海に大別される。海洋はシーパワーを有する海洋国家が海軍力を以て支配しうる地域として考えられている。ランドパワーを持った国家とシーパワーを持った国家はその勢力が交わる部分、すなわちユーラシア大陸沿岸部のリムランドで衝突することになるため、ユーラシア大陸の沿岸部は武力衝突の危険性が比較的に高いと考えられる。地政学的な視座によれば人類史はこのランドパワーとシーパワーが世界覇権を争奪する歴史であったと考えられている。近代における南下政策を推進するロシア帝国に対して封じ込め政策を展開した大英帝国や冷戦期において共産圏拡大を企図するソヴィエトとこれを阻止するために封じ込め政策や軍事介入を行ったアメリカがその代表的な事例として挙げることが出来る。軍事力はそれぞれのパワーの根本的な役割を担っており、すなわち陸地で作戦して陸上優勢を獲得する陸上戦力はランドパワー、水域で作戦して海上優勢を獲得する海上戦力はシーパワー、空域で作戦して航空優勢を獲得する航空戦力はエアパワー。また軍事力は人員や装備などの有形戦力や戦略・戦術や指揮統率や士気などの無形戦力などにも分類される。関連する産業や地理や軍事技術なども含める場合があり、その総体がパワーとして呼ばれるものである。	[[地政学]]（Geopolitics）は国際政治の動向を地理的な視点から観察する学問である。人間は地表上に生活しているが、地表には陸地と海洋から構成されており、人間の主要な生息地は陸地である。地球上にはユーラシア大陸、アフリカ大陸、北アメリカ大陸、南アメリカ大陸、オーストラリア大陸、南極大陸の七大陸がある。特にユーラシア大陸は地上最大の大陸であり、[[w:ランドパワー\|ランドパワー]]を有する大陸国家の拠点となりうると考えられている。一方で海洋は食料生産や交通などの面で沿岸部に居住する人間の重要な地域であった。海洋は北太平洋、南太平洋、インド洋、北大西洋、南大西洋、北極海、南極海に大別される。海洋は[[w:シーパワー\|シーパワー]]を有する海洋国家が海軍力を以て支配しうる地域として考えられている。ランドパワーを持った国家とシーパワーを持った国家はその勢力が交わる部分、すなわちユーラシア大陸沿岸部の[[w:リムランド\|リムランド]]で衝突することになるため、ユーラシア大陸の沿岸部は武力衝突の危険性が比較的に高いと考えられる。地政学的な視座によれば人類史はこのランドパワーとシーパワーが世界覇権を争奪する歴史であったと考えられている。近代における南下政策を推進するロシア帝国に対して封じ込め政策を展開した大英帝国や冷戦期において共産圏拡大を企図するソヴィエトとこれを阻止するために封じ込め政策や軍事介入を行ったアメリカがその代表的な事例として挙げることが出来る。軍事力はそれぞれのパワーの根本的な役割を担っており、すなわち陸地で作戦して陸上優勢を獲得する陸上戦力はランドパワー、水域で作戦して海上優勢を獲得する海上戦力はシーパワー、空域で作戦して航空優勢を獲得する航空戦力はエアパワー。また軍事力は人員や装備などの有形戦力や戦略・戦術や指揮統率や士気などの無形戦力などにも分類される。関連する産業や地理や軍事技術なども含める場合があり、その総体がパワーとして呼ばれるものである。 [[カテゴリ:軍事学]]	null	2022-11-22T17:28:35Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E8%BB%8D%E4%BA%8B%E5%AD%A6%E6%A6%82%E8%AB%96/%E5%9C%B0%E6%94%BF%E5%AD%A6
7,890	軍事学概論/軍事政策	軍事政策とは軍事力の運用に関する政策であり、侵略と防衛に大別される。また敵もその勢力基盤が自国の内部にある内敵、外部にある外敵がある。侵略とは敵に対して武力を以て先制して侵入、攻撃、占領などの攻勢作戦を実行する軍事政策であり、直接侵略と間接侵略に分類される。直接侵略とは外敵に対して軍事力を直接行使して侵略することであり、運用性が高い。間接侵略とは敵国内にいる反政府勢力などの内敵を利用する目的で指導、援助などをして間接的に外敵を攻撃する方式の侵略であり、秘匿性が高い。直接侵略と間接侵略は併用が可能である。防衛とは敵の侵略を破砕するための防御、逆襲などの防勢作戦を実行する軍事政策であり、単独防衛と集団防衛に大別される。単独防衛は外敵の侵略に対して自国の軍事力のみで拒否する軍事政策である。集団防衛とは外敵の侵略に対して外国の軍事力と共同して拒否する軍事政策である。また防衛の方式は防衛線の位置などからも分類される場合がある。古代から地形は軍事力の運用に多大な影響を与えてきた。軍事的な観点から地理を観察する場合、より巨視的である地政学的な視点とより微視的である軍事地理学的な視点があり、軍事政策の実施過程に大きく影響する。軍事地理学的に地形を観察した場合、単純な地形及び地勢だけでなく、天候、気象、水系、植生、建築物など多様な要素から構成されていることが分かる。特に陸上作戦において地形が作戦行動に与える影響は大きい。陸地は平地と山岳地に大別され、山岳地はその起伏の程度によって陸上交通の障害となる。また植生によっては平地であっても兵力の移動または交戦上で障害となりうる。ただし、地形は工事などによって戦力化することも可能であり、地形の利用が戦闘行動において非常に重要になる。また海上作戦においても地形、天候、海象は部隊行動に影響を与えるものであり、特に斉一の運動や射撃において波浪などの海象条件が悪ければその効率が低下する。ただし陸上作戦と比較して地形の戦力化の要素は小さい。航空作戦は地形の影響を最も受けにくいが、大きく気象や天候の影響を受け、さらに部隊と基地が離隔する距離が燃料補給などの技術的な問題から制約されることになる。軍事法とは軍事組織や軍事力の運用等に関する法である。軍事法は憲法、法律、軍事行政命令に大別される。また軍隊の作戦行動に関する命令の権能は法制上は軍事行政命令の下位に位置づけられるが、通常は最高行政権を併せ持つ国家元首または行政首長が有することとなる。これはかつては統帥権とも呼ばれたものであり、軍隊の最高指揮官を定める。軍隊最高司令官はイギリスでは国王であり、また中国では中央軍事委員会主席、日本では内閣総理大臣、アメリカでは大統領であるなど、国の歴史や政治文化を反映して主体も権限の内実も多種多様である。また軍事法はその適用に関連して戦時と平時をしばしば区別する。このためには平時から戦時に行こうする基準が設けられる。戦時においては国家安全保障の達成のために平時には認められない例外措置や権能などについて定めている。国防機構としての軍事組織はまず憲法あるいは軍事法の規定に基づいて編制が整えられている。軍事組織は意思決定権および発令権を持つ主任機関、主任機関の決定や発令を補助する補助機関、主任機関の意思決定に基づいて行動する執行機関に理論上では大別することができる。実際には軍事組織は軍事行政機関である内閣府や国防省、軍事教育機関である教育部隊、軍事司法機関である軍法会議、軍事計画機関である幕僚会議や参謀本部、実働部隊である各地域の統合部隊や師団等によって構成されている。ただし戦時においてのみ大本営のような戦争計画機関が臨時に設置されることもある。さらに軍事組織では戦時において運用する予備戦力を確保するために予備役制度を準備する。これは現役を退いだ兵員以外にも予備役に志願した兵員からも構成され、定期的な教育訓練を受けて維持され、戦時には後方支援業務や兵員補充として運用される。兵役とは国家が国民に軍事上の目的から課す軍事負担の一種である。軍事負担は不作為義務負担や労役負担などの人的負担と所有権の制限負担や収容負担等の物的負担に大別され、その中で兵役は代表的な人的な軍事負担である。兵役について定めた兵役制度は大別して兵役を国民の義務とする徴兵制と、志願者のみが兵役を担う志願制があり、徴兵制においても選択徴兵制などを採用している国もある。徴兵制は徴兵によって兵員を確保する兵役制度であり、これには国民全体に負担を課す一般兵役義務と服役の命令がなければ実際には入営しない服役待機義務のどちらかが採られる。また徴兵制でも実際には学歴や職業などの条件によって負担減や免除がありうる。志願制では志願者の募集によって兵員を確保する兵役制度である。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "軍事政策とは軍事力の運用に関する政策であり、侵略と防衛に大別される。また敵もその勢力基盤が自国の内部にある内敵、外部にある外敵がある。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "侵略とは敵に対して武力を以て先制して侵入、攻撃、占領などの攻勢作戦を実行する軍事政策であり、直接侵略と間接侵略に分類される。直接侵略とは外敵に対して軍事力を直接行使して侵略することであり、運用性が高い。間接侵略とは敵国内にいる反政府勢力などの内敵を利用する目的で指導、援助などをして間接的に外敵を攻撃する方式の侵略であり、秘匿性が高い。直接侵略と間接侵略は併用が可能である。", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "防衛とは敵の侵略を破砕するための防御、逆襲などの防勢作戦を実行する軍事政策であり、単独防衛と集団防衛に大別される。単独防衛は外敵の侵略に対して自国の軍事力のみで拒否する軍事政策である。集団防衛とは外敵の侵略に対して外国の軍事力と共同して拒否する軍事政策である。また防衛の方式は防衛線の位置などからも分類される場合がある。", "title": "" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "古代から地形は軍事力の運用に多大な影響を与えてきた。軍事的な観点から地理を観察する場合、より巨視的である地政学的な視点とより微視的である軍事地理学的な視点があり、軍事政策の実施過程に大きく影響する。", "title": "" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "軍事地理学的に地形を観察した場合、単純な地形及び地勢だけでなく、天候、気象、水系、植生、建築物など多様な要素から構成されていることが分かる。特に陸上作戦において地形が作戦行動に与える影響は大きい。陸地は平地と山岳地に大別され、山岳地はその起伏の程度によって陸上交通の障害となる。また植生によっては平地であっても兵力の移動または交戦上で障害となりうる。ただし、地形は工事などによって戦力化することも可能であり、地形の利用が戦闘行動において非常に重要になる。また海上作戦においても地形、天候、海象は部隊行動に影響を与えるものであり、特に斉一の運動や射撃において波浪などの海象条件が悪ければその効率が低下する。ただし陸上作戦と比較して地形の戦力化の要素は小さい。航空作戦は地形の影響を最も受けにくいが、大きく気象や天候の影響を受け、さらに部隊と基地が離隔する距離が燃料補給などの技術的な問題から制約されることになる。", "title": "" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "軍事法とは軍事組織や軍事力の運用等に関する法である。軍事法は憲法、法律、軍事行政命令に大別される。また軍隊の作戦行動に関する命令の権能は法制上は軍事行政命令の下位に位置づけられるが、通常は最高行政権を併せ持つ国家元首または行政首長が有することとなる。これはかつては統帥権とも呼ばれたものであり、軍隊の最高指揮官を定める。軍隊最高司令官はイギリスでは国王であり、また中国では中央軍事委員会主席、日本では内閣総理大臣、アメリカでは大統領であるなど、国の歴史や政治文化を反映して主体も権限の内実も多種多様である。また軍事法はその適用に関連して戦時と平時をしばしば区別する。このためには平時から戦時に行こうする基準が設けられる。戦時においては国家安全保障の達成のために平時には認められない例外措置や権能などについて定めている。", "title": "" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "国防機構としての軍事組織はまず憲法あるいは軍事法の規定に基づいて編制が整えられている。軍事組織は意思決定権および発令権を持つ主任機関、主任機関の決定や発令を補助する補助機関、主任機関の意思決定に基づいて行動する執行機関に理論上では大別することができる。実際には軍事組織は軍事行政機関である内閣府や国防省、軍事教育機関である教育部隊、軍事司法機関である軍法会議、軍事計画機関である幕僚会議や参謀本部、実働部隊である各地域の統合部隊や師団等によって構成されている。ただし戦時においてのみ大本営のような戦争計画機関が臨時に設置されることもある。さらに軍事組織では戦時において運用する予備戦力を確保するために予備役制度を準備する。これは現役を退いだ兵員以外にも予備役に志願した兵員からも構成され、定期的な教育訓練を受けて維持され、戦時には後方支援業務や兵員補充として運用される。", "title": "" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "兵役とは国家が国民に軍事上の目的から課す軍事負担の一種である。軍事負担は不作為義務負担や労役負担などの人的負担と所有権の制限負担や収容負担等の物的負担に大別され、その中で兵役は代表的な人的な軍事負担である。兵役について定めた兵役制度は大別して兵役を国民の義務とする徴兵制と、志願者のみが兵役を担う志願制があり、徴兵制においても選択徴兵制などを採用している国もある。徴兵制は徴兵によって兵員を確保する兵役制度であり、これには国民全体に負担を課す一般兵役義務と服役の命令がなければ実際には入営しない服役待機義務のどちらかが採られる。また徴兵制でも実際には学歴や職業などの条件によって負担減や免除がありうる。志願制では志願者の募集によって兵員を確保する兵役制度である。", "title": "" } ]	軍事政策とは軍事力の運用に関する政策であり、侵略と防衛に大別される。また敵もその勢力基盤が自国の内部にある内敵、外部にある外敵がある。	軍事政策とは軍事力の運用に関する政策であり、侵略と防衛に大別される。また敵もその勢力基盤が自国の内部にある内敵、外部にある外敵がある。 === 侵略政策 === 侵略とは敵に対して武力を以て先制して侵入、攻撃、占領などの攻勢作戦を実行する軍事政策であり、[[w:直接侵略\|直接侵略]]と[[w:間接侵略\|間接侵略]]に分類される。直接侵略とは外敵に対して軍事力を直接行使して侵略することであり、運用性が高い。間接侵略とは敵国内にいる反政府勢力などの内敵を利用する目的で指導、援助などをして間接的に外敵を攻撃する方式の侵略であり、秘匿性が高い。直接侵略と間接侵略は併用が可能である。 === 防衛政策 === [[w:防衛\|防衛]]とは敵の侵略を破砕するための防御、逆襲などの防勢作戦を実行する軍事政策であり、単独防衛と集団防衛に大別される。単独防衛は外敵の侵略に対して自国の軍事力のみで拒否する軍事政策である。集団防衛とは外敵の侵略に対して外国の軍事力と共同して拒否する軍事政策である。また防衛の方式は防衛線の位置などからも分類される場合がある。 === 軍事地理学 === 古代から地形は軍事力の運用に多大な影響を与えてきた。軍事的な観点から地理を観察する場合、より巨視的である地政学的な視点とより微視的である軍事地理学的な視点があり、軍事政策の実施過程に大きく影響する。軍事地理学的に地形を観察した場合、単純な地形及び地勢だけでなく、天候、気象、水系、植生、建築物など多様な要素から構成されていることが分かる。特に陸上作戦において地形が作戦行動に与える影響は大きい。陸地は平地と山岳地に大別され、山岳地はその起伏の程度によって陸上交通の障害となる。また植生によっては平地であっても兵力の移動または交戦上で障害となりうる。ただし、地形は工事などによって戦力化することも可能であり、地形の利用が戦闘行動において非常に重要になる。また海上作戦においても地形、天候、海象は部隊行動に影響を与えるものであり、特に斉一の運動や射撃において波浪などの海象条件が悪ければその効率が低下する。ただし陸上作戦と比較して地形の戦力化の要素は小さい。航空作戦は地形の影響を最も受けにくいが、大きく気象や天候の影響を受け、さらに部隊と基地が離隔する距離が燃料補給などの技術的な問題から制約されることになる。 === 軍事法の概観 === 軍事法とは軍事組織や軍事力の運用等に関する法である。軍事法は憲法、法律、軍事行政命令に大別される。また軍隊の作戦行動に関する命令の権能は法制上は軍事行政命令の下位に位置づけられるが、通常は最高行政権を併せ持つ国家元首または行政首長が有することとなる。これはかつては統帥権とも呼ばれたものであり、軍隊の最高指揮官を定める。軍隊最高司令官はイギリスでは国王であり、また中国では中央軍事委員会主席、日本では内閣総理大臣、アメリカでは大統領であるなど、国の歴史や政治文化を反映して主体も権限の内実も多種多様である。また軍事法はその適用に関連して戦時と平時をしばしば区別する。このためには平時から戦時に行こうする基準が設けられる。戦時においては国家安全保障の達成のために平時には認められない例外措置や権能などについて定めている。 === 軍事組織概説 === 国防機構としての軍事組織はまず憲法あるいは軍事法の規定に基づいて編制が整えられている。軍事組織は意思決定権および発令権を持つ主任機関、主任機関の決定や発令を補助する補助機関、主任機関の意思決定に基づいて行動する執行機関に理論上では大別することができる。実際には軍事組織は軍事行政機関である内閣府や国防省、軍事教育機関である教育部隊、軍事司法機関である軍法会議、軍事計画機関である幕僚会議や参謀本部、実働部隊である各地域の統合部隊や師団等によって構成されている。ただし戦時においてのみ大本営のような戦争計画機関が臨時に設置されることもある。さらに軍事組織では戦時において運用する予備戦力を確保するために予備役制度を準備する。これは現役を退いだ兵員以外にも予備役に志願した兵員からも構成され、定期的な教育訓練を受けて維持され、戦時には後方支援業務や兵員補充として運用される。 === 兵役制度概説 === 兵役とは国家が国民に軍事上の目的から課す軍事負担の一種である。軍事負担は不作為義務負担や労役負担などの人的負担と所有権の制限負担や収容負担等の物的負担に大別され、その中で兵役は代表的な人的な軍事負担である。兵役について定めた兵役制度は大別して兵役を国民の義務とする徴兵制と、志願者のみが兵役を担う志願制があり、徴兵制においても選択徴兵制などを採用している国もある。徴兵制は徴兵によって兵員を確保する兵役制度であり、これには国民全体に負担を課す一般兵役義務と服役の命令がなければ実際には入営しない服役待機義務のどちらかが採られる。また徴兵制でも実際には学歴や職業などの条件によって負担減や免除がありうる。志願制では志願者の募集によって兵員を確保する兵役制度である。 [[カテゴリ:軍事学]]	null	2022-11-22T17:29:23Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E8%BB%8D%E4%BA%8B%E5%AD%A6%E6%A6%82%E8%AB%96/%E8%BB%8D%E4%BA%8B%E6%94%BF%E7%AD%96
7,891	軍事学概論/軍事史	軍事力は歴史とともにその内容を時代とともに大きく変化させ、従って戦争もその様相を変えてきた。先史における戦争の実体については詳細は分かっていない。しかし猿人、原人、旧人、新人と進化していく過程で打製石器が作られ、言語によって人同士が連携しながら狩猟生活を行っていただろうと考えられている。氷河期が終わってからの古代においては生活の形態が狩猟から農耕や牧畜などに移り変わるようになり、人間社会の規模はその生産性の増大から飛躍した。特に世界史的にはエジプト文明、メソポタミア文明、インダス文明、中国文明の古代四大文明が生まれ、またアメリカ大陸にも文明が形成された。人間社会が複雑化・多様化・大規模化するにつれて人間社会間での争いも激しくなり、それぞれの地域において征服や戦争が行われた。その結果、部族、種族が都市国家で発展し、ペルシャ帝国やローマ帝国のように拡大しながらも次第に分裂していくという興亡が繰り返され、そのたびに軍事力が大きな役割を果たした。既にこの頃から古代ギリシアではより組織的に戦争を行うため、ファランクスという密集隊形を開発し、また武器も単純な刀剣類ばかりでなく、弓矢や投石器、戦車や軍用のガレー船などが実際に使用され、職業軍人や傭兵が生まれていた。中世では欧州世界においては西ローマ帝国が崩壊した時代であり、封建的な時代であった。西ローマ帝国の滅亡後にフランク王国が構築され、軍事力で各部族の抗争を抑えた。また東欧では東ローマ帝国は拡大するイスラーム勢力と幾度も戦うことになり、また十字軍遠征でキリスト教世界とイスラム世界の衝突が繰り返され、軍事力が運用されることとなった。この頃では騎兵の重要性が認められるようになっており、モンゴルでは大規模な騎兵部隊を運用して世界的な帝国を築いた。また軍事技術においても、いわゆる東洋の四大発明である製紙技術、活版印刷技術、羅針盤、火薬によって大きく転換する。特に火薬類の研究が進み、簡単な火器や爆弾が登場することになり、元帝国は対日遠征でこれらを用いて日本の武士団に衝撃を与えた。また火縄銃が開発されると世界中の軍隊で採用が進み、それまでの弓矢が担ってきた火力攻撃の威力を大いに増大させるきっかけとなった。近世は大航海時代を迎えて植民地貿易や内陸貿易を通じて欧州諸国に富が集積され、貨幣経済が大きく発展した時代であった。これに伴って軍事力の内容も大いに改良が進み、軍事費が増大し続けることとなり、戦争の規模も拡大しし、当時のカトリックとプロテスタントによる宗教戦争などの大規模な戦争が生起した。三十年戦争では当時のドイツ人口を半減させ、裕福な都市を没落させるなど戦争による殺戮・破壊でドイツ統一を妨げる結果となった。スウェーデンでは軍事力の改革で前進し、それまで補助的にしか用いられていなかった火縄銃や大砲などの火器を組織的に運用するように行い、またそのために軍隊の規律や忠誠を強化した。そのような運用の改良によってテルシオなどの戦闘教義が開発されることになった。技術面では産業革命の影響から小銃や野戦砲を大量に生産し、兵站組織を作ってより大規模な部隊を効果的に動員する体制が整備された。近代では市民革命と帝国主義の戦争が起こることとなる。対外的には大航海時代で拡大しきった西欧列強の勢力は互いに武力衝突を繰り返すようになり、一方で対内的にはそれまで続いてきた絶対王政と市民との戦いが行われるになった。そしてフランス革命で台頭したナポレオンはその画期的な軍事力の運用手法で大陸において軍事的勝利を収め、参謀機能の強化や徴兵制などによる国家総力戦体制の推進などを進めた。また統一が遅れていたドイツが富国強兵政策と海外進出政策を後発的に推し進め、その結果として周辺の欧州諸国と緊張を生み出し、第一次世界大戦が勃発した。第一次世界大戦においてはこれまでにない大規模な長期持久戦が行われて膨大な犠牲者が出た。さらに技術面で機関銃、戦車、航空機、潜水艦などの兵器が開発されて近代戦の様相を呈してきた。これによって戦間期に国際連盟が発足して戦争防止に努めたが、その効果は十分ではなく、敗戦国として疲弊したドイツ、また東アジアにおいて勢力を拡大していた日本にに不信と反感を持たせる結果となり、第二次世界大戦が勃発することを防ぐことは出来なかった。第二次世界大戦は有史以来最大規模の戦争であり、ヨーロッパではもちろんのこと中国大陸や太平洋地域においても日独伊などの枢軸国と英米ソなどの連合国との戦争が行われ、枢軸国が敗れた。また新兵器として、航空母艦がそれまでの海上作戦を大きく変化させ、さらに核兵器が開発され日本に対して使用され、その絶大な威力が示されることになった。現代では大戦の勝利者であった米ソの対立が浮き彫りになる。ドイツと朝鮮半島はソ連を中心とする共産主義圏と米国を中心とする自由主義圏に分断され、朝鮮半島では朝鮮戦争が勃発して米ソの政治的な対立が深刻なものとなる。米ソの衝突が直接的なものではなかったためにこの時代の米ソの政治的な対立を冷戦と呼称し、核兵器とミサイルが開発配備され、軍事的な脅威が高まっていた。国際連盟の反省に基づいて国際連合が設立されたが、制度的な理由から米ソ冷戦で機能不全に陥っていた。一方で中東地域ではイスラエルが建国されたことによるアラブ諸国とイスラエルの緊張が高まり、四度にわたる中東戦争が勃発することになる。また米ソ冷戦体制の中でベトナム戦争が勃発し、米軍が軍事介入するも大規模なゲリラ戦と長期戦などによって米軍の軍事力は劣勢な北ベトナムの軍事力に屈して、ベトナムから共産圏を排するという政治目的を放棄せざるを得なくなった。またソ連崩壊後には、イラクがクウェートに侵略したために国際社会が国連決議によって湾岸戦争を起こしてイラク軍を退かせ、このときの軍事力の運用が大規模であったにも拘らず極めて迅速かつ効果的であった。武器兵器においては核兵器やミサイルの精度の向上だけでなく、在来の航空機もジェット化が進み、また情報技術の応用による軍隊の情報システムの改良が進んだ。	[ 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"現代では大戦の勝利者であった米ソの対立が浮き彫りになる。ドイツと朝鮮半島はソ連を中心とする共産主義圏と米国を中心とする自由主義圏に分断され、朝鮮半島では朝鮮戦争が勃発して米ソの政治的な対立が深刻なものとなる。米ソの衝突が直接的なものではなかったためにこの時代の米ソの政治的な対立を冷戦と呼称し、核兵器とミサイルが開発配備され、軍事的な脅威が高まっていた。国際連盟の反省に基づいて国際連合が設立されたが、制度的な理由から米ソ冷戦で機能不全に陥っていた。一方で中東地域ではイスラエルが建国されたことによるアラブ諸国とイスラエルの緊張が高まり、四度にわたる中東戦争が勃発することになる。また米ソ冷戦体制の中でベトナム戦争が勃発し、米軍が軍事介入するも大規模なゲリラ戦と長期戦などによって米軍の軍事力は劣勢な北ベトナムの軍事力に屈して、ベトナムから共産圏を排するという政治目的を放棄せざるを得なくなった。またソ連崩壊後には、イラクがクウェートに侵略したために国際社会が国連決議によって湾岸戦争を起こしてイラク軍を退かせ、このときの軍事力の運用が大規模であったにも拘らず極めて迅速かつ効果的であった。武器兵器においては核兵器やミサイルの精度の向上だけでなく、在来の航空機もジェット化が進み、また情報技術の応用による軍隊の情報システムの改良が進んだ。", "title": "" } ]	軍事力は歴史とともにその内容を時代とともに大きく変化させ、従って戦争もその様相を変えてきた。	軍事力は歴史とともにその内容を時代とともに大きく変化させ、従って戦争もその様相を変えてきた。 === 先史 === 先史における戦争の実体については詳細は分かっていない。しかし猿人、原人、旧人、新人と進化していく過程で打製石器が作られ、言語によって人同士が連携しながら狩猟生活を行っていただろうと考えられている。 === 古代 === 氷河期が終わってからの古代においては生活の形態が狩猟から農耕や牧畜などに移り変わるようになり、人間社会の規模はその生産性の増大から飛躍した。特に世界史的にはエジプト文明、メソポタミア文明、インダス文明、中国文明の古代四大文明が生まれ、またアメリカ大陸にも文明が形成された。人間社会が複雑化・多様化・大規模化するにつれて人間社会間での争いも激しくなり、それぞれの地域において征服や戦争が行われた。その結果、部族、種族が都市国家で発展し、ペルシャ帝国やローマ帝国のように拡大しながらも次第に分裂していくという興亡が繰り返され、そのたびに軍事力が大きな役割を果たした。既にこの頃から古代ギリシアではより組織的に戦争を行うため、ファランクスという密集隊形を開発し、また武器も単純な刀剣類ばかりでなく、弓矢や投石器、戦車や軍用のガレー船などが実際に使用され、職業軍人や傭兵が生まれていた。 === 中世 === 中世では欧州世界においては西ローマ帝国が崩壊した時代であり、封建的な時代であった。西ローマ帝国の滅亡後にフランク王国が構築され、軍事力で各部族の抗争を抑えた。また東欧では東ローマ帝国は拡大するイスラーム勢力と幾度も戦うことになり、また十字軍遠征でキリスト教世界とイスラム世界の衝突が繰り返され、軍事力が運用されることとなった。この頃では騎兵の重要性が認められるようになっており、モンゴルでは大規模な騎兵部隊を運用して世界的な帝国を築いた。また軍事技術においても、いわゆる東洋の四大発明である製紙技術、活版印刷技術、羅針盤、火薬によって大きく転換する。特に火薬類の研究が進み、簡単な火器や爆弾が登場することになり、元帝国は対日遠征でこれらを用いて日本の武士団に衝撃を与えた。また火縄銃が開発されると世界中の軍隊で採用が進み、それまでの弓矢が担ってきた火力攻撃の威力を大いに増大させるきっかけとなった。 === 近世 === 近世は大航海時代を迎えて植民地貿易や内陸貿易を通じて欧州諸国に富が集積され、貨幣経済が大きく発展した時代であった。これに伴って軍事力の内容も大いに改良が進み、軍事費が増大し続けることとなり、戦争の規模も拡大しし、当時のカトリックとプロテスタントによる宗教戦争などの大規模な戦争が生起した。三十年戦争では当時のドイツ人口を半減させ、裕福な都市を没落させるなど戦争による殺戮・破壊でドイツ統一を妨げる結果となった。スウェーデンでは軍事力の改革で前進し、それまで補助的にしか用いられていなかった火縄銃や大砲などの火器を組織的に運用するように行い、またそのために軍隊の規律や忠誠を強化した。そのような運用の改良によってテルシオなどの戦闘教義が開発されることになった。技術面では産業革命の影響から小銃や野戦砲を大量に生産し、兵站組織を作ってより大規模な部隊を効果的に動員する体制が整備された。 === 近代 === 近代では市民革命と帝国主義の戦争が起こることとなる。対外的には大航海時代で拡大しきった西欧列強の勢力は互いに武力衝突を繰り返すようになり、一方で対内的にはそれまで続いてきた絶対王政と市民との戦いが行われるになった。そしてフランス革命で台頭したナポレオンはその画期的な軍事力の運用手法で大陸において軍事的勝利を収め、参謀機能の強化や徴兵制などによる国家総力戦体制の推進などを進めた。また統一が遅れていたドイツが富国強兵政策と海外進出政策を後発的に推し進め、その結果として周辺の欧州諸国と緊張を生み出し、第一次世界大戦が勃発した。第一次世界大戦においてはこれまでにない大規模な長期持久戦が行われて膨大な犠牲者が出た。さらに技術面で機関銃、戦車、航空機、潜水艦などの兵器が開発されて近代戦の様相を呈してきた。これによって戦間期に国際連盟が発足して戦争防止に努めたが、その効果は十分ではなく、敗戦国として疲弊したドイツ、また東アジアにおいて勢力を拡大していた日本にに不信と反感を持たせる結果となり、第二次世界大戦が勃発することを防ぐことは出来なかった。第二次世界大戦は有史以来最大規模の戦争であり、ヨーロッパではもちろんのこと中国大陸や太平洋地域においても日独伊などの枢軸国と英米ソなどの連合国との戦争が行われ、枢軸国が敗れた。また新兵器として、航空母艦がそれまでの海上作戦を大きく変化させ、さらに核兵器が開発され日本に対して使用され、その絶大な威力が示されることになった。 === 現代 === 現代では大戦の勝利者であった米ソの対立が浮き彫りになる。ドイツと朝鮮半島はソ連を中心とする共産主義圏と米国を中心とする自由主義圏に分断され、朝鮮半島では朝鮮戦争が勃発して米ソの政治的な対立が深刻なものとなる。米ソの衝突が直接的なものではなかったためにこの時代の米ソの政治的な対立を冷戦と呼称し、核兵器とミサイルが開発配備され、軍事的な脅威が高まっていた。国際連盟の反省に基づいて国際連合が設立されたが、制度的な理由から米ソ冷戦で機能不全に陥っていた。一方で中東地域ではイスラエルが建国されたことによるアラブ諸国とイスラエルの緊張が高まり、四度にわたる中東戦争が勃発することになる。また米ソ冷戦体制の中でベトナム戦争が勃発し、米軍が軍事介入するも大規模なゲリラ戦と長期戦などによって米軍の軍事力は劣勢な北ベトナムの軍事力に屈して、ベトナムから共産圏を排するという政治目的を放棄せざるを得なくなった。またソ連崩壊後には、イラクがクウェートに侵略したために国際社会が国連決議によって湾岸戦争を起こしてイラク軍を退かせ、このときの軍事力の運用が大規模であったにも拘らず極めて迅速かつ効果的であった。武器兵器においては核兵器やミサイルの精度の向上だけでなく、在来の航空機もジェット化が進み、また情報技術の応用による軍隊の情報システムの改良が進んだ。 [[カテゴリ:軍事学]]	null	2022-11-22T17:29:19Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E8%BB%8D%E4%BA%8B%E5%AD%A6%E6%A6%82%E8%AB%96/%E8%BB%8D%E4%BA%8B%E5%8F%B2
7,892	軍事学概論/戦略と戦術	戦略と戦術は共に戦いに勝利するための技術または科学である。かつては区別されることはなかったが、現在では戦略は高次の目標を達成するために力を造成・整備・運用する長期的・巨視的・総合的な方針・計画・行動であり、戦術は戦略を踏まえて低次の目標を達成するために戦力を配置・移動・運用する微視的・実務的・具体的な術であるとして、区別して理解される。戦略と戦術はその普遍的な定義や関係性について諸説が論じられているが、現在の戦略体系は概ね以下のように整えられている。最高位の観点に立って下位の戦略を統合した包括的な戦略であり、平時においては国力を準備・運用し、戦時においては戦争指導を担う国家戦略、国家戦略の下位において戦争においても武力戦を担当して軍事力の運用を行う軍事戦略、軍事戦略の下位において作戦部隊全体の配置・移動・戦闘などを指導する作戦戦略、そして作戦・戦闘において任務を達成するために状況に応じて部隊を指揮する戦術という構成である。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "戦略と戦術は共に戦いに勝利するための技術または科学である。かつては区別されることはなかったが、現在では戦略は高次の目標を達成するために力を造成・整備・運用する長期的・巨視的・総合的な方針・計画・行動であり、戦術は戦略を踏まえて低次の目標を達成するために戦力を配置・移動・運用する微視的・実務的・具体的な術であるとして、区別して理解される。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "戦略と戦術はその普遍的な定義や関係性について諸説が論じられているが、現在の戦略体系は概ね以下のように整えられている。最高位の観点に立って下位の戦略を統合した包括的な戦略であり、平時においては国力を準備・運用し、戦時においては戦争指導を担う国家戦略、国家戦略の下位において戦争においても武力戦を担当して軍事力の運用を行う軍事戦略、軍事戦略の下位において作戦部隊全体の配置・移動・戦闘などを指導する作戦戦略、そして作戦・戦闘において任務を達成するために状況に応じて部隊を指揮する戦術という構成である。", "title": "" } ]	null	=== 概観 === 戦略と戦術は共に戦いに勝利するための技術または科学である。かつては区別されることはなかったが、現在では戦略は高次の目標を達成するために力を造成・整備・運用する長期的・巨視的・総合的な方針・計画・行動であり、戦術は戦略を踏まえて低次の目標を達成するために戦力を配置・移動・運用する微視的・実務的・具体的な術であるとして、区別して理解される。 === 戦いの原則 === === 戦略と戦術の関係 === 戦略と戦術はその普遍的な定義や関係性について諸説が論じられているが、現在の戦略体系は概ね以下のように整えられている。最高位の観点に立って下位の戦略を統合した包括的な戦略であり、平時においては国力を準備・運用し、戦時においては戦争指導を担う国家戦略、国家戦略の下位において戦争においても武力戦を担当して軍事力の運用を行う軍事戦略、軍事戦略の下位において作戦部隊全体の配置・移動・戦闘などを指導する作戦戦略、そして作戦・戦闘において任務を達成するために状況に応じて部隊を指揮する戦術という構成である。 === 戦略理論 === === 戦術理論 === [[カテゴリ:軍事学]]	null	2022-11-22T17:28:52Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E8%BB%8D%E4%BA%8B%E5%AD%A6%E6%A6%82%E8%AB%96/%E6%88%A6%E7%95%A5%E3%81%A8%E6%88%A6%E8%A1%93
7,893	軍事学概論/統率論	統率とは組織の権限を有する指導者が部下の積極的な服従、信頼、尊敬、協力を得る方法で部下を指揮する技術、科学、天分である。統率は細分化すると、指揮、統御、管理から構成される。指揮は法的な権限に則って命令により部下を運用することであり、統御とは部下の忠誠・規律・団結・士気などを高めることであり、管理とは監督により人員・資金・物資を配分して運用を能率化することである。軍隊における統率は各級の指揮官にとって不可欠なものであり、特に戦場と言う極限状態において非常に大きな影響力を持つ。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "統率とは組織の権限を有する指導者が部下の積極的な服従、信頼、尊敬、協力を得る方法で部下を指揮する技術、科学、天分である。統率は細分化すると、指揮、統御、管理から構成される。指揮は法的な権限に則って命令により部下を運用することであり、統御とは部下の忠誠・規律・団結・士気などを高めることであり、管理とは監督により人員・資金・物資を配分して運用を能率化することである。軍隊における統率は各級の指揮官にとって不可欠なものであり、特に戦場と言う極限状態において非常に大きな影響力を持つ。", "title": "" } ]	null	=== 統率の概念 === 統率とは組織の権限を有する指導者が部下の積極的な服従、信頼、尊敬、協力を得る方法で部下を指揮する技術、科学、天分である。統率は細分化すると、指揮、統御、管理から構成される。指揮は法的な権限に則って命令により部下を運用することであり、統御とは部下の忠誠・規律・団結・士気などを高めることであり、管理とは監督により人員・資金・物資を配分して運用を能率化することである。軍隊における統率は各級の指揮官にとって不可欠なものであり、特に戦場と言う極限状態において非常に大きな影響力を持つ。 === 資質論 === === 方法論 === === 状況論 === [[カテゴリ:軍事学]]	null	2022-11-22T17:29:11Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E8%BB%8D%E4%BA%8B%E5%AD%A6%E6%A6%82%E8%AB%96/%E7%B5%B1%E7%8E%87%E8%AB%96
7,894	軍事学概論/陸上作戦	陸上作戦は陸上における作戦行動である。敵の陸上戦力の撃破、地上目標の破壊、地域の占領などを達成する。陸上作戦は地形の強い影響下にあり、その戦術的な内容から攻撃、防御、後退に大別される。陸上作戦の特徴としてはあらゆる地形が利用によっては戦力化することが可能であり、また同時に地形によっては戦力が地形に吸収され、海上作戦や航空作戦と比較すれば固定的で鈍重であり、さらに個々の交戦が局地性、独立性があるために大規模な戦闘になった場合には部隊の指揮統制が困難になりやすい。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "陸上作戦は陸上における作戦行動である。敵の陸上戦力の撃破、地上目標の破壊、地域の占領などを達成する。陸上作戦は地形の強い影響下にあり、その戦術的な内容から攻撃、防御、後退に大別される。陸上作戦の特徴としてはあらゆる地形が利用によっては戦力化することが可能であり、また同時に地形によっては戦力が地形に吸収され、海上作戦や航空作戦と比較すれば固定的で鈍重であり、さらに個々の交戦が局地性、独立性があるために大規模な戦闘になった場合には部隊の指揮統制が困難になりやすい。", "title": "" } ]	陸上作戦は陸上における作戦行動である。敵の陸上戦力の撃破、地上目標の破壊、地域の占領などを達成する。陸上作戦は地形の強い影響下にあり、その戦術的な内容から攻撃、防御、後退に大別される。陸上作戦の特徴としてはあらゆる地形が利用によっては戦力化することが可能であり、また同時に地形によっては戦力が地形に吸収され、海上作戦や航空作戦と比較すれば固定的で鈍重であり、さらに個々の交戦が局地性、独立性があるために大規模な戦闘になった場合には部隊の指揮統制が困難になりやすい。	陸上作戦は陸上における作戦行動である。敵の陸上戦力の撃破、地上目標の破壊、地域の占領などを達成する。陸上作戦は地形の強い影響下にあり、その戦術的な内容から攻撃、防御、後退に大別される。陸上作戦の特徴としてはあらゆる地形が利用によっては戦力化することが可能であり、また同時に地形によっては戦力が地形に吸収され、海上作戦や航空作戦と比較すれば固定的で鈍重であり、さらに個々の交戦が局地性、独立性があるために大規模な戦闘になった場合には部隊の指揮統制が困難になりやすい。 === 陸軍の歴史 === === 陸上戦力の特性 === === 陸上作戦の形態 === === 陸上戦略と戦術 === [[カテゴリ:軍事学]]	null	2022-11-22T17:29:27Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E8%BB%8D%E4%BA%8B%E5%AD%A6%E6%A6%82%E8%AB%96/%E9%99%B8%E4%B8%8A%E4%BD%9C%E6%88%A6
7,895	軍事学概論/海上作戦	海上作戦は海洋における作戦行動である。敵の海軍力を撃滅し、海軍基地の破壊、商船隊の護衛、海洋権益の保持、海洋の制海権の獲得などを達成する。海上作戦の特徴としては、気象や海象、補給などの制約から海軍部隊は長期的に対峙できないために敵の発見と同時に決戦となり、その戦果は圧倒的勝利か壊滅的敗北かの極端な結果になる。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "海上作戦は海洋における作戦行動である。敵の海軍力を撃滅し、海軍基地の破壊、商船隊の護衛、海洋権益の保持、海洋の制海権の獲得などを達成する。海上作戦の特徴としては、気象や海象、補給などの制約から海軍部隊は長期的に対峙できないために敵の発見と同時に決戦となり、その戦果は圧倒的勝利か壊滅的敗北かの極端な結果になる。", "title": "" } ]	海上作戦は海洋における作戦行動である。敵の海軍力を撃滅し、海軍基地の破壊、商船隊の護衛、海洋権益の保持、海洋の制海権の獲得などを達成する。海上作戦の特徴としては、気象や海象、補給などの制約から海軍部隊は長期的に対峙できないために敵の発見と同時に決戦となり、その戦果は圧倒的勝利か壊滅的敗北かの極端な結果になる。	海上作戦は海洋における作戦行動である。敵の海軍力を撃滅し、海軍基地の破壊、商船隊の護衛、海洋権益の保持、海洋の制海権の獲得などを達成する。海上作戦の特徴としては、気象や海象、補給などの制約から海軍部隊は長期的に対峙できないために敵の発見と同時に決戦となり、その戦果は圧倒的勝利か壊滅的敗北かの極端な結果になる。 === 海軍の歴史 === === 海上戦力の特性 === === 海上作戦の基本形態 === === 海洋戦略と戦術 === [[カテゴリ:軍事学]]	null	2022-11-22T17:29:02Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E8%BB%8D%E4%BA%8B%E5%AD%A6%E6%A6%82%E8%AB%96/%E6%B5%B7%E4%B8%8A%E4%BD%9C%E6%88%A6
7,896	軍事学概論/航空作戦	航空作戦は空域における作戦行動である。敵の陸上戦力や海上戦力を攻撃し、空軍力を撃滅して航空優勢の獲得を達成する。航空作戦の特徴としては、気象の強い影響を受け、補給の技術的な制約から展開することが出来る範囲が定められ、陸上・海上作戦の遂行を左右する。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "航空作戦は空域における作戦行動である。敵の陸上戦力や海上戦力を攻撃し、空軍力を撃滅して航空優勢の獲得を達成する。航空作戦の特徴としては、気象の強い影響を受け、補給の技術的な制約から展開することが出来る範囲が定められ、陸上・海上作戦の遂行を左右する。", "title": "" } ]	航空作戦は空域における作戦行動である。敵の陸上戦力や海上戦力を攻撃し、空軍力を撃滅して航空優勢の獲得を達成する。航空作戦の特徴としては、気象の強い影響を受け、補給の技術的な制約から展開することが出来る範囲が定められ、陸上・海上作戦の遂行を左右する。	航空作戦は空域における作戦行動である。敵の陸上戦力や海上戦力を攻撃し、空軍力を撃滅して航空優勢の獲得を達成する。航空作戦の特徴としては、気象の強い影響を受け、補給の技術的な制約から展開することが出来る範囲が定められ、陸上・海上作戦の遂行を左右する。 === 空軍の歴史 === === 航空戦力の特性 === === 航空作戦の形態 === === 航空戦略と戦術=== [[カテゴリ:軍事学]]	null	2022-11-22T17:29:15Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E8%BB%8D%E4%BA%8B%E5%AD%A6%E6%A6%82%E8%AB%96/%E8%88%AA%E7%A9%BA%E4%BD%9C%E6%88%A6
7,897	軍事学概論/情報作戦	情報作戦とは情報を巡る戦いであり、現代では多くの局面を持っているが、その基本的な局面としては指揮統制戦、心理戦、電子戦などがある。指揮統制戦とは味方の指揮系統の機能を防護して敵の指揮系統を破壊しようとする戦いである。心理戦とは対象の心理的な感情や印象などに影響を及ぼすために計画的に情報が運用される戦いである。電子戦は電磁波をめぐる戦いである。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "情報作戦とは情報を巡る戦いであり、現代では多くの局面を持っているが、その基本的な局面としては指揮統制戦、心理戦、電子戦などがある。指揮統制戦とは味方の指揮系統の機能を防護して敵の指揮系統を破壊しようとする戦いである。心理戦とは対象の心理的な感情や印象などに影響を及ぼすために計画的に情報が運用される戦いである。電子戦は電磁波をめぐる戦いである。", "title": "" } ]	情報作戦とは情報を巡る戦いであり、現代では多くの局面を持っているが、その基本的な局面としては指揮統制戦、心理戦、電子戦などがある。指揮統制戦とは味方の指揮系統の機能を防護して敵の指揮系統を破壊しようとする戦いである。心理戦とは対象の心理的な感情や印象などに影響を及ぼすために計画的に情報が運用される戦いである。電子戦は電磁波をめぐる戦いである。	情報作戦とは情報を巡る戦いであり、現代では多くの局面を持っているが、その基本的な局面としては指揮統制戦、心理戦、電子戦などがある。指揮統制戦とは味方の指揮系統の機能を防護して敵の指揮系統を破壊しようとする戦いである。心理戦とは対象の心理的な感情や印象などに影響を及ぼすために計画的に情報が運用される戦いである。電子戦は電磁波をめぐる戦いである。 === 指揮統制戦 === === 電子戦 === === 心理戦 === [[カテゴリ:軍事学]]	null	2022-11-22T17:28:43Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E8%BB%8D%E4%BA%8B%E5%AD%A6%E6%A6%82%E8%AB%96/%E6%83%85%E5%A0%B1%E4%BD%9C%E6%88%A6
7,898	軍事学概論/後方支援	後方支援とは部隊の作戦行動を行うために必要となる水食料・弾薬・燃料・医薬品・被服などを補給して前線に輸送する業務である。軍隊においては各部隊に専門分野が兵科として割り当てられており、戦闘を実施する歩兵・機甲・砲兵・航空などの戦闘兵種、通信・補給・衛生・輸送などの後方兵種に区別される。この後方兵種が一般的に後方支援業務を実施する。作戦行動に後方支援は不可欠であり、特に陸上作戦は膨大な後方支援組織を要する。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "後方支援とは部隊の作戦行動を行うために必要となる水食料・弾薬・燃料・医薬品・被服などを補給して前線に輸送する業務である。軍隊においては各部隊に専門分野が兵科として割り当てられており、戦闘を実施する歩兵・機甲・砲兵・航空などの戦闘兵種、通信・補給・衛生・輸送などの後方兵種に区別される。この後方兵種が一般的に後方支援業務を実施する。作戦行動に後方支援は不可欠であり、特に陸上作戦は膨大な後方支援組織を要する。", "title": "" } ]	後方支援とは部隊の作戦行動を行うために必要となる水食料・弾薬・燃料・医薬品・被服などを補給して前線に輸送する業務である。軍隊においては各部隊に専門分野が兵科として割り当てられており、戦闘を実施する歩兵・機甲・砲兵・航空などの戦闘兵種、通信・補給・衛生・輸送などの後方兵種に区別される。この後方兵種が一般的に後方支援業務を実施する。作戦行動に後方支援は不可欠であり、特に陸上作戦は膨大な後方支援組織を要する。	後方支援とは部隊の作戦行動を行うために必要となる水食料・弾薬・燃料・医薬品・被服などを補給して前線に輸送する業務である。軍隊においては各部隊に専門分野が兵科として割り当てられており、戦闘を実施する歩兵・機甲・砲兵・航空などの戦闘兵種、通信・補給・衛生・輸送などの後方兵種に区別される。この後方兵種が一般的に後方支援業務を実施する。作戦行動に後方支援は不可欠であり、特に陸上作戦は膨大な後方支援組織を要する。 === 後方支援の歴史 === [[カテゴリ:軍事学]]	null	2022-11-22T17:28:40Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E8%BB%8D%E4%BA%8B%E5%AD%A6%E6%A6%82%E8%AB%96/%E5%BE%8C%E6%96%B9%E6%94%AF%E6%8F%B4
7,899	軍事学概論/民間防衛	民間防衛とは民間による非軍事的な様々な防衛活動をいう。民間防衛の主要なものは戦時における消防活動や救助活動、衛生活動、避難活動であるが、場合によっては国家心理戦や抵抗活動も含める。民間防衛の重要性は戦争規模の強大化に伴って増加してきた。戦争はかつては一部の特権階級と軍隊の仕事に過ぎなかったが、近代戦においては国家総力戦であり、ありとあらゆる手段が用いられ、その被害は国の全土に渡りうる。そのために都市や民間人が戦争の被害にあった場合には市民も軍隊だけに頼るのではなく、自主的に民間防衛組織を形成して平時より訓練教育を行い、戦時においては消防や避難支援などの諸活動にあたることがより効果的であると考えられる。これは戦闘時における非常事態対処だけでなく、戦時に発生する経済的な混乱や社会的な混乱、情報的な混乱などを最小限に留めるためにも非常に重要である。さらに敵が戦争時に行うスパイ活動や政治宣伝活動に対して警戒して防ぐ場合においても民間防衛組織が存在して国民に民間防衛の意識を保持することは緊要である。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "民間防衛とは民間による非軍事的な様々な防衛活動をいう。民間防衛の主要なものは戦時における消防活動や救助活動、衛生活動、避難活動であるが、場合によっては国家心理戦や抵抗活動も含める。民間防衛の重要性は戦争規模の強大化に伴って増加してきた。戦争はかつては一部の特権階級と軍隊の仕事に過ぎなかったが、近代戦においては国家総力戦であり、ありとあらゆる手段が用いられ、その被害は国の全土に渡りうる。そのために都市や民間人が戦争の被害にあった場合には市民も軍隊だけに頼るのではなく、自主的に民間防衛組織を形成して平時より訓練教育を行い、戦時においては消防や避難支援などの諸活動にあたることがより効果的であると考えられる。これは戦闘時における非常事態対処だけでなく、戦時に発生する経済的な混乱や社会的な混乱、情報的な混乱などを最小限に留めるためにも非常に重要である。さらに敵が戦争時に行うスパイ活動や政治宣伝活動に対して警戒して防ぐ場合においても民間防衛組織が存在して国民に民間防衛の意識を保持することは緊要である。", "title": "" } ]	民間防衛とは民間による非軍事的な様々な防衛活動をいう。民間防衛の主要なものは戦時における消防活動や救助活動、衛生活動、避難活動であるが、場合によっては国家心理戦や抵抗活動も含める。民間防衛の重要性は戦争規模の強大化に伴って増加してきた。戦争はかつては一部の特権階級と軍隊の仕事に過ぎなかったが、近代戦においては国家総力戦であり、ありとあらゆる手段が用いられ、その被害は国の全土に渡りうる。そのために都市や民間人が戦争の被害にあった場合には市民も軍隊だけに頼るのではなく、自主的に民間防衛組織を形成して平時より訓練教育を行い、戦時においては消防や避難支援などの諸活動にあたることがより効果的であると考えられる。これは戦闘時における非常事態対処だけでなく、戦時に発生する経済的な混乱や社会的な混乱、情報的な混乱などを最小限に留めるためにも非常に重要である。さらに敵が戦争時に行うスパイ活動や政治宣伝活動に対して警戒して防ぐ場合においても民間防衛組織が存在して国民に民間防衛の意識を保持することは緊要である。	民間防衛とは民間による非軍事的な様々な防衛活動をいう。民間防衛の主要なものは戦時における消防活動や救助活動、衛生活動、避難活動であるが、場合によっては国家心理戦や抵抗活動も含める。民間防衛の重要性は戦争規模の強大化に伴って増加してきた。戦争はかつては一部の特権階級と軍隊の仕事に過ぎなかったが、近代戦においては国家総力戦であり、ありとあらゆる手段が用いられ、その被害は国の全土に渡りうる。そのために都市や民間人が戦争の被害にあった場合には市民も軍隊だけに頼るのではなく、自主的に民間防衛組織を形成して平時より訓練教育を行い、戦時においては消防や避難支援などの諸活動にあたることがより効果的であると考えられる。これは戦闘時における非常事態対処だけでなく、戦時に発生する経済的な混乱や社会的な混乱、情報的な混乱などを最小限に留めるためにも非常に重要である。さらに敵が戦争時に行うスパイ活動や政治宣伝活動に対して警戒して防ぐ場合においても民間防衛組織が存在して国民に民間防衛の意識を保持することは緊要である。 === 民間防衛の歴史 === [[カテゴリ:軍事学]]	null	2022-11-22T17:28:56Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E8%BB%8D%E4%BA%8B%E5%AD%A6%E6%A6%82%E8%AB%96/%E6%B0%91%E9%96%93%E9%98%B2%E8%A1%9B
7,900	軍事学概論/終わりに	世界平和が人類の究極的な目標の一つであることはほぼ間違いないであろう。1898年に経済学者ブロッホは兵器の威力が飛躍的に向上していることから考えて『政治、経済関係にみる戦争の将来いまや戦争は不可能か?』という著作を発表して人類は戦争をしてはいけない時代に入ったことを主張した。しかし我々が簡単に戦争から逃れることはできないことは歴史を紐解いてみても明らかな事実である。戦争は国際秩序や国家体制を幾度も破壊し、多くの死と不幸を生み出した。第二次世界大戦後に国際連合という世界平和を追求するための国際機構が創設されたことは歴史的な成果であるが、これを以っても世界平和が達成されたわけではない。つまり軍事問題の研究というものは全く終わっておらず、むしろ日々継続する国際関係の変化や軍事技術の発展によって次の局面を迎えつつあると認められる。これは一見すると平和を求めながら戦争を理解するという二律背反的な試みのようであるが、平和を求めて戦争を理解することにはなんら矛盾することではなく、むしろ積極的な志向であるのだ。故に本書が読者諸氏の軍事問題に対する知的好奇心を満たしながらも、戦争についての理解を深めることで平和に貢献することが出来れば幸いである。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "世界平和が人類の究極的な目標の一つであることはほぼ間違いないであろう。1898年に経済学者ブロッホは兵器の威力が飛躍的に向上していることから考えて『政治、経済関係にみる戦争の将来いまや戦争は不可能か?』という著作を発表して人類は戦争をしてはいけない時代に入ったことを主張した。しかし我々が簡単に戦争から逃れることはできないことは歴史を紐解いてみても明らかな事実である。戦争は国際秩序や国家体制を幾度も破壊し、多くの死と不幸を生み出した。第二次世界大戦後に国際連合という世界平和を追求するための国際機構が創設されたことは歴史的な成果であるが、これを以っても世界平和が達成されたわけではない。つまり軍事問題の研究というものは全く終わっておらず、むしろ日々継続する国際関係の変化や軍事技術の発展によって次の局面を迎えつつあると認められる。これは一見すると平和を求めながら戦争を理解するという二律背反的な試みのようであるが、平和を求めて戦争を理解することにはなんら矛盾することではなく、むしろ積極的な志向であるのだ。故に本書が読者諸氏の軍事問題に対する知的好奇心を満たしながらも、戦争についての理解を深めることで平和に貢献することが出来れば幸いである。", "title": "" } ]	世界平和が人類の究極的な目標の一つであることはほぼ間違いないであろう。1898年に経済学者ブロッホは兵器の威力が飛躍的に向上していることから考えて『政治、経済関係にみる戦争の将来　いまや戦争は不可能か？』という著作を発表して人類は戦争をしてはいけない時代に入ったことを主張した。しかし我々が簡単に戦争から逃れることはできないことは歴史を紐解いてみても明らかな事実である。戦争は国際秩序や国家体制を幾度も破壊し、多くの死と不幸を生み出した。第二次世界大戦後に国際連合という世界平和を追求するための国際機構が創設されたことは歴史的な成果であるが、これを以っても世界平和が達成されたわけではない。つまり軍事問題の研究というものは全く終わっておらず、むしろ日々継続する国際関係の変化や軍事技術の発展によって次の局面を迎えつつあると認められる。これは一見すると平和を求めながら戦争を理解するという二律背反的な試みのようであるが、平和を求めて戦争を理解することにはなんら矛盾することではなく、むしろ積極的な志向であるのだ。故に本書が読者諸氏の軍事問題に対する知的好奇心を満たしながらも、戦争についての理解を深めることで平和に貢献することが出来れば幸いである。	世界平和が人類の究極的な目標の一つであることはほぼ間違いないであろう。1898年に経済学者ブロッホは兵器の威力が飛躍的に向上していることから考えて『政治、経済関係にみる戦争の将来　いまや戦争は不可能か？』という著作を発表して人類は戦争をしてはいけない時代に入ったことを主張した。しかし我々が簡単に戦争から逃れることはできないことは歴史を紐解いてみても明らかな事実である。戦争は国際秩序や国家体制を幾度も破壊し、多くの死と不幸を生み出した。第二次世界大戦後に国際連合という世界平和を追求するための国際機構が創設されたことは歴史的な成果であるが、これを以っても世界平和が達成されたわけではない。つまり軍事問題の研究というものは全く終わっておらず、むしろ日々継続する国際関係の変化や軍事技術の発展によって次の局面を迎えつつあると認められる。これは一見すると平和を求めながら戦争を理解するという二律背反的な試みのようであるが、平和を求めて戦争を理解することにはなんら矛盾することではなく、むしろ積極的な志向であるのだ。故に本書が読者諸氏の軍事問題に対する知的好奇心を満たしながらも、戦争についての理解を深めることで平和に貢献することが出来れば幸いである。 [[カテゴリ:軍事学]]	null	2022-11-22T17:29:06Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E8%BB%8D%E4%BA%8B%E5%AD%A6%E6%A6%82%E8%AB%96/%E7%B5%82%E3%82%8F%E3%82%8A%E3%81%AB
7,901	国際関係概論	国際関係概論は国際関係に関する一般的な教科書である。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "国際関係概論は国際関係に関する一般的な教科書である。", "title": "" } ]	社会科学 > 国際関係学> 国際関係学概論国際関係概論は国際関係に関する一般的な教科書である。	*[[社会科学]] > [[国際関係学]]> 国際関係学概論国際関係概論は国際関係に関する一般的な教科書である。 == 国際システム == == 国家 == == 国際紛争 == == 国際法 == == 国際機構 == == 国際経済 == == 国際社会 == == 世界システム == == グローバリゼーション == == 外交政策 == [[Category:国際関係学\|あんせんほしようかく]]	null	2022-08-31T23:19:59Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E9%96%A2%E4%BF%82%E6%A6%82%E8%AB%96
7,903	センター試験政治･経済対策	政治分野と経済分野から幅広く出題され、学習の達成度を問うものである。問題は正誤問題で、グラフや資料問題もあるが決して難易度は高くない。きちんとした学習をしていれば高得点を狙える教科である。難しい用語を使ったグラフ問題等では、その用語に関する説明が書かれてあることも多く、読み取ることが出来れば決して難問ではない。また、時事問題が多々出題されるのでニュースや新聞に目を向けるのもよいだろう。センター試験直前まで点数を伸ばすことができるので、意欲的に取り組んで欲しい。政治・経済は、センター試験初回の平成2年度から8年度まで「倫理,政治・経済」という形で実施されてきた(平成24年度より復活)。倫理+政経時代には後半の4~7問が政経分野からの出題で、前半は倫理分野から出題されていた。分離後も大問数は変わっていない。政治経済の得点の推移は、平成4年度を除いて、平成10年度(71.10点)までは比較的平易で平均点は60~70点台で推移してきたが、その後平成15年度(62.95点)まで50点台で推移してきた。特に平成14年度では、52.45点と全教科中最低の平均点を記録した(受験者が少ない社会のA教科、数学I、II、工業数理及び簿記を除く)。16及び17年度は60点台である。センター試験の他の科目に歩調を合わせるように政治経済でも2000年代に入ってから、グラフや写真からの読み取り問題が増えたが、それによって大きく難易度が変化するといったことは起こっていない。センター試験でたびたび起こってきた出題ミス(08年度は、世界史Aで選択肢が二つ存在する致命的なミスがあった)は、現在までのところ起きていない。基本的にはセンター試験向けに市販されている一般的な参考書のみで、安全に8割程度確保できる。また、日本国憲法の本文を暗記する必要は特にないが、前文の一部、1条、7条、9条、13条から41条、65条から72条、76条、96条等の主要部分は熟読することが望ましい。政治経済の出題分野は、主に以下の七つに大別でき、基本的にその全てがバランスよく出題されるが各分野中では相当偏りがある。基本的に各分野中で上位におかれている小分野が出やすい傾向がある。私大専願の政経選択者は出来れば地歴公民を2科目登録し、現代社会と政治・経済で受験した方が良い。これは、現代社会は政治・経済で8割程度取れるようになっていたら初見でも8割程度の点数が取れるようになる点と、3科目型より倍率・最低点が低い4科目型が利用出来るようになるからである(4科目型は政経が得意でなければ止めた方が良い)。また、政経が苦手な場合でも大学によっては第一解答科目・第二解答科目関係なく高得点の方を採用してくれる場合があり、この場合は一方で失敗しても他方で挽回できる可能性があるのでやはり2科目登録した方が良い。解答順序は双方の第一問を解いて感触が良かったほうを第一解答科目・悪かったほうを第二解答科目にすると良い(8割程度とれるなら時間は余るはず)。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "政治分野と経済分野から幅広く出題され、学習の達成度を問うものである。問題は正誤問題で、グラフや資料問題もあるが決して難易度は高くない。きちんとした学習をしていれば高得点を狙える教科である。難しい用語を使ったグラフ問題等では、その用語に関する説明が書かれてあることも多く、読み取ることが出来れば決して難問ではない。また、時事問題が多々出題されるのでニュースや新聞に目を向けるのもよいだろう。センター試験直前まで点数を伸ばすことができるので、意欲的に取り組んで欲しい。", "title": "総説" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "政治・経済は、センター試験初回の平成2年度から8年度まで「倫理,政治・経済」という形で実施されてきた(平成24年度より復活)。倫理+政経時代には後半の4~7問が政経分野からの出題で、前半は倫理分野から出題されていた。分離後も大問数は変わっていない。政治経済の得点の推移は、平成4年度を除いて、平成10年度(71.10点)までは比較的平易で平均点は60~70点台で推移してきたが、その後平成15年度(62.95点)まで50点台で推移してきた。特に平成14年度では、52.45点と全教科中最低の平均点を記録した(受験者が少ない社会のA教科、数学I、II、工業数理及び簿記を除く)。16及び17年度は60点台である。センター試験の他の科目に歩調を合わせるように政治経済でも2000年代に入ってから、グラフや写真からの読み取り問題が増えたが、それによって大きく難易度が変化するといったことは起こっていない。センター試験でたびたび起こってきた出題ミス(08年度は、世界史Aで選択肢が二つ存在する致命的なミスがあった)は、現在までのところ起きていない。", "title": "傾向" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "基本的にはセンター試験向けに市販されている一般的な参考書のみで、安全に8割程度確保できる。また、日本国憲法の本文を暗記する必要は特にないが、前文の一部、1条、7条、9条、13条から41条、65条から72条、76条、96条等の主要部分は熟読することが望ましい。政治経済の出題分野は、主に以下の七つに大別でき、基本的にその全てがバランスよく出題されるが各分野中では相当偏りがある。基本的に各分野中で上位におかれている小分野が出やすい傾向がある。", "title": "対策" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "私大専願の政経選択者は出来れば地歴公民を2科目登録し、現代社会と政治・経済で受験した方が良い。これは、現代社会は政治・経済で8割程度取れるようになっていたら初見でも8割程度の点数が取れるようになる点と、3科目型より倍率・最低点が低い4科目型が利用出来るようになるからである(4科目型は政経が得意でなければ止めた方が良い)。また、政経が苦手な場合でも大学によっては第一解答科目・第二解答科目関係なく高得点の方を採用してくれる場合があり、この場合は一方で失敗しても他方で挽回できる可能性があるのでやはり2科目登録した方が良い。解答順序は双方の第一問を解いて感触が良かったほうを第一解答科目・悪かったほうを第二解答科目にすると良い(8割程度とれるなら時間は余るはず)。", "title": "その他" } ]	日本の大学受験ガイド > センター試験 > 政治・経済対策	[[日本の大学受験ガイド]] > センター試験 > 政治・経済対策 == 総説 == 政治分野と経済分野から幅広く出題され、学習の達成度を問うものである。問題は正誤問題で、グラフや資料問題もあるが決して難易度は高くない。きちんとした学習をしていれば高得点を狙える教科である。難しい用語を使ったグラフ問題等では、その用語に関する説明が書かれてあることも多く、読み取ることが出来れば決して難問ではない。また、時事問題が多々出題されるのでニュースや新聞に目を向けるのもよいだろう。センター試験直前まで点数を伸ばすことができるので、意欲的に取り組んで欲しい。 == 傾向 == 政治・経済は、センター試験初回の平成2年度から8年度まで｢倫理，政治・経済｣という形で実施されてきた（平成24年度より復活）。倫理＋政経時代には後半の4～7問が政経分野からの出題で、前半は倫理分野から出題されていた。分離後も大問数は変わっていない。</br> 政治経済の得点の推移は、平成4年度を除いて、平成10年度(71.10点)までは比較的平易で平均点は60～70点台で推移してきたが、その後平成15年度(62.95点)まで50点台で推移してきた。特に平成14年度では、52.45点と全教科中最低の平均点を記録した(受験者が少ない社会のA教科、数学Ⅰ、Ⅱ、工業数理及び簿記を除く)。16及び17年度は60点台である。</br> センター試験の他の科目に歩調を合わせるように政治経済でも2000年代に入ってから、グラフや写真からの読み取り問題が増えたが、それによって大きく難易度が変化するといったことは起こっていない。</br> センター試験でたびたび起こってきた出題ミス(08年度は、世界史Aで選択肢が二つ存在する致命的なミスがあった)は、現在までのところ起きていない。 == 対策 == 基本的にはセンター試験向けに市販されている一般的な参考書のみで、安全に8割程度確保できる。また、日本国憲法の本文を暗記する必要は特にないが、前文の一部、1条、7条、9条、13条から41条、65条から72条、76条、96条等の主要部分は熟読することが望ましい。</br> 政治経済の出題分野は、主に以下の七つに大別でき、基本的にその全てがバランスよく出題されるが各分野中では相当偏りがある。</br> 基本的に各分野中で上位におかれている小分野が出やすい傾向がある。 == 憲法の基本原理とその歴史 == '''民主主義の原理と思想''' '''民主主義の原理の歴史''' '''基本的人権と新しい人権''' '''平和主義''' == 統治機構論 == '''政党と選挙''' '''政治制度の国際比較''' '''国会''' '''内閣''' '''裁判所''' '''国際政治''' '''市民運動と圧力団体''' == 経済理論と経済史 == '''市場''' '''財政政策と金融政策''' '''経済理論と経済思想''' '''経済体制''' '''企業と家計''' '''国民所得''' '''経済成長''' '''貨幣と金融''' '''産業''' == 日本経済 == '''日本経済の現状''' '''中小企業問題''' '''日本経済史''' '''農業問題''' '''公害問題''' == 社会保障、労働、消費者 == '''社会保障''' '''労働問題''' '''消費者問題''' == 国際経済 == '''国際貿易体制''' '''国際通貨体制''' '''貧困問題''' '''国際経済の動向''' == 国際社会 == '''国際政治の動向''' '''国際組織''' '''国際法''' '''資源・エネルギー問題''' '''軍縮''' '''人口問題''' '''地球環境問題''' == その他 == 私大専願の政経選択者は出来れば地歴公民を2科目登録し、現代社会と政治・経済で受験した方が良い。これは、現代社会は政治・経済で8割程度取れるようになっていたら初見でも8割程度の点数が取れるようになる点と、3科目型より倍率・最低点が低い4科目型が利用出来るようになるからである（4科目型は政経が得意でなければ止めた方が良い）。また、政経が苦手な場合でも大学によっては第一解答科目・第二解答科目関係なく高得点の方を採用してくれる場合があり、この場合は一方で失敗しても他方で挽回できる可能性があるのでやはり2科目登録した方が良い。解答順序は双方の第一問を解いて感触が良かったほうを第一解答科目・悪かったほうを第二解答科目にすると良い（8割程度とれるなら時間は余るはず）。 [[Category:センター試験\|せいじ・けいざいたいさく]]	null	2016-03-15T13:15:07Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E8%A9%A6%E9%A8%93_%E6%94%BF%E6%B2%BB%EF%BD%A5%E7%B5%8C%E6%B8%88%E5%AF%BE%E7%AD%96
7,904	摂南大対策	本項は、摂南大学の入学試験対策に関する事項である。摂南大学は、大阪府寝屋川市にある私立大学である。大阪の高校からの受験者が多い。薬学部は他学部と比較するとずっと難易度が高い。一般入試としては、前期A、B日程と後期日程の3回の受験のチャンスがある。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "本項は、摂南大学の入学試験対策に関する事項である。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "摂南大学は、大阪府寝屋川市にある私立大学である。大阪の高校からの受験者が多い。薬学部は他学部と比較するとずっと難易度が高い。一般入試としては、前期A、B日程と後期日程の3回の受験のチャンスがある。", "title": "" } ]	日本の大学受験ガイド > 摂南大対策本項は、摂南大学の入学試験対策に関する事項である。摂南大学は、大阪府寝屋川市にある私立大学である。大阪の高校からの受験者が多い。薬学部は他学部と比較するとずっと難易度が高い。一般入試としては、前期A、B日程と後期日程の3回の受験のチャンスがある。	{{wikipedia\|摂南大学}} *[[日本の大学受験ガイド]] > [[摂南大対策]] 本項は、[[w:摂南大学\|摂南大学]]の入学試験対策に関する事項である。摂南大学は、大阪府寝屋川市にある私立大学である。大阪の高校からの受験者が多い。薬学部は他学部と比較するとずっと難易度が高い。一般入試としては、前期A、B日程と後期日程の3回の受験のチャンスがある。 [[Category:大学入試\|せつなん]]	null	2014-08-17T09:20:42Z	[ "テンプレート:Wikipedia" ]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E6%91%82%E5%8D%97%E5%A4%A7%E5%AF%BE%E7%AD%96
7,907	会社法第716条	法学>民事法>商法>コンメンタール会社法>第4編社債 (コンメンタール会社法) (w:社債権者集会の権限)	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "法学>民事法>商法>コンメンタール会社法>第4編社債 (コンメンタール会社法)", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "(w:社債権者集会の権限)", "title": "条文" } ]	法学＞民事法＞商法＞コンメンタール会社法＞第4編社債 (コンメンタール会社法)	[[法学]]＞[[民事法]]＞[[商法]]＞[[コンメンタール会社法]]＞[[第4編社債 (コンメンタール会社法)]] ==条文== （[[w:社債権者集会]]の権限） ;第716条 : 社債権者集会は、この法律に規定する事項及び社債権者の利害に関する事項について決議をすることができる。 ==解説== ==関連条文== ---- {{前後 \|[[コンメンタール会社法\|会社法]] \|[[第4編社債 (コンメンタール会社法)\|第4編社債]]<br> [[第4編社債 (コンメンタール会社法)#3\|第3章社債権者集会]]<br> \|[[会社法第715条]]<br>（社債権者集会の構成） \|[[会社法第717条]]<br>（社債権者集会の招集） }} {{stub}} [[category:会社法\|716]]	null	2009-03-06T22:16:41Z	[ "テンプレート:前後", "テンプレート:Stub" ]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E6%B3%95%E7%AC%AC716%E6%9D%A1
7,909	センター試験現代社会対策	日本の大学受験ガイド> センター試験 > センター試験公民対策 > センター試験現代社会対策 > 現代社会は中学校社会科公民的分野に少し深い知識が要求されるといったところである。もしくは、政治・経済、倫理を組み合わせて少し知識を浅くして括ったものに環境問題、時事問題を加えたものであるといってよい。内容はほぼ政治経済の範囲と重複するので、高得点を狙いたい受験生は政治経済受験者用の学習をする方がよい(現代社会では発展問題でも政治経済では基本問題であることが多々あるため)。旧課程時代は比較的容易な問題が多かったが、他の科目よりも平均が高かったことや、学力低下の防止、或いは無勉で受験するものが多いせいか、平成18年度から大幅に難化した。翌年の19年度さらに難化し、その年、公民で最も平均点の高いとされている倫理と20点近く差があるに至った。しかし、平成20年度はグラフ読み取りは減り、大幅に易化したと見られる。教科書程度の基本的な内容を除けば、それほど細かい知識は要求されないが、相当広い知識が要求される。まず、教科書程度の内容は必ず学習し、確実に押さえておかなければ門前払いされる。また、新聞を読む習慣をつけることも大切。参考書は時事問題に詳しいものがおすすめだが、近年のニュースを扱った書物を読むと良い。現代社会を履修する学校では、資料集が配られるところが少なくないと思われるので、もし資料集が配られた場合、むやみやたらと参考書を買い漁らず、資料集に目を通しておくべきである。過去問は11月くらいから取り組めば十分である。それまでは、一問一答のような記述式の問題集、実践問題を通して問題演習を重ねればよい。そして、過去問に取り掛かるわけだが、難易度は大幅に難化することもあり得る訳だから、本試だけでなく、追試も必ず解くこと。現代社会は同じような問題が出されることもしばしばあるので、なるべくたくさんの年度の問題を解いておく必要がある。また、ある程度過去問に取り組み、時間があれば政治経済の過去問にも取り組みたい。近年では「政治・経済」科目との難易度の差がほとんど無くなってきているので、ある程度の一般常識を持ち得ている受験生であれば、試験当日に「政治・経済」の問題と「現代社会」の問題とを見比べ、容易と思った方を選択するぐらいの余裕を持っておくとよい。出題範囲がかなり広いため、センター試験本番で過去問や模試で見た事がない問題が出題されるのはごく当たり前の事である。そのような時も、動揺せずに明らかに間違った選択肢から確実に消去して行く事が重要である。また、70-80点は比較的容易に取れるが、90点を超えるような得点を取るのはなかなか難しい。欲張りすぎて他科目の対策に支障が出たり、目標を高くし過ぎてペースが乱れないよう注意したい。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "日本の大学受験ガイド> センター試験 > センター試験公民対策 > センター試験現代社会対策 >", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "現代社会は中学校社会科公民的分野に少し深い知識が要求されるといったところである。もしくは、政治・経済、倫理を組み合わせて少し知識を浅くして括ったものに環境問題、時事問題を加えたものであるといってよい。内容はほぼ政治経済の範囲と重複するので、高得点を狙いたい受験生は政治経済受験者用の学習をする方がよい(現代社会では発展問題でも政治経済では基本問題であることが多々あるため)。", "title": "総説" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "旧課程時代は比較的容易な問題が多かったが、他の科目よりも平均が高かったことや、学力低下の防止、或いは無勉で受験するものが多いせいか、平成18年度から大幅に難化した。翌年の19年度さらに難化し、その年、公民で最も平均点の高いとされている倫理と20点近く差があるに至った。しかし、平成20年度はグラフ読み取りは減り、大幅に易化したと見られる。", "title": "傾向" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "教科書程度の基本的な内容を除けば、それほど細かい知識は要求されないが、相当広い知識が要求される。まず、教科書程度の内容は必ず学習し、確実に押さえておかなければ門前払いされる。", "title": "対策" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "また、新聞を読む習慣をつけることも大切。参考書は時事問題に詳しいものがおすすめだが、近年のニュースを扱った書物を読むと良い。現代社会を履修する学校では、資料集が配られるところが少なくないと思われるので、もし資料集が配られた場合、むやみやたらと参考書を買い漁らず、資料集に目を通しておくべきである。", "title": "対策" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "過去問は11月くらいから取り組めば十分である。それまでは、一問一答のような記述式の問題集、実践問題を通して問題演習を重ねればよい。そして、過去問に取り掛かるわけだが、難易度は大幅に難化することもあり得る訳だから、本試だけでなく、追試も必ず解くこと。現代社会は同じような問題が出されることもしばしばあるので、なるべくたくさんの年度の問題を解いておく必要がある。また、ある程度過去問に取り組み、時間があれば政治経済の過去問にも取り組みたい。", "title": "対策" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "近年では「政治・経済」科目との難易度の差がほとんど無くなってきているので、ある程度の一般常識を持ち得ている受験生であれば、試験当日に「政治・経済」の問題と「現代社会」の問題とを見比べ、容易と思った方を選択するぐらいの余裕を持っておくとよい。", "title": "対策" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "出題範囲がかなり広いため、センター試験本番で過去問や模試で見た事がない問題が出題されるのはごく当たり前の事である。そのような時も、動揺せずに明らかに間違った選択肢から確実に消去して行く事が重要である。また、70-80点は比較的容易に取れるが、90点を超えるような得点を取るのはなかなか難しい。欲張りすぎて他科目の対策に支障が出たり、目標を高くし過ぎてペースが乱れないよう注意したい。", "title": "対策" } ]	日本の大学受験ガイド> センター試験 > センター試験公民対策 > センター試験現代社会対策 >	[[日本の大学受験ガイド]]> [[センター試験]] > [[センター試験公民対策]] > センター試験現代社会対策 > == 総説 == 現代社会は中学校社会科公民的分野に少し深い知識が要求されるといったところである｡もしくは、政治･経済、倫理を組み合わせて少し知識を浅くして括ったものに環境問題､時事問題を加えたものであるといってよい。内容はほぼ政治経済の範囲と重複するので、高得点を狙いたい受験生は政治経済受験者用の学習をする方がよい（現代社会では発展問題でも政治経済では基本問題であることが多々あるため）。 == 傾向 == 旧課程時代は比較的容易な問題が多かったが､他の科目よりも平均が高かったことや､学力低下の防止、或いは無勉で受験するものが多いせいか､平成18年度から大幅に難化した。翌年の19年度さらに難化し、その年、公民で最も平均点の高いとされている倫理と20点近く差があるに至った｡しかし、平成20年度はグラフ読み取りは減り、大幅に易化したと見られる。 == 対策 == 教科書程度の基本的な内容を除けば､それほど細かい知識は要求されないが､相当広い知識が要求される。まず、教科書程度の内容は必ず学習し、確実に押さえておかなければ門前払いされる。また､新聞を読む習慣をつけることも大切。参考書は時事問題に詳しいものがおすすめだが、近年のニュースを扱った書物を読むと良い｡現代社会を履修する学校では、資料集が配られるところが少なくないと思われるので､もし資料集が配られた場合､むやみやたらと参考書を買い漁らず､資料集に目を通しておくべきである。過去問は11月くらいから取り組めば十分である。それまでは、一問一答のような記述式の問題集、実践問題を通して問題演習を重ねればよい。そして、過去問に取り掛かるわけだが、難易度は大幅に難化することもあり得る訳だから、本試だけでなく、追試も必ず解くこと。現代社会は同じような問題が出されることもしばしばあるので、なるべくたくさんの年度の問題を解いておく必要がある。また、ある程度過去問に取り組み、時間があれば政治経済の過去問にも取り組みたい。近年では「政治・経済」科目との難易度の差がほとんど無くなってきているので、ある程度の一般常識を持ち得ている受験生であれば、試験当日に「政治・経済」の問題と「現代社会」の問題とを見比べ、容易と思った方を選択するぐらいの余裕を持っておくとよい。出題範囲がかなり広いため、センター試験本番で過去問や模試で見た事がない問題が出題されるのはごく当たり前の事である。そのような時も、動揺せずに明らかに間違った選択肢から確実に消去して行く事が重要である。また、70-80点は比較的容易に取れるが、90点を超えるような得点を取るのはなかなか難しい。欲張りすぎて他科目の対策に支障が出たり、目標を高くし過ぎてペースが乱れないよう注意したい。 [[Category:センター試験\|けんたいしやかいたいさく]] [[Category:社会\|けんたいしやかいたいさく]]	null	2016-09-25T12:02:37Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E8%A9%A6%E9%A8%93_%E7%8F%BE%E4%BB%A3%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E5%AF%BE%E7%AD%96
7,911	会社法第646条	法学>民事法>商法>コンメンタール会社法>第3編持分会社 (コンメンタール会社法) (w:清算人の設置)	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "法学>民事法>商法>コンメンタール会社法>第3編持分会社 (コンメンタール会社法)", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "(w:清算人の設置)", "title": "条文" } ]	法学＞民事法＞商法＞コンメンタール会社法＞第3編持分会社 (コンメンタール会社法)	[[法学]]＞[[民事法]]＞[[商法]]＞[[コンメンタール会社法]]＞[[第3編持分会社 (コンメンタール会社法)]] ==条文== （[[w:清算人]]の設置） ;第646条 : 清算持分会社には、一人又は二人以上の清算人を置かなければならない。 ==解説== ==関連条文== ---- {{前後 \|[[コンメンタール会社法\|会社法]] \|[[第3編持分会社 (コンメンタール会社法)\|第3編持分会社]]<br> [[第3編持分会社 (コンメンタール会社法)#8\|第8章清算]]<br> [[第3編持分会社 (コンメンタール会社法)#8-2\|第2節清算人]] \|[[会社法第645条]]<br>（清算人の就任） \|[[会社法第647条]]<br>（清算人の就任） }} {{stub}} [[category:会社法\|646]]	null	2008-12-05T00:54:41Z	[ "テンプレート:前後", "テンプレート:Stub" ]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E6%B3%95%E7%AC%AC646%E6%9D%A1
7,912	会社法第667条	法学>民事法>商法>コンメンタール会社法>第3編持分会社 (コンメンタール会社法) (清算事務の終了等)	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "法学>民事法>商法>コンメンタール会社法>第3編持分会社 (コンメンタール会社法)", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "(清算事務の終了等)", "title": "条文" } ]	法学＞民事法＞商法＞コンメンタール会社法＞第3編持分会社 (コンメンタール会社法)	[[法学]]＞[[民事法]]＞[[商法]]＞[[コンメンタール会社法]]＞[[第3編持分会社 (コンメンタール会社法)]] ==条文== （清算事務の終了等） ;第667条 # 清算持分会社は、清算事務が終了したときは、遅滞なく、清算に係る計算をして、社員の承認を受けなければならない。 # 社員が1箇月以内に前項の計算について異議を述べなかったときは、社員は、当該計算の承認をしたものとみなす。ただし、清算人の職務の執行に不正の行為があったときは、この限りでない。 ==解説== ==関連条文== ---- {{前後 \|[[コンメンタール会社法\|会社法]] \|[[第3編持分会社 (コンメンタール会社法)\|第3編持分会社]]<br> [[第3編持分会社 (コンメンタール会社法)#8\|第8章清算]]<br> [[第3編持分会社 (コンメンタール会社法)#8-6\|第6節清算事務の終了等]] \|[[会社法第666条]]<br>（残余財産の分配の割合） \|[[会社法第668条]]<br>（財産の処分の方法） }} {{stub}} [[category:会社法\|667]]	null	2022-06-01T10:11:38Z	[ "テンプレート:前後", "テンプレート:Stub" ]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E6%B3%95%E7%AC%AC667%E6%9D%A1
7,913	会社法第671条	法学>民事法>商法>コンメンタール会社法>第3編持分会社 (コンメンタール会社法) (持分の差押債権者の同意等)	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "法学>民事法>商法>コンメンタール会社法>第3編持分会社 (コンメンタール会社法)", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "(持分の差押債権者の同意等)", "title": "条文" } ]	法学＞民事法＞商法＞コンメンタール会社法＞第3編持分会社 (コンメンタール会社法)	[[法学]]＞[[民事法]]＞[[商法]]＞[[コンメンタール会社法]]＞[[第3編持分会社 (コンメンタール会社法)]] ==条文== （持分の差押債権者の同意等） ;第671条 # 持分会社が[[会社法第668条\|第668条]]第1項の財産の処分の方法を定めた場合において、社員の持分を差し押さえた債権者があるときは、その解散後の清算持分会社がその財産の処分をするには、その債権者の同意を得なければならない。 # 前項の清算持分会社が同項の規定に違反してその財産の処分をしたときは、社員の持分を差し押さえた債権者は、当該清算持分会社に対し、その持分に相当する金額の支払を請求することができる。 ==解説== ==関連条文== ---- {{前後 \|[[コンメンタール会社法\|会社法]] \|[[第3編持分会社 (コンメンタール会社法)\|第3編持分会社]]<br> [[第3編持分会社 (コンメンタール会社法)#8\|第8章清算]]<br> [[第3編持分会社 (コンメンタール会社法)#8-7\|第7節任意清算]] \|[[会社法第670条]]<br>（債権者の異議） \|[[会社法第672条]]<br>（帳簿資料の保存） }} {{stub}} [[category:会社法\|671]]	null	2008-12-05T00:51:59Z	[ "テンプレート:Stub", "テンプレート:前後" ]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E6%B3%95%E7%AC%AC671%E6%9D%A1
7,916	予想紙の見方	ここでは予想紙の見方について解説する。最も勝てると思われる馬には本命の◎がつけられる。本命を負かせると思われる馬には対抗の○がつけられる。本命、対抗の次に強いと思われる馬には単穴の▲がつけられる。勝つまでは行かないが、2、3着には来るだろうと言う馬には連下(複穴)の△がつけられる。もしかしたら、3着以内に来るかもしれない馬には注目の×、☆、注がつけられる。この馬しかいないと思うほど自信のある本命の時、◎の内側の○を黒く塗りつぶす場合がある。連下の中では、最も来る可能性がある馬には、二重三角印がつけられる場合がある。馬柱とは一般的に枠番号・馬番号・出走馬名・負担重量・騎手名・厩舎名・予想印・前3~7走の成績・距離、芝・ダートコース別の成績などが書かれた欄で作られる、いわば「馬のデータベース」のようなものである。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "ここでは予想紙の見方について解説する。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "最も勝てると思われる馬には本命の◎がつけられる。", "title": "予想の印" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "本命を負かせると思われる馬には対抗の○がつけられる。", "title": "予想の印" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "本命、対抗の次に強いと思われる馬には単穴の▲がつけられる。", "title": "予想の印" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "勝つまでは行かないが、2、3着には来るだろうと言う馬には連下(複穴)の△がつけられる。", "title": "予想の印" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "もしかしたら、3着以内に来るかもしれない馬には注目の×、☆、注がつけられる。", "title": "予想の印" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "この馬しかいないと思うほど自信のある本命の時、◎の内側の○を黒く塗りつぶす場合がある。", "title": "予想の印" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "連下の中では、最も来る可能性がある馬には、二重三角印がつけられる場合がある。", "title": "予想の印" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "", "title": "予想の印" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "馬柱とは一般的に枠番号・馬番号・出走馬名・負担重量・騎手名・厩舎名・予想印・前3~7走の成績・距離、芝・ダートコース別の成績などが書かれた欄で作られる、いわば「馬のデータベース」のようなものである。", "title": "馬柱" } ]	ここでは予想紙の見方について解説する。	ここでは予想紙の見方について解説する。 == 予想の印 == ===基本=== 最も勝てると思われる馬には本命の◎がつけられる。本命を負かせると思われる馬には対抗の○がつけられる。本命、対抗の次に強いと思われる馬には単穴の▲がつけられる。勝つまでは行かないが、2、3着には来るだろうと言う馬には連下(複穴)の△がつけられる。もしかしたら、3着以内に来るかもしれない馬には注目の×、☆、注がつけられる。 ===変則=== この馬しかいないと思うほど自信のある本命の時、◎の内側の○を黒く塗りつぶす場合がある。連下の中では、最も来る可能性がある馬には、二重三角印がつけられる場合がある。 == 馬柱 == 馬柱とは一般的に枠番号・馬番号・出走馬名・負担重量・騎手名・厩舎名・予想印・前3～7走の成績・距離、芝・ダートコース別の成績などが書かれた欄で作られる、いわば「馬のデータベース」のようなものである。 [[Category:競馬\|よそうしのみかた]]	null	2018-06-03T10:00:41Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E4%BA%88%E6%83%B3%E7%B4%99%E3%81%AE%E8%A6%8B%E6%96%B9
7,917	日本競馬史入門	ここでは日本における競馬の歴史について解説します。江戸時代末期の開国後、横浜の外国人居留地で行われた競馬が最初です。その後、日本人により、根岸競馬場で、洋式競馬が行われました。 1905年の桂太郎内閣により、馬券販売が事実上認可され、ここに現在の賭博競馬の形が誕生しました。しかしその後、競馬団体の乱立で、俗に言う引っ張り、八百長が起き、認可は取り消されましたたが、軍馬育成のため補助金による競馬が行われました。 1923年には、安田伊左衛門らの尽力で旧競馬法が成立し、日本競馬会による競馬が行われました。1943年まで馬券販売を伴う競馬は続けられましたが、太平洋戦争の戦局悪化により、能力検定競走のみ行われました。戦後まもなく、日本競馬会による競馬が再開されますが、独占禁止法違反が指摘され、日本競馬会は解散し、1948年に、国営競馬が行われました。1954年には日本中央競馬会(略称:NCK→JRA)に移行しました。顕彰馬に選ばれている馬は競馬ファンなら知っておくと知識の幅が広がります。もっと詳しく知りたくなった際は項目名のwikipediaリンクから参照してみてください。ダービーを勝った競争成績もさることながら、メイヂヒカリなどを輩出した種牡馬成績も立派。史上初の三冠馬。重い斤量、重馬場も得意な、タフな名馬。牡馬。無敗で変則三冠を成し遂げた牝馬。シンボリルドルフの野平祐二調教師曰く日本競馬最強馬。皐月賞、オークスを制した。繁殖牝馬としては、ダービー馬、天皇賞馬を輩出。クラシック二冠馬。種牡馬としてもクラシック勝ち馬を多数輩出。無敗で、二冠を制し、3冠確実と言われながら、ダービー後17日で破傷風で死亡。幻の馬といえばトキノミノルのこと。第1回中山グランプリ(後の有馬記念)の勝ち馬。豪脚は「日本刀の切れ味」と形容された。ダービー、天皇賞、有馬記念を勝ち、ワシントンバースデイハンデキャップで日本調教馬初の海外重賞制覇を成し遂げた。アングロアラブながら、サラブレッドの一線級と互角の戦いを演じた。無敗でクラシック二冠を達成した。「シンザンはナタの切れ味、コダマはカミソリの切れ味」と言われた。戦後初、史上2頭目の三冠馬。天皇賞、有馬記念も優勝したので五冠馬と言われる。日本のサラブレッドで最も長生きした馬。種牡馬としても、ミホシンザンらを輩出。老雄。数え8歳で宝塚記念と有馬記念を優勝、有馬記念2連覇は史上初。 60キロ以上の斤量を背にダート、マイルでレコード、スプリンターズSと天皇賞を勝った。距離馬場不問の馬。障害競走馬で唯一の顕彰馬。中山大障害(当時は春秋2回施行)を4連覇している初代アイドルホース、地方出身の馬が無敗で皐月賞を勝ち第1次競馬ブームの火付け役となった。一時代を築いたTTGの一角、皐月賞、有馬記念などを勝ち天馬と呼ばれた。種牡馬としても「お助けボーイ」として幅広く活躍した。 8戦8勝。2度の大差勝ちで計61馬身を2着馬との差として記録した。また、母の父としても9頭のGIおよびJpnI優勝馬を輩出している。国内産初、史上3頭目のクラシック三冠馬。天皇賞(秋)を加えGI4勝という成績を残した。無敗クラシック三冠に加え、特定の古馬GI4勝と史上初の七冠馬という功績を残した。外国馬も出場するジャパンカップでは日本馬初の勝利もしている。史上初牝馬三冠を獲得。それらトライアルレースでも勝利している。競馬史上最大のアイドルホース。地方競馬から中央競馬へ、過酷なレースローテでの勝利や強大なライバルとの争いなどで人気を集め、第2次競馬ブームを引き起こした。また、ラストランの有馬記念では前走までの不調を乗り越え勝利を収めたことも有終の美として語られる。史上初祖父父仔による三代連続天皇賞制覇、天皇賞(春)の二連覇、4年連続GI勝利、史上初獲得総賞金10億円、連対9連続・連対率85.7%という功績を残した。無敗の二冠、ジャパンカップとラストラン有馬記念の親子勝利という成績を残した。特にジャパンカップは7年ぶり3頭目の日本馬優勝である。史上5頭目の三冠馬、GI5連勝、10連続連対と3歳馬の成績ではトップレベルの競走馬。フランスG1を含めたGI競走5勝、馬場状態を問わない強さが印象に残る競走馬。ファンからはマイル距離最強の馬の候補に必ず名が挙げられるほどの支持を得ている。 2000年において、秋古馬三冠、日本初の年内最上位グレード競争5勝、年内8戦全勝という功績を残し、「世紀末覇王」とも呼ばれる。生涯の最上位グレード競争戦績も7勝と史上2頭目の記録を残している。史上2頭目の無敗三冠、七冠、優勝12回、連対11連続連対率92.8%といった成績を残した。「近代競馬の結晶」「史上最強の競走馬」とも呼ばれる。牝馬での史上3頭目、64年ぶりの東京優駿(日本ダービー)勝利、史上4頭目の生涯の最上位グレード競争戦績7勝といった成績を残した。史上3頭目の無敗三冠馬、凱旋門賞2年連続2着、日本馬で初となるロンジンワールドベストレースホースの受賞といった功績を残した。 G1 6連勝、連対10連続連対率94.7%生涯3着以内と短距離で圧倒的な成績を残した競走馬。凱旋門賞に並ぶ鬼門、香港スプリントの2年連続勝利といった功績も残している。史上4頭目の牝馬三冠馬。牝馬三冠、日本初の生涯の最上位グレード競争戦績9勝という功績を残した。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "ここでは日本における競馬の歴史について解説します。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "江戸時代末期の開国後、横浜の外国人居留地で行われた競馬が最初です。その後、日本人により、根岸競馬場で、洋式競馬が行われました。", "title": "制度の歴史" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "1905年の桂太郎内閣により、馬券販売が事実上認可され、ここに現在の賭博競馬の形が誕生しました。しかしその後、競馬団体の乱立で、俗に言う引っ張り、八百長が起き、認可は取り消されましたたが、軍馬育成のため補助金による競馬が行われました。", "title": "制度の歴史" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "1923年には、安田伊左衛門らの尽力で旧競馬法が成立し、日本競馬会による競馬が行われました。1943年まで馬券販売を伴う競馬は続けられましたが、太平洋戦争の戦局悪化により、能力検定競走のみ行われました。", "title": "制度の歴史" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "戦後まもなく、日本競馬会による競馬が再開されますが、独占禁止法違反が指摘され、日本競馬会は解散し、1948年に、国営競馬が行われました。1954年には日本中央競馬会(略称:NCK→JRA)に移行しました。", "title": "制度の歴史" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "", "title": "制度の歴史" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": 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24, "tag": "p", "text": "国内産初、史上3頭目のクラシック三冠馬。天皇賞(秋)を加えGI4勝という成績を残した。", "title": "顕彰馬" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "無敗クラシック三冠に加え、特定の古馬GI4勝と史上初の七冠馬という功績を残した。外国馬も出場するジャパンカップでは日本馬初の勝利もしている。", "title": "顕彰馬" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "史上初牝馬三冠を獲得。それらトライアルレースでも勝利している。", "title": "顕彰馬" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "競馬史上最大のアイドルホース。地方競馬から中央競馬へ、過酷なレースローテでの勝利や強大なライバルとの争いなどで人気を集め、第2次競馬ブームを引き起こした。また、ラストランの有馬記念では前走までの不調を乗り越え勝利を収めたことも有終の美として語られる。", "title": "顕彰馬" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "史上初祖父父仔による三代連続天皇賞制覇、天皇賞(春)の二連覇、4年連続GI勝利、史上初獲得総賞金10億円、連対9連続・連対率85.7%という功績を残した。", "title": "顕彰馬" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "無敗の二冠、ジャパンカップとラストラン有馬記念の親子勝利という成績を残した。特にジャパンカップは7年ぶり3頭目の日本馬優勝である。", "title": "顕彰馬" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "史上5頭目の三冠馬、GI5連勝、10連続連対と3歳馬の成績ではトップレベルの競走馬。", "title": "顕彰馬" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "フランスG1を含めたGI競走5勝、馬場状態を問わない強さが印象に残る競走馬。ファンからはマイル距離最強の馬の候補に必ず名が挙げられるほどの支持を得ている。", "title": "顕彰馬" }, { "paragraph_id": 32, "tag": "p", "text": "2000年において、秋古馬三冠、日本初の年内最上位グレード競争5勝、年内8戦全勝という功績を残し、「世紀末覇王」とも呼ばれる。生涯の最上位グレード競争戦績も7勝と史上2頭目の記録を残している。", "title": "顕彰馬" }, { "paragraph_id": 33, "tag": "p", "text": "史上2頭目の無敗三冠、七冠、優勝12回、連対11連続連対率92.8%といった成績を残した。「近代競馬の結晶」「史上最強の競走馬」とも呼ばれる。", "title": "顕彰馬" }, { "paragraph_id": 34, "tag": "p", "text": "牝馬での史上3頭目、64年ぶりの東京優駿(日本ダービー)勝利、史上4頭目の生涯の最上位グレード競争戦績7勝といった成績を残した。", "title": "顕彰馬" }, { "paragraph_id": 35, "tag": "p", "text": "史上3頭目の無敗三冠馬、凱旋門賞2年連続2着、日本馬で初となるロンジンワールドベストレースホースの受賞といった功績を残した。", "title": "顕彰馬" }, { "paragraph_id": 36, "tag": "p", "text": "G1 6連勝、連対10連続連対率94.7%生涯3着以内と短距離で圧倒的な成績を残した競走馬。凱旋門賞に並ぶ鬼門、香港スプリントの2年連続勝利といった功績も残している。", "title": "顕彰馬" }, { "paragraph_id": 37, "tag": "p", "text": "史上4頭目の牝馬三冠馬。", "title": "顕彰馬" }, { "paragraph_id": 38, "tag": "p", "text": "牝馬三冠、日本初の生涯の最上位グレード競争戦績9勝という功績を残した。", "title": "顕彰馬" } ]	ここでは日本における競馬の歴史について解説します。	ここでは日本における競馬の歴史について解説します。 == 制度の歴史 == 江戸時代末期の開国後、横浜の外国人居留地で行われた競馬が最初です。その後、日本人により、根岸競馬場で、洋式競馬が行われました。 1905年の桂太郎内閣により、馬券販売が事実上認可され、ここに現在の賭博競馬の形が誕生しました。しかしその後、競馬団体の乱立で、俗に言う引っ張り、八百長が起き、認可は取り消されましたたが、軍馬育成のため補助金による競馬が行われました。 1923年には、'''安田伊左衛門'''らの尽力で旧競馬法が成立し、日本競馬会による競馬が行われました。1943年まで馬券販売を伴う競馬は続けられましたが、太平洋戦争の戦局悪化により、'''能力検定競走'''のみ行われました。戦後まもなく、日本競馬会による競馬が再開されますが、独占禁止法違反が指摘され、日本競馬会は解散し、1948年に、国営競馬が行われました。1954年には日本中央競馬会(略称:NCK→JRA)に移行しました。 == 顕彰馬 == 顕彰馬に選ばれている馬は競馬ファンなら知っておくと知識の幅が広がります。もっと詳しく知りたくなった際は項目名のwikipediaリンクから参照してみてください。 ===[[w:クモハタ\|クモハタ]]=== ダービーを勝った競争成績もさることながら、メイヂヒカリなどを輩出した種牡馬成績も立派。 ===[[w:セントライト\|セントライト]]=== '''史上初の三冠馬'''<ref>3歳限定最上位グレード競争、皐月賞, 東京優駿, 菊花賞に勝利した称号。</ref>。重い斤量、重馬場も得意な、タフな名馬。牡馬。 ===[[w:クリフジ\|クリフジ]]=== 無敗で変則三冠を成し遂げた牝馬。シンボリルドルフの野平祐二調教師曰く日本競馬最強馬。 ===[[w:トキツカゼ\|トキツカゼ]]=== 皐月賞、オークスを制した。繁殖牝馬としては、ダービー馬、天皇賞馬を輩出。 ===[[w:トサミドリ\|トサミドリ]]=== クラシック二冠馬。種牡馬としてもクラシック勝ち馬を多数輩出。 ===[[w:トキノミノル\|トキノミノル]]=== 無敗で、二冠を制し、3冠確実と言われながら、ダービー後17日で破傷風で死亡。'''幻の馬'''といえばトキノミノルのこと。 ===[[w:メイヂヒカリ\|メイヂヒカリ]]=== 第1回中山グランプリ(後の有馬記念)の勝ち馬。豪脚は'''「日本刀の切れ味」'''と形容された。 ===[[w:ハクチカラ\|ハクチカラ]]=== ダービー、天皇賞、有馬記念を勝ち、ワシントンバースデイハンデキャップで'''日本調教馬初の海外重賞制覇'''を成し遂げた。 ===[[w:セイユウ\|セイユウ]]=== アングロアラブながら、サラブレッドの一線級と互角の戦いを演じた。 ===[[w:コダマ\|コダマ]]=== 無敗でクラシック二冠を達成した。「'''シンザンはナタの切れ味、コダマはカミソリの切れ味'''」と言われた。 ===[[w:シンザン\|シンザン]]=== 戦後初、史上2頭目の三冠馬。天皇賞、有馬記念も優勝したので'''五冠馬'''と言われる。日本のサラブレッドで最も長生きした馬。種牡馬としても、ミホシンザンらを輩出。 ===[[w:スピードシンボリ\|スピードシンボリ]]=== 老雄。数え８歳で宝塚記念と有馬記念を優勝、有馬記念２連覇は史上初。 ===[[w:タケシバオー\|タケシバオー]]=== ６０キロ以上の斤量を背にダート、マイルでレコード、スプリンターズSと天皇賞を勝った。距離馬場不問の馬。 ===[[w:グランドマーチス\|グランドマーチス]]=== 障害競走馬で唯一の顕彰馬。中山大障害（当時は春秋２回施行）を４連覇している ===[[w:ハイセイコー\|ハイセイコー]]=== '''初代アイドルホース'''、地方出身の馬が無敗で皐月賞を勝ち第１次競馬ブームの火付け役となった。 ===[[w:トウショウボーイ\|トウショウボーイ]]=== 一時代を築いたTTGの一角、皐月賞、有馬記念などを勝ち天馬と呼ばれた。種牡馬としても「お助けボーイ」として幅広く活躍した。 ===[[w:テンポイント\|テンポイント]]=== ===[[w:マルゼンスキー\|マルゼンスキー]]=== 8戦8勝。2度の大差勝ちで計61馬身を2着馬との差として記録した。また、母の父としても9頭のGIおよびJpnI優勝馬を輩出している。 ===[[w:ミスターシービー\|ミスターシービー]]=== 国内産初、史上3頭目のクラシック三冠馬。天皇賞（秋）を加えGⅠ4勝という成績を残した。<!--n次競馬ブームほどではないとはいえシービーも興行面でかなり貢献したらしい。ソース求む--> ===[[w:シンボリルドルフ\|シンボリルドルフ]]=== 無敗クラシック三冠に加え、特定の古馬GⅠ<ref>天皇賞春・秋, ジャパンカップ, 有馬記念</ref>4勝と史上初の七冠馬という功績を残した。外国馬も出場するジャパンカップでは日本馬初の勝利もしている。 ===[[w:メジロラモーヌ\|メジロラモーヌ]]=== 史上初牝馬三冠を獲得。それらトライアルレースでも勝利している。 ===[[w:オグリキャップ\|オグリキャップ]]=== 競馬史上最大の'''アイドルホース'''。地方競馬から中央競馬へ、過酷なレースローテでの勝利や強大なライバルとの争いなどで人気を集め、第2次競馬ブームを引き起こした。また、ラストランの有馬記念では前走までの不調を乗り越え勝利を収めたことも有終の美として語られる。 ===[[w:メジロマックイーン\|メジロマックイーン]]=== 史上初祖父父仔による三代連続天皇賞制覇、天皇賞（春）の二連覇、4年連続GI勝利、史上初獲得総賞金10億円、連対<ref>1, 2着に入ること。</ref>9連続・連対率85.7%という功績を残した。 ===[[w:トウカイテイオー\|トウカイテイオー]]=== 無敗の二冠、ジャパンカップとラストラン有馬記念の親子勝利という成績を残した。特にジャパンカップは7年ぶり3頭目の日本馬優勝である。 ===[[w:ナリタブライアン\|ナリタブライアン]]=== 史上5頭目の三冠馬、GI5連勝、10連続連対と3歳馬の成績ではトップレベルの競走馬。 ===[[w:タイキシャトル\|タイキシャトル]]=== フランスG1を含めたGI競走5勝、馬場状態を問わない強さが印象に残る競走馬。ファンからはマイル距離最強の馬の候補に必ず名が挙げられるほどの支持を得ている。 ===[[w:テイエムオペラオー\|テイエムオペラオー]]=== 2000年において、秋古馬三冠<ref>秋に行われる最上位グレード3歳以上競争、天皇賞（秋）, ジャパンカップ, 有馬記念に勝利した称号。</ref>、日本初の年内最上位グレード競争5勝、年内8戦全勝という功績を残し、「世紀末覇王」とも呼ばれる。生涯の最上位グレード競争戦績も7勝と史上2頭目の記録を残している。 === [[w:ディープインパクト\|ディープインパクト]] === 史上2頭目の無敗三冠、七冠、優勝12回、連対11連続連対率92.8%といった成績を残した。「近代競馬の結晶」「史上最強の競走馬」とも呼ばれる。 === [[w:ウオッカ_(競走馬)\|ウオッカ]] === 牝馬での史上3頭目、64年ぶりの東京優駿（日本ダービー）勝利<ref>東京優駿が行われる3歳春の時点では2,400mの勝負は牝馬が不利とされる。また、牝馬限定のレースも存在するため、ダービーで勝つ可能性があるならばそちらに出れば確実に勝てると判断されるのも大きな要因となる</ref>、史上4頭目の生涯の最上位グレード競争戦績7勝といった成績を残した。 === [[w:オルフェーヴル\|オルフェーヴル]] === 史上3頭目の無敗三冠馬、凱旋門賞2年連続2着、日本馬で初となるロンジンワールドベストレースホースの受賞といった功績を残した。 === [[w:ロードカナロア\|ロードカナロア]] === G1 6連勝、連対10連続連対率94.7%生涯3着以内と短距離で圧倒的な成績を残した競走馬。凱旋門賞に並ぶ鬼門、香港スプリントの2年連続勝利といった功績も残している。 === [[w:ジェンティルドンナ\|ジェンティルドンナ]] === 史上4頭目の牝馬三冠馬。 === [[w:キタサンブラック\|キタサンブラック]] === === [[w:アーモンドアイ\|アーモンドアイ]] === 牝馬三冠<ref>3歳牝馬限定最上位グレード競争、桜花賞, 優駿牝馬, 秋華賞に勝利した称号。</ref>、日本初の生涯の最上位グレード競争戦績9勝という功績を残した。 ==脚注== [[Category:競馬\|にほんけいはしにゅうもん]]	2008-02-10T13:01:49Z	2023-10-02T06:16:23Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E7%AB%B6%E9%A6%AC%E5%8F%B2%E5%85%A5%E9%96%80
7,920	会社法第613条	法学>民事法>商法>コンメンタール会社法>第3編持分会社 (コンメンタール会社法)>会社法第613条 (w:商号変更の請求)	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "法学>民事法>商法>コンメンタール会社法>第3編持分会社 (コンメンタール会社法)>会社法第613条", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "(w:商号変更の請求)", "title": "条文" } ]	法学＞民事法＞商法＞コンメンタール会社法＞第3編持分会社 (コンメンタール会社法)＞会社法第613条	[[法学]]＞[[民事法]]＞[[商法]]＞[[コンメンタール会社法]]＞[[第3編持分会社 (コンメンタール会社法)]]＞[[会社法第613条]] ==条文== （[[w:商号]]変更の請求） ;第613条 : [[w:持分会社]]がその商号中に退社した社員の氏若しくは氏名又は名称を用いているときは、当該退社した社員は、当該持分会社に対し、その氏若しくは氏名又は名称の使用をやめることを請求することができる。 ==解説== ==関連条文== ---- {{前後 \|[[コンメンタール会社法\|会社法]] \|[[第3編持分会社 (コンメンタール会社法)\|第3編持分会社]]<br> [[第3編持分会社 (コンメンタール会社法)#4\|第4章社員の加入及び退社]]<br> [[第3編持分会社 (コンメンタール会社法)#4-2\|第2節社員の退社]] \|[[会社法第612条]]<br>（退社した社員の責任） \|[[会社法第614条]]<br> }} {{stub}} [[category:会社法\|613]]	null	2022-06-01T03:56:19Z	[ "テンプレート:前後", "テンプレート:Stub" ]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E6%B3%95%E7%AC%AC613%E6%9D%A1
7,921	西南学院大対策	本項は、西南学院大学の入学試験対策に関する事項である。西南学院大学は福岡県福岡市にある私立大学である。入試問題は、全体的に平易な問題ばかりなので、基礎をおさえることが重要といえる。一般入試の英語に関して、文学部英文学科では平均点の9割、文学部外国語学科英語専攻では平均点を下回る点数だった場合、他の教科の点数に拘わらず、不合格となる。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "本項は、西南学院大学の入学試験対策に関する事項である。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "西南学院大学は福岡県福岡市にある私立大学である。入試問題は、全体的に平易な問題ばかりなので、基礎をおさえることが重要といえる。一般入試の英語に関して、文学部英文学科では平均点の9割、文学部外国語学科英語専攻では平均点を下回る点数だった場合、他の教科の点数に拘わらず、不合格となる。", "title": "" } ]	日本の大学受験ガイド > 西南学院大対策本項は、西南学院大学の入学試験対策に関する事項である。西南学院大学は福岡県福岡市にある私立大学である。入試問題は、全体的に平易な問題ばかりなので、基礎をおさえることが重要といえる。一般入試の英語に関して、文学部英文学科では平均点の9割、文学部外国語学科英語専攻では平均点を下回る点数だった場合、他の教科の点数に拘わらず、不合格となる。	{{Wikipedia\|西南学院大学}} *[[日本の大学受験ガイド]] > [[西南学院大対策]] 本項は、[[w:西南学院大学\|西南学院大学]]の入学試験対策に関する事項である。西南学院大学は福岡県福岡市にある私立大学である。入試問題は、全体的に平易な問題ばかりなので、基礎をおさえることが重要といえる。一般入試の英語に関して、文学部英文学科では平均点の9割、文学部外国語学科英語専攻では平均点を下回る点数だった場合、他の教科の点数に拘わらず、不合格となる。 {{stub}} [[Category:大学入試\|せいなんかくいん]]	null	2020-05-17T12:08:17Z	[ "テンプレート:Wikipedia", "テンプレート:Stub" ]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E8%A5%BF%E5%8D%97%E5%AD%A6%E9%99%A2%E5%A4%A7%E5%AF%BE%E7%AD%96
7,924	高等学校世界史探究	高等学校世界史探究では、人類誕生から現代に至る幅広い時代の内容を扱います。タイトルは山川出版社木村靖二、岸本美緒ほか編著の『詳説世界史探究』に合わせました。【注意事項】高等学校世界史B/17〜18世紀のヨーロッパの文化と社会]](レンブラントなど、古典派音楽、ゴシック様式とロココ様式、ホッブスやロックの社会契約説、三角貿易、) ※ 当面の間は「歴史総合」の「第4編グローバル化と私たち」を参照してください。資料出所・読書案内	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "高等学校世界史探究では、人類誕生から現代に至る幅広い時代の内容を扱います。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "タイトルは山川出版社木村靖二、岸本美緒ほか編著の『詳説世界史探究』に合わせました。", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "【注意事項】", "title": "" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "高等学校世界史B/17〜18世紀のヨーロッパの文化と社会]](レンブラントなど、古典派音楽、ゴシック様式とロココ様式、ホッブスやロックの社会契約説、三角貿易、)", "title": "第Ⅱ部　諸地域の交流・再編" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "※ 当面の間は「歴史総合」の「第4編グローバル化と私たち」を参照してください。", "title": "第Ⅳ部　地球世界の課題" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "資料出所・読書案内", "title": "資料出所・読書案内" } ]	高等学校世界史探究では、人類誕生から現代に至る幅広い時代の内容を扱います。タイトルは山川出版社木村靖二、岸本美緒ほか編著の『詳説世界史探究』に合わせました。【注意事項】単元の項目が多い場合、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ…と分けて解説しています。現地点のリンク先は世界史Ｂとなっていますが、いづれ世界史探究のリンクに変更予定です。太字は修正した新課程世界史探究の項目です。	[[小学校・中学校・高等学校の学習]]>[[高等学校の学習]]>[[高等学校地理歴史]]>高等学校世界史探究 {{進捗状況}}'''高等学校世界史探究'''では、人類誕生から現代に至る幅広い時代の内容を扱います。タイトルは山川出版社木村靖二、岸本美緒ほか編著の『詳説世界史探究』に合わせました。【注意事項】 # 単元の項目が多い場合、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ…と分けて解説しています。 # 現地点のリンク先は世界史Ｂとなっていますが、いづれ世界史探究のリンクに変更予定です。 # 太字は修正した新課程世界史探究の項目です。 == 世界史へのまなざし == * [[高等学校世界史B/用語集/メソポタミア文明]] * [[高等学校世界史B/用語集/第二次世界大戦]] == 第Ⅰ部　諸地域の歴史的特質の形成 == === 第１章　文明の成立と古代文明の特質 === # [[高等学校世界史探究/文明の成立と古代文明の特質学習のポイント\|文明の成立と古代文明の特質　学習のポイント]]{{進捗\|75%\|2022-12-18}}（本章で学ぶこと） # [[高等学校世界史探究/オリエントと地中海世界　学習のポイント\|オリエントと地中海世界　学習のポイント]] {{進捗\|100%\|2022-11-09}} # [[高等学校世界史探究/文明の誕生Ⅰ\|文明の誕生Ⅰ]]{{進捗\|100%\|2022-10-22}}（ジャワ原人、周口店上洞人） # [[高等学校世界史探究/文明の誕生Ⅱ\|文明の誕生Ⅱ]]{{進捗\|100%\|2022-10-22}}（新石器時代、彩文土器、人種） # [[高等学校世界史探究/古代オリエント文明とその周辺Ⅰ\|古代オリエント文明とその周辺Ⅰ]]{{進捗\|100%\|2022-11-12}}（シュメール人、ハンムラビ法典） # [[高等学校世界史探究/古代オリエント文明とその周辺Ⅱ\|古代オリエント文明とその周辺Ⅱ]]{{進捗\|100%\|2022-11-12}}　（ヒッタイト王国、ミタンニ王国、メソポタミアの文化） # [[高等学校世界史探究/古代オリエント文明とその周辺Ⅲ\|古代オリエント文明とその周辺Ⅲ]]{{進捗\|100%\|2022-11-13}}（アメンホテプ４世、アマルナ美術） # [[高等学校世界史探究/古代オリエント文明とその周辺Ⅳ\|古代オリエント文明とその周辺Ⅳ]]{{進捗\|100%\|2022-11-13}}（フェニキア人、アラム人、ヘブライ人） # [[高等学校世界史探究/古代オリエント文明とその周辺Ⅴ\|古代オリエント文明とその周辺Ⅴ]]{{進捗\|100%\|2022-11-19}}（アッシリア、アケメネス朝） # [[高等学校世界史探究/南アジアの古代文明\|南アジアの古代文明]]{{進捗\|00%\|2022-11-21}}（） # [[高等学校世界史探究/中国の古代文明Ⅰ\|中国の古代文明Ⅰ]]{{進捗\|100%\|2022-12-20}}（東アジアの風土と人々、中国文明の発生） # [[高等学校世界史探究/中国の古代文明Ⅱ\|中国の古代文明Ⅱ]]{{進捗\|00%\|2022-11-21}}（殷墟の発見と殷王朝の性格、周の制度と文化） # [[高等学校世界史探究/中国の古代文明Ⅲ\|中国の古代文明Ⅲ]]{{進捗\|25%\|2015-09-23}}（春秋戦国時代、戦国期の社会変動、戦国期の新思潮） # [[高等学校世界史探究/南北アメリカ文明\|南北アメリカ文明]]{{進捗\|100%\|2022-12-22}}（アメリカ先住民、メソアメリカ文明、アンデス文明） === 第２章　中央ユーラシアと東アジア世界 === # 中央ユーラシアと東アジア世界　学習のポイント {{進捗\|00%\|2022-11-21}} （本章で学ぶこと） # 中央ユーラシア　草原とオアシスの世界Ⅰ{{進捗\|00%\|2022-11-21}} # 中央ユーラシア　草原とオアシスの世界Ⅱ{{進捗\|00%\|2022-11-21}} # 秦・漢帝国Ⅰ{{進捗\|00%\|2022-11-21}} # 秦・漢帝国Ⅱ{{進捗\|00%\|2022-11-21}} # 秦・漢帝国Ⅲ{{進捗\|00%\|2022-11-21}} # 中国の動乱と変容Ⅰ{{進捗\|00%\|2022-11-21}} # 中国の動乱と変容Ⅱ{{進捗\|00%\|2022-11-21}} # 中国の動乱と変容Ⅲ{{進捗\|00%\|2022-11-21}} # 東アジア文化圏の形成Ⅰ{{進捗\|00%\|2022-11-21}} # 東アジア文化圏の形成Ⅱ{{進捗\|00%\|2022-11-21}} # 東アジア文化圏の形成Ⅲ{{進捗\|00%\|2022-11-21}} # 東アジア文化圏の形成Ⅳ{{進捗\|00%\|2022-11-21}} # 東アジア文化圏の形成Ⅴ{{進捗\|00%\|2022-11-21}} === 第３章　南アジア世界と東南アジア世界の展開 === # 仏教の成立と南アジアの統一国家{{進捗\|00%\|2022-11-21}}（） # インド古典文化とヒンドゥー教の定着{{進捗\|00%\|2022-11-21}}（） # 東南アジア世界の形成と展開Ⅰ{{進捗\|00%\|2022-11-21}}（） # 東南アジア世界の形成と展開Ⅱ{{進捗\|00%\|2022-11-21}}（） === 第４章　西アジアと地中海周辺の国家形成 === # [[高等学校世界史探究/イラン諸国家の興亡とイラン文明\|イラン諸国家の興亡とイラン文明]]　{{進捗\|100%\|2022-11-20}}　（パルティア、ササン朝） # [[高等学校世界史探究/ギリシア人の都市国家Ⅰ\|ギリシア人の都市国家Ⅰ]] {{進捗\|50%\|2022-11-21}} # ギリシア人の都市国家Ⅱ {{進捗\|00%\|2022-11-12}} # ギリシア人の都市国家Ⅲ {{進捗\|00%\|2022-11-12}} # ローマと地中海支配Ⅰ {{進捗\|00%\|2022-11-21}} # ローマと地中海支配Ⅱ {{進捗\|00%\|2022-11-21}} # キリスト教の成立と発展 {{進捗\|00%\|2022-11-21}} === 第５章　イスラーム教の成立とヨーロッパ世界の形成 === # イスラーム教の成立とヨーロッパ世界の形成　学習のポイント{{進捗\|00%\|2023-01-08}}（本章で学ぶこと） # [[高等学校世界史探究/アラブの大征服とイスラーム政権の成立Ⅰ\|アラブの大征服とイスラーム政権の成立Ⅰ]]{{進捗\|100%\|2023-01-07}}（イスラーム教の誕生、イスラーム世界の成立） # [[高等学校世界史探究/アラブの大征服とイスラーム政権の成立Ⅱ\|アラブの大征服とイスラーム政権の成立Ⅱ]]{{進捗\|100%\|2023-01-08}}（イスラーム帝国の形成、イスラーム帝国の政治的分裂） # [[高等学校世界史探究/アラブの大征服とイスラーム政権の成立Ⅲ\|アラブの大征服とイスラーム政権の成立Ⅲ]]{{進捗\|100%\|2023-01-09}}（イスラーム文明の特徴、イスラーム社会と文明） # [[高等学校世界史探究/アラブの大征服とイスラーム政権の成立Ⅳ\|アラブの大征服とイスラーム政権の成立Ⅳ]]{{進捗\|100%\|2023-01-09}}（学問と文化活動） # アラブの大征服とイスラーム政権の成立Ⅴ{{進捗\|00%\|2023-00-00}}（イスラーム世界の経済と国家） # ヨーロッパ世界の形成 == 第Ⅱ部　諸地域の交流・再編 == === 第６章　イスラーム教の伝播と西アジアの動向 === # イスラーム教の伝播と西アジアの動向　学習のポイント{{進捗\|00%\|2023-01-08}}（本章で学ぶこと） # イスラーム教の諸地域への伝播Ⅰ{{進捗\|00%\|2023-00-00}}（ソグド人の交易ネットワーク、遊牧国家の興亡とトルキスタンの成立） # イスラーム教の諸地域への伝播Ⅱ{{進捗\|00%\|2023-00-00}}（トルコ人のイスラーム化、イスラーム勢力の進出とインド） # イスラーム教の諸地域への伝播Ⅲ{{進捗\|00%\|2023-00-00}}（東南アジアの交易とイスラーム化、アフリカの諸王国とイスラーム化） # 西アジアの動向Ⅰ{{進捗\|00%\|2023-00-00}}（東方イスラーム世界、バグダードからカイロへ） # 西アジアの動向Ⅱ{{進捗\|00%\|2023-00-00}}（西方イスラーム世界の変容） === 東アジア世界の成立 === === イスラーム === === 第７章　ヨーロッパ世界の変容と展開 === === 第８章　東アジア世界の展開とモンゴル帝国 === === 第９章　大交易・大交流の時代 === === 第１０章　アジアの諸帝国の繁栄 === === 第１１章　近世ヨーロッパ世界の動向 === # [[高等学校世界史探究/ルネサンスⅠ\|ルネサンスⅠ]]{{進捗\|100%\|2023-01-24}}（'''ルネサンス運動'''） # ルネサンスⅡ（'''ルネサンスの精神、ルネサンスの広がり'''） # 宗教改革Ⅰ # 宗教改革Ⅱ # 主権国家体制の成立 # オランダ・イギリス・フランスの台頭 # 北欧・東欧の動向 # 科学革命と啓蒙思想高等学校世界史B/17〜18世紀のヨーロッパの文化と社会]]（レンブラントなど、古典派音楽、ゴシック様式とロココ様式、ホッブスやロックの社会契約説、三角貿易、） == 第Ⅲ部　諸地域の結合・変容 == === 第１２章　産業革命と環大西洋革命 === # [[高等学校世界史探究/欧米における近代国家の成長　学習のポイント\|欧米における近代国家の成長　学習のポイント]] {{進捗\|100%\|2022-10-26}} （本章で学ぶこと） # [[高等学校世界史探究/産業革命Ⅰ\|産業革命Ⅰ]]{{進捗\|100%\|2022-10-22}} （産業革命の要因、機械化） # [[高等学校世界史探究/産業革命Ⅱ\|産業革命Ⅱ]]{{進捗\|100%\|2022-10-23}}　（産業革命の影響、都市化の進展） # [[高等学校世界史探究/アメリカ独立革命Ⅰ\|アメリカ独立革命Ⅰ]]{{進捗\|100%\|2022-10-25}}　（メイフラワー号、独立宣言） # [[高等学校世界史探究/アメリカ独立革命Ⅱ\|アメリカ独立革命Ⅱ]]{{進捗\|100%\|2022-10-25}}　（パリ条約、アメリカ合衆国憲法） # [[高等学校世界史探究/フランス革命とナポレオンⅠ\|フランス革命とナポレオンⅠ]]{{進捗\|100%\|2022-11-03}} # [[高等学校世界史探究/フランス革命とナポレオンⅡ\|フランス革命とナポレオンⅡ]]{{進捗\|00%\|2022-11-00}} # [[高等学校世界史探究/フランス革命とナポレオンⅢ\|フランス革命とナポレオンⅢ]]{{進捗\|00%\|2022-11-00}} # [[高等学校世界史探究/フランス革命とナポレオンⅣ\|フランス革命とナポレオンⅣ]]{{進捗\|25%\|2022-11-04}} === 第１３章　イギリスの優位と欧米国民国家の形成 === === 第１４章　アジア諸地域の動揺 === === 近代国民国家の形成 === === アジア諸地域の激動 === === 第１５章　帝国主義とアジアの民族運動 === === 第１６章　第一次世界大戦と世界の変容 === # [[高等学校世界史探究/第一次世界大戦と世界の変容学習のポイント\|第一次世界大戦と世界の変容学習のポイント]]{{進捗\|00%\|2022-11-23}}（本章で学ぶこと） # [[高等学校世界史探究/第一次世界大戦とロシア革命Ⅰ\|第一次世界大戦とロシア革命Ⅰ]]{{進捗\|100%\|2022-11-30}}（第１次世界大戦の原因と結果） # [[高等学校世界史探究/第一次世界大戦とロシア革命Ⅱ\|第一次世界大戦とロシア革命Ⅱ]]{{進捗\|100%\|2022-12-13}}（ロシア革命～ネップとソ連の成立） # [[高等学校世界史探究/ヴェルサイユ体制下の欧米諸国Ⅰ\|ヴェルサイユ体制下の欧米諸国Ⅰ]]{{進捗\|50%\|2020-04-06}}（ヴェルサイユ体制とワシントン体制、国際協調と軍縮の進展） # ヴェルサイユ体制下の欧米諸国Ⅱ{{進捗\|00%\|2022-12-13}}（西側諸国の停滞、イタリアのファシズム） # ヴェルサイユ体制下の欧米諸国Ⅲ{{進捗\|00%\|2022-12-13}}（東欧・バルカン諸国の動揺、ソ連の社会主義建設） # ヴェルサイユ体制下の欧米諸国Ⅳ{{進捗\|00%\|2022-12-13}}（アメリカ合衆国の繁栄） # アジア・アフリカ地域の民族運動Ⅰ{{進捗\|00%\|2022-12-13}}（第一次世界大戦後の中国Ⅰ） # アジア・アフリカ地域の民族運動Ⅱ{{進捗\|00%\|2022-12-13}}（第一次世界大戦後の中国Ⅱ） # アジア・アフリカ地域の民族運動Ⅲ{{進捗\|00%\|2022-12-13}}（第一次世界大戦後のインド） # アジア・アフリカ地域の民族運動Ⅳ{{進捗\|00%\|2022-12-13}}（第一次世界大戦後の東南アジア） # アジア・アフリカ地域の民族運動Ⅴ{{進捗\|00%\|2022-12-13}}（第一次世界大戦後のトルコと西アジア） # === 第１７章　第二次世界大戦と新しい国際秩序の形成 === # [[高等学校世界史探究/第二次世界大戦と新しい国際秩序の形成学習のポイント\|第二次世界大戦と新しい国際秩序の形成　学習のポイント]]{{進捗\|100%\|2022-01-16}}（本章で学ぶこと） # [[高等学校世界史探究/世界恐慌とヴェルサイユ体制の破壊Ⅰ\|世界恐慌とヴェルサイユ体制の破壊Ⅰ]]{{進捗\|100%\|2023-01-21}}（世界恐慌とその影響、ニューディールとブロック経済） # [[高等学校世界史探究/世界恐慌とヴェルサイユ体制の破壊Ⅱ\|世界恐慌とヴェルサイユ体制の破壊Ⅱ]]{{進捗\|100%\|2022-12-17}}（満州事変、国民政府の統治、日中戦争） # [[高等学校世界史探究/世界恐慌とヴェルサイユ体制の破壊Ⅲ\|世界恐慌とヴェルサイユ体制の破壊Ⅲ]]{{進捗\|100%\|2022-01-10}}（ナチス＝ドイツの成立とヴェルサイユ体制の破壊） # [[高等学校世界史探究/世界恐慌とヴェルサイユ体制の破壊Ⅳ\|世界恐慌とヴェルサイユ体制の破壊Ⅳ]]{{進捗\|50%\|2023-01-15}}（ソ連の五か年計画とスターリン体制、ファシズム諸国の攻勢と枢軸の形成） # 第二次世界大戦Ⅰ（ナチス＝ドイツの侵略と開戦、ヨーロッパの戦争） # 第二次世界大戦Ⅱ{{進捗\|00%\|2022-12-13}}（独ソ戦、アジア・太平洋戦争とアメリカの参戦） # 第二次世界大戦Ⅲ{{進捗\|00%\|2022-12-13}}（ファシズム諸国の敗退、第二次世界大戦の性格と結果） # 新しい国際秩序の形成Ⅰ # 新しい国際秩序の形成Ⅱ # 新しい国際秩序の形成Ⅲ # 新しい国際秩序の形成Ⅳ # 新しい国際秩序の形成Ⅴ == 第Ⅳ部　地球世界の課題 == ※　当面の間は「[[高等学校歴史総合\|歴史総合]]」の「第４編　グローバル化と私たち」を参照してください。 === 第１８章　冷戦と第三世界の台頭 === # [[高等学校世界史探究/冷戦の展開\|冷戦の展開]]{{進捗\|00%\|2022-12-13}}（軍事同盟の広がりと核兵器開発、戦後のアメリカ社会、西欧・日本の経済復興など） # 第三世界の台頭とキューバ危機 # 冷戦体制の動揺 === 第１９章　冷戦の終結と今日の世界 === # 産業構造の変容 # 冷戦の終結 # [[高等学校世界史探究/今日の世界\|今日の世界]] # 現代文明の諸相 # [[高等学校世界史探究/2021〜2030年ごろの世界]] == 資料出所・読書案内 == [[高等学校世界史探究/資料出所・読書案内\|資料出所・読書案内]] {{DEFAULTSORT:せかいしB}} [[カテゴリ:高等学校教育]] [[カテゴリ:社会科教育]]	2008-02-12T14:35:40Z	2023-09-28T06:57:27Z	[ "テンプレート:進捗", "テンプレート:進捗状況" ]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E9%AB%98%E7%AD%89%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E4%B8%96%E7%95%8C%E5%8F%B2%E6%8E%A2%E7%A9%B6
7,925	政治と法（大学受験政治経済）	小学校・中学校・高等学校の学習>大学受験参考書>大学受験政治経済政治について話をするためにはいくつか覚えてもらわなければならない定義がある。その代表例を下記に記す。政治の定義「社会生活を営む上で発生する考え方の相違や利害関係を調整し、社会秩序を形作り全体の利益を求め、それを維持するためのもの。」社会の定義「人間が生きていくためになくてはならない生活共同体のすべてのこと。」権力の定義「人々を自分の考えに従わせるための物理的強制力」これを前提にすすめることとする。私たちは1人で生きることはできないので人々は社会をつくる。しかし、社会生活を営むと個人の考え方の違いなどにより争いが起きるのでその利害を調整するためのルール(規範)が必要である。だが、ルールに従わない人が出てきたとき強制的にルールを遵守してもらうために権力が必要。この一連の流れを覚えておくこと。民主政治の原点は古代ギリシアのポリスでのディアレゲインに見られる。民主政治を表すデモクラシーという語も民衆(demos)の支配(kratia)という意味を表すことばに由来している。当時の哲学者は民主政治について盛んに論じたのだが、その中でも有名なアリストテレスは著書「政治学」の中で「人間は生まれつき社会的(政治的、またはポリス的)動物である。」と述べている。つまり、人間は社会(政治)が必要不可欠であるということである。しかし、その後ヨーロッパでは民主政治は衰退し、封建制の時代が訪れた。(政治経済では出題が非常に少ないので割愛。) いわゆる近代の時代を迎えると、ヨーロッパでは国王の権力が最高権力となる。これを絶対君主制という。フランスのボシュエなどは国王の権力を神から授けられたものだと主張し(王権神授説)、絶対君主制を理論的に擁護した。だが17世紀以降、イギリス、アメリカ、フランスで市民革命が起こり、絶対君主制は打破された。これを機に近代民主政治が発達していくこととなる。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "小学校・中学校・高等学校の学習>大学受験参考書>大学受験政治経済", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "政治について話をするためにはいくつか覚えてもらわなければならない定義がある。その代表例を下記に記す。", "title": "民主政治の成立" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "政治の定義「社会生活を営む上で発生する考え方の相違や利害関係を調整し、社会秩序を形作り全体の利益を求め、それを維持するためのもの。」", "title": "民主政治の成立" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "社会の定義「人間が生きていくためになくてはならない生活共同体のすべてのこと。」", "title": "民主政治の成立" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "権力の定義「人々を自分の考えに従わせるための物理的強制力」", "title": "民主政治の成立" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "これを前提にすすめることとする。", "title": "民主政治の成立" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "私たちは1人で生きることはできないので人々は社会をつくる。しかし、社会生活を営むと個人の考え方の違いなどにより争いが起きるのでその利害を調整するためのルール(規範)が必要である。だが、ルールに従わない人が出てきたとき強制的にルールを遵守してもらうために権力が必要。", "title": "民主政治の成立" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "この一連の流れを覚えておくこと。", "title": "民主政治の成立" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "民主政治の原点は古代ギリシアのポリスでのディアレゲインに見られる。民主政治を表すデモクラシーという語も民衆(demos)の支配(kratia)という意味を表すことばに由来している。", "title": "民主政治の成立" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "当時の哲学者は民主政治について盛んに論じたのだが、その中でも有名なアリストテレスは著書「政治学」の中で「人間は生まれつき社会的(政治的、またはポリス的)動物である。」と述べている。つまり、人間は社会(政治)が必要不可欠であるということである。", "title": "民主政治の成立" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "しかし、その後ヨーロッパでは民主政治は衰退し、封建制の時代が訪れた。(政治経済では出題が非常に少ないので割愛。)", "title": "民主政治の成立" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "いわゆる近代の時代を迎えると、ヨーロッパでは国王の権力が最高権力となる。これを絶対君主制という。フランスのボシュエなどは国王の権力を神から授けられたものだと主張し(王権神授説)、絶対君主制を理論的に擁護した。", "title": "民主政治の成立" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "だが17世紀以降、イギリス、アメリカ、フランスで市民革命が起こり、絶対君主制は打破された。これを機に近代民主政治が発達していくこととなる。", "title": "民主政治の成立" } ]	小学校・中学校・高等学校の学習＞大学受験参考書＞大学受験政治経済	<small>[[小学校・中学校・高等学校の学習]]＞[[大学受験参考書]]＞[[大学受験政治経済]]</small> == 民主政治の成立 == === 政治とは === 政治について話をするためにはいくつか覚えてもらわなければならない定義がある。その代表例を下記に記す。政治の定義「社会生活を営む上で発生する考え方の相違や利害関係を調整し、社会秩序を形作り全体の利益を求め、それを維持するためのもの。」社会の定義「人間が生きていくためになくてはならない生活共同体のすべてのこと。」権力の定義「人々を自分の考えに従わせるための物理的強制力」これを前提にすすめることとする。私たちは1人で生きることはできないので人々は社会をつくる。しかし、社会生活を営むと個人の考え方の違いなどにより争いが起きるのでその利害を調整するためのルール(規範)が必要である。だが、ルールに従わない人が出てきたとき強制的にルールを遵守してもらうために権力が必要。この一連の流れを覚えておくこと。 === 民主政治の歴史 === 民主政治の原点は古代ギリシアのポリスでのディアレゲインに見られる。民主政治を表すデモクラシーという語も民衆(demos)の支配(kratia)という意味を表すことばに由来している。当時の哲学者は民主政治について盛んに論じたのだが、その中でも有名なアリストテレスは著書「政治学」の中で「人間は生まれつき社会的(政治的、またはポリス的)動物である。」と述べている。つまり、人間は社会(政治)が必要不可欠であるということである。しかし、その後ヨーロッパでは民主政治は衰退し、封建制の時代が訪れた。(政治経済では出題が非常に少ないので割愛。) いわゆる近代の時代を迎えると、ヨーロッパでは国王の権力が最高権力となる。これを'''絶対君主制'''という。フランスのボシュエなどは国王の権力を神から授けられたものだと主張し（'''王権神授説'''）、絶対君主制を理論的に擁護した。だが17世紀以降、イギリス、アメリカ、フランスで市民革命が起こり、絶対君主制は打破された。これを機に近代民主政治が発達していくこととなる。 === 社会契約説 === === 基本的人権 === === 法の支配 ===	null	2022-09-27T10:45:53Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E6%94%BF%E6%B2%BB%E3%81%A8%E6%B3%95%EF%BC%88%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E5%8F%97%E9%A8%93%E6%94%BF%E6%B2%BB%E7%B5%8C%E6%B8%88%EF%BC%89
7,926	暴行罪	このページでは暴行罪について解説する。刑法第208条	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "このページでは暴行罪について解説する。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "刑法第208条", "title": "暴行罪" } ]	このページでは暴行罪について解説する。	このページでは暴行罪について解説する。 {{Wikipedia\|暴行罪}} ==暴行概念== #'''最広義の暴行''' #:[[有形力]]が[[不法]]に行使される全て、対象は人・物を問わない。 #::（対象条項）[[騒乱罪]]<ref>[[刑法第106条#最高裁判決昭和35年12月8日\|最高裁判決昭和35年12月8日]]</ref>、[[多衆不解散罪]]、[[内乱罪]] #'''広義の暴行''' #:人に対する不法な有形力の行使。必ずしも直接に人の身体に対して加えられることを要せず、対物有形力でも、それが人の身体に物理的に強い影響力を与えうる物であれば足る。 #:例.　人の耳元で鉦などを叩き不快にさせる。フラッシュ等による目くらまし。 #::（対象条項）[[公務執行妨害罪]]、[[職務強要罪]]、[[加重逃走罪]]、[[逃走援助罪]]、[[強要罪]] #'''狭義の暴行''' #:不法な有形力が人の身体に対して加えられる場合。'''暴行罪'''（→[[刑法第208条]]）。 #'''最狭義の暴行''' #:人に対し、かつ、その反抗を抑圧するに足る強度の有形力の行使。 #:相手の反抗を抑圧すべき程度 #::[[強盗罪]]、[[事後強盗罪]] #:（参考） #::かつては、「強姦罪」においては「被害者の抗拒を著しく困難ならしめる程度」、「強制わいせつ罪」においては「強弱を問わず有形力の行使」が「暴行」とされていたが、法改正により各々、「不同意性交等罪」「不同意わいせつ罪」となり、「暴行」行為は要件ではなくなったため、これらの犯罪に関する暴行の概念は不要になった。 ==暴行罪== [[刑法第208条]] ;暴行とは :人の身体に加えられる不法な有形力 ;暴行の故意 :「有形力を加える」か「有形力を加え致傷させる（[[傷害罪]]の故意）」かを問わない。 :「違法・不法な」有形力の行使であることを要するか？ :（判例）要しない。 ::[https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail3?id=21512 傷害致死被告事件]（東京高裁判決昭和31年11月28日） :::;加持祈祷を業とする者が病気平癒のため病気により衰弱した女性の身体に対し強圧強拒を加え遂に死に至らしめた所為は業務上過失致死罪か傷害致死罪か ::::加持祈祷を業とする者が、病気により衰弱した女性の身体に対し、強圧、強扼を加える所為は、たとえ、病気平癒の目的に出でたものであつても、客観的には違法な有形力の行使であつて刑法上の暴行に該当し、その者に暴行の認識ありと認められるから、よつて死に致さしめた場合には傷害致死罪の成立を免かれない。 ::::被告人に暴行の事実の認識がありながら迷信のためにこれを有効な治療行為だと誤信したのは「違法性の錯誤」なので故意を阻却しない。 :（批判）違法性の認識に欠けるので、「暴行・傷害」の故意はなく、過失傷害と評価すべき<ref>[https://knakayam.exblog.jp/3113224/ 中山研一の刑法学ブログ「『狐落とし』治療術と暴行の故意」]</ref>。 ;暴行の既遂 :未遂は処罰されないが、既遂時期として有形力が実際に身体に接触することを必要とするか？ :接触不要説 - 判例・通説 ::不要とする。暴行罪を、一種の危険犯と認識する。基本的には妥当であるが、危険が行為者の主観において認識・認容されていたことは要する。 ::判例: ::*暴力を振るう勢いで追いかけてきたので、慌てて逃げ転倒し打撲傷を負った。（暴行を認定し傷害罪とした [[刑法第208条#最高裁判決昭和25年11月09日\|最高裁判決昭和25年11月09日]]） ::*狭い四畳半の室内で被害者を脅かすために日本刀の抜き身を数回振り廻した。（暴行 [[刑法第208条#最高裁決定昭和39年01月28日\|最高裁決定昭和39年01月28日]]） :接触必要説 - 学説による批判各種 :暴行は結果犯であって、有形力が身体に接触したことが結果となる。危険の発生とするのは文理上妥当ではないし、可罰対象行為の拡大となる。 :少なくとも、命中の具体的危険性の発生は必要。 :**少なくとも、傷害の具体的危険性の発生は必要。 ;傷害の発生 :暴行の結果、傷害にいたった場合、暴行罪は傷害罪に吸収される（[[罪数論#法条競合\|法条競合]]）。 ==脚注== <references/> {{stub\|law}} [[category:刑法各論\|ほうこうさい]]	2008-02-16T11:39:17Z	2024-02-07T02:09:53Z	[ "テンプレート:Wikipedia", "テンプレート:Stub" ]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E6%9A%B4%E8%A1%8C%E7%BD%AA
7,927	帝京大対策	本項は、帝京大学の入学試験対策に関する事項です。帝京大学の入試の特徴は科目選択制にあるといえます。医学部と理工学部は英語、数学(医学部:IA・IIB、理工学部:IA・IIのみ)、国語、物理、化学、生物の中から英語と他の任意の2科目を、薬学部では英語、数学(IA・IIのみ)、化学を、そして医療系学部ではこれらに加えて日本史、世界史、地理、政治経済、現代社会の中から英語と任意の2科目を、文系学部では英語、数学(IAのみ)、国語、日本史、世界史、地理、政治経済、現代社会の中から英語と任意の2科目(文学部日本文化学科、史学科、教育学科は国語も必須)を選んで受験できます。どの科目も難易度はそれほど高くありませんが、科目選択制もあって、意外な高得点を求められることに留意する必要があるといえます。どの学部のどの科目も得点率が5割を切ってしまうと合格は困難です。また、AO入試では小論文型、教科試験の1科目選択型、2科目選択型の3パターンがあります。合格しても入学を義務づける訳ではないため早期に合格を確保しておき、第一志望校に挑戦するという形が可能です。AO入試は医学部以外の全学部で実施され、志望理由書と面接が課されるが1科目や2科目秀でていて現役専願であればぜひ挑戦したいところです。AO入試は簿記・会計と情報の利用も可能ですが、数学との同時選択が出来ません。また、AO入試は現代社会と政治・経済の併用が可能です。英語英語は高校基礎レベルの難易度で、他の科目よりも明らかに取り組みやすいです。長文読解1問が必須問題で、文法・会話表現3題から2題を選択します。長文読解では熟語の知識が問われるので熟語の勉強は必ずしておきましょう。2016年度入試では必須となります。理系数学理工学部と薬学部は数学IA・II。医学部は数学IA・IIBが出題範囲です。教科書の章末問題レベルです。医学部受験生で数学を選択する者は高得点が求められるため「白チャート(数研出版)」や過去問でしっかりと対策をしておきたいものです。文系数学数学IAのみの出題です。方程式、二次関数、図形と計量、場合の数と確率、三角比などから出題されます。どの問題も教科書の例題レベルで構成されており、誘導問題となっています。教科書を中心に学習すれば高得点を期待できます。AO入試ではIのみの出題です。国語現代文のみの出題で4題から3題選択します。記述式ですが、ほとんどが選択肢の問題です。平易な問題が多いので高得点の確保が可能です。漢字の読み書きはどの問題を選択しても出るので怠ってはいけません。社会世界史・日本史・地理は教科書をしっかり勉強すれば満点が十分に狙えます。現代社会・政治経済では教科書に載っていないような特殊な問題も出題されますが、受験生のレベルを考えると正解できる者も少ないです。そのため、公民受験の場合は基礎的な問題は落とさないようにしましょう。理科医学部も含め、物理・化学・生物すべてが受験基礎レベルの問題が中心となっています。医学部受験生で理科を選択する者は高得点が取れるよう、教科書を使ってしっかり勉強しておきましょう。小論文 1000字の課題文を読んだあとに要旨100字、論文400字を書くパターンです。情報 AO入試では情報の選択が可能です。普通教科情報の範囲からの出題ですが、高得点を目指す場合は商業科の情報処理の教科書を持っていた方が良いです。コンピューターの知識を問う問題が多いので教科書とExcelの参考書(学校で使っていたのがあればそれでよいです)の双方を活用して勉強したいところです。なお、AO入試の情報で高得点が取れるようになるとセンター試験の情報関係基礎を7割~8割程度取れるようになるので情報関係基礎の利用に特に履修制限がない大学を志願する場合又は履修制限・学科制限に適合し、情報関係基礎が選択可能な場合は模擬試験(数学2別冊子の模擬試験はありません)として受験しても良いかもしれません。簿記	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "本項は、帝京大学の入学試験対策に関する事項です。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "帝京大学の入試の特徴は科目選択制にあるといえます。医学部と理工学部は英語、数学(医学部:IA・IIB、理工学部:IA・IIのみ)、国語、物理、化学、生物の中から英語と他の任意の2科目を、薬学部では英語、数学(IA・IIのみ)、化学を、そして医療系学部ではこれらに加えて日本史、世界史、地理、政治経済、現代社会の中から英語と任意の2科目を、文系学部では英語、数学(IAのみ)、国語、日本史、世界史、地理、政治経済、現代社会の中から英語と任意の2科目(文学部日本文化学科、史学科、教育学科は国語も必須)を選んで受験できます。どの科目も難易度はそれほど高くありませんが、科目選択制もあって、意外な高得点を求められることに留意する必要があるといえます。どの学部のどの科目も得点率が5割を切ってしまうと合格は困難です。また、AO入試では小論文型、教科試験の1科目選択型、2科目選択型の3パターンがあります。合格しても入学を義務づける訳ではないため早期に合格を確保しておき、第一志望校に挑戦するという形が可能です。AO入試は医学部以外の全学部で実施され、志望理由書と面接が課されるが1科目や2科目秀でていて現役専願であればぜひ挑戦したいところです。AO入試は簿記・会計と情報の利用も可能ですが、数学との同時選択が出来ません。また、AO入試は現代社会と政治・経済の併用が可能です。", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "英語英語は高校基礎レベルの難易度で、他の科目よりも明らかに取り組みやすいです。長文読解1問が必須問題で、文法・会話表現3題から2題を選択します。長文読解では熟語の知識が問われるので熟語の勉強は必ずしておきましょう。2016年度入試では必須となります。", "title": "一般入試科目" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "理系数学理工学部と薬学部は数学IA・II。医学部は数学IA・IIBが出題範囲です。教科書の章末問題レベルです。医学部受験生で数学を選択する者は高得点が求められるため「白チャート(数研出版)」や過去問でしっかりと対策をしておきたいものです。", "title": "一般入試科目" }, { "paragraph_id": 4, 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"AO入試では情報の選択が可能です。普通教科情報の範囲からの出題ですが、高得点を目指す場合は商業科の情報処理の教科書を持っていた方が良いです。コンピューターの知識を問う問題が多いので教科書とExcelの参考書(学校で使っていたのがあればそれでよいです)の双方を活用して勉強したいところです。なお、AO入試の情報で高得点が取れるようになるとセンター試験の情報関係基礎を7割~8割程度取れるようになるので情報関係基礎の利用に特に履修制限がない大学を志願する場合又は履修制限・学科制限に適合し、情報関係基礎が選択可能な場合は模擬試験(数学2別冊子の模擬試験はありません)として受験しても良いかもしれません。", "title": "AO入試科目" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "簿記", "title": "AO入試科目" } ]	日本の大学受験ガイド > 帝京大対策本項は、帝京大学の入学試験対策に関する事項です。帝京大学の入試の特徴は科目選択制にあるといえます。医学部と理工学部は英語、数学、国語、物理、化学、生物の中から英語と他の任意の2科目を、薬学部では英語、数学（ⅠA・Ⅱのみ）、化学を、そして医療系学部ではこれらに加えて日本史、世界史、地理、政治経済、現代社会の中から英語と任意の2科目を、文系学部では英語、数学（ⅠAのみ）、国語、日本史、世界史、地理、政治経済、現代社会の中から英語と任意の2科目（文学部日本文化学科、史学科、教育学科は国語も必須）を選んで受験できます。どの科目も難易度はそれほど高くありませんが、科目選択制もあって、意外な高得点を求められることに留意する必要があるといえます。どの学部のどの科目も得点率が5割を切ってしまうと合格は困難です。また、AO入試では小論文型、教科試験の1科目選択型、2科目選択型の3パターンがあります。合格しても入学を義務づける訳ではないため早期に合格を確保しておき、第一志望校に挑戦するという形が可能です。AO入試は医学部以外の全学部で実施され、志望理由書と面接が課されるが1科目や2科目秀でていて現役専願であればぜひ挑戦したいところです。AO入試は簿記・会計と情報の利用も可能ですが、数学との同時選択が出来ません。また、AO入試は現代社会と政治・経済の併用が可能です。	{{wikipedia\|帝京大学}} *[[日本の大学受験ガイド]] > [[帝京大対策]] 本項は、[[w:帝京大学\|帝京大学]]の入学試験対策に関する事項です。帝京大学の入試の特徴は科目選択制にあるといえます。医学部と理工学部は英語、数学（医学部：ⅠA・ⅡB、理工学部：ⅠA・Ⅱのみ）、国語、物理、化学、生物の中から'''英語'''と他の'''任意の2科目'''を、薬学部では英語、数学（ⅠA・Ⅱのみ）、化学を、そして医療系学部ではこれらに加えて日本史、世界史、地理、政治経済、現代社会の中から英語と'''任意の2科目'''を、文系学部では英語、数学（ⅠAのみ）、国語、日本史、世界史、地理、政治経済、現代社会の中から英語と'''任意の2科目'''（文学部日本文化学科、史学科、教育学科は国語も必須）を選んで受験できます。どの科目も難易度はそれほど高くありませんが、科目選択制もあって、意外な高得点を求められることに留意する必要があるといえます。どの学部のどの科目も得点率が5割を切ってしまうと合格は困難です。また、AO入試では小論文型、教科試験の1科目選択型、2科目選択型の3パターンがあります。合格しても入学を義務づける訳ではないため早期に合格を確保しておき、第一志望校に挑戦するという形が可能です。AO入試は医学部以外の全学部で実施され、志望理由書と面接が課されるが1科目や2科目秀でていて現役専願であればぜひ挑戦したいところです。AO入試は簿記・会計と情報の利用も可能ですが、数学との同時選択が出来ません。また、AO入試は現代社会と政治・経済の併用が可能です。 ==一般入試科目== '''英語'''<br /> 英語は高校基礎レベルの難易度で、他の科目よりも明らかに取り組みやすいです。長文読解1問が必須問題で、文法・会話表現3題から2題を選択します。長文読解では熟語の知識が問われるので熟語の勉強は必ずしておきましょう。2016年度入試では必須となります。 '''理系数学'''<br /> 理工学部と薬学部は数学ⅠA・Ⅱ。医学部は数学ⅠA・ⅡBが出題範囲です。教科書の章末問題レベルです。医学部受験生で数学を選択する者は高得点が求められるため「白チャート（数研出版）」や過去問でしっかりと対策をしておきたいものです。 '''文系数学'''<br /> 数学ⅠAのみの出題です。方程式、二次関数、図形と計量、場合の数と確率、三角比などから出題されます。どの問題も教科書の例題レベルで構成されており、誘導問題となっています。教科書を中心に学習すれば高得点を期待できます。AO入試ではⅠのみの出題です。 '''国語'''<br /> 現代文のみの出題で4題から3題選択します。記述式ですが、ほとんどが選択肢の問題です。平易な問題が多いので高得点の確保が可能です。漢字の読み書きはどの問題を選択しても出るので怠ってはいけません。 '''社会'''<br /> 世界史・日本史・地理は教科書をしっかり勉強すれば満点が十分に狙えます。現代社会・政治経済では教科書に載っていないような特殊な問題も出題されますが、受験生のレベルを考えると正解できる者も少ないです。そのため、公民受験の場合は基礎的な問題は落とさないようにしましょう。 '''理科'''<br /> 医学部も含め、物理・化学・生物すべてが受験基礎レベルの問題が中心となっています。医学部受験生で理科を選択する者は高得点が取れるよう、教科書を使ってしっかり勉強しておきましょう。 ==AO入試科目== '''小論文''' 1000字の課題文を読んだあとに要旨100字、論文400字を書くパターンです。 '''情報''' AO入試では情報の選択が可能です。普通教科情報の範囲からの出題ですが、高得点を目指す場合は商業科の情報処理の教科書を持っていた方が良いです。コンピューターの知識を問う問題が多いので教科書とExcelの参考書(学校で使っていたのがあればそれでよいです)の双方を活用して勉強したいところです。なお、AO入試の情報で高得点が取れるようになるとセンター試験の情報関係基礎を7割～8割程度取れるようになるので情報関係基礎の利用に特に履修制限がない大学を志願する場合又は履修制限・学科制限に適合し、情報関係基礎が選択可能な場合は模擬試験（数学②別冊子の模擬試験はありません）として受験しても良いかもしれません。 '''簿記''' [[Category:大学入試\|ていきよう]]	null	2018-03-26T10:50:14Z	[ "テンプレート:Wikipedia" ]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E5%B8%9D%E4%BA%AC%E5%A4%A7%E5%AF%BE%E7%AD%96
7,929	会計基準	会計基準は法律ではないが、会社法や金融商品取引法(証券取引法)により、事実上、法体系の中に組み込まれている。会計基準とその注解を利用しやすい構成にして、各条項の解説を行う。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "会計基準は法律ではないが、会社法や金融商品取引法(証券取引法)により、事実上、法体系の中に組み込まれている。会計基準とその注解を利用しやすい構成にして、各条項の解説を行う。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "", "title": "原価計算基準" } ]	会計基準は法律ではないが、会社法や金融商品取引法（証券取引法）により、事実上、法体系の中に組み込まれている。会計基準とその注解を利用しやすい構成にして、各条項の解説を行う。	<div class="pathnavbox"> * {{Pathnav\|メインページ\|社会科学\|hide=1}} {{Pathnav\|経営学\|会計学}} {{Pathnav\|法学\|民事法\|商法}} </div> [[w:会計基準\|会計基準]]は法律ではないが、[[会社法]]や[[金融商品取引法]]（証券取引法）により、事実上、法体系の中に組み込まれている。会計基準とその注解を利用しやすい構成にして、各条項の解説を行う。 == 企業会計原則 == * [[企業会計原則]] * [[企業会計原則注解]] == 外貨建取引等会計処理基準 == * [[外貨建取引等会計処理基準]] * [[外貨建取引等会計処理基準注解]] == セグメント情報の開示基準 == * [[セグメント情報の開示基準]] == リース取引に係る会計基準 == * [[リース取引に係る会計基準]] * [[リース取引に係る会計基準注解]] == 研究開発費等に係る会計基準 == * [[研究開発費等に係る会計基準]] * [[研究開発費等に係る会計基準注解]] <!--企業会計基準委員会は民間団体であり著作権不明なので削除します == 貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準 == * [[貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準]]（企業会計基準第五号） == 棚卸資産の評価に関する会計基準 == * [[棚卸資産の評価に関する会計基準]]（企業会計基準第九号） --> == 原価計算基準 == * [[原価計算基準]] {{stub}} {{DEFAULTSORT:かいけいきしゆん}} [[Category:法学の書庫]] [[Category:商法]] [[Category:会計学]] [[Category:会計基準\|*]]	null	2013-02-16T19:00:33Z	[ "テンプレート:Pathnav", "テンプレート:Stub" ]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E4%BC%9A%E8%A8%88%E5%9F%BA%E6%BA%96
7,930	企業会計原則	法学>民事法>商法>会計基準>企業会計原則ここでは、企業会計原則の条文についての解説を行うことを目的とする。企業会計原則は、企業会計の実務の中に慣習として発達したものの中から、一般に公正妥当と認められたところを要約した基準である。法律ではないが、企業が会計業務を実施する場合の基本的なルールとなっている。 1949年(昭和24年)7月9日に経済安定本部企業会計制度対策調査会の中間報告として設定され、その後、大蔵省企業会計審議会が改定を加えていった。最終改定は1982年(昭和57年)4月20日に行われている。一企業会計は、企業の財政状態及び経営成績に関して、真実な報告を提供するものでなければならない。二企業会計は、すべての取引につき、正規の簿記の原則に従って、正確な会計帳簿を作成しなければならない。(注1) 三資本取引と損益取引とを明瞭に区別し、特に資本剰余金と利益剰余金とを混同してはならない。(注2) 四企業会計は、財務諸表によって、利害関係者に対し必要な会計事実を明瞭に表示し、企業の状況に関する判断を誤らせないようにしなければならない。(注1) (注1-2) (注1-3) (注1-4) 五企業会計は、その処理の原則及び手続を毎期継続して適用し、みだりにこれを変更してはならない。(注1-2) (注3) 六企業の財政に不利な影響を及ぼす可能性がある場合には、これに備えて適当に健全な会計処理をしなければならない。(注4) 七株主総会提出のため、信用目的のため、租税目的のため等種々の目的のために異なる形式の財務諸表を作成する必要がある場合、それらの内容は、信頼しうる会計記録に基づいて作成されたものであって、政策の考慮のために事実の真実な表示をゆがめてはならない。損益計算書は、企業の経営成績を明らかにするため、一会計期間に属するすべての収益とこれに対応するすべての費用とを記載して経常利益を表示し、これに特別損益に属する項目を加減して当期純利益を表示しなければならない。すべての費用及び収益は、その支出及び収入に基づいて計上し、その発生した期間に正しく割当てられるように処理しなければならない。ただし、未実現収益は、原則として、当期の損益計算に計上してはならない。前払費用及び前受収益は、これを当期の損益計算から除去し、未払費用及び未収収益は、当期の損益計算に計上しなければならない。(注5) 費用及び収益は、総額によって記載することを原則とし、費用の項目と収益の項目とを直接に相殺することによってその全部又は一部を損益計算書から除去してはならない。費用及び収益は、その発生源泉に従って明瞭に分類し、各収益項目とそれに関連する費用項目とを損益計算書に対応表示しなければならない。損益計算書には、営業損益計算、経常損益計算及び純損益計算の区分を設けなければならない。営業損益計算の区分は、当該企業の営業活動から生ずる費用及び収益を記載して、営業利益を計算する。二つ以上の営業を目的とする企業にあっては、その費用及び収益を主要な営業別に区分して記載する。経常損益計算の区分は、営業損益計算の結果を受けて、利息及び割引料、有価証券売却損益その他営業活動以外の原因から生ずる損益であって特別損益に属しないものを記載し、経常利益を計算する。純損益計算の区分は、経常損益計算の結果を受けて、前期損益修正額、固定資産売却損益等の特別損益を記載し、当期純利益を計算する。純損益計算の結果を受けて、前期繰越利益等を記載し、当期未処分利益を計算する。営業損益計算は、一会計期間に属する売上高と売上原価とを記載して売上総利益を計算し、これから販売費及び一般管理費を控除して、営業利益を表示する。企業が商品等の販売と役務の給付とをともに主たる営業とする場合には、商品等の売上高と役務による営業収益とは、これを区別して記載する。売上高は、実現主義の原則に従い、商品等の販売又は役務の給付によって実現したものに限る。ただし、長期の未完成請負工事等については、合理的に収益を見積もり、これを当期の損益計算に計上することができる。(注6) (注7) 売上原価は、売上高に対応する商品等の仕入原価又は製造原価であって、商業の場合には、期首商品たな卸高に当期商品仕入高を加え、これから期末商品たな卸高を控除する形式で表示し、製造工業の場合には、期首製品たな卸高に当期製品製造原価を加え、これから期末製品たな卸高を控除する形式で表示する。(注8) (注9) (注10) 売上総利益は、売上高から売上原価を控除して表示する。役務の給付を営業とする場合には、営業収益から役務の費用を控除して総利益を表示する。同一企業の各経営部門の間における商品等の移転によって発生した内部利益は、売上高及び売上原価を算定するに当たって除去しなければならない。(注11) 営業利益は、売上総利益から販売費及び一般管理費を控除して表示する。販売費及び一般管理費は、適当な科目に分類して営業損益計算の区分に記載し、これを売上原価及び期末たな卸高に算入してはならない。ただし、長期の請負工事については、販売費及び一般管理費を適当な比率で請負工事に配分し、売上原価及び期末たな卸高に算入することができる。営業外損益は、受取利息及び割引料、有価証券売却益等の営業外収益と支払利息及び割引料、有価証券売却損、有価証券評価損等の営業外費用とに区分して表示する。経常利益は、営業利益に営業外収益を加え、これから営業外費用を控除して表示する。特別損益は、前期損益修正益、固定資産売却益等の特別利益と前期損益修正損、固定資産売却損、災害による損失等の特別損失とに区分して表示する。(注12) 税引前当期純利益は、経常利益に特別利益を加え、これから特別損失を控除して表示する。当期純利益は、税引前当期純利益から当期の負担に属する法人税額、住民税額等を控除して表示する。(注13) 当期未処分利益は、当期純利益に前期繰越利益、一定の目的のために設定した積立金のその目的に従った取崩額、中間配当額、中間配当に伴う利益準備金の積立額等を加減して表示する。貸借対照表は、企業の財政状態を明らかにするため、貸借対照表日におけるすべての資産、負債及び資本を記載し、株主、債権者その他の利害関係者にこれを正しく表示するものでなければならない。ただし、正規の簿記の原則に従って処理された場合に生じた簿外資産及び簿外負債は、貸借対照表の記載外におくことができる。(注1) 資産、負債及び資本は、適当な区分、配列、分類及び評価の基準に従って記載しなければならない。資産、負債及び資本は、総額によって記載することを原則とし、資産の項目と負債又は資本の項目とを相殺することによって、その全部又は一部を貸借対照表から除去してはならない。受取手形の割引高又は裏書譲渡高、保証債務等の偶発債務、債務の担保に供している資産、発行済株式1株当たり当期純利益及び同1株当たり純資産額等企業の財務内容を判断するために重要な事項は、貸借対照表に注記しなければならない。将来の期間に影響する特定の費用は、次期以後の期間に配分して処理するため、経過的に貸借対照表の資産の部に記載することができる。(注15) 貸借対照表の資産の合計金額は、負債と資本の合計金額に一致しなければならない。貸借対照表は、資産の部、負債の部及び資本の部の三区分に分ち、さらに資産の部を流動資産、固定資産及び繰延資産に、負債の部を流動負債及び固定負債に区分しなければならない。資産及び負債の項目の配列は、原則として、流動性配列法によるものとする。資産、負債及び資本の各科目は、一定の基準に従って明瞭に分類しなければならない。資産は、流動資産に属する資産、固定資産に属する資産及び繰延資産に属する資産に区別しなければならない。仮払金、未決算等の勘定を貸借対照表に記載するには、その性質を示す適当な科目で表示しなければならない。(注16) 現金預金、市場性ある有価証券で一時的所有のもの、取引先との通常の商取引によって生じた受取手形、売掛金等の債権、商品、製品、半製品、原材料、仕掛品等のたな卸資産及び期限が一年以内に到来する債権は、流動資産に属するものとする。前払費用で一年以内に費用となるものは、流動資産に属するものとする。受取手形、売掛金その他流動資産に属する債権は、取引先との通常の商取引上の債権とその他の債権とに区別して表示しなければならない。固定資産は、有形固定資産、無形固定資産及び投資その他の資産に区分しなければならない。建物、構築物、機械装置、船舶、車両運搬具、工具器具備品、土地、建設仮勘定等は、有形固定資産に属するものとする。営業権、特許権、地上権、商標権等は、無形固定資産に属するものとする。子会社株式その他流動資産に属しない有価証券、出資金、長期貸付金並びに有形固定資産、無形固定資産及び繰延資産に属するもの以外の長期資産は、投資その他の資産に属するものとする。有形固定資産に対する減価償却累計額は、原則として、その資産が属する科目ごとに取得原価から控除する形式で記載する。(注17) 無形固定資産については、減価償却額を控除した未償却残高を記載する。創立費、開業費、新株発行費、社債発行費、社債発行差金、開発費、試験研究費及び建設利息は、繰延資産に属するものとする。これらの資産については、償却額を控除した未償却残高を記載する。(注15) 受取手形、売掛金その他の債権に対する貸倒引当金は、原則として、その債権が属する科目ごとに債権金額又は取得価額から控除する形式で記載する。(注17) (注18) 債権のうち、役員等企業の内部の者に対するものと親会社又は子会社に対するものは、特別の科目を設けて区別して表示し、又は注記の方法によりその内容を明瞭に示さなければならない。負債は、流動負債に属する負債と固定負債に属する負債とに区別しなければならない。仮受金、未決算等の勘定を貸借対照表に記載するには、その性質を示す適当な科目で表示しなければならない。(注16) 取引先との通常の商取引によって生じた支払手形、買掛金等の債務及び期限が一年以内に到来する債務は、流動負債に属するものとする。支払手形、買掛金その他流動負債に属する債務は、取引先との通常の商取引上の債務とその他の債務とに区別して表示しなければならない。引当金のうち、賞与引当金、工事補償引当金、修繕引当金のように、通常一年以内に使用される見込みのものは流動負債に属するものとする。(注18) 社債、長期借入金等の長期債務は、固定負債に属するものとする。引当金のうち、退職給与引当金、特別修繕引当金のように、通常一年をこえて使用される見込のものは、固定負債に属するものとする。(注18) 債務のうち、役員等企業の内部の者に対するものと親会社又は子会社に対するものは、特別の科目を設けて区別して表示し、又は注記の方法によりその内容を明瞭に示さなければならない。資本は、資本金に属するものと剰余金に属するものとに区別しなければならない。(注19) 資本金の区分には、法定資本の額を記載する。発行済株式の数は普通株、優先株等の種類別に注記するものとする。剰余金は、資本準備金、利益準備金及びその他の剰余金に区分して記載しなければならない。株式払込剰余金、減資差益及び合併差益は、資本準備金として表示する。その他の剰余金の区分には、任意積立金及び当期末処分利益を記載する。新株式払込金又は申込期日経過後における新株式申込証拠金は、資本金の区分の次に特別の区分を設けて表示しなければならない。法律で定める準備金で資本準備金又は利益準備金に準ずるものは、資本準備金又は利益準備金の次に特別の区分を設けて表示しなければならない。貸借対照表に記載する資産の価額は、原則として、当該資産の取得原価を基礎として計上しなければならない。資産の取得原価は、資産の種類に応じた費用配分の原則によって、各事業年度に配分しなければならない。有形固定資産は、当該資産の耐用期間にわたり、定額法、定率法等の一定の減価償却の方法によって、その取得原価を各事業年度に配分し、無形固定資産は、当該資産の有効期間にわたり、一定の減価償却の方法によって、その取得原価を各事業年度に配分しなければならない。繰延資産についても、これに準じて、各事業年度に均等額以上を配分しなければならない。(注20) 商品、製品、半製品、原材料、仕掛品等のたな卸資産については、原則として購入代価又は製造原価に引取費用等の付随費用を加算し、これに個別法、先入先出法、後入先出法、平均原価法等の方法を適用して算定した取得原価をもって貸借対照表価額とする。ただし、時価が取得原価より著しく下落したときは、回復する見込があると認められる場合を除き、時価をもって貸借対照表価額としなければならない。(注9) (注10) (注21) 棚卸資産の貸借対照表価額は、時価が取得原価よりも下落した場合には時価による方法を適用して算定することができる。(注10) 有価証券については、原則として購入代価に手数料等の付随費用を加算し、これに平均原価法等の方法を適用して算定した取得原価をもって貸借対照表価額とする。ただし、取引所の相場のある有価証券については、時価が著しく下落したときは、回復する見込みがあると認められる場合を除き、時価をもって貸借対照表価額としなければならない。取引所の相場のない有価証券のうち株式については、当該会社の財政状態を反映する株式の実質価額が著しく低下したときは、相当の減額をしなければならない。(注22) 取引所の相場のある有価証券で子会社の株式以外のものの貸借対照表価額は、時価が取得原価よりも下落した場合には時価による方法を適用して算定することができる。受取手形、売掛金その他の債権の貸借対照表価額は、債権金額又は取得価額から正常な貸倒見積高を控除した金額とする。(注23) 有形固定資産については、その取得原価から減価償却累計額を控除した価額をもって貸借対照表価額とする。有形固定資産の取得原価には、原則として当該資産の取引費用等の付随費用を含める。現物出資として受入れた固定資産については、出資者に対して交付された株式の発行価額をもって取得原価とする。(注24) 償却済の有形固定資産は、除却されるまで残存価額又は備忘価額で記載する。無形固定資産については、当該資産の取得のために支出した金額から減価償却累計額を控除した価額をもって貸借対照表価額とする。(注25) 贈与その他無償で取得した資産については、公正な評価額をもって取得原価とする。(注24)	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "法学>民事法>商法>会計基準>企業会計原則", 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"第二　損益計算書原則" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "営業外損益は、受取利息及び割引料、有価証券売却益等の営業外収益と支払利息及び割引料、有価証券売却損、有価証券評価損等の営業外費用とに区分して表示する。", "title": "第二　損益計算書原則" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "経常利益は、営業利益に営業外収益を加え、これから営業外費用を控除して表示する。", "title": "第二　損益計算書原則" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "特別損益は、前期損益修正益、固定資産売却益等の特別利益と前期損益修正損、固定資産売却損、災害による損失等の特別損失とに区分して表示する。(注12)", "title": "第二　損益計算書原則" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "税引前当期純利益は、経常利益に特別利益を加え、これから特別損失を控除して表示する。", "title": "第二　損益計算書原則" }, { "paragraph_id": 32, "tag": "p", "text": "当期純利益は、税引前当期純利益から当期の負担に属する法人税額、住民税額等を控除して表示する。(注13)", "title": "第二　損益計算書原則" }, { "paragraph_id": 33, "tag": "p", "text": "当期未処分利益は、当期純利益に前期繰越利益、一定の目的のために設定した積立金のその目的に従った取崩額、中間配当額、中間配当に伴う利益準備金の積立額等を加減して表示する。", "title": "第二　損益計算書原則" }, { "paragraph_id": 34, "tag": "p", "text": "貸借対照表は、企業の財政状態を明らかにするため、貸借対照表日におけるすべての資産、負債及び資本を記載し、株主、債権者その他の利害関係者にこれを正しく表示するものでなければならない。ただし、正規の簿記の原則に従って処理された場合に生じた簿外資産及び簿外負債は、貸借対照表の記載外におくことができる。(注1)", "title": "第三　貸借対照表原則" }, { "paragraph_id": 35, "tag": "p", "text": "資産、負債及び資本は、適当な区分、配列、分類及び評価の基準に従って記載しなければならない。", "title": "第三　貸借対照表原則" }, { "paragraph_id": 36, "tag": "p", "text": "資産、負債及び資本は、総額によって記載することを原則とし、資産の項目と負債又は資本の項目とを相殺することによって、その全部又は一部を貸借対照表から除去してはならない。", "title": "第三　貸借対照表原則" }, { "paragraph_id": 37, "tag": "p", "text": "受取手形の割引高又は裏書譲渡高、保証債務等の偶発債務、債務の担保に供している資産、発行済株式1株当たり当期純利益及び同1株当たり純資産額等企業の財務内容を判断するために重要な事項は、貸借対照表に注記しなければならない。", "title": "第三　貸借対照表原則" }, { "paragraph_id": 38, "tag": "p", "text": "将来の期間に影響する特定の費用は、次期以後の期間に配分して処理するため、経過的に貸借対照表の資産の部に記載することができる。(注15)", "title": "第三　貸借対照表原則" }, { "paragraph_id": 39, "tag": "p", "text": "貸借対照表の資産の合計金額は、負債と資本の合計金額に一致しなければならない。", "title": "第三　貸借対照表原則" }, { "paragraph_id": 40, "tag": "p", "text": "貸借対照表は、資産の部、負債の部及び資本の部の三区分に分ち、さらに資産の部を流動資産、固定資産及び繰延資産に、負債の部を流動負債及び固定負債に区分しなければならない。", "title": "第三　貸借対照表原則" }, { "paragraph_id": 41, "tag": "p", "text": "資産及び負債の項目の配列は、原則として、流動性配列法によるものとする。", "title": "第三　貸借対照表原則" }, { "paragraph_id": 42, "tag": "p", "text": "資産、負債及び資本の各科目は、一定の基準に従って明瞭に分類しなければならない。", "title": "第三　貸借対照表原則" }, { "paragraph_id": 43, "tag": "p", "text": "資産は、流動資産に属する資産、固定資産に属する資産及び繰延資産に属する資産に区別しなければならない。仮払金、未決算等の勘定を貸借対照表に記載するには、その性質を示す適当な科目で表示しなければならない。(注16)", "title": "第三　貸借対照表原則" }, { "paragraph_id": 44, "tag": "p", "text": "現金預金、市場性ある有価証券で一時的所有のもの、取引先との通常の商取引によって生じた受取手形、売掛金等の債権、商品、製品、半製品、原材料、仕掛品等のたな卸資産及び期限が一年以内に到来する債権は、流動資産に属するものとする。", "title": "第三　貸借対照表原則" }, { "paragraph_id": 45, "tag": "p", "text": "前払費用で一年以内に費用となるものは、流動資産に属するものとする。", "title": "第三　貸借対照表原則" }, { "paragraph_id": 46, "tag": "p", "text": "受取手形、売掛金その他流動資産に属する債権は、取引先との通常の商取引上の債権とその他の債権とに区別して表示しなければならない。", "title": "第三　貸借対照表原則" }, { "paragraph_id": 47, "tag": "p", "text": "固定資産は、有形固定資産、無形固定資産及び投資その他の資産に区分しなければならない。", "title": "第三　貸借対照表原則" }, { "paragraph_id": 48, "tag": "p", "text": "建物、構築物、機械装置、船舶、車両運搬具、工具器具備品、土地、建設仮勘定等は、有形固定資産に属するものとする。", "title": "第三　貸借対照表原則" }, { "paragraph_id": 49, "tag": "p", "text": "営業権、特許権、地上権、商標権等は、無形固定資産に属するものとする。子会社株式その他流動資産に属しない有価証券、出資金、長期貸付金並びに有形固定資産、無形固定資産及び繰延資産に属するもの以外の長期資産は、投資その他の資産に属するものとする。", "title": "第三　貸借対照表原則" }, { "paragraph_id": 50, "tag": "p", "text": "有形固定資産に対する減価償却累計額は、原則として、その資産が属する科目ごとに取得原価から控除する形式で記載する。(注17)", "title": "第三　貸借対照表原則" }, { "paragraph_id": 51, "tag": "p", "text": "無形固定資産については、減価償却額を控除した未償却残高を記載する。", "title": "第三　貸借対照表原則" }, { "paragraph_id": 52, "tag": "p", "text": "創立費、開業費、新株発行費、社債発行費、社債発行差金、開発費、試験研究費及び建設利息は、繰延資産に属するものとする。これらの資産については、償却額を控除した未償却残高を記載する。(注15)", "title": "第三　貸借対照表原則" }, { "paragraph_id": 53, "tag": "p", "text": "受取手形、売掛金その他の債権に対する貸倒引当金は、原則として、その債権が属する科目ごとに債権金額又は取得価額から控除する形式で記載する。(注17) (注18)", "title": "第三　貸借対照表原則" }, { "paragraph_id": 54, "tag": "p", "text": "債権のうち、役員等企業の内部の者に対するものと親会社又は子会社に対するものは、特別の科目を設けて区別して表示し、又は注記の方法によりその内容を明瞭に示さなければならない。", "title": "第三　貸借対照表原則" }, { "paragraph_id": 55, "tag": "p", "text": "負債は、流動負債に属する負債と固定負債に属する負債とに区別しなければならない。仮受金、未決算等の勘定を貸借対照表に記載するには、その性質を示す適当な科目で表示しなければならない。(注16)", "title": "第三　貸借対照表原則" }, { "paragraph_id": 56, "tag": "p", "text": "取引先との通常の商取引によって生じた支払手形、買掛金等の債務及び期限が一年以内に到来する債務は、流動負債に属するものとする。", "title": "第三　貸借対照表原則" }, { "paragraph_id": 57, "tag": "p", "text": "支払手形、買掛金その他流動負債に属する債務は、取引先との通常の商取引上の債務とその他の債務とに区別して表示しなければならない。", "title": "第三　貸借対照表原則" }, { "paragraph_id": 58, "tag": "p", "text": "引当金のうち、賞与引当金、工事補償引当金、修繕引当金のように、通常一年以内に使用される見込みのものは流動負債に属するものとする。(注18)", "title": "第三　貸借対照表原則" }, { "paragraph_id": 59, "tag": "p", "text": "社債、長期借入金等の長期債務は、固定負債に属するものとする。", "title": "第三　貸借対照表原則" }, { "paragraph_id": 60, "tag": "p", "text": "引当金のうち、退職給与引当金、特別修繕引当金のように、通常一年をこえて使用される見込のものは、固定負債に属するものとする。(注18)", "title": "第三　貸借対照表原則" }, { "paragraph_id": 61, "tag": "p", "text": "債務のうち、役員等企業の内部の者に対するものと親会社又は子会社に対するものは、特別の科目を設けて区別して表示し、又は注記の方法によりその内容を明瞭に示さなければならない。", "title": "第三　貸借対照表原則" }, { "paragraph_id": 62, "tag": "p", "text": "資本は、資本金に属するものと剰余金に属するものとに区別しなければならない。(注19)", "title": "第三　貸借対照表原則" }, { "paragraph_id": 63, "tag": "p", "text": "資本金の区分には、法定資本の額を記載する。発行済株式の数は普通株、優先株等の種類別に注記するものとする。", "title": "第三　貸借対照表原則" }, { "paragraph_id": 64, "tag": "p", "text": "剰余金は、資本準備金、利益準備金及びその他の剰余金に区分して記載しなければならない。", "title": "第三　貸借対照表原則" }, { "paragraph_id": 65, "tag": "p", "text": "株式払込剰余金、減資差益及び合併差益は、資本準備金として表示する。", "title": "第三　貸借対照表原則" }, { "paragraph_id": 66, "tag": "p", "text": "その他の剰余金の区分には、任意積立金及び当期末処分利益を記載する。", "title": "第三　貸借対照表原則" }, { "paragraph_id": 67, "tag": "p", "text": "新株式払込金又は申込期日経過後における新株式申込証拠金は、資本金の区分の次に特別の区分を設けて表示しなければならない。", "title": "第三　貸借対照表原則" }, { "paragraph_id": 68, "tag": "p", "text": "法律で定める準備金で資本準備金又は利益準備金に準ずるものは、資本準備金又は利益準備金の次に特別の区分を設けて表示しなければならない。", "title": "第三　貸借対照表原則" }, { "paragraph_id": 69, "tag": "p", "text": "貸借対照表に記載する資産の価額は、原則として、当該資産の取得原価を基礎として計上しなければならない。", "title": "第三　貸借対照表原則" }, { "paragraph_id": 70, "tag": "p", "text": "資産の取得原価は、資産の種類に応じた費用配分の原則によって、各事業年度に配分しなければならない。有形固定資産は、当該資産の耐用期間にわたり、定額法、定率法等の一定の減価償却の方法によって、その取得原価を各事業年度に配分し、無形固定資産は、当該資産の有効期間にわたり、一定の減価償却の方法によって、その取得原価を各事業年度に配分しなければならない。繰延資産についても、これに準じて、各事業年度に均等額以上を配分しなければならない。(注20)", "title": "第三　貸借対照表原則" }, { "paragraph_id": 71, "tag": "p", "text": "商品、製品、半製品、原材料、仕掛品等のたな卸資産については、原則として購入代価又は製造原価に引取費用等の付随費用を加算し、これに個別法、先入先出法、後入先出法、平均原価法等の方法を適用して算定した取得原価をもって貸借対照表価額とする。ただし、時価が取得原価より著しく下落したときは、回復する見込があると認められる場合を除き、時価をもって貸借対照表価額としなければならない。(注9) (注10) (注21)", "title": "第三　貸借対照表原則" }, { "paragraph_id": 72, "tag": "p", "text": "棚卸資産の貸借対照表価額は、時価が取得原価よりも下落した場合には時価による方法を適用して算定することができる。(注10)", "title": "第三　貸借対照表原則" }, { "paragraph_id": 73, "tag": "p", "text": "有価証券については、原則として購入代価に手数料等の付随費用を加算し、これに平均原価法等の方法を適用して算定した取得原価をもって貸借対照表価額とする。ただし、取引所の相場のある有価証券については、時価が著しく下落したときは、回復する見込みがあると認められる場合を除き、時価をもって貸借対照表価額としなければならない。取引所の相場のない有価証券のうち株式については、当該会社の財政状態を反映する株式の実質価額が著しく低下したときは、相当の減額をしなければならない。(注22)", "title": "第三　貸借対照表原則" }, { "paragraph_id": 74, "tag": "p", "text": "取引所の相場のある有価証券で子会社の株式以外のものの貸借対照表価額は、時価が取得原価よりも下落した場合には時価による方法を適用して算定することができる。", "title": "第三　貸借対照表原則" }, { "paragraph_id": 75, "tag": "p", "text": "受取手形、売掛金その他の債権の貸借対照表価額は、債権金額又は取得価額から正常な貸倒見積高を控除した金額とする。(注23)", "title": "第三　貸借対照表原則" }, { "paragraph_id": 76, "tag": "p", "text": "有形固定資産については、その取得原価から減価償却累計額を控除した価額をもって貸借対照表価額とする。有形固定資産の取得原価には、原則として当該資産の取引費用等の付随費用を含める。現物出資として受入れた固定資産については、出資者に対して交付された株式の発行価額をもって取得原価とする。(注24)", "title": "第三　貸借対照表原則" }, { "paragraph_id": 77, "tag": "p", "text": "償却済の有形固定資産は、除却されるまで残存価額又は備忘価額で記載する。", "title": "第三　貸借対照表原則" }, { "paragraph_id": 78, "tag": "p", "text": "無形固定資産については、当該資産の取得のために支出した金額から減価償却累計額を控除した価額をもって貸借対照表価額とする。(注25)", "title": "第三　貸借対照表原則" }, { "paragraph_id": 79, "tag": "p", "text": "贈与その他無償で取得した資産については、公正な評価額をもって取得原価とする。(注24)", "title": "第三　貸借対照表原則" } ]	法学＞民事法＞商法＞会計基準＞企業会計原則ここでは、企業会計原則の条文についての解説を行うことを目的とする。企業会計原則は、企業会計の実務の中に慣習として発達したものの中から、一般に公正妥当と認められたところを要約した基準である。法律ではないが、企業が会計業務を実施する場合の基本的なルールとなっている。 1949年（昭和24年）7月9日に経済安定本部企業会計制度対策調査会の中間報告として設定され、その後、大蔵省企業会計審議会が改定を加えていった。最終改定は1982年（昭和57年）4月20日に行われている。	{{Wikipedia}} [[法学]]＞[[民事法]]＞[[商法]]＞[[会計基準]]＞[[企業会計原則]] ここでは、企業会計原則の条文についての解説を行うことを目的とする。企業会計原則は、企業会計の実務の中に慣習として発達したものの中から、一般に公正妥当と認められたところを要約した基準である。法律ではないが、企業が会計業務を実施する場合の基本的なルールとなっている。 1949年（昭和24年）7月9日に経済安定本部企業会計制度対策調査会の中間報告として設定され、その後、大蔵省企業会計審議会が改定を加えていった。最終改定は1982年（昭和57年）4月20日に行われている。 ==[[企業会計原則 (一般原則)\|第一　一般原則]]== ===[[企業会計原則 (一般原則)#真実性の原則\|真実性の原則]]=== 一　企業会計は、企業の財政状態及び経営成績に関して、真実な報告を提供するものでなければならない。 ===[[企業会計原則 (一般原則)#正規の簿記の原則\|正規の簿記の原則]]=== 二　企業会計は、すべての取引につき、正規の簿記の原則に従って、正確な会計帳簿を作成しなければならない。(注1) ===[[企業会計原則 (一般原則)#資本取引・損益取引区分の原則\|資本取引・損益取引区分の原則]]=== 三　資本取引と損益取引とを明瞭に区別し、特に資本剰余金と利益剰余金とを混同してはならない。(注2) ===[[企業会計原則 (一般原則)#明瞭性の原則\|明瞭性の原則]]=== 四　企業会計は、財務諸表によって、利害関係者に対し必要な会計事実を明瞭に表示し、企業の状況に関する判断を誤らせないようにしなければならない。(注1) (注1-2) (注1-3) (注1-4) ===[[企業会計原則 (一般原則)#継続性の原則\|継続性の原則]]=== 五企業会計は、その処理の原則及び手続を毎期継続して適用し、みだりにこれを変更してはならない。(注1-2) (注3) ===[[企業会計原則 (一般原則)#保守主義（安全性）の原則\|保守主義（安全性）の原則]]=== 六　企業の財政に不利な影響を及ぼす可能性がある場合には、これに備えて適当に健全な会計処理をしなければならない。(注4) ===[[企業会計原則 (一般原則)#単一性の原則\|単一性の原則]]=== 七　株主総会提出のため、信用目的のため、租税目的のため等種々の目的のために異なる形式の財務諸表を作成する必要がある場合、それらの内容は、信頼しうる会計記録に基づいて作成されたものであって、政策の考慮のために事実の真実な表示をゆがめてはならない。 ==第二　損益計算書原則== ===[[企業会計原則 (損益計算書の本質)#一　損益計算書の本質\|一　損益計算書の本質]]=== 損益計算書は、企業の経営成績を明らかにするため、一会計期間に属するすべての収益とこれに対応するすべての費用とを記載して経常利益を表示し、これに特別損益に属する項目を加減して当期純利益を表示しなければならない。 ====[[企業会計原則 (損益計算書の本質)#Ａ　発生主義の原則\|Ａ　発生主義の原則]]==== すべての費用及び収益は、その支出及び収入に基づいて計上し、その発生した期間に正しく割当てられるように処理しなければならない。ただし、未実現収益は、原則として、当期の損益計算に計上してはならない。前払費用及び前受収益は、これを当期の損益計算から除去し、未払費用及び未収収益は、当期の損益計算に計上しなければならない。(注5) ====[[企業会計原則 (損益計算書の本質)#Ｂ　総額主義の原則\|Ｂ　総額主義の原則]]==== 費用及び収益は、総額によって記載することを原則とし、費用の項目と収益の項目とを直接に相殺することによってその全部又は一部を損益計算書から除去してはならない。 ====[[企業会計原則 (損益計算書の本質)#Ｃ　費用収益対応の原則\|Ｃ　費用収益対応の原則]]==== 費用及び収益は、その発生源泉に従って明瞭に分類し、各収益項目とそれに関連する費用項目とを損益計算書に対応表示しなければならない。 ===[[企業会計原則 (損益計算書の区分)#二　損益計算書の区分\|二　損益計算書の区分]]=== 損益計算書には、営業損益計算、経常損益計算及び純損益計算の区分を設けなければならない。 ====[[企業会計原則 (損益計算書の区分)#Ａ　営業損益計算\|Ａ　営業損益計算]]==== 営業損益計算の区分は、当該企業の営業活動から生ずる費用及び収益を記載して、営業利益を計算する。二つ以上の営業を目的とする企業にあっては、その費用及び収益を主要な営業別に区分して記載する。 ====[[企業会計原則 (損益計算書の区分)#Ｂ　経常損益計算\|Ｂ　経常損益計算]]==== 経常損益計算の区分は、営業損益計算の結果を受けて、利息及び割引料、有価証券売却損益その他営業活動以外の原因から生ずる損益であって特別損益に属しないものを記載し、経常利益を計算する。 ====[[企業会計原則 (損益計算書の区分)#Ｃ　純損益計算\|Ｃ　純損益計算]]==== 純損益計算の区分は、経常損益計算の結果を受けて、前期損益修正額、固定資産売却損益等の特別損益を記載し、当期純利益を計算する。 ====[[企業会計原則 (損益計算書の区分)#Ｄ　未処分損益計算\|Ｄ　未処分損益計算]]==== 純損益計算の結果を受けて、前期繰越利益等を記載し、当期未処分利益を計算する。 ===[[企業会計原則 (営業利益)#三　営業利益\|三　営業利益]]=== 営業損益計算は、一会計期間に属する売上高と売上原価とを記載して売上総利益を計算し、これから販売費及び一般管理費を控除して、営業利益を表示する。 ====[[企業会計原則 (営業利益)#Ａ　役務業の兼業\|Ａ　役務業の兼業]]==== 企業が商品等の販売と役務の給付とをともに主たる営業とする場合には、商品等の売上高と役務による営業収益とは、これを区別して記載する。 ====[[企業会計原則 (営業利益)#Ｂ　売上高の計上基準\|Ｂ　売上高の計上基準]]==== 売上高は、実現主義の原則に従い、商品等の販売又は役務の給付によって実現したものに限る。ただし、長期の未完成請負工事等については、合理的に収益を見積もり、これを当期の損益計算に計上することができる。(注6) (注7) ====[[企業会計原則 (営業利益)#Ｃ　売上原価の表示方法\|Ｃ　売上原価の表示方法]]==== 売上原価は、売上高に対応する商品等の仕入原価又は製造原価であって、商業の場合には、期首商品たな卸高に当期商品仕入高を加え、これから期末商品たな卸高を控除する形式で表示し、製造工業の場合には、期首製品たな卸高に当期製品製造原価を加え、これから期末製品たな卸高を控除する形式で表示する。(注8) (注9) (注10) ====[[企業会計原則 (営業利益)#Ｄ　売上総利益の表示\|Ｄ　売上総利益の表示]]==== 売上総利益は、売上高から売上原価を控除して表示する。役務の給付を営業とする場合には、営業収益から役務の費用を控除して総利益を表示する。 ====[[企業会計原則 (営業利益)#Ｅ　内部利益の除去\|Ｅ　内部利益の除去]]==== 同一企業の各経営部門の間における商品等の移転によって発生した内部利益は、売上高及び売上原価を算定するに当たって除去しなければならない。(注11) ====[[企業会計原則 (営業利益)#Ｆ　販売費・一般管理費の計上と営業利益の計算\|Ｆ　販売費・一般管理費の計上と営業利益の計算]]==== 営業利益は、売上総利益から販売費及び一般管理費を控除して表示する。販売費及び一般管理費は、適当な科目に分類して営業損益計算の区分に記載し、これを売上原価及び期末たな卸高に算入してはならない。ただし、長期の請負工事については、販売費及び一般管理費を適当な比率で請負工事に配分し、売上原価及び期末たな卸高に算入することができる。 ===[[企業会計原則 (営業外損益等)#四　営業外損益\|四　営業外損益]]=== 営業外損益は、受取利息及び割引料、有価証券売却益等の営業外収益と支払利息及び割引料、有価証券売却損、有価証券評価損等の営業外費用とに区分して表示する。 ===[[企業会計原則 (営業外損益等)#五　経常利益\|五　経常利益]]=== 経常利益は、営業利益に営業外収益を加え、これから営業外費用を控除して表示する。 ===[[企業会計原則 (営業外損益等)#六　特別損益\|六　特別損益]]=== 特別損益は、前期損益修正益、固定資産売却益等の特別利益と前期損益修正損、固定資産売却損、災害による損失等の特別損失とに区分して表示する。(注12) ===[[企業会計原則 (営業外損益等)#七　税引前当期純利益\|七　税引前当期純利益]]=== 税引前当期純利益は、経常利益に特別利益を加え、これから特別損失を控除して表示する。 ===[[企業会計原則 (営業外損益等)#八　当期純利益\|八　当期純利益]]=== 当期純利益は、税引前当期純利益から当期の負担に属する法人税額、住民税額等を控除して表示する。(注13) ===[[企業会計原則 (営業外損益等)#九　当期未処分利益\|九　当期未処分利益]]=== 当期未処分利益は、当期純利益に前期繰越利益、一定の目的のために設定した積立金のその目的に従った取崩額、中間配当額、中間配当に伴う利益準備金の積立額等を加減して表示する。 ==第三　貸借対照表原則== ===[[企業会計原則 (貸借対照表の本質)\|一　貸借対照表の本質]]=== 貸借対照表は、企業の財政状態を明らかにするため、貸借対照表日におけるすべての資産、負債及び資本を記載し、株主、債権者その他の利害関係者にこれを正しく表示するものでなければならない。ただし、正規の簿記の原則に従って処理された場合に生じた簿外資産及び簿外負債は、貸借対照表の記載外におくことができる。(注1) ====[[企業会計原則 (貸借対照表の本質)#Ａ　資産・負債・資本の記載の基準\|Ａ　資産・負債・資本の記載の基準]]==== 資産、負債及び資本は、適当な区分、配列、分類及び評価の基準に従って記載しなければならない。 ====[[企業会計原則 (貸借対照表の本質)#Ｂ　総額主義の原則\|Ｂ　総額主義の原則]]==== 資産、負債及び資本は、総額によって記載することを原則とし、資産の項目と負債又は資本の項目とを相殺することによって、その全部又は一部を貸借対照表から除去してはならない。 ====[[企業会計原則 (貸借対照表の本質)#Ｃ　注記事項\|Ｃ　注記事項]]==== 受取手形の割引高又は裏書譲渡高、保証債務等の偶発債務、債務の担保に供している資産、発行済株式1株当たり当期純利益及び同1株当たり純資産額等企業の財務内容を判断するために重要な事項は、貸借対照表に注記しなければならない。 ====[[企業会計原則 (貸借対照表の本質)#Ｄ　繰延資産の計上\|Ｄ　繰延資産の計上]]==== 将来の期間に影響する特定の費用は、次期以後の期間に配分して処理するため、経過的に貸借対照表の資産の部に記載することができる。(注15) ====[[企業会計原則 (貸借対照表の本質)#Ｅ　資産と負債・資本の平均\|Ｅ　資産と負債・資本の平均]]==== 貸借対照表の資産の合計金額は、負債と資本の合計金額に一致しなければならない。 ===[[企業会計原則 (貸借対照表の区分)\|二　貸借対照表の区分]]=== 貸借対照表は、資産の部、負債の部及び資本の部の三区分に分ち、さらに資産の部を流動資産、固定資産及び繰延資産に、負債の部を流動負債及び固定負債に区分しなければならない。 ===[[企業会計原則 (貸借対照表の配列)\|三　貸借対照表の配列]]=== 資産及び負債の項目の配列は、原則として、流動性配列法によるものとする。 ===四　貸借対照表科目の分類=== 資産、負債及び資本の各科目は、一定の基準に従って明瞭に分類しなければならない。 ====[[企業会計原則 (貸借対照表資産)#(一)資産\|(一)資産]]==== 資産は、流動資産に属する資産、固定資産に属する資産及び繰延資産に属する資産に区別しなければならない。仮払金、未決算等の勘定を貸借対照表に記載するには、その性質を示す適当な科目で表示しなければならない。(注16) =====[[企業会計原則 (貸借対照表資産)#Ａ　流動資産の内容と表示\|Ａ　流動資産の内容と表示]]===== 現金預金、市場性ある有価証券で一時的所有のもの、取引先との通常の商取引によって生じた受取手形、売掛金等の債権、商品、製品、半製品、原材料、仕掛品等のたな卸資産及び期限が一年以内に到来する債権は、流動資産に属するものとする。前払費用で一年以内に費用となるものは、流動資産に属するものとする。受取手形、売掛金その他流動資産に属する債権は、取引先との通常の商取引上の債権とその他の債権とに区別して表示しなければならない。 =====[[企業会計原則 (貸借対照表資産)#Ｂ　固定資産の分類及び内容\|Ｂ　固定資産の分類及び内容]]===== 固定資産は、有形固定資産、無形固定資産及び投資その他の資産に区分しなければならない。建物、構築物、機械装置、船舶、車両運搬具、工具器具備品、土地、建設仮勘定等は、有形固定資産に属するものとする。営業権、特許権、地上権、商標権等は、無形固定資産に属するものとする。子会社株式その他流動資産に属しない有価証券、出資金、長期貸付金並びに有形固定資産、無形固定資産及び繰延資産に属するもの以外の長期資産は、投資その他の資産に属するものとする。有形固定資産に対する減価償却累計額は、原則として、その資産が属する科目ごとに取得原価から控除する形式で記載する。(注17) 無形固定資産については、減価償却額を控除した未償却残高を記載する。 =====[[企業会計原則 (貸借対照表資産)#Ｃ　繰延資産の内容と表示\|Ｃ　繰延資産の内容と表示]]===== 創立費、開業費、新株発行費、社債発行費、社債発行差金、開発費、試験研究費及び建設利息は、繰延資産に属するものとする。これらの資産については、償却額を控除した未償却残高を記載する。(注15) =====[[企業会計原則 (貸借対照表資産)#Ｄ　貸倒引当金の表示\|Ｄ　貸倒引当金の表示]]===== 受取手形、売掛金その他の債権に対する貸倒引当金は、原則として、その債権が属する科目ごとに債権金額又は取得価額から控除する形式で記載する。(注17) (注18) 債権のうち、役員等企業の内部の者に対するものと親会社又は子会社に対するものは、特別の科目を設けて区別して表示し、又は注記の方法によりその内容を明瞭に示さなければならない。 ====[[企業会計原則 (貸借対照表負債)#(二)負債\|(二)負債]]==== 負債は、流動負債に属する負債と固定負債に属する負債とに区別しなければならない。仮受金、未決算等の勘定を貸借対照表に記載するには、その性質を示す適当な科目で表示しなければならない。(注16) =====[[企業会計原則 (貸借対照表負債)#Ａ　流動負債の内容\|Ａ　流動負債の内容]]===== 取引先との通常の商取引によって生じた支払手形、買掛金等の債務及び期限が一年以内に到来する債務は、流動負債に属するものとする。支払手形、買掛金その他流動負債に属する債務は、取引先との通常の商取引上の債務とその他の債務とに区別して表示しなければならない。引当金のうち、賞与引当金、工事補償引当金、修繕引当金のように、通常一年以内に使用される見込みのものは流動負債に属するものとする。(注18) =====[[企業会計原則 (貸借対照表負債)#Ｂ　固定負債の内容\|Ｂ　固定負債の内容]]===== 社債、長期借入金等の長期債務は、固定負債に属するものとする。引当金のうち、退職給与引当金、特別修繕引当金のように、通常一年をこえて使用される見込のものは、固定負債に属するものとする。(注18) =====[[企業会計原則 (貸借対照表負債)#Ｃ　役員・親会社・子会社に債務\|Ｃ　役員・親会社・子会社に債務]]===== 債務のうち、役員等企業の内部の者に対するものと親会社又は子会社に対するものは、特別の科目を設けて区別して表示し、又は注記の方法によりその内容を明瞭に示さなければならない。 ====[[企業会計原則 (貸借対照表資本)#(三)資本\|(三)資本]]==== 資本は、資本金に属するものと剰余金に属するものとに区別しなければならない。(注19) =====[[企業会計原則 (貸借対照表資本)#Ａ　資本金の記載\|Ａ　資本金の記載]]===== 資本金の区分には、法定資本の額を記載する。発行済株式の数は普通株、優先株等の種類別に注記するものとする。 =====[[企業会計原則 (貸借対照表資本)#Ｂ　剰余金の分類とその内容\|Ｂ　剰余金の分類とその内容]]===== 剰余金は、資本準備金、利益準備金及びその他の剰余金に区分して記載しなければならない。株式払込剰余金、減資差益及び合併差益は、資本準備金として表示する。その他の剰余金の区分には、任意積立金及び当期末処分利益を記載する。 =====[[企業会計原則 (貸借対照表資本)#Ｃ　新株式払込金等の表示\|Ｃ　新株式払込金等の表示]]===== 新株式払込金又は申込期日経過後における新株式申込証拠金は、資本金の区分の次に特別の区分を設けて表示しなければならない。 =====[[企業会計原則 (貸借対照表資本)#Ｄ　資本準備金等に準ずるものの表示\|Ｄ　資本準備金等に準ずるものの表示]]===== 法律で定める準備金で資本準備金又は利益準備金に準ずるものは、資本準備金又は利益準備金の次に特別の区分を設けて表示しなければならない。 ===[[企業会計原則 (資産の貸借対照表価額)#五　資産の貸借対照表価額\|五　資産の貸借対照表価額]]=== 貸借対照表に記載する資産の価額は、原則として、当該資産の取得原価を基礎として計上しなければならない。資産の取得原価は、資産の種類に応じた費用配分の原則によって、各事業年度に配分しなければならない。有形固定資産は、当該資産の耐用期間にわたり、定額法、定率法等の一定の減価償却の方法によって、その取得原価を各事業年度に配分し、無形固定資産は、当該資産の有効期間にわたり、一定の減価償却の方法によって、その取得原価を各事業年度に配分しなければならない。繰延資産についても、これに準じて、各事業年度に均等額以上を配分しなければならない。(注20) ====[[企業会計原則 (資産の貸借対照表価額)#Ａ　棚卸資産の評価\|Ａ　棚卸資産の評価]]==== 商品、製品、半製品、原材料、仕掛品等のたな卸資産については、原則として購入代価又は製造原価に引取費用等の付随費用を加算し、これに個別法、先入先出法、後入先出法、平均原価法等の方法を適用して算定した取得原価をもって貸借対照表価額とする。ただし、時価が取得原価より著しく下落したときは、回復する見込があると認められる場合を除き、時価をもって貸借対照表価額としなければならない。(注9) (注10) (注21) 棚卸資産の貸借対照表価額は、時価が取得原価よりも下落した場合には時価による方法を適用して算定することができる。(注10) ====[[企業会計原則 (資産の貸借対照表価額)#Ｂ　有価証券の評価\|Ｂ　有価証券の評価]]==== 有価証券については、原則として購入代価に手数料等の付随費用を加算し、これに平均原価法等の方法を適用して算定した取得原価をもって貸借対照表価額とする。ただし、取引所の相場のある有価証券については、時価が著しく下落したときは、回復する見込みがあると認められる場合を除き、時価をもって貸借対照表価額としなければならない。取引所の相場のない有価証券のうち株式については、当該会社の財政状態を反映する株式の実質価額が著しく低下したときは、相当の減額をしなければならない。(注22) 取引所の相場のある有価証券で子会社の株式以外のものの貸借対照表価額は、時価が取得原価よりも下落した場合には時価による方法を適用して算定することができる。 ====[[企業会計原則 (資産の貸借対照表価額)#Ｃ　債権の評価\|Ｃ　債権の評価]]==== 受取手形、売掛金その他の債権の貸借対照表価額は、債権金額又は取得価額から正常な貸倒見積高を控除した金額とする。(注23) ====[[企業会計原則 (資産の貸借対照表価額)#Ｄ　有形固定資産の評価\|Ｄ　有形固定資産の評価]]==== 有形固定資産については、その取得原価から減価償却累計額を控除した価額をもって貸借対照表価額とする。有形固定資産の取得原価には、原則として当該資産の取引費用等の付随費用を含める。現物出資として受入れた固定資産については、出資者に対して交付された株式の発行価額をもって取得原価とする。(注24) 償却済の有形固定資産は、除却されるまで残存価額又は備忘価額で記載する。 ====[[企業会計原則 (資産の貸借対照表価額)#Ｅ　無形固定資産の評価\|Ｅ　無形固定資産の評価]]==== 無形固定資産については、当該資産の取得のために支出した金額から減価償却累計額を控除した価額をもって貸借対照表価額とする。（注25） ====[[企業会計原則 (資産の貸借対照表価額)#Ｆ　無償取得資産の評価\|Ｆ　無償取得資産の評価]]==== 贈与その他無償で取得した資産については、公正な評価額をもって取得原価とする。(注24) {{DEFAULTSORT:ききようかいけいけんそく}} [[Category:企業会計原則\|*]] [[Category:会計学]] [[Category:会計基準]]	null	2015-10-14T10:05:41Z	[ 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7,933	企業会計原則注解	法学>民事法>商法>会計基準>企業会計原則注解企業会計原則注解 (一般原則二、四及び貸借対照表原則一) 企業会計は、定められた会計処理の方法に従って正確な計算を行うべきものであるが、企業会計が目的とするところは、企業の財務内容を明らかにし、企業の状況に関する利害関係者の判断を誤らせないようにすることにあるから、重要性の乏しいものについては、本来の厳密な会計処理によらないで他の簡便な方法によることも正規の簿記の原則に従った処理として認められる。重要性の原則は、財務諸表の表示に関しても適用される。重要性の原則の適用例としては、次のようなものがある。 (1) 消耗品、消耗工具器具備品その他の貯蔵品等のうち、重要性の乏しいものについては、その買入時又は払出時に費用として処理する方法を採用することができる。 (2) 前払費用、未収収益、未払費用及び前受収益のうち、重要性の乏しいものについては、経過勘定項目として処理しないことができる。 (3) 引当金のうち、重要性の乏しいものについては、これを計上しないことができる。 (4) たな卸資産の取得原価に含められる引取費用、関税、買入事務費、移管費、保管費等の付随費用のうち、重要性の乏しいものについては、取得原価に算入しないことができる。 (5) 分割返済の定めのある長期の債権又は債務のうち、期限が一年以内に到来するもので重要性の乏しいものについては、固定資産又は固定負債として表示することができる。 (一般原則四及び五) 財務諸表には、重要な会計方針を注記しなければならない。会計方針とは、企業が損益計算書及び貸借対照表の作成に当たって、その財政状態及び経営成績を正しく示すために採用した会計処理の原則及び手続並びに表示の方法をいう。会計方針の例としては、次のようなものがある。代替的な会計基準が認められていない場合には、会計方針の注記を省略することができる。 (一般原則四) 財務諸表には、損益計算書及び貸借対照表を作成する日までに発生した重要な後発事象を注記しなければならない。後発事象とは、貸借対照表日後に発生した事象で、次期以後の財政状態及び経営成績に影響を及ぼすものをいう。重要な後発事象を注記事項として開示することは、当該企業の将来の財政状態及び経営成績を理解するための補足情報として有用である。重要な後発事象の例としては、次のようなものがある。 (一般原則四) 重要な会計方針に係る注記事項は、損益計算書及び貸借対照表の次にまとめて記載する。なお、その他の注記事項についても、重要な会計方針の注記の次に記載することができる。 (一般原則三) (1) 資本剰余金は、資本取引から生じた剰余金であり、利益剰余金は損益取引から生じた剰余金、すなわち利益の留保額であるから、両者が混同されると、企業の財政状態及び経営成績が適正に示されないことになる。従って、例えば、新株発行による株式払込剰余金から新株発行費用を控除することは許されない。 (2) 商法上資本準備金として認められる資本剰余金は限定されている。従って、資本剰余金のうち、資本準備金及び法律で定める準備金で資本準備金に準ずるもの以外のものを計上する場合には、その他の剰余金の区分に記載されることになる。 (一般原則五) 企業会計上継続性が問題とされるのは、一つの会計事実について二つ以上の会計処理の原則又は手続の選択適用が認められている場合である。このような場合に、企業が選択した会計処理の原則及び手続を毎期継続して適用しないときは、同一の会計事実について異なる利益額が算出されることになり、財務諸表の期間比較を困難ならしめ、この結果、企業の財務内容に関する利害関係者の判断を誤らしめることになる。従って、いったん採用した会計処理の原則又は手続は、正当な理由により変更を行う場合を除き、財務諸表を作成する各時期を通じて継続して適用しなければならない。なお、正当な理由によって、会計処理の原則又は手続に重要な変更を加えたときは、これを当該財務諸表に注記しなければならない。 (一般原則六) 企業会計は、予測される将来の危険に備えて慎重な判断に基づく会計処理を行わなければならないが、過度に保守的な会計処理を行うことにより、企業の財政状態及び経営成績の真実な報告をゆがめてはならない。 (損益計算書原則一のAの二項) (1) 前払費用前払費用は、一定の契約に従い、継続して役務の提供を受ける場合、いまだ提供されていない役務に対し支払われた対価をいう。従って、このような役務に対する対価は、時間の経過とともに次期以降の費用となるものであるから、これを当期の損益計算から除去するとともに貸借対照表の資産の部に計上しなければならない。また、前払費用は、かかる役務提供契約以外の契約等による前払金とは区別しなければならない。 (2) 前受収益前受収益は、一定の契約に従い、継続して役務の提供を行う場合、いまだ提供していない役務に対し支払を受けた対価をいう。従って、このような役務に対する対価は、時間の経過とともに次期以降の収益となるものであるから、これを当期の損益計算から除去するとともに貸借対照表の負債の部に計上しなければならない。また、前受収益は、かかる役務提供契約以外の契約等による前受金とは区別しなければならない。 (3) 未払費用未払費用は、一定の契約に従い、継続して役務の提供を受ける場合、すでに提供された役務に対して、いまだその対価の支払が終らないものをいう。従って、このような役務に対する対価は、時間の経過に伴いすでに当期の費用として発生しているものであるから、これを当期の損益計算に計上するとともに貸借対照表の負債の部に計上しなければならない。また、未払費用は、かかる役務提供契約以外の契約等による未払金とは区別しなければならない。 (4) 未収収益未収収益は、一定の契約に従い、継続して役務の提供を行う場合、すでに提供した役務に対して、いまだ、その対価の支払を受けていないものをいう。従って、このような役務に対する対価は時間の経過に伴いすでに当期の収益として発生しているものであるから、これを当期の損益計算に計上するとともに貸借対照表の資産の部に計上しなければならない。また、未収収益は、かかる役務提供契約以外の契約等による未収金とは区別しなければならない。 (損益計算書原則三のB) 委託販売、試用販売、予約販売、割賦販売等特殊な販売契約による売上収益の実現の基準は、次によるものとする。 (1) 委託販売委託販売については、受託者が委託品を販売した日をもって売上収益の実現の日とする。従って、決算手続中に仕切精算書(売上計算書)が到達すること等により決算日までに販売された事実が明らかとなったものについては、これを当期の売上収益に計上しなければならない。ただし、仕切精算書が販売のつど送付されている場合には、当該仕切精算書が到達した日をもって売上収益の実現の日とみなすことができる。 (2) 試用販売試用販売については、得意先が買取りの意思を表示することによって売上が実現するのであるから、それまでは、当期の売上高に計上してはならない。 (3) 予約販売予約販売については、予約金受取額のうち、決算日までに商品の引渡し又は役務の給付が完了した分だけを当期の売上高に計上し、残額は貸借対照表の負債の部に記載して次期以後に繰延べなければならない。 (4) 割賦販売割賦販売については、商品等を引渡した日をもって売上収益の実現の日とする。しかし、割賦販売は通常の販売と異なり、その代金回収の期間が長期にわたり、かつ、分割払であることから代金回収上の危険率が高いので、貸倒引当金及び代金回収費、アフタ-・サ-ビス費等の引当金の計上について特別の配慮を要するが、その算定に当っては、不確実性と煩雑さとを伴う場合が多い。従って、収益の認識を慎重に行うため、販売基準に代えて、割賦金の回収期限の到来の日又は入金の日をもって売上収益実現の日とすることも認められる。 (損益計算書原則三のBただし書) 長期の請負工事に関する収益の計上については、工事進行基準又は工事完成基準のいずれかを選択適用することができる。 (1) 工事進行基準決算期末に工事進行程度を見積り、適正な工事収益率によって工事収益の一部を当期の損益計算に計上する。 (2) 工事完成基準工事が完成し、その引渡しが完了した日に工事収益を計上する。 (損益計算書原則三のC) 製品等の製造原価は、適正な原価計算基準に従って算定しなければならない。 (損益計算書原則三のC及び貸借対照表原則五のAの一項) 原価差額を売上原価に賦課した場合には、損益計算書に売上原価の内訳科目として次の形式で原価差額を記載する。原価差額をたな卸資産の科目別に配賦した場合には、これを貸借対照表上のたな卸資産の科目別に各資産の価額に含めて記載する。 (損益計算書原則三のC及び貸借対照表原則五のA) (1) 商品、製品、原材料等のたな卸資産に低価基準を適用する場合に生ずる評価損は、原則として、売上原価の内訳科目又は営業外費用として表示しなければならない。 (2) 時価が取得原価より著しく下落した場合(貸借対照表原則五のA第一項ただし書の場合)の評価損は、原則として、営業外費用又は特別損失として表示しなければならない。 (3) 品質低下、陳腐化等の原因によって生ずる評価損については、それが原価性を有しないものと認められる場合には、これを営業外費用又は特別損失として表示し、これらの評価損が原価性を有するものと認められる場合には、製造原価、売上原価の内訳科目又は販売費として表示しなければならない。 (損益計算書原則三のE) 内部利益とは、原則として、本店、支店、事業部等の企業内部における独立した会計単位相互間の内部取引から生ずる未実現の利益をいう。従って、会計単位内部における原材料、半製品等の振替から生ずる振替損益は内部利益ではない。内部利益の除去は、本支店等の合併損益計算書において売上高から内部売上高を控除し、仕入高(又は売上原価)から内部仕入高(又は内部売上原価)を控除するとともに、期末たな卸高から内部利益の額を控除する方法による。これらの控除に際しては、合理的な見積概算額によることも差支えない。 (損益計算書原則六) 特別損益に属する項目としては、次のようなものがある。 (1) 臨時損益 (2) 前期損益修正なお、特別損益に属する項目であっても、金額の僅少なもの又は毎期経常的に発生するものは、経常損益計算に含めることができる。 (損益計算書原則八) 法人税等の更正決定等による追徴税額及び還付税額は、税引前当期純利益に加減して表示する。この場合、当期の負担に属する法人税額等とは区別することを原則とするが、重要性の乏しい場合には、当期の負担に属するものに含めて表示することができる。 (貸借対照表原則一のD及び四の(一)のC) 「将来の期間に影響する特定の費用」とは、すでに代価の支払が完了し又は支払義務が確定し、これに対応する役務の提供を受けたにもかかわらず、その効果が将来にわたって発現するものと期待される費用をいう。これらの費用は、その効果が及ぶ数期間に合理的に配分するため、経過的に貸借対照表上繰延資産として計上することができる。なお、天災等により固定資産又は企業の営業活動に必須の手段たる資産の上に生じた損失が、その期の純利益又は当期未処分利益から当期の処分予定額を控除した金額をもって負担しえない程度に巨額であって特に法令をもって認められた場合には、これを経過的に貸借対照表の資産の部に記載して繰延経理することができる。 (貸借対照表原則四の(一)及び(二)) 受取手形、売掛金、前払金、支払手形、買掛金、前受金等の当該企業の主目的たる営業取引により発生した債権及び債務は、流動資産又は流動負債に属するものとする。ただし、これらの債権のうち、破産債権、更正債権及びこれに準ずる債権で一年以内に回収されないことが明らかなものは、固定資産たる投資その他の資産に属するものとする。貸付金、借入金、差入保証金、受入保証金、当該企業の主目的以外の取引によって発生した未収金、未払金等の債権及び債務で、貸借対照表日の翌日から起算して一年以内に入金又は支払の期限が到来するものは、流動資産又は流動負債に属するものとし、入金又は支払の期限が一年をこえて到来するものは、投資その他の資産又は固定負債に属するものとする。現金預金は、原則として、流動資産に属するが、預金については、貸借対照表日の翌日から起算して一年以内に期限が到来するものは、流動資産に属するものとし、期限が一年をこえて到来するものは、投資その他の資産に属するものとする。所有有価証券のうち、証券市場において流通するもので、短期的資金運用のために一時的に所有するものは、流動資産に属するものとし、証券市場において流通しないもの若しくは他の企業を支配する等の目的で長期的に所有するものは、投資その他の資産に属するものとする。前払費用については、貸借対照表日の翌日から起算して一年以内に費用となるものは、流動資産に属するものとし、一年をこえる期間を経て費用となるものは、投資その他の資産に属するものとする。未収収益は流動資産に属するものとし、未払費用及び前受収益は、流動負債に属するものとする。商品、製品、半製品、原材料、仕掛品等のたな卸資産は、流動資産に属するものとし、企業がその営業目的を達成するために所有し、かつ、その加工若しくは売却を予定しない財貨は、固定資産に属するものとする。なお、固定資産のうち残存耐用年数が一年以下となったものも流動資産とせず固定資産に含ませ、たな卸資産のうち恒常在庫品として保有するもの若しくは余剰品として長期間にわたって所有するものも固定資産とせず流動資産に含ませるものとする。 (貸借対照表原則四の(一)のBの五項及びDの一項) 貸倒引当金又は減価償却累計額は、その債権又は有形固定資産が属する科目ごとに控除する形式で表示することを原則とするが、次の方法によることも妨げない。 (1) 二以上の科目について、貸倒引当金又は減価償却累計額を一括して記載する方法 (2) 債権又は有形固定資産について、貸倒引当金又は減価償却累計額を控除した残額のみを記載し、当該貸倒引当金又は減価償却累計額を注記する方法 (貸借対照表原則四の(一)のDの一項、(二)のAの三項及びBの二項) 将来の特定の費用又は損失であって、その発生が当期以前の事象に起因し、発生の可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積ることができる場合には、当期の負担に属する金額を当期の費用又は損失として引当金に繰入れ、当該引当金の残高を貸借対照表の負債の部又は資産の部に記載するものとする。製品保証引当金、売上割戻引当金、返品調整引当金、賞与引当金、工事補償引当金、退職給与引当金、修繕引当金、特別修繕引当金、債務保証損失引当金、損害補償損失引当金、貸倒引当金等がこれに該当する。発生の可能性の低い偶発事象に係る費用又は損失については、引当金を計上することはできない。 (貸借対照表原則四の(三)) 会社の純資産額が法定資本の額をこえる部分を剰余金という。剰余金は、次のように資本剰余金と利益剰余金とに分れる。 (1) 資本剰余金株式払込剰余金、減資差益、合併差益等なお、合併差益のうち消滅した会社の利益剰余金に相当する金額については、資本剰余金としないことができる。 (2) 利益剰余金利益を源泉とする剰余金 (貸借対照表原則五の二項) 固定資産の減価償却の方法としては、次のようなものがある。 (1) 定額法固定資産の耐用期間中、毎期均等額の減価償却費を計上する方法 (2) 定率法固定資産の耐用期間中、毎期期首未償却残高に一定率を乗じた減価償却費を計上する方法 (3) 級数法固定資産の耐用期間中、毎期一定の額を算術級数的に逓減した減価償却費を計上する方法 (4) 生産高比例法固定資産の耐用期間中、毎期当該資産による生産又は用役の提供の度合に比例した減価償却費を計上する方法この方法は、当該固定資産の総利用可能量が物理的に確定でき、かつ、減価が主として固定資産の利用に比例して発生するもの、例えば、鉱業用設備、航空機、自動車等について適用することが認められる。なお、同種の物品が多数集まって一つの全体を構成し、老朽品の部分的取替を繰り返すことにより全体が維持されるような固定資産については、部分的取替に要する費用を収益的支出として処理する方法(取替法)を採用することができる。 (貸借対照表原則五のAの一項) (事実上廃止) (貸借対照表原則五のBの一項) 所有する社債については、社債金額より低い価額又は高い価額で買入れた場合には、当該価額をもって貸借対照表価額とすることができる。この場合においては、その差額に相当する金額を償還期に至るまで毎期一定の方法で逐次貸借対照表価額に加算し、又は貸借対照表価額から控除することができる。 (貸借対照表原則五のC) 債権については、債権金額より低い価額で取得したときその他これに類する場合には、当該価額をもって貸借対照表価額とすることができる。この場合においては、その差額に相当する金額を弁済期に至るまで毎期一定の方法で逐次貸借対照表価額に加算することができる。 (貸借対照表原則五のDの一項及びF) 国庫補助金、工事負担金等で取得した資産については、国庫補助金等に相当する金額をその取得原価から控除することができる。この場合においては、貸借対照表の表示は、次のいずれかの方法によるものとする。 (1) 取得原価から国庫補助金等に相当する金額を控除する形式で記載する方法 (2) 取得原価から国庫補助金等に相当する金額を控除した残額のみを記載し、当該国庫補助金等の金額を注記する方法 (貸借対照表原則五のE) 営業権は、有償で譲受け又は合併によって取得したものに限り貸借対照表に計上し、毎期均等額以上を償却しなければならない。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "法学>民事法>商法>会計基準>企業会計原則注解", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "企業会計原則注解", "title": 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"paragraph_id": 39, "tag": "p", "text": "企業会計は、予測される将来の危険に備えて慎重な判断に基づく会計処理を行わなければならないが、過度に保守的な会計処理を行うことにより、企業の財政状態及び経営成績の真実な報告をゆがめてはならない。", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 40, "tag": "p", "text": "", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 41, "tag": "p", "text": "(損益計算書原則一のAの二項)", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 42, "tag": "p", "text": "(1) 前払費用", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 43, "tag": "p", "text": "前払費用は、一定の契約に従い、継続して役務の提供を受ける場合、いまだ提供されていない役務に対し支払われた対価をいう。従って、このような役務に対する対価は、時間の経過とともに次期以降の費用となるものであるから、これを当期の損益計算から除去するとともに貸借対照表の資産の部に計上しなければならない。また、前払費用は、かかる役務提供契約以外の契約等による前払金とは区別しなければならない。", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 44, "tag": "p", "text": "(2) 前受収益", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 45, "tag": "p", "text": "前受収益は、一定の契約に従い、継続して役務の提供を行う場合、いまだ提供していない役務に対し支払を受けた対価をいう。従って、このような役務に対する対価は、時間の経過とともに次期以降の収益となるものであるから、これを当期の損益計算から除去するとともに貸借対照表の負債の部に計上しなければならない。また、前受収益は、かかる役務提供契約以外の契約等による前受金とは区別しなければならない。", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 46, "tag": "p", "text": "(3) 未払費用", 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"委託販売については、受託者が委託品を販売した日をもって売上収益の実現の日とする。従って、決算手続中に仕切精算書(売上計算書)が到達すること等により決算日までに販売された事実が明らかとなったものについては、これを当期の売上収益に計上しなければならない。ただし、仕切精算書が販売のつど送付されている場合には、当該仕切精算書が到達した日をもって売上収益の実現の日とみなすことができる。", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 54, "tag": "p", "text": "(2) 試用販売", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 55, "tag": "p", "text": "試用販売については、得意先が買取りの意思を表示することによって売上が実現するのであるから、それまでは、当期の売上高に計上してはならない。", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 56, "tag": "p", "text": "(3) 予約販売", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 57, "tag": "p", "text": "予約販売については、予約金受取額のうち、決算日までに商品の引渡し又は役務の給付が完了した分だけを当期の売上高に計上し、残額は貸借対照表の負債の部に記載して次期以後に繰延べなければならない。", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 58, "tag": "p", "text": "(4) 割賦販売", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 59, "tag": "p", "text": "割賦販売については、商品等を引渡した日をもって売上収益の実現の日とする。", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 60, "tag": "p", "text": "しかし、割賦販売は通常の販売と異なり、その代金回収の期間が長期にわたり、かつ、分割払であることから代金回収上の危険率が高いので、貸倒引当金及び代金回収費、アフタ-・サ-ビス費等の引当金の計上について特別の配慮を要するが、その算定に当っては、不確実性と煩雑さとを伴う場合が多い。従って、収益の認識を慎重に行うため、販売基準に代えて、割賦金の回収期限の到来の日又は入金の日をもって売上収益実現の日とすることも認められる。", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 61, "tag": "p", "text": "", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 62, "tag": "p", "text": "(損益計算書原則三のBただし書)", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 63, "tag": "p", "text": "長期の請負工事に関する収益の計上については、工事進行基準又は工事完成基準のいずれかを選択適用することができる。", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 64, "tag": "p", "text": "(1) 工事進行基準", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 65, "tag": "p", "text": "決算期末に工事進行程度を見積り、適正な工事収益率によって工事収益の一部を当期の損益計算に計上する。", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 66, "tag": "p", "text": "(2) 工事完成基準", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 67, "tag": "p", "text": "工事が完成し、その引渡しが完了した日に工事収益を計上する。", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 68, "tag": "p", "text": "", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 69, "tag": "p", "text": "(損益計算書原則三のC)", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 70, 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品質低下、陳腐化等の原因によって生ずる評価損については、それが原価性を有しないものと認められる場合には、これを営業外費用又は特別損失として表示し、これらの評価損が原価性を有するものと認められる場合には、製造原価、売上原価の内訳科目又は販売費として表示しなければならない。", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 80, "tag": "p", "text": "", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 81, "tag": "p", "text": "(損益計算書原則三のE)", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 82, "tag": "p", "text": "内部利益とは、原則として、本店、支店、事業部等の企業内部における独立した会計単位相互間の内部取引から生ずる未実現の利益をいう。従って、会計単位内部における原材料、半製品等の振替から生ずる振替損益は内部利益ではない。", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 83, "tag": "p", "text": "内部利益の除去は、本支店等の合併損益計算書において売上高から内部売上高を控除し、仕入高(又は売上原価)から内部仕入高(又は内部売上原価)を控除するとともに、期末たな卸高から内部利益の額を控除する方法による。これらの控除に際しては、合理的な見積概算額によることも差支えない。", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 84, "tag": "p", "text": "", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 85, "tag": "p", "text": "(損益計算書原則六)", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 86, "tag": "p", "text": "特別損益に属する項目としては、次のようなものがある。", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 87, "tag": "p", "text": "(1) 臨時損益", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 88, "tag": "p", "text": "(2) 前期損益修正", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 89, "tag": "p", "text": "なお、特別損益に属する項目であっても、金額の僅少なもの又は毎期経常的に発生するものは、経常損益計算に含めることができる。", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 90, "tag": "p", "text": "", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 91, "tag": "p", "text": "(損益計算書原則八)", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 92, "tag": "p", "text": "法人税等の更正決定等による追徴税額及び還付税額は、税引前当期純利益に加減して表示する。この場合、当期の負担に属する法人税額等とは区別することを原則とするが、重要性の乏しい場合には、当期の負担に属するものに含めて表示することができる。", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 93, "tag": "p", "text": "", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 94, "tag": "p", "text": "", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 95, "tag": "p", "text": "(貸借対照表原則一のD及び四の(一)のC)", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 96, "tag": "p", "text": "「将来の期間に影響する特定の費用」とは、すでに代価の支払が完了し又は支払義務が確定し、これに対応する役務の提供を受けたにもかかわらず、その効果が将来にわたって発現するものと期待される費用をいう。", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 97, "tag": "p", "text": "これらの費用は、その効果が及ぶ数期間に合理的に配分するため、経過的に貸借対照表上繰延資産として計上することができる。", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 98, "tag": "p", "text": "なお、天災等により固定資産又は企業の営業活動に必須の手段たる資産の上に生じた損失が、その期の純利益又は当期未処分利益から当期の処分予定額を控除した金額をもって負担しえない程度に巨額であって特に法令をもって認められた場合には、これを経過的に貸借対照表の資産の部に記載して繰延経理することができる。", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 99, "tag": "p", "text": "", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 100, "tag": "p", "text": "(貸借対照表原則四の(一)及び(二))", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 101, "tag": "p", "text": "受取手形、売掛金、前払金、支払手形、買掛金、前受金等の当該企業の主目的たる営業取引により発生した債権及び債務は、流動資産又は流動負債に属するものとする。ただし、これらの債権のうち、破産債権、更正債権及びこれに準ずる債権で一年以内に回収されないことが明らかなものは、固定資産たる投資その他の資産に属するものとする。", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 102, "tag": "p", "text": "貸付金、借入金、差入保証金、受入保証金、当該企業の主目的以外の取引によって発生した未収金、未払金等の債権及び債務で、貸借対照表日の翌日から起算して一年以内に入金又は支払の期限が到来するものは、流動資産又は流動負債に属するものとし、入金又は支払の期限が一年をこえて到来するものは、投資その他の資産又は固定負債に属するものとする。", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 103, "tag": "p", "text": "現金預金は、原則として、流動資産に属するが、預金については、貸借対照表日の翌日から起算して一年以内に期限が到来するものは、流動資産に属するものとし、期限が一年をこえて到来するものは、投資その他の資産に属するものとする。", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 104, "tag": "p", "text": "所有有価証券のうち、証券市場において流通するもので、短期的資金運用のために一時的に所有するものは、流動資産に属するものとし、証券市場において流通しないもの若しくは他の企業を支配する等の目的で長期的に所有するものは、投資その他の資産に属するものとする。", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 105, "tag": "p", "text": "前払費用については、貸借対照表日の翌日から起算して一年以内に費用となるものは、流動資産に属するものとし、一年をこえる期間を経て費用となるものは、投資その他の資産に属するものとする。未収収益は流動資産に属するものとし、未払費用及び前受収益は、流動負債に属するものとする。", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 106, "tag": "p", "text": "商品、製品、半製品、原材料、仕掛品等のたな卸資産は、流動資産に属するものとし、企業がその営業目的を達成するために所有し、かつ、その加工若しくは売却を予定しない財貨は、固定資産に属するものとする。", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 107, "tag": "p", "text": "なお、固定資産のうち残存耐用年数が一年以下となったものも流動資産とせず固定資産に含ませ、たな卸資産のうち恒常在庫品として保有するもの若しくは余剰品として長期間にわたって所有するものも固定資産とせず流動資産に含ませるものとする。", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 108, "tag": "p", "text": "", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 109, "tag": "p", "text": "(貸借対照表原則四の(一)のBの五項及びDの一項)", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 110, "tag": "p", "text": "貸倒引当金又は減価償却累計額は、その債権又は有形固定資産が属する科目ごとに控除する形式で表示することを原則とするが、次の方法によることも妨げない。", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 111, "tag": "p", "text": "(1) 二以上の科目について、貸倒引当金又は減価償却累計額を一括して記載する方法", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 112, "tag": "p", "text": "(2) 債権又は有形固定資産について、貸倒引当金又は減価償却累計額を控除した残額のみを記載し、当該貸倒引当金又は減価償却累計額を注記する方法", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 113, "tag": "p", "text": "", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 114, "tag": "p", "text": "(貸借対照表原則四の(一)のDの一項、(二)のAの三項及びBの二項)", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 115, "tag": "p", "text": "将来の特定の費用又は損失であって、その発生が当期以前の事象に起因し、発生の可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積ることができる場合には、当期の負担に属する金額を当期の費用又は損失として引当金に繰入れ、当該引当金の残高を貸借対照表の負債の部又は資産の部に記載するものとする。製品保証引当金、売上割戻引当金、返品調整引当金、賞与引当金、工事補償引当金、退職給与引当金、修繕引当金、特別修繕引当金、債務保証損失引当金、損害補償損失引当金、貸倒引当金等がこれに該当する。", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 116, "tag": "p", "text": "発生の可能性の低い偶発事象に係る費用又は損失については、引当金を計上することはできない。", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 117, "tag": "p", "text": "", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 118, "tag": "p", "text": "(貸借対照表原則四の(三))", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 119, "tag": "p", "text": "会社の純資産額が法定資本の額をこえる部分を剰余金という。", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 120, "tag": "p", "text": "剰余金は、次のように資本剰余金と利益剰余金とに分れる。", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 121, "tag": "p", "text": "(1) 資本剰余金", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 122, "tag": "p", "text": "株式払込剰余金、減資差益、合併差益等", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 123, "tag": "p", "text": "なお、合併差益のうち消滅した会社の利益剰余金に相当する金額については、資本剰余金としないことができる。", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 124, "tag": "p", "text": "(2) 利益剰余金", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 125, "tag": "p", "text": "利益を源泉とする剰余金", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 126, "tag": "p", "text": "", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 127, "tag": "p", "text": "(貸借対照表原則五の二項)", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 128, "tag": "p", "text": "固定資産の減価償却の方法としては、次のようなものがある。", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 129, "tag": "p", "text": "(1) 定額法固定資産の耐用期間中、毎期均等額の減価償却費を計上する方法", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 130, "tag": "p", "text": "(2) 定率法固定資産の耐用期間中、毎期期首未償却残高に一定率を乗じた減価償却費を計上する方法", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 131, "tag": "p", "text": "(3) 級数法固定資産の耐用期間中、毎期一定の額を算術級数的に逓減した減価償却費を計上する方法", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 132, "tag": "p", "text": "(4) 生産高比例法固定資産の耐用期間中、毎期当該資産による生産又は用役の提供の度合に比例した減価償却費を計上する方法", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 133, "tag": "p", "text": "この方法は、当該固定資産の総利用可能量が物理的に確定でき、かつ、減価が主として固定資産の利用に比例して発生するもの、例えば、鉱業用設備、航空機、自動車等について適用することが認められる。", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 134, "tag": "p", "text": "なお、同種の物品が多数集まって一つの全体を構成し、老朽品の部分的取替を繰り返すことにより全体が維持されるような固定資産については、部分的取替に要する費用を収益的支出として処理する方法(取替法)を採用することができる。", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 135, "tag": "p", "text": "", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 136, "tag": "p", "text": "(貸借対照表原則五のAの一項)", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 137, "tag": "p", "text": "(事実上廃止)", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 138, "tag": "p", "text": "(貸借対照表原則五のBの一項)", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 139, "tag": "p", "text": "所有する社債については、社債金額より低い価額又は高い価額で買入れた場合には、当該価額をもって貸借対照表価額とすることができる。この場合においては、その差額に相当する金額を償還期に至るまで毎期一定の方法で逐次貸借対照表価額に加算し、又は貸借対照表価額から控除することができる。", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 140, "tag": "p", "text": "", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 141, "tag": "p", "text": "(貸借対照表原則五のC)", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 142, "tag": "p", "text": "債権については、債権金額より低い価額で取得したときその他これに類する場合には、当該価額をもって貸借対照表価額とすることができる。この場合においては、その差額に相当する金額を弁済期に至るまで毎期一定の方法で逐次貸借対照表価額に加算することができる。", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 143, "tag": "p", "text": "", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 144, "tag": "p", "text": "(貸借対照表原則五のDの一項及びF)", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 145, "tag": "p", "text": "国庫補助金、工事負担金等で取得した資産については、国庫補助金等に相当する金額をその取得原価から控除することができる。", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 146, "tag": "p", "text": "この場合においては、貸借対照表の表示は、次のいずれかの方法によるものとする。", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 147, "tag": "p", "text": "(1) 取得原価から国庫補助金等に相当する金額を控除する形式で記載する方法", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 148, "tag": "p", "text": "(2) 取得原価から国庫補助金等に相当する金額を控除した残額のみを記載し、当該国庫補助金等の金額を注記する方法", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 149, "tag": "p", "text": "", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 150, "tag": "p", "text": "(貸借対照表原則五のE)", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 151, "tag": "p", "text": "営業権は、有償で譲受け又は合併によって取得したものに限り貸借対照表に計上し、毎期均等額以上を償却しなければならない。", "title": "条文" } ]	法学＞民事法＞商法＞会計基準＞企業会計原則注解企業会計原則注解	[[法学]]＞[[民事法]]＞[[商法]]＞[[会計基準]]＞[[企業会計原則注解]] '''企業会計原則注解''' :（昭和57年4月20日　大蔵省企業会計審議会） ==解説== [[企業会計原則注解 (注1)\|注1 重要性の原則の適用について]] [[企業会計原則注解（注1-2）\|注1－2 重要な会計方針の開示について]] [[企業会計原則注解（注1-3）\|注1－3 重要な後発事象の開示について]] [[企業会計原則注解（注1-4）\|注1－4 注記事項の記載方法について]] [[企業会計原則注解（注2）\|注2 資本取引と損益取引との区別について]] [[企業会計原則注解（注3）\|注3 継続性の原則について]] [[企業会計原則注解（注4）\|注4 保守主義の原則について]] [[企業会計原則注解（注5）\|注5 経過勘定項目について]] [[企業会計原則注解（注6）\|注6 実現主義の適用について]] [[企業会計原則注解（注7）\|注7 工事収益について]] [[企業会計原則注解（注8）\|注8 製品等の製造原価について]] [[企業会計原則注解（注9）\|注9 原価差額の処理について]] [[企業会計原則注解（注10）\|注10 たな卸資産の評価損について]] [[企業会計原則注解（注11）\|注11 内部利益とその除去の方法について]] [[企業会計原則注解（注12）\|注12 特別損益項目について]] [[企業会計原則注解（注13）\|注13 法人税等の追徴税額等について]] 注14 廃止 [[企業会計原則注解（注15）\|注15 将来の期間に影響する特定の費用について]] [[企業会計原則注解（注16）\|注16 流動資産又は流動負債と固定資産又は固定負債とを区別する基準について]] [[企業会計原則注解（注17）\|注17 貸倒引当金又は減価償却累計額の控除形式について]] [[企業会計原則注解（注18）\|注18 引当金について]] [[企業会計原則注解（注19）\|注19 剰余金について]] [[企業会計原則注解（注20）\|注20 減価償却の方法について]] [[企業会計原則注解（注21）\|注21 たな卸資産の貸借対照表価額について]] [[企業会計原則注解（注22）\|注22 社債の貸借対照表価額について]] [[企業会計原則注解（注23）\|注23 債権の貸借対照表価額について]] [[企業会計原則注解（注24）\|注24 国庫補助金等によって取得した資産について]] [[企業会計原則注解（注25）\|注25 営業権について]] ==条文== ===<span id="1">注1</span> 重要性の原則の適用について=== ([[企業会計原則#正規の簿記の原則\|一般原則二]]、[[企業会計原則#明瞭性の原則\|四]]及び[[企業会計原則#一　貸借対照表の本質\|貸借対照表原則一]]) 　企業会計は、定められた会計処理の方法に従って正確な計算を行うべきものであるが、企業会計が目的とするところは、企業の財務内容を明らかにし、企業の状況に関する利害関係者の判断を誤らせないようにすることにあるから、重要性の乏しいものについては、本来の厳密な会計処理によらないで他の簡便な方法によることも正規の簿記の原則に従った処理として認められる。　重要性の原則は、財務諸表の表示に関しても適用される。　重要性の原則の適用例としては、次のようなものがある。 (1) 消耗品、消耗工具器具備品その他の貯蔵品等のうち、重要性の乏しいものについては、その買入時又は払出時に費用として処理する方法を採用することができる。 (2) 前払費用、未収収益、未払費用及び前受収益のうち、重要性の乏しいものについては、経過勘定項目として処理しないことができる。 (3) 引当金のうち、重要性の乏しいものについては、これを計上しないことができる。 (4) たな卸資産の取得原価に含められる引取費用、関税、買入事務費、移管費、保管費等の付随費用のうち、重要性の乏しいものについては、取得原価に算入しないことができる。 (5) 分割返済の定めのある長期の債権又は債務のうち、期限が一年以内に到来するもので重要性の乏しいものについては、固定資産又は固定負債として表示することができる。 ===<span id="1-2">注1-2</span> 重要な会計方針の開示について=== (一般原則四及び五) 　財務諸表には、重要な会計方針を注記しなければならない。　会計方針とは、企業が損益計算書及び貸借対照表の作成に当たって、その財政状態及び経営成績を正しく示すために採用した会計処理の原則及び手続並びに表示の方法をいう。　会計方針の例としては、次のようなものがある。 :イ　有価証券の評価基準及び評価方法 :ロ　たな卸資産の評価基準及び評価方法 :ハ　固定資産の減価償却方法 :ニ　繰延資産の処理方法 :ホ　外貨建資産・負債の本邦通貨への換算基準 :ヘ　引当金の計上基準 :ト　費用・収益の計上基準　代替的な会計基準が認められていない場合には、会計方針の注記を省略することができる。 ===<span id="1-3">注1-3</span> 重要な後発事象の開示について=== (一般原則四) 　財務諸表には、損益計算書及び貸借対照表を作成する日までに発生した重要な後発事象を注記しなければならない。　後発事象とは、貸借対照表日後に発生した事象で、次期以後の財政状態及び経営成績に影響を及ぼすものをいう。　重要な後発事象を注記事項として開示することは、当該企業の将来の財政状態及び経営成績を理解するための補足情報として有用である。　重要な後発事象の例としては、次のようなものがある。 :イ火災、出水等による重大な損害の発生 :ロ多額の増資又は減資及び多額の社債の発行又は繰上償還 :ハ会社の合併、重要な営業の譲渡又は譲受 :ニ重要な係争事件の発生又は解決 :ホ主要な取引先の倒産 ===<span id="1-4">注1-4</span> 注記事項の記載方法について=== (一般原則四) 　重要な会計方針に係る注記事項は、損益計算書及び貸借対照表の次にまとめて記載する。　なお、その他の注記事項についても、重要な会計方針の注記の次に記載することができる。 ===<span id="2">注2</span> 資本取引と損益取引との区別について=== (一般原則三) (1) 資本剰余金は、資本取引から生じた剰余金であり、利益剰余金は損益取引から生じた剰余金、すなわち利益の留保額であるから、両者が混同されると、企業の財政状態及び経営成績が適正に示されないことになる。従って、例えば、新株発行による株式払込剰余金から新株発行費用を控除することは許されない。 (2) 商法上資本準備金として認められる資本剰余金は限定されている。従って、資本剰余金のうち、資本準備金及び法律で定める準備金で資本準備金に準ずるもの以外のものを計上する場合には、その他の剰余金の区分に記載されることになる。 ===<span id="3">注3</span> 継続性の原則について=== (一般原則五) 　企業会計上継続性が問題とされるのは、一つの会計事実について二つ以上の会計処理の原則又は手続の選択適用が認められている場合である。　このような場合に、企業が選択した会計処理の原則及び手続を毎期継続して適用しないときは、同一の会計事実について異なる利益額が算出されることになり、財務諸表の期間比較を困難ならしめ、この結果、企業の財務内容に関する利害関係者の判断を誤らしめることになる。　従って、いったん採用した会計処理の原則又は手続は、正当な理由により変更を行う場合を除き、財務諸表を作成する各時期を通じて継続して適用しなければならない。　なお、正当な理由によって、会計処理の原則又は手続に重要な変更を加えたときは、これを当該財務諸表に注記しなければならない。 ===注4 保守主義の原則について=== (一般原則六) 　企業会計は、予測される将来の危険に備えて慎重な判断に基づく会計処理を行わなければならないが、過度に保守的な会計処理を行うことにより、企業の財政状態及び経営成績の真実な報告をゆがめてはならない。 ===注5 経過勘定項目について=== ([[企業会計原則#Ａ　発生主義の原則\|損益計算書原則一のＡの二項]]) (1) [[w:前払費用\|前払費用]] 　前払費用は、一定の契約に従い、継続して役務の提供を受ける場合、いまだ提供されていない役務に対し支払われた対価をいう。従って、このような役務に対する対価は、時間の経過とともに次期以降の費用となるものであるから、これを当期の損益計算から除去するとともに貸借対照表の資産の部に計上しなければならない。また、前払費用は、かかる役務提供契約以外の契約等による前払金とは区別しなければならない。 (2) [[w:前受収益\|前受収益]] 　前受収益は、一定の契約に従い、継続して役務の提供を行う場合、いまだ提供していない役務に対し支払を受けた対価をいう。従って、このような役務に対する対価は、時間の経過とともに次期以降の収益となるものであるから、これを当期の損益計算から除去するとともに貸借対照表の負債の部に計上しなければならない。また、前受収益は、かかる役務提供契約以外の契約等による前受金とは区別しなければならない。 (3) [[w:未払費用\|未払費用]]　　未払費用は、一定の契約に従い、継続して役務の提供を受ける場合、すでに提供された役務に対して、いまだその対価の支払が終らないものをいう。従って、このような役務に対する対価は、時間の経過に伴いすでに当期の費用として発生しているものであるから、これを当期の損益計算に計上するとともに貸借対照表の負債の部に計上しなければならない。また、未払費用は、かかる役務提供契約以外の契約等による未払金とは区別しなければならない。 (4) [[w:未収収益\|未収収益]] 　未収収益は、一定の契約に従い、継続して役務の提供を行う場合、すでに提供した役務に対して、いまだ、その対価の支払を受けていないものをいう。従って、このような役務に対する対価は時間の経過に伴いすでに当期の収益として発生しているものであるから、これを当期の損益計算に計上するとともに貸借対照表の資産の部に計上しなければならない。また、未収収益は、かかる役務提供契約以外の契約等による未収金とは区別しなければならない。 ===注6 実現主義の適用について=== (損益計算書原則三のＢ) 　委託販売、試用販売、予約販売、割賦販売等特殊な販売契約による売上収益の実現の基準は、次によるものとする。 (1) 委託販売　委託販売については、受託者が委託品を販売した日をもって売上収益の実現の日とする。従って、決算手続中に仕切精算書(売上計算書)が到達すること等により決算日までに販売された事実が明らかとなったものについては、これを当期の売上収益に計上しなければならない。ただし、仕切精算書が販売のつど送付されている場合には、当該仕切精算書が到達した日をもって売上収益の実現の日とみなすことができる。 (2) 試用販売　試用販売については、得意先が買取りの意思を表示することによって売上が実現するのであるから、それまでは、当期の売上高に計上してはならない。 (3) 予約販売　予約販売については、予約金受取額のうち、決算日までに商品の引渡し又は役務の給付が完了した分だけを当期の売上高に計上し、残額は貸借対照表の負債の部に記載して次期以後に繰延べなければならない。 (4) 割賦販売　割賦販売については、商品等を引渡した日をもって売上収益の実現の日とする。　しかし、割賦販売は通常の販売と異なり、その代金回収の期間が長期にわたり、かつ、分割払であることから代金回収上の危険率が高いので、貸倒引当金及び代金回収費、アフタ-・サ-ビス費等の引当金の計上について特別の配慮を要するが、その算定に当っては、不確実性と煩雑さとを伴う場合が多い。従って、収益の認識を慎重に行うため、販売基準に代えて、割賦金の回収期限の到来の日又は入金の日をもって売上収益実現の日とすることも認められる。 ===注7 工事収益について=== (損益計算書原則三のＢただし書) 　長期の請負工事に関する収益の計上については、工事進行基準又は工事完成基準のいずれかを選択適用することができる。 (1) 工事進行基準　決算期末に工事進行程度を見積り、適正な工事収益率によって工事収益の一部を当期の損益計算に計上する。 (2) 工事完成基準　工事が完成し、その引渡しが完了した日に工事収益を計上する。 ===注8 製品等の製造原価について=== (損益計算書原則三のＣ) 　製品等の製造原価は、適正な原価計算基準に従って算定しなければならない。 ===注9 原価差額の処理について=== (損益計算書原則三のＣ及び貸借対照表原則五のＡの一項) 　原価差額を売上原価に賦課した場合には、損益計算書に売上原価の内訳科目として次の形式で原価差額を記載する。 :　　　　売上原価 :　　　　　1.　期首製品たな卸高　　　××× :　　　　　2.　当期製品製造原価　　　×××　 :　　　　　　　合　　計 ××× :　　　　　3.　期末製品たな卸高　　　×××　 :　　　　　　　標準(予定)売上原価　××× :　　　　　4.　原価差額　　　　　　　××× 　×××　　原価差額をたな卸資産の科目別に配賦した場合には、これを貸借対照表上のたな卸資産の科目別に各資産の価額に含めて記載する。 ===注10 たな卸資産の評価損について=== (損益計算書原則三のＣ及び貸借対照表原則五のＡ) (1) 商品、製品、原材料等のたな卸資産に低価基準を適用する場合に生ずる評価損は、原則として、売上原価の内訳科目又は営業外費用として表示しなければならない。 (2) 時価が取得原価より著しく下落した場合(貸借対照表原則五のＡ第一項ただし書の場合)の評価損は、原則として、営業外費用又は特別損失として表示しなければならない。 (3) 品質低下、陳腐化等の原因によって生ずる評価損については、それが原価性を有しないものと認められる場合には、これを営業外費用又は特別損失として表示し、これらの評価損が原価性を有するものと認められる場合には、製造原価、売上原価の内訳科目又は販売費として表示しなければならない。 ===注11 内部利益とその除去の方法について=== (損益計算書原則三のＥ) 　内部利益とは、原則として、本店、支店、事業部等の企業内部における独立した会計単位相互間の内部取引から生ずる未実現の利益をいう。従って、会計単位内部における原材料、半製品等の振替から生ずる振替損益は内部利益ではない。　内部利益の除去は、本支店等の合併損益計算書において売上高から内部売上高を控除し、仕入高(又は売上原価)から内部仕入高(又は内部売上原価)を控除するとともに、期末たな卸高から内部利益の額を控除する方法による。これらの控除に際しては、合理的な見積概算額によることも差支えない。 ===注12 特別損益項目について=== (損益計算書原則六) 　特別損益に属する項目としては、次のようなものがある。 (1) 臨時損益 :　イ　固定資産売却損益 :　ロ　転売以外の目的で取得した有価証券の売却損益 :　ハ　災害による損失 (2) 前期損益修正 :　イ　過年度における引当金の過不足修正額 :　ロ　過年度における減価償却の過不足修正額 :　ハ　過年度におけるたな卸資産評価の訂正額 :　ニ　過年度償却済債権の取立額　なお、特別損益に属する項目であっても、金額の僅少なもの又は毎期経常的に発生するものは、経常損益計算に含めることができる。 ===注13 法人税等の追徴税額等について=== (損益計算書原則八) 　法人税等の更正決定等による追徴税額及び還付税額は、税引前当期純利益に加減して表示する。この場合、当期の負担に属する法人税額等とは区別することを原則とするが、重要性の乏しい場合には、当期の負担に属するものに含めて表示することができる。 ===注14 削除=== ===注15 将来の期間に影響する特定の費用について=== (貸借対照表原則一のＤ及び四の(一)のＣ) 　「将来の期間に影響する特定の費用」とは、すでに代価の支払が完了し又は支払義務が確定し、これに対応する役務の提供を受けたにもかかわらず、その効果が将来にわたって発現するものと期待される費用をいう。　これらの費用は、その効果が及ぶ数期間に合理的に配分するため、経過的に貸借対照表上繰延資産として計上することができる。　なお、天災等により固定資産又は企業の営業活動に必須の手段たる資産の上に生じた損失が、その期の純利益又は当期未処分利益から当期の処分予定額を控除した金額をもって負担しえない程度に巨額であって特に法令をもって認められた場合には、これを経過的に貸借対照表の資産の部に記載して繰延経理することができる。 ===注16 流動資産又は流動負債と固定資産又は固定負債とを区別する基準について=== (貸借対照表原則四の(一)及び(二)) 　受取手形、売掛金、前払金、支払手形、買掛金、前受金等の当該企業の主目的たる営業取引により発生した債権及び債務は、流動資産又は流動負債に属するものとする。ただし、これらの債権のうち、破産債権、更正債権及びこれに準ずる債権で一年以内に回収されないことが明らかなものは、固定資産たる投資その他の資産に属するものとする。　貸付金、借入金、差入保証金、受入保証金、当該企業の主目的以外の取引によって発生した未収金、未払金等の債権及び債務で、貸借対照表日の翌日から起算して一年以内に入金又は支払の期限が到来するものは、流動資産又は流動負債に属するものとし、入金又は支払の期限が一年をこえて到来するものは、投資その他の資産又は固定負債に属するものとする。　現金預金は、原則として、流動資産に属するが、預金については、貸借対照表日の翌日から起算して一年以内に期限が到来するものは、流動資産に属するものとし、期限が一年をこえて到来するものは、投資その他の資産に属するものとする。　所有有価証券のうち、証券市場において流通するもので、短期的資金運用のために一時的に所有するものは、流動資産に属するものとし、証券市場において流通しないもの若しくは他の企業を支配する等の目的で長期的に所有するものは、投資その他の資産に属するものとする。　　前払費用については、貸借対照表日の翌日から起算して一年以内に費用となるものは、流動資産に属するものとし、一年をこえる期間を経て費用となるものは、投資その他の資産に属するものとする。未収収益は流動資産に属するものとし、未払費用及び前受収益は、流動負債に属するものとする。　商品、製品、半製品、原材料、仕掛品等のたな卸資産は、流動資産に属するものとし、企業がその営業目的を達成するために所有し、かつ、その加工若しくは売却を予定しない財貨は、固定資産に属するものとする。　なお、固定資産のうち残存耐用年数が一年以下となったものも流動資産とせず固定資産に含ませ、たな卸資産のうち恒常在庫品として保有するもの若しくは余剰品として長期間にわたって所有するものも固定資産とせず流動資産に含ませるものとする。 ===注17 貸倒引当金又は減価償却累計額の控除形式について=== (貸借対照表原則四の(一)のＢの五項及びＤの一項) 　貸倒引当金又は減価償却累計額は、その債権又は有形固定資産が属する科目ごとに控除する形式で表示することを原則とするが、次の方法によることも妨げない。 (1) 二以上の科目について、貸倒引当金又は減価償却累計額を一括して記載する方法 (2) 債権又は有形固定資産について、貸倒引当金又は減価償却累計額を控除した残額のみを記載し、当該貸倒引当金又は減価償却累計額を注記する方法 ===<span id="18">注18</span> 引当金について=== (貸借対照表原則四の(一)のＤの一項、(二)のＡの三項及びＢの二項) 　将来の特定の費用又は損失であって、その発生が当期以前の事象に起因し、発生の可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積ることができる場合には、当期の負担に属する金額を当期の費用又は損失として引当金に繰入れ、当該引当金の残高を貸借対照表の負債の部又は資産の部に記載するものとする。　製品保証引当金、売上割戻引当金、返品調整引当金、賞与引当金、工事補償引当金、退職給与引当金、修繕引当金、特別修繕引当金、債務保証損失引当金、損害補償損失引当金、貸倒引当金等がこれに該当する。　発生の可能性の低い偶発事象に係る費用又は損失については、引当金を計上することはできない。 ===注19 剰余金について=== (貸借対照表原則四の(三)) 　会社の純資産額が法定資本の額をこえる部分を剰余金という。　剰余金は、次のように資本剰余金と利益剰余金とに分れる。 (1) 資本剰余金　株式払込剰余金、減資差益、合併差益等　なお、合併差益のうち消滅した会社の利益剰余金に相当する金額については、資本剰余金としないことができる。 (2) 利益剰余金　利益を源泉とする剰余金 ===注20 減価償却の方法について=== (貸借対照表原則五の二項) 　　固定資産の減価償却の方法としては、次のようなものがある。 (1) 定額法　固定資産の耐用期間中、毎期均等額の減価償却費を計上する方法 (2) 定率法　固定資産の耐用期間中、毎期期首未償却残高に一定率を乗じた減価償却費を計上する方法 (3) 級数法　固定資産の耐用期間中、毎期一定の額を算術級数的に逓減した減価償却費を計上する方法 (4) 生産高比例法　固定資産の耐用期間中、毎期当該資産による生産又は用役の提供の度合に比例した減価償却費を計上する方法　この方法は、当該固定資産の総利用可能量が物理的に確定でき、かつ、減価が主として固定資産の利用に比例して発生するもの、例えば、鉱業用設備、航空機、自動車等について適用することが認められる。　なお、同種の物品が多数集まって一つの全体を構成し、老朽品の部分的取替を繰り返すことにより全体が維持されるような固定資産については、部分的取替に要する費用を収益的支出として処理する方法(取替法)を採用することができる。 ===注21 たな卸資産の貸借対照表価額について=== (貸借対照表原則五のＡの一項) (事実上廃止) ===注22 社債の貸借対照表価額について=== (貸借対照表原則五のＢの一項) 　所有する社債については、社債金額より低い価額又は高い価額で買入れた場合には、当該価額をもって貸借対照表価額とすることができる。この場合においては、その差額に相当する金額を償還期に至るまで毎期一定の方法で逐次貸借対照表価額に加算し、又は貸借対照表価額から控除することができる。 ===注23 債権の貸借対照表価額について=== (貸借対照表原則五のＣ) 　債権については、債権金額より低い価額で取得したときその他これに類する場合には、当該価額をもって貸借対照表価額とすることができる。この場合においては、その差額に相当する金額を弁済期に至るまで毎期一定の方法で逐次貸借対照表価額に加算することができる。 ===注24 国庫補助金等によって取得した資産について=== (貸借対照表原則五のＤの一項及びＦ) 　国庫補助金、工事負担金等で取得した資産については、国庫補助金等に相当する金額をその取得原価から控除することができる。　この場合においては、貸借対照表の表示は、次のいずれかの方法によるものとする。 (1) 取得原価から国庫補助金等に相当する金額を控除する形式で記載する方法 (2) 取得原価から国庫補助金等に相当する金額を控除した残額のみを記載し、当該国庫補助金等の金額を注記する方法 ===注25 営業権について=== (貸借対照表原則五のＥ) 　営業権は、有償で譲受け又は合併によって取得したものに限り貸借対照表に計上し、毎期均等額以上を償却しなければならない。 [[カテゴリ:企業会計原則]]	null	2022-11-23T08:39:01Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E4%BC%81%E6%A5%AD%E4%BC%9A%E8%A8%88%E5%8E%9F%E5%89%87%E6%B3%A8%E8%A7%A3
7,935	原価計算制度	原価計算基準第一章原価計算の目的と原価計算の一般的基準この基準において原価計算とは、制度としての原価計算をいう。原価計算制度は財務諸表の作成、原価管理、予算統制等の異なる目的が、重点の相違はあるが相ともに達成されるべき一定の計算秩序である。かかるものとして原価計算制度は、財務会計機構のらち外において随時断片的に行なわれる原価の統計的、技術的計算ないし調査ではなくて、財務会計機構と有機的に結びつき常時継続的に行なわれる計算体系である。原価計算制度は、この意味で原価会計にほかならない。原価計算制度において計算される原価の種類およびこれと財務会計機構との結びつきは、単一ではないが、しかし原価計算制度を大別して実際原価計算制度と標準原価計算制度とに分類することができる。実際原価計算制度は、製品の実際原価を計算し、これを財務会計の主要帳簿に組み入れ、製品原価の計算と財務会計とが、実際原価をもって有機的に結合する原価計算制度である。原価管理上必要ある場合には、実際原価計算制度においても必要な原価の標準を勘定組織のわく外において設定し、これと実際との差異を分析し、報告することがある。標準原価計算制度は、製品の標準原価を計算し、これを財務会計の主要帳簿に組み入れ、製品原価の計算と財務会計とが、標準原価をもって有機的に結合する原価計算制度である。標準原価計算制度は、必要な計算段階において実際原価を計算し、これと標準との差異を分析し、報告する計算体系である。企業が、この基準にのっとって、原価計算を実施するに当たっては、上述の意味における実際原価計算制度又は標準原価計算制度のいずれかを、当該企業が原価計算を行なう目的の重点、その他企業の個々の条件に応じて適用するものとする。広い意味での原価の計算には、原価計算制度以外に、経営の基本計画および予算編成における選択的事項の決定に必要な特殊の原価たとえば差額原価、機会原価、付加原価等を、随時に統計的、技術的に調査測定することも含まれる。しかしかかる特殊原価調査は、制度としての原価計算の範囲外に属するものとして、この基準に含めない。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "原価計算基準第一章原価計算の目的と原価計算の一般的基準", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "この基準において原価計算とは、制度としての原価計算をいう。原価計算制度は財務諸表の作成、原価管理、予算統制等の異なる目的が、重点の相違はあるが相ともに達成されるべき一定の計算秩序である。かかるものとして原価計算制度は、財務会計機構のらち外において随時断片的に行なわれる原価の統計的、技術的計算ないし調査ではなくて、財務会計機構と有機的に結びつき常時継続的に行なわれる計算体系である。原価計算制度は、この意味で原価会計にほかならない。", "title": "二　原価計算制度" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "原価計算制度において計算される原価の種類およびこれと財務会計機構との結びつきは、単一ではないが、しかし原価計算制度を大別して実際原価計算制度と標準原価計算制度とに分類することができる。", "title": "二　原価計算制度" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "実際原価計算制度は、製品の実際原価を計算し、これを財務会計の主要帳簿に組み入れ、製品原価の計算と財務会計とが、実際原価をもって有機的に結合する原価計算制度である。原価管理上必要ある場合には、実際原価計算制度においても必要な原価の標準を勘定組織のわく外において設定し、これと実際との差異を分析し、報告することがある。", "title": "二　原価計算制度" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "標準原価計算制度は、製品の標準原価を計算し、これを財務会計の主要帳簿に組み入れ、製品原価の計算と財務会計とが、標準原価をもって有機的に結合する原価計算制度である。標準原価計算制度は、必要な計算段階において実際原価を計算し、これと標準との差異を分析し、報告する計算体系である。", "title": "二　原価計算制度" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "企業が、この基準にのっとって、原価計算を実施するに当たっては、上述の意味における実際原価計算制度又は標準原価計算制度のいずれかを、当該企業が原価計算を行なう目的の重点、その他企業の個々の条件に応じて適用するものとする。", "title": "二　原価計算制度" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "広い意味での原価の計算には、原価計算制度以外に、経営の基本計画および予算編成における選択的事項の決定に必要な特殊の原価たとえば差額原価、機会原価、付加原価等を、随時に統計的、技術的に調査測定することも含まれる。しかしかかる特殊原価調査は、制度としての原価計算の範囲外に属するものとして、この基準に含めない。", "title": "二　原価計算制度" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "", "title": "二　原価計算制度" } ]	原価計算基準第一章　原価計算の目的と原価計算の一般的基準	[[原価計算基準]] 第一章　原価計算の目的と原価計算の一般的基準 ==二　原価計算制度== 　この基準において原価計算とは、制度としての原価計算をいう。原価計算制度は財務諸表の作成、原価管理、予算統制等の異なる目的が、重点の相違はあるが相ともに達成されるべき一定の計算秩序である。かかるものとして原価計算制度は、財務会計機構のらち外において随時断片的に行なわれる原価の統計的、技術的計算ないし調査ではなくて、財務会計機構と有機的に結びつき常時継続的に行なわれる計算体系である。原価計算制度は、この意味で原価会計にほかならない。　原価計算制度において計算される原価の種類およびこれと財務会計機構との結びつきは、単一ではないが、しかし原価計算制度を大別して実際原価計算制度と標準原価計算制度とに分類することができる。　実際原価計算制度は、製品の実際原価を計算し、これを財務会計の主要帳簿に組み入れ、製品原価の計算と財務会計とが、実際原価をもって有機的に結合する原価計算制度である。原価管理上必要ある場合には、実際原価計算制度においても必要な原価の標準を勘定組織のわく外において設定し、これと実際との差異を分析し、報告することがある。　標準原価計算制度は、製品の標準原価を計算し、これを財務会計の主要帳簿に組み入れ、製品原価の計算と財務会計とが、標準原価をもって有機的に結合する原価計算制度である。標準原価計算制度は、必要な計算段階において実際原価を計算し、これと標準との差異を分析し、報告する計算体系である。　企業が、この基準にのっとって、原価計算を実施するに当たっては、上述の意味における実際原価計算制度又は標準原価計算制度のいずれかを、当該企業が原価計算を行なう目的の重点、その他企業の個々の条件に応じて適用するものとする。　広い意味での原価の計算には、原価計算制度以外に、経営の基本計画および予算編成における選択的事項の決定に必要な特殊の原価たとえば差額原価、機会原価、付加原価等を、随時に統計的、技術的に調査測定することも含まれる。しかしかかる特殊原価調査は、制度としての原価計算の範囲外に属するものとして、この基準に含めない。 ==解説== {{DEFAULTSORT:けんかけいさんせいと}} [[Category:原価計算基準]]	null	2013-02-18T19:07:59Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E5%8E%9F%E4%BE%A1%E8%A8%88%E7%AE%97%E5%88%B6%E5%BA%A6
7,936	原価の本質	原価計算基準第一章原価計算の目的と原価計算の一般的基準原価計算制度において、原価とは、経営における一定の給付に係わらせて把握された財貨又は用役(以下これを「財貨」という。)の消費を貨幣価値的に表わしたものである。 (一) 原価は、経済価値の消費である。経営の活動は、一定の財貨を生産し販売することを目的とし、一定の財貨を作り出すために必要な財貨すなわち経済価値を消費する過程である。原価とは、かかる経営過程における価値の消費を意味する。 (二) 原価は、経営において作り出された一定の給付に転嫁される価値であり、その給付に係わらせて把握されたものである。ここに給付とは、経営が作り出す財貨をいい、それは経営の最終給付のみでなく、中間的給付をも意味する。 (三) 原価は、経営目的に関連したものである。経営の目的は、一定の財貨を生産し販売することにあり、経営過程は、このための価値の消費と生成の過程である。原価は、かかる財貨の生産、販売に関して消費された経済価値であり、経営目的に関連しない価値の消費を含まない。財務活動は、財貨の生成および消費の過程たる経営過程以外の、資本の調達、返還、利益処分等の活動であり、したがってこれに関する費用たるいわゆる財務費用は、原則として原価を構成しない。 (四) 原価は、正常的なものである。原価は、正常な状態のもとにおける経営活動を前提として把握された価値の消費であり、異常な状態を原因とする価値の減少を含まない。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "原価計算基準第一章原価計算の目的と原価計算の一般的基準", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "原価計算制度において、原価とは、経営における一定の給付に係わらせて把握された財貨又は用役(以下これを「財貨」という。)の消費を貨幣価値的に表わしたものである。", "title": "三　原価の本質" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "(一) 原価は、経済価値の消費である。経営の活動は、一定の財貨を生産し販売することを目的とし、一定の財貨を作り出すために必要な財貨すなわち経済価値を消費する過程である。原価とは、かかる経営過程における価値の消費を意味する。", "title": "三　原価の本質" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "(二) 原価は、経営において作り出された一定の給付に転嫁される価値であり、その給付に係わらせて把握されたものである。ここに給付とは、経営が作り出す財貨をいい、それは経営の最終給付のみでなく、中間的給付をも意味する。", "title": "三　原価の本質" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "(三) 原価は、経営目的に関連したものである。経営の目的は、一定の財貨を生産し販売することにあり、経営過程は、このための価値の消費と生成の過程である。原価は、かかる財貨の生産、販売に関して消費された経済価値であり、経営目的に関連しない価値の消費を含まない。財務活動は、財貨の生成および消費の過程たる経営過程以外の、資本の調達、返還、利益処分等の活動であり、したがってこれに関する費用たるいわゆる財務費用は、原則として原価を構成しない。", "title": "三　原価の本質" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "(四) 原価は、正常的なものである。原価は、正常な状態のもとにおける経営活動を前提として把握された価値の消費であり、異常な状態を原因とする価値の減少を含まない。", "title": "三　原価の本質" } ]	原価計算基準第一章　原価計算の目的と原価計算の一般的基準	[[原価計算基準]] 第一章　原価計算の目的と原価計算の一般的基準 ==三　原価の本質== 　原価計算制度において、原価とは、経営における一定の給付に係わらせて把握された財貨又は用役（以下これを「財貨」という。）の消費を貨幣価値的に表わしたものである。 (一)　原価は、経済価値の消費である。経営の活動は、一定の財貨を生産し販売することを目的とし、一定の財貨を作り出すために必要な財貨すなわち経済価値を消費する過程である。原価とは、かかる経営過程における価値の消費を意味する。 (二)　原価は、経営において作り出された一定の給付に転嫁される価値であり、その給付に係わらせて把握されたものである。ここに給付とは、経営が作り出す財貨をいい、それは経営の最終給付のみでなく、中間的給付をも意味する。 (三)　原価は、経営目的に関連したものである。経営の目的は、一定の財貨を生産し販売することにあり、経営過程は、このための価値の消費と生成の過程である。原価は、かかる財貨の生産、販売に関して消費された経済価値であり、経営目的に関連しない価値の消費を含まない。財務活動は、財貨の生成および消費の過程たる経営過程以外の、資本の調達、返還、利益処分等の活動であり、したがってこれに関する費用たるいわゆる財務費用は、原則として原価を構成しない。 (四)　原価は、正常的なものである。原価は、正常な状態のもとにおける経営活動を前提として把握された価値の消費であり、異常な状態を原因とする価値の減少を含まない。 ==解説== {{DEFAULTSORT:けんかのほんしつ}} [[Category:原価計算基準]]	null	2013-02-18T19:08:06Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E5%8E%9F%E4%BE%A1%E3%81%AE%E6%9C%AC%E8%B3%AA
7,937	原価の諸概念	原価計算基準第一章原価計算の目的と原価計算の一般的基準原価計算制度においては、原価の本質的規定にしたがい、さらに各種の目的に規定されて、具体的には次のような諸種の原価概念が生ずる。 (一) 実際原価と標準原価原価は、その消費量および価格の算定基準を異にするにしたがって、実際原価と標準原価とに区別される。 1 実際原価とは、財貨の実際消費量をもって計算した原価をいう。ただし、その実際消費量は、経営の正常な状態を前提とするものであり、したがって、異常な状態を原因とする異常な消費量は、実際原価の計算においてもこれを実際消費量と解さないものとする。実際原価は、厳密には実際の取得価格をもって計算した原価の実際発生額であるが、原価を予定価格等をもって計算しても、消費量を実際によって計算する限り、それは実際原価の計算である。ここに予定価格とは、将来の一定期間における実際の取得価格を予想することによって定めた価格をいう。 2 標準原価とは、財貨の消費量を科学的、統計的調査に基づいて能率の尺度となるように予定し、かつ、予定価格又は正常価格をもって計算した原価をいう。この場合、能率の尺度としての標準とは、その標準が適用される期間において達成されるべき原価の目標を意味する。標準原価計算制度において用いられる標準原価は、現実的標準原価又は正常原価である。現実的標準原価とは、良好な能率のもとにおいて、その達成が期待されうる標準原価をいい、通常生ずると認められる程度の減損、仕損、遊休時間等の余裕率を含む原価であり、かつ、比較的短期における予定操業度および予定価格を前提として決定され、これら諸条件の変化に伴い、しばしば改訂される標準原価である。現実的標準原価は、原価管理に最も適するのみでなく、たな卸資産価額の算定および予算の編成のためにも用いられる。正常原価とは、経営における異常な状態を排除し、経営活動に関する比較的長期にわたる過去の実際数値を統計的に平準化し、これに将来にすう勢を加味した正常能率、正常操業度および正常価格に基づいて決定される原価をいう。正常原価は、経済状態の安定している場合に、たな卸資産価額の算定のために最も適するのみでなく、原価管理のための標準としても用いられる。標準原価として、実務上予定原価が意味される場合がある。予定原価とは、将来における財貨の予定消費量と予定価格とをもって計算した原価をいう。予定原価は、予算の編成に適するのみでなく、原価管理およびたな卸資産価額の算定のためにも用いられる。原価管理のために時として理想標準原価が用いられることがあるが、かかる標準原価は、この基準にいう制度としての標準原価ではない。理想標準原価とは、技術的に達成可能な最大操業度のもとにおいて、最高能率を表わす最低の原価をいい、財貨の消費における減損、仕損、遊休時間等に対する余裕率を許容しない理想的水準における標準原価である。 (二) 製品原価と期間原価原価は、財務諸表上収益との対応関係に基づいて、製品原価と期間原価とに区別される。製品原価とは、一定単位の製品に集計された原価をいい、期間原価とは、一定期間における発生額を、当期の収益に直接対応させて、は握した原価をいう。製品原価と期間原価との範囲の区別は相対的であるが、通常、売上品およびたな卸資産の価額を構成する全部の製造原価を製品原価とし、販売費および一般管理費は、これを期間原価とする。 (三) 全部原価と部分原価原価は、集計される原価の範囲によって、全部原価と部分原価とに区別される。全部原価とは、一定の給付に対して生ずる全部の製造原価又はこれに販売費および一般管理費を加えて集計したものをいい、部分原価とは、そのうち一部分のみを集計したものをいう。部分原価は、計算目的によって各種のものを計算することができるが、最も重要な部分原価は、変動直接費および変動間接費のみを集計した直接原価(変動原価)である。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "原価計算基準第一章原価計算の目的と原価計算の一般的基準", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "原価計算制度においては、原価の本質的規定にしたがい、さらに各種の目的に規定されて、具体的には次のような諸種の原価概念が生ずる。", "title": "四　原価の諸概念" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "(一) 実際原価と標準原価", "title": "四　原価の諸概念" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "原価は、その消費量および価格の算定基準を異にするにしたがって、実際原価と標準原価とに区別される。", "title": "四　原価の諸概念" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "1 実際原価とは、財貨の実際消費量をもって計算した原価をいう。ただし、その実際消費量は、経営の正常な状態を前提とするものであり、したがって、異常な状態を原因とする異常な消費量は、実際原価の計算においてもこれを実際消費量と解さないものとする。", 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(一)　実際原価と標準原価　原価は、その消費量および価格の算定基準を異にするにしたがって、実際原価と標準原価とに区別される。１　実際原価とは、財貨の実際消費量をもって計算した原価をいう。ただし、その実際消費量は、経営の正常な状態を前提とするものであり、したがって、異常な状態を原因とする異常な消費量は、実際原価の計算においてもこれを実際消費量と解さないものとする。　実際原価は、厳密には実際の取得価格をもって計算した原価の実際発生額であるが、原価を予定価格等をもって計算しても、消費量を実際によって計算する限り、それは実際原価の計算である。ここに予定価格とは、将来の一定期間における実際の取得価格を予想することによって定めた価格をいう。２　標準原価とは、財貨の消費量を科学的、統計的調査に基づいて能率の尺度となるように予定し、かつ、予定価格又は正常価格をもって計算した原価をいう。この場合、能率の尺度としての標準とは、その標準が適用される期間において達成されるべき原価の目標を意味する。　標準原価計算制度において用いられる標準原価は、現実的標準原価又は正常原価である。　現実的標準原価とは、良好な能率のもとにおいて、その達成が期待されうる標準原価をいい、通常生ずると認められる程度の減損、仕損、遊休時間等の余裕率を含む原価であり、かつ、比較的短期における予定操業度および予定価格を前提として決定され、これら諸条件の変化に伴い、しばしば改訂される標準原価である。現実的標準原価は、原価管理に最も適するのみでなく、たな卸資産価額の算定および予算の編成のためにも用いられる。　正常原価とは、経営における異常な状態を排除し、経営活動に関する比較的長期にわたる過去の実際数値を統計的に平準化し、これに将来にすう勢を加味した正常能率、正常操業度および正常価格に基づいて決定される原価をいう。正常原価は、経済状態の安定している場合に、たな卸資産価額の算定のために最も適するのみでなく、原価管理のための標準としても用いられる。　標準原価として、実務上予定原価が意味される場合がある。予定原価とは、将来における財貨の予定消費量と予定価格とをもって計算した原価をいう。予定原価は、予算の編成に適するのみでなく、原価管理およびたな卸資産価額の算定のためにも用いられる。　原価管理のために時として理想標準原価が用いられることがあるが、かかる標準原価は、この基準にいう制度としての標準原価ではない。理想標準原価とは、技術的に達成可能な最大操業度のもとにおいて、最高能率を表わす最低の原価をいい、財貨の消費における減損、仕損、遊休時間等に対する余裕率を許容しない理想的水準における標準原価である。 (二)　製品原価と期間原価　原価は、財務諸表上収益との対応関係に基づいて、製品原価と期間原価とに区別される。　製品原価とは、一定単位の製品に集計された原価をいい、期間原価とは、一定期間における発生額を、当期の収益に直接対応させて、は握した原価をいう。　製品原価と期間原価との範囲の区別は相対的であるが、通常、売上品およびたな卸資産の価額を構成する全部の製造原価を製品原価とし、販売費および一般管理費は、これを期間原価とする。 (三)　全部原価と部分原価　原価は、集計される原価の範囲によって、全部原価と部分原価とに区別される。全部原価とは、一定の給付に対して生ずる全部の製造原価又はこれに販売費および一般管理費を加えて集計したものをいい、部分原価とは、そのうち一部分のみを集計したものをいう。　部分原価は、計算目的によって各種のものを計算することができるが、最も重要な部分原価は、変動直接費および変動間接費のみを集計した直接原価（変動原価）である。 ==解説== {{DEFAULTSORT:けんかのしよかいねん}} [[Category:原価計算基準]]	null	2013-02-18T19:08:44Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E5%8E%9F%E4%BE%A1%E3%81%AE%E8%AB%B8%E6%A6%82%E5%BF%B5
7,938	非原価項目	原価計算基準第一章原価計算の目的と原価計算の一般的基準原価計算制度においては、原価の本質的規定にしたがい、さらに各種の目的に規定されて、具体的には次のような諸種の原価概念が生ずる。非原価項目とは、原価計算制度において、原価に算入しない項目をいい、おおむね次のような項目である。 (一) 経営目的に関連しない価値の減少、たとえば 1 次の資産に関する減価償却費、管理費、租税等の費用 (1) 投資資産たる不動産、有価証券、貸付金等 (2) 未稼働の固定資産 (3) 長期にわたり休止している設備 (4) その他経営目的に関連しない資産 2 寄付金等であって経営目的に関連しない支出 3 支払利息、割引料、社債発行割引料償却、社債発行費償却、株式発行費償却、設立費償却、開業費償却、支払保険料等の財務費用 (二) 異常な状態を原因とする価値の減少、たとえば 1 異常な仕損、減損、たな卸減耗等 2 火災、震災、風水害、盗難、争議等の偶発的事故による損失 3 予期し得ない陳腐化等によって固定資産に著しい減価を生じた場合の臨時償却費 4 延滞償金、違約金、罰課金、損害賠償金 5 偶発債務損失 6 訴訟費 7 臨時多額の退職手当 8 固定資産売却損および除却損 9 異常な貸倒損失 (三) 税法上とくに認められている損失算入項目、たとえば 1 価格変動準備金繰入額 2 租税特別措置法による償却額のうち通常の償却範囲額をこえる額 (四) その他の利益剰余金に課する項目、たとえば 1 法人税、所得税、都道府県民税、市町村民税 2 配当金 3 役員賞与金 4 任意積立金繰入額 5 建設利息償却	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "原価計算基準第一章原価計算の目的と原価計算の一般的基準", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "原価計算制度においては、原価の本質的規定にしたがい、さらに各種の目的に規定されて、具体的には次のような諸種の原価概念が生ずる。非原価項目とは、原価計算制度において、原価に算入しない項目をいい、おおむね次のような項目である。", "title": "五　非原価項目" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "(一) 経営目的に関連しない価値の減少、たとえば", "title": "五　非原価項目" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "1 次の資産に関する減価償却費、管理費、租税等の費用", "title": "五　非原価項目" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "(1) 投資資産たる不動産、有価証券、貸付金等", "title": "五　非原価項目" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "(2) 未稼働の固定資産", "title": "五　非原価項目" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "(3) 長期にわたり休止している設備", "title": "五　非原価項目" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "(4) その他経営目的に関連しない資産", "title": "五　非原価項目" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "2 寄付金等であって経営目的に関連しない支出", "title": "五　非原価項目" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "3 支払利息、割引料、社債発行割引料償却、社債発行費償却、株式発行費償却、設立費償却、開業費償却、支払保険料等の財務費用", "title": "五　非原価項目" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "(二) 異常な状態を原因とする価値の減少、たとえば", "title": "五　非原価項目" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "1 異常な仕損、減損、たな卸減耗等", "title": "五　非原価項目" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "2 火災、震災、風水害、盗難、争議等の偶発的事故による損失", "title": "五　非原価項目" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "3 予期し得ない陳腐化等によって固定資産に著しい減価を生じた場合の臨時償却費", "title": "五　非原価項目" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "4 延滞償金、違約金、罰課金、損害賠償金", "title": "五　非原価項目" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "5 偶発債務損失", "title": "五　非原価項目" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "6 訴訟費", "title": "五　非原価項目" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "7 臨時多額の退職手当", "title": "五　非原価項目" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "8 固定資産売却損および除却損", "title": "五　非原価項目" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "9 異常な貸倒損失", "title": "五　非原価項目" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "(三) 税法上とくに認められている損失算入項目、たとえば", "title": "五　非原価項目" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "1 価格変動準備金繰入額", "title": "五　非原価項目" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "2 租税特別措置法による償却額のうち通常の償却範囲額をこえる額", "title": "五　非原価項目" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "(四) その他の利益剰余金に課する項目、たとえば", "title": "五　非原価項目" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "1 法人税、所得税、都道府県民税、市町村民税", "title": "五　非原価項目" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "2 配当金", "title": "五　非原価項目" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "3 役員賞与金", "title": "五　非原価項目" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "4 任意積立金繰入額", "title": "五　非原価項目" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "5 建設利息償却", "title": "五　非原価項目" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "", "title": "五　非原価項目" } ]	原価計算基準第一章　原価計算の目的と原価計算の一般的基準	[[原価計算基準]] 第一章　原価計算の目的と原価計算の一般的基準 ==五　非原価項目== 　原価計算制度においては、原価の本質的規定にしたがい、さらに各種の目的に規定されて、具体的には次のような諸種の原価概念が生ずる。非原価項目とは、原価計算制度において、原価に算入しない項目をいい、おおむね次のような項目である。 (一)　経営目的に関連しない価値の減少、たとえば　１　次の資産に関する減価償却費、管理費、租税等の費用　　(１)　投資資産たる不動産、有価証券、貸付金等　　(２)　未稼働の固定資産　　(３)　長期にわたり休止している設備　　(４)　その他経営目的に関連しない資産　２　寄付金等であって経営目的に関連しない支出　３　支払利息、割引料、社債発行割引料償却、社債発行費償却、株式発行費償却、設立費償却、開業費償却、支払保険料等の財務費用 (二)　異常な状態を原因とする価値の減少、たとえば　１　異常な仕損、減損、たな卸減耗等　２　火災、震災、風水害、盗難、争議等の偶発的事故による損失　３　予期し得ない陳腐化等によって固定資産に著しい減価を生じた場合の臨時償却費　４　延滞償金、違約金、罰課金、損害賠償金　５　偶発債務損失　６　訴訟費　７　臨時多額の退職手当　８　固定資産売却損および除却損　９　異常な貸倒損失 (三)　税法上とくに認められている損失算入項目、たとえば　１　価格変動準備金繰入額　２　租税特別措置法による償却額のうち通常の償却範囲額をこえる額 (四)　その他の利益剰余金に課する項目、たとえば　１　法人税、所得税、都道府県民税、市町村民税　２　配当金　３　役員賞与金　４　任意積立金繰入額　５　建設利息償却 ==解説== {{DEFAULTSORT:ひけんかこうもく}} [[Category:原価計算基準]]	null	2013-02-18T19:08:53Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E9%9D%9E%E5%8E%9F%E4%BE%A1%E9%A0%85%E7%9B%AE
7,939	原価計算の一般的基準	原価計算基準第一章原価計算の目的と原価計算の一般的基準原価計算制度においては、次の一般的基準にしたがって原価を計算する。 (一) 財務諸表の作成に役立つために、 1 原価計算は原価を一定の給付にかかわらせて集計し、製品原価および期間原価を計算する。すなわち、原価計算は原則として (1) すべての製造原価要素を製品に集計し、損益計算書上の売上品の製造原価を売上高に対応させ、貸借対照表上仕掛品、半製品、製品等の製造原価をたな卸資産として計上することを可能にさせ、 (2) また、販売費および一般管理費を計算し、これを損益計算書上期間原価として当該期間の売上高に対応させる。 2 原価の数値は、財務会計の原始記録、信頼しうる統計資料等によって、その信ぴょう性が確保されるものでなければならない。このため原価計算は、原則として実際原価を計算する。この場合実際原価を計算することは、必ずしも原価を取得価格をもって計算することを意味しないで、予定価格等をもって計算することもできる。また必要ある場合には、製品原価を標準原価をもって計算し、これを財務諸表に提供することもできる。 3 原価計算において、原価を予定価格等又は標準原価をもって計算する場合には、これと原価の実際発生額との差異は、これを財務会計上適正に処理しなければならない。 4 原価計算は、財務会計機構と有機的に結合して行なわれるものとする。このために勘定組織には、原価に関する細分記録を統括する諸勘定を設ける。 (二) 原価管理に役立つために、 5 原価計算は、経営における管理の権限と責任の委譲を前提とし、作業区分等に基づく部門を管理責任の区分とし、各部門における作業の原価を計算し、各管理区分における原価発生の責任を明らかにさせる。 6 原価計算は、原価要素を、機能別に、また直接費と間接費、固定費と変動費、管理可能費と管理不能費の区分に基づいて分類し、計算する。 7 原価計算は、原価の標準の設定、指示から原価の報告に至るまでのすべての計算過程を通じて、原価の物量を測定表示することに重点をおく。 8 原価の標準は、原価発生の責任を明らかにし、原価能率を判定する尺度として、これを設定する。原価の標準は、過去の実際原価をもってすることができるが、理想的には、標準原価として設定する。 9 原価計算は、原価の実績を、標準と対照比較しうるように計算記録する。 10 原価の標準と実績との差異は、これを分析し、報告する。 11 原価計算は、原価管理の必要性に応じて、重点的、経済的に、かつ、迅速にこれを行なう。 (三) 予算とくに費用予算の編成ならびに予算統制に役立つために、 12 原価計算は、予算期間において期待されうる条件に基づく予定原価又は標準原価を計算し、予算とくに、費用予算の編成に資料を提供するとともに、予算と対照比較しうるように原価の実績を計算し、もって予算統制に資料を提供する。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "原価計算基準第一章原価計算の目的と原価計算の一般的基準", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "原価計算制度においては、次の一般的基準にしたがって原価を計算する。", "title": "六　原価計算の一般的基準" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "(一) 財務諸表の作成に役立つために、", "title": "六　原価計算の一般的基準" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "1 原価計算は原価を一定の給付にかかわらせて集計し、製品原価および期間原価を計算する。すなわち、原価計算は原則として", "title": "六　原価計算の一般的基準" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "(1) すべての製造原価要素を製品に集計し、損益計算書上の売上品の製造原価を売上高に対応させ、貸借対照表上仕掛品、半製品、製品等の製造原価をたな卸資産として計上することを可能にさせ、", "title": "六　原価計算の一般的基準" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "(2) また、販売費および一般管理費を計算し、これを損益計算書上期間原価として当該期間の売上高に対応させる。", "title": "六　原価計算の一般的基準" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "2 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原価計算は、原価の標準の設定、指示から原価の報告に至るまでのすべての計算過程を通じて、原価の物量を測定表示することに重点をおく。", "title": "六　原価計算の一般的基準" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "8 原価の標準は、原価発生の責任を明らかにし、原価能率を判定する尺度として、これを設定する。原価の標準は、過去の実際原価をもってすることができるが、理想的には、標準原価として設定する。", "title": "六　原価計算の一般的基準" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "9 原価計算は、原価の実績を、標準と対照比較しうるように計算記録する。", "title": "六　原価計算の一般的基準" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "10 原価の標準と実績との差異は、これを分析し、報告する。", "title": "六　原価計算の一般的基準" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "11 原価計算は、原価管理の必要性に応じて、重点的、経済的に、かつ、迅速にこれを行なう。", "title": "六　原価計算の一般的基準" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "(三) 予算とくに費用予算の編成ならびに予算統制に役立つために、", "title": "六　原価計算の一般的基準" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "12 原価計算は、予算期間において期待されうる条件に基づく予定原価又は標準原価を計算し、予算とくに、費用予算の編成に資料を提供するとともに、予算と対照比較しうるように原価の実績を計算し、もって予算統制に資料を提供する。", "title": "六　原価計算の一般的基準" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "", "title": "六　原価計算の一般的基準" } ]	原価計算基準第一章　原価計算の目的と原価計算の一般的基準	[[原価計算基準]] 第一章　原価計算の目的と原価計算の一般的基準 ==六　原価計算の一般的基準== 　原価計算制度においては、次の一般的基準にしたがって原価を計算する。 (一)　財務諸表の作成に役立つために、　１　原価計算は原価を一定の給付にかかわらせて集計し、製品原価および期間原価を計算する。すなわち、原価計算は原則として　　(１)　すべての製造原価要素を製品に集計し、損益計算書上の売上品の製造原価を売上高に対応させ、貸借対照表上仕掛品、半製品、製品等の製造原価をたな卸資産として計上することを可能にさせ、　　(２)　また、販売費および一般管理費を計算し、これを損益計算書上期間原価として当該期間の売上高に対応させる。　２　原価の数値は、財務会計の原始記録、信頼しうる統計資料等によって、その信ぴょう性が確保されるものでなければならない。このため原価計算は、原則として実際原価を計算する。この場合実際原価を計算することは、必ずしも原価を取得価格をもって計算することを意味しないで、予定価格等をもって計算することもできる。また必要ある場合には、製品原価を標準原価をもって計算し、これを財務諸表に提供することもできる。　３　原価計算において、原価を予定価格等又は標準原価をもって計算する場合には、これと原価の実際発生額との差異は、これを財務会計上適正に処理しなければならない。　４　原価計算は、財務会計機構と有機的に結合して行なわれるものとする。このために勘定組織には、原価に関する細分記録を統括する諸勘定を設ける。 (二)　原価管理に役立つために、　５　原価計算は、経営における管理の権限と責任の委譲を前提とし、作業区分等に基づく部門を管理責任の区分とし、各部門における作業の原価を計算し、各管理区分における原価発生の責任を明らかにさせる。　６　原価計算は、原価要素を、機能別に、また直接費と間接費、固定費と変動費、管理可能費と管理不能費の区分に基づいて分類し、計算する。　７　原価計算は、原価の標準の設定、指示から原価の報告に至るまでのすべての計算過程を通じて、原価の物量を測定表示することに重点をおく。　８　原価の標準は、原価発生の責任を明らかにし、原価能率を判定する尺度として、これを設定する。原価の標準は、過去の実際原価をもってすることができるが、理想的には、標準原価として設定する。　９　原価計算は、原価の実績を、標準と対照比較しうるように計算記録する。　10　原価の標準と実績との差異は、これを分析し、報告する。　11　原価計算は、原価管理の必要性に応じて、重点的、経済的に、かつ、迅速にこれを行なう。 (三)　予算とくに費用予算の編成ならびに予算統制に役立つために、　12　原価計算は、予算期間において期待されうる条件に基づく予定原価又は標準原価を計算し、予算とくに、費用予算の編成に資料を提供するとともに、予算と対照比較しうるように原価の実績を計算し、もって予算統制に資料を提供する。 ==解説== {{DEFAULTSORT:けんかけいさんのいつはんてききしゆん}} [[Category:原価計算基準]]	null	2013-02-18T19:09:06Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E5%8E%9F%E4%BE%A1%E8%A8%88%E7%AE%97%E3%81%AE%E4%B8%80%E8%88%AC%E7%9A%84%E5%9F%BA%E6%BA%96
7,942	会社計算規則第74条	法学>民事法>商法>会社法(コンメンタール会社法)>会社計算規則 (資産の部の区分)	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "法学>民事法>商法>会社法(コンメンタール会社法)>会社計算規則", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "(資産の部の区分)", "title": "条文" } ]	法学＞民事法＞商法＞会社法（コンメンタール会社法）＞会社計算規則	[[法学]]＞[[民事法]]＞[[商法]]＞[[会社法]]（[[コンメンタール会社法]]）＞[[会社計算規則]] ==条文== （資産の部の区分） ;第74条 #資産の部は、次に掲げる項目に区分しなければならない。この場合において、各項目（第2号に掲げる項目を除く。）は、適当な項目に細分しなければならない。 #:一　流動資産 #:二　固定資産 #:三　繰延資産 #固定資産に係る項目は、次に掲げる項目に区分しなければならない。この場合において、各項目は、適当な項目に細分しなければならない。 #:一　有形固定資産 #:二　無形固定資産 #:三　投資その他の資産 #次の各号に掲げる資産は、当該各号に定めるものに属するものとする。 #:一　次に掲げる資産　流動資産 #::イ　現金及び預金（1年内に期限の到来しない預金を除く。） #::ロ　受取手形（通常の取引（当該会社の事業目的のための営業活動において、経常的に又は短期間に循環して発生する取引をいう。以下この章において同じ。）に基づいて発生した手形債権（破産更生債権等（破産債権、再生債権、更生債権その他これらに準ずる債権をいう。以下この号において同じ。）で一年内に弁済を受けることができないことが明らかなものを除く。）をいう。） #::ハ　売掛金（通常の取引に基づいて発生した事業上の未収金（当該未収金に係る債権が破産更生債権等で1年内に弁済を受けることができないことが明らかなものである場合における当該未収金を除く。）をいう。） #::ニ　所有権移転ファイナンス・リース取引におけるリース債権のうち、通常の取引に基づいて発生したもの（破産更生債権等で1年内に回収されないことが明らかなものを除く。）及び通常の取引以外の取引に基づいて発生したもので一年内に期限が到来するもの #::ホ　所有権移転外ファイナンス・リース取引におけるリース投資資産のうち、通常の取引に基づいて発生したもの（破産更生債権等で1年内に回収されないことが明らかなものを除く。）及び通常の取引以外の取引に基づいて発生したもので一年内に期限が到来するもの #::ヘ　売買目的有価証券及び1年内に満期の到来する有価証券 #::ト　商品（販売の目的をもって所有する土地、建物その他の不動産を含む。） #::チ　製品、副産物及び作業くず #::リ　半製品（自製部分品を含む。） #::ヌ　原料及び材料（購入部分品を含む。） #::ル　仕掛品及び半成工事 #::ヲ　消耗品、消耗工具、器具及び備品その他の貯蔵品であって、相当な価額以上のもの #::ワ　前渡金（商品及び原材料（これらに準ずるものを含む。）の購入のための前渡金（当該前渡金に係る債権が破産更生債権等で1年内に弁済を受けることができないことが明らかなものである場合における当該前渡金を除く。）をいう。） #::カ　前払費用であって、1年内に費用となるべきもの #::ヨ　未収収益 #::タ　次に掲げる繰延税金資産 #:::(1)　流動資産に属する資産又は流動負債に属する負債に関連する繰延税金資産 #:::(2)　特定の資産又は負債に関連しない繰延税金資産であって、1年内に取り崩されると認められるもの #::レ　その他の資産であって、1年内に現金化することができると認められるもの #:二　次に掲げる資産（ただし、イからチまでに掲げる資産については、事業の用に供するものに限る。）　有形固定資産 #::イ　建物及び暖房、照明、通風等の付属設備 #::ロ　構築物（ドック、橋、岸壁、さん橋、軌道、貯水池、坑道、煙突その他土地に定着する土木設備又は工作物をいう。） #::ハ　機械及び装置並びにホイスト、コンベヤー、起重機等の搬送設備その他の付属設備 #::ニ　船舶及び水上運搬具 #::ホ　鉄道車両、自動車その他の陸上運搬具 #::ヘ　工具、器具及び備品（耐用年数が一年以上のものに限る。） #::ト　土地 #::チ　リース資産（当該会社がファイナンス・リース取引におけるリース物件の借主である資産であって、当該リース物件がイからトまで及びヌに掲げるものである場合に限る。） #::リ　建設仮勘定（イからトまでに掲げる資産で事業の用に供するものを建設した場合における支出及び当該建設の目的のために充当した材料をいう。） #::ヌ　その他の有形資産であって、有形固定資産に属する資産とすべきもの #:三　次に掲げる資産　無形固定資産 #::イ　特許権 #::ロ　借地権（地上権を含む。） #::ハ　商標権 #::ニ　実用新案権 #::ホ　意匠権 #::ヘ　鉱業権 #::ト　漁業権（入漁権を含む。） #::チ　ソフトウエア #::リ　のれん #::ヌ　リース資産（当該会社がファイナンス・リース取引におけるリース物件の借主である資産であって、当該リース物件がイからチまで及びルに掲げるものである場合に限る。） #::ル　その他の無形資産であって、無形固定資産に属する資産とすべきもの #:四　次に掲げる資産　投資その他の資産 #::イ　関係会社の株式（売買目的有価証券に該当する株式を除く。以下同じ。）その他流動資産に属しない有価証券 #::ロ　出資金 #::ハ　長期貸付金 #::ニ　次に掲げる繰延税金資産 #:::(1)　有形固定資産、無形固定資産若しくは投資その他の資産に属する資産又は固定負債に属する負債に関連する繰延税金資産 #:::(2)　特定の資産又は負債に関連しない繰延税金資産であって、1年内に取り崩されると認められないもの #::ホ　所有権移転ファイナンス・リース取引におけるリース債権のうち第1号ニに掲げるもの以外のもの #::ヘ　所有権移転外ファイナンス・リース取引におけるリース投資資産のうち第1号ホに掲げるもの以外のもの #::ト　その他の資産であって、投資その他の資産に属する資産とすべきもの #::チ　その他の資産であって、流動資産、有形固定資産、無形固定資産又は繰延資産に属しないもの #:五　繰延資産として計上することが適当であると認められるもの　繰延資産 #前項に規定する「1年内」とは、次の各号に掲げる貸借対照表等の区分に応じ、当該各号に定める日から起算して1年以内の日をいう（以下この編において同じ。）。 #:一　成立の日における貸借対照表　会社の成立の日 #:二　事業年度に係る貸借対照表　事業年度の末日の翌日 #:三　臨時計算書類の貸借対照表　臨時決算日の翌日 #:四　連結貸借対照表　連結会計年度の末日の翌日 ==解説== ==関連条文== ---- {{前後\|[[会社計算規則]]\|[[会社計算規則#3\|第3編計算関係書類]]<br>[[会社計算規則#3-2\|第2章貸借対照表等]]\|[[会社計算規則第73条]]<br>（貸借対照表等の区分）\|[[会社計算規則第75条]]<br>（負債の部の区分）}} {{stub}} [[category:会社計算規則\|074]]	null	2009-12-20T13:48:42Z	[ "テンプレート:前後", "テンプレート:Stub" ]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E8%A8%88%E7%AE%97%E8%A6%8F%E5%89%87%E7%AC%AC74%E6%9D%A1
7,949	実際原価の計算手続	原価計算基準第二章実際原価の計算実際原価の計算においては、製造原価は、原則として、その実際発生額を、まず費目別に計算し、次いで原価部門別に計算し、最後に製品別に集計する。販売費および一般管理費は、原則として、一定期間における実際発生額を、費目別に計算する。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "原価計算基準第二章実際原価の計算", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "実際原価の計算においては、製造原価は、原則として、その実際発生額を、まず費目別に計算し、次いで原価部門別に計算し、最後に製品別に集計する。販売費および一般管理費は、原則として、一定期間における実際発生額を、費目別に計算する。", "title": "七　実際原価の計算手続" } ]	原価計算基準第二章　実際原価の計算	[[原価計算基準]] 第二章　実際原価の計算 ==七　実際原価の計算手続== 　実際原価の計算においては、製造原価は、原則として、その実際発生額を、まず費目別に計算し、次いで原価部門別に計算し、最後に製品別に集計する。販売費および一般管理費は、原則として、一定期間における実際発生額を、費目別に計算する。 ==解説== {{DEFAULTSORT:しつさいけんかのけいさんてつつき}} [[Category:原価計算基準]]	null	2013-02-18T19:09:32Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E5%AE%9F%E9%9A%9B%E5%8E%9F%E4%BE%A1%E3%81%AE%E8%A8%88%E7%AE%97%E6%89%8B%E7%B6%9A
7,951	製造原価要素の分類基準	原価計算基準第二章実際原価の計算第一節製造原価要素の分類基準原価要素は、製造原価要素と販売費および一般管理費の要素に分類する。製造原価要素を分類する基準は次のようである。 (一) 形態別分類形態別分類とは、財務会計における費用の発生を基礎とする分類、すなわち原価発生の形態による分類であり、原価要素は、この分類基準によってこれを材料費、労務費および経費に属する各費目に分類する。材料費とは、物品の消費によって生ずる原価をいい、おおむね次のように細分する。 1 素材費(又は原料費) 2 買入部品費 3 燃料費 4 工場消耗品費 5 消耗工具器具備品費労務費とは、労務用役の消費によって生ずる原価をいい、おおむね次のように細分する。 1 賃金(基本給のほか割増賃金を含む。) 2 給料 3 雑給 4 従業員賞与手当 5 退職給与引当金繰入額 6 福利費(健康保険料負担金等) 経費とは、材料費、労務費以外の原価要素をいい、減価償却費、たな卸減耗費および福利施設負担額、賃借料、修繕料、電力料、旅費交通費等の諸支払経費に細分する。原価要素の形態別分類は、財務会計における費用の発生を基礎とする分類であるから、原価計算は、財務会計から原価に関するこの形態別分類による基礎資料を受け取り、これに基づいて原価を計算する。この意味でこの分類は、原価に関する基礎的分類であり、原価計算と財務会計との関連上重要である。 (二) 機能別分類機能別分類とは、原価が経営上のいかなる機能のために発生したかによる分類であり、原価要素は、この分類基準によってこれを機能別に分類する。この分類基準によれば、たとえば、材料費は、主要材料費、および修繕材料費、試験研究材料費等の補助材料費、ならびに工場消耗品費等に、賃金は、作業種類別直接賃金、間接作業賃金、手待賃金等に、経費は、各部門の機能別経費に分類する。 (三) 製品との関連における分類製品との関連における分類とは、製品に対する原価発生の態様、すなわち原価の発生が一定単位の製品の生成に関して直接的に認識されるかどうかの性質上の区別による分類であり、原価要素は、この分類基準によってこれを直接費と間接費とに分類する。 1 直接費は、これを直接材料費、直接労務費および直接経費に分類し、さらに適当に細分する。 2 間接費は、これを間接材料費、間接労務費および間接経費に分類し、さらに適当に細分する。必要ある場合には、直接労務費と製造間接費とを合わせ、又は直接材料費以外の原価要素を総括して、これを加工費として分類することができる。 (四) 操業度との関連における分類操業度との関連における分類とは、操業度の増減に対する原価発生の態様による分類であり、原価要素は、この分類基準によってこれを固定費と変動費とに分類する。ここに操業度とは、生産設備を一定とした場合におけるその利用度をいう。固定費とは、操業度の増減にかかわらず変化しない原価要素をいい、変動費とは、操業度の増減に応じて比例的に増減する原価要素をいう。ある範囲内の操業度の変化では固定的であり、これをこえると急増し、再び固定化する原価要素たとえば監督者給料等、又は操業度が零の場合にも一定額が発生し、同時に操業度の増加に応じて比例的に増加する原価要素たとえば電力料等は、これを準固定費又は準変動費となづける。準固定費又は準変動費は、固定費又は変動費とみなして、これをそのいずれかに帰属させるか、もしくは固定費と変動費とが合成されたものであると解し、これを固定費の部分と変動費の部分とに分類する。 (五) 原価の管理可能性に基づく分類原価の管理可能性に基づく分類とは、原価の発生が一定の管理者層によって管理しうるかどうかの分類であり、原価要素は、この分類基準によってこれを管理可能費と管理不能費とに分類する。下級管理者層にとって管理不能費であるものも、上級管理者層にとっては管理可能費となることがある。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "原価計算基準第二章実際原価の計算第一節製造原価要素の分類基準", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "原価要素は、製造原価要素と販売費および一般管理費の要素に分類する。", "title": "八　製造原価要素の分類基準" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "製造原価要素を分類する基準は次のようである。", "title": "八　製造原価要素の分類基準" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "(一) 形態別分類形態別分類とは、財務会計における費用の発生を基礎とする分類、すなわち原価発生の形態による分類であり、原価要素は、この分類基準によってこれを材料費、労務費および経費に属する各費目に分類する。", "title": "八　製造原価要素の分類基準" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "材料費とは、物品の消費によって生ずる原価をいい、おおむね次のように細分する。", "title": "八　製造原価要素の分類基準" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "1 素材費(又は原料費)", "title": "八　製造原価要素の分類基準" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "2 買入部品費", "title": "八　製造原価要素の分類基準" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "3 燃料費", "title": "八　製造原価要素の分類基準" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "4 工場消耗品費", "title": "八　製造原価要素の分類基準" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "5 消耗工具器具備品費", "title": "八　製造原価要素の分類基準" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "労務費とは、労務用役の消費によって生ずる原価をいい、おおむね次のように細分する。", "title": "八　製造原価要素の分類基準" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "1 賃金(基本給のほか割増賃金を含む。)", "title": "八　製造原価要素の分類基準" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "2 給料", "title": "八　製造原価要素の分類基準" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "3 雑給", "title": "八　製造原価要素の分類基準" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "4 従業員賞与手当", "title": "八　製造原価要素の分類基準" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "5 退職給与引当金繰入額", "title": "八　製造原価要素の分類基準" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "6 福利費(健康保険料負担金等)", "title": "八　製造原価要素の分類基準" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "経費とは、材料費、労務費以外の原価要素をいい、減価償却費、たな卸減耗費および福利施設負担額、賃借料、修繕料、電力料、旅費交通費等の諸支払経費に細分する。", "title": "八　製造原価要素の分類基準" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "原価要素の形態別分類は、財務会計における費用の発生を基礎とする分類であるから、原価計算は、財務会計から原価に関するこの形態別分類による基礎資料を受け取り、これに基づいて原価を計算する。この意味でこの分類は、原価に関する基礎的分類であり、原価計算と財務会計との関連上重要である。", "title": "八　製造原価要素の分類基準" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "(二) 機能別分類", "title": "八　製造原価要素の分類基準" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "機能別分類とは、原価が経営上のいかなる機能のために発生したかによる分類であり、原価要素は、この分類基準によってこれを機能別に分類する。この分類基準によれば、たとえば、材料費は、主要材料費、および修繕材料費、試験研究材料費等の補助材料費、ならびに工場消耗品費等に、賃金は、作業種類別直接賃金、間接作業賃金、手待賃金等に、経費は、各部門の機能別経費に分類する。", "title": "八　製造原価要素の分類基準" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "(三) 製品との関連における分類", "title": "八　製造原価要素の分類基準" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "製品との関連における分類とは、製品に対する原価発生の態様、すなわち原価の発生が一定単位の製品の生成に関して直接的に認識されるかどうかの性質上の区別による分類であり、原価要素は、この分類基準によってこれを直接費と間接費とに分類する。", "title": "八　製造原価要素の分類基準" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "1 直接費は、これを直接材料費、直接労務費および直接経費に分類し、さらに適当に細分する。", "title": "八　製造原価要素の分類基準" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "2 間接費は、これを間接材料費、間接労務費および間接経費に分類し、さらに適当に細分する。", "title": "八　製造原価要素の分類基準" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "必要ある場合には、直接労務費と製造間接費とを合わせ、又は直接材料費以外の原価要素を総括して、これを加工費として分類することができる。", "title": "八　製造原価要素の分類基準" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "(四) 操業度との関連における分類", "title": "八　製造原価要素の分類基準" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "操業度との関連における分類とは、操業度の増減に対する原価発生の態様による分類であり、原価要素は、この分類基準によってこれを固定費と変動費とに分類する。ここに操業度とは、生産設備を一定とした場合におけるその利用度をいう。固定費とは、操業度の増減にかかわらず変化しない原価要素をいい、変動費とは、操業度の増減に応じて比例的に増減する原価要素をいう。", "title": "八　製造原価要素の分類基準" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "ある範囲内の操業度の変化では固定的であり、これをこえると急増し、再び固定化する原価要素たとえば監督者給料等、又は操業度が零の場合にも一定額が発生し、同時に操業度の増加に応じて比例的に増加する原価要素たとえば電力料等は、これを準固定費又は準変動費となづける。", "title": "八　製造原価要素の分類基準" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "準固定費又は準変動費は、固定費又は変動費とみなして、これをそのいずれかに帰属させるか、もしくは固定費と変動費とが合成されたものであると解し、これを固定費の部分と変動費の部分とに分類する。", "title": "八　製造原価要素の分類基準" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "(五) 原価の管理可能性に基づく分類", "title": "八　製造原価要素の分類基準" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "原価の管理可能性に基づく分類とは、原価の発生が一定の管理者層によって管理しうるかどうかの分類であり、原価要素は、この分類基準によってこれを管理可能費と管理不能費とに分類する。下級管理者層にとって管理不能費であるものも、上級管理者層にとっては管理可能費となることがある。", "title": "八　製造原価要素の分類基準" } ]	原価計算基準第二章　実際原価の計算　第一節　製造原価要素の分類基準	[[原価計算基準]] [[原価計算基準#第二章　実際原価の計算\|第二章　実際原価の計算]]　第一節　製造原価要素の分類基準 ==八　製造原価要素の分類基準== 原価要素は、製造原価要素と販売費および一般管理費の要素に分類する。製造原価要素を分類する基準は次のようである。 (一) 形態別分類　形態別分類とは、財務会計における費用の発生を基礎とする分類、すなわち原価発生の形態による分類であり、原価要素は、この分類基準によってこれを材料費、労務費および経費に属する各費目に分類する。　材料費とは、物品の消費によって生ずる原価をいい、おおむね次のように細分する。　１　素材費（又は原料費）　２　買入部品費　３　燃料費　４　工場消耗品費　５　消耗工具器具備品費　労務費とは、労務用役の消費によって生ずる原価をいい、おおむね次のように細分する。　１　賃金（基本給のほか割増賃金を含む。）　２　給料　３　雑給　４　従業員賞与手当　５　退職給与引当金繰入額　６　福利費（健康保険料負担金等）　経費とは、材料費、労務費以外の原価要素をいい、減価償却費、たな卸減耗費および福利施設負担額、賃借料、修繕料、電力料、旅費交通費等の諸支払経費に細分する。　原価要素の形態別分類は、財務会計における費用の発生を基礎とする分類であるから、原価計算は、財務会計から原価に関するこの形態別分類による基礎資料を受け取り、これに基づいて原価を計算する。この意味でこの分類は、原価に関する基礎的分類であり、原価計算と財務会計との関連上重要である。 (二)　機能別分類　機能別分類とは、原価が経営上のいかなる機能のために発生したかによる分類であり、原価要素は、この分類基準によってこれを機能別に分類する。この分類基準によれば、たとえば、材料費は、主要材料費、および修繕材料費、試験研究材料費等の補助材料費、ならびに工場消耗品費等に、賃金は、作業種類別直接賃金、間接作業賃金、手待賃金等に、経費は、各部門の機能別経費に分類する。 (三)　製品との関連における分類　製品との関連における分類とは、製品に対する原価発生の態様、すなわち原価の発生が一定単位の製品の生成に関して直接的に認識されるかどうかの性質上の区別による分類であり、原価要素は、この分類基準によってこれを直接費と間接費とに分類する。　１　直接費は、これを直接材料費、直接労務費および直接経費に分類し、さらに適当に細分する。　２　間接費は、これを間接材料費、間接労務費および間接経費に分類し、さらに適当に細分する。　必要ある場合には、直接労務費と製造間接費とを合わせ、又は直接材料費以外の原価要素を総括して、これを加工費として分類することができる。 (四)　操業度との関連における分類　操業度との関連における分類とは、操業度の増減に対する原価発生の態様による分類であり、原価要素は、この分類基準によってこれを固定費と変動費とに分類する。ここに操業度とは、生産設備を一定とした場合におけるその利用度をいう。固定費とは、操業度の増減にかかわらず変化しない原価要素をいい、変動費とは、操業度の増減に応じて比例的に増減する原価要素をいう。　ある範囲内の操業度の変化では固定的であり、これをこえると急増し、再び固定化する原価要素たとえば監督者給料等、又は操業度が零の場合にも一定額が発生し、同時に操業度の増加に応じて比例的に増加する原価要素たとえば電力料等は、これを準固定費又は準変動費となづける。　準固定費又は準変動費は、固定費又は変動費とみなして、これをそのいずれかに帰属させるか、もしくは固定費と変動費とが合成されたものであると解し、これを固定費の部分と変動費の部分とに分類する。 (五)　原価の管理可能性に基づく分類　原価の管理可能性に基づく分類とは、原価の発生が一定の管理者層によって管理しうるかどうかの分類であり、原価要素は、この分類基準によってこれを管理可能費と管理不能費とに分類する。下級管理者層にとって管理不能費であるものも、上級管理者層にとっては管理可能費となることがある。 ==解説== {{DEFAULTSORT:せいそうけんかようそのふんるいきしゆん}} [[Category:原価計算基準]]	null	2013-02-18T19:12:30Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E8%A3%BD%E9%80%A0%E5%8E%9F%E4%BE%A1%E8%A6%81%E7%B4%A0%E3%81%AE%E5%88%86%E9%A1%9E%E5%9F%BA%E6%BA%96
7,952	原価の費目別計算	原価計算基準第二章実際原価の計算第二節原価の費目別計算原価の費目別計算とは、一定期間における原価要素を費目別に分類測定する手続をいい、財務会計における費用計算であると同時に、原価計算における第一次の計算段階である。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "原価計算基準第二章実際原価の計算第二節原価の費目別計算", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "原価の費目別計算とは、一定期間における原価要素を費目別に分類測定する手続をいい、財務会計における費用計算であると同時に、原価計算における第一次の計算段階である。", "title": "九　原価の費目別計算" } ]	原価計算基準　第二章　実際原価の計算　第二節　原価の費目別計算	[[原価計算基準]]　[[原価計算基準#第二章　実際原価の計算\|第二章　実際原価の計算]]　第二節　原価の費目別計算 ==九　原価の費目別計算== 　原価の費目別計算とは、一定期間における原価要素を費目別に分類測定する手続をいい、財務会計における費用計算であると同時に、原価計算における第一次の計算段階である。 ==解説== {{DEFAULTSORT:けんかのひもくへつけいさん}} [[Category:原価計算基準]]	null	2013-02-18T19:23:26Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E5%8E%9F%E4%BE%A1%E3%81%AE%E8%B2%BB%E7%9B%AE%E5%88%A5%E8%A8%88%E7%AE%97
7,953	費目別計算における原価要素の分類	原価計算基準第二章実際原価の計算第二節原価の費目別計算費目別計算においては、原価要素を、原則として、形態別分類を基礎とし、これを直接費と間接費とに大別し、さらに必要に応じ機能別分類を加味して、たとえば次のように分類する。直接費直接材料費主要材料費(原料費) 買入部品費直接労務費直接賃金(必要ある場合には作業種類別に細分する。) 直接経費外注加工費間接費間接材料費補助材料費工場消耗品費消耗工具器具備品費間接労務費間接作業賃金間接工賃金手待賃金休業賃金給料従業員賞与手当退職給与引当金繰入額福利費(健康保険料負担金等) 間接経費福利施設負担額厚生費減価償却費賃借料保険料修繕料電力料ガス代水道料租税公課旅費交通費通信費保管料たな卸減耗費雑費間接経費は、原則として形態別に分類するが、必要に応じ修繕費、運搬費等の複合費を設定することができる。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "原価計算基準第二章実際原価の計算第二節原価の費目別計算", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "費目別計算においては、原価要素を、原則として、形態別分類を基礎とし、これを直接費と間接費とに大別し、さらに必要に応じ機能別分類を加味して、たとえば次のように分類する。", "title": "一〇　費目別計算における原価要素の分類" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "直接費", "title": "一〇　費目別計算における原価要素の分類" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "直接材料費", "title": "一〇　費目別計算における原価要素の分類" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "主要材料費(原料費)", "title": "一〇　費目別計算における原価要素の分類" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "買入部品費", "title": "一〇　費目別計算における原価要素の分類" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "直接労務費", "title": "一〇　費目別計算における原価要素の分類" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "直接賃金(必要ある場合には作業種類別に細分する。)", "title": "一〇　費目別計算における原価要素の分類" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "直接経費", "title": "一〇　費目別計算における原価要素の分類" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "外注加工費", "title": "一〇　費目別計算における原価要素の分類" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "間接費", "title": "一〇　費目別計算における原価要素の分類" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "間接材料費", "title": "一〇　費目別計算における原価要素の分類" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "補助材料費", "title": "一〇　費目別計算における原価要素の分類" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "工場消耗品費", "title": "一〇　費目別計算における原価要素の分類" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "消耗工具器具備品費", "title": "一〇　費目別計算における原価要素の分類" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "間接労務費", "title": "一〇　費目別計算における原価要素の分類" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "間接作業賃金", "title": "一〇　費目別計算における原価要素の分類" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "間接工賃金", "title": "一〇　費目別計算における原価要素の分類" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "手待賃金", "title": "一〇　費目別計算における原価要素の分類" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "休業賃金", "title": "一〇　費目別計算における原価要素の分類" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "給料", "title": "一〇　費目別計算における原価要素の分類" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "従業員賞与手当", "title": "一〇　費目別計算における原価要素の分類" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "退職給与引当金繰入額", "title": "一〇　費目別計算における原価要素の分類" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "福利費(健康保険料負担金等)", "title": "一〇　費目別計算における原価要素の分類" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "間接経費", "title": "一〇　費目別計算における原価要素の分類" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "福利施設負担額", "title": "一〇　費目別計算における原価要素の分類" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "厚生費", "title": "一〇　費目別計算における原価要素の分類" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "減価償却費", "title": "一〇　費目別計算における原価要素の分類" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "賃借料", "title": "一〇　費目別計算における原価要素の分類" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "保険料", "title": "一〇　費目別計算における原価要素の分類" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "修繕料", "title": "一〇　費目別計算における原価要素の分類" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "電力料", "title": "一〇　費目別計算における原価要素の分類" }, { "paragraph_id": 32, "tag": "p", "text": "ガス代", "title": "一〇　費目別計算における原価要素の分類" }, { "paragraph_id": 33, "tag": "p", "text": "水道料", "title": "一〇　費目別計算における原価要素の分類" }, { "paragraph_id": 34, "tag": "p", "text": "租税公課", "title": "一〇　費目別計算における原価要素の分類" }, { "paragraph_id": 35, "tag": "p", "text": "旅費交通費", "title": "一〇　費目別計算における原価要素の分類" }, { "paragraph_id": 36, "tag": "p", "text": "通信費", "title": "一〇　費目別計算における原価要素の分類" }, { "paragraph_id": 37, "tag": "p", "text": "保管料", "title": "一〇　費目別計算における原価要素の分類" }, { "paragraph_id": 38, "tag": "p", "text": "たな卸減耗費", "title": "一〇　費目別計算における原価要素の分類" }, { "paragraph_id": 39, "tag": "p", "text": "雑費", "title": "一〇　費目別計算における原価要素の分類" }, { "paragraph_id": 40, "tag": "p", "text": "間接経費は、原則として形態別に分類するが、必要に応じ修繕費、運搬費等の複合費を設定することができる。", "title": "一〇　費目別計算における原価要素の分類" } ]	原価計算基準　第二章　実際原価の計算　第二節　原価の費目別計算	[[原価計算基準]]　[[原価計算基準#第二章　実際原価の計算\|第二章　実際原価の計算]]　第二節　原価の費目別計算 ==一〇　費目別計算における原価要素の分類== 　費目別計算においては、原価要素を、原則として、形態別分類を基礎とし、これを直接費と間接費とに大別し、さらに必要に応じ機能別分類を加味して、たとえば次のように分類する。　直接費　　直接材料費　　　主要材料費（原料費）　　　買入部品費　　直接労務費　　　直接賃金（必要ある場合には作業種類別に細分する。）　　直接経費　　　外注加工費　間接費　　間接材料費　　　補助材料費　　　工場消耗品費　　　消耗工具器具備品費　　間接労務費　　　間接作業賃金　　　間接工賃金　　　手待賃金　　　休業賃金　　　給料　　　従業員賞与手当　　　退職給与引当金繰入額　　　福利費（健康保険料負担金等）　　間接経費　　　福利施設負担額　　　厚生費　　　減価償却費　　　賃借料　　　保険料　　　修繕料　　　電力料　　　ガス代　　　水道料　　　租税公課　　　旅費交通費　　　通信費　　　保管料　　　たな卸減耗費　　　雑費　間接経費は、原則として形態別に分類するが、必要に応じ修繕費、運搬費等の複合費を設定することができる。 ==解説== {{DEFAULTSORT:ひもくへつけいさんにおける}} [[Category:原価計算基準]]	null	2013-02-18T19:23:33Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E8%B2%BB%E7%9B%AE%E5%88%A5%E8%A8%88%E7%AE%97%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E5%8E%9F%E4%BE%A1%E8%A6%81%E7%B4%A0%E3%81%AE%E5%88%86%E9%A1%9E
7,954	材料費計算	原価計算基準第二章実際原価の計算第二節原価の費目別計算 (一) 直接材料費、補助材料費等であって、出入記録を行なう材料に関する原価は、各種の材料につき原価計算期間における実際の消費量に、その消費価格を乗じて計算する。 (二) 材料の実際の消費量は、原則として継続記録法によって計算する。ただし、材料であって、その消費量を継続記録法によって計算することが困難なもの又はその必要のないものについては、たな卸計算法を適用することができる。 (三) 材料の消費価格は、原則として購入原価をもって計算する。同種材料の購入原価が異なる場合、その消費価格の計算は、次のような方法による。 1 先入先出法 2 移動平均法 3 総平均法 4 後入先出法 5 個別法材料の消費価格は、必要ある場合には、予定価格等をもって計算することができる。 (四) 材料の購入原価は、原則として実際の購入原価とし、次のいずれかの金額によって計算する。 1 購入代価に買入手数料、引取運賃、荷役費、保険料、関税等材料買入に要した引取費用を加算した金額 2 購入代価に引取費用ならびに購入事務、検収、整理、選別、手入、保管等に要した費用(引取費用と合わせて以下これを「材料副費」という。)を加算した金額。ただし、必要ある場合には、引取費用以外の材料副費の一部を購入代価に加算しないことができる。購入代価に加算する材料副費の一部又は全部は、これを予定配賦率によって計算することができる。予定配賦率は、一定期間の材料副費の予定総額を、その期間における材料の予定購入代価又は予定購入数量の総額をもって除して算定する。ただし、購入事務費、検収費、整理費、選別費、手入費、保管費等については、それぞれに適当な予定配賦率を設定することができる。材料副費の一部を材料の購入原価に算入しない場合には、これを間接経費に属する項目とし又は材料費に配賦する。購入した材料に対して値引又は割戻等を受けたときは、これを材料の購入原価から控除する。ただし、値引又は割戻等が材料消費後に判明した場合には、これを同種材料の購入原価から控除し、値引又は割戻等を受けた材料が判明しない場合には、これを当期の材料副費等から控除し、又はその他適当な方法によって処理することができる。材料の購入原価は、必要ある場合には、予定価格等をもって計算することができる。他工場からの振替製品の受入価格は、必要ある場合には、正常市価によることができる。 (五) 間接材料費であって、工場消耗品、消耗工具器具備品等、継続記録法又はたな卸計算法による出入記録を行わないものの原価は、原則として当該原価計算期間における買入額をもって計算する。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "原価計算基準第二章実際原価の計算第二節原価の費目別計算", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "(一) 直接材料費、補助材料費等であって、出入記録を行なう材料に関する原価は、各種の材料につき原価計算期間における実際の消費量に、その消費価格を乗じて計算する。", "title": "一一　材料費計算" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "(二) 材料の実際の消費量は、原則として継続記録法によって計算する。ただし、材料であって、その消費量を継続記録法によって計算することが困難なもの又はその必要のないものについては、たな卸計算法を適用することができる。", "title": "一一　材料費計算" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "(三) 材料の消費価格は、原則として購入原価をもって計算する。", "title": "一一　材料費計算" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "同種材料の購入原価が異なる場合、その消費価格の計算は、次のような方法による。", "title": "一一　材料費計算" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "1 先入先出法", "title": "一一　材料費計算" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "2 移動平均法", "title": "一一　材料費計算" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "3 総平均法", "title": "一一　材料費計算" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "4 後入先出法", "title": "一一　材料費計算" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "5 個別法", "title": "一一　材料費計算" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "材料の消費価格は、必要ある場合には、予定価格等をもって計算することができる。", "title": "一一　材料費計算" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "(四) 材料の購入原価は、原則として実際の購入原価とし、次のいずれかの金額によって計算する。", "title": "一一　材料費計算" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "1 購入代価に買入手数料、引取運賃、荷役費、保険料、関税等材料買入に要した引取費用を加算した金額", "title": "一一　材料費計算" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "2 購入代価に引取費用ならびに購入事務、検収、整理、選別、手入、保管等に要した費用(引取費用と合わせて以下これを「材料副費」という。)を加算した金額。ただし、必要ある場合には、引取費用以外の材料副費の一部を購入代価に加算しないことができる。", "title": "一一　材料費計算" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "購入代価に加算する材料副費の一部又は全部は、これを予定配賦率によって計算することができる。予定配賦率は、一定期間の材料副費の予定総額を、その期間における材料の予定購入代価又は予定購入数量の総額をもって除して算定する。ただし、購入事務費、検収費、整理費、選別費、手入費、保管費等については、それぞれに適当な予定配賦率を設定することができる。", "title": "一一　材料費計算" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "材料副費の一部を材料の購入原価に算入しない場合には、これを間接経費に属する項目とし又は材料費に配賦する。", "title": "一一　材料費計算" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "購入した材料に対して値引又は割戻等を受けたときは、これを材料の購入原価から控除する。ただし、値引又は割戻等が材料消費後に判明した場合には、これを同種材料の購入原価から控除し、値引又は割戻等を受けた材料が判明しない場合には、これを当期の材料副費等から控除し、又はその他適当な方法によって処理することができる。", "title": "一一　材料費計算" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "材料の購入原価は、必要ある場合には、予定価格等をもって計算することができる。", "title": "一一　材料費計算" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "他工場からの振替製品の受入価格は、必要ある場合には、正常市価によることができる。", "title": "一一　材料費計算" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "(五) 間接材料費であって、工場消耗品、消耗工具器具備品等、継続記録法又はたな卸計算法による出入記録を行わないものの原価は、原則として当該原価計算期間における買入額をもって計算する。", "title": "一一　材料費計算" } ]	原価計算基準　第二章　実際原価の計算　第二節　原価の費目別計算	[[原価計算基準]]　[[原価計算基準#第二章　実際原価の計算\|第二章　実際原価の計算]]　第二節　原価の費目別計算 ==一一　材料費計算== (一)　直接材料費、補助材料費等であって、出入記録を行なう材料に関する原価は、各種の材料につき原価計算期間における実際の消費量に、その消費価格を乗じて計算する。 (二)　材料の実際の消費量は、原則として継続記録法によって計算する。ただし、材料であって、その消費量を継続記録法によって計算することが困難なもの又はその必要のないものについては、たな卸計算法を適用することができる。 (三)　材料の消費価格は、原則として購入原価をもって計算する。　　同種材料の購入原価が異なる場合、その消費価格の計算は、次のような方法による。　１　先入先出法　２　移動平均法　３　総平均法　４　後入先出法　５　個別法　　材料の消費価格は、必要ある場合には、予定価格等をもって計算することができる。 (四)　材料の購入原価は、原則として実際の購入原価とし、次のいずれかの金額によって計算する。　１　購入代価に買入手数料、引取運賃、荷役費、保険料、関税等材料買入に要した引取費用を加算した金額　２　購入代価に引取費用ならびに購入事務、検収、整理、選別、手入、保管等に要した費用（引取費用と合わせて以下これを「材料副費」という。）を加算した金額。ただし、必要ある場合には、引取費用以外の材料副費の一部を購入代価に加算しないことができる。　購入代価に加算する材料副費の一部又は全部は、これを予定配賦率によって計算することができる。予定配賦率は、一定期間の材料副費の予定総額を、その期間における材料の予定購入代価又は予定購入数量の総額をもって除して算定する。ただし、購入事務費、検収費、整理費、選別費、手入費、保管費等については、それぞれに適当な予定配賦率を設定することができる。　材料副費の一部を材料の購入原価に算入しない場合には、これを間接経費に属する項目とし又は材料費に配賦する。　購入した材料に対して値引又は割戻等を受けたときは、これを材料の購入原価から控除する。ただし、値引又は割戻等が材料消費後に判明した場合には、これを同種材料の購入原価から控除し、値引又は割戻等を受けた材料が判明しない場合には、これを当期の材料副費等から控除し、又はその他適当な方法によって処理することができる。　材料の購入原価は、必要ある場合には、予定価格等をもって計算することができる。　他工場からの振替製品の受入価格は、必要ある場合には、正常市価によることができる。 (五)　間接材料費であって、工場消耗品、消耗工具器具備品等、継続記録法又はたな卸計算法による出入記録を行わないものの原価は、原則として当該原価計算期間における買入額をもって計算する。 ==解説== {{DEFAULTSORT:さいりようひけいさん}} [[Category:原価計算基準]]	null	2013-02-18T19:26:46Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E6%9D%90%E6%96%99%E8%B2%BB%E8%A8%88%E7%AE%97
7,955	労務費計算	原価計算基準第二章実際原価の計算第二節原価の費目別計算 (一) 直接賃金等であって、作業時間又は作業量の測定を行なう労務費は、実際の作業時間又は作業量に賃率を乗じて計算する。賃率は、実際の個別賃率又は、職場もしくは作業区分ごとの平均賃率による。平均賃率は、必要ある場合には、予定平均賃率をもって計算することができる。直接賃金等は、必要ある場合には、当該原価計算期間の負担に属する要支払額をもって計算することができる。 (二) 間接労務費であって、間接工賃金、給料、賞与手当等は、原則として当該原価計算期間の負担に属する要支払額をもって計算する。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "原価計算基準第二章実際原価の計算第二節原価の費目別計算", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "(一) 直接賃金等であって、作業時間又は作業量の測定を行なう労務費は、実際の作業時間又は作業量に賃率を乗じて計算する。賃率は、実際の個別賃率又は、職場もしくは作業区分ごとの平均賃率による。平均賃率は、必要ある場合には、予定平均賃率をもって計算することができる。", "title": "一二　労務費計算" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "直接賃金等は、必要ある場合には、当該原価計算期間の負担に属する要支払額をもって計算することができる。", "title": "一二　労務費計算" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "(二) 間接労務費であって、間接工賃金、給料、賞与手当等は、原則として当該原価計算期間の負担に属する要支払額をもって計算する。", "title": "一二　労務費計算" } ]	原価計算基準　第二章　実際原価の計算　第二節　原価の費目別計算	[[原価計算基準]]　[[原価計算基準#第二章　実際原価の計算\|第二章　実際原価の計算]]　第二節　原価の費目別計算 ==一二　労務費計算== (一)　直接賃金等であって、作業時間又は作業量の測定を行なう労務費は、実際の作業時間又は作業量に賃率を乗じて計算する。賃率は、実際の個別賃率又は、職場もしくは作業区分ごとの平均賃率による。平均賃率は、必要ある場合には、予定平均賃率をもって計算することができる。　　直接賃金等は、必要ある場合には、当該原価計算期間の負担に属する要支払額をもって計算することができる。 (二)　間接労務費であって、間接工賃金、給料、賞与手当等は、原則として当該原価計算期間の負担に属する要支払額をもって計算する。 ==解説== {{DEFAULTSORT:ろうむひけいさん}} [[Category:原価計算基準]]	null	2013-02-18T19:27:24Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E5%8A%B4%E5%8B%99%E8%B2%BB%E8%A8%88%E7%AE%97
7,956	経費計算	原価計算基準第二章実際原価の計算第二節原価の費目別計算 (一) 経費は、原則として当該原価計算期間の実際の発生額をもって計算する。ただし、必要ある場合には、予定価格又は予定額をもって計算することができる。 (二) 減価償却費、不動産賃借料等であって、数ヶ月分を一時に総括的に計算し又は支払う経費については、これを月割り計算する。 (三) 電力料、ガス代、水道料等であって、消費量を計量できる経費については、その実際消費量に基づいて計算する。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "原価計算基準第二章実際原価の計算第二節原価の費目別計算", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "(一) 経費は、原則として当該原価計算期間の実際の発生額をもって計算する。ただし、必要ある場合には、予定価格又は予定額をもって計算することができる。", "title": "一三　経費計算" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "(二) 減価償却費、不動産賃借料等であって、数ヶ月分を一時に総括的に計算し又は支払う経費については、これを月割り計算する。", "title": "一三　経費計算" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "(三) 電力料、ガス代、水道料等であって、消費量を計量できる経費については、その実際消費量に基づいて計算する。", "title": "一三　経費計算" } ]	原価計算基準　第二章　実際原価の計算　第二節　原価の費目別計算	[[原価計算基準]]　[[原価計算基準#第二章　実際原価の計算\|第二章　実際原価の計算]]　第二節　原価の費目別計算 ==一三　経費計算== (一)　経費は、原則として当該原価計算期間の実際の発生額をもって計算する。ただし、必要ある場合には、予定価格又は予定額をもって計算することができる。 (二)　減価償却費、不動産賃借料等であって、数ヶ月分を一時に総括的に計算し又は支払う経費については、これを月割り計算する。 (三)　電力料、ガス代、水道料等であって、消費量を計量できる経費については、その実際消費量に基づいて計算する。 ==解説== {{DEFAULTSORT:けいひけいさん}} [[Category:原価計算基準]]	null	2013-02-18T19:27:54Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E7%B5%8C%E8%B2%BB%E8%A8%88%E7%AE%97
7,957	費用別計算における予定価格等の適用	原価計算基準第二章実際原価の計算第二節原価の費目別計算費目別計算において一定期間における原価要素の発生を測定するに当たり、予定価格等を適用する場合には、これをその適用される期間における実際価格にできる限り近似させ、価格差異をなるべく僅少にするように定める。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "原価計算基準第二章実際原価の計算第二節原価の費目別計算", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "費目別計算において一定期間における原価要素の発生を測定するに当たり、予定価格等を適用する場合には、これをその適用される期間における実際価格にできる限り近似させ、価格差異をなるべく僅少にするように定める。", "title": "一四　費用別計算における予定価格等の適用" } ]	原価計算基準　第二章　実際原価の計算　第二節　原価の費目別計算	[[原価計算基準]]　[[原価計算基準#第二章　実際原価の計算\|第二章　実際原価の計算]]　第二節　原価の費目別計算 ==一四　費用別計算における予定価格等の適用== 　費目別計算において一定期間における原価要素の発生を測定するに当たり、予定価格等を適用する場合には、これをその適用される期間における実際価格にできる限り近似させ、価格差異をなるべく僅少にするように定める。 ==解説== {{DEFAULTSORT:ひようへつけいさんにおけるよていかかくとうのてきよう}} [[Category:原価計算基準]]	null	2013-02-18T19:28:37Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E8%B2%BB%E7%94%A8%E5%88%A5%E8%A8%88%E7%AE%97%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E4%BA%88%E5%AE%9A%E4%BE%A1%E6%A0%BC%E7%AD%89%E3%81%AE%E9%81%A9%E7%94%A8
7,959	ポーランド語	ポーランド語は主にポーランドで話されている言語で、EUの公用語のひとつです。インド・ヨーロッパ語族のスラヴ語派に属する言語のひとつで、チェコ語やスロヴァキア語などとともに西スラヴ語群に分類されます。話者人口はおよそ4,000万人とされており、スラヴ語派の中ではロシア語に次いで多くの人々に話されています。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "ポーランド語は主にポーランドで話されている言語で、EUの公用語のひとつです。", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "インド・ヨーロッパ語族のスラヴ語派に属する言語のひとつで、チェコ語やスロヴァキア語などとともに西スラヴ語群に分類されます。", "title": "" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "話者人口はおよそ4,000万人とされており、スラヴ語派の中ではロシア語に次いで多くの人々に話されています。", "title": "" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "", "title": "" } ]	null	<h1 style="color:red;text-align:center">ポーランド語</h1> [[Image:Flag of Poland (bordered).svg\|300px\|center\|ポーランドの国旗]] </br> <center> [[/文法\|<font face="Times New Roman" Size=6 color=#cc3366>'''Uczymy się gramatyki języka polskiego!'''</font><br><br><font face="ChopinScript" Size=3 color=#66ccff>'''～ポーランド語文法の世界へ～'''.</font>]] </center> [[w:ポーランド語\|ポーランド語]]は主に[[w:ポーランド\|ポーランド]]で話されている言語で、[[w:欧州連合\|EU]]の公用語のひとつです。 [[w:インド･ヨーロッパ語族\|インド･ヨーロッパ語族]]の[[w:スラヴ語派\|スラヴ語派]]に属する言語のひとつで、チェコ語やスロヴァキア語などとともに[[w:西スラヴ語群\|西スラヴ語群]]に分類されます。話者人口はおよそ4,000万人とされており、スラヴ語派の中ではロシア語に次いで多くの人々に話されています。 {{wikipedia\|ポーランド語\|ポーランド語}} {{wiktionary\|ポーランド語\|ポーランド語}} [[Category:ポーランド語\|*]] [[Category:語学\|ほーらんとこ]] [[カテゴリ:ヨーロッパの言語\|ほーらんとこ]] [[Category:語学の書庫\|ほーらんとこ]]	2008-02-21T19:53:00Z	2023-09-25T04:44:30Z	[ "テンプレート:Wikipedia", "テンプレート:Wiktionary" ]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E8%AA%9E
7,960	ポーランド語/レッスン１	会話マリア:Dzień dobry ! 田中:Dzień dobry ! マリア:Z jakiego jest pan kraju? 田中:Jestem Japończykiem マリア:Bardzo mi miło Pana poznać 田中:Mi też miło Panią poznać 和訳: マリア:こんにちは! 田中:こんにちは! マリア:どの国から来ましたか? 田中:日本人です。語彙文法	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "会話", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "マリア:Dzień dobry ! 田中:Dzień dobry ! マリア:Z jakiego jest pan kraju? 田中:Jestem Japończykiem マリア:Bardzo mi miło Pana poznać 田中:Mi też miło Panią poznać 和訳: マリア:こんにちは! 田中:こんにちは! マリア:どの国から来ましたか? 田中:日本人です。語彙文法", "title": "" } ]	会話マリア：Dzień dobry ! 田中：Dzień dobry ! マリア：Z jakiego jest pan kraju? 田中：Jestem Japończykiem マリア：Bardzo mi miło Pana poznać 田中：Mi też miło Panią poznać 和訳：マリア：こんにちは！田中：こんにちは！マリア：どの国から来ましたか？田中：日本人です。語彙文法	'''会話'''<br> マリア：Dzień dobry !<br> 田中：Dzień dobry !<br> マリア：Z jakiego jest pan kraju? <br> 田中：Jestem Japończykiem <br>マリア：Bardzo mi miło Pana poznać <br>田中：Mi też miło Panią poznać <br>和訳： <br>マリア：こんにちは！<br> 田中：こんにちは！ <br>マリア：どの国から来ましたか？<br> 田中：日本人です。 <br>'''語彙'''<br> '''文法'''<br> [[Category:ポーランド語\|れつすん1]]	null	2019-11-05T16:45:22Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E8%AA%9E/%E3%83%AC%E3%83%83%E3%82%B9%E3%83%B3%EF%BC%91
7,963	貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準/目的	貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準 - 目的 1. 本会計基準は、貸借対照表における純資産の部の表示を定めることを目的とする。貸借対照表の表示に関して、既存の会計基準と異なる取扱いを定めているものについては、本会計基準の取扱いが優先することとなり、本会計基準において特に定めのないものについては、該当する他の会計基準の定めによる。また、貸借対照表項目の認識及び消滅の認識、貸借対照表価額の算定などの会計処理については、既存の会計基準によることとなる。 2. 平成17年12月9日に、本会計基準を適用する際の指針を定めた企業会計基準適用指針第8号「貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準等の適用指針」が公表されているため、本会計基準の適用にあたっては、当該適用指針も参照する必要がある。例えば、企業会計原則の第三-四-(三)資本では、貸借対照表の資本の部の記載について定めているが、この会計基準がそれと異なる取扱いを定めているので、それに代わって適用される旨が述べられている。これは新会社法の実施にともない、従来の会計基準を改定するのではなく、新たな会計基準が設定されたことによる。またこの会計基準により、「資本の部」という名称に代わって、「純資産の部」という名称が定着するようになってきた。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準 - 目的", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "1. 本会計基準は、貸借対照表における純資産の部の表示を定めることを目的とする。", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "貸借対照表の表示に関して、既存の会計基準と異なる取扱いを定めているものについては、本会計基準の取扱いが優先することとなり、本会計基準において特に定めのないものについては、該当する他の会計基準の定めによる。また、貸借対照表項目の認識及び消滅の認識、貸借対照表価額の算定などの会計処理については、既存の会計基準によることとなる。", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "2. 平成17年12月9日に、本会計基準を適用する際の指針を定めた企業会計基準適用指針第8号「貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準等の適用指針」が公表されているため、本会計基準の適用にあたっては、当該適用指針も参照する必要がある。", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "例えば、企業会計原則の第三-四-(三)資本では、貸借対照表の資本の部の記載について定めているが、この会計基準がそれと異なる取扱いを定めているので、それに代わって適用される旨が述べられている。", "title": "解説" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "これは新会社法の実施にともない、従来の会計基準を改定するのではなく、新たな会計基準が設定されたことによる。", "title": "解説" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "またこの会計基準により、「資本の部」という名称に代わって、「純資産の部」という名称が定着するようになってきた。", "title": "解説" } ]	貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準 - 目的	[[貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準]] - 目的 ==条文== 1. 本会計基準は、貸借対照表における純資産の部の表示を定めることを目的とする。　貸借対照表の表示に関して、既存の会計基準と異なる取扱いを定めているものについては、本会計基準の取扱いが優先することとなり、本会計基準において特に定めのないものについては、該当する他の会計基準の定めによる。また、貸借対照表項目の認識及び消滅の認識、貸借対照表価額の算定などの会計処理については、既存の会計基準によることとなる。 2. 平成17年12月9日に、本会計基準を適用する際の指針を定めた企業会計基準適用指針第8号「貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準等の適用指針」が公表されているため、本会計基準の適用にあたっては、当該適用指針も参照する必要がある。 ==解説== 例えば、[[企業会計原則]]の第三-四-（三）資本　では、貸借対照表の資本の部の記載について定めているが、この会計基準がそれと異なる取扱いを定めているので、それに代わって適用される旨が述べられている。これは新[[会社法]]の実施にともない、従来の会計基準を改定するのではなく、新たな会計基準が設定されたことによる。またこの会計基準により、「資本の部」という名称に代わって、「純資産の部」という名称が定着するようになってきた。 [[カテゴリ:会計基準]]	null	2022-11-24T17:04:13Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E8%B2%B8%E5%80%9F%E5%AF%BE%E7%85%A7%E8%A1%A8%E3%81%AE%E7%B4%94%E8%B3%87%E7%94%A3%E3%81%AE%E9%83%A8%E3%81%AE%E8%A1%A8%E7%A4%BA%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E4%BC%9A%E8%A8%88%E5%9F%BA%E6%BA%96/%E7%9B%AE%E7%9A%84
7,964	企業会計原則 (一般原則)	法学>民事法>商法>会計基準>企業会計原則 - 第一一般原則一企業会計は、企業の財政状態及び経営成績に関して、真実な報告を提供するものでなければならない。真実性の原則(principle of true and fair view) 真実性の原則は、他の一般原則の上位に位置づけられるもので、企業会計原則全般に共通する原則である。企業会計はある程度企業側にその採用する会計処理について個々の企業に最適なやり方を選択する自由を認めている(経理自由の原則)。しかし、それはあくまで一般に公正妥当と認められる範囲でのことであって、この原則はその自由性に一定の限界があることを示している。すなわち、作成される会計報告は誰がやっても全く同じになるといった「絶対的真実」ではなく、ある程度の幅を持った「相対的真実」であるということができる。二企業会計は、すべての取引につき、正規の簿記の原則に従って、正確な会計帳簿を作成しなければならない。(注1) 正規の簿記の原則(principle of orderly bookkeeping) 企業会計は利害関係者に対して正確な財務諸表を開示するという目的を持つことから、正規の簿記の原則が定められている。この原則は、正確な会計帳簿を実現するために、次の3つの要件を満たすことを求めている。これらを実現するためには一般的に、取引発生順の記録としての仕訳帳と勘定科目別記録である総勘定元帳の2つを、複式簿記の原理に基づいて作成した結果として、誘導的に財務諸表を作成することである、とされている。三資本取引と損益取引とを明瞭に区別し、特に資本剰余金と利益剰余金とを混同してはならない。(注2) 資本と利益の区別の原則(principle of distinction between capital and earnings) これは企業財務の健全性を保つために要請される原則で、タコ配(資本を利益として食いつぶすこと)や、逆の場合として利益隠しといった不健全な経理操作を防ぐことで、企業の永続と発展を期待するものである。資本取引とは、資本の増減、転換を伴う取引であり、会社設立時の元入、増資や減資、転換社債の株式への転換などがある。損益取引とは、費用または収益を生じさせる取引であり、経営活動の結果生じるものである。資本取引から生じた資本剰余金と損益取引から生じた利益剰余金を明確に区別して、貸借対照表を作成する必要があるのである。四企業会計は、財務諸表によって、利害関係者に対し必要な会計事実を明瞭に表示し、企業の状況に関する判断を誤らせないようにしなければならない。(注1) (注1-2) (注1-3) (注1-4) 明瞭性の原則(principle of fair disclosure) 企業会計は、企業の姿を映し出す鏡だとした場合、企業の真実の姿をできるだけ明瞭な形で反映するものでなければならない。会計(accounting)とはそもそも、財務諸表によって、出資者や債権者などの利害関係者の意思決定に資するために、企業の状況や会計事実を明瞭に開示することで、経営者の説明責任(accountability)を全うするためのものである。従って、この明瞭性の原則は、正確な帳簿の作成を求める「正規の簿記の原則」とあいまって、正確な開示という企業会計の使命実現にとってきわめて重要な意義を有している。その使命実現のために、財務諸表自体を明瞭で分かりやすいものにすると同時に、附属明細表などを利用して必要な情報を補足しなければならない。五企業会計は、その処理の原則及び手続を毎期継続して適用し、みだりにこれを変更してはならない。(注1-2) (注3) 継続性の原則(principle of continuity) 企業が、その業種や規模により、自ら最も適していると判断する会計原則や手続きを採用することは、一般に公正妥当と認められる限り自由である(経理自由の原則)。しかし、その採用した原則を毎期自由に変更することを認めると、利益操作を行う余地を与え、また期毎の比較を困難にする等の問題が生じてしまう。この原則はこうした問題を防ぎ、経理の首尾一貫性を担保するものである。ただし、経済環境の変化や経営方針の変更(変更することで企業会計がより合理的になる場合)など、正当な理由がある場合には変更は認められる。六企業の財政に不利な影響を及ぼす可能性がある場合には、これに備えて適当に健全な会計処理をしなければならない。(注4) 保守主義の原則(principle of conservatism) 「損失は予想すれども利益は予想すべからず」という思想はこの原則に立脚している。これは、貸倒引当金の手当や一部の資産に対して低価主義を採用して評価損を計上する一方、資産に対して原価主義を採用して評価益の計上を抑え、収益に対しては未実現利益の計上を抑えること等を指す。これは、債権者の保護、配当や納税のための資金的裏付けのある利益を算出する必要があること、企業の経営維持の目的などのためである。しかし、過度の保守主義は、期間損益計算を不適正にさせる結果となるため、真実性の原則に反して認められない。七株主総会提出のため、信用目的のため、租税目的のため等種々の目的のために異なる形式の財務諸表を作成する必要がある場合、それらの内容は、信頼しうる会計記録に基づいて作成されたものであって、政策の考慮のために事実の真実な表示をゆがめてはならない。単一性の原則(principle of consistency)は、企業が会社内部で作成する会計帳簿は一つだけしか認めないとする原則で、いわゆる二重帳簿など不正な経理を戒めることを狙いとしている。企業は財務諸表をさまざまな目的、例えば、商法の要請による株主総会提出のため、金融商品取引法(旧証取法)の要請による信用目的のため、納税申告のために作成するが、様々な形式を持つそれらの財務諸表の源はただ一つでなくてはいけない(実質一元・形式多元)とする原則である。つまり、どのような会計帳簿も、日々の正確な会計記録から誘導的に作成されたものでなくてはならないのである。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "法学>民事法>商法>会計基準>企業会計原則 - 第一一般原則", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "一企業会計は、企業の財政状態及び経営成績に関して、真実な報告を提供するものでなければならない。", "title": "真実性の原則" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "真実性の原則(principle of true and fair view)", "title": "真実性の原則" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "真実性の原則は、他の一般原則の上位に位置づけられるもので、企業会計原則全般に共通する原則である。", "title": "真実性の原則" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "企業会計はある程度企業側にその採用する会計処理について個々の企業に最適なやり方を選択する自由を認めている(経理自由の原則)。しかし、それはあくまで一般に公正妥当と認められる範囲でのことであって、この原則はその自由性に一定の限界があることを示している。", "title": "真実性の原則" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "すなわち、作成される会計報告は誰がやっても全く同じになるといった「絶対的真実」ではなく、ある程度の幅を持った「相対的真実」であるということができる。", "title": "真実性の原則" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "二企業会計は、すべての取引につき、正規の簿記の原則に従って、正確な会計帳簿を作成しなければならない。(注1)", "title": "正規の簿記の原則" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "正規の簿記の原則(principle of orderly bookkeeping)", "title": "正規の簿記の原則" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "企業会計は利害関係者に対して正確な財務諸表を開示するという目的を持つことから、正規の簿記の原則が定められている。この原則は、正確な会計帳簿を実現するために、次の3つの要件を満たすことを求めている。", "title": "正規の簿記の原則" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "これらを実現するためには一般的に、取引発生順の記録としての仕訳帳と勘定科目別記録である総勘定元帳の2つを、複式簿記の原理に基づいて作成した結果として、誘導的に財務諸表を作成することである、とされている。", "title": "正規の簿記の原則" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "三資本取引と損益取引とを明瞭に区別し、特に資本剰余金と利益剰余金とを混同してはならない。(注2)", "title": "資本取引・損益取引区分の原則" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "資本と利益の区別の原則(principle of distinction between capital and earnings)", "title": "資本取引・損益取引区分の原則" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "これは企業財務の健全性を保つために要請される原則で、タコ配(資本を利益として食いつぶすこと)や、逆の場合として利益隠しといった不健全な経理操作を防ぐことで、企業の永続と発展を期待するものである。", "title": "資本取引・損益取引区分の原則" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "資本取引とは、資本の増減、転換を伴う取引であり、会社設立時の元入、増資や減資、転換社債の株式への転換などがある。", "title": "資本取引・損益取引区分の原則" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "損益取引とは、費用または収益を生じさせる取引であり、経営活動の結果生じるものである。", "title": "資本取引・損益取引区分の原則" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "資本取引から生じた資本剰余金と損益取引から生じた利益剰余金を明確に区別して、貸借対照表を作成する必要があるのである。", "title": "資本取引・損益取引区分の原則" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "四企業会計は、財務諸表によって、利害関係者に対し必要な会計事実を明瞭に表示し、企業の状況に関する判断を誤らせないようにしなければならない。(注1) (注1-2) (注1-3) (注1-4)", "title": "明瞭性の原則" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "明瞭性の原則(principle of fair disclosure)", "title": "明瞭性の原則" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "企業会計は、企業の姿を映し出す鏡だとした場合、企業の真実の姿をできるだけ明瞭な形で反映するものでなければならない。", "title": "明瞭性の原則" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "会計(accounting)とはそもそも、財務諸表によって、出資者や債権者などの利害関係者の意思決定に資するために、企業の状況や会計事実を明瞭に開示することで、経営者の説明責任(accountability)を全うするためのものである。従って、この明瞭性の原則は、正確な帳簿の作成を求める「正規の簿記の原則」とあいまって、正確な開示という企業会計の使命実現にとってきわめて重要な意義を有している。", "title": "明瞭性の原則" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "その使命実現のために、財務諸表自体を明瞭で分かりやすいものにすると同時に、附属明細表などを利用して必要な情報を補足しなければならない。", "title": "明瞭性の原則" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "五企業会計は、その処理の原則及び手続を毎期継続して適用し、みだりにこれを変更してはならない。(注1-2) (注3)", "title": "継続性の原則" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "継続性の原則(principle of continuity)", "title": "継続性の原則" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "企業が、その業種や規模により、自ら最も適していると判断する会計原則や手続きを採用することは、一般に公正妥当と認められる限り自由である(経理自由の原則)。しかし、その採用した原則を毎期自由に変更することを認めると、利益操作を行う余地を与え、また期毎の比較を困難にする等の問題が生じてしまう。この原則はこうした問題を防ぎ、経理の首尾一貫性を担保するものである。ただし、経済環境の変化や経営方針の変更(変更することで企業会計がより合理的になる場合)など、正当な理由がある場合には変更は認められる。", "title": "継続性の原則" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "六企業の財政に不利な影響を及ぼす可能性がある場合には、これに備えて適当に健全な会計処理をしなければならない。(注4)", "title": "保守主義（安全性）の原則" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "保守主義の原則(principle of conservatism)", "title": "保守主義（安全性）の原則" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "「損失は予想すれども利益は予想すべからず」という思想はこの原則に立脚している。これは、貸倒引当金の手当や一部の資産に対して低価主義を採用して評価損を計上する一方、資産に対して原価主義を採用して評価益の計上を抑え、収益に対しては未実現利益の計上を抑えること等を指す。", "title": "保守主義（安全性）の原則" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "これは、債権者の保護、配当や納税のための資金的裏付けのある利益を算出する必要があること、企業の経営維持の目的などのためである。しかし、過度の保守主義は、期間損益計算を不適正にさせる結果となるため、真実性の原則に反して認められない。", "title": "保守主義（安全性）の原則" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "七株主総会提出のため、信用目的のため、租税目的のため等種々の目的のために異なる形式の財務諸表を作成する必要がある場合、それらの内容は、信頼しうる会計記録に基づいて作成されたものであって、政策の考慮のために事実の真実な表示をゆがめてはならない。", "title": "単一性の原則" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "単一性の原則(principle of consistency)は、企業が会社内部で作成する会計帳簿は一つだけしか認めないとする原則で、いわゆる二重帳簿など不正な経理を戒めることを狙いとしている。", "title": "単一性の原則" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "企業は財務諸表をさまざまな目的、例えば、商法の要請による株主総会提出のため、金融商品取引法(旧証取法)の要請による信用目的のため、納税申告のために作成するが、様々な形式を持つそれらの財務諸表の源はただ一つでなくてはいけない(実質一元・形式多元)とする原則である。", "title": "単一性の原則" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "つまり、どのような会計帳簿も、日々の正確な会計記録から誘導的に作成されたものでなくてはならないのである。", "title": "単一性の原則" } ]	法学＞民事法＞商法＞会計基準＞企業会計原則 - 第一　一般原則	[[法学]]＞[[民事法]]＞[[商法]]＞[[会計基準]]＞[[企業会計原則]] - 第一　一般原則 ==真実性の原則== ===条文=== 一　企業会計は、企業の財政状態及び経営成績に関して、真実な報告を提供するものでなければならない。 ===解説=== '''真実性の原則'''(principle of true and fair view) 真実性の原則は、他の一般原則の上位に位置づけられるもので、企業会計原則全般に共通する原則である。企業会計はある程度企業側にその採用する会計処理について個々の企業に最適なやり方を選択する自由を認めている（経理自由の原則）。しかし、それはあくまで一般に公正妥当と認められる範囲でのことであって、この原則はその自由性に一定の限界があることを示している。すなわち、作成される会計報告は誰がやっても全く同じになるといった「絶対的真実」ではなく、ある程度の幅を持った「相対的真実」であるということができる。 ==正規の簿記の原則== ===条文=== 二　企業会計は、すべての取引につき、正規の簿記の原則に従って、正確な会計帳簿を作成しなければならない。[[企業会計原則注解#注１重要性の原則の適用について\|(注1)]] ===解説=== '''正規の簿記の原則'''(principle of orderly bookkeeping) 企業会計は利害関係者に対して正確な財務諸表を開示するという目的を持つことから、正規の簿記の原則が定められている。この原則は、正確な会計帳簿を実現するために、次の３つの要件を満たすことを求めている。企業の経済活動のすべてが網羅的に記録されていること（網羅性）会計記録が検証可能な証拠資料に基づいていること（立証性）すべての会計記録が継続的・組織的に行われていること（秩序性）これらを実現するためには一般的に、取引発生順の記録としての仕訳帳と勘定科目別記録である総勘定元帳の２つを、複式簿記の原理に基づいて作成した結果として、誘導的に財務諸表を作成することである、とされている。 ==資本取引・損益取引区分の原則== ===条文=== 三　資本取引と損益取引とを明瞭に区別し、特に資本剰余金と利益剰余金とを混同してはならない。[[企業会計原則注解#注２資本取引と損益取引との区別について\|(注2)]] ===解説=== '''資本と利益の区別の原則'''(principle of distinction between capital and earnings) これは企業財務の健全性を保つために要請される原則で、タコ配（資本を利益として食いつぶすこと）や、逆の場合として利益隠しといった不健全な経理操作を防ぐことで、企業の永続と発展を期待するものである。 '''資本取引'''とは、資本の増減、転換を伴う取引であり、会社設立時の元入、増資や減資、[[w:転換社債\|転換社債]]の株式への転換などがある。 '''損益取引'''とは、費用または収益を生じさせる取引であり、経営活動の結果生じるものである。資本取引から生じた資本剰余金と損益取引から生じた利益剰余金を明確に区別して、[[w:貸借対照表\|貸借対照表]]を作成する必要があるのである。 ==明瞭性の原則== ===条文=== 四　企業会計は、財務諸表によって、利害関係者に対し必要な会計事実を明瞭に表示し、企業の状況に関する判断を誤らせないようにしなければならない。[[企業会計原則注解#注１重要性の原則の適用について\|(注1)]] [[企業会計原則注解#注１－２重要な会計方針の開示について\|(注1-2)]] [[企業会計原則注解#注１－３重要な後発事象の開示について\|(注1-3)]] [[企業会計原則注解#注１－４注記事項の記載方法について\|(注1-4)]] ===解説=== '''明瞭性の原則'''(principle of fair disclosure) 企業会計は、企業の姿を映し出す鏡だとした場合、企業の真実の姿をできるだけ明瞭な形で反映するものでなければならない。会計(accounting)とはそもそも、財務諸表によって、出資者や債権者などの利害関係者の意思決定に資するために、企業の状況や会計事実を明瞭に開示することで、経営者の[[w:説明責任\|説明責任]](accountability）を全うするためのものである。従って、この明瞭性の原則は、正確な帳簿の作成を求める「正規の簿記の原則」とあいまって、正確な開示という企業会計の使命実現にとってきわめて重要な意義を有している。その使命実現のために、財務諸表自体を明瞭で分かりやすいものにすると同時に、附属明細表などを利用して必要な情報を補足しなければならない。財務諸表での明瞭性の実現総額での表示（総額主義）費用と収益の対応表示 *分かりやすい科目区分と配列による表示財務諸表の注記、附属明細表による明瞭性の実現重要な会計方針の開示（[[企業会計原則注解#注１－２重要な会計方針の開示について\|企業会計原則注解注１－２）]] 重要な後発事象の開示（[[企業会計原則注解#注１－３重要な後発事象の開示について\|企業会計原則注解注１－３）]]） **その他の重要事項の注記（[[企業会計原則注解#注１－４注記事項の記載方法について\|企業会計原則注解注１－４）]]） ==継続性の原則== ===条文=== 五企業会計は、その処理の原則及び手続を毎期継続して適用し、みだりにこれを変更してはならない。[[企業会計原則注解#注１－２重要な会計方針の開示について\|(注1-2)]] [[企業会計原則注解#注３継続性の原則について\|(注3)]] ===解説=== '''継続性の原則'''(principle of continuity) 企業が、その業種や規模により、自ら最も適していると判断する会計原則や手続きを採用することは、一般に公正妥当と認められる限り自由である（経理自由の原則）。しかし、その採用した原則を毎期自由に変更することを認めると、利益操作を行う余地を与え、また期毎の比較を困難にする等の問題が生じてしまう。この原則はこうした問題を防ぎ、経理の首尾一貫性を担保するものである。ただし、経済環境の変化や経営方針の変更（変更することで企業会計がより合理的になる場合）など、正当な理由がある場合には変更は認められる。 ==保守主義（安全性）の原則== ===条文=== 六　企業の財政に不利な影響を及ぼす可能性がある場合には、これに備えて適当に健全な会計処理をしなければならない。[[企業会計原則注解#注４保守主義の原則について\|(注4)]] ===解説=== '''保守主義の原則'''(principle of conservatism) 「損失は予想すれども利益は予想すべからず」という思想はこの原則に立脚している。これは、貸倒引当金の手当や一部の資産に対して低価主義を採用して評価損を計上する一方、資産に対して原価主義を採用して評価益の計上を抑え、収益に対しては未実現利益の計上を抑えること等を指す。これは、債権者の保護、配当や納税のための資金的裏付けのある利益を算出する必要があること、企業の経営維持の目的などのためである。しかし、過度の保守主義は、期間損益計算を不適正にさせる結果となるため、真実性の原則に反して認められない。 ==単一性の原則== ===条文=== 七　株主総会提出のため、信用目的のため、租税目的のため等種々の目的のために異なる形式の財務諸表を作成する必要がある場合、それらの内容は、信頼しうる会計記録に基づいて作成されたものであって、政策の考慮のために事実の真実な表示をゆがめてはならない。 ===解説=== '''単一性の原則'''(principle of consistency)は、企業が会社内部で作成する会計帳簿は一つだけしか認めないとする原則で、いわゆる二重帳簿など不正な経理を戒めることを狙いとしている。企業は財務諸表をさまざまな目的、例えば、商法の要請による[[w:株主総会\|株主総会]]提出のため、[[w:金融商品取引法\|金融商品取引法]]（旧証取法）の要請による信用目的のため、納税申告のために作成するが、様々な形式を持つそれらの財務諸表の源はただ一つでなくてはいけない（実質一元・形式多元）とする原則である。つまり、どのような会計帳簿も、日々の正確な会計記録から誘導的に作成されたものでなくてはならないのである。 [[Category:企業会計原則\|いつはん]]	null	2015-11-01T12:46:38Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E4%BC%81%E6%A5%AD%E4%BC%9A%E8%A8%88%E5%8E%9F%E5%89%87_(%E4%B8%80%E8%88%AC%E5%8E%9F%E5%89%87)
7,965	企業会計原則 (損益計算書原則)	企業会計原則 - 第二損益計算書原則損益計算書は、企業の経営成績を明らかにするため、一会計期間に属するすべての収益とこれに対応するすべての費用とを記載して経常利益を表示し、これに特別損益に属する項目を加減して当期純利益を表示しなければならない。すべての費用及び収益は、その支出及び収入に基づいて計上し、その発生した期間に正しく割当てられるように処理しなければならない。ただし、未実現収益は、原則として、当期の損益計算に計上してはならない。前払費用及び前受収益は、これを当期の損益計算から除去し、未払費用及び未収収益は、当期の損益計算に計上しなければならない。(注5) 費用及び収益は、総額によって記載することを原則とし、費用の項目と収益の項目とを直接に相殺することによってその全部又は一部を損益計算書から除去してはならない。費用及び収益は、その発生源泉に従って明瞭に分類し、各収益項目とそれに関連する費用項目とを損益計算書に対応表示しなければならない。損益計算書には、営業損益計算、経常損益計算及び純損益計算の区分を設けなければならない。営業損益計算の区分は、当該企業の営業活動から生ずる費用及び収益を記載して、営業利益を計算する。二つ以上の営業を目的とする企業にあっては、その費用及び収益を主要な営業別に区分して記載する。経常損益計算の区分は、営業損益計算の結果を受けて、利息及び割引料、有価証券売却損益その他営業活動以外の原因から生ずる損益であって特別損益に属しないものを記載し、経常利益を計算する。純損益計算の区分は、経常損益計算の結果を受けて、前期損益修正額、固定資産売却損益等の特別損益を記載し、当期純利益を計算する。純損益計算の結果を受けて、前期繰越利益等を記載し、当期未処分利益を計算する。営業損益計算は、一会計期間に属する売上高と売上原価とを記載して売上総利益を計算し、これから販売費及び一般管理費を控除して、営業利益を表示する。企業が商品等の販売と役務の給付とをともに主たる営業とする場合には、商品等の売上高と役務による営業収益とは、これを区別して記載する。売上高は、実現主義の原則に従い、商品等の販売又は役務の給付によって実現したものに限る。ただし、長期の未完成請負工事等については、合理的に収益を見積もり、これを当期の損益計算に計上することができる。(注6) (注7) 売上原価は、売上高に対応する商品等の仕入原価又は製造原価であって、商業の場合には、期首商品たな卸高に当期商品仕入高を加え、これから期末商品たな卸高を控除する形式で表示し、製造工業の場合には、期首製品たな卸高に当期製品製造原価を加え、これから期末製品たな卸高を控除する形式で表示する。(注8) (注9) (注10) 売上総利益は、売上高から売上原価を控除して表示する。役務の給付を営業とする場合には、営業収益から役務の費用を控除して総利益を表示する。同一企業の各経営部門の間における商品等の移転によって発生した内部利益は、売上高及び売上原価を算定するに当たって除去しなければならない。(注11) 営業利益は、売上総利益から販売費及び一般管理費を控除して表示する。販売費及び一般管理費は、適当な科目に分類して営業損益計算の区分に記載し、これを売上原価及び期末たな卸高に算入してはならない。ただし、長期の請負工事については、販売費及び一般管理費を適当な比率で請負工事に配分し、売上原価及び期末たな卸高に算入することができる。営業外損益は、受取利息及び割引料、有価証券売却益等の営業外収益と支払利息及び割引料、有価証券売却損、有価証券評価損等の営業外費用とに区分して表示する。経常利益は、営業利益に営業外収益を加え、これから営業外費用を控除して表示する。特別損益は、前期損益修正益、固定資産売却益等の特別利益と前期損益修正損、固定資産売却損、災害による損失等の特別損失とに区分して表示する。(注12) 税引前当期純利益は、経常利益に特別利益を加え、これから特別損失を控除して表示する。当期純利益は、税引前当期純利益から当期の負担に属する法人税額、住民税額等を控除して表示する。(注13) 当期未処分利益は、当期純利益に前期繰越利益、一定の目的のために設定した積立金のその目的に従った取崩額、中間配当額、中間配当に伴う利益準備金の積立額等を加減して表示する。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "企業会計原則 - 第二損益計算書原則", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "損益計算書は、企業の経営成績を明らかにするため、一会計期間に属するすべての収益とこれに対応するすべての費用とを記載して経常利益を表示し、これに特別損益に属する項目を加減して当期純利益を表示しなければならない。", "title": "一　損益計算書の本質 " }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "すべての費用及び収益は、その支出及び収入に基づいて計上し、その発生した期間に正しく割当てられるように処理しなければならない。ただし、未実現収益は、原則として、当期の損益計算に計上してはならない。", "title": "一　損益計算書の本質 " }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "前払費用及び前受収益は、これを当期の損益計算から除去し、未払費用及び未収収益は、当期の損益計算に計上しなければならない。(注5)", "title": "一　損益計算書の本質 " }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "費用及び収益は、総額によって記載することを原則とし、費用の項目と収益の項目とを直接に相殺することによってその全部又は一部を損益計算書から除去してはならない。", "title": "一　損益計算書の本質 " }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "費用及び収益は、その発生源泉に従って明瞭に分類し、各収益項目とそれに関連する費用項目とを損益計算書に対応表示しなければならない。", "title": "一　損益計算書の本質 " }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "損益計算書には、営業損益計算、経常損益計算及び純損益計算の区分を設けなければならない。", "title": "二　損益計算書の区分 " }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "営業損益計算の区分は、当該企業の営業活動から生ずる費用及び収益を記載して、営業利益を計算する。", "title": "二　損益計算書の区分 " }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "二つ以上の営業を目的とする企業にあっては、その費用及び収益を主要な営業別に区分して記載する。", "title": "二　損益計算書の区分 " }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "経常損益計算の区分は、営業損益計算の結果を受けて、利息及び割引料、有価証券売却損益その他営業活動以外の原因から生ずる損益であって特別損益に属しないものを記載し、経常利益を計算する。", "title": "二　損益計算書の区分 " }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "純損益計算の区分は、経常損益計算の結果を受けて、前期損益修正額、固定資産売却損益等の特別損益を記載し、当期純利益を計算する。", "title": "二　損益計算書の区分 " }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "純損益計算の結果を受けて、前期繰越利益等を記載し、当期未処分利益を計算する。", "title": "二　損益計算書の区分 " }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "営業損益計算は、一会計期間に属する売上高と売上原価とを記載して売上総利益を計算し、これから販売費及び一般管理費を控除して、営業利益を表示する。", "title": "三　営業利益 " }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "企業が商品等の販売と役務の給付とをともに主たる営業とする場合には、商品等の売上高と役務による営業収益とは、これを区別して記載する。", "title": "三　営業利益 " }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "売上高は、実現主義の原則に従い、商品等の販売又は役務の給付によって実現したものに限る。ただし、長期の未完成請負工事等については、合理的に収益を見積もり、これを当期の損益計算に計上することができる。(注6) (注7)", "title": "三　営業利益 " }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "売上原価は、売上高に対応する商品等の仕入原価又は製造原価であって、商業の場合には、期首商品たな卸高に当期商品仕入高を加え、これから期末商品たな卸高を控除する形式で表示し、製造工業の場合には、期首製品たな卸高に当期製品製造原価を加え、これから期末製品たな卸高を控除する形式で表示する。(注8) (注9) (注10)", "title": "三　営業利益 " }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "売上総利益は、売上高から売上原価を控除して表示する。役務の給付を営業とする場合には、営業収益から役務の費用を控除して総利益を表示する。", "title": "三　営業利益 " }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "同一企業の各経営部門の間における商品等の移転によって発生した内部利益は、売上高及び売上原価を算定するに当たって除去しなければならない。(注11)", "title": "三　営業利益 " }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "営業利益は、売上総利益から販売費及び一般管理費を控除して表示する。販売費及び一般管理費は、適当な科目に分類して営業損益計算の区分に記載し、これを売上原価及び期末たな卸高に算入してはならない。ただし、長期の請負工事については、販売費及び一般管理費を適当な比率で請負工事に配分し、売上原価及び期末たな卸高に算入することができる。", "title": "三　営業利益 " }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "営業外損益は、受取利息及び割引料、有価証券売却益等の営業外収益と支払利息及び割引料、有価証券売却損、有価証券評価損等の営業外費用とに区分して表示する。", "title": "四　営業外損益 " }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "経常利益は、営業利益に営業外収益を加え、これから営業外費用を控除して表示する。", "title": "五　経常利益 " }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "特別損益は、前期損益修正益、固定資産売却益等の特別利益と前期損益修正損、固定資産売却損、災害による損失等の特別損失とに区分して表示する。(注12)", "title": "六　特別損益 " }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "税引前当期純利益は、経常利益に特別利益を加え、これから特別損失を控除して表示する。", "title": "七　税引前当期純利益 " }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "当期純利益は、税引前当期純利益から当期の負担に属する法人税額、住民税額等を控除して表示する。(注13)", "title": "八　当期純利益 " }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "当期未処分利益は、当期純利益に前期繰越利益、一定の目的のために設定した積立金のその目的に従った取崩額、中間配当額、中間配当に伴う利益準備金の積立額等を加減して表示する。", "title": "九　当期未処分利益 " } ]	企業会計原則 - 第二　損益計算書原則	[[企業会計原則]] - 第二　損益計算書原則 == <b id="1">一　損益計算書の本質 </b>== ===条文=== 損益計算書は、企業の経営成績を明らかにするため、一会計期間に属するすべての収益とこれに対応するすべての費用とを記載して経常利益を表示し、これに特別損益に属する項目を加減して当期純利益を表示しなければならない。 ===解説=== ===<b id="2">Ａ　発生主義の原則 </b>=== ====条文==== すべての費用及び収益は、その支出及び収入に基づいて計上し、その発生した期間に正しく割当てられるように処理しなければならない。ただし、未実現収益は、原則として、当期の損益計算に計上してはならない。前払費用及び前受収益は、これを当期の損益計算から除去し、未払費用及び未収収益は、当期の損益計算に計上しなければならない。(注5) ====解説==== ===<b id="3">Ｂ　総額主義の原則 </b>=== ====条文==== 費用及び収益は、総額によって記載することを原則とし、費用の項目と収益の項目とを直接に相殺することによってその全部又は一部を損益計算書から除去してはならない。 ====解説==== ===<b id="4">Ｃ　費用収益対応の原則 </b>=== ====条文==== 費用及び収益は、その発生源泉に従って明瞭に分類し、各収益項目とそれに関連する費用項目とを損益計算書に対応表示しなければならない。 ====解説==== ==<b id="5">二　損益計算書の区分 </b>== ===条文=== 損益計算書には、営業損益計算、経常損益計算及び純損益計算の区分を設けなければならない。 ===解説=== ===<b id="6">Ａ　営業損益計算 </b>=== ====条文==== 営業損益計算の区分は、当該企業の営業活動から生ずる費用及び収益を記載して、営業利益を計算する。二つ以上の営業を目的とする企業にあっては、その費用及び収益を主要な営業別に区分して記載する。 ====解説==== ===<b id="7">Ｂ　経常損益計算 </b>=== ====条文==== 経常損益計算の区分は、営業損益計算の結果を受けて、利息及び割引料、有価証券売却損益その他営業活動以外の原因から生ずる損益であって特別損益に属しないものを記載し、経常利益を計算する。 ====解説==== ===<b id="8">Ｃ　純損益計算 </b>=== ====条文==== 純損益計算の区分は、経常損益計算の結果を受けて、前期損益修正額、固定資産売却損益等の特別損益を記載し、当期純利益を計算する。 ====解説==== ===<b id="9">Ｄ　未処分損益計算 </b>=== ====条文==== 純損益計算の結果を受けて、前期繰越利益等を記載し、当期未処分利益を計算する。 ====解説==== ==<b id="10">三　営業利益 </b>== ===条文=== 営業損益計算は、一会計期間に属する売上高と売上原価とを記載して売上総利益を計算し、これから販売費及び一般管理費を控除して、営業利益を表示する。 ===解説=== ===<b id="11">Ａ　役務業の兼業 </b>=== ====条文==== 企業が商品等の販売と役務の給付とをともに主たる営業とする場合には、商品等の売上高と役務による営業収益とは、これを区別して記載する。 ====解説==== ===<b id="12">Ｂ　売上高の計上基準 </b>=== ====条文==== 売上高は、実現主義の原則に従い、商品等の販売又は役務の給付によって実現したものに限る。ただし、長期の未完成請負工事等については、合理的に収益を見積もり、これを当期の損益計算に計上することができる。(注6) (注7) ====解説==== ===<b id="13">Ｃ　売上原価の表示方法 </b>=== ====条文==== 売上原価は、売上高に対応する商品等の仕入原価又は製造原価であって、商業の場合には、期首商品たな卸高に当期商品仕入高を加え、これから期末商品たな卸高を控除する形式で表示し、製造工業の場合には、期首製品たな卸高に当期製品製造原価を加え、これから期末製品たな卸高を控除する形式で表示する。(注8) (注9) (注10) ====解説==== ===<b id="14">Ｄ　売上総利益の表示 </b>=== ====条文==== 売上総利益は、売上高から売上原価を控除して表示する。役務の給付を営業とする場合には、営業収益から役務の費用を控除して総利益を表示する。 ====解説==== ===<b id="15">Ｅ　内部利益の除去 </b>=== ====条文==== 同一企業の各経営部門の間における商品等の移転によって発生した内部利益は、売上高及び売上原価を算定するに当たって除去しなければならない。(注11) ====解説==== ===<b id="16">Ｆ　販売費・一般管理費の計上と営業利益の計算 </b>=== ====条文==== 営業利益は、売上総利益から販売費及び一般管理費を控除して表示する。販売費及び一般管理費は、適当な科目に分類して営業損益計算の区分に記載し、これを売上原価及び期末たな卸高に算入してはならない。ただし、長期の請負工事については、販売費及び一般管理費を適当な比率で請負工事に配分し、売上原価及び期末たな卸高に算入することができる。 ====解説==== ==<b id="17">四　営業外損益 </b>== ===条文=== 営業外損益は、受取利息及び割引料、有価証券売却益等の営業外収益と支払利息及び割引料、有価証券売却損、有価証券評価損等の営業外費用とに区分して表示する。 ===解説=== ==<b id="18">五　経常利益 </b>== ===条文=== 経常利益は、営業利益に営業外収益を加え、これから営業外費用を控除して表示する。 ===解説=== ==<b id="19">六　特別損益 </b>== ===条文=== 特別損益は、前期損益修正益、固定資産売却益等の特別利益と前期損益修正損、固定資産売却損、災害による損失等の特別損失とに区分して表示する。(注12) ===解説=== ==<b id="20">七　税引前当期純利益 </b>== ===条文=== 税引前当期純利益は、経常利益に特別利益を加え、これから特別損失を控除して表示する。 ===解説=== ==<b id="21">八　当期純利益 </b>== ===条文=== 当期純利益は、税引前当期純利益から当期の負担に属する法人税額、住民税額等を控除して表示する。(注13) ===解説=== ==<b id="22">九　当期未処分利益 </b>== ===条文=== 当期未処分利益は、当期純利益に前期繰越利益、一定の目的のために設定した積立金のその目的に従った取崩額、中間配当額、中間配当に伴う利益準備金の積立額等を加減して表示する。 ===解説=== [[Category:企業会計原則\|そんえきけいさんしよけんそく]]	null	2018-01-29T07:56:20Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E4%BC%81%E6%A5%AD%E4%BC%9A%E8%A8%88%E5%8E%9F%E5%89%87_(%E6%90%8D%E7%9B%8A%E8%A8%88%E7%AE%97%E6%9B%B8%E5%8E%9F%E5%89%87)
7,973	企業会計原則 (貸借対照表の本質)	企業会計原則 - 第三貸借対照表原則 - 一貸借対照表の本質一貸借対照表の本質貸借対照表は、w:貸借対照表日におけるw:資産、w:負債及びw:資本を表示したものである。すなわち、w:貸借対照表のw:貸方(右側)にはその企業の資本の調達源泉である負債(他人資本)と自己資本が、w:借方(左側)には、その企業の資本の具体的運用形態である資産が表示されなければならない。なお、「資本」という用語は、新会社法実施以後、「純資産」という用語に置き換えられている。資産、負債及び資本は、適当な区分、配列、分類及び評価の基準に従って記載しなければならない。資産、負債及び資本は、総額によって記載することを原則とし、資産の項目と負債又は資本の項目とを相殺することによって、その全部又は一部を貸借対照表から除去してはならない。受取手形の割引高又は裏書譲渡高、保証債務等の偶発債務、債務の担保に供している資産、発行済株式1株当たり当期純利益及び同1株当たり純資産額等企業の財務内容を判断するために重要な事項は、貸借対照表に注記しなければならない。将来の期間に影響する特定の費用は、次期以後の期間に配分して処理するため、経過的に貸借対照表の資産の部に記載することができる。(注15) 貸借対照表の資産の合計金額は、負債と資本の合計金額に一致しなければならない。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "企業会計原則 - 第三貸借対照表原則 - 一貸借対照表の本質", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "一貸借対照表の本質", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "貸借対照表は、w:貸借対照表日におけるw:資産、w:負債及びw:資本を表示したものである。すなわち、w:貸借対照表のw:貸方(右側)にはその企業の資本の調達源泉である負債(他人資本)と自己資本が、w:借方(左側)には、その企業の資本の具体的運用形態である資産が表示されなければならない。", "title": "解説" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "なお、「資本」という用語は、新会社法実施以後、「純資産」という用語に置き換えられている。", "title": "解説" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "資産、負債及び資本は、適当な区分、配列、分類及び評価の基準に従って記載しなければならない。", "title": "Ａ　資産・負債・資本の記載の基準" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "資産、負債及び資本は、総額によって記載することを原則とし、資産の項目と負債又は資本の項目とを相殺することによって、その全部又は一部を貸借対照表から除去してはならない。", "title": "Ｂ　総額主義の原則" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "受取手形の割引高又は裏書譲渡高、保証債務等の偶発債務、債務の担保に供している資産、発行済株式1株当たり当期純利益及び同1株当たり純資産額等企業の財務内容を判断するために重要な事項は、貸借対照表に注記しなければならない。", "title": "Ｃ　注記事項" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "将来の期間に影響する特定の費用は、次期以後の期間に配分して処理するため、経過的に貸借対照表の資産の部に記載することができる。(注15)", "title": "Ｄ　繰延資産の計上" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "貸借対照表の資産の合計金額は、負債と資本の合計金額に一致しなければならない。", "title": "Ｅ　資産と負債・資本の平均" } ]	企業会計原則 - 第三貸借対照表原則 - 一貸借対照表の本質	[[企業会計原則]] - [[企業会計原則#第三　貸借対照表原則\|第三貸借対照表原則]] - 一貸借対照表の本質 ==条文== 一　貸借対照表の本質 :貸借対照表は、企業の財政状態を明らかにするため、貸借対照表日におけるすべての資産、負債及び資本を記載し、株主、債権者その他の利害関係者にこれを正しく表示するものでなければならない。ただし、正規の簿記の原則に従って処理された場合に生じた簿外資産及び簿外負債は、貸借対照表の記載外におくことができる。[[企業会計原則注解#注１重要性の原則の適用について\|(注1)]] ==解説== 貸借対照表は、[[w:貸借対照表日]]における[[w:資産]]、[[w:負債]]及び[[w:資本]]を表示したものである。すなわち、[[w:貸借対照表]]の[[w:貸方]]（右側）にはその企業の'''資本の調達源泉'''である負債（他人資本）と自己資本が、[[w:借方]]（左側）には、その企業の'''資本の具体的運用形態'''である資産が表示されなければならない。なお、「資本」という用語は、新[[会社法]]実施以後、「純資産」という用語に置き換えられている。 ==Ａ　資産・負債・資本の記載の基準== ===条文=== 資産、負債及び資本は、適当な区分、配列、分類及び評価の基準に従って記載しなければならない。 ===解説=== ==Ｂ　総額主義の原則== ===条文=== 資産、負債及び資本は、総額によって記載することを原則とし、資産の項目と負債又は資本の項目とを相殺することによって、その全部又は一部を貸借対照表から除去してはならない。 ===解説=== ==Ｃ　注記事項== ===条文=== 受取手形の割引高又は裏書譲渡高、保証債務等の偶発債務、債務の担保に供している資産、発行済株式1株当たり当期純利益及び同1株当たり純資産額等企業の財務内容を判断するために重要な事項は、貸借対照表に注記しなければならない。 ===解説=== ==Ｄ　繰延資産の計上== ===条文=== 将来の期間に影響する特定の費用は、次期以後の期間に配分して処理するため、経過的に貸借対照表の資産の部に記載することができる。[[企業会計原則注解#注15 将来の期間に影響する特定の費用について\|(注15)]] ===解説=== ==Ｅ　資産と負債・資本の平均== ===条文=== 貸借対照表の資産の合計金額は、負債と資本の合計金額に一致しなければならない。 ===解説=== [[Category:企業会計原則\|たいしやくたいしようひようのほんしつ]]	null	2015-11-01T12:48:50Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E4%BC%81%E6%A5%AD%E4%BC%9A%E8%A8%88%E5%8E%9F%E5%89%87_(%E8%B2%B8%E5%80%9F%E5%AF%BE%E7%85%A7%E8%A1%A8%E3%81%AE%E6%9C%AC%E8%B3%AA)
7,974	企業会計原則 (損益計算書の本質)	企業会計原則 - 第二損益計算書原則 - 一損益計算書の本質損益計算書は、企業の経営成績を明らかにするため、一会計期間に属するすべての収益とこれに対応するすべての費用とを記載して経常利益を表示し、これに特別損益に属する項目を加減して当期純利益を表示しなければならない。すべての費用及び収益は、その支出及び収入に基づいて計上し、その発生した期間に正しく割当てられるように処理しなければならない。ただし、未実現収益は、原則として、当期の損益計算に計上してはならない。前払費用及び前受収益は、これを当期の損益計算から除去し、未払費用及び未収収益は、当期の損益計算に計上しなければならない。(注5) 発生主義(accrual basis)は、費用や収益を現金の収支に基づいて認識する現金主義に対し、収益や費用を発生させる経済価値の変動の事実に基づいて会計処理を行おうとするものである。掛取引など現金を伴わない信用取引があった場合などに、正確な期間損益計算を実現するための基本原則である。発生主義が適用される会計処理には以下のものがある。費用及び収益は、総額によって記載することを原則とし、費用の項目と収益の項目とを直接に相殺することによってその全部又は一部を損益計算書から除去してはならない。対応する費用と収益を損益計算書において相殺して、その差額である利益(損失)だけを表示した場合、利害関係者は企業が期中に行った取引の規模を把握することができなくなる。そこで、明瞭性の原則が適用され、費用と収益は総額で表示しなくてはならないというものである。貸借対照表においても総額主義が適用される。(第三貸借対照表原則一 B) ただし、本来の営業業務にかかわらない、または投資活動の損益が利害関係者にとっての関心事であるとの理由で重要性の原則が適用され、純額表示が認められているものがある。 (純額表示が認められているもの) 費用及び収益は、その発生源泉に従って明瞭に分類し、各収益項目とそれに関連する費用項目とを損益計算書に対応表示しなければならない。費用収益対応の原則(principle of matching costs with revenues)とは、会計期間ごとの損益を正しく算出するために、収益とそれを得るために発生した費用が対応するように計上する原則をいう。発生主義によって認識される費用と実現主義によって認識される収益は認識の時期にずれが生じるため、両者のずれを調整する必要があるが、費用と収益の対応には、個別的対応と期間的対応がある。前者は商品の売上高と、それに対応する売上原価のように、対応関係が明確なものをいい、後者は個別的対応が困難なために、期間を媒介にしてその期間に発生した費用と同じ期間の収益を対応させるというものである。売上高と販売費及び一般管理費の対応、営業外収益と営業外費用の対応などが後者の例である。具体的には、当期の発生費用について、当期の収益に対応する部分と、次期以降の収益に対応する部分とに分け、後者については資産として計上する。例えば製造業において、材料費や労務費など、当期に発生した費用は当期製造費用として認識されるが、今期の費用(売上原価)として計上されるのは、当期に販売された製品に対応する部分だけで、残りは、棚卸資産(製品、仕掛品など)として計上する。また、機械などの固定資産についても、その機械の減価償却期間にわたって減価償却費(費用)を計上する。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "企業会計原則 - 第二損益計算書原則 - 一損益計算書の本質", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "損益計算書は、企業の経営成績を明らかにするため、一会計期間に属するすべての収益とこれに対応するすべての費用とを記載して経常利益を表示し、これに特別損益に属する項目を加減して当期純利益を表示しなければならない。", "title": "一　損益計算書の本質" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "すべての費用及び収益は、その支出及び収入に基づいて計上し、その発生した期間に正しく割当てられるように処理しなければならない。ただし、未実現収益は、原則として、当期の損益計算に計上してはならない。", "title": "一　損益計算書の本質" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "前払費用及び前受収益は、これを当期の損益計算から除去し、未払費用及び未収収益は、当期の損益計算に計上しなければならない。(注5)", "title": "一　損益計算書の本質" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "発生主義(accrual basis)は、費用や収益を現金の収支に基づいて認識する現金主義に対し、収益や費用を発生させる経済価値の変動の事実に基づいて会計処理を行おうとするものである。掛取引など現金を伴わない信用取引があった場合などに、正確な期間損益計算を実現するための基本原則である。", "title": "一　損益計算書の本質" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "発生主義が適用される会計処理には以下のものがある。", "title": "一　損益計算書の本質" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "費用及び収益は、総額によって記載することを原則とし、費用の項目と収益の項目とを直接に相殺することによってその全部又は一部を損益計算書から除去してはならない。", "title": "一　損益計算書の本質" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "対応する費用と収益を損益計算書において相殺して、その差額である利益(損失)だけを表示した場合、利害関係者は企業が期中に行った取引の規模を把握することができなくなる。そこで、明瞭性の原則が適用され、費用と収益は総額で表示しなくてはならないというものである。", "title": "一　損益計算書の本質" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "貸借対照表においても総額主義が適用される。(第三貸借対照表原則一 B)", "title": "一　損益計算書の本質" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "ただし、本来の営業業務にかかわらない、または投資活動の損益が利害関係者にとっての関心事であるとの理由で重要性の原則が適用され、純額表示が認められているものがある。", "title": "一　損益計算書の本質" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "(純額表示が認められているもの)", "title": "一　損益計算書の本質" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "費用及び収益は、その発生源泉に従って明瞭に分類し、各収益項目とそれに関連する費用項目とを損益計算書に対応表示しなければならない。", "title": "一　損益計算書の本質" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "費用収益対応の原則(principle of matching costs with revenues)とは、会計期間ごとの損益を正しく算出するために、収益とそれを得るために発生した費用が対応するように計上する原則をいう。", "title": "一　損益計算書の本質" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "発生主義によって認識される費用と実現主義によって認識される収益は認識の時期にずれが生じるため、両者のずれを調整する必要があるが、費用と収益の対応には、個別的対応と期間的対応がある。", "title": "一　損益計算書の本質" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "前者は商品の売上高と、それに対応する売上原価のように、対応関係が明確なものをいい、後者は個別的対応が困難なために、期間を媒介にしてその期間に発生した費用と同じ期間の収益を対応させるというものである。", "title": "一　損益計算書の本質" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "売上高と販売費及び一般管理費の対応、営業外収益と営業外費用の対応などが後者の例である。", "title": "一　損益計算書の本質" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "具体的には、当期の発生費用について、当期の収益に対応する部分と、次期以降の収益に対応する部分とに分け、後者については資産として計上する。", "title": "一　損益計算書の本質" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "例えば製造業において、材料費や労務費など、当期に発生した費用は当期製造費用として認識されるが、今期の費用(売上原価)として計上されるのは、当期に販売された製品に対応する部分だけで、残りは、棚卸資産(製品、仕掛品など)として計上する。", "title": "一　損益計算書の本質" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "また、機械などの固定資産についても、その機械の減価償却期間にわたって減価償却費(費用)を計上する。", "title": "一　損益計算書の本質" } ]	企業会計原則 - 第二損益計算書原則 - 一損益計算書の本質	[[企業会計原則]] - [[企業会計原則#第二　損益計算書原則\|第二損益計算書原則]] - 一損益計算書の本質 == 一　損益計算書の本質 == ===条文=== 損益計算書は、企業の経営成績を明らかにするため、一会計期間に属するすべての収益とこれに対応するすべての費用とを記載して経常利益を表示し、これに特別損益に属する項目を加減して当期純利益を表示しなければならない。 ===解説=== ===Ａ　発生主義の原則 === ====条文==== すべての費用及び収益は、その支出及び収入に基づいて計上し、その発生した期間に正しく割当てられるように処理しなければならない。ただし、未実現収益は、原則として、当期の損益計算に計上してはならない。前払費用及び前受収益は、これを当期の損益計算から除去し、未払費用及び未収収益は、当期の損益計算に計上しなければならない。[[企業会計原則注解#注５経過勘定項目について\|(注5)]] ====解説==== [[w:発生主義\|発生主義]]（accrual basis）は、費用や収益を現金の収支に基づいて認識する'''現金主義'''に対し、'''収益や費用を発生させる経済価値の変動'''の事実に基づいて会計処理を行おうとするものである。掛取引など現金を伴わない信用取引があった場合などに、正確な期間損益計算を実現するための基本原則である。発生主義が適用される会計処理には以下のものがある。費用の繰延（[[w:前払費用\|前払費用]]）収益の繰延（[[w:前受収益\|前受収益]]）費用の見越（[[w:未払費用\|未払費用]]）収益の見越（[[w:未収収益\|未収収益]]）固定資産の[[w:減価償却\|減価償却]] [[w:繰延資産\|繰延資産]]の計上 [[w:貸倒引当金\|貸倒引当金]]の計上 [[w:退職給付引当金\|退職給付引当金]]の計上 ===Ｂ　総額主義の原則 === ====条文==== 費用及び収益は、総額によって記載することを原則とし、費用の項目と収益の項目とを直接に相殺することによってその全部又は一部を損益計算書から除去してはならない。 ====解説==== 対応する費用と収益を損益計算書において相殺して、その差額である利益（損失）だけを表示した場合、利害関係者は企業が期中に行った取引の規模を把握することができなくなる。そこで、'''明瞭性の原則'''が適用され、費用と収益は総額で表示しなくてはならないというものである。貸借対照表においても総額主義が適用される。（[[企業会計原則#第三　貸借対照表原則\|第三貸借対照表原則一Ｂ]]）ただし、本来の営業業務にかかわらない、または投資活動の損益が利害関係者にとっての関心事であるとの理由で'''重要性の原則'''が適用され、純額表示が認められているものがある。（純額表示が認められているもの）売上・仕入れ値引き割戻し高為替差損益固定資産売却損益有価証券売却損益 ===Ｃ　費用収益対応の原則 === ====条文==== 費用及び収益は、その発生源泉に従って明瞭に分類し、各収益項目とそれに関連する費用項目とを損益計算書に対応表示しなければならない。 ====解説==== 費用収益対応の原則（principle of matching costs with revenues）とは、会計期間ごとの損益を正しく算出するために、収益とそれを得るために発生した費用が対応するように計上する原則をいう。 '''発生主義'''によって認識される費用と'''実現主義'''によって認識される収益は認識の時期にずれが生じるため、両者のずれを調整する必要があるが、費用と収益の対応には、個別的対応と期間的対応がある。前者は商品の売上高と、それに対応する売上原価のように、対応関係が明確なものをいい、後者は個別的対応が困難なために、期間を媒介にしてその期間に発生した費用と同じ期間の収益を対応させるというものである。売上高と販売費及び一般管理費の対応、営業外収益と営業外費用の対応などが後者の例である。具体的には、当期の発生費用について、当期の収益に対応する部分と、次期以降の収益に対応する部分とに分け、後者については資産として計上する。例えば製造業において、材料費や労務費など、当期に発生した費用は当期製造費用として認識されるが、今期の費用（売上原価）として計上されるのは、当期に販売された製品に対応する部分だけで、残りは、棚卸資産（製品、仕掛品など）として計上する。また、機械などの固定資産についても、その機械の減価償却期間にわたって減価償却費（費用）を計上する。 [[Category:企業会計原則\|そんえきけいさんしよのほんしつ]]	null	2015-11-01T12:48:19Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E4%BC%81%E6%A5%AD%E4%BC%9A%E8%A8%88%E5%8E%9F%E5%89%87_(%E6%90%8D%E7%9B%8A%E8%A8%88%E7%AE%97%E6%9B%B8%E3%81%AE%E6%9C%AC%E8%B3%AA)
7,975	企業会計原則 (損益計算書の区分)	企業会計原則 - 第二損益計算書原則 - 二損益計算書の区分損益計算書には、営業損益計算、経常損益計算及び純損益計算の区分を設けなければならない。営業損益計算の区分は、当該企業の営業活動から生ずる費用及び収益を記載して、営業利益を計算する。二つ以上の営業を目的とする企業にあっては、その費用及び収益を主要な営業別に区分して記載する。経常損益計算の区分は、営業損益計算の結果を受けて、利息及び割引料、有価証券売却損益その他営業活動以外の原因から生ずる損益であって特別損益に属しないものを記載し、経常利益を計算する。純損益計算の区分は、経常損益計算の結果を受けて、前期損益修正額、固定資産売却損益等の特別損益を記載し、当期純利益を計算する。純損益計算の結果を受けて、前期繰越利益等を記載し、当期未処分利益を計算する。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "企業会計原則 - 第二損益計算書原則 - 二損益計算書の区分", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "損益計算書には、営業損益計算、経常損益計算及び純損益計算の区分を設けなければならない。", "title": "二　損益計算書の区分" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "営業損益計算の区分は、当該企業の営業活動から生ずる費用及び収益を記載して、営業利益を計算する。", "title": "二　損益計算書の区分" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "二つ以上の営業を目的とする企業にあっては、その費用及び収益を主要な営業別に区分して記載する。", "title": "二　損益計算書の区分" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "経常損益計算の区分は、営業損益計算の結果を受けて、利息及び割引料、有価証券売却損益その他営業活動以外の原因から生ずる損益であって特別損益に属しないものを記載し、経常利益を計算する。", "title": "二　損益計算書の区分" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "純損益計算の区分は、経常損益計算の結果を受けて、前期損益修正額、固定資産売却損益等の特別損益を記載し、当期純利益を計算する。", "title": "二　損益計算書の区分" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "純損益計算の結果を受けて、前期繰越利益等を記載し、当期未処分利益を計算する。", "title": "二　損益計算書の区分" } ]	企業会計原則 - 第二　損益計算書原則 - 二損益計算書の区分	[[企業会計原則]] - [[企業会計原則#第二　損益計算書原則\|第二　損益計算書原則]] - 二損益計算書の区分 == 二　損益計算書の区分 == ===条文=== 損益計算書には、営業損益計算、経常損益計算及び純損益計算の区分を設けなければならない。 ===解説=== === Ａ　営業損益計算 === ====条文==== 営業損益計算の区分は、当該企業の営業活動から生ずる費用及び収益を記載して、営業利益を計算する。二つ以上の営業を目的とする企業にあっては、その費用及び収益を主要な営業別に区分して記載する。 ====解説==== === Ｂ　経常損益計算 === ====条文==== 経常損益計算の区分は、営業損益計算の結果を受けて、利息及び割引料、有価証券売却損益その他営業活動以外の原因から生ずる損益であって特別損益に属しないものを記載し、経常利益を計算する。 ====解説==== === Ｃ　純損益計算 === ====条文==== 純損益計算の区分は、経常損益計算の結果を受けて、前期損益修正額、固定資産売却損益等の特別損益を記載し、当期純利益を計算する。 ====解説==== === Ｄ　未処分損益計算 === ====条文==== 純損益計算の結果を受けて、前期繰越利益等を記載し、当期未処分利益を計算する。 ====解説==== [[Category:企業会計原則\|そんえきけいさんしよのくふん]]	null	2015-11-01T12:47:54Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E4%BC%81%E6%A5%AD%E4%BC%9A%E8%A8%88%E5%8E%9F%E5%89%87_(%E6%90%8D%E7%9B%8A%E8%A8%88%E7%AE%97%E6%9B%B8%E3%81%AE%E5%8C%BA%E5%88%86)
7,976	企業会計原則 (営業利益)	企業会計原則 - 第二損益計算書原則 - 三営業利益営業損益計算は、一会計期間に属する売上高と売上原価とを記載して売上総利益を計算し、これから販売費及び一般管理費を控除して、営業利益を表示する。企業が商品等の販売と役務の給付とをともに主たる営業とする場合には、商品等の売上高と役務による営業収益とは、これを区別して記載する。売上高は、実現主義の原則に従い、商品等の販売又は役務の給付によって実現したものに限る。ただし、長期の未完成請負工事等については、合理的に収益を見積もり、これを当期の損益計算に計上することができる。(注6) (注7) 売上原価は、売上高に対応する商品等の仕入原価又は製造原価であって、商業の場合には、期首商品たな卸高に当期商品仕入高を加え、これから期末商品たな卸高を控除する形式で表示し、製造工業の場合には、期首製品たな卸高に当期製品製造原価を加え、これから期末製品たな卸高を控除する形式で表示する。(注8) (注9) (注10) 売上総利益は、売上高から売上原価を控除して表示する。役務の給付を営業とする場合には、営業収益から役務の費用を控除して総利益を表示する。同一企業の各経営部門の間における商品等の移転によって発生した内部利益は、売上高及び売上原価を算定するに当たって除去しなければならない。(注11) 営業利益は、売上総利益から販売費及び一般管理費を控除して表示する。販売費及び一般管理費は、適当な科目に分類して営業損益計算の区分に記載し、これを売上原価及び期末たな卸高に算入してはならない。ただし、長期の請負工事については、販売費及び一般管理費を適当な比率で請負工事に配分し、売上原価及び期末たな卸高に算入することができる。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "企業会計原則 - 第二損益計算書原則 - 三営業利益", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "営業損益計算は、一会計期間に属する売上高と売上原価とを記載して売上総利益を計算し、これから販売費及び一般管理費を控除して、営業利益を表示する。", "title": "三　営業利益" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "企業が商品等の販売と役務の給付とをともに主たる営業とする場合には、商品等の売上高と役務による営業収益とは、これを区別して記載する。", "title": "三　営業利益" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "売上高は、実現主義の原則に従い、商品等の販売又は役務の給付によって実現したものに限る。ただし、長期の未完成請負工事等については、合理的に収益を見積もり、これを当期の損益計算に計上することができる。(注6) (注7)", "title": "三　営業利益" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "売上原価は、売上高に対応する商品等の仕入原価又は製造原価であって、商業の場合には、期首商品たな卸高に当期商品仕入高を加え、これから期末商品たな卸高を控除する形式で表示し、製造工業の場合には、期首製品たな卸高に当期製品製造原価を加え、これから期末製品たな卸高を控除する形式で表示する。(注8) (注9) (注10)", "title": "三　営業利益" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "売上総利益は、売上高から売上原価を控除して表示する。役務の給付を営業とする場合には、営業収益から役務の費用を控除して総利益を表示する。", "title": "三　営業利益" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "同一企業の各経営部門の間における商品等の移転によって発生した内部利益は、売上高及び売上原価を算定するに当たって除去しなければならない。(注11)", "title": "三　営業利益" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "営業利益は、売上総利益から販売費及び一般管理費を控除して表示する。販売費及び一般管理費は、適当な科目に分類して営業損益計算の区分に記載し、これを売上原価及び期末たな卸高に算入してはならない。ただし、長期の請負工事については、販売費及び一般管理費を適当な比率で請負工事に配分し、売上原価及び期末たな卸高に算入することができる。", "title": "三　営業利益" } ]	企業会計原則 - 第二　損益計算書原則 - 三　営業利益	[[企業会計原則]] - [[企業会計原則#第二　損益計算書原則\|第二　損益計算書原則]] - 三　営業利益 == 三　営業利益 == ===条文=== 営業損益計算は、一会計期間に属する売上高と売上原価とを記載して売上総利益を計算し、これから販売費及び一般管理費を控除して、営業利益を表示する。 ===解説=== === Ａ　役務業の兼業 === ====条文==== 企業が商品等の販売と役務の給付とをともに主たる営業とする場合には、商品等の売上高と役務による営業収益とは、これを区別して記載する。 ====解説==== === Ｂ　売上高の計上基準 === ====条文==== 売上高は、実現主義の原則に従い、商品等の販売又は役務の給付によって実現したものに限る。ただし、長期の未完成請負工事等については、合理的に収益を見積もり、これを当期の損益計算に計上することができる。(注6) (注7) ====解説==== === Ｃ　売上原価の表示方法 === ====条文==== 売上原価は、売上高に対応する商品等の仕入原価又は製造原価であって、商業の場合には、期首商品たな卸高に当期商品仕入高を加え、これから期末商品たな卸高を控除する形式で表示し、製造工業の場合には、期首製品たな卸高に当期製品製造原価を加え、これから期末製品たな卸高を控除する形式で表示する。(注8) (注9) (注10) ====解説==== === Ｄ　売上総利益の表示 === ====条文==== 売上総利益は、売上高から売上原価を控除して表示する。役務の給付を営業とする場合には、営業収益から役務の費用を控除して総利益を表示する。 ====解説==== === Ｅ　内部利益の除去 === ====条文==== 同一企業の各経営部門の間における商品等の移転によって発生した内部利益は、売上高及び売上原価を算定するに当たって除去しなければならない。(注11) ====解説==== === Ｆ　販売費・一般管理費の計上と営業利益の計算 === ====条文==== 営業利益は、売上総利益から販売費及び一般管理費を控除して表示する。販売費及び一般管理費は、適当な科目に分類して営業損益計算の区分に記載し、これを売上原価及び期末たな卸高に算入してはならない。ただし、長期の請負工事については、販売費及び一般管理費を適当な比率で請負工事に配分し、売上原価及び期末たな卸高に算入することができる。 ====解説==== [[Category:企業会計原則\|えいきようりえき]]	null	2015-11-01T12:47:02Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E4%BC%81%E6%A5%AD%E4%BC%9A%E8%A8%88%E5%8E%9F%E5%89%87_(%E5%96%B6%E6%A5%AD%E5%88%A9%E7%9B%8A)
7,977	企業会計原則 (営業外損益等)	企業会計原則 - 第二損益計算書原則 - 四 ~ 九営業外損益は、受取利息及び割引料、有価証券売却益等の営業外収益と支払利息及び割引料、有価証券売却損、有価証券評価損等の営業外費用とに区分して表示する。経常利益は、営業利益に営業外収益を加え、これから営業外費用を控除して表示する。特別損益は、前期損益修正益、固定資産売却益等の特別利益と前期損益修正損、固定資産売却損、災害による損失等の特別損失とに区分して表示する。(注12) 税引前当期純利益は、経常利益に特別利益を加え、これから特別損失を控除して表示する。当期純利益は、税引前当期純利益から当期の負担に属する法人税額、住民税額等を控除して表示する。(注13) 当期未処分利益は、当期純利益に前期繰越利益、一定の目的のために設定した積立金のその目的に従った取崩額、中間配当額、中間配当に伴う利益準備金の積立額等を加減して表示する。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "企業会計原則 - 第二損益計算書原則 - 四 ~ 九", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "営業外損益は、受取利息及び割引料、有価証券売却益等の営業外収益と支払利息及び割引料、有価証券売却損、有価証券評価損等の営業外費用とに区分して表示する。", "title": "四　営業外損益" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "経常利益は、営業利益に営業外収益を加え、これから営業外費用を控除して表示する。", "title": "五　経常利益" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "特別損益は、前期損益修正益、固定資産売却益等の特別利益と前期損益修正損、固定資産売却損、災害による損失等の特別損失とに区分して表示する。(注12)", "title": "六　特別損益" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "税引前当期純利益は、経常利益に特別利益を加え、これから特別損失を控除して表示する。", "title": "七　税引前当期純利益" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "当期純利益は、税引前当期純利益から当期の負担に属する法人税額、住民税額等を控除して表示する。(注13)", "title": "八　当期純利益" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "当期未処分利益は、当期純利益に前期繰越利益、一定の目的のために設定した積立金のその目的に従った取崩額、中間配当額、中間配当に伴う利益準備金の積立額等を加減して表示する。", "title": "九　当期未処分利益" } ]	企業会計原則 - 第二　損益計算書原則 - 四～九	[[企業会計原則]] - [[企業会計原則#第二　損益計算書原則\|第二　損益計算書原則]] - 四～九 == 四　営業外損益 == ===条文=== 営業外損益は、受取利息及び割引料、有価証券売却益等の営業外収益と支払利息及び割引料、有価証券売却損、有価証券評価損等の営業外費用とに区分して表示する。 ===解説=== == 五　経常利益 == ===条文=== 経常利益は、営業利益に営業外収益を加え、これから営業外費用を控除して表示する。 ===解説=== == 六　特別損益 == ===条文=== 特別損益は、前期損益修正益、固定資産売却益等の特別利益と前期損益修正損、固定資産売却損、災害による損失等の特別損失とに区分して表示する。(注12) ===解説=== == 七　税引前当期純利益 == ===条文=== 税引前当期純利益は、経常利益に特別利益を加え、これから特別損失を控除して表示する。 ===解説=== == 八　当期純利益 == ===条文=== 当期純利益は、税引前当期純利益から当期の負担に属する法人税額、住民税額等を控除して表示する。(注13) ===解説=== == 九　当期未処分利益 == ===条文=== 当期未処分利益は、当期純利益に前期繰越利益、一定の目的のために設定した積立金のその目的に従った取崩額、中間配当額、中間配当に伴う利益準備金の積立額等を加減して表示する。 ===解説=== [[Category:企業会計原則\|えいきようかいそんえきとう]]	null	2015-11-01T12:47:29Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E4%BC%81%E6%A5%AD%E4%BC%9A%E8%A8%88%E5%8E%9F%E5%89%87_(%E5%96%B6%E6%A5%AD%E5%A4%96%E6%90%8D%E7%9B%8A%E7%AD%89)
7,978	企業会計原則 (貸借対照表資産)	企業会計原則 - 第三貸借対照表原則 - 四貸借対照表科目の分類 - (一)資産資産、負債及び資本の各科目は、一定の基準に従って明瞭に分類しなければならない。資産は、流動資産に属する資産、固定資産に属する資産及び繰延資産に属する資産に区別しなければならない。仮払金、未決算等の勘定を貸借対照表に記載するには、その性質を示す適当な科目で表示しなければならない。(注16) 現金預金、市場性ある有価証券で一時的所有のもの、取引先との通常の商取引によって生じた受取手形、売掛金等の債権、商品、製品、半製品、原材料、仕掛品等のたな卸資産及び期限が一年以内に到来する債権は、流動資産に属するものとする。前払費用で一年以内に費用となるものは、流動資産に属するものとする。受取手形、売掛金その他流動資産に属する債権は、取引先との通常の商取引上の債権とその他の債権とに区別して表示しなければならない。固定資産は、有形固定資産、無形固定資産及び投資その他の資産に区分しなければならない。建物、構築物、機械装置、船舶、車両運搬具、工具器具備品、土地、建設仮勘定等は、有形固定資産に属するものとする。営業権、特許権、地上権、商標権等は、無形固定資産に属するものとする。子会社株式その他流動資産に属しない有価証券、出資金、長期貸付金並びに有形固定資産、無形固定資産及び繰延資産に属するもの以外の長期資産は、投資その他の資産に属するものとする。有形固定資産に対する減価償却累計額は、原則として、その資産が属する科目ごとに取得原価から控除する形式で記載する。(注17) 無形固定資産については、減価償却額を控除した未償却残高を記載する。創立費、開業費、新株発行費、社債発行費、社債発行差金、開発費、試験研究費及び建設利息は、繰延資産に属するものとする。これらの資産については、償却額を控除した未償却残高を記載する。(注15) 受取手形、売掛金その他の債権に対する貸倒引当金は、原則として、その債権が属する科目ごとに債権金額又は取得価額から控除する形式で記載する。(注17) (注18) 債権のうち、役員等企業の内部の者に対するものと親会社又は子会社に対するものは、特別の科目を設けて区別して表示し、又は注記の方法によりその内容を明瞭に示さなければならない。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "企業会計原則 - 第三貸借対照表原則 - 四貸借対照表科目の分類 - (一)資産", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "資産、負債及び資本の各科目は、一定の基準に従って明瞭に分類しなければならない。", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "資産は、流動資産に属する資産、固定資産に属する資産及び繰延資産に属する資産に区別しなければならない。仮払金、未決算等の勘定を貸借対照表に記載するには、その性質を示す適当な科目で表示しなければならない。(注16)", "title": "(一)資産" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "", "title": "(一)資産" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "現金預金、市場性ある有価証券で一時的所有のもの、取引先との通常の商取引によって生じた受取手形、売掛金等の債権、商品、製品、半製品、原材料、仕掛品等のたな卸資産及び期限が一年以内に到来する債権は、流動資産に属するものとする。", "title": "Ａ　流動資産の内容と表示" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "前払費用で一年以内に費用となるものは、流動資産に属するものとする。", "title": "Ａ　流動資産の内容と表示" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "受取手形、売掛金その他流動資産に属する債権は、取引先との通常の商取引上の債権とその他の債権とに区別して表示しなければならない。", "title": "Ａ　流動資産の内容と表示" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "", "title": "Ａ　流動資産の内容と表示" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "固定資産は、有形固定資産、無形固定資産及び投資その他の資産に区分しなければならない。", "title": "Ｂ　固定資産の分類及び内容" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "建物、構築物、機械装置、船舶、車両運搬具、工具器具備品、土地、建設仮勘定等は、有形固定資産に属するものとする。", "title": "Ｂ　固定資産の分類及び内容" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "営業権、特許権、地上権、商標権等は、無形固定資産に属するものとする。子会社株式その他流動資産に属しない有価証券、出資金、長期貸付金並びに有形固定資産、無形固定資産及び繰延資産に属するもの以外の長期資産は、投資その他の資産に属するものとする。", "title": "Ｂ　固定資産の分類及び内容" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "有形固定資産に対する減価償却累計額は、原則として、その資産が属する科目ごとに取得原価から控除する形式で記載する。(注17)", "title": "Ｂ　固定資産の分類及び内容" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "無形固定資産については、減価償却額を控除した未償却残高を記載する。", "title": "Ｂ　固定資産の分類及び内容" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "", "title": "Ｂ　固定資産の分類及び内容" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "創立費、開業費、新株発行費、社債発行費、社債発行差金、開発費、試験研究費及び建設利息は、繰延資産に属するものとする。これらの資産については、償却額を控除した未償却残高を記載する。(注15)", "title": "Ｃ　繰延資産の内容と表示" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "", "title": "Ｃ　繰延資産の内容と表示" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "受取手形、売掛金その他の債権に対する貸倒引当金は、原則として、その債権が属する科目ごとに債権金額又は取得価額から控除する形式で記載する。(注17) (注18)", "title": "Ｄ　貸倒引当金の表示" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "債権のうち、役員等企業の内部の者に対するものと親会社又は子会社に対するものは、特別の科目を設けて区別して表示し、又は注記の方法によりその内容を明瞭に示さなければならない。", "title": "Ｄ　貸倒引当金の表示" } ]	企業会計原則 - 第三貸借対照表原則 - 四貸借対照表科目の分類 - (一)資産	[[企業会計原則]] - [[企業会計原則#第三　貸借対照表原則\|第三貸借対照表原則]] - [[企業会計原則#四　貸借対照表科目の分類\|四貸借対照表科目の分類]] - (一)資産 == 条文 == 資産、負債及び資本の各科目は、一定の基準に従って明瞭に分類しなければならない。 == 解説 == == (一)資産 == === 条文 === 資産は、流動資産に属する資産、固定資産に属する資産及び繰延資産に属する資産に区別しなければならない。仮払金、未決算等の勘定を貸借対照表に記載するには、その性質を示す適当な科目で表示しなければならない。(注16) === 解説 === == Ａ　流動資産の内容と表示 == === 条文 === 現金預金、市場性ある有価証券で一時的所有のもの、取引先との通常の商取引によって生じた受取手形、売掛金等の債権、商品、製品、半製品、原材料、仕掛品等のたな卸資産及び期限が一年以内に到来する債権は、流動資産に属するものとする。前払費用で一年以内に費用となるものは、流動資産に属するものとする。受取手形、売掛金その他流動資産に属する債権は、取引先との通常の商取引上の債権とその他の債権とに区別して表示しなければならない。 === 解説 === == Ｂ　固定資産の分類及び内容 == === 条文 === 固定資産は、有形固定資産、無形固定資産及び投資その他の資産に区分しなければならない。建物、構築物、機械装置、船舶、車両運搬具、工具器具備品、土地、建設仮勘定等は、有形固定資産に属するものとする。営業権、特許権、地上権、商標権等は、無形固定資産に属するものとする。子会社株式その他流動資産に属しない有価証券、出資金、長期貸付金並びに有形固定資産、無形固定資産及び繰延資産に属するもの以外の長期資産は、投資その他の資産に属するものとする。有形固定資産に対する減価償却累計額は、原則として、その資産が属する科目ごとに取得原価から控除する形式で記載する。(注17) 無形固定資産については、減価償却額を控除した未償却残高を記載する。 == Ｃ　繰延資産の内容と表示 == === 条文 === 創立費、開業費、新株発行費、社債発行費、社債発行差金、開発費、試験研究費及び建設利息は、繰延資産に属するものとする。これらの資産については、償却額を控除した未償却残高を記載する。(注15) === 解説 === == Ｄ　貸倒引当金の表示 == === 条文 === 受取手形、売掛金その他の債権に対する貸倒引当金は、原則として、その債権が属する科目ごとに債権金額又は取得価額から控除する形式で記載する。(注17) (注18) 債権のうち、役員等企業の内部の者に対するものと親会社又は子会社に対するものは、特別の科目を設けて区別して表示し、又は注記の方法によりその内容を明瞭に示さなければならない。 === 解説 === [[カテゴリ:企業会計原則]]	null	2022-11-23T08:38:50Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E4%BC%81%E6%A5%AD%E4%BC%9A%E8%A8%88%E5%8E%9F%E5%89%87_(%E8%B2%B8%E5%80%9F%E5%AF%BE%E7%85%A7%E8%A1%A8%E8%B3%87%E7%94%A3)
7,979	企業会計原則 (貸借対照表負債)	企業会計原則 - 第三貸借対照表原則 - 四貸借対照表科目の分類 - (二)負債負債は、流動負債に属する負債と固定負債に属する負債とに区別しなければならない。仮受金、未決算等の勘定を貸借対照表に記載するには、その性質を示す適当な科目で表示しなければならない。(注16) 取引先との通常の商取引によって生じた支払手形、買掛金等の債務及び期限が一年以内に到来する債務は、流動負債に属するものとする。支払手形、買掛金その他流動負債に属する債務は、取引先との通常の商取引上の債務とその他の債務とに区別して表示しなければならない。引当金のうち、賞与引当金、工事補償引当金、修繕引当金のように、通常一年以内に使用される見込みのものは流動負債に属するものとする。(注18) 社債、長期借入金等の長期債務は、固定負債に属するものとする。引当金のうち、退職給与引当金、特別修繕引当金のように、通常一年をこえて使用される見込のものは、固定負債に属するものとする。(注18) 債務のうち、役員等企業の内部の者に対するものと親会社又は子会社に対するものは、特別の科目を設けて区別して表示し、又は注記の方法によりその内容を明瞭に示さなければならない。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "企業会計原則 - 第三貸借対照表原則 - 四貸借対照表科目の分類 - (二)負債", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "負債は、流動負債に属する負債と固定負債に属する負債とに区別しなければならない。仮受金、未決算等の勘定を貸借対照表に記載するには、その性質を示す適当な科目で表示しなければならない。(注16)", "title": "(二)負債" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "取引先との通常の商取引によって生じた支払手形、買掛金等の債務及び期限が一年以内に到来する債務は、流動負債に属するものとする。", "title": "Ａ　流動負債の内容" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "支払手形、買掛金その他流動負債に属する債務は、取引先との通常の商取引上の債務とその他の債務とに区別して表示しなければならない。", "title": "Ａ　流動負債の内容" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "引当金のうち、賞与引当金、工事補償引当金、修繕引当金のように、通常一年以内に使用される見込みのものは流動負債に属するものとする。(注18)", "title": "Ａ　流動負債の内容" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "", "title": "Ａ　流動負債の内容" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "社債、長期借入金等の長期債務は、固定負債に属するものとする。", "title": "Ｂ　固定負債の内容" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "引当金のうち、退職給与引当金、特別修繕引当金のように、通常一年をこえて使用される見込のものは、固定負債に属するものとする。(注18)", "title": "Ｂ　固定負債の内容" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "", "title": "Ｂ　固定負債の内容" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "債務のうち、役員等企業の内部の者に対するものと親会社又は子会社に対するものは、特別の科目を設けて区別して表示し、又は注記の方法によりその内容を明瞭に示さなければならない。", "title": "Ｃ　役員・親会社・子会社に債務" } ]	企業会計原則 - 第三貸借対照表原則 - 四貸借対照表科目の分類 - (二)負債	[[企業会計原則]] - [[企業会計原則#第三　貸借対照表原則\|第三貸借対照表原則]] - [[企業会計原則#四　貸借対照表科目の分類\|四貸借対照表科目の分類]] - (二)負債 == (二)負債 == === 条文 === 負債は、流動負債に属する負債と固定負債に属する負債とに区別しなければならない。仮受金、未決算等の勘定を貸借対照表に記載するには、その性質を示す適当な科目で表示しなければならない。(注16) === 解説 === == Ａ　流動負債の内容 == === 条文 === 取引先との通常の商取引によって生じた支払手形、買掛金等の債務及び期限が一年以内に到来する債務は、流動負債に属するものとする。支払手形、買掛金その他流動負債に属する債務は、取引先との通常の商取引上の債務とその他の債務とに区別して表示しなければならない。引当金のうち、賞与引当金、工事補償引当金、修繕引当金のように、通常一年以内に使用される見込みのものは流動負債に属するものとする。(注18) === 解説 === == Ｂ　固定負債の内容 == === 条文 === 社債、長期借入金等の長期債務は、固定負債に属するものとする。引当金のうち、退職給与引当金、特別修繕引当金のように、通常一年をこえて使用される見込のものは、固定負債に属するものとする。(注18) === 解説 === == Ｃ　役員・親会社・子会社に債務 == === 条文 === 債務のうち、役員等企業の内部の者に対するものと親会社又は子会社に対するものは、特別の科目を設けて区別して表示し、又は注記の方法によりその内容を明瞭に示さなければならない。 === 解説 === [[Category:企業会計原則\|たいしやくたいしようひようふさい]]	null	2015-11-01T12:49:04Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E4%BC%81%E6%A5%AD%E4%BC%9A%E8%A8%88%E5%8E%9F%E5%89%87_(%E8%B2%B8%E5%80%9F%E5%AF%BE%E7%85%A7%E8%A1%A8%E8%B2%A0%E5%82%B5)
7,980	企業会計原則 (貸借対照表資本)	企業会計原則 - 第三貸借対照表原則 - 四貸借対照表科目の分類 - (三)資本資本は、資本金に属するものと剰余金に属するものとに区別しなければならない。(注19) 資本金の区分には、法定資本の額を記載する。発行済株式の数は普通株、優先株等の種類別に注記するものとする。剰余金は、資本準備金、利益準備金及びその他の剰余金に区分して記載しなければならない。株式払込剰余金、減資差益及び合併差益は、資本準備金として表示する。その他の剰余金の区分には、任意積立金及び当期末処分利益を記載する。新株式払込金又は申込期日経過後における新株式申込証拠金は、資本金の区分の次に特別の区分を設けて表示しなければならない。法律で定める準備金で資本準備金又は利益準備金に準ずるものは、資本準備金又は利益準備金の次に特別の区分を設けて表示しなければならない。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "企業会計原則 - 第三貸借対照表原則 - 四貸借対照表科目の分類 - (三)資本", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "資本は、資本金に属するものと剰余金に属するものとに区別しなければならない。(注19)", "title": "(三)資本" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "", "title": "(三)資本" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "資本金の区分には、法定資本の額を記載する。発行済株式の数は普通株、優先株等の種類別に注記するものとする。", "title": "Ａ　資本金の記載" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "", "title": "Ａ　資本金の記載" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "剰余金は、資本準備金、利益準備金及びその他の剰余金に区分して記載しなければならない。", "title": "Ｂ　剰余金の分類とその内容" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "株式払込剰余金、減資差益及び合併差益は、資本準備金として表示する。", "title": "Ｂ　剰余金の分類とその内容" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "その他の剰余金の区分には、任意積立金及び当期末処分利益を記載する。", "title": "Ｂ　剰余金の分類とその内容" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "", "title": "Ｂ　剰余金の分類とその内容" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "新株式払込金又は申込期日経過後における新株式申込証拠金は、資本金の区分の次に特別の区分を設けて表示しなければならない。", "title": "Ｃ　新株式払込金等の表示" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "", "title": "Ｃ　新株式払込金等の表示" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "法律で定める準備金で資本準備金又は利益準備金に準ずるものは、資本準備金又は利益準備金の次に特別の区分を設けて表示しなければならない。", "title": "Ｄ　資本準備金等に準ずるものの表示" } ]	企業会計原則 - 第三貸借対照表原則 - 四貸借対照表科目の分類 - (三)資本	[[企業会計原則]] - [[企業会計原則#第三　貸借対照表原則\|第三貸借対照表原則]] - [[企業会計原則#四　貸借対照表科目の分類\|四貸借対照表科目の分類]] - (三)資本 == (三)資本 == === 条文 === 資本は、資本金に属するものと剰余金に属するものとに区別しなければならない。(注19) === 解説 === == Ａ　資本金の記載 == === 条文 === 資本金の区分には、法定資本の額を記載する。発行済株式の数は普通株、優先株等の種類別に注記するものとする。 === 解説 === == Ｂ　剰余金の分類とその内容 == === 条文 === 剰余金は、資本準備金、利益準備金及びその他の剰余金に区分して記載しなければならない。株式払込剰余金、減資差益及び合併差益は、資本準備金として表示する。その他の剰余金の区分には、任意積立金及び当期末処分利益を記載する。 === 解説 === == Ｃ　新株式払込金等の表示 == === 条文 === 新株式払込金又は申込期日経過後における新株式申込証拠金は、資本金の区分の次に特別の区分を設けて表示しなければならない。 === 解説 === == Ｄ　資本準備金等に準ずるものの表示 == === 条文 === 法律で定める準備金で資本準備金又は利益準備金に準ずるものは、資本準備金又は利益準備金の次に特別の区分を設けて表示しなければならない。 === 解説 === [[カテゴリ:企業会計原則]]	null	2022-11-23T08:38:46Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E4%BC%81%E6%A5%AD%E4%BC%9A%E8%A8%88%E5%8E%9F%E5%89%87_(%E8%B2%B8%E5%80%9F%E5%AF%BE%E7%85%A7%E8%A1%A8%E8%B3%87%E6%9C%AC)
7,981	企業会計原則 (資産の貸借対照表価額)	企業会計原則 - 第三貸借対照表原則 - 五資産の貸借対照表価額貸借対照表に記載する資産の価額は、原則として、当該資産の取得原価を基礎として計上しなければならない。資産の取得原価は、資産の種類に応じた費用配分の原則によって、各事業年度に配分しなければならない。有形固定資産は、当該資産の耐用期間にわたり、定額法、定率法等の一定の減価償却の方法によって、その取得原価を各事業年度に配分し、無形固定資産は、当該資産の有効期間にわたり、一定の減価償却の方法によって、その取得原価を各事業年度に配分しなければならない。繰延資産についても、これに準じて、各事業年度に均等額以上を配分しなければならない。(注20) 商品、製品、半製品、原材料、仕掛品等のたな卸資産については、原則として購入代価又は製造原価に引取費用等の付随費用を加算し、これに個別法、先入先出法、後入先出法、平均原価法等の方法を適用して算定した取得原価をもって貸借対照表価額とする。ただし、時価が取得原価より著しく下落したときは、回復する見込があると認められる場合を除き、時価をもって貸借対照表価額としなければならない。(注9) (注10) (注21) たな卸資産の貸借対照表価額は、時価が取得原価よりも下落した場合には時価による方法を適用して算定することができる。(注10) 有価証券については、原則として購入代価に手数料等の付随費用を加算し、これに平均原価法等の方法を適用して算定した取得原価をもって貸借対照表価額とする。ただし、取引所の相場のある有価証券については、時価が著しく下落したときは、回復する見込みがあると認められる場合を除き、時価をもって貸借対照表価額としなければならない。取引所の相場のない有価証券のうち株式については、当該会社の財政状態を反映する株式の実質価額が著しく低下したときは、相当の減額をしなければならない。(注22) 取引所の相場のある有価証券で子会社の株式以外のものの貸借対照表価額は、時価が取得原価よりも下落した場合には時価による方法を適用して算定することができる。受取手形、売掛金その他の債権の貸借対照表価額は、債権金額又は取得価額から正常な貸倒見積高を控除した金額とする。(注23) 有形固定資産については、その取得原価から減価償却累計額を控除した価額をもって貸借対照表価額とする。有形固定資産の取得原価には、原則として当該資産の取引費用等の付随費用を含める。現物出資として受入れた固定資産については、出資者に対して交付された株式の発行価額をもって取得原価とする。(注24) 償却済の有形固定資産は、除却されるまで残存価額又は備忘価額で記載する。無形固定資産については、当該資産の取得のために支出した金額から減価償却累計額を控除した価額をもって貸借対照表価額とする。(注25) 贈与その他無償で取得した資産については、公正な評価額をもって取得原価とする。(注24)	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "企業会計原則 - 第三貸借対照表原則 - 五資産の貸借対照表価額", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "貸借対照表に記載する資産の価額は、原則として、当該資産の取得原価を基礎として計上しなければならない。", "title": "五　資産の貸借対照表価額" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "資産の取得原価は、資産の種類に応じた費用配分の原則によって、各事業年度に配分しなければならない。有形固定資産は、当該資産の耐用期間にわたり、定額法、定率法等の一定の減価償却の方法によって、その取得原価を各事業年度に配分し、無形固定資産は、当該資産の有効期間にわたり、一定の減価償却の方法によって、その取得原価を各事業年度に配分しなければならない。繰延資産についても、これに準じて、各事業年度に均等額以上を配分しなければならない。(注20)", "title": "五　資産の貸借対照表価額" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "", "title": "五　資産の貸借対照表価額" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "商品、製品、半製品、原材料、仕掛品等のたな卸資産については、原則として購入代価又は製造原価に引取費用等の付随費用を加算し、これに個別法、先入先出法、後入先出法、平均原価法等の方法を適用して算定した取得原価をもって貸借対照表価額とする。ただし、時価が取得原価より著しく下落したときは、回復する見込があると認められる場合を除き、時価をもって貸借対照表価額としなければならない。(注9) (注10) (注21)", "title": "Ａ　たな卸資産の評価" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "たな卸資産の貸借対照表価額は、時価が取得原価よりも下落した場合には時価による方法を適用して算定することができる。(注10)", "title": "Ａ　たな卸資産の評価" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "", "title": "Ａ　たな卸資産の評価" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "有価証券については、原則として購入代価に手数料等の付随費用を加算し、これに平均原価法等の方法を適用して算定した取得原価をもって貸借対照表価額とする。ただし、取引所の相場のある有価証券については、時価が著しく下落したときは、回復する見込みがあると認められる場合を除き、時価をもって貸借対照表価額としなければならない。取引所の相場のない有価証券のうち株式については、当該会社の財政状態を反映する株式の実質価額が著しく低下したときは、相当の減額をしなければならない。(注22)", "title": "Ｂ　有価証券の評価" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "取引所の相場のある有価証券で子会社の株式以外のものの貸借対照表価額は、時価が取得原価よりも下落した場合には時価による方法を適用して算定することができる。", "title": "Ｂ　有価証券の評価" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "", "title": "Ｂ　有価証券の評価" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "受取手形、売掛金その他の債権の貸借対照表価額は、債権金額又は取得価額から正常な貸倒見積高を控除した金額とする。(注23)", "title": "Ｃ　債権の評価" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "", "title": "Ｃ　債権の評価" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "有形固定資産については、その取得原価から減価償却累計額を控除した価額をもって貸借対照表価額とする。有形固定資産の取得原価には、原則として当該資産の取引費用等の付随費用を含める。現物出資として受入れた固定資産については、出資者に対して交付された株式の発行価額をもって取得原価とする。(注24)", "title": "Ｄ　有形固定資産の評価" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "償却済の有形固定資産は、除却されるまで残存価額又は備忘価額で記載する。", "title": "Ｄ　有形固定資産の評価" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "", "title": "Ｄ　有形固定資産の評価" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "無形固定資産については、当該資産の取得のために支出した金額から減価償却累計額を控除した価額をもって貸借対照表価額とする。(注25)", "title": "Ｅ　無形固定資産の評価" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "", "title": "Ｅ　無形固定資産の評価" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "贈与その他無償で取得した資産については、公正な評価額をもって取得原価とする。(注24)", "title": "Ｆ　無償取得資産の評価" } ]	企業会計原則 - 第三貸借対照表原則 - 五資産の貸借対照表価額	[[企業会計原則]] - [[企業会計原則#第三　貸借対照表原則\|第三貸借対照表原則]] - 五資産の貸借対照表価額 ==<span id="五">五</span>　資産の貸借対照表価額 == === 条文 === 貸借対照表に記載する資産の価額は、原則として、当該資産の取得原価を基礎として計上しなければならない。資産の取得原価は、資産の種類に応じた費用配分の原則によって、各事業年度に配分しなければならない。有形固定資産は、当該資産の耐用期間にわたり、定額法、定率法等の一定の減価償却の方法によって、その取得原価を各事業年度に配分し、無形固定資産は、当該資産の有効期間にわたり、一定の減価償却の方法によって、その取得原価を各事業年度に配分しなければならない。繰延資産についても、これに準じて、各事業年度に均等額以上を配分しなければならない。(注20) === 解説 === ==<span id="A">Ａ</span>　たな卸資産の評価 == === 条文 === 商品、製品、半製品、原材料、仕掛品等のたな卸資産については、原則として購入代価又は製造原価に引取費用等の付随費用を加算し、これに個別法、先入先出法、後入先出法、平均原価法等の方法を適用して算定した取得原価をもって貸借対照表価額とする。ただし、時価が取得原価より著しく下落したときは、回復する見込があると認められる場合を除き、時価をもって貸借対照表価額としなければならない。(注9) (注10) (注21) たな卸資産の貸借対照表価額は、時価が取得原価よりも下落した場合には時価による方法を適用して算定することができる。(注10) === 解説 === ==<span id="B">Ｂ</span>　有価証券の評価 == === 条文 === 有価証券については、原則として購入代価に手数料等の付随費用を加算し、これに平均原価法等の方法を適用して算定した取得原価をもって貸借対照表価額とする。ただし、取引所の相場のある有価証券については、時価が著しく下落したときは、回復する見込みがあると認められる場合を除き、時価をもって貸借対照表価額としなければならない。取引所の相場のない有価証券のうち株式については、当該会社の財政状態を反映する株式の実質価額が著しく低下したときは、相当の減額をしなければならない。(注22) 取引所の相場のある有価証券で子会社の株式以外のものの貸借対照表価額は、時価が取得原価よりも下落した場合には時価による方法を適用して算定することができる。 === 解説 === ==<span id="C">Ｃ</span>　債権の評価 == === 条文 === 受取手形、売掛金その他の債権の貸借対照表価額は、債権金額又は取得価額から正常な貸倒見積高を控除した金額とする。(注23) === 解説 === ==<span id="D">Ｄ</span>　有形固定資産の評価 == === 条文 === 有形固定資産については、その取得原価から減価償却累計額を控除した価額をもって貸借対照表価額とする。有形固定資産の取得原価には、原則として当該資産の取引費用等の付随費用を含める。現物出資として受入れた固定資産については、出資者に対して交付された株式の発行価額をもって取得原価とする。(注24) 償却済の有形固定資産は、除却されるまで残存価額又は備忘価額で記載する。 === 解説 === ==<span id="E">Ｅ</span>　無形固定資産の評価 == === 条文 === 無形固定資産については、当該資産の取得のために支出した金額から減価償却累計額を控除した価額をもって貸借対照表価額とする。（注25） === 解説 === ==<span id="F">Ｆ</span>　無償取得資産の評価 == === 条文 === 贈与その他無償で取得した資産については、公正な評価額をもって取得原価とする。(注24) === 解説 === [[カテゴリ:企業会計原則]]	null	2022-11-23T08:38:53Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E4%BC%81%E6%A5%AD%E4%BC%9A%E8%A8%88%E5%8E%9F%E5%89%87_(%E8%B3%87%E7%94%A3%E3%81%AE%E8%B2%B8%E5%80%9F%E5%AF%BE%E7%85%A7%E8%A1%A8%E4%BE%A1%E9%A1%8D)
7,982	会社計算規則第76条	法学>民事法>商法>会社法(コンメンタール会社法)>会社計算規則 (w:純資産の部の区分)	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "法学>民事法>商法>会社法(コンメンタール会社法)>会社計算規則", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "(w:純資産の部の区分)", "title": "条文" } ]	法学＞民事法＞商法＞会社法（コンメンタール会社法）＞会社計算規則	[[法学]]＞[[民事法]]＞[[商法]]＞[[会社法]]（[[コンメンタール会社法]]）＞[[会社計算規則]] ==条文== （[[w:純資産]]の部の区分） ;第76条 #純資産の部は、次の各号に掲げる[[w:貸借対照表]]等の区分に応じ、当該各号に定める項目に区分しなければならない。 #:一　株式会社の貸借対照表　次に掲げる項目 #::イ　株主資本 #::ロ　評価・換算差額等 #::ハ　新株予約権 #:二　株式会社の連結貸借対照表　次に掲げる項目 #::イ　株主資本 #::ロ　評価・換算差額等 #::ハ　新株予約権 #::ニ　少数株主持分 #:三　持分会社の貸借対照表　次に掲げる項目 #::イ　社員資本 #::ロ　評価・換算差額等 #株主資本に係る項目は、次に掲げる項目に区分しなければならない。この場合において、第5号に掲げる項目は、控除項目とする。 #:一　資本金 #:二　新株式申込証拠金 #:三　資本剰余金 #:四　利益剰余金 #:五　自己株式 #:六　自己株式申込証拠金 #社員資本に係る項目は、次に掲げる項目に区分しなければならない。 #:一　資本金 #:二　出資金申込証拠金 #:三　資本剰余金 #:四　利益剰余金 #株式会社の貸借対照表の資本剰余金に係る項目は、次に掲げる項目に区分しなければならない。 #:一　資本準備金 #:二　その他資本剰余金 #株式会社の貸借対照表の利益剰余金に係る項目は、次に掲げる項目に区分しなければならない。 #:一　利益準備金 #:二　その他利益剰余金 #第4項第2号及び前項第2号に掲げる項目は、適当な名称を付した項目に細分することができる。 #評価・換算差額等に係る項目は、次に掲げる項目その他適当な名称を付した項目に細分しなければならない。ただし、第4号に掲げる項目は、連結貸借対照表に限る。 #:一　その他有価証券評価差額金 #:二　繰延ヘッジ損益 #:三　土地再評価差額金 #:四　為替換算調整勘定 #新株予約権に係る項目は、自己新株予約権に係る項目を控除項目として区分することができる。 #連結貸借対照表についての次の各号に掲げるものに計上すべきものは、当該各号に定めるものとする。 #:一　第2項第5号の自己株式　次に掲げる額の合計額 #::イ　当該株式会社が保有する当該株式会社の株式の帳簿価額 #::ロ　連結子会社並びに持分法を適用する非連結子会社及び関連会社が保有する当該株式会社の株式の帳簿価額のうち、当該株式会社のこれらの会社に対する持分に相当する額 #:二　第7項第4号の為替換算調整勘定　外国にある子会社又は関連会社の資産及び負債の換算に用いる為替相場と純資産の換算に用いる為替相場とが異なることによって生じる換算差額 ==解説== ==関連条文== ---- {{前後\|[[会社計算規則]]\|[[会社計算規則#3\|第3編計算関係書類]]<br>[[会社計算規則#3-2\|第2章貸借対照表等]]\|[[会社計算規則第75条]]<br>（負債の部の区分）\|[[会社計算規則第77条]]<br>（たな卸資産及び工事損失引当金の表示）}} {{stub}} [[category:会社計算規則\|076]]	null	2009-12-20T13:52:41Z	[ "テンプレート:前後", "テンプレート:Stub" ]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E8%A8%88%E7%AE%97%E8%A6%8F%E5%89%87%E7%AC%AC76%E6%9D%A1
7,983	会社計算規則第75条	法学>民事法>商法>会社法(コンメンタール会社法)>会社計算規則 (負債の部の区分)	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "法学>民事法>商法>会社法(コンメンタール会社法)>会社計算規則", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "(負債の部の区分)", "title": "条文" } ]	法学＞民事法＞商法＞会社法（コンメンタール会社法）＞会社計算規則	[[法学]]＞[[民事法]]＞[[商法]]＞[[会社法]]（[[コンメンタール会社法]]）＞[[会社計算規則]] ==条文== （負債の部の区分） ;第75条 #負債の部は、次に掲げる項目に区分しなければならない。この場合において、各項目は、適当な項目に細分しなければならない。 #:一　流動負債 #:二　固定負債 #次の各号に掲げる負債は、当該各号に定めるものに属するものとする。 #:一　次に掲げる負債　流動負債 #::イ　支払手形（通常の取引に基づいて発生した手形債務をいう。） #::ロ　買掛金（通常の取引に基づいて発生した事業上の未払金をいう。） #::ハ　前受金（受注工事、受注品等に対する前受金をいう。） #::ニ　引当金（資産に係る引当金及び1年内に使用されないと認められるものを除く。） #::ホ　通常の取引に関連して発生する未払金又は預り金で一般の取引慣行として発生後短期間に支払われるもの #::ヘ　未払費用 #::ト　前受収益 #::チ　次に掲げる繰延税金負債 #:::(1)　流動資産に属する資産又は流動負債に属する負債に関連する繰延税金負債 #:::(2)　特定の資産又は負債に関連しない繰延税金負債であって、1年内に取り崩されると認められるもの #::リ　ファイナンス・リース取引におけるリース債務のうち、1年内に期限が到来するもの #::ヌ　資産除去債務のうち、1年内に履行されると認められるもの #::ル　その他の負債であって、1年内に支払われ、又は返済されると認められるもの #:二　次に掲げる負債　固定負債 #::イ　社債 #::ロ　長期借入金 #::ハ　[[w:引当金]]（資産に係る引当金及び前号ニに掲げる引当金を除く。） #::ニ　次に掲げる繰延税金負債 #:::(1)　有形固定資産、無形固定資産若しくは投資その他の資産に属する資産又は固定負債に属する負債に関連する繰延税金負債 #:::(2)　特定の資産又は負債に関連しない繰延税金負債であって、1年内に取り崩されると認められないもの #::ホ　のれん #::ヘ　ファイナンス・リース取引におけるリース債務のうち、前号リに掲げるもの以外のもの #::ト　資産除去債務のうち、前号ヌに掲げるもの以外のもの #::チ　その他の負債であって、流動負債に属しないもの ==解説== ==関連条文== ---- {{前後\|[[会社計算規則]]\|[[会社計算規則#3\|第3編計算関係書類]]<br>[[会社計算規則#3-2\|第2章貸借対照表等]]\|[[会社計算規則第74条]]<br>（資産の部の区分）\|[[会社計算規則第76条]]<br>（純資産の部の区分）}} {{stub}} [[category:会社計算規則\|075]]	null	2009-12-20T13:50:53Z	[ "テンプレート:前後", "テンプレート:Stub" ]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E8%A8%88%E7%AE%97%E8%A6%8F%E5%89%87%E7%AC%AC75%E6%9D%A1
7,989	高等学校古文/漢詩/春暁	春暁孟浩然春眠不覺曉春眠暁を覚えず、處處聞啼鳥処処啼鳥を聞く、(「処処、鳥啼くを聞く」とも) 夜来風雨聲夜来風雨の声、花落知多少花落つること知りぬ多少ぞ。(「花落つること知る多少」とも) 盛唐期の詩人孟浩然の五言絶句。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "", "title": "本文" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "春暁孟浩然", "title": "白文　訓読文" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "春眠不覺曉春眠暁を覚えず、", "title": "白文　訓読文" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "處處聞啼鳥処処啼鳥を聞く、(「処処、鳥啼くを聞く」とも)", "title": "白文　訓読文" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "夜来風雨聲夜来風雨の声、", "title": "白文　訓読文" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "花落知多少花落つること知りぬ多少ぞ。(「花落つること知る多少」とも)", "title": "白文　訓読文" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "盛唐期の詩人孟浩然の五言絶句。", "title": "鑑賞" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "", "title": "鑑賞" } ]	null	{{Wikisource\|春暁}} == 本文 == [[ファイル:春暁_返り点.svg\|400px\|漢文『春暁』]] ==白文　訓読文== <big>'''春暁　孟浩然'''</big> <big>'''春眠不覺曉'''</big>　春眠暁を覚えず、 <big>'''處處聞啼鳥'''</big>　処処啼鳥を聞く、（「処処、鳥啼くを聞く」とも） <big>'''夜来風雨聲'''</big>　夜来風雨の声、 <big>'''花落知多少'''</big>　花落つること知りぬ多少ぞ。（「花落つること知る多少」とも） ==現代語訳== 春の眠りは（心地が良くて）なかなか起きられない。 :近代に到るまで、人は夜明けとともに目覚め、日が暮れれば時をおかず眠るのがごく一般的な生活であり、暁（夜明け）に気付かないのは寝過ごしたという印象であった。（目覚めてみると、もう）鳥がいろいろな所で啼いている。そういえば、昨夜は風雨が強かったようだ。花はどれほど落ちてしまったことであろう（きっと多いだろう）。 ==鑑賞== [[盛唐]]期の詩人[[孟浩然]]の[[五言絶句]]。 {{stub}} [[Category:高等学校教育_国語_漢文_漢詩\|しゆんきよう]] ==押韻== 曉・鳥・少	null	2020-04-19T05:43:49Z	[ "テンプレート:Wikisource", "テンプレート:Stub" ]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E9%AB%98%E7%AD%89%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E5%8F%A4%E6%96%87/%E6%BC%A2%E8%A9%A9/%E6%98%A5%E6%9A%81
7,999	東京外国語大対策	本項は、東京外国語大学の入学試験対策に関する事項である。東京外国語大学は、東京都府中市にある国立の外国語大学である。外国語大学とあって、英語の配点が高い。(センター試験450点中200点(リスニング圧縮)、二次試験400点中300点)特に二次試験は英語の難易度がかなり高いので、何よりもまず英語を重点的に勉強していくべきである(地歴は国公立標準レベル)。逆に理系科目の配点は低く(センターのみで、数学科目のいずれかで50点、理科は公民科目とどちらかの選択で50点)、理系科目が苦手でも英語が得意であれば十分合格は狙える。ただし、言語文化学部、国際社会学部ともに学科によって合格最低点にかなり違いがある。言語文化学部の英語学科といった人気言語学科や国際社会学部の北西ヨーロッパ学科といった人気地域学科は他の学科より合格最低点は高いため、その分合格難易度も高くなる。配点比率450:400(センター:英語+Lまたは他の外国語200、国語(現古漢)100、地歴50、数学科目のいずれか50、理科または公民50) 合計配点850点中500点は英語なので東外大志望者は英語を重点的に行うこと。英語を制すれば東外大の合格はずっと近づく。傾向としては、大問の1は例年1000語程の英文を読んだあと、指定字数内の日本語で詳細に説明させる問題である。(一橋大学にも似たような問題があるが、こちらは30~40字、50~60字といったように簡潔にまとめる能力が問われる。) 東京外大の場合は、文章に必ずしも解答の根拠が明確にはないこともある。(文脈から読み取り発展させて「~ということを指していると思われる。」のように答えさせる。) 年度によって、記述問題と記号問題が混在していたり、記述問題のみだけだったりとバラ付きがあるが、基本超長文を読んで答えるという形式は同じ。 2013年前期入試では,200語英作文問題とリスニングの融合問題が出題された。また,大問2に関しても記号でなく,自分で適当な形に活用させる形となり,選択肢もダミーが出題された。 2010年度の入試は大問1だけで過去最高の1300語超えとなった。配点は大問1全部で60~80点と年度によって大きく変わる。大問2以降は毎年異なるタイプの問題が出題されていたが、2007年と2008年はほぼ同じタイプの問題が出題された。 2番は英文中の空欄10個に10個の語から選択したものをあてはめる客観式の問題であり、全部で40点程度の配点である。 2007年、2008年は単純な空欄補充問題。2009年、2010年もタイプはほぼ同じであるものの、語形変化を含む比較的ややこしい問題となった。 3番も同じく空欄補充だが5~8つ(年度によって変化)の空所に選択肢(ただしこちらは英文であり、ダミーの選択肢を含む)から選んであてはめ、全部で40点前後の配点である。 4番は英作文問題である。やや難解な日本語の文章を読み、それを200語程度の英語で要約し、さらにそれに対して自分の意見を200語程度の英語で記述する。配点は80点前後であり、英作文を「英語」の試験で出題するどの大学よりも配点が高く、難度も全大学中、最も高いと言える。 5、6番はリスニングであり、英問英答(客観式、問題、選択肢いずれも問題用紙に記されている。)タイプである。放送される文章は相当長い内容であり、かなりの集中力と理解力を問われる。 300点を占めるだけあってかなりの分量があり、試験時間も150分と非常に長いので、テンポ良く解くことが必要となる。その際、比較的易しい記号問題の2,3番、リスニングでなるべく失点を防ぎ、1番と4番でどのくらい点を取れるかが勝負になるだろう。リスニングは解答の途中から始まる。リスニングの開始時刻は問題用紙に書いてあるので解き始める前に確認しよう。当該大学の過去問演習をするのが一番である。1番のような指定字数内で説明させる問題は自己採点が難しいのでZ会などの添削指導を頼っても良い。4番のような大学入試の「英語」で他に類を見ない量の英作文(合計400語程度)では、自分で書いてみても自己採点のしようがないので、やはり高校の先生や通信添削を頼ると良い。合計配点850点中150点が世界史。大学が言っている通り、全て(一部日本史を含む)近現代の範囲から出題されている。また、語句記述問題が存在する。これらは得点可能な基礎的な問題ばかりなので、ここで得点の取りこぼしをすると後でひびく危険性がある。世界史が受験科目に導入されたのはここ数年であり、詳しい分析はできないが、指定語句を使用する400字論述が一題、指定語句を使用する100ほどの小論述が一題出題される。その他の問題はすべて記述解答型一問一答形式であり、(各5点)漢字を間違えると1点にまで減点されてしまうので、現代中国史の人名などはよく復習するとよい。過去問は1979年から最近のものまで次のサイトに掲載してある。http://www.ne.jp/asahi/wh/class/kakamon.html 2015年度入試より新規導入日本史は一般国公立と同レベルの比較的解きやすい問題が多い。配点比率500:200(英語+Lまたは他の外国語200、国語(現古漢)200、数学、地歴B、倫理・政経のいずれか1科目100)全配点700点中400点は英語。二次試験は英語1科目のみだが、最後の一問は小論文となっていて、そこに割く時間が大きい。受験生としては英文解釈問題と和訳問題を1時間強で終わらせたい。二次試験の英文の難易度は、全ての大学入試の中でもトップクラスといえる。更に問題を解く際には十分な国語力が必要となる。前期後期とも共通して言えることだが、二次での挽回は難しい(特に後期)ためセンター試験でどれだけ点を稼いでおけるかが合否の分かれ目となる。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "本項は、東京外国語大学の入学試験対策に関する事項である。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "東京外国語大学は、東京都府中市にある国立の外国語大学である。外国語大学とあって、英語の配点が高い。(センター試験450点中200点(リスニング圧縮)、二次試験400点中300点)特に二次試験は英語の難易度がかなり高いので、何よりもまず英語を重点的に勉強していくべきである(地歴は国公立標準レベル)。逆に理系科目の配点は低く(センターのみで、数学科目のいずれかで50点、理科は公民科目とどちらかの選択で50点)、理系科目が苦手でも英語が得意であれば十分合格は狙える。", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "ただし、言語文化学部、国際社会学部ともに学科によって合格最低点にかなり違いがある。言語文化学部の英語学科といった人気言語学科や国際社会学部の北西ヨーロッパ学科といった人気地域学科は他の学科より合格最低点は高いため、その分合格難易度も高くなる。", "title": "" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": 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3番も同じく空欄補充だが5~8つ(年度によって変化)の空所に選択肢(ただしこちらは英文であり、ダミーの選択肢を含む)から選んであてはめ、全部で40点前後の配点である。 4番は英作文問題である。やや難解な日本語の文章を読み、それを200語程度の英語で要約し、さらにそれに対して自分の意見を200語程度の英語で記述する。配点は80点前後であり、英作文を「英語」の試験で出題するどの大学よりも配点が高く、難度も全大学中、最も高いと言える。 5、6番はリスニングであり、英問英答(客観式、問題、選択肢いずれも問題用紙に記されている。)タイプである。放送される文章は相当長い内容であり、かなりの集中力と理解力を問われる。", "title": "前期日程" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "300点を占めるだけあってかなりの分量があり、試験時間も150分と非常に長いので、テンポ良く解くことが必要となる。その際、比較的易しい記号問題の2,3番、リスニングでなるべく失点を防ぎ、1番と4番でどのくらい点を取れるかが勝負になるだろう。リスニングは解答の途中から始まる。リスニングの開始時刻は問題用紙に書いてあるので解き始める前に確認しよう。", "title": "前期日程" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "当該大学の過去問演習をするのが一番である。1番のような指定字数内で説明させる問題は自己採点が難しいのでZ会などの添削指導を頼っても良い。4番のような大学入試の「英語」で他に類を見ない量の英作文(合計400語程度)では、自分で書いてみても自己採点のしようがないので、やはり高校の先生や通信添削を頼ると良い。", "title": "前期日程" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "合計配点850点中150点が世界史。", "title": "前期日程" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": 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"後期日程" } ]	日本の大学受験ガイド > 東京外国語大対策本項は、東京外国語大学の入学試験対策に関する事項である。東京外国語大学は、東京都府中市にある国立の外国語大学である。外国語大学とあって、英語の配点が高い。（センター試験450点中200点、二次試験400点中300点）特に二次試験は英語の難易度がかなり高いので、何よりもまず英語を重点的に勉強していくべきである（地歴は国公立標準レベル）。逆に理系科目の配点は低く（センターのみで、数学科目のいずれかで50点、理科は公民科目とどちらかの選択で50点）、理系科目が苦手でも英語が得意であれば十分合格は狙える。ただし、言語文化学部、国際社会学部ともに学科によって合格最低点にかなり違いがある。言語文化学部の英語学科といった人気言語学科や国際社会学部の北西ヨーロッパ学科といった人気地域学科は他の学科より合格最低点は高いため、その分合格難易度も高くなる。	{{wikipedia\|東京外国語大学}} [[日本の大学受験ガイド]] > [[東京外国語大対策]] 本項は、[[w:東京外国語大学\|東京外国語大学]]の入学試験対策に関する事項である。東京外国語大学は、東京都府中市にある国立の外国語大学である。外国語大学とあって、英語の配点が高い。（センター試験450点中200点(リスニング圧縮)、二次試験400点中300点）特に二次試験は英語の難易度がかなり高いので、何よりもまず英語を重点的に勉強していくべきである（地歴は国公立標準レベル）。逆に理系科目の配点は低く（センターのみで、数学科目のいずれかで50点、理科は公民科目とどちらかの選択で50点）、理系科目が苦手でも英語が得意であれば十分合格は狙える。 '''ただし、言語文化学部、国際社会学部ともに学科によって合格最低点にかなり違いがある。言語文化学部の英語学科といった人気言語学科や国際社会学部の北西ヨーロッパ学科といった人気地域学科は他の学科より合格最低点は高いため、その分合格難易度も高くなる。''' == 前期日程 == 配点比率450:400（センター：英語+Lまたは他の外国語200、国語(現古漢)100、地歴50、数学科目のいずれか50、理科または公民50） === 英語 === '''合計配点850点中500点は英語'''なので東外大志望者は英語を重点的に行うこと。英語を制すれば東外大の合格はずっと近づく。傾向としては、大問の1は例年1000語程の英文を読んだあと、指定字数内の日本語で詳細に説明させる問題である。(一橋大学にも似たような問題があるが、こちらは30～40字、50～60字といったように簡潔にまとめる能力が問われる。)<br> 東京外大の場合は、文章に必ずしも解答の根拠が明確にはないこともある。（文脈から読み取り発展させて「～ということを指していると思われる。」のように答えさせる。）<br> 年度によって、記述問題と記号問題が混在していたり、記述問題のみだけだったりとバラ付きがあるが、基本超長文を読んで答えるという形式は同じ。<br> 2013年前期入試では，200語英作文問題とリスニングの融合問題が出題された。また，大問2に関しても記号でなく，自分で適当な形に活用させる形となり，選択肢もダミーが出題された。 2010年度の入試は大問１だけで過去最高の1300語超えとなった。<br> 配点は大問1全部で60～80点と年度によって大きく変わる。<br> 大問2以降は毎年異なるタイプの問題が出題されていたが、2007年と2008年はほぼ同じタイプの問題が出題された。<br> 2番は英文中の空欄10個に10個の語から選択したものをあてはめる客観式の問題であり、全部で40点程度の配点である。<br> 2007年、2008年は単純な空欄補充問題。2009年、2010年もタイプはほぼ同じであるものの、語形変化を含む比較的ややこしい問題となった。<br> 3番も同じく空欄補充だが5～8つ（年度によって変化）の空所に選択肢（ただしこちらは'''英文'''であり、ダミーの選択肢を含む）から選んであてはめ、全部で40点前後の配点である。<br> 4番は英作文問題である。やや難解な日本語の文章を読み、それを200語程度の英語で要約し、さらにそれに対して自分の意見を200語程度の英語で記述する。配点は80点前後であり、英作文を「英語」の試験で出題するどの大学よりも配点が高く、難度も全大学中、最も高いと言える。<br> 5、6番はリスニングであり、英問英答（客観式、問題、選択肢いずれも問題用紙に記されている。）タイプである。放送される文章は相当長い内容であり、かなりの集中力と理解力を問われる。 300点を占めるだけあってかなりの分量があり、試験時間も150分と非常に長いので、テンポ良く解くことが必要となる。その際、比較的易しい記号問題の2,3番、リスニングでなるべく失点を防ぎ、1番と4番でどのくらい点を取れるかが勝負になるだろう。リスニングは解答の途中から始まる。リスニングの開始時刻は問題用紙に書いてあるので解き始める前に確認しよう。当該大学の過去問演習をするのが一番である。1番のような指定字数内で説明させる問題は自己採点が難しいのでZ会などの添削指導を頼っても良い。4番のような大学入試の「英語」で他に類を見ない量の英作文（合計400語程度）では、自分で書いてみても自己採点のしようがないので、やはり高校の先生や通信添削を頼ると良い。 === 世界史 === 合計配点850点中150点が世界史。大学が言っている通り、全て（一部日本史を含む）近現代の範囲から出題されている。また、語句記述問題が存在する。これらは得点可能な基礎的な問題ばかりなので、ここで得点の取りこぼしをすると後でひびく危険性がある。世界史が受験科目に導入されたのはここ数年であり、詳しい分析はできないが、指定語句を使用する400字論述が一題、指定語句を使用する100ほどの小論述が一題出題される。　その他の問題はすべて記述解答型一問一答形式であり、（各5点）漢字を間違えると1点にまで減点されてしまうので、現代中国史の人名などはよく復習するとよい。過去問は1979年から最近のものまで次のサイトに掲載してある。http://www.ne.jp/asahi/wh/class/kakamon.html === 日本史 === '''2015年度入試より新規導入''' 日本史は一般国公立と同レベルの比較的解きやすい問題が多い。 == 後期日程 == 配点比率500:200（英語+Lまたは他の外国語200、国語(現古漢)200、数学、地歴B、倫理・政経のいずれか1科目100）全配点700点中400点は英語。二次試験は英語1科目のみだが、最後の一問は小論文となっていて、そこに割く時間が大きい。受験生としては英文解釈問題と和訳問題を1時間強で終わらせたい。二次試験の英文の難易度は、全ての大学入試の中でもトップクラスといえる。更に問題を解く際には十分な国語力が必要となる。前期後期とも共通して言えることだが、二次での挽回は難しい（特に後期）ためセンター試験でどれだけ点を稼いでおけるかが合否の分かれ目となる。 == 外部サイト == [http://www.tufs.ac.jp/ 東京外国語大公式サイト] [[Category:大学入試\|とうきようかいこくこ]]	null	2021-10-20T21:24:55Z	[ "テンプレート:Wikipedia" ]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E5%A4%96%E5%9B%BD%E8%AA%9E%E5%A4%A7%E5%AF%BE%E7%AD%96
8,004	釣り	池や湖沼、海、川などの水中に器械、竿を仕掛け、水中の生物を獲ること。釣りには一般的に竿、釣り糸、釣り針を使う。魚釣りで最も典型的な手順は、釣り針に餌やルアー、光沢針、毛針などをつけ、釣り糸でつなぎ、釣竿の先端に結ぶ。そして、魚が食いつくのを待ち、食いついたら竿をひき魚を引き寄せて捕獲する。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "池や湖沼、海、川などの水中に器械、竿を仕掛け、水中の生物を獲ること。釣りには一般的に竿、釣り糸、釣り針を使う。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "魚釣りで最も典型的な手順は、釣り針に餌やルアー、光沢針、毛針などをつけ、釣り糸でつなぎ、釣竿の先端に結ぶ。そして、魚が食いつくのを待ち、食いついたら竿をひき魚を引き寄せて捕獲する。", "title": "概説" } ]	池や湖沼、海、川などの水中に器械、竿を仕掛け、水中の生物を獲ること。釣りには一般的に竿、釣り糸、釣り針を使う。	[[池]]や[[湖沼]]、[[海]]、[[川]]などの水中に器械、竿を仕掛け、水中の[[生物]]を獲ること。釣りには一般的に竿、釣り糸、釣り針を使う。 == 概説 == 魚釣りで最も典型的な手順は、釣り針に[[餌]]や[[ルアー]]、光沢針、[[毛針]]などをつけ、釣り糸でつなぎ、[[釣竿]]の先端に結ぶ。そして、魚が食いつくのを待ち、食いついたら竿をひき魚を引き寄せて捕獲する。 [[Category:趣味]]	null	2015-09-13T06:44:44Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E9%87%A3%E3%82%8A
8,007	企業会計原則注解 (注1)	注1 重要性の原則の適用について (一般原則二、四及び貸借対照表原則一) 企業会計は、定められた会計処理の方法に従って正確な計算を行うべきものであるが、企業会計が目的とするところは、企業の財務内容を明らかにし、企業の状況に関する利害関係者の判断を誤らせないようにすることにあるから、重要性の乏しいものについては、本来の厳密な会計処理によらないで他の簡便な方法によることも正規の簿記の原則に従った処理として認められる。重要性の原則は、財務諸表の表示に関しても適用される。重要性の原則の適用例としては、次のようなものがある。 (1) 消耗品、消耗工具器具備品その他の貯蔵品等のうち、重要性の乏しいものについては、その買入時又は払出時に費用として処理する方法を採用することができる。 (2) 前払費用、未収収益、未払費用及び前受収益のうち、重要性の乏しいものについては、経過勘定項目として処理しないことができる。 (3) 引当金のうち、重要性の乏しいものについては、これを計上しないことができる。 (4) たな卸資産の取得原価に含められる引取費用、関税、買入事務費、移管費、保管費等の付随費用のうち、重要性の乏しいものについては、取得原価に算入しないことができる。 (5) 分割返済の定めのある長期の債権又は債務のうち、期限が一年以内に到来するもので重要性の乏しいものについては、固定資産又は固定負債として表示することができる。重要性の原則(principle of materiality) 企業会計は本来、定められた会計処理の方法に従って正確な計算を行うべきものだが、企業会計が目的とするところは、企業の状況に関して利害関係者の判断を誤らせないようにすることにあるから、これに影響を及ぼさないような重要性の乏しいものについては、厳密な会計処理によらないで他の簡便な方法を認めるとした例外的原則で、一般原則ではないがそれに準ずる原則である。会計原則に忠実なあまり、会計データ自体が煩雑となり、重要な会計情報がその中に埋没してしまい、財務諸表の明瞭性が失われてしまうことを防ぐ意味合いがある。特定の項目や取引について、それが重要かどうかの具体的な判断基準については、「企業の状況に関して利害関係者の判断を誤らせない。つまり、その情報があったとしたら受け手は別の判断をするかどうか」という条件の下で、1科目の重要性(質的重要性)と2金額の重要性(量的重要性)という2つの判断基準を用いる。財務諸表での表示については、科目の重要性を優先する(特定の科目については金額が少なくても表示する)。例えば、半製品、副産物や作業屑の売上が全売上高の10%を超えるときは区別して記載しなければならない。(金額の重要性。財務諸表等規則第72条第3項)	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "注1 重要性の原則の適用について (一般原則二、四及び貸借対照表原則一)", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "企業会計は、定められた会計処理の方法に従って正確な計算を行うべきものであるが、企業会計が目的とするところは、企業の財務内容を明らかにし、企業の状況に関する利害関係者の判断を誤らせないようにすることにあるから、重要性の乏しいものについては、本来の厳密な会計処理によらないで他の簡便な方法によることも正規の簿記の原則に従った処理として認められる。", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "重要性の原則は、財務諸表の表示に関しても適用される。", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "重要性の原則の適用例としては、次のようなものがある。", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "(1) 消耗品、消耗工具器具備品その他の貯蔵品等のうち、重要性の乏しいものについては、その買入時又は払出時に費用として処理する方法を採用することができる。", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "(2) 前払費用、未収収益、未払費用及び前受収益のうち、重要性の乏しいものについては、経過勘定項目として処理しないことができる。", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "(3) 引当金のうち、重要性の乏しいものについては、これを計上しないことができる。", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "(4) たな卸資産の取得原価に含められる引取費用、関税、買入事務費、移管費、保管費等の付随費用のうち、重要性の乏しいものについては、取得原価に算入しないことができる。", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "(5) 分割返済の定めのある長期の債権又は債務のうち、期限が一年以内に到来するもので重要性の乏しいものについては、固定資産又は固定負債として表示することができる。", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "重要性の原則(principle of materiality)", "title": "解説" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "企業会計は本来、定められた会計処理の方法に従って正確な計算を行うべきものだが、企業会計が目的とするところは、企業の状況に関して利害関係者の判断を誤らせないようにすることにあるから、これに影響を及ぼさないような重要性の乏しいものについては、厳密な会計処理によらないで他の簡便な方法を認めるとした例外的原則で、一般原則ではないがそれに準ずる原則である。", "title": "解説" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "会計原則に忠実なあまり、会計データ自体が煩雑となり、重要な会計情報がその中に埋没してしまい、財務諸表の明瞭性が失われてしまうことを防ぐ意味合いがある。", "title": "解説" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "特定の項目や取引について、それが重要かどうかの具体的な判断基準については、「企業の状況に関して利害関係者の判断を誤らせない。つまり、その情報があったとしたら受け手は別の判断をするかどうか」という条件の下で、1科目の重要性(質的重要性)と2金額の重要性(量的重要性)という2つの判断基準を用いる。財務諸表での表示については、科目の重要性を優先する(特定の科目については金額が少なくても表示する)。", "title": "解説" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "例えば、半製品、副産物や作業屑の売上が全売上高の10%を超えるときは区別して記載しなければならない。(金額の重要性。財務諸表等規則第72条第3項)", "title": "解説" } ]	null	==条文== '''注１重要性の原則の適用について''' （[[企業会計原則#正規の簿記の原則\|一般原則二]]、[[企業会計原則#明瞭性の原則\|四]]及び[[企業会計原則#一　貸借対照表の本質\|貸借対照表原則一]]）　企業会計は、定められた会計処理の方法に従って正確な計算を行うべきものであるが、企業会計が目的とするところは、企業の財務内容を明らかにし、企業の状況に関する利害関係者の判断を誤らせないようにすることにあるから、重要性の乏しいものについては、本来の厳密な会計処理によらないで他の簡便な方法によることも正規の簿記の原則に従った処理として認められる。　重要性の原則は、財務諸表の表示に関しても適用される。　重要性の原則の適用例としては、次のようなものがある。 (1) 消耗品、消耗工具器具備品その他の貯蔵品等のうち、重要性の乏しいものについては、その買入時又は払出時に費用として処理する方法を採用することができる。 (2) 前払費用、未収収益、未払費用及び前受収益のうち、重要性の乏しいものについては、経過勘定項目として処理しないことができる。 (3) 引当金のうち、重要性の乏しいものについては、これを計上しないことができる。 (4) たな卸資産の取得原価に含められる引取費用、関税、買入事務費、移管費、保管費等の付随費用のうち、重要性の乏しいものについては、取得原価に算入しないことができる。 (5) 分割返済の定めのある長期の債権又は債務のうち、期限が一年以内に到来するもので重要性の乏しいものについては、固定資産又は固定負債として表示することができる。 ==解説== '''重要性の原則'''（principle of materiality）企業会計は本来、定められた会計処理の方法に従って正確な計算を行うべきものだが、企業会計が目的とするところは、企業の状況に関して利害関係者の判断を誤らせないようにすることにあるから、これに影響を及ぼさないような重要性の乏しいものについては、厳密な会計処理によらないで他の簡便な方法を認めるとした例外的原則で、一般原則ではないがそれに準ずる原則である。会計原則に忠実なあまり、会計データ自体が煩雑となり、重要な会計情報がその中に埋没してしまい、財務諸表の明瞭性が失われてしまうことを防ぐ意味合いがある。特定の項目や取引について、それが重要かどうかの具体的な判断基準については、「企業の状況に関して利害関係者の判断を誤らせない。つまり、その情報があったとしたら受け手は別の判断をするかどうか」という条件の下で、①科目の重要性（質的重要性）と②金額の重要性（量的重要性）という２つの判断基準を用いる。財務諸表での表示については、科目の重要性を優先する（特定の科目については金額が少なくても表示する）。例えば、半製品、副産物や作業屑の売上が全売上高の10％を超えるときは区別して記載しなければならない。（金額の重要性。[[w:財務諸表等規則\|財務諸表等規則]]第72条第3項） [[カテゴリ:企業会計原則]]	null	2022-11-23T08:39:05Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E4%BC%81%E6%A5%AD%E4%BC%9A%E8%A8%88%E5%8E%9F%E5%89%87%E6%B3%A8%E8%A7%A3_(%E6%B3%A81)
8,008	オランダ語/アルファベット	オランダ語のアルファベット(Het alfabet in het Nederlands)は26文字である。アルファベットの読み方は次のようである。この26字の文字を組み合わせて読むのだが、読み方は英語とドイツ語の中間的である。また、オランダ語独自の発音もあるので、この点が英語やドイツ語に対するオリジナリティーである。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "オランダ語のアルファベット(Het alfabet in het Nederlands)は26文字である。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "アルファベットの読み方は次のようである。", "title": "オランダ語の発音法" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "", "title": "オランダ語の発音法" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "", "title": "オランダ語の発音法" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "この26字の文字を組み合わせて読むのだが、読み方は英語とドイツ語の中間的である。また、オランダ語独自の発音もあるので、この点が英語やドイツ語に対するオリジナリティーである。", "title": "オランダ語の発音法" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "", "title": "オランダ語の発音法" } ]	オランダ語のアルファベットは２６文字である。	'''オランダ語のアルファベット'''（Het alfabet in het Nederlands）は２６文字である。 ==オランダ語の発音法== アルファベットの読み方は次のようである。 {\| \|-align=center \|アー\|\|ベー\|\|セー\|\|デー\|\|エー\|\|エフ\|\|ヘー\|\|ハー\|\|イー\|\|イェー\|\|カー\|\|エル\|\|エム\|\|エン\|\|オー\|\|ペー\|\|クー\|\|エル\|\|エス\|\|テー\|\|ユー\|\|フェー\|\|ヴェー\|\|イクス\|\|エイ\|\|イグレック\|\|ゼット \|-align=center !A!!B!!C!!D!!E!!F!!G!!H!!I!!J!!K!!L!!M!!N!!O!!P!!Q!!R!!S!!T!!U!!V!!W!!X!!Ĳ!!Y!!Z \|} この２６字の文字を組み合わせて読むのだが、読み方は英語とドイツ語の中間的である。また、オランダ語独自の発音もあるので、この点が英語やドイツ語に対するオリジナリティーである。 ==関連項目== * [[オランダ語]] * [[オランダ語/目次]] [[Category:オランダ語\|あアルファベット]]	null	2012-02-04T05:57:41Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%80%E8%AA%9E/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%99%E3%83%83%E3%83%88
8,009	オランダ語/発音	オランダ語の発音(De uitspraak in het Nederlands) オランダ語の発音は、原則ローマ字読みである。例えば、英語のcityやstationはオランダ語では、stad/postとなるのだが、このときの両者の発音は、次のようになる。 city stad (スタッド) station post (ポスト) これだけでは、オランダ語の半分くらいしか音読できない。というのは、オランダ語には、その他の不規則な発音が存在しているからである。とくに母音が関係するときや外来語では、その傾向が顕著となる。aaと続いたり、ouとなると、読み方が、「アー」とのびたり、「アウ」と発音したりする。また、ijもオランダ語のオリジナルなもので、一般に「エイ」と発音し、この形に子音が先頭に来るlijkなどは「リック」と発音する。この位までを知っているとオランダ語のほとんどが辞書を片手に音読できる。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "オランダ語の発音(De uitspraak in het Nederlands)", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "オランダ語の発音は、原則ローマ字読みである。例えば、英語のcityやstationはオランダ語では、stad/postとなるのだが、このときの両者の発音は、次のようになる。", "title": "発音の規則について" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "city stad (スタッド)", "title": "発音の規則について" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "station post (ポスト)", "title": "発音の規則について" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "これだけでは、オランダ語の半分くらいしか音読できない。というのは、オランダ語には、その他の不規則な発音が存在しているからである。とくに母音が関係するときや外来語では、その傾向が顕著となる。aaと続いたり、ouとなると、読み方が、「アー」とのびたり、「アウ」と発音したりする。また、ijもオランダ語のオリジナルなもので、一般に「エイ」と発音し、この形に子音が先頭に来るlijkなどは「リック」と発音する。", "title": "発音の規則について" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "この位までを知っているとオランダ語のほとんどが辞書を片手に音読できる。", "title": "発音の規則について" } ]	オランダ語の発音	'''オランダ語の発音'''（De uitspraak in het Nederlands） ==発音の規則について== ===発音の原則=== オランダ語の発音は、原則ローマ字読みである。例えば、英語の'''city'''や'''station'''はオランダ語では、'''stad'''/'''post'''となるのだが、このときの両者の発音は、次のようになる。 <big>'''city'''</big> <big>'''stad''' (スタッド)</big> <big>'''station'''</big> <big>'''post''' (ポスト)</big> これだけでは、オランダ語の半分くらいしか音読できない。というのは、オランダ語には、その他の不規則な発音が存在しているからである。とくに母音が関係するときや外来語では、その傾向が顕著となる。'''aa'''と続いたり、'''ou'''となると、読み方が、「アー」とのびたり、「アウ」と発音したりする。また、'''ij'''もオランダ語のオリジナルなもので、一般に「エイ」と発音し、この形に子音が先頭に来る'''lijk'''などは「リック」と発音する。この位までを知っているとオランダ語のほとんどが辞書を片手に音読できる。 ===関連項目=== * [[オランダ語]] * [[オランダ語/目次]] ==外部リンク== *[http://maca-maca-macarons.blog.so-net.ne.jp/2008-10-10 オランダ語のしくみ：Exactement！] [[category:オランダ語\|発]]	null	2012-02-04T03:07:16Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%80%E8%AA%9E/%E7%99%BA%E9%9F%B3
8,026	小学校理科/5学年	小学校理科5学年では、小学校5年生の理科の学習をします。ここでは、植物が成長するしくみを学びます。植物の種が芽や根をだすことを、発芽といいます。植物のたねを土にまいただけでは、発芽はしません。発芽には、水分・空気・適当な温度が必要です。ひとつでも欠けていると発芽はしません。水は必要ですが、種が水の中だと空気がない (接していない) ので発芽をしません。水分は湿り気を帯びている程度が適切です。日光は、ほとんどの植物の発芽には必要ありません。まったく光のあたらない暗室(あんしつ)でも、湿り気・空気・適切な温度がそろっていれば、発芽をします。以下に説明される実験では、「ほうちょう(包丁)」を使う場合があります。包丁をつかうのは危険ですので、学校の授業のほかにはこの実験は行わないようお願いします。利用規約もお読みください。ジャガイモもしくは米粒 (学校によりこれら以外の場合もある) を(包丁などで切った)切り口に、少しヨウ素液という液体を垂らすと、青紫色になります。ヨウ素液そのものの色は、うすい黄色です。ジャガイモや米粒の切り口は、白色です。つまり、ジャガイモもしくは米粒とヨウ素液とが組み合わさり、なにか反応が起こったことになります。また、じゃがいもの切り口からでる白い汁に少しヨウ素液をたらすと、青むらさき色になります。 2つの実験の結果は、の全てにデンプンが含まれていて、そのデンプンとヨウ素が反応したためです。このデンプンとヨウ素との反応を、ヨウ素デンプン反応といいます。このデンプンは、植物が成長するために植物が作った栄養です。なお、ヨウ素液は、光にあたると性質が変化してしまうので、光があたらないように、茶色いビンに入っています。ヨウ素デンプン反応は、ある物にデンプンが含まれているか否かを調べるのに利用されます。注意ヨウ素液を飲むことは絶対におやめください。ヨウ素液をつけたものも、食べてはいけません。ヨウそ液をつけたイモは、もったいないですがゴミとして、処分してください。植物が発芽した後、日光に当てずにかげになる場所に置いていたり肥料をあたえなかったりすれば、しっかりとした植物はできません。植物の成長には、発芽で必要だった水・空気・適当な温度のほかに、日光が必要になります。必ずしも必要ではないですが、肥料がくわえられると育ちがよくなります。鉢植えなどに植えられた植物は、肥料がないと外から土に栄養が流れ込まないので、植物の育ちがかなり悪くなります。日当たりがわるいと、植物は緑色にはなりません。日当たりがないと、くきも細く、葉も小さいです。花には、 '花びら'(はなびら) と、花びらの根本のほうにある緑色の先のいくつか別れた 'がく' があります。アサガオでは、がくは5つに別れています。アブラナでは、がくは4枚です。植物の種類によってちがいはあるものの、ほとんどの植物の花には、花びら・がく・おしべ・めしべがあります。この4つを花の4要素(はなのよんようそ)といいます。ただし、カボチャの花では、おしべはお花にしかありませんし、めしべはめ花にしかありません。カボチャのお花には、花びらや、がくがあります。カボチャのめ花には、「花びら」・「がく」・「子ぼう」があります。このように、お花やめ花に分かれていてもがくはあります。なお、カボチャのがくは5枚です。お花もめ花も、がくは5枚です。め花の子ぼうは、カボチャの実になります。ヘチマも、花がお花とめ花に分かれています。お花のがくの下には、子ぼうがあります。ヘチマの子ぼうは、ヘチマの実になります。カボチャ・ヘチマ・ヒョウタンは、ウリ科の植物です。柱頭に花粉がつかないと、子ぼうは、実(み)になりません。めしべにある柱頭(ちゅうとう)に、花粉がつくことを受粉(じゅふん) といいます。受粉をした花には、変化が起こります。柱頭いがいの場所についても、受粉ではありません。子房に花粉がついたのは、柱頭ではありません。子ぼうに花粉がついても、とくに変化は起きません。花柱(かちゅう)に花粉がついても、とくに変化は起きません。受粉をして花に変化がおきるのは、柱頭(ちゅうとう)に花粉がついた場合だけです。だから、柱頭に花粉がついたばあいだけを、受粉(じゅふん)といいます。柱頭はほとんどの植物では、柱頭は「ねばねば」していて、花粉がつきやすいようになっていることが多いです。「子ぼう」の中には、「はいしゅ」(胚珠)があります。柱頭に花粉が付いて受粉をすると、やがて子ぼうがふくらんでいき、そして実(み)になります。実(み)のなかには、種(たね)があります。この種は、はいしゅだったものが変化したものです。遠足の前の日は、天気が気になりますね。ここでは、天気の仕組みを学びます。気温の変化については、小学校理科 4学年を参照してください。まず、「晴れ」や「くもり」とかの天気を表す用語を説明しましょう。空をおおう雲の量の割り合いを、雲量(うんりょう) といいます。空全体を10としたとき、どのくらい雲があるかによって雲量を決めます。地球上の雲は、気象衛星(きしょうえいせい)という、人工衛星(じんこうえいせい)によって撮影されています。日本では気象衛星は、「ひまわり」という気象衛星が運用されています。日本での天気予報は、気象衛星からの情報も参考にしますが、それだけではなく、日本各地の地上からの観測所からの情報も元にして、決められています。日本には、アメダスという気象観測のシステムがあり、観測装置が日本国内各地の約1300ヶ所の気象観測所にあります。気象観測の情報には、気象衛星やアメダスのほか、気象レーダーや海洋・海上気象観測や、などの情報があります。これらの情報を元にして、気象庁は天気図や予報天気図を作成し、気象庁は天気予報を発表します。日本の付近では、天気は西から東へと変わっていきます。気象衛星の画像を見ると、雲のうごきは、南北方向の雲の動きについては季節などによってちがいますが、東西方向の動きについては、ほぼ、西から東のほうへと雲は移動します。季節によって天気の傾向が異なります。日本の場合の季節ごとの天気の特ちょうを、気圧の仕組みとからめて、のべます。ユーラシア大陸で発生した高気圧と低気圧が、偏西風により交互に西からやってきて、日本上空を高気圧と低気圧が交互におとずれます。このため、天気が3~4日ぐらいごとに周期的に変わりやすくなります。俗に三寒四温(さんかんしおん)などと呼ばれます。それぞれ、移動性高気圧(いどうせいこうきあつ)と温帯低気圧(おんたいていきあつ)と呼ばれます。高気圧の時に天気がよくあたたかく、低気圧の時に天気が悪くなります。周期的な天気の変化を繰り返すうちに、月日が立つにつれ、だんだんとあたたかくなっていきます。その結果、湿度と気温が高い、むしあつい日々が多くなります。なお、このような季節ごとの特ちょうのある風を季節風(きせつふう)といいます。夏は、晴れの日が多くなります。また、強い日差しのため地面があたためられ上昇気流が発生しますが、上空ですぐに冷やされるので積乱雲(いわゆる入道雲)が発生しやすく、そのため、雨天時は大雨や雷雨になりやすいです。いわゆる夕立(ゆうだち)です。気圧の配置は、南の気圧が高く、北の気圧が低い、南高北低(なんこうほくてい)です。秋の天気も3~4日ぐらいごとに、周期的に変わることが多いです。ユーラシア大陸の長江気団の影響です。南の高気圧は弱まり、北の高気圧が強くなっていきます。梅雨には梅雨前線があったのと同様に、秋にも秋雨前線(あきさめぜんせん)により長雨がふることがあります。また、9月ごろに台風(たいふう)という、つよい風雨が発生することが多いです。周期的な天気の変化を繰り返すうちに、月日が立つにつれ、だんだんとさむくなっていきます。北西からやってきたシベリア気団に、日本がおおわれます。北西からの季節風が強いです。日本海側と太平洋側で天気が違うことが多いです。日本海側では、くもりや雪がふりやすいです。いっぽう太平洋側では、雪を降らせ終わったあとの乾いた風が吹くので、乾燥した晴れの日が太平洋側では多いです。 ※注意この節では、メダカの飼育方法を解説していますが、責任は取りません。詳しくはページ末にリンクのある免責事項について、お読みください。飼育は、読者の自己責任です。この節では、メダカを例に魚の生まれ方を説明します。メダカの生まれかたを観察するにあたっては、メダカを飼わないと(かわないと)観察のしようがありませんね。メダカを飼う際は、次のような点に注意しましょう。メダカに限らず、動物は性別によって体の特ちょうがオスとメスとで異なります。メダカのオスとメスとで体の特ちょうの違いは、次のようなものがあります。メダカのメスは水温が20°C~25°Cくらいになると、産卵をする。水温が低すぎたり、水温が高すぎたりすると、産卵をしない。季節で言えば、3月の春頃から、秋のはじめの9月頃である。観察実験は、この時期にあわせると行いやすい。産卵したメスの尻(しり)のほうに、たまごが、いくつかついている。メダカのたまごは、透明で無色である。たまごの一個あたりの大きさは、だいたい直径が1.0mmから1.5mmくらいである。このような小さなたまごが、だいたい5個から10個くらいついている。メダカのメスは、一度の産卵(さんらん)で、たまごを5個から10個くらいうむ。なお、尻(しり)からたまごが出るのではなく、尻とはべつに、たまごを出すための穴が、魚のメスにはついている。オスがメスに並んで泳ぎよりそい、メスのたまごに精子(せいし)というものをふくんだ液をたまごにかけると、たまごに子供がやどる。このような、オスから出る精子をふくんだ液を精液(せいえき)という。精液には、とても多くの精子がふくまれている。もし、オスの精子がたまごにつかないと、たまごからは子供は生まれず、卵はそのままくさっていく。メスのたまごにオスの精子が、かかって、たまごに子がやどることを受精(じゅせい) という。オスの種類とメスの種類が同じでないと、たまごに精子をかけても、たまごに子は宿らない。メダカのたまごに、メダカ以外の、たとえばイワシの精子をかけても、子はやどらず受精をしない。また、1個のたまごに受精できる精子の数は、ふつう1個だけである。(たまごが受精すると、それ以上はべつの精子が近づいても受精しないように、たまごが変わる。) ほとんどの精子は、受精はできず、そのまま水中で死んでしまう。産卵が終わったら、メスは、たまごを水草にくっつける。メダカのたまごには、長い毛が、たまごの一部から、数本出ている。この毛は付着毛(ふちゃくもう)と呼ばれる。付着毛とは別に、短い毛がたまごに全体的に付いている。たまごと別のたまごの付着毛どうしがからみつき、たまごどうしがまとまる。この付着毛をメスが水草にまきつけることで、たまごを水草に固定している。たまごから、子がかえりやすい温度は、だいたい20°Cから25°Cまでである。15°Cくらいより低い温度だと、たまごがかえらず、死んでしまう。30°Cくらいより高い温度でも、たまごが死んでしまう。子メダカの形はヒレは見られないものの、頭から尾まである。また、腹にふくらんだふくろがある。この腹のふくろには養分が入っている。生まれたばかりの子メダカは、このふくろから栄養をとる。ふくろのある子メダカに、エサをあげても食べない。ふ化してから2日から3日ぶんくらいすると、ふくろが無くなり、子メダカはエサを食べるようになる。ふくろが小さくなった理由は、栄養として使われたからだと、考えられている。ふくろが無くなる頃には、体もふ化した直後よりかは、すこしだけ大きくなっている。メダカは種類にもよるが、4ヶ月くらいで親になる。寿命は1~2年くらいである。結論から言おう。自然の池や小川の水中には、人間の目には見えないが、じつは小さな生物が住んでいる。その小さな生き物が、小さすぎて、人間の目では気づかないのである。自然の池や川の小魚が、人間がエサをあげなくても生きていけるのは、このような小さな生物を食べているから、自然の小魚が生きていけるのである。このような、池や川などの水中の、目には見えない小さな生き物をまとめて、プランクトンという。プランクトンは、魚ではない。なお、水中に限らず、小さすぎて、人の目には見えない生き物のことを、び生物(びせいぶつ、微生物)という。プランクトンには、動物に含まれる動物性プランクトンもあれば、植物に含まれる植物性プランクトンもある。なお、池の水や川の水など、塩分をほとんどふくまない水を、淡水(たんすい)という。ミドリムシは光合成をするが、体を動かせるという、動物と植物の両方の特ちょうを持ってる。植物性プランクトンであるアオミドロやミカヅキモは、植物なので、光合成をします。そのため、日当たりのいい場所で、増殖(ぞうしょく)します。ミドリムシも光合成をするので、日当たりのいい場所で増殖する。植物性プランクトンの色が緑色なのは、光合成を行う葉緑体の色である。顕微鏡のレンズには、接眼レンズと対物レンズの2種類が必要である。顕微鏡の倍率は、である。たとえば接眼レンズの倍率が15倍であり、対物レンズの倍率が4倍なら、顕微鏡の倍率は60倍である。(15×4=60より) 一般に小中学校などで使うような形式の顕微鏡の倍率は、40倍から600倍までである。ミジンコやミドリムシなど、いわゆる「微生物」と言われるものは、虫メガネなどでは倍率が小さすぎて確認できない場合が多い。微生物などは、顕微鏡以上で観察しよう。まず、プレパラートの用意が必要である。鏡筒上下式顕微鏡と、ステージ上下式顕微鏡のどちらとも、プレパラートが必要にななる。小学校では、プレパラートのつくり方は、習わないかもしれません。その場合でも、学校の先生などがプレパラートを作成しているはずです。このプレパラートの用意の方法を、つぎに説明します。顕微鏡で観察する時は、プレパラートを使う必要がある。うすい物しか観察できない。あつい物を観察したい場合は、うすい切片にする必要がある。以上の手順で、観察を始められる。さらに高倍率で観察したい場合には、対物レンズをレボルバーを回して、高倍率の対物レンズに替える。顕微鏡で見える像は、上下左右が反対に見える顕微鏡が普通である。なので、プレパラートを動かすと、像は反対方向に動いて見える。よって、プレパラートを動かしたい場合には、動かしたい方向とは反対の方向に動かす。いきなり、高倍率の対物レンズで観察すると、視野がせまいので調整が難しくなる。そのため、まずは低倍率の対物レンズを使用する。また、高倍率にするほど明るさは暗くなる。魚(たとえばメダカ)や両生類(たとえばカエル)などの水中の生き物では、メスがたまごを産卵したあとに、オスが精子をふくんだ精液(せいえき)を、たまごにかけることで、たまごが受精し、子がやどる。精子の中には、父親の体のつくりかたの情報をもっている遺伝子(いでんし) という物質がある。この精子のなかの遺伝子によって、父親の体の特ちょう(とくちょう)が、こどもに受けつがれる(うけつがれる)。卵のなかにも、母親の体のつくりかたの情報をもっている遺伝子(いでんし) という物質がある。この卵のなかの遺伝子によって、母親の体の特ちょう(とくちょうが、こどもに受けつがれる(うけつがれる)。こどもの特ちょう(とくちょう)は、父親からは精子のなかの遺伝子で、父親の特ちょうが子に受けつがれる。母親からは、母親の卵のなかの遺伝子で、母親の特ちょうが子に受けつがれる(うけつがれる)。なので、子の体は、父親と母親の両方の特ちょうを受けつぐ。魚では、母親が体外に出した卵に、オスが精子をふくんだ精液をかけるので、あった。しかし、陸上の生物は、この方法では、受精できない。精子は水中は泳げるが、精子は空中を飛べない。陸上生物では、魚とはちがった方法で、受精が行われる。生き物のうまれる仕組みを説明した。きみたち小学生も、(きみたちの)お母さんから、うまれてきたのです。女の人は、あかちゃんが、体の中にできると、おなかが大きくなります。おなかの中で、こどもが、できはじめるのを、妊娠(にんしん)と言います。「妊婦(にんぷ)さん」というのは、妊娠してる女の人のことです。また、おなかの中にいるときの赤んぼうのことを、胎児(たいじ)といいます。そして、おなかの中の赤ちゃん(胎児)は、お母さんの体から、栄養(えいよう)をもらって、おなかの中の赤ちゃん(胎児)は、すくすくと育っていきます。おなかの中の赤ちゃんと、お母さんは、へそのおで、つながっています。へそのおは、赤ちゃんに、栄養を、おくっています。お母さんが、赤ちゃんに、栄養をおくっているのです。空気も、へそのおをとおして、お母さんから、もらっているので、赤ちゃんはちっそくしないのです。おなかの中で赤ちゃんがそだちはじめてから、10か月ほどすると、お母さんは、赤ちゃんを体の外に出します。こうして、こどもは、うまれてくるのです。なお、お母さんが赤ちゃんを体の外に出すときのことを、出産(しゅっさん)といいます。こどもを「妊娠(にんしん)する」ということは、とっても体が、くるしいのです。それは「つわり」といって、はきけがするのです。でも、妊娠していたころのお母さんは、こどもをうみたかったから、つわりのくるしさを、がまんしているのです。さらに、こどもを産む直前は、とっても力いっぱい、ふんばる(踏ん張る)ので、(※ うんちをだすとき、ふんばりますよね? おんなじように、こどもを出すとき、ふんばるのです。)とっても、くるしいのです。この出産のときの踏ん張り(ふんばり)は、排便(はいべん)の時よりも、もっとすっごく、ふんばっているのです。なので、すっごく、痛い(いたい)のです。この出産のときの痛さを陣痛(じんつう)といいます。ちなみに、へそのおは、子供が出てきたばかりのときは、まだ、つながっています。出産したあと、へそのおを、ハサミで切るのです。さらに、子供をうんだ後(あと)にも、子供をそだてるのも、すごく大変なのです。赤んぼうが、母親のおっぱいから出る、母乳(ぼにゅう)を飲むのは、出産が終わったあとです。つまり、赤んぼうが、母親の体の外に出たあとになって、それからいろいろあって、赤んぼうは、母親から出る母乳を飲むのです。赤んぼうが、おなかの中にいるときは、まだ、母乳を飲んでいません。川の周りには石が転がっていますね。それは、川の流れにのって石が運ばれてくるからです。ここでは、流れる水の影響を学びます。流れる水は、土や砂などを、おしながす・けずりとる・つもらせるの三つのはたらきがあり、頭文字をとってサルのおけつと覚えることができます。たとえば雨が降った日の水たまりなどをみると、最初は水がたまっていくだけですが、そのうち、水たまりから水があふれて、高いところから低いところに流れていき、とても小さな川のようになります。また、水たまりがいくつもあるので、小さな川もつながっていき、水たまりだったところも、いくつかつながっていきます。雨が上がってから、水が流れていた水たまりからつくられた小さな流れのあった場所を見ると分かるのですが、流れのあたっところが、けずりとられて、くぼんでいきます。雨の日の、土の上に出きた水たまりや水の流れなどでは、水が土をけずりとっているので、水はちゃいろく、にごっています。流れていった雨水や、水たまりにあった水は、そのあと、どこへ行くかというと、地下にしみこんで行ったり、あるいは、溝などに流れこんだりします。雨の日の水たまりからも、「おしながす・けずりとる・つもらせる」の三つの作用が確認できます。流れる水が地面を、けずり取る作用をしん食(しんしょく、侵食) と言います。けずり取られた土や砂は、そのまま流れによって下流へと運ばれていきますが、この運ぶ作用を運ぱん(うんぱん、運搬)といいます。この運ぱんは、水の流れが速いほど、大きな物が運べるようになります。水の流れがおそい場所では、運べなくなるので、その場所に、運んできた物が、たまっていきます。この、流れがおそい場所に、物がたまる作用をたい積(たいせき、堆積) と言います。算数で習う「体積」ではありません。けずる作用も運ぶ作用も、流れが速いほど、強くなります。川の中での砂や石は、大きさや重さによって、流され方が、ちがう。砂と石なら、砂のほうが流されやすい。このように、つぶが小さな物ほど、ながされやすい。ねん土(ねんど、粘土)は、つぶ自体は細かいので、かわいた粘土や、固まっていない粘土は、流されやすいです。石でも、小石と大きな石だったら、小さい石ほど流されやすいです。川には、曲がっているところがある場合もあります。曲がっている川では、外側ほど流れが速く、内側は流れがおそいです。このため、外側は、しん食によってけずられるので、がけのように水深が深くなっています。いっぽう、内側は、たい積によって、石や砂や粘土がつもっています。このようにして、川の曲がりの内側では、川原(かわら)<「河原」ということもあります。>ができやすいです。川に限らず、流れている物について、流れが始まっている場所を上流(じょうりゅう) と言います。たとえば、山から低地へと流れている川だったら、川の上流は、山のほうにあります。日本の場合、ふつうの川では、川の上流へと、たどっていけば、もっとも上流の場所は、山地です。このため、川の上流は、かたむきが急で、流れが速いです。水の量は、下流と比べて、上流は少ないです。上流にある石は、角ばった石が多いです。石は、下流へと近づくに連れて、流れの途中に、石どうしでぶつかったりして、かどが削り取られて丸く小さくなっていきますが、上流ではまだ削られてはいないので、石は角張っていて大きいです。 V字谷という地形ができやすい。川が、山から平地に出たあたりを川の中流(ちゅうりゅう)と言います。中流にある石は、丸まった石が多いです。これは運ぱんのさい中に、石のかどが、石どうしでぶつかったりして、削り取られているからです。中流での石の大きさも、上流よりかは小さいのが、ふつうです。また、中流では流れが、ゆるやかになるので、たい積作用も見られやすく、川原がある場合もあります。川が山地から平地に出た地域の周辺では、土砂などが山側を中心に平地側へ扇状に広がって、たい積した扇状地(せんじょうち) という地形ができやすいです。下流では、流れが遅くなり、たい積作用が強まります。また下流での石は、小さく丸い石が多いです。下流に近づくほど、水量は多くなり、川幅(かわはば)もひろくなります。コップの水に塩をいれてみます。食塩は見えなくなってしまいました。食塩はなくなってしまったのでしょうか。水は、食塩(しょくえん)や、砂糖(さとう)などを、溶かせます(とかせます)。砂糖(さとう)とは、なめると、あまいあじのする、あの「さとう」のことです。「水に溶ける」というのは、食塩を水に入れて、かきまぜると、目に見えなくなります。物(もの)によっては、水に溶けない物もあります。水に木をいれても、木はとけません。鉄や銅などの金属を水に入れても、溶けません。 (木や金属を入れた水は、けっして、飲まないでください。) 実験は、無理してしなくてもいいです。このように、物がとけた水のことを、水溶液(すいようえき) といいます。食塩が溶けた水は、食塩の水溶液です。砂糖が溶けた水は、砂糖の水溶液です。ともかく、水は、塩や砂糖などを、とかせます。食塩(しょくえん)がとけた水(みず)のことを、食塩水(しょくえんすい) といいます。海の水が、しょっぱいのは、海の水の中に、食塩が、とけているからです。なお、海の水のことを海水(かいすい)と、いいます。水に、物を溶かしたら、その溶かした量の重さだけ、水溶液(すいようえき)は、重くなります。たとえば、500グラムのなにも溶かしていない水に、これから20gの食塩を、溶かしたとしましょう。すると、食塩水の重さは、全部で520gになります。この増えた20gのぶんは、溶かした塩の重さと同じですね。溶かしたものは、べつに、消えてなくなったわけではありません。消えたのではなく、人間の目には見えなくなったというだけです。また、水に、物を溶かしても、水溶液の体積(たいせき)は、ほとんど変わりません。体積が一定の水は、塩や砂糖など、溶かせる物の量(りょう)に、かぎりがあります。水に、これ以上は、物が溶けなくなったことを、「水が、ほうわ(飽和) した。」というふうにいいます。水溶液は、透明(「とうめい」、・・・すきとおっている、ということ。)色がついていても、すきとおっていれば透明です。水溶液の、温度があまり変わらなければ、長い時間がたっても、水溶液は、透明のままです。水よう液にとけた物を、ろ紙にとおすと、水と一緒に、溶けたものも、ろ紙(ろし)を通ります。水に、とけていない物は、ろ紙を、とおりません。水に多くの物が混ざって(まざって)いるとき、このように、ろ紙をもちいて、水に溶けている物と、水に解けていない物とを、分けることができます。この、ろ紙を用いて、水に溶けたものだけをふくんだ水を作り出すことを、ろ過(ろか) といいます。ろ過の方法については、学校の教科書などを読んで、調べてください。水に溶かせる物の量(りょう)は、水の量が多いほど、溶かせる物の量も多くなります。水の量を2倍にすれば、とける食塩の量も2倍になります。とかされる物の種類によって、水の量が同じでも、溶ける物の量は、かわります。たとえば、20°Cの、なにもとかしていない水100gがあったとします。これに、砂糖(さとう)は200gくらいまで、とけます。おなじ量の、20°Cのまだ、なにもとかしていない水100gには、塩はこれから37gくらいまで、とけます。また、水の温度が高いほど、ほとんどの物質で、水に溶かせる物の量は増えます。溶かすものによって、温度を高くした時の、溶かせる量の増え方には、ちがいがあります。食塩は、水の温度を高くしても、溶ける量は増えるのですが、温度を高くしても、食塩の溶ける量が、あまり多くは増えまえん。砂糖(さとう)や、ホウ酸(ホウさん)は、温度を上げると、水に溶ける量は、大きく増えます。石灰水(せっかいすい)というものにふくまれている、水酸化カルシウム(すいさんかカルシウム)は、温度を上げると、逆に、水に溶ける量がへります。ある物体の、一定の量の水に、とける量の限度を溶解度(ようかいど) といいます。ホウ酸や、水酸化カルシウムをとかした水溶液も、純水ではありません。ろ紙を使った「ろ過」(ろか)によって、水にとけていないものは、水からは、取り出すことができます。しかし、水に溶けたものは、とりだすことができません。ろ過して、つくった液体は、水溶液であって、純水ではありません。では、水溶液から、溶けた物を取り出すのは、どうすればいいのでしょうか。方法は、いろいろとありますが、ここでは、蒸発(じょうはつ)をつかった方法を、教えます。蒸発(じょうはつ)については、小学校4年で教えているので、分からなかったら、読み返してください。食塩水から、食塩を取り出す方法を説明します。水は、100°Cにすると、沸騰(ふっとう)して、水が水蒸気(すいじょうき)になって、たくさん蒸発(じょうはつ)します。蒸発皿(じょうはつざら)の中の水を熱して、100°Cくらいにして、蒸発させれば、蒸発によって、蒸発皿の中の水は、水蒸気になって、外に出ていきます。しかし、水に溶けた食塩は、出て行きません。だから、蒸発皿の中に、食塩が、のこります。食塩水だけではなく、ホウ酸(ホウさん)の場合も、蒸発によって、水溶液から取り出すことができます。蒸発(じょうはつ)というのは、なにも、100°Cくらいで沸騰させなくても、それよりひくい温度でも、おこるのでしたよね。洗濯物(せんたくもの)が、かわくのも、蒸発(じょうはつ)でしたね。海の水には、食塩が、溶けていましたね。だったら、海の水を、あたたかい日に、日光で蒸発させれば、海水から食塩が、多く、手に入ります。このように、海水を蒸発させて食塩を手に入れるための場所を塩田(えんでん) といいます。食塩水を、蒸発皿で蒸発させると、皿の中に、白い、つぶつぶが、のこります。この白いつぶつぶは食塩です。蒸発皿を、さましてから、この蒸発皿にのこった、食塩の白いつぶつぶを顕微鏡で見ると、四角い立方体のような形をしていて、透明です。このように、水溶液から、液体を蒸発させて、とりだした固体は、規則ただしい形をしています。この顕微鏡で見られる規則ただしい形の固体を、結晶(けっしょう) と言います。結晶の形は、物の種類によって、ちがってきます。食塩の結晶と、ミョウバンの結晶は、べつの形です。結晶の写真については、教科書や参考書や、ほかのウェブサイトを、参考にしてください。顕微鏡のつかいかたについては、学校で、習ってください。おもりを糸につけて横にふると、規則的(きそくてき)な動きかたをします。'ふりこ'とは、おもりに糸をつけて、左右にふらしたものです。ここでは、ふりこについて学びましょう。糸をまっすぐのばしたときの、支点と重りのあいだの長さを、ふりこの長さといいます。(厳密には、支点と重りの中心の間の長さのことです。おもりをたらせば、糸はまっすぐにのびるので、かんたんに、はかれますね。ふりこの左右のふれはば(振れ幅)は、左右で同じになります。ふりこの左右の高さも、左右で同じになります。ふれはばの大きさを表す時は、きょり(距離)で表す場合と、角度であらわす場合があります。ふりこの速さを見ると分かるとおもいますが、ふれ(振れ)の、はじっこにちかづくほど、おそくなります。そして、はじっこに到達すると、こんどは反対方向に動きだします。ふりこのふれ(振れ)のまんなかにちかづくほど、動きがはやくなっています。まんなかでは、いちばん、速い(はやい)です。じつは、ふりこの重さをかえても、もし、同じ糸をつかっていて、ふりこの長さがおなじなら、ふりこの往復にかかる時間は、かわりません。また、ふれはばを10度や20度にかえても、ふりこの往復にかかる時間は、かわりません。じっけんで時間をはかるときは、1回ごとに往復時間をはかるのは、大変です。なので、ふりこが10回、往復するのにかかった時間をはかって、その時間を10でわるのが、ふつうです。また、ふれはばを大きくして、往復の時間をはかっても、ふりこの1往復あたりの時間は、変わりません。文章で読んでもわかりづらいとおもいますが、実験すると、分かるかと思います。理科の授業などで、ふりこの実験があると思います。ふりこの実験で往復時間をはかる道具には、ストップウォッチをつかうかもしれません。いっぽう、ふりこの長さを変えて、往復にかかる時間をはかると、時間が変わります。実験すると、分かるかと思います。 (厳密には、ふれはばによっても、わずかに変わることがあります。) 実験事実をまとめると、このことを、ふりこの等時性(とうじせい) といいます。ふりこのこのような性質を利用した時計があります。「ふりこ時計」(ふりこどけい)といいます。ふりこ時計は1657年に、ホイヘンスという科学者によって発明されました。結論から言おう。じつは、電流のまわりには、磁石のような「磁力」が、発生しているのである。ウソだと思うなら、理科の実験で使うような電気回路を、乾電池や導線や豆電球でつくってみて、導線に方位磁針を近づけて見ればいい。ただし、電流が小さいと、磁力が小さいので、磁力が、はっきりしないことがある。電気の作る磁力を強くするには、鉄の棒(ぼう)に、導線をクルクルと何重にも、まきつけます。巻きつけられる金属の棒は、鉄のような磁気をおびる金ぞくでないと、ダメです。銅(ぼう)の棒では、磁化(じか)をしないので、ダメです。アルミニウムの棒も、磁化をしないので、ダメです。このように、磁化をすることのできる金属のぼうに、導線をまきつけたものを、コイルと言います。このコイルは、電気を流すと、磁石のように磁力を発生するので、電磁石(でんじしゃく)といいます。電磁石が磁力を発生するのは、電気を流しているあいだだけです。回路のスイッチを切ったり、電池をはずしたりして、電気を止めると、電磁石は、磁力をもたなくなります。電磁石にも、N極と、S極があります。電磁石でも、同じ極どうしは、反発し合います。電磁石でも、違う極どうしは、引きつけ合います。電磁石のコイルは、まんなかの鉄の棒が無くても、電気を流せば、コイルは電磁石になります。ですが、鉄の棒が入ってないと、磁力は弱くなります。なので、ふつうの電磁石は、鉄の棒を入れていることが多いです。電磁石のコイルにいれる鉄の棒のことを、しん(芯)といいます。コイルの、導線をまく回数をふやしたら、どうなるでしょうか。 20回だけ導線をまいた電磁石と、50回だけ導線をまいた電磁石では、どちらが、磁力が強いでしょうか。じつは,導線をまいた回数が多くなるほど、電磁石の磁力は、強くなります。電磁石のコイルは、導線の巻き数(まきすう)が多くなるほど、電磁石の磁力も、つよくなります。また、電流が大きくなるほど、電磁石の磁力も大きくなります。たとえば、2つの乾電池を直列つなぎにして、1個の電磁石につなげると、1個の乾電池しか使っていない時よりも、電磁石の磁力は強くなります。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "小学校理科5学年では、小学校5年生の理科の学習をします。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "ここでは、植物が成長するしくみを学びます。", "title": "植物のしくみ" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "植物の種が芽や根をだすことを、発芽といいます。植物のたねを土にまいただけでは、発芽はしません。", "title": "植物のしくみ" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "発芽には、水分・空気・適当な温度が必要です。ひとつでも欠けていると発芽はしません。水は必要ですが、種が水の中だと空気がない (接していない) ので発芽をしません。水分は湿り気を帯びている程度が適切です。日光は、ほとんどの植物の発芽には必要ありません。まったく光のあたらない暗室(あんしつ)でも、湿り気・空気・適切な温度がそろっていれば、発芽をします。", "title": "植物のしくみ" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "以下に説明される実験では、「ほうちょう(包丁)」を使う場合があります。包丁をつかうのは危険ですので、学校の授業のほかにはこの実験は行わないようお願いします。利用規約もお読みください。", "title": "植物のしくみ" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "ジャガイモもしくは米粒 (学校によりこれら以外の場合もある) を(包丁などで切った)切り口に、少しヨウ素液という液体を垂らすと、青紫色になります。ヨウ素液そのものの色は、うすい黄色です。ジャガイモや米粒の切り口は、白色です。つまり、ジャガイモもしくは米粒とヨウ素液とが組み合わさり、なにか反応が起こったことになります。", "title": "植物のしくみ" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "また、じゃがいもの切り口からでる白い汁に少しヨウ素液をたらすと、青むらさき色になります。", "title": "植物のしくみ" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "2つの実験の結果は、", "title": "植物のしくみ" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "の全てにデンプンが含まれていて、そのデンプンとヨウ素が反応したためです。このデンプンとヨウ素との反応を、ヨウ素デンプン反応といいます。このデンプンは、植物が成長するために植物が作った栄養です。", "title": "植物のしくみ" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "なお、ヨウ素液は、光にあたると性質が変化してしまうので、光があたらないように、茶色いビンに入っています。ヨウ素デンプン反応は、ある物にデンプンが含まれているか否かを調べるのに利用されます。", "title": "植物のしくみ" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "注意ヨウ素液を飲むことは絶対におやめください。ヨウ素液をつけたものも、食べてはいけません。ヨウそ液をつけたイモは、もったいないですがゴミとして、処分してください。", "title": "植物のしくみ" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "植物が発芽した後、日光に当てずにかげになる場所に置いていたり肥料をあたえなかったりすれば、しっかりとした植物はできません。", "title": "植物のしくみ" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "植物の成長には、発芽で必要だった水・空気・適当な温度のほかに、日光が必要になります。必ずしも必要ではないですが、肥料がくわえられると育ちがよくなります。鉢植えなどに植えられた植物は、肥料がないと外から土に栄養が流れ込まないので、植物の育ちがかなり悪くなります。", "title": "植物のしくみ" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "日当たりがわるいと、植物は緑色にはなりません。日当たりがないと、くきも細く、葉も小さいです。", "title": "植物のしくみ" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "花には、 '花びら'(はなびら) と、花びらの根本のほうにある緑色の先のいくつか別れた 'がく' があります。", "title": "植物のしくみ" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "アサガオでは、がくは5つに別れています。アブラナでは、がくは4枚です。", "title": "植物のしくみ" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "植物の種類によってちがいはあるものの、ほとんどの植物の花には、花びら・がく・おしべ・めしべがあります。この4つを花の4要素(はなのよんようそ)といいます。", "title": "植物のしくみ" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "ただし、カボチャの花では、おしべはお花にしかありませんし、めしべはめ花にしかありません。カボチャのお花には、花びらや、がくがあります。カボチャのめ花には、「花びら」・「がく」・「子ぼう」があります。このように、お花やめ花に分かれていてもがくはあります。", "title": "植物のしくみ" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "なお、カボチャのがくは5枚です。お花もめ花も、がくは5枚です。め花の子ぼうは、カボチャの実になります。ヘチマも、花がお花とめ花に分かれています。お花のがくの下には、子ぼうがあります。ヘチマの子ぼうは、ヘチマの実になります。カボチャ・ヘチマ・ヒョウタンは、ウリ科の植物です。", "title": "植物のしくみ" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "柱頭に花粉がつかないと、子ぼうは、実(み)になりません。", "title": "植物のしくみ" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "めしべにある柱頭(ちゅうとう)に、花粉がつくことを受粉(じゅふん) といいます。受粉をした花には、変化が起こります。柱頭いがいの場所についても、受粉ではありません。子房に花粉がついたのは、柱頭ではありません。子ぼうに花粉がついても、とくに変化は起きません。花柱(かちゅう)に花粉がついても、とくに変化は起きません。", "title": "植物のしくみ" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "受粉をして花に変化がおきるのは、柱頭(ちゅうとう)に花粉がついた場合だけです。だから、柱頭に花粉がついたばあいだけを、受粉(じゅふん)といいます。柱頭はほとんどの植物では、柱頭は「ねばねば」していて、花粉がつきやすいようになっていることが多いです。", "title": "植物のしくみ" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "「子ぼう」の中には、「はいしゅ」(胚珠)があります。柱頭に花粉が付いて受粉をすると、やがて子ぼうがふくらんでいき、そして実(み)になります。実(み)のなかには、種(たね)があります。この種は、はいしゅだったものが変化したものです。", "title": "植物のしくみ" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "遠足の前の日は、天気が気になりますね。ここでは、天気の仕組みを学びます。", "title": "日本の天気" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "気温の変化については、小学校理科 4学年を参照してください。", "title": "日本の天気" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "まず、「晴れ」や「くもり」とかの天気を表す用語を説明しましょう。", "title": "日本の天気" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "空をおおう雲の量の割り合いを、雲量(うんりょう) といいます。空全体を10としたとき、どのくらい雲があるかによって雲量を決めます。", "title": "日本の天気" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "地球上の雲は、気象衛星(きしょうえいせい)という、人工衛星(じんこうえいせい)によって撮影されています。日本では気象衛星は、「ひまわり」という気象衛星が運用されています。", "title": "日本の天気" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "日本での天気予報は、気象衛星からの情報も参考にしますが、それだけではなく、日本各地の地上からの観測所からの情報も元にして、決められています。", "title": "日本の天気" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "日本には、アメダスという気象観測のシステムがあり、観測装置が日本国内各地の約1300ヶ所の気象観測所にあります。気象観測の情報には、気象衛星やアメダスのほか、気象レーダーや海洋・海上気象観測や、などの情報があります。", "title": "日本の天気" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "これらの情報を元にして、気象庁は天気図や予報天気図を作成し、気象庁は天気予報を発表します。", "title": "日本の天気" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "日本の付近では、天気は西から東へと変わっていきます。気象衛星の画像を見ると、雲のうごきは、南北方向の雲の動きについては季節などによってちがいますが、東西方向の動きについては、ほぼ、西から東のほうへと雲は移動します。", "title": "日本の天気" }, { "paragraph_id": 32, "tag": "p", "text": "季節によって天気の傾向が異なります。日本の場合の季節ごとの天気の特ちょうを、気圧の仕組みとからめて、のべます。", "title": "日本の天気" }, { "paragraph_id": 33, "tag": "p", "text": "ユーラシア大陸で発生した高気圧と低気圧が、偏西風により交互に西からやってきて、日本上空を高気圧と低気圧が交互におとずれます。このため、天気が3~4日ぐらいごとに周期的に変わりやすくなります。俗に三寒四温(さんかんしおん)などと呼ばれます。それぞれ、移動性高気圧(いどうせいこうきあつ)と温帯低気圧(おんたいていきあつ)と呼ばれます。高気圧の時に天気がよくあたたかく、低気圧の時に天気が悪くなります。", "title": "日本の天気" }, { "paragraph_id": 34, "tag": "p", "text": "周期的な天気の変化を繰り返すうちに、月日が立つにつれ、だんだんとあたたかくなっていきます。", "title": "日本の天気" }, { "paragraph_id": 35, "tag": "p", "text": "その結果、湿度と気温が高い、むしあつい日々が多くなります。なお、このような季節ごとの特ちょうのある風を季節風(きせつふう)といいます。夏は、晴れの日が多くなります。また、強い日差しのため地面があたためられ上昇気流が発生しますが、上空ですぐに冷やされるので積乱雲(いわゆる入道雲)が発生しやすく、そのため、雨天時は大雨や雷雨になりやすいです。いわゆる夕立(ゆうだち)です。気圧の配置は、南の気圧が高く、北の気圧が低い、南高北低(なんこうほくてい)です。", "title": "日本の天気" }, { "paragraph_id": 36, "tag": "p", "text": "秋の天気も3~4日ぐらいごとに、周期的に変わることが多いです。ユーラシア大陸の長江気団の影響です。南の高気圧は弱まり、北の高気圧が強くなっていきます。梅雨には梅雨前線があったのと同様に、秋にも秋雨前線(あきさめぜんせん)により長雨がふることがあります。また、9月ごろに台風(たいふう)という、つよい風雨が発生することが多いです。", "title": "日本の天気" }, { "paragraph_id": 37, "tag": "p", "text": "周期的な天気の変化を繰り返すうちに、月日が立つにつれ、だんだんとさむくなっていきます。", "title": "日本の天気" }, { "paragraph_id": 38, "tag": "p", "text": "北西からやってきたシベリア気団に、日本がおおわれます。北西からの季節風が強いです。日本海側と太平洋側で天気が違うことが多いです。日本海側では、くもりや雪がふりやすいです。いっぽう太平洋側では、雪を降らせ終わったあとの乾いた風が吹くので、乾燥した晴れの日が太平洋側では多いです。", "title": "日本の天気" }, { "paragraph_id": 39, "tag": "p", "text": "※注意この節では、メダカの飼育方法を解説していますが、責任は取りません。詳しくはページ末にリンクのある免責事項について、お読みください。飼育は、読者の自己責任です。", "title": "魚の育ちかた" }, { "paragraph_id": 40, "tag": "p", "text": "この節では、メダカを例に魚の生まれ方を説明します。メダカの生まれかたを観察するにあたっては、メダカを飼わないと(かわないと)観察のしようがありませんね。", "title": "魚の育ちかた" }, { "paragraph_id": 41, "tag": "p", "text": "メダカを飼う際は、次のような点に注意しましょう。", "title": "魚の育ちかた" }, { "paragraph_id": 42, "tag": "p", "text": "メダカに限らず、動物は性別によって体の特ちょうがオスとメスとで異なります。メダカのオスとメスとで体の特ちょうの違いは、次のようなものがあります。", "title": "魚の育ちかた" }, { "paragraph_id": 43, "tag": "p", "text": "メダカのメスは水温が20°C~25°Cくらいになると、産卵をする。水温が低すぎたり、水温が高すぎたりすると、産卵をしない。季節で言えば、3月の春頃から、秋のはじめの9月頃である。観察実験は、この時期にあわせると行いやすい。産卵したメスの尻(しり)のほうに、たまごが、いくつかついている。メダカのたまごは、透明で無色である。たまごの一個あたりの大きさは、だいたい直径が1.0mmから1.5mmくらいである。", "title": "魚の育ちかた" }, { "paragraph_id": 44, "tag": "p", "text": "このような小さなたまごが、だいたい5個から10個くらいついている。メダカのメスは、一度の産卵(さんらん)で、たまごを5個から10個くらいうむ。なお、尻(しり)からたまごが出るのではなく、尻とはべつに、たまごを出すための穴が、魚のメスにはついている。", "title": "魚の育ちかた" }, { "paragraph_id": 45, "tag": "p", "text": "オスがメスに並んで泳ぎよりそい、メスのたまごに精子(せいし)というものをふくんだ液をたまごにかけると、たまごに子供がやどる。このような、オスから出る精子をふくんだ液を精液(せいえき)という。精液には、とても多くの精子がふくまれている。", "title": "魚の育ちかた" }, { "paragraph_id": 46, "tag": "p", "text": "もし、オスの精子がたまごにつかないと、たまごからは子供は生まれず、卵はそのままくさっていく。メスのたまごにオスの精子が、かかって、たまごに子がやどることを受精(じゅせい) という。オスの種類とメスの種類が同じでないと、たまごに精子をかけても、たまごに子は宿らない。メダカのたまごに、メダカ以外の、たとえばイワシの精子をかけても、子はやどらず受精をしない。また、1個のたまごに受精できる精子の数は、ふつう1個だけである。(たまごが受精すると、それ以上はべつの精子が近づいても受精しないように、たまごが変わる。) ほとんどの精子は、受精はできず、そのまま水中で死んでしまう。", "title": "魚の育ちかた" }, { "paragraph_id": 47, "tag": "p", "text": "産卵が終わったら、メスは、たまごを水草にくっつける。", "title": "魚の育ちかた" }, { "paragraph_id": 48, "tag": "p", "text": "メダカのたまごには、長い毛が、たまごの一部から、数本出ている。この毛は付着毛(ふちゃくもう)と呼ばれる。付着毛とは別に、短い毛がたまごに全体的に付いている。たまごと別のたまごの付着毛どうしがからみつき、たまごどうしがまとまる。この付着毛をメスが水草にまきつけることで、たまごを水草に固定している。", "title": "魚の育ちかた" }, { "paragraph_id": 49, "tag": "p", "text": "たまごから、子がかえりやすい温度は、だいたい20°Cから25°Cまでである。15°Cくらいより低い温度だと、たまごがかえらず、死んでしまう。30°Cくらいより高い温度でも、たまごが死んでしまう。", "title": "魚の育ちかた" }, { "paragraph_id": 50, "tag": "p", "text": "子メダカの形はヒレは見られないものの、頭から尾まである。また、腹にふくらんだふくろがある。この腹のふくろには養分が入っている。生まれたばかりの子メダカは、このふくろから栄養をとる。ふくろのある子メダカに、エサをあげても食べない。ふ化してから2日から3日ぶんくらいすると、ふくろが無くなり、子メダカはエサを食べるようになる。ふくろが小さくなった理由は、栄養として使われたからだと、考えられている。ふくろが無くなる頃には、体もふ化した直後よりかは、すこしだけ大きくなっている。", "title": "魚の育ちかた" }, { "paragraph_id": 51, "tag": "p", "text": "メダカは種類にもよるが、4ヶ月くらいで親になる。寿命は1~2年くらいである。", "title": "魚の育ちかた" }, { "paragraph_id": 52, "tag": "p", "text": "結論から言おう。自然の池や小川の水中には、人間の目には見えないが、じつは小さな生物が住んでいる。その小さな生き物が、小さすぎて、人間の目では気づかないのである。自然の池や川の小魚が、人間がエサをあげなくても生きていけるのは、このような小さな生物を食べているから、自然の小魚が生きていけるのである。", "title": "魚の育ちかた" }, { "paragraph_id": 53, "tag": "p", "text": "このような、池や川などの水中の、目には見えない小さな生き物をまとめて、プランクトンという。プランクトンは、魚ではない。", "title": "魚の育ちかた" }, { "paragraph_id": 54, "tag": "p", "text": "なお、水中に限らず、小さすぎて、人の目には見えない生き物のことを、び生物(びせいぶつ、微生物)という。", "title": "魚の育ちかた" }, { "paragraph_id": 55, "tag": "p", "text": "プランクトンには、動物に含まれる動物性プランクトンもあれば、植物に含まれる植物性プランクトンもある。", "title": "魚の育ちかた" }, { "paragraph_id": 56, "tag": "p", "text": "なお、池の水や川の水など、塩分をほとんどふくまない水を、淡水(たんすい)という。", "title": "魚の育ちかた" }, { "paragraph_id": 57, "tag": "p", "text": "ミドリムシは光合成をするが、体を動かせるという、動物と植物の両方の特ちょうを持ってる。", "title": "魚の育ちかた" }, { "paragraph_id": 58, "tag": "p", "text": "植物性プランクトンであるアオミドロやミカヅキモは、植物なので、光合成をします。そのため、日当たりのいい場所で、増殖(ぞうしょく)します。ミドリムシも光合成をするので、日当たりのいい場所で増殖する。植物性プランクトンの色が緑色なのは、光合成を行う葉緑体の色である。", "title": "魚の育ちかた" }, { "paragraph_id": 59, "tag": "p", "text": "顕微鏡のレンズには、接眼レンズと対物レンズの2種類が必要である。", "title": "けんび鏡の使い方" }, { "paragraph_id": 60, "tag": "p", "text": "顕微鏡の倍率は、", "title": "けんび鏡の使い方" }, { "paragraph_id": 61, "tag": "p", "text": "である。", "title": "けんび鏡の使い方" }, { "paragraph_id": 62, "tag": "p", "text": "たとえば接眼レンズの倍率が15倍であり、対物レンズの倍率が4倍なら、顕微鏡の倍率は60倍である。(15×4=60より)", "title": "けんび鏡の使い方" }, { "paragraph_id": 63, "tag": "p", "text": "一般に小中学校などで使うような形式の顕微鏡の倍率は、40倍から600倍までである。", "title": "けんび鏡の使い方" }, { "paragraph_id": 64, "tag": "p", "text": "ミジンコやミドリムシなど、いわゆる「微生物」と言われるものは、虫メガネなどでは倍率が小さすぎて確認できない場合が多い。微生物などは、顕微鏡以上で観察しよう。", "title": "けんび鏡の使い方" }, { "paragraph_id": 65, "tag": "p", "text": "まず、プレパラートの用意が必要である。鏡筒上下式顕微鏡と、ステージ上下式顕微鏡のどちらとも、プレパラートが必要にななる。", "title": "けんび鏡の使い方" }, { "paragraph_id": 66, "tag": "p", "text": "小学校では、プレパラートのつくり方は、習わないかもしれません。その場合でも、学校の先生などがプレパラートを作成しているはずです。", "title": "けんび鏡の使い方" }, { "paragraph_id": 67, "tag": "p", "text": "このプレパラートの用意の方法を、つぎに説明します。", "title": "けんび鏡の使い方" }, { "paragraph_id": 68, "tag": "p", "text": "顕微鏡で観察する時は、プレパラートを使う必要がある。", "title": "けんび鏡の使い方" }, { "paragraph_id": 69, "tag": "p", "text": "うすい物しか観察できない。あつい物を観察したい場合は、うすい切片にする必要がある。", "title": "けんび鏡の使い方" }, { "paragraph_id": 70, "tag": "p", "text": "以上の手順で、観察を始められる。さらに高倍率で観察したい場合には、対物レンズをレボルバーを回して、高倍率の対物レンズに替える。", "title": "けんび鏡の使い方" }, { "paragraph_id": 71, "tag": "p", "text": "顕微鏡で見える像は、上下左右が反対に見える顕微鏡が普通である。なので、プレパラートを動かすと、像は反対方向に動いて見える。よって、プレパラートを動かしたい場合には、動かしたい方向とは反対の方向に動かす。", "title": "けんび鏡の使い方" }, { "paragraph_id": 72, "tag": "p", "text": "いきなり、高倍率の対物レンズで観察すると、視野がせまいので調整が難しくなる。そのため、まずは低倍率の対物レンズを使用する。また、高倍率にするほど明るさは暗くなる。", "title": "けんび鏡の使い方" }, { "paragraph_id": 73, "tag": "p", "text": "魚(たとえばメダカ)や両生類(たとえばカエル)などの水中の生き物では、メスがたまごを産卵したあとに、オスが精子をふくんだ精液(せいえき)を、たまごにかけることで、たまごが受精し、子がやどる。", "title": "動物の誕生（たんじょう）" }, { "paragraph_id": 74, "tag": "p", "text": "精子の中には、父親の体のつくりかたの情報をもっている遺伝子(いでんし) という物質がある。この精子のなかの遺伝子によって、父親の体の特ちょう(とくちょう)が、こどもに受けつがれる(うけつがれる)。", "title": "動物の誕生（たんじょう）" }, { "paragraph_id": 75, "tag": "p", "text": "卵のなかにも、母親の体のつくりかたの情報をもっている遺伝子(いでんし) という物質がある。この卵のなかの遺伝子によって、母親の体の特ちょう(とくちょうが、こどもに受けつがれる(うけつがれる)。", "title": "動物の誕生（たんじょう）" }, { "paragraph_id": 76, "tag": "p", "text": "こどもの特ちょう(とくちょう)は、父親からは精子のなかの遺伝子で、父親の特ちょうが子に受けつがれる。母親からは、母親の卵のなかの遺伝子で、母親の特ちょうが子に受けつがれる(うけつがれる)。", "title": "動物の誕生（たんじょう）" }, { "paragraph_id": 77, "tag": "p", "text": "なので、子の体は、父親と母親の両方の特ちょうを受けつぐ。", "title": "動物の誕生（たんじょう）" }, { "paragraph_id": 78, "tag": "p", "text": "魚では、母親が体外に出した卵に、オスが精子をふくんだ精液をかけるので、あった。", "title": "動物の誕生（たんじょう）" }, { "paragraph_id": 79, "tag": "p", "text": "しかし、陸上の生物は、この方法では、受精できない。精子は水中は泳げるが、精子は空中を飛べない。", "title": "動物の誕生（たんじょう）" }, { "paragraph_id": 80, "tag": "p", "text": "陸上生物では、魚とはちがった方法で、受精が行われる。", "title": "動物の誕生（たんじょう）" }, { "paragraph_id": 81, "tag": "p", "text": "生き物のうまれる仕組みを説明した。きみたち小学生も、(きみたちの)お母さんから、うまれてきたのです。", "title": "動物の誕生（たんじょう）" }, { "paragraph_id": 82, "tag": "p", "text": "女の人は、あかちゃんが、体の中にできると、おなかが大きくなります。おなかの中で、こどもが、できはじめるのを、妊娠(にんしん)と言います。「妊婦(にんぷ)さん」というのは、妊娠してる女の人のことです。", "title": "動物の誕生（たんじょう）" }, { "paragraph_id": 83, "tag": "p", "text": "また、おなかの中にいるときの赤んぼうのことを、胎児(たいじ)といいます。", "title": "動物の誕生（たんじょう）" }, { "paragraph_id": 84, "tag": "p", "text": "そして、おなかの中の赤ちゃん(胎児)は、お母さんの体から、栄養(えいよう)をもらって、おなかの中の赤ちゃん(胎児)は、すくすくと育っていきます。おなかの中の赤ちゃんと、お母さんは、へそのおで、つながっています。", "title": "動物の誕生（たんじょう）" }, { "paragraph_id": 85, "tag": "p", "text": "へそのおは、赤ちゃんに、栄養を、おくっています。お母さんが、赤ちゃんに、栄養をおくっているのです。空気も、へそのおをとおして、お母さんから、もらっているので、赤ちゃんはちっそくしないのです。", "title": "動物の誕生（たんじょう）" }, { "paragraph_id": 86, "tag": "p", "text": "おなかの中で赤ちゃんがそだちはじめてから、10か月ほどすると、お母さんは、赤ちゃんを体の外に出します。こうして、こどもは、うまれてくるのです。なお、お母さんが赤ちゃんを体の外に出すときのことを、出産(しゅっさん)といいます。", "title": "動物の誕生（たんじょう）" }, { "paragraph_id": 87, "tag": "p", "text": "こどもを「妊娠(にんしん)する」ということは、とっても体が、くるしいのです。それは「つわり」といって、はきけがするのです。", "title": "動物の誕生（たんじょう）" }, { "paragraph_id": 88, "tag": "p", "text": "でも、妊娠していたころのお母さんは、こどもをうみたかったから、つわりのくるしさを、がまんしているのです。", "title": "動物の誕生（たんじょう）" }, { "paragraph_id": 89, "tag": "p", "text": "さらに、こどもを産む直前は、とっても力いっぱい、ふんばる(踏ん張る)ので、(※ うんちをだすとき、ふんばりますよね? おんなじように、こどもを出すとき、ふんばるのです。)とっても、くるしいのです。この出産のときの踏ん張り(ふんばり)は、排便(はいべん)の時よりも、もっとすっごく、ふんばっているのです。なので、すっごく、痛い(いたい)のです。この出産のときの痛さを陣痛(じんつう)といいます。", "title": "動物の誕生（たんじょう）" }, { "paragraph_id": 90, "tag": "p", "text": "ちなみに、へそのおは、子供が出てきたばかりのときは、まだ、つながっています。出産したあと、へそのおを、ハサミで切るのです。", "title": "動物の誕生（たんじょう）" }, { "paragraph_id": 91, "tag": "p", "text": "さらに、子供をうんだ後(あと)にも、子供をそだてるのも、すごく大変なのです。", "title": "動物の誕生（たんじょう）" }, { "paragraph_id": 92, "tag": "p", "text": "赤んぼうが、母親のおっぱいから出る、母乳(ぼにゅう)を飲むのは、出産が終わったあとです。つまり、赤んぼうが、母親の体の外に出たあとになって、それからいろいろあって、赤んぼうは、母親から出る母乳を飲むのです。", "title": "動物の誕生（たんじょう）" }, { "paragraph_id": 93, "tag": "p", "text": "赤んぼうが、おなかの中にいるときは、まだ、母乳を飲んでいません。", "title": "動物の誕生（たんじょう）" }, { "paragraph_id": 94, "tag": "p", "text": "川の周りには石が転がっていますね。それは、川の流れにのって石が運ばれてくるからです。ここでは、流れる水の影響を学びます。", "title": "流れる水の力" }, { "paragraph_id": 95, "tag": "p", "text": "流れる水は、土や砂などを、おしながす・けずりとる・つもらせるの三つのはたらきがあり、頭文字をとってサルのおけつと覚えることができます。", "title": "流れる水の力" }, { "paragraph_id": 96, "tag": "p", "text": "たとえば雨が降った日の水たまりなどをみると、最初は水がたまっていくだけですが、そのうち、水たまりから水があふれて、高いところから低いところに流れていき、とても小さな川のようになります。また、水たまりがいくつもあるので、小さな川もつながっていき、水たまりだったところも、いくつかつながっていきます。雨が上がってから、水が流れていた水たまりからつくられた小さな流れのあった場所を見ると分かるのですが、流れのあたっところが、けずりとられて、くぼんでいきます。", "title": "流れる水の力" }, { "paragraph_id": 97, "tag": "p", "text": "雨の日の、土の上に出きた水たまりや水の流れなどでは、水が土をけずりとっているので、水はちゃいろく、にごっています。", "title": "流れる水の力" }, { "paragraph_id": 98, "tag": "p", "text": "流れていった雨水や、水たまりにあった水は、そのあと、どこへ行くかというと、地下にしみこんで行ったり、あるいは、溝などに流れこんだりします。", "title": "流れる水の力" }, { "paragraph_id": 99, "tag": "p", "text": "雨の日の水たまりからも、「おしながす・けずりとる・つもらせる」の三つの作用が確認できます。流れる水が地面を、けずり取る作用をしん食(しんしょく、侵食) と言います。", "title": "流れる水の力" }, { "paragraph_id": 100, "tag": "p", "text": "けずり取られた土や砂は、そのまま流れによって下流へと運ばれていきますが、この運ぶ作用を運ぱん(うんぱん、運搬)といいます。", "title": "流れる水の力" }, { "paragraph_id": 101, "tag": "p", "text": "この運ぱんは、水の流れが速いほど、大きな物が運べるようになります。水の流れがおそい場所では、運べなくなるので、その場所に、運んできた物が、たまっていきます。この、流れがおそい場所に、物がたまる作用をたい積(たいせき、堆積) と言います。算数で習う「体積」ではありません。", "title": "流れる水の力" }, { "paragraph_id": 102, "tag": "p", "text": "けずる作用も運ぶ作用も、流れが速いほど、強くなります。", "title": "流れる水の力" }, { "paragraph_id": 103, "tag": "p", "text": "川の中での砂や石は、大きさや重さによって、流され方が、ちがう。砂と石なら、砂のほうが流されやすい。このように、つぶが小さな物ほど、ながされやすい。", "title": "流れる水の力" }, { "paragraph_id": 104, "tag": "p", "text": "ねん土(ねんど、粘土)は、つぶ自体は細かいので、かわいた粘土や、固まっていない粘土は、流されやすいです。", "title": "流れる水の力" }, { "paragraph_id": 105, "tag": "p", "text": "石でも、小石と大きな石だったら、小さい石ほど流されやすいです。", "title": "流れる水の力" }, { "paragraph_id": 106, "tag": "p", "text": "川には、曲がっているところがある場合もあります。曲がっている川では、外側ほど流れが速く、内側は流れがおそいです。", "title": "流れる水の力" }, { "paragraph_id": 107, "tag": "p", "text": "このため、外側は、しん食によってけずられるので、がけのように水深が深くなっています。いっぽう、内側は、たい積によって、石や砂や粘土がつもっています。このようにして、川の曲がりの内側では、川原(かわら)<「河原」ということもあります。>ができやすいです。", "title": "流れる水の力" }, { "paragraph_id": 108, "tag": "p", "text": "川に限らず、流れている物について、流れが始まっている場所を上流(じょうりゅう) と言います。たとえば、山から低地へと流れている川だったら、川の上流は、山のほうにあります。", "title": "流れる水の力" }, { "paragraph_id": 109, "tag": "p", "text": "日本の場合、ふつうの川では、川の上流へと、たどっていけば、もっとも上流の場所は、山地です。", "title": "流れる水の力" }, { "paragraph_id": 110, "tag": "p", "text": "このため、川の上流は、かたむきが急で、流れが速いです。水の量は、下流と比べて、上流は少ないです。", "title": "流れる水の力" }, { "paragraph_id": 111, "tag": "p", "text": "上流にある石は、角ばった石が多いです。石は、下流へと近づくに連れて、流れの途中に、石どうしでぶつかったりして、かどが削り取られて丸く小さくなっていきますが、上流ではまだ削られてはいないので、石は角張っていて大きいです。", "title": "流れる水の力" }, { "paragraph_id": 112, "tag": "p", "text": "V字谷という地形ができやすい。", "title": "流れる水の力" }, { "paragraph_id": 113, "tag": "p", "text": "川が、山から平地に出たあたりを川の中流(ちゅうりゅう)と言います。中流にある石は、丸まった石が多いです。これは運ぱんのさい中に、石のかどが、石どうしでぶつかったりして、削り取られているからです。中流での石の大きさも、上流よりかは小さいのが、ふつうです。", "title": "流れる水の力" }, { "paragraph_id": 114, "tag": "p", "text": "また、中流では流れが、ゆるやかになるので、たい積作用も見られやすく、川原がある場合もあります。", "title": "流れる水の力" }, { "paragraph_id": 115, "tag": "p", "text": "川が山地から平地に出た地域の周辺では、土砂などが山側を中心に平地側へ扇状に広がって、たい積した扇状地(せんじょうち) という地形ができやすいです。", "title": "流れる水の力" }, { "paragraph_id": 116, "tag": "p", "text": "下流では、流れが遅くなり、たい積作用が強まります。また下流での石は、小さく丸い石が多いです。下流に近づくほど、水量は多くなり、川幅(かわはば)もひろくなります。", "title": "流れる水の力" }, { "paragraph_id": 117, "tag": "p", "text": "コップの水に塩をいれてみます。食塩は見えなくなってしまいました。食塩はなくなってしまったのでしょうか。", "title": "もののとけ方" }, { "paragraph_id": 118, "tag": "p", "text": "水は、食塩(しょくえん)や、砂糖(さとう)などを、溶かせます(とかせます)。砂糖(さとう)とは、なめると、あまいあじのする、あの「さとう」のことです。", "title": "もののとけ方" }, { "paragraph_id": 119, "tag": "p", "text": "「水に溶ける」というのは、食塩を水に入れて、かきまぜると、目に見えなくなります。", "title": "もののとけ方" }, { "paragraph_id": 120, "tag": "p", "text": "物(もの)によっては、水に溶けない物もあります。水に木をいれても、木はとけません。鉄や銅などの金属を水に入れても、溶けません。 (木や金属を入れた水は、けっして、飲まないでください。)", "title": "もののとけ方" }, { "paragraph_id": 121, "tag": "p", "text": "実験は、無理してしなくてもいいです。", "title": "もののとけ方" }, { "paragraph_id": 122, "tag": "p", "text": "このように、物がとけた水のことを、水溶液(すいようえき) といいます。", "title": "もののとけ方" }, { "paragraph_id": 123, "tag": "p", "text": "食塩が溶けた水は、食塩の水溶液です。砂糖が溶けた水は、砂糖の水溶液です。", "title": "もののとけ方" }, { "paragraph_id": 124, "tag": "p", "text": "ともかく、水は、塩や砂糖などを、とかせます。", "title": "もののとけ方" }, { "paragraph_id": 125, "tag": "p", "text": "食塩(しょくえん)がとけた水(みず)のことを、食塩水(しょくえんすい) といいます。", "title": "もののとけ方" }, { "paragraph_id": 126, "tag": "p", "text": "海の水が、しょっぱいのは、海の水の中に、食塩が、とけているからです。なお、海の水のことを海水(かいすい)と、いいます。", "title": "もののとけ方" }, { "paragraph_id": 127, "tag": "p", "text": "水に、物を溶かしたら、その溶かした量の重さだけ、水溶液(すいようえき)は、重くなります。たとえば、500グラムのなにも溶かしていない水に、これから20gの食塩を、溶かしたとしましょう。すると、食塩水の重さは、全部で520gになります。この増えた20gのぶんは、溶かした塩の重さと同じですね。", "title": "もののとけ方" }, { "paragraph_id": 128, "tag": "p", "text": "溶かしたものは、べつに、消えてなくなったわけではありません。消えたのではなく、人間の目には見えなくなったというだけです。", "title": "もののとけ方" }, { "paragraph_id": 129, "tag": "p", "text": "また、水に、物を溶かしても、水溶液の体積(たいせき)は、ほとんど変わりません。", "title": "もののとけ方" }, { "paragraph_id": 130, "tag": "p", "text": "体積が一定の水は、塩や砂糖など、溶かせる物の量(りょう)に、かぎりがあります。", "title": "もののとけ方" }, { "paragraph_id": 131, "tag": "p", "text": "水に、これ以上は、物が溶けなくなったことを、「水が、ほうわ(飽和) した。」というふうにいいます。", "title": "もののとけ方" }, { "paragraph_id": 132, "tag": "p", "text": "水溶液は、透明(「とうめい」、・・・すきとおっている、ということ。)色がついていても、すきとおっていれば透明です。", "title": "もののとけ方" }, { "paragraph_id": 133, "tag": "p", "text": "水溶液の、温度があまり変わらなければ、長い時間がたっても、水溶液は、透明のままです。", "title": "もののとけ方" }, { "paragraph_id": 134, "tag": "p", "text": "水よう液にとけた物を、ろ紙にとおすと、水と一緒に、溶けたものも、ろ紙(ろし)を通ります。水に、とけていない物は、ろ紙を、とおりません。", "title": "もののとけ方" }, { "paragraph_id": 135, "tag": "p", "text": "水に多くの物が混ざって(まざって)いるとき、このように、ろ紙をもちいて、水に溶けている物と、水に解けていない物とを、分けることができます。この、ろ紙を用いて、水に溶けたものだけをふくんだ水を作り出すことを、ろ過(ろか) といいます。", "title": "もののとけ方" }, { "paragraph_id": 136, "tag": "p", "text": "ろ過の方法については、学校の教科書などを読んで、調べてください。", "title": "もののとけ方" }, { "paragraph_id": 137, "tag": "p", "text": "水に溶かせる物の量(りょう)は、水の量が多いほど、溶かせる物の量も多くなります。水の量を2倍にすれば、とける食塩の量も2倍になります。", "title": "もののとけ方" }, { "paragraph_id": 138, "tag": "p", "text": "とかされる物の種類によって、水の量が同じでも、溶ける物の量は、かわります。たとえば、20°Cの、なにもとかしていない水100gがあったとします。これに、砂糖(さとう)は200gくらいまで、とけます。", "title": "もののとけ方" }, { "paragraph_id": 139, "tag": "p", "text": "おなじ量の、20°Cのまだ、なにもとかしていない水100gには、塩はこれから37gくらいまで、とけます。", "title": "もののとけ方" }, { "paragraph_id": 140, "tag": "p", "text": "また、水の温度が高いほど、ほとんどの物質で、水に溶かせる物の量は増えます。", "title": "もののとけ方" }, { "paragraph_id": 141, "tag": "p", "text": "溶かすものによって、温度を高くした時の、溶かせる量の増え方には、ちがいがあります。", "title": "もののとけ方" }, { "paragraph_id": 142, "tag": "p", "text": "食塩は、水の温度を高くしても、溶ける量は増えるのですが、温度を高くしても、食塩の溶ける量が、あまり多くは増えまえん。", "title": "もののとけ方" }, { "paragraph_id": 143, "tag": "p", "text": "砂糖(さとう)や、ホウ酸(ホウさん)は、温度を上げると、水に溶ける量は、大きく増えます。", "title": "もののとけ方" }, { "paragraph_id": 144, "tag": "p", "text": "石灰水(せっかいすい)というものにふくまれている、水酸化カルシウム(すいさんかカルシウム)は、温度を上げると、逆に、水に溶ける量がへります。", "title": "もののとけ方" }, { "paragraph_id": 145, "tag": "p", "text": "ある物体の、一定の量の水に、とける量の限度を溶解度(ようかいど) といいます。", "title": "もののとけ方" }, { "paragraph_id": 146, "tag": "p", "text": "ホウ酸や、水酸化カルシウムをとかした水溶液も、純水ではありません。", "title": "もののとけ方" }, { "paragraph_id": 147, "tag": "p", "text": "ろ紙を使った「ろ過」(ろか)によって、水にとけていないものは、水からは、取り出すことができます。しかし、水に溶けたものは、とりだすことができません。ろ過して、つくった液体は、水溶液であって、純水ではありません。", "title": "もののとけ方" }, { "paragraph_id": 148, "tag": "p", "text": "では、水溶液から、溶けた物を取り出すのは、どうすればいいのでしょうか。方法は、いろいろとありますが、ここでは、蒸発(じょうはつ)をつかった方法を、教えます。蒸発(じょうはつ)については、小学校4年で教えているので、分からなかったら、読み返してください。", "title": "もののとけ方" }, { "paragraph_id": 149, "tag": "p", "text": "食塩水から、食塩を取り出す方法を説明します。", "title": "もののとけ方" }, { "paragraph_id": 150, "tag": "p", "text": "水は、100°Cにすると、沸騰(ふっとう)して、水が水蒸気(すいじょうき)になって、たくさん蒸発(じょうはつ)します。", "title": "もののとけ方" }, { "paragraph_id": 151, "tag": "p", "text": "蒸発皿(じょうはつざら)の中の水を熱して、100°Cくらいにして、蒸発させれば、蒸発によって、蒸発皿の中の水は、水蒸気になって、外に出ていきます。しかし、水に溶けた食塩は、出て行きません。だから、蒸発皿の中に、食塩が、のこります。", "title": "もののとけ方" }, { "paragraph_id": 152, "tag": "p", "text": "食塩水だけではなく、ホウ酸(ホウさん)の場合も、蒸発によって、水溶液から取り出すことができます。", "title": "もののとけ方" }, { "paragraph_id": 153, "tag": "p", "text": "蒸発(じょうはつ)というのは、なにも、100°Cくらいで沸騰させなくても、それよりひくい温度でも、おこるのでしたよね。洗濯物(せんたくもの)が、かわくのも、蒸発(じょうはつ)でしたね。", "title": "もののとけ方" }, { "paragraph_id": 154, "tag": "p", "text": "海の水には、食塩が、溶けていましたね。", "title": "もののとけ方" }, { "paragraph_id": 155, "tag": "p", "text": "だったら、海の水を、あたたかい日に、日光で蒸発させれば、海水から食塩が、多く、手に入ります。このように、海水を蒸発させて食塩を手に入れるための場所を塩田(えんでん) といいます。", "title": "もののとけ方" }, { "paragraph_id": 156, "tag": "p", "text": "食塩水を、蒸発皿で蒸発させると、皿の中に、白い、つぶつぶが、のこります。この白いつぶつぶは食塩です。蒸発皿を、さましてから、この蒸発皿にのこった、食塩の白いつぶつぶを顕微鏡で見ると、四角い立方体のような形をしていて、透明です。", "title": "もののとけ方" }, { "paragraph_id": 157, "tag": "p", "text": "このように、水溶液から、液体を蒸発させて、とりだした固体は、規則ただしい形をしています。この顕微鏡で見られる規則ただしい形の固体を、結晶(けっしょう) と言います。", "title": "もののとけ方" }, { "paragraph_id": 158, "tag": "p", "text": "結晶の形は、物の種類によって、ちがってきます。食塩の結晶と、ミョウバンの結晶は、べつの形です。", "title": "もののとけ方" }, { "paragraph_id": 159, "tag": "p", "text": "結晶の写真については、教科書や参考書や、ほかのウェブサイトを、参考にしてください。", "title": "もののとけ方" }, { "paragraph_id": 160, "tag": "p", "text": "顕微鏡のつかいかたについては、学校で、習ってください。", "title": "もののとけ方" }, { "paragraph_id": 161, "tag": "p", "text": "おもりを糸につけて横にふると、規則的(きそくてき)な動きかたをします。'ふりこ'とは、おもりに糸をつけて、左右にふらしたものです。ここでは、ふりこについて学びましょう。", "title": "ふりこのはたらき" }, { "paragraph_id": 162, "tag": "p", "text": "糸をまっすぐのばしたときの、支点と重りのあいだの長さを、ふりこの長さといいます。(厳密には、支点と重りの中心の間の長さのことです。おもりをたらせば、糸はまっすぐにのびるので、かんたんに、はかれますね。", "title": "ふりこのはたらき" }, { "paragraph_id": 163, "tag": "p", "text": "", "title": "ふりこのはたらき" }, { "paragraph_id": 164, "tag": "p", "text": "ふりこの左右のふれはば(振れ幅)は、左右で同じになります。ふりこの左右の高さも、左右で同じになります。ふれはばの大きさを表す時は、きょり(距離)で表す場合と、角度であらわす場合があります。", "title": "ふりこのはたらき" }, { "paragraph_id": 165, "tag": "p", "text": "ふりこの速さを見ると分かるとおもいますが、ふれ(振れ)の、はじっこにちかづくほど、おそくなります。そして、はじっこに到達すると、こんどは反対方向に動きだします。ふりこのふれ(振れ)のまんなかにちかづくほど、動きがはやくなっています。まんなかでは、いちばん、速い(はやい)です。", "title": "ふりこのはたらき" }, { "paragraph_id": 166, "tag": "p", "text": "じつは、ふりこの重さをかえても、もし、同じ糸をつかっていて、ふりこの長さがおなじなら、ふりこの往復にかかる時間は、かわりません。", "title": "ふりこのはたらき" }, { "paragraph_id": 167, "tag": "p", "text": "また、ふれはばを10度や20度にかえても、ふりこの往復にかかる時間は、かわりません。", "title": "ふりこのはたらき" }, { "paragraph_id": 168, "tag": "p", "text": "じっけんで時間をはかるときは、1回ごとに往復時間をはかるのは、大変です。なので、ふりこが10回、往復するのにかかった時間をはかって、その時間を10でわるのが、ふつうです。", "title": "ふりこのはたらき" }, { "paragraph_id": 169, "tag": "p", "text": "また、ふれはばを大きくして、往復の時間をはかっても、ふりこの1往復あたりの時間は、変わりません。文章で読んでもわかりづらいとおもいますが、実験すると、分かるかと思います。理科の授業などで、ふりこの実験があると思います。ふりこの実験で往復時間をはかる道具には、ストップウォッチをつかうかもしれません。", "title": "ふりこのはたらき" }, { "paragraph_id": 170, "tag": "p", "text": "いっぽう、ふりこの長さを変えて、往復にかかる時間をはかると、時間が変わります。実験すると、分かるかと思います。 (厳密には、ふれはばによっても、わずかに変わることがあります。)", "title": "ふりこのはたらき" }, { "paragraph_id": 171, "tag": "p", "text": "実験事実をまとめると、", "title": "ふりこのはたらき" }, { "paragraph_id": 172, "tag": "p", "text": "このことを、ふりこの等時性(とうじせい) といいます。", "title": "ふりこのはたらき" }, { "paragraph_id": 173, "tag": "p", "text": "ふりこのこのような性質を利用した時計があります。「ふりこ時計」(ふりこどけい)といいます。ふりこ時計は1657年に、ホイヘンスという科学者によって発明されました。", "title": "ふりこのはたらき" }, { "paragraph_id": 174, "tag": "p", "text": "結論から言おう。じつは、電流のまわりには、磁石のような「磁力」が、発生しているのである。ウソだと思うなら、理科の実験で使うような電気回路を、乾電池や導線や豆電球でつくってみて、導線に方位磁針を近づけて見ればいい。ただし、電流が小さいと、磁力が小さいので、磁力が、はっきりしないことがある。", "title": "電流が生み出す磁力" }, { "paragraph_id": 175, "tag": "p", "text": "電気の作る磁力を強くするには、鉄の棒(ぼう)に、導線をクルクルと何重にも、まきつけます。巻きつけられる金属の棒は、鉄のような磁気をおびる金ぞくでないと、ダメです。銅(ぼう)の棒では、磁化(じか)をしないので、ダメです。アルミニウムの棒も、磁化をしないので、ダメです。", "title": "電流が生み出す磁力" }, { "paragraph_id": 176, "tag": "p", "text": "このように、磁化をすることのできる金属のぼうに、導線をまきつけたものを、コイルと言います。このコイルは、電気を流すと、磁石のように磁力を発生するので、電磁石(でんじしゃく)といいます。", "title": "電流が生み出す磁力" }, { "paragraph_id": 177, "tag": "p", "text": "電磁石が磁力を発生するのは、電気を流しているあいだだけです。回路のスイッチを切ったり、電池をはずしたりして、電気を止めると、電磁石は、磁力をもたなくなります。", "title": "電流が生み出す磁力" }, { "paragraph_id": 178, "tag": "p", "text": "電磁石にも、N極と、S極があります。電磁石でも、同じ極どうしは、反発し合います。電磁石でも、違う極どうしは、引きつけ合います。", "title": "電流が生み出す磁力" }, { "paragraph_id": 179, "tag": "p", "text": "電磁石のコイルは、まんなかの鉄の棒が無くても、電気を流せば、コイルは電磁石になります。ですが、鉄の棒が入ってないと、磁力は弱くなります。なので、ふつうの電磁石は、鉄の棒を入れていることが多いです。", "title": "電流が生み出す磁力" }, { "paragraph_id": 180, "tag": "p", "text": "電磁石のコイルにいれる鉄の棒のことを、しん(芯)といいます。", "title": "電流が生み出す磁力" }, { "paragraph_id": 181, "tag": "p", "text": "コイルの、導線をまく回数をふやしたら、どうなるでしょうか。 20回だけ導線をまいた電磁石と、50回だけ導線をまいた電磁石では、どちらが、磁力が強いでしょうか。", "title": "電流が生み出す磁力" }, { "paragraph_id": 182, "tag": "p", "text": "じつは,導線をまいた回数が多くなるほど、電磁石の磁力は、強くなります。電磁石のコイルは、導線の巻き数(まきすう)が多くなるほど、電磁石の磁力も、つよくなります。", "title": "電流が生み出す磁力" }, { "paragraph_id": 183, "tag": "p", "text": "また、電流が大きくなるほど、電磁石の磁力も大きくなります。たとえば、2つの乾電池を直列つなぎにして、1個の電磁石につなげると、1個の乾電池しか使っていない時よりも、電磁石の磁力は強くなります。", "title": "電流が生み出す磁力" } ]	小学校理科5学年では、小学校5年生の理科の学習をします。	{{Pathnav\|メインページ\|小学校・中学校・高等学校の学習\|小学校の学習\|小学校理科\|frame=1}} '''小学校理科5学年'''では、小学校5年生の理科の学習をします。 == 植物のしくみ == ここでは、植物が成長するしくみを学びます。 === 発芽に必要なもの === 植物の{{Ruby\|種\|たね}}が{{ruby\|芽\|め}}や{{ruby\|根\|ね}}をだすことを、{{Ruby\|'''発芽'''\|はつが}}といいます。植物のたねを土にまいただけでは、発芽はしません。発芽には、水分・空気・適当な温度が必要です。ひとつでも欠けていると発芽はしません。水は必要ですが、種が水の中だと空気がない (接していない) ので発芽をしません。水分は湿り気を帯びている程度が適切です。日光は、ほとんどの植物の発芽には必要ありません。まったく光のあたらない暗室（あんしつ）でも、湿り気・空気・適切な温度がそろっていれば、発芽をします。 ==== デンプン ==== [[File:Testing seed for starch.jpg\|thumb\|ヨウ素液を垂らしたデンプンの反応]] <blockquote>以下に説明される実験では、「ほうちょう(包丁)」を使う場合があります。包丁をつかうのは危険ですので、学校の授業のほかにはこの実験は行わないようお願いします。[[foundation:Terms_of_Use/ja\|利用規約]]もお読みください。</blockquote> ジャガイモもしくは米粒 (学校によりこれら以外の場合もある) を(包丁などで切った)切り口に、少しヨウ素液という液体を垂らすと、{{ruby\|青紫色\|あおむらさきいろ}}になります。ヨウ素液そのものの色は、うすい黄色です。ジャガイモや米粒の切り口は、白色です。つまり、ジャガイモもしくは米粒とヨウ素液とが組み合わさり、なにか反応が起こったことになります。また、じゃがいもの切り口からでる白い汁に少しヨウ素液をたらすと、青むらさき色になります。 2つの実験の結果は、 * 米粒 * ジャガイモの切り口 * ジャガイモの切り口から出る白い液体の全てにデンプンが含まれていて、そのデンプンとヨウ素が反応したためです。このデンプンとヨウ素との反応を、'''ヨウ素デンプン反応'''といいます。このデンプンは、植物が成長するために植物が作った栄養です。なお、ヨウ素液は、光にあたると性質が変化してしまうので、光があたらないように、茶色いビンに入っています。ヨウ素デンプン反応は、ある物にデンプンが含まれているか否かを調べるのに利用されます。 <blockquote>'''注意'''　ヨウ素液を飲むことは絶対におやめください。ヨウ素液をつけたものも、食べてはいけません。ヨウそ液をつけたイモは、もったいないですがゴミとして、処分してください。</blockquote> === 成長と日光・養分 === 植物が発芽した後、日光に当てずにかげになる場所に置いていたり肥料をあたえなかったりすれば、しっかりとした植物はできません。植物の成長には、発芽で必要だった水・空気・適当な温度のほかに、'''日光'''が必要になります。必ずしも必要ではないですが、肥料がくわえられると育ちがよくなります。鉢植えなどに植えられた植物は、肥料がないと外から土に栄養が流れ込まないので、植物の育ちがかなり悪くなります。日当たりがわるいと、植物は緑色にはなりません。日当たりがないと、くきも細く、葉も小さいです。 === 花のつくり・花粉 === [[ファイル:Petal-sepal.jpg\|thumb\|花びら (petal) と、がく (sepal)]] 花には、 ''''''花びら''''''（はなびら）と、花びらの根本のほうにある緑色の先のいくつか別れた ''''''がく'''''' があります。アサガオでは、がくは5つに別れています。アブラナでは、がくは4枚です。植物の種類によってちがいはあるものの、ほとんどの植物の花には、花びら・がく・おしべ・めしべがあります。この4つを '''花の4要素'''（はなのよんようそ）といいます。ただし、カボチャの花では、おしべはお花にしかありませんし、めしべはめ花にしかありません。カボチャのお花には、花びらや、がくがあります。カボチャのめ花には、「花びら」・「がく」・「子ぼう」があります。このように、お花やめ花に分かれていてもがくはあります。なお、カボチャのがくは5枚です。お花もめ花も、がくは5枚です。め花の子ぼうは、カボチャの実になります。ヘチマも、花がお花とめ花に分かれています。お花のがくの下には、子ぼうがあります。ヘチマの子ぼうは、ヘチマの実になります。カボチャ・ヘチマ・ヒョウタンは、ウリ科の植物です。 === おしべのつくりとめしべのつくり === [[File:Mature flower diagram.svg\|right\|thumb\|300px\|花の構造; <br>めしべ, Stigma:柱頭、Style:花柱、Ovary:子ぼう、Ovule:はいしゅ。<br>おしべ, Stamen]] [[File:Tulip Stamen Tip.jpg\|thumb\|チューリップの、おしべの先についている花粉。]] ;おしべ :おしべの先には、ふくらんだ物が付いています。これは花粉がつまっています。このおしべの先にある、花粉のふくろを、 ''''''やく'''''' という。「やく」のことを、「花粉ぶくろ」ということもあります。 ; めしべ :めしべは、 '''柱頭'''（ちゅうとう）と、 '''花柱'''（かちゅう）と、 '''子ぼう'''(しぼう) の3つの部分からなります。 :; 柱頭（ちゅうとう） ::めしべの先にある、ふくらんだ部分です。おおくの植物では、柱頭にはねばねばとした液体がついています。この「ねばねば」は、花粉をつけやすくするためです。花粉が柱頭につくことを'''受粉'''（じゅふん）といいます。花粉は、おしべの先の「やく」から出るのでしたね。 :; 子ぼう ::めしべの根元にある、ふくらんだ部分です。子ぼうは、受粉のあとに子ぼうが実（み）になります。「受粉」とは、柱頭の先に花粉がつくことでしたね。そして、花粉はおしべの先の「やく」から、出るのでしたね。柱頭に花粉がつかないと、子ぼうは、実（み）になりません。 ::子房は植物によって、「花びら」や「がく」の上にある場合と、花びらの下にある場合があります。 ::アサガオやアブラナでは、子ぼうは、花びらの上にあります。ヘチマやカボチャでは、子ぼうは花びらの下にあります。 :; 花柱（かちゅう） ::柱頭と子ぼうとのあいだの、やや細い部分です。 === 受粉（じゅふん） === めしべにある柱頭（ちゅうとう）に、花粉がつくことを '''受粉'''（じゅふん）といいます。受粉をした花には、変化が起こります。柱頭いがいの場所についても、受粉ではありません。子房に花粉がついたのは、柱頭ではありません。子ぼうに花粉がついても、とくに変化は起きません。花柱（かちゅう）に花粉がついても、とくに変化は起きません。受粉をして花に変化がおきるのは、柱頭（ちゅうとう）に花粉がついた場合だけです。だから、柱頭に花粉がついたばあいだけを、受粉（じゅふん）といいます。柱頭はほとんどの植物では、柱頭は「ねばねば」していて、花粉がつきやすいようになっていることが多いです。「子ぼう」の中には、「はいしゅ」（胚珠）があります。柱頭に花粉が付いて受粉をすると、やがて子ぼうがふくらんでいき、そして実（み）になります。実（み）のなかには、種（たね）があります。この種は、はいしゅだったものが変化したものです。 ====受粉のしかた==== ;自家受粉（じかじゅふん） :アサガオでは、おしべとめしべが同じ花にあります。このような花の場合、花が開くと、おしべの花粉が、めしべにふりかかります。このような仕組みの受粉を '''自家受粉'''（じかじゅふん）といいます。自家受粉では、虫や鳥などの助けは、いりません。 ::自家受粉の例…アサガオ・イネ・エンドウなど ; 他家受粉（たかじゅふん） :めしべの柱頭が、ほかの株（かぶ）の花のおしべから出た花粉と、受粉をすることです。花粉を運ぶ方法は、虫によって運ばせる方法や、風によって飛ばす方法などがあります。 :多くの植物で、虫ばい花と風ばい花のどちらかが花粉の運び方ですが、植物のなかには、ほかの運び方で花粉を運ぶものもあります。水ばい花（すいばいか）や、鳥ばい花（ちょうばいか）がある。他家受粉にかんしては、水ばい花も、鳥ばい花も、他家受粉です。 :; 虫ばい花 ::虫によって、はこばせる方法は、花のみつを吸いにきた虫に、花粉がつくようにする方法です。このような仕組みで花粉を虫にはこばせる花を、'''虫ばい花'''（ちゅうばいか、虫媒花）といいます。虫ばい花は、他家受粉にふくまれます。 ::虫ばい花は、花粉がねばねばしていることが多いです。これは、虫の体に花粉がつくうえで、つごうがいいです。また、虫ばい花の花の色や大きさは、目立つものが多いです。これは、虫にきづかれやすくするために、つごうがいいと考えられています。虫ばい花は、みつをだします。 :::虫ばい花の例…アブラナ・ヒマワリ・カボチャなど :; 風ばい花 ::風によって花粉を運ばせる方法の花を、 '''風ばい花'''（ふうばいか、風媒花）といいます。風ばい花は、他家受粉にふくまれます。花粉は、さらさらしていて、軽いものが多いです。これは、風に飛ばされやすくいほうがつごうがいい、と考えられています。 ::風ばい花は、花が目立ちません。風ばい花は、みつが少ないです。 :::風ばい花の例…スギ・イネ・マツ・トウモロコシ・ムギ・ススキ・ヤナギなど :; 水ばい花（すいばいか） ::花粉を水に流させて、花粉をはこびます。この水ばい花は、水中に生えている植物でみられることがあります。 :::水ばい花の例…クロモ・キンギョモなど :; 鳥ばい花（ちょうばいか） ::鳥の体に花粉をつけて、花粉をはこぶ花です。木に咲く花に多いです。冬ごろに咲く花が多いです。冬は虫がすくないので、虫をエサにしている鳥は、少ない虫のかわりに花のみつをすう場合があるのです。 :::鳥ばい花の例…ツバキ・サザンカ・ビワなど ;人工受粉（じんこうじゅふん） :人間が手作業で、花粉をめしべの柱頭にくっつける受粉のしかたを、人工受粉（じんこうじゅふん）といいます。実を確実に作らせて収穫を多く得たい場合に、人工受粉が使われることが多いです。 <gallery> File:Strawberry flower and bee.JPG\|虫ばい花の例：イチゴの花とミツバチファイル:Cryptomeria japonica cones.jpg\|風ばい花の例：スギのお花（おばな）とめ花ファイル:Ceratophyllum demersum (inflorescence).jpg\|水ばい花の例：お花をつけたマツモファイル:Hylocharis cyanus.jpg\|みつをすう、シロアゴサファイアハチドリ </gallery> == 日本の天気 == 遠足の前の日は、天気が気になりますね。ここでは、天気の仕組みを学びます。気温の変化については、[[小学校理科 4学年]]を参照してください。 === 雲と天気との関係 === まず、「晴れ」や「くもり」とかの天気を表す用語を説明しましょう。空をおおう雲の量の割り合いを、 '''雲量'''（うんりょう）といいます。空全体を10としたとき、どのくらい雲があるかによって雲量を決めます。雲量が1以下の状態ので、雨や雪などの降ってない状態を '''快晴'''（かいせい）といいます。雲量が2から8のときを, '''晴れ'''（はれ）といいます。雲量が9以上だと'''くもり''' といいます。 <gallery> Image:Hakuba-kaisei.JPG\|快晴(雲量0) ファイル:CirrusUncinusUndFloccus.jpg\|晴れファイル:Altocumulus lenticularis.JPG\|晴れ File:Cloudy Jonkoping.JPG\|くもりの空の例1 File:Cloudy Sky1.JPG\|くもりの空の例2 </gallery> === 気象観察 === [[File:GOES_8_Spac0255.jpg\|thumb\|アメリカ合衆国の気象衛星、GOES-8。]] [[File:Hurricane-felix-goes9.gif\|thumb\|GOES-9からの衛星画像。ハリケーン・フェリックス (1995年)]] [[画像:Expo AMeDAS-2005-7-22.jpg\|thumb\|2005年日本国際博覧会の会場に設置されていた万博アメダス（気象庁が設置するものとは異なる）]] 地球上の雲は、気象衛星（きしょうえいせい）という、人工衛星（じんこうえいせい）によって撮影されています。日本では気象衛星は、「ひまわり」という気象衛星が運用されています。日本での天気予報は、気象衛星からの情報も参考にしますが、それだけではなく、日本各地の地上からの観測所からの情報も元にして、決められています。日本には、'''アメダス'''という気象観測のシステムがあり、観測装置が日本国内各地の約1300ヶ所の気象観測所にあります。気象観測の情報には、気象衛星やアメダスのほか、気象レーダーや海洋・海上気象観測や、などの情報があります。これらの情報を元にして、気象庁は天気図や予報天気図を作成し、気象庁は天気予報を発表します。 === 天気の変化 === 日本の付近では、天気は西から東へと変わっていきます。気象衛星の画像を見ると、雲のうごきは、南北方向の雲の動きについては季節などによってちがいますが、東西方向の動きについては、ほぼ、西から東のほうへと雲は移動します。 ;雲の種類 <gallery> ファイル:Img20050526 0007 at tannheim cumulus.jpg\|積雲（せきうん）。積雲の、雲の底は、平たい。モコモコしている雲。ファイル:Gewitterwolke superzelle.jpg\|積乱雲（せきらんうん）。俗に言う「入道雲」（にゅうどうぐも）。大雨や雷雨などの激しい気象を伴うことがある。ファイル:Cirrusclouds-Georgia-Oct1st.jpg\|巻雲（けんうん）。俗称では「すじぐも」とも言われるように、すじ状の雲である。ファイル:Enjugahama sea and sky 961104 Img383.jpg\|巻積雲（けんせきうん）。「まだらぐも」ともいう。 </gallery> ====季節と天気==== 季節によって天気の傾向が異なります。日本の場合の季節ごとの天気の特ちょうを、気圧の仕組みとからめて、のべます。春ユーラシア大陸で発生した高気圧と低気圧が、偏西風により交互に西からやってきて、日本上空を高気圧と低気圧が交互におとずれます。このため、天気が3～4日ぐらいごとに周期的に変わりやすくなります。俗に三寒四温（さんかんしおん）などと呼ばれます。それぞれ、移動性高気圧（いどうせいこうきあつ）と温帯低気圧（おんたいていきあつ）と呼ばれます。高気圧の時に天気がよくあたたかく、低気圧の時に天気が悪くなります。周期的な天気の変化を繰り返すうちに、月日が立つにつれ、だんだんとあたたかくなっていきます。 :* 梅雨 [[File:East asian baiu-front and air masses.png\|thumb\|東アジア地域での梅雨前線の様子。梅雨をもたらす4気団の位置及び梅雨期間中の勢力変化も示してある。このうち日本付近では、オホーツク海気団と小笠原気団により梅雨がもたらされる。]] :6月ごろに、雨の日が多くなります。また、雨の降る量も多いです。これを'''梅雨'''（「つゆ」、あるいは「ばいう」）といいます。 :この理由は、北側の冷たく湿った '''オホーツク海気団'''（オホーツクかいきだん）と、南側のあたたかく湿った太平洋側の '''小笠原気団'''（おがさわらきだん）が日本付近でぶつかりあい、そこで気団が動きにくくなるからです。 :気団の境界線のことを '''前線'''（ぜんせん）といいますが、梅雨をもたらす両気団の境界線上の前線を '''梅雨前線'''（ばいうぜんせん）といいます。衛星画像などの上空から雲の様子を見ると、東西にのびる雲で、雲に切れ目のなく、つながった雲が日本をおおっています。 :俗に言う「梅雨明け」（つゆあけ）です。その結果、夏が近づきます。 * 夏その結果、湿度と気温が高い、むしあつい日々が多くなります。なお、このような季節ごとの特ちょうのある風を '''季節風'''（きせつふう）といいます。夏は、晴れの日が多くなります。また、強い日差しのため地面があたためられ上昇気流が発生しますが、上空ですぐに冷やされるので積乱雲（いわゆる入道雲）が発生しやすく、そのため、雨天時は大雨や雷雨になりやすいです。いわゆる夕立（ゆうだち）です。気圧の配置は、南の気圧が高く、北の気圧が低い、南高北低（なんこうほくてい）です。 * 秋秋の天気も3～4日ぐらいごとに、周期的に変わることが多いです。ユーラシア大陸の長江気団の影響です。南の高気圧は弱まり、北の高気圧が強くなっていきます。梅雨には梅雨前線があったのと同様に、秋にも秋雨前線（あきさめぜんせん）により長雨がふることがあります。また、9月ごろに台風（たいふう）という、つよい風雨が発生することが多いです。周期的な天気の変化を繰り返すうちに、月日が立つにつれ、だんだんとさむくなっていきます。 :* 台風(たいふう) :夏の終わりごろ、太平洋の洋上で、強い日差しのため、大量の水蒸気が蒸発し、積乱雲などをともなう'''熱帯低気圧'''（ねったいていきあつ）が太平洋上で発達します。この夏の終わりごろの、南方からおとずれる熱帯低気圧が、強い風雨を発生させることが多く、この強い風雨を '''台風'''（たいふう）といいます。 :台風は、風速が秒速で '''17.2m/秒''' をこえる風を発生させる低気圧を台風といいます。 :台風は低気圧なので、ほかの低気圧と同様に、衛星から見た場合の風の向きは、反時計回りであり、雲は渦（うず）をまいています。台風の中心付近には雲がなく、中心では風も弱いです。この台風の中心の雲の少ない場所を'''台風の目'''（たいふうのめ）といいます。 :台風の目のま下は、風が弱いです。その周辺では、台風の中心に近づくほど風や雨が強いのです。 <gallery> File:Typhoon_200418_SONGDA.JPG\|宇宙から見た台風（平成16年,台風第18号） File:Maria, Bopha and Saomai 2006-08-07 0435Z.jpg\|日本の南にある3つの台風（平成18年,台風7,8,9号）。2006年8月7日。 File:台風の月別の主な経路.gif\|台風の月別の主な経路 </gallery> * 冬北西からやってきたシベリア気団に、日本がおおわれます。北西からの季節風が強いです。日本海側と太平洋側で天気が違うことが多いです。日本海側では、くもりや雪がふりやすいです。いっぽう太平洋側では、雪を降らせ終わったあとの乾いた風が吹くので、乾燥した晴れの日が太平洋側では多いです。 == 魚の育ちかた == ※注意この節では、メダカの飼育方法を解説していますが、責任は取りません。詳しくはページ末にリンクのある免責事項について、お読みください。飼育は、読者の自己責任です。この節では、メダカを例に魚の生まれ方を説明します。メダカの生まれかたを観察するにあたっては、メダカを飼わないと（かわないと）観察のしようがありませんね。 ===メダカの飼いかた=== メダカを飼う際は、次のような点に注意しましょう。水槽（すいそう）の用意・扱い方水槽の水は、水道水を用いる場合は、一日以上放置しといたくみおきの水が必要。決して出した直後の水道水を、そのまま使わないこと。水道水には、消毒用の薬品が入ってるので、くみおきをせずに水道水を直接あたえると、メダカを死なせてしまう。カルキ抜き（薬品を抜くもの。ホームセンターなどに売っている。）を使ってもよいでしょう。メダカを飼い続けると水が汚れてくるが、水を交換する時は、けっして一度には全部を交換せず、3分の一ぐらい、あるいは半分づつくみおきの水と交換する。一気に交換してしまうと、メダカがショック死してしまうことがある。水槽の底には、水でよく洗った石や砂をしきつめておく。水草を入れる。マツモやキンギョモなどの水草で良い。水槽を置く場所は、日光が直接には当たらない明るい場所に水槽を置く。まったく日光が当たらないと、水草が光合成をせず、水中の酸素が作られないのでダメ。日光が直接当たると水温が高くなる。魚の飼育用のヒーターが必要になる。また、水温を知るため、温度計が必要。メダカの世話の仕方入れるメダカの性別は、オスとメスとを、だいたい3匹くらいずつは入れる。メスだけでも卵は生まれるが、子供が生まれるにはオスが必要になるため。エサはメダカ用のエサか、金魚用のエサで良い。エサは1日につき1回か2回与える。一度に与える量は、エサを残さない程度。エサが余ると、余ったエサがくさるので、余らせないようにする。このほか、ミジンコや小さなイトミミズを、メダカは食べる。 *学校でメダカを飼育する場合、日曜日などの休日中もエサなどの世話をする必要があります。もし、連休などのあいだまったく世話をしないと、休み明けにメダカが死んでいる場合もありえます。学校の先生の指示に従って、休日中のエサやりなどは、対応してください。 ===メダカのからだ=== メダカに限らず、動物は性別によって体の特ちょうがオスとメスとで異なります。メダカのオスとメスとで体の特ちょうの違いは、次のようなものがあります。背びれと尻びれの形オスは背びれに切り込みがある。メスは背びれは切り込みがない。オスの尻びれは、尾に近づいても細くならず、平行四辺形のような形の尻びれである。メスの尻びれは、尾に近づくほど細くなる三角形のような形の尻びれである。 <gallery> Image:Oryzias latipes(Hamamatsu,Shizuoka,Japan,2007)-1.jpg\|メダカ（メス） Image:nihonmedaka.jpg\|メダカ（オス） </gallery> ===メダカの{{Ruby\|誕生\|たんじょう}}=== メダカのメスは水温が20℃～25℃くらいになると、産卵をする。水温が低すぎたり、水温が高すぎたりすると、産卵をしない。季節で言えば、3月の春頃から、秋のはじめの9月頃である。観察実験は、この時期にあわせると行いやすい。産卵したメスの尻（しり）のほうに、たまごが、いくつかついている。メダカのたまごは、透明で無色である。たまごの一個あたりの大きさは、だいたい直径が1.0mmから1.5mmくらいである。このような小さなたまごが、だいたい5個から10個くらいついている。メダカのメスは、一度の産卵（さんらん）で、たまごを5個から10個くらいうむ。なお、尻（しり）からたまごが出るのではなく、尻とはべつに、たまごを出すための穴が、魚のメスにはついている。オスがメスに並んで泳ぎよりそい、メスのたまごに'''精子'''（せいし）というものをふくんだ液をたまごにかけると、たまごに子供がやどる。このような、オスから出る精子をふくんだ液を精液（せいえき）という。精液には、とても多くの精子がふくまれている。もし、オスの精子がたまごにつかないと、たまごからは子供は生まれず、卵はそのままくさっていく。メスのたまごにオスの精子が、かかって、たまごに子がやどることを '''受精'''（じゅせい）という。オスの種類とメスの種類が同じでないと、たまごに精子をかけても、たまごに子は宿らない。メダカのたまごに、メダカ以外の、たとえばイワシの精子をかけても、子はやどらず受精をしない。また、1個のたまごに受精できる精子の数は、ふつう1個だけである。（たまごが受精すると、それ以上はべつの精子が近づいても受精しないように、たまごが変わる。）ほとんどの精子は、受精はできず、そのまま水中で死んでしまう。産卵が終わったら、メスは、たまごを水草にくっつける。メダカのたまごには、長い毛が、たまごの一部から、数本出ている。この毛は'''付着毛'''（ふちゃくもう）と呼ばれる。付着毛とは別に、短い毛がたまごに全体的に付いている。たまごと別のたまごの付着毛どうしがからみつき、たまごどうしがまとまる。この付着毛をメスが水草にまきつけることで、たまごを水草に固定している。たまごから、子がかえりやすい温度は、だいたい20℃から25℃までである。15℃くらいより低い温度だと、たまごがかえらず、死んでしまう。30℃くらいより高い温度でも、たまごが死んでしまう。 ====メダカのたまごのようす==== 受精したばかり…多くのあわのような粒が、全体的に散らばっている。数時間後…あわの粒が、いっぽうに集まり、いくつかの大きな丸い物になる。また、よくみると、つぶの集まった側に対する反対側が、盛り上がっている。 3日後ぐらい…大きな丸いものが、より粒が少なくなり、くっきりとしてくる。 8日後ぐらい…心臓のようなものが動き始めてるのが見えて、血液が流れているのが見える。 11日後ぐらい…子メダカが、たまごからかえる。これがメダカの'''ふ化'''である。子メダカの形はヒレは見られないものの、頭から尾まである。また、腹にふくらんだ '''ふくろ''' がある。この腹のふくろには養分が入っている。生まれたばかりの子メダカは、このふくろから栄養をとる。ふくろのある子メダカに、エサをあげても食べない。ふ化してから2日から3日ぶんくらいすると、ふくろが無くなり、子メダカはエサを食べるようになる。ふくろが小さくなった理由は、栄養として使われたからだと、考えられている。ふくろが無くなる頃には、体もふ化した直後よりかは、すこしだけ大きくなっている。メダカは種類にもよるが、4ヶ月くらいで親になる。寿命は1～2年くらいである。 == けんび鏡の使い方 == [[File:LaborMik2.jpg\|thumb\|200px\|left\|顕微鏡。　小学校・中学校のとは違うが、仕組みはだいたい同じであるはず。]] [[File:ステージ上下式顕微鏡イラストsvg.svg\|thumb\|ステージ上下式顕微鏡の各部の解説用のイラスト。]] [[File:鏡筒上下式顕微鏡イラスト.png\|thumb\|鏡筒上下式顕微鏡の解説イラスト。]] 顕微鏡のレンズには、接眼レンズと対物レンズの2種類が必要である。顕微鏡の倍率は、 :接眼レンズの倍率×対物レンズの倍率である。たとえば接眼レンズの倍率が15倍であり、対物レンズの倍率が4倍なら、顕微鏡の倍率は60倍である。（15×4＝60より）一般に小中学校などで使うような形式の顕微鏡の倍率は、40倍から600倍までである。ミジンコやミドリムシなど、いわゆる「微生物」と言われるものは、虫メガネなどでは倍率が小さすぎて確認できない場合が多い。微生物などは、顕微鏡以上で観察しよう。手順まず、'''プレパラート'''の用意が必要である。鏡筒上下式顕微鏡と、ステージ上下式顕微鏡のどちらとも、プレパラートが必要にななる。小学校では、プレパラートのつくり方は、習わないかもしれません。その場合でも、学校の先生などがプレパラートを作成しているはずです。このプレパラートの用意の方法を、つぎに説明します。 === プレパラート === [[Image:Microscope slide.jpg\|thumb\|right\|250px\|プレパラートとカバーガラス。細長いプレパラートの上に、中央に正方形状のカバーガラスが乗っている。]] 顕微鏡で観察する時は、'''プレパラート'''を使う必要がある。うすい物しか観察できない。あつい物を観察したい場合は、うすい切片にする必要がある。 # スライドガラスの上に、観察したい対象を乗せる。必要に応じて、対象物に水をスポイトなどで1滴たらして、水分を補う。 # 柄付き針（えつきばり）やピンセットで'''カバーガラス'''を乗せ、このとき空気のあわが入らないようにする。 # カバーガラスから、はみでた水を、ろ紙で吸い取る。 :（※　柄つき針を使ってる画像を募集中。だれか作ってください。） {{clear}} === 一般的な顕微（けんび）鏡の使用手順 === # まず、水平で直接日光の当たらない場所に、顕微鏡を置く。 # レンズを取り付ける時は、まずは<span style="color:red">'''接眼レンズ'''</span>を取り付け、次に<span style="color:red">'''対物レンズ'''</span>を取り付ける。この順番を逆にすると、もし鏡筒の内部にホコリなどが入ってしまうと、対物レンズの上にホコリが落ちてしまい邪魔になる。（外すときは、逆の順序である。対物レンズを外し、接眼レンズを外す。） # 対物レンズを、もっとも低倍率の物にセットし、次に接眼レンズをのぞきながら、視野全体が明るく見えるように<span style="color:red">'''反射鏡'''</span>としぼりを調節する。 # プレパラートをステージの上に乗せクリップで固定し、顕微鏡を横から見ながら、なるべく対物レンズとプレパラートを近づける。ピント合わせは、まだ行わない。なるべく近づける理由は、ピント合わせを行うとき、レンズとプレパラートとを離す方向でピント合わせを行うことで、ぶつからないようにするためである。 # 接眼レンズをのぞきながら、ピント合わせのため、対物レンズとプレパラートを離していくように、調節ねじをゆっくり回して調整する。以上の手順で、観察を始められる。さらに高倍率で観察したい場合には、対物レンズをレボルバーを回して、高倍率の対物レンズに替える。 [[File:顕微鏡での見たい方向と動かす方向.jpg\|400px\|thumb\|光学顕微鏡などでの、映像の動かしたい方向と、プレーパラートを動かす方向との関係を図示。]] 顕微鏡で見える像は、上下左右が反対に見える顕微鏡が普通である。なので、プレパラートを動かすと、像は反対方向に動いて見える。よって、プレパラートを動かしたい場合には、動かしたい方向とは反対の方向に動かす。いきなり、高倍率の対物レンズで観察すると、視野がせまいので調整が難しくなる。そのため、まずは低倍率の対物レンズを使用する。また、高倍率にするほど明るさは暗くなる。 {{clear}} == 動物の誕生（たんじょう） == === 魚などの場合 === 魚（たとえばメダカ）や両生類（たとえばカエル）などの水中の生き物では、メスがたまごを産卵したあとに、オスが精子をふくんだ精液（せいえき）を、たまごにかけることで、たまごが受精し、子がやどる。精子の中には、父親の体のつくりかたの情報をもっている '''遺伝子'''（いでんし）という物質がある。この精子のなかの遺伝子によって、父親の体の特ちょう（とくちょう）が、こどもに受けつがれる（うけつがれる）。卵のなかにも、母親の体のつくりかたの情報をもっている '''遺伝子'''（いでんし）という物質がある。この卵のなかの遺伝子によって、母親の体の特ちょう（とくちょうが、こどもに受けつがれる（うけつがれる）。こどもの特ちょう（とくちょう）は、父親からは精子のなかの遺伝子で、父親の特ちょうが子に受けつがれる。母親からは、母親の卵のなかの遺伝子で、母親の特ちょうが子に受けつがれる（うけつがれる）。なので、子の体は、父親と母親の両方の特ちょうを受けつぐ。魚では、母親が体外に出した卵に、オスが精子をふくんだ精液をかけるので、あった。しかし、陸上の生物は、この方法では、受精できない。精子は水中は泳げるが、精子は空中を飛べない。陸上生物では、魚とはちがった方法で、受精が行われる。 === 人のたんじょう === 生き物のうまれる仕組みを説明した。きみたち小学生も、（きみたちの）お母さんから、うまれてきたのです。 [[File:Placenta ja.svg\|left\|thumb\|(38 週目) 母親のおなかの中にいる、赤んぼう（あかんぼう）]] 女の人は、あかちゃん　が、体の中にできると、おなかが　大きくなります。おなかの中で、こどもが、できはじめるのを、妊娠（にんしん）と言います。「妊婦（にんぷ）さん」というのは、妊娠してる女の人のことです。また、おなかの中にいるときの赤んぼうのことを、胎児（たいじ）といいます。そして、おなかの中の赤ちゃん（胎児）は、お母さんの体から、栄養（えいよう）をもらって、おなかの中の赤ちゃん（胎児）は、すくすくと育っていきます。おなかの中の赤ちゃんと、お母さんは、'''へそのお'''で、つながっています。へそのおは、赤ちゃんに、栄養を、おくっています。お母さんが、赤ちゃんに、栄養をおくっているのです。空気も、へそのおをとおして、お母さんから、もらっているので、赤ちゃんはちっそくしないのです。おなかの中で赤ちゃんがそだちはじめてから、10か月ほどすると、お母さんは、赤ちゃんを体の外に出します。こうして、こどもは、うまれてくるのです。なお、お母さんが赤ちゃんを体の外に出すときのことを、出産（しゅっさん）といいます。こどもを「妊娠（にんしん）する」ということは、とっても体が、くるしいのです。それは「つわり」といって、はきけ　がするのです。でも、妊娠していたころのお母さんは、こどもをうみたかったから、つわりのくるしさを、がまんしているのです。さらに、こどもを産む直前は、とっても力いっぱい、ふんばる（踏ん張る）ので、（※　うんちをだすとき、ふんばりますよね？　おんなじように、こどもを出すとき、ふんばるのです。）とっても、くるしいのです。この出産のときの踏ん張り（ふんばり）は、排便（はいべん）の時よりも、もっとすっごく、ふんばっているのです。なので、すっごく、痛い（いたい）のです。この出産のときの痛さを陣痛（じんつう）といいます。ちなみに、へそのお　は、子供が出てきたばかりのときは、まだ、つながっています。出産したあと、へそのおを、ハサミで切るのです。 {{clear}} さらに、子供をうんだ後（あと）にも、子供をそだてるのも、すごく大変なのです。赤んぼうが、母親のおっぱいから出る、母乳（ぼにゅう）を飲むのは、出産が終わったあとです。つまり、赤んぼうが、母親の体の外に出たあとになって、それからいろいろあって、赤んぼうは、母親から出る母乳を飲むのです。赤んぼうが、おなかの中にいるときは、まだ、母乳を飲んでいません。 == 流れる水の力 == :※ この節では、川の流れのしくみについて説明しています。川や川の近くは、キケンな場所です。なので、小学生の読者のかたが、もし川を観察しに行く場合は、必ず保護者または先生に許可をとってから、保護者など大人の人といっしょに、川に出かけるようにしてください。けっして、子供どうしでは、あるいは一人では、川に出かけないでください。<br>川での実験や観測は、読者の自己責任（じこせきにん）です。<br>ウィキブックスには免責事項（めんせきじこう）があり、万が一、読者が水難事故にあわれても、ウィキブックスの一同は一切の責任は取りません。ページ末の免責事項についても、お読みください。川の周りには石が転がっていますね。それは、川の流れにのって石が運ばれてくるからです。<br/> ここでは、流れる水の影響を学びます。 === 流れる水のはたらき === 流れる水は、土や砂などを、おしながす・けずりとる・つもらせるの三つのはたらきがあり、頭文字をとってサルの<span style="color:red">おけつ</span>と覚えることができます。 [[ファイル:Vind i vand.jpg\|thumb\|right\|水たまり]] たとえば雨が降った日の水たまりなどをみると、最初は水がたまっていくだけですが、そのうち、水たまりから水があふれて、高いところから低いところに流れていき、とても小さな川のようになります。また、水たまりがいくつもあるので、小さな川もつながっていき、水たまりだったところも、いくつかつながっていきます。雨が上がってから、水が流れていた水たまりからつくられた小さな流れのあった場所を見ると分かるのですが、流れのあたっところが、けずりとられて、くぼんでいきます。雨の日の、土の上に出きた水たまりや水の流れなどでは、水が土をけずりとっているので、水はちゃいろく、にごっています。流れていった雨水や、水たまりにあった水は、そのあと、どこへ行くかというと、地下にしみこんで行ったり、あるいは、溝などに流れこんだりします。雨の日の水たまりからも、「おしながす・けずりとる・つもらせる」の三つの作用が確認できます。流れる水が地面を、けずり取る作用を '''しん食'''（しんしょく、侵食）と言います。けずり取られた土や砂は、そのまま流れによって下流へと運ばれていきますが、この運ぶ作用を'''運ぱん'''（うんぱん、運搬）といいます。この運ぱんは、水の流れが速いほど、大きな物が運べるようになります。水の流れがおそい場所では、運べなくなるので、その場所に、運んできた物が、たまっていきます。この、流れがおそい場所に、物がたまる作用を '''たい積'''（たいせき、堆積）と言います。'''算数で習う「体積」ではありません。''' けずる作用も運ぶ作用も、流れが速いほど、強くなります。 === 川の様子 === [[ファイル:鴨川デルタ.jpg\|thumb\|250px\|鴨川（左）と、高野川（右）]] 川の中での砂や石は、大きさや重さによって、流され方が、ちがう。砂と石なら、砂のほうが流されやすい。このように、つぶが小さな物ほど、ながされやすい。ねん土（ねんど、粘土）は、つぶ自体は細かいので、かわいた粘土や、固まっていない粘土は、流されやすいです。石でも、小石と大きな石だったら、小さい石ほど流されやすいです。川には、曲がっているところがある場合もあります。曲がっている川では、外側ほど流れが速く、内側は流れがおそいです。このため、外側は、しん食によってけずられるので、がけのように水深が深くなっています。いっぽう、内側は、たい積によって、石や砂や粘土がつもっています。このようにして、川の曲がりの内側では、川原（かわら）＜「河原」ということもあります。＞ができやすいです。上流 [[画像:Grand_Canyon_of_the_Yellowstone-Wyoming-USA.JPG\|V字谷。グランドキャニオン　オブ　ザ　イエローストーン（アメリカ合衆国イエローストーン国立公園）\|thumb]] 川に限らず、流れている物について、流れが始まっている場所を '''上流'''（じょうりゅう）と言います。たとえば、山から低地へと流れている川だったら、川の上流は、山のほうにあります。日本の場合、ふつうの川では、川の上流へと、たどっていけば、もっとも上流の場所は、山地です。このため、川の上流は、かたむきが急で、流れが速いです。水の量は、下流と比べて、上流は少ないです。上流にある石は、角ばった石が多いです。石は、下流へと近づくに連れて、流れの途中に、石どうしでぶつかったりして、かどが削り取られて丸く小さくなっていきますが、上流ではまだ削られてはいないので、石は角張っていて大きいです。 V字谷という地形ができやすい。 [[Image:Alluvial fan 01.JPG\|thumb\|left\|扇状地]] * 中流川が、山から平地に出たあたりを川の'''中流'''（ちゅうりゅう）と言います。中流にある石は、丸まった石が多いです。これは運ぱんのさい中に、石のかどが、石どうしでぶつかったりして、削り取られているからです。中流での石の大きさも、上流よりかは小さいのが、ふつうです。また、中流では流れが、ゆるやかになるので、たい積作用も見られやすく、川原がある場合もあります。川が山地から平地に出た地域の周辺では、土砂などが山側を中心に平地側へ扇状に広がって、たい積した扇状地（せんじょうち）という地形ができやすいです。 {{clear}} [[ファイル:Karasu,mie.jpg\|left\|雲出川の三角州（香良洲町）\|thumb]] * 下流下流では、流れが遅くなり、たい積作用が強まります。また下流での石は、小さく丸い石が多いです。下流に近づくほど、水量は多くなり、川幅（かわはば）もひろくなります。 {{clear}} === 川の水量が増えると === == もののとけ方 == コップの水に塩をいれてみます。食塩は見えなくなってしまいました。食塩はなくなってしまったのでしょうか。 :ここでは、コップに入れたものがどうなったのかなどを学びます。 * 水溶液（すいようえき）水は、食塩（しょくえん）や、砂糖（さとう）などを、溶かせます（とかせます）。砂糖（さとう）とは、なめると、あまいあじのする、あの「さとう」のことです。「水に溶ける」というのは、食塩を水に入れて、かきまぜると、目に見えなくなります。物（もの）によっては、水に溶けない物もあります。水に木をいれても、木はとけません。鉄や銅などの金属を水に入れても、溶けません。（木や金属を入れた水は、けっして、飲まないでください。） [[Image:SaltInWaterSolutionLiquid.jpg\|thumb\|水（みず）に、食塩（しょくえん）をとかして、食塩水（しょくえんすい）を作っているときの、ようす。]] 実験は、無理してしなくてもいいです。このように、物がとけた水のことを、 '''水溶液'''（すいようえき）といいます。食塩が溶けた水は、食塩の水溶液です。砂糖が溶けた水は、砂糖の水溶液です。ともかく、水は、塩や砂糖などを、とかせます。食塩（しょくえん）がとけた水（みず）のことを、 '''食塩水'''（'''しょくえんすい'''）といいます。海の水が、しょっぱいのは、海の水の中に、食塩が、とけているからです。なお、海の水のことを海水（かいすい）と、いいます。水に、物を溶かしたら、その溶かした量の重さだけ、水溶液（すいようえき）は、重くなります。たとえば、500グラムのなにも溶かしていない水に、これから20gの食塩を、溶かしたとしましょう。すると、食塩水の重さは、全部で520gになります。この増えた20gのぶんは、溶かした塩の重さと同じですね。溶かしたものは、べつに、消えてなくなったわけではありません。消えたのではなく、人間の目には見えなくなったというだけです。また、水に、物を溶かしても、水溶液の体積（たいせき）は、ほとんど変わりません。体積が一定の水は、塩や砂糖など、溶かせる物の量（りょう）に、かぎりがあります。水に、これ以上は、物が溶けなくなったことを、「水が、 '''ほうわ'''（飽和）した。」というふうにいいます。水溶液は、透明（「とうめい」、・・・すきとおっている、ということ。）色がついていても、すきとおっていれば透明です。水溶液の、温度があまり変わらなければ、長い時間がたっても、水溶液は、透明のままです。 [[File:Filterpapier rund.jpg\|thumb\|ろ紙]] 水よう液にとけた物を、ろ紙にとおすと、水と一緒に、溶けたものも、ろ紙（ろし）を通ります。水に、とけていない物は、ろ紙を、とおりません。水に多くの物が混ざって（まざって）いるとき、このように、ろ紙をもちいて、水に溶けている物と、水に解けていない物とを、分けることができます。この、ろ紙を用いて、水に溶けたものだけをふくんだ水を作り出すことを、 '''ろ過'''（ろか）といいます。ろ過の方法については、学校の教科書などを読んで、調べてください。 === ものを水にとかせる、物の量 === 水に溶かせる物の量（りょう）は、水の量が多いほど、溶かせる物の量も多くなります。水の量を2倍にすれば、とける食塩の量も2倍になります。とかされる物の種類によって、水の量が同じでも、溶ける物の量は、かわります。たとえば、20℃の、なにもとかしていない水100gがあったとします。これに、砂糖（さとう）は200gくらいまで、とけます。おなじ量の、20℃のまだ、なにもとかしていない水100gには、塩はこれから37gくらいまで、とけます。また、水の温度が高いほど、ほとんどの物質で、水に溶かせる物の量は増えます。 [[File:溶解度曲線 1.svg\|thumb\|500px\|いろいろな固体（こたい）の、溶解度曲線（ようかいどきょくせん）]] 溶かすものによって、温度を高くした時の、溶かせる量の増え方には、ちがいがあります。食塩は、水の温度を高くしても、溶ける量は増えるのですが、温度を高くしても、食塩の溶ける量が、あまり多くは増えまえん。砂糖（さとう）や、ホウ酸（ホウさん）は、温度を上げると、水に溶ける量は、大きく増えます。石灰水（せっかいすい）というものにふくまれている、水酸化カルシウム（すいさんかカルシウム）は、温度を上げると、逆に、水に溶ける量がへります。ある物体の、一定の量の水に、とける量の限度を溶解度（ようかいど）といいます。 {\| class="wikitable" \|+ いろいろな固体の、水100gに溶ける溶解度（g） ! 温度（℃）\|\| 0\|\| 20 \|\| 40 \|\| 60 \|\| 80 \|\| 100 \|- \|砂糖\|\| 179 \|\| 204 \|\| 238 \|\| 287 \|\| 362 \|\| 485 \|- \|塩化ナトリウム<br />（食塩）\|\| 35.6 \|\| 35.8 \|\| 36.3 \|\| 37.1 \|\| 38.0 \|\| 39.3 \|- \|硝酸カリウム\|\| 13.3 \|\| 31.6 \|\| 63.9 \|\| 110 \|\| 169 \|\| 246 \|- \|ホウ酸\|\| 2.7 \|\| 5.0 \|\| 8.7 \|\| 14.8 \|\| 23.6 \|\| 40.3 \|- \|硫酸銅\|\| 14.3 \|\| 20.7 \|\| 28.5 \|\| 40.0 \|\| 55.0 \|\| 75.4 \|- \|水酸化カルシウム\|\| 0.14 \|\| 0.13 \|\| 0.11 \|\| 0.09 \|\| 0.07 \|\| 0.05 \|- \|} ホウ酸や、水酸化カルシウムをとかした水溶液も、純水ではありません。 === とかしたものを取り出す === :※ この分野では、火を使います。あぶないので、小学生は、家庭では、実験しないでください。この分野の実験は、学校の理科の授業で、おこなってください。ろ紙を使った「ろ過」（ろか）によって、水にとけていないものは、水からは、取り出すことができます。しかし、水に溶けたものは、とりだすことができません。ろ過して、つくった液体は、水溶液であって、純水ではありません。では、水溶液から、溶けた物を取り出すのは、どうすればいいのでしょうか。方法は、いろいろとありますが、ここでは、蒸発（じょうはつ）をつかった方法を、教えます。蒸発（じょうはつ）については、小学校4年で教えているので、分からなかったら、読み返してください。食塩水から、食塩を取り出す方法を説明します。水は、100℃にすると、沸騰（ふっとう）して、水が水蒸気（すいじょうき）になって、たくさん蒸発（じょうはつ）します。蒸発皿（じょうはつざら）の中の水を熱して、100℃くらいにして、蒸発させれば、蒸発によって、蒸発皿の中の水は、水蒸気になって、外に出ていきます。しかし、水に溶けた食塩は、出て行きません。だから、蒸発皿の中に、食塩が、のこります。食塩水だけではなく、ホウ酸（ホウさん）の場合も、蒸発によって、水溶液から取り出すことができます。蒸発（じょうはつ）というのは、なにも、100℃くらいで沸騰させなくても、それよりひくい温度でも、おこるのでしたよね。洗濯物（せんたくもの）が、かわくのも、蒸発（じょうはつ）でしたね。 ;塩田 [[ファイル:MaraisSalant.JPG\|thumb\|塩田]] 海の水には、食塩が、溶けていましたね。だったら、海の水を、あたたかい日に、日光で蒸発させれば、海水から食塩が、多く、手に入ります。このように、海水を蒸発させて食塩を手に入れるための場所を塩田（えんでん）といいます。 ;結晶（けっしょう）食塩水を、蒸発皿で蒸発させると、皿の中に、白い、つぶつぶが、のこります。この白いつぶつぶは食塩です。蒸発皿を、さましてから、この蒸発皿にのこった、食塩の白いつぶつぶを顕微鏡で見ると、四角い立方体のような形をしていて、透明です。このように、水溶液から、液体を蒸発させて、とりだした固体は、規則ただしい形をしています。この顕微鏡で見られる規則ただしい形の固体を、 '''結晶'''（けっしょう）と言います。結晶の形は、物の種類によって、ちがってきます。食塩の結晶と、ミョウバンの結晶は、べつの形です。結晶の写真については、教科書や参考書や、ほかのウェブサイトを、参考にしてください。顕微鏡のつかいかたについては、学校で、習ってください。 == ふりこのはたらき == === ふりことおもりの重さ・ふれはば === [[File:Pendulum 30deg.gif\|left\|thumb\|ふりこ。<br>下のふりこだけを見てください。上のだ円は、気にしないでください。]] おもりを糸につけて横にふると、規則的(きそくてき)な動きかたをします。''''''ふりこ''''''とは、おもりに糸をつけて、左右にふらしたものです。ここでは、ふりこについて学びましょう。 [[File:Length-of-pendulum for-junior jp.svg\|thumb\|ふりこの長さ。]] * ふりこの長さ糸をまっすぐのばしたときの、支点と重りのあいだの長さを、'''ふりこの長さ'''といいます。（{{ruby\|厳密\|げんみつ\|}}には、支点と重りの中心の間の長さのことです。おもりをたらせば、糸はまっすぐにのびるので、かんたんに、はかれますね。 {{-}} [[File:The-amplitude-of-the-pendulum-for-junior jp.svg\|thumb\|300px\|left\|]] ふりこの左右の'''ふれはば'''（振れ幅）は、左右で同じになります。ふりこの左右の高さも、左右で同じになります。ふれはばの大きさを表す時は、きょり（距離）で表す場合と、角度であらわす場合があります。ふりこの速さを見ると分かるとおもいますが、ふれ（振れ）の、はじっこにちかづくほど、おそくなります。そして、はじっこに到達すると、こんどは反対方向に動きだします。ふりこのふれ（振れ）のまんなかにちかづくほど、動きがはやくなっています。まんなかでは、いちばん、速い（はやい）です。 :ふれの、はじっこでは、うごきが、おそい。 :ふれの、まんなかでは、うごきが、はやい。 ;ふりこの等時性じつは、ふりこの重さをかえても、もし、同じ糸をつかっていて、ふりこの長さがおなじなら、ふりこの往復にかかる時間は、かわりません。また、ふれはばを10度や20度にかえても、ふりこの往復にかかる時間は、かわりません。じっけんで時間をはかるときは、1回ごとに往復時間をはかるのは、大変です。なので、ふりこが10回、往復するのにかかった時間をはかって、その時間を10でわるのが、ふつうです。また、ふれはばを大きくして、往復の時間をはかっても、ふりこの1往復あたりの時間は、変わりません。文章で読んでもわかりづらいとおもいますが、実験すると、分かるかと思います。理科の授業などで、ふりこの実験があると思います。ふりこの実験で往復時間をはかる道具には、ストップウォッチをつかうかもしれません。いっぽう、ふりこの長さを変えて、往復にかかる時間をはかると、時間が変わります。実験すると、分かるかと思います。（{{ruby\|厳密\|げんみつ}}には、ふれはばによっても、わずかに変わることがあります。） {{clear}} 実験事実をまとめると、 :重さは、往復時間には、関係しない。 :ふれはばが小さいとき、ふれはばは、往復時間には関係しない。 :ふりこの長さが、往復時間には、関係'''する'''。このことを、 '''ふりこの等時性'''（とうじせい）といいます。 [[Image:Old Pendulum clock.jpg\|130px\|right\|thumb\|ふりこ時計]] ふりこのこのような性質を利用した時計があります。「ふりこ時計」（ふりこどけい）といいます。ふりこ時計は1657年に、ホイヘンスという科学者によって発明されました。 {{clear}} == 電流が生み出す磁力 == 結論から言おう。じつは、電流のまわりには、磁石のような「磁力」が、発生しているのである。ウソだと思うなら、理科の実験で使うような電気回路を、乾電池や導線や豆電球でつくってみて、導線に方位磁針を近づけて見ればいい。ただし、電流が小さいと、磁力が小さいので、磁力が、はっきりしないことがある。 [[画像:Solenoid-1.png\|thumb\|ぐるぐると、まくと、どうなる？<br>※ 画像の物は、導線では、ありません。なので、「まき方」だけを、参考にしてください。]] 電気の作る磁力を強くするには、鉄の棒（ぼう）に、導線をクルクルと何重にも、まきつけます。巻きつけられる金属の棒は、鉄のような磁気をおびる金ぞくでないと、ダメです。銅（ぼう）の棒では、磁化（じか）をしないので、ダメです。アルミニウムの棒も、磁化をしないので、ダメです。このように、磁化をすることのできる金属のぼうに、導線をまきつけたものを、'''コイル'''と言います。このコイルは、電気を流すと、磁石のように磁力を発生するので、'''電磁石'''（でんじしゃく）といいます。 ;電磁石の性質電磁石が磁力を発生するのは、電気を流しているあいだだけです。回路のスイッチを切ったり、電池をはずしたりして、電気を止めると、電磁石は、磁力をもたなくなります。電磁石にも、N極と、S極があります。電磁石でも、同じ極どうしは、反発し合います。電磁石でも、違う極どうしは、引きつけ合います。 ;電磁石を強くする電磁石のコイルは、まんなかの鉄の棒が無くても、電気を流せば、コイルは電磁石になります。ですが、鉄の棒が入ってないと、磁力は弱くなります。なので、ふつうの電磁石は、鉄の棒を入れていることが多いです。電磁石のコイルにいれる鉄の棒のことを、'''しん'''（芯）といいます。コイルの、導線をまく回数をふやしたら、どうなるでしょうか。 20回だけ導線をまいた電磁石と、50回だけ導線をまいた電磁石では、どちらが、磁力が強いでしょうか。じつは，導線をまいた回数が多くなるほど、電磁石の磁力は、強くなります。電磁石のコイルは、導線の巻き数（まきすう）が多くなるほど、電磁石の磁力も、つよくなります。また、電流が大きくなるほど、電磁石の磁力も大きくなります。たとえば、2つの乾電池を直列つなぎにして、１個の電磁石につなげると、１個の乾電池しか使っていない時よりも、電磁石の磁力は強くなります。 {{clear}} [[Category:小学校教育\|理5]] [[Category:理科教育\|小5]]	2008-03-10T09:00:00Z	2023-10-09T05:48:47Z	[ "テンプレート:Pathnav", "テンプレート:Ruby", "テンプレート:Clear", "テンプレート:-" ]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E5%B0%8F%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E7%90%86%E7%A7%91/5%E5%AD%A6%E5%B9%B4
8,028	総和・総積・テイラー展開	Maxima/総和・総積・テイラー展開に改名する予定です。 Maxima > 総和・総積・テイラー展開	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "Maxima/総和・総積・テイラー展開に改名する予定です。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "Maxima > 総和・総積・テイラー展開", "title": "" } ]	Maxima/総和・総積・テイラー展開に改名する予定です。 Maxima > 総和・総積・テイラー展開	{{stub}} Maxima/総和・総積・テイラー展開に改名する予定です。 <small> [[Maxima]] > 総和・総積・テイラー展開</small> ==総和== ==総積== ==テイラー展開== ;[[指数関数]]と[[自然対数]]: ;[[幾何級数]]: ;[[二項定理]]: ;[[三角関数]]: (%i1) TAYLOR(SIN(x), x, 0, 5) 3 5 x x (%o1)/T/ x - -- + --- + . . . 6 120 (%i2) TAYLOR(COS(x), x, 0, 5) 2 4 x x (%o2)/T/ 1 - -- + -- + . . . 2 24 (%i3) TAYLOR(TAN(x), x, 0, 5) 3 5 x 2 x (%o3)/T/ x + -- + ---- + . . . 3 15 (%i4) TAYLOR(SEC(x), x, 0, 5) 2 4 x 5 x (%o4)/T/ 1 + -- + ---- + . . . 2 24 ;[[双曲線関数]]: ==関連項目== ===Wikipedia=== * [[w:テイラー展開\|テイラー展開]] ===外部リンク=== * [http://maxima.sourceforge.net/docs/manual/en/maxima_30.html#IDX1039 Maxima Manual: 30. Series, Function: taylor] (英文の公式マニュアル) * [http://www.bekkoame.ne.jp/~ponpoko/Math/maxima/maxima_16.html#IDX507 日本語に翻訳中のマニュアル:関数:TAYLOR] [[カテゴリ:解析学\|そうわそうせきていらあてんかい]] [[カテゴリ:Maxima]]	2008-03-11T13:15:21Z	2024-03-15T18:37:13Z	[ "テンプレート:Stub" ]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E7%B7%8F%E5%92%8C%E3%83%BB%E7%B7%8F%E7%A9%8D%E3%83%BB%E3%83%86%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%83%BC%E5%B1%95%E9%96%8B
8,041	Maxima/面積計算座標法倍横距法	座標(1,1),(3,1),(3,3),(1,3)の多角形の面積を求める。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "座標(1,1),(3,1),(3,3),(1,3)の多角形の面積を求める。", "title": "多角形の面積計算" } ]	null	==多角形の面積計算== 座標(1,1),(3,1),(3,3),(1,3)の多角形の面積を求める。 ;[[座標法]]: /size:行列の寸法関数 area:面積計算関数/ size(Z):=block(fn(f):=1,C:matrixmap(fn,col(Z,1)),R:matrixmap(fn,row(Z,1)), return(matrix([transpose(C).C,R.transpose(R)])))$ area(B):=block(B:addcol(B,col(B,1)),B:addcol(B,col(B,2)), return(sum(B[1,i](B[2,i+1]-B[2,i-1]),i,(1+1),(size(B)[1,2]-2+1))/2))$ AT:matrix([1,1], [3,1], [3,3], [1,3] ); print("AT=",AT,"S=",area(transpose(AT)))$ ;[[倍横距法]]: ==関連項目== ===Wikipedia=== [[w:座標法\|座標法]] ===外部リンク=== * [http://maxima.sourceforge.net/docs/manual/en/maxima_6.html#IDX194 Maxima Manual: Function: sum (expr, i, i_0, i_1)] (英文の公式マニュアル) * [http://www.bekkoame.ne.jp/~ponpoko/Math/maxima/maxima_6.html#IDX216 日本語に翻訳中のマニュアル:関数: SUM (exp, ind, lo, hi) ] [[Category:Maxima\|めんせきけいさんさひょうほうはいよこくほう]]	null	2015-08-08T11:27:05Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/Maxima/%E9%9D%A2%E7%A9%8D%E8%A8%88%E7%AE%97_%E5%BA%A7%E6%A8%99%E6%B3%95_%E5%80%8D%E6%A8%AA%E8%B7%9D%E6%B3%95
8,042	会社法第941条	法学>民事法>商法>コンメンタール会社法>第7編雑則 (コンメンタール会社法)>会社法第941条 (電子公告調査)	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "法学>民事法>商法>コンメンタール会社法>第7編雑則 (コンメンタール会社法)>会社法第941条", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "(電子公告調査)", "title": "条文" } ]	法学＞民事法＞商法＞コンメンタール会社法＞第7編雑則 (コンメンタール会社法)＞会社法第941条	[[法学]]＞[[民事法]]＞[[商法]]＞[[コンメンタール会社法]]＞[[第7編雑則 (コンメンタール会社法)]]＞[[会社法第941条]] ==条文== （電子公告調査） ;第941条 : この法律又は他の法律の規定による公告（[[会社法第440条\|第440条]]第1項の規定による公告を除く。以下この節において同じ。）を電子公告によりしようとする会社は、公告期間中、当該公告の内容である情報が不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置かれているかどうかについて、法務省令で定めるところにより、法務大臣の登録を受けた者（以下この節において「調査機関」という。）に対し、調査を行うことを求めなければならない。 ==解説== ==関連条文== ---- {{前後 \|[[コンメンタール会社法\|会社法]] \|[[第7編雑則 (コンメンタール会社法)\|第7編雑則]]<br> [[第7編雑則 (コンメンタール会社法)#5\|第5章公告]]<br> [[第7編雑則 (コンメンタール会社法)#5-2\|第2節電子公告調査機関]]<br> \|[[会社法第940条]]<br>（電子公告の公告期間等） \|[[会社法第942条]]<br>（登録） }} {{stub}} [[category:会社法\|941]]	null	2022-06-03T23:20:50Z	[ "テンプレート:前後", "テンプレート:Stub" ]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E6%B3%95%E7%AC%AC941%E6%9D%A1
8,054	Blender 3D	By Blender 3D 目次 >> ここではBlender 3.6についてを扱います。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "By Blender 3D", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "目次 >>", "title": "" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "ここではBlender 3.6についてを扱います。", "title": "" } ]	null	<div class="center">''Welcome to the WikiBook on''<br><big><big><big>'''Blender 3D'''</big></big></big> [[Image:Lone House.jpg\|center\|500px]] '''By Blender 3D''' <big>'''[[Blender 3D/目次\|目次 >>]]'''</big> ここではBlender 3.6についてを扱います。 [[Category:ソフトウェアのマニュアル\|Blender]] [[Category:Blender 3D\|*]] [[de:Blender 3D]] [[en:Subject:Blender 3D]] [[fi:Blender]] [[fr:Blender3D]] [[hu:Blender 3D]] [[it:Blender]] [[pt:Tornando-se profissional em Blender 3D]]	2008-03-16T06:20:29Z	2024-03-26T10:09:15Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/Blender_3D
8,057	Blender 3D/システム条件	以下はBlender 2.45における。使用可能なシステム条件です。	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "以下はBlender 2.45における。使用可能なシステム条件です。", "title": "" } ]	以下はBlender 2.45における。使用可能なシステム条件です。	以下はBlender 2.45における。使用可能なシステム条件です。 == OS == Microsoft Windows Microsoft Windows 98 Microsoft Windows ME Microsoft Windows 2000 Microsoft Windows XP Microsoft Windows Vista Mac OS X Mac OS X v10.3以降 OpwerPC G4&G5、Intel Mac Linux Solaris FreeBSD *Irix [[Category:Blender 3D]]	null	2008-03-17T13:52:50Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/Blender_3D/%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0%E6%9D%A1%E4%BB%B6
8,058	Blender 3D/Blenderについて	Blenderは、オープンソースの3DCGソフトウェアです。3Dモデルの作成やアニメーション、レンダリングなど、3DCGにおける主要な機能を多く備えています。もともとオランダのアニメーションスタジオ内のインハウスツールでしたが、後に設計者がNot a Number Technologies (NaN)を設立、Blenderの無償配布を開始しました。その後Blenderは順調に発展を遂げ、現在では各国の大企業でも認められる、無料にしては極めて高性能で、市販の3DCGソフトウェアにも負けないくらいの性能を誇っています。 2024年現在はバージョン4番台までリリースされていますが、この記事ではVer.2.45を前提に書かれています。以下はBlender 2.45における。使用可能なシステム条件です。 Blenderの最新版のダウンロードは、Blender公式サイトにある以下のサイトから可能です。システム条件については、システム条件の記事をご参照ください。ダウンロード後Blenderを実行すると、外国語で書かれたインストールウィザードの画面が表示されます。それぞれの画面でNextを押し、先に進みます。途中でライセンスに関する画面が出てきますが、同意する場合(インストールを実行する場合)はI Agreeを、キャンセルする場合(インストールを中断する場合)はCancelをクリックします。次に、コンポーネントに関する画面が出てきます。ここでの入力は任意で、入力をしたくない場合はチェックを外して先に進んでください。次に、インストール先に関する画面が出てきます。デフォルト(自動指定の状態)でインストール先を選択しますが、別の場所がよい場合はBrowse...をクリックし、別のインストール先を選択します。次に、ユーザーデータファイルに関する画面が表示されます。ここでの設定変更も任意であり、デフォルトの状態で先に進んでもかまいません。最後に、Installをクリックし、インストールが行われます。インストール後、Runをクリックすると、自動的にインストールが完了したBlenderが起動します、	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "Blenderは、オープンソースの3DCGソフトウェアです。3Dモデルの作成やアニメーション、レンダリングなど、3DCGにおける主要な機能を多く備えています。", "title": "はじめに" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "もともとオランダのアニメーションスタジオ内のインハウスツールでしたが、後に設計者がNot a Number Technologies (NaN)を設立、Blenderの無償配布を開始しました。その後Blenderは順調に発展を遂げ、現在では各国の大企業でも認められる、無料にしては極めて高性能で、市販の3DCGソフトウェアにも負けないくらいの性能を誇っています。", "title": "はじめに" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "2024年現在はバージョン4番台までリリースされていますが、この記事ではVer.2.45を前提に書かれています。", "title": "はじめに" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "以下はBlender 2.45における。使用可能なシステム条件です。", "title": "OS" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "Blenderの最新版のダウンロードは、Blender公式サイトにある以下のサイトから可能です。", "title": "導入" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "システム条件については、システム条件の記事をご参照ください。", "title": "導入" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "ダウンロード後Blenderを実行すると、外国語で書かれたインストールウィザードの画面が表示されます。", "title": "導入" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "それぞれの画面でNextを押し、先に進みます。途中でライセンスに関する画面が出てきますが、同意する場合(インストールを実行する場合)はI Agreeを、キャンセルする場合(インストールを中断する場合)はCancelをクリックします。", "title": "導入" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "次に、コンポーネントに関する画面が出てきます。ここでの入力は任意で、入力をしたくない場合はチェックを外して先に進んでください。", "title": "導入" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "次に、インストール先に関する画面が出てきます。デフォルト(自動指定の状態)でインストール先を選択しますが、別の場所がよい場合はBrowse...をクリックし、別のインストール先を選択します。", "title": "導入" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "次に、ユーザーデータファイルに関する画面が表示されます。ここでの設定変更も任意であり、デフォルトの状態で先に進んでもかまいません。", "title": "導入" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "最後に、Installをクリックし、インストールが行われます。インストール後、Runをクリックすると、自動的にインストールが完了したBlenderが起動します、", "title": "導入" } ]	null	== はじめに == '''Blender'''は、オープンソースの3DCGソフトウェアです。3Dモデルの作成やアニメーション、レンダリングなど、3DCGにおける主要な機能を多く備えています。 [[画像:Blender_3.3.0_screenshot.png\|right\|250px]] もともとオランダのアニメーションスタジオ内のインハウスツールでしたが、後に設計者がNot a Number Technologies (NaN)を設立、Blenderの無償配布を開始しました。その後Blenderは順調に発展を遂げ、現在では各国の大企業でも認められる、無料にしては極めて高性能で、市販の3DCGソフトウェアにも負けないくらいの性能を誇っています。 2024年現在はバージョン4番台までリリースされていますが、この記事ではVer.3.6を前提に書かれています。 == 何が出来るか == {{節stub}} 加筆予定です。[[w:Blender#機能]]も参照してください == 導入 == === ダウンロード === Blenderの最新版のダウンロードは、Blender公式サイトにある以下のサイトから可能です。 * [http://www.blender.org/download/get-blender/ www.blender.org/download/get-blender] システム条件は[https://www.blender.org/download/requirements/ 公式サイト]から確認してください。 === インストール === ダウンロード後Blenderを実行すると、外国語で書かれたインストールウィザードの画面が表示されます。それぞれの画面で'''Next'''を押し、先に進みます。途中でライセンスに関する画面が出てきますが、同意する場合（インストールを実行する場合）はI''' Agree'''を、キャンセルする場合（インストールを中断する場合）は'''Cancel'''をクリックします。次に、コンポーネントに関する画面が出てきます。ここでの入力は任意で、入力をしたくない場合はチェックを外して先に進んでください。次に、インストール先に関する画面が出てきます。デフォルト（自動指定の状態）でインストール先を選択しますが、別の場所がよい場合は'''Browse...'''をクリックし、別のインストール先を選択します。次に、ユーザーデータファイルに関する画面が表示されます。ここでの設定変更も任意であり、デフォルトの状態で先に進んでもかまいません。最後に、'''Install'''をクリックし、インストールが行われます。インストール後、'''Run'''をクリックすると、自動的にインストールが完了したBlenderが起動します、 * '''注意 : 一部のOSでは、以下の状態にしないとインストールが正常に実行できない場合があります。''' '''他のアプリケーションなどをすべて終了させる。''' '''管理者権限のユーザーにする。''' [[Category:Blender 3D]]	2008-03-16T14:31:13Z	2024-03-26T13:44:34Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/Blender_3D/Blender%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6
8,059	Blender 3D/ダウンロードとインストール	Blenderの最新版のダウンロードは、Blender公式サイトにある以下のサイトから可能です。システム条件については、システム条件の記事をご参照ください。ダウンロード後Blenderを実行すると、外国語で書かれたインストールウィザードの画面が表示されます。それぞれの画面でNextを押し、先に進みます。途中でライセンスに関する画面が出てきますが、同意する場合(インストールを実行する場合)はI Agreeを、キャンセルする場合(インストールを中断する場合)はCancelをクリックします。次に、コンポーネントに関する画面が出てきます。ここでの入力は任意で、入力をしたくない場合はチェックを外して先に進んでください。次に、インストール先に関する画面が出てきます。デフォルト(自動指定の状態)でインストール先を選択しますが、別の場所がよい場合はBrowse...をクリックし、別のインストール先を選択します。次に、ユーザーデータファイルに関する画面が表示されます。ここでの設定変更も任意であり、デフォルトの状態で先に進んでもかまいません。最後に、Installをクリックし、インストールが行われます。インストール後、Runをクリックすると、自動的にインストールが完了したBlenderが起動します、	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "Blenderの最新版のダウンロードは、Blender公式サイトにある以下のサイトから可能です。", "title": "ダウンロード" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "システム条件については、システム条件の記事をご参照ください。", "title": "ダウンロード" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "ダウンロード後Blenderを実行すると、外国語で書かれたインストールウィザードの画面が表示されます。", "title": "インストール" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "それぞれの画面でNextを押し、先に進みます。途中でライセンスに関する画面が出てきますが、同意する場合(インストールを実行する場合)はI Agreeを、キャンセルする場合(インストールを中断する場合)はCancelをクリックします。", "title": "インストール" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "次に、コンポーネントに関する画面が出てきます。ここでの入力は任意で、入力をしたくない場合はチェックを外して先に進んでください。", "title": "インストール" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "次に、インストール先に関する画面が出てきます。デフォルト(自動指定の状態)でインストール先を選択しますが、別の場所がよい場合はBrowse...をクリックし、別のインストール先を選択します。", "title": "インストール" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "次に、ユーザーデータファイルに関する画面が表示されます。ここでの設定変更も任意であり、デフォルトの状態で先に進んでもかまいません。", "title": "インストール" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "最後に、Installをクリックし、インストールが行われます。インストール後、Runをクリックすると、自動的にインストールが完了したBlenderが起動します、", "title": "インストール" } ]	null	== ダウンロード == Blenderの最新版のダウンロードは、Blender公式サイトにある以下のサイトから可能です。 * [http://www.blender.org/download/get-blender/ www.blender.org/download/get-blender] システム条件については、[[Blender 3D/システム条件\|システム条件]]の記事をご参照ください。 == インストール == ダウンロード後Blenderを実行すると、外国語で書かれたインストールウィザードの画面が表示されます。それぞれの画面で'''Next'''を押し、先に進みます。途中でライセンスに関する画面が出てきますが、同意する場合（インストールを実行する場合）はI''' Agree'''を、キャンセルする場合（インストールを中断する場合）は'''Cancel'''をクリックします。次に、コンポーネントに関する画面が出てきます。ここでの入力は任意で、入力をしたくない場合はチェックを外して先に進んでください。次に、インストール先に関する画面が出てきます。デフォルト（自動指定の状態）でインストール先を選択しますが、別の場所がよい場合は'''Browse...'''をクリックし、別のインストール先を選択します。次に、ユーザーデータファイルに関する画面が表示されます。ここでの設定変更も任意であり、デフォルトの状態で先に進んでもかまいません。最後に、'''Install'''をクリックし、インストールが行われます。インストール後、'''Run'''をクリックすると、自動的にインストールが完了したBlenderが起動します、 * '''注意 : 一部のOSでは、以下の状態にしないとインストールが正常に実行できない場合があります。''' '''他のアプリケーションなどをすべて終了させる。''' '''管理者権限のユーザーにする。''' [[Category:Blender 3D]]	null	2008-03-17T14:14:05Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/Blender_3D/%E3%83%80%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%89%E3%81%A8%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%AB
8,060	民事訴訟法第38条	法学>民事法>コンメンタール民事訴訟法 (共同訴訟の要件) 訴えの主観的併合について定めた規定である。民事訴訟法第7条後段	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "法学>民事法>コンメンタール民事訴訟法", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "(共同訴訟の要件)", "title": "条文" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "訴えの主観的併合について定めた規定である。", "title": "解説" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "民事訴訟法第7条後段", "title": "参照条文" } ]	法学＞民事法＞コンメンタール民事訴訟法	[[法学]]＞[[民事法]]＞[[コンメンタール民事訴訟法]] ==条文== （[[共同訴訟]]の要件） ;第38条 : 訴訟の目的である権利又は義務が数人について共通であるとき、又は同一の事実上及び法律上の原因に基づくときは、その数人は、共同訴訟人として訴え、又は訴えられることができる。訴訟の目的である権利又は義務が同種であって事実上及び法律上同種の原因に基づくときも、同様とする。 ==解説== 訴えの主観的併合について定めた規定である。 ==参照条文== [[民事訴訟法第7条]]後段 ==判例== # [http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=55199 損害賠償]（最高裁判例昭和62年7月17日）[[民事訴訟法第152条]] #;いわゆる訴えの主観的追加的併合の許否 #:甲の乙に対する訴訟の係属後にされた甲の丙に対する訴訟を追加して提起する旨の申立ては、両訴訟につき民訴法59条（現本条）所定の要件が具備する場合であつても、乙に対する訴訟に当然に併合される効果を生ずるものではない。 ---- {{前後 \|[[コンメンタール民事訴訟法\|民事訴訟法]] \|[[コンメンタール民事訴訟法#1\|第1編　総則]]<br> [[コンメンタール民事訴訟法#1-3\|第3章当事者]]<br> [[コンメンタール民事訴訟法#1-3-2\|第2節共同訴訟]] \|[[民事訴訟法第37条\|第37条]]<br>（法人の代表者等への準用） \|[[民事訴訟法第39条\|第39条]]<br>（共同訴訟人の地位） }} {{stub\|law}} [[category:民事訴訟法\|038]]	2008-03-16T23:00:34Z	2023-12-22T17:29:26Z	[ "テンプレート:Stub", "テンプレート:前後" ]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E6%B0%91%E4%BA%8B%E8%A8%B4%E8%A8%9F%E6%B3%95%E7%AC%AC38%E6%9D%A1
8,061	民事訴訟法第7条	法学>民事法>コンメンタール民事訴訟法>民事訴訟法第7条 (併合請求における管轄)	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "法学>民事法>コンメンタール民事訴訟法>民事訴訟法第7条", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "(併合請求における管轄)", "title": "条文" } ]	法学＞民事法＞コンメンタール民事訴訟法＞民事訴訟法第7条	[[法学]]＞[[民事法]]＞[[コンメンタール民事訴訟法]]＞[[民事訴訟法第7条]] ==条文== （併合請求における管轄） ;第7条 : 一の訴えで数個の請求をする場合には、[[民事訴訟法第4条\|第4条]]から[[民事訴訟法第6条\|前条]]まで（[[民事訴訟法第6条\|第6条]]第3項を除く。）の規定により一の請求について管轄権を有する裁判所にその訴えを提起することができる。ただし、数人からの又は数人に対する訴えについては、[[民事訴訟法第38条\|第38条]]前段に定める場合に限る。 ==解説== ==参照条文== ==判例== ---- {{前後 \|[[コンメンタール民事訴訟法\|民事訴訟法]] \|[[コンメンタール民事訴訟法#1\|第1編　総則]]<br> [[コンメンタール民事訴訟法#1-2\|第2章裁判所]]<br> [[コンメンタール民事訴訟法#1-2-2\|第2節管轄]] \|[[民事訴訟法第6条の2\|第6条の2]]<br>（意匠権等に関する訴えの管轄） \|[[民事訴訟法第8条\|第8条]]<br>（訴訟の目的の価額の算定） }} {{stub}} [[category:民事訴訟法\|007]]	null	2023-01-02T02:31:46Z	[ "テンプレート:前後", "テンプレート:Stub" ]	https://ja.wikibooks.org/wiki/%E6%B0%91%E4%BA%8B%E8%A8%B4%E8%A8%9F%E6%B3%95%E7%AC%AC7%E6%9D%A1
8,063	Maxima/行列操作	参考 GNU Octave: 3.3 size (a,n) 参考 MATLAB Function Reference	[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "参考 GNU Octave: 3.3 size (a,n)", "title": "行列のサイズ" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "参考 MATLAB Function Reference", "title": "対角行列の作成" } ]	null	==行列のサイズ== [http://www.obihiro.ac.jp/~suzukim/masuda/octave/html/octave_20.html#SEC49 参考 GNU Octave: 3.3 size (a,n)] size(Z):=block(fn(f):=1,C:matrixmap(fn,col(Z,1)),R:matrixmap(fn,row(Z,1)), return(matrix([transpose(C).C,R.transpose(R)])))$ a:matrix([1,2],[3,4],[5,6]);size(a); ==対角行列の作成== [ftp://ftp.eng.auburn.edu/pub/bhidetm/t/jhelp/techdoc/ref/diag.html 参考 MATLAB Function Reference] size(Z):=block(fn(f):=1,C:matrixmap(fn,col(Z,1)),R:matrixmap(fn,row(Z,1)), return(matrix([transpose(C).C,R.transpose(R)])))$ diag(v):=block(n:size(listarray(y))[1,2], P:zeromatrix(n,n), FOR i:1 THRU n STEP 1 DO P[i,i]:y[i], return(P))$ y[1]:1;y[2]:2;y[3]:3;diag(y); ==座標変換== ==姉妹リンク== * [[w:行列]] * [[物理数学I 線形代数]] ==外部リンク== * [http://maxima.sourceforge.net/docs/manual/en/maxima_25.html#SEC81 Maxima Manual 25. Matrices and Linear Algebra] (英文の公式マニュアル) * [http://www.bekkoame.ne.jp/~ponpoko/Math/maxima/maxima_24.html#SEC81 日本語に翻訳中のマニュアル: 24. 行列と線形代数] [[Category:Maxima\|きようれつそうさ]]	null	2015-08-08T11:27:01Z	[]	https://ja.wikibooks.org/wiki/Maxima/%E8%A1%8C%E5%88%97%E6%93%8D%E4%BD%9C

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